JP2011230448A - 熱変色性筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】筆記時に摩擦体が汚れることを回避でき、また、机上に安定して置くことができ、しかも、ペンケース等に収容する必要がない熱変色性筆記具を提供する。
【解決手段】筆記具本体2の内部に熱変色性インキを収容する。筆記具本体2の前端に、熱変色性インキが吐出可能なペン先を設ける。筆記具本体2の外面に、熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡が熱変色可能な弾性材料からなる摩擦体3を着脱自在に設ける。摩擦体3が、前後方向に貫通する取付孔32を備える。摩擦体3の取付孔32の内面に筆記具本体2の後部外面が嵌合させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱変色性筆記具に関する。
特許文献1には、筆記具本体の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記具本体の前端に、熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記筆記具本体の外面に、熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡が熱変色可能な摩擦部を設けた熱変色性筆記具であって、筆記具本体の前部外面に弾性部材を設け、前記弾性部材が、筆記時には手指等で把持可能な把持部となり、熱変色性インキの筆跡を摩擦する際には把持部及び摩擦部となることを特徴とする熱変色性筆記具が記載されている。
特開2009−20831号公報
前記従来の熱変色性筆記具は、摩擦部が手指で把持可能な把持部を兼ねるため、筆記時の把持によって摩擦部の表面が汚れ、前記汚れた摩擦部で被筆記面(例えば紙面)を摩擦すると被筆記面が汚れるおそれがある。また、前記従来の熱変色性筆記具は、筆記具本体が机上を転がりやすく、安定して机上に置くことが困難である。また、前記従来の熱変色性筆記具は、複数の筆記具本体を携帯する場合、ペンケース等に収容する必要があり、ペンケースが嵩張り不便である。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、筆記時に摩擦体が汚れることを回避でき、また、机上に安定して置くことができ、しかも、ペンケース等に収容する必要がない熱変色性筆記具を提供しようとするものである。
[1]本願の第1の発明は、筆記具本体2の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記具本体2の前端に、熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記筆記具本体2の外面に、熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡が熱変色可能な弾性材料からなる摩擦体3を着脱自在に設けた熱変色性筆記具であって、前記摩擦体3が、前後方向に貫通する取付孔32を備え、前記摩擦体3の取付孔32の内面を筆記具本体2の後部外面に嵌合させたことを要件とする。
前記第1の発明の熱変色性筆記具1は、前記摩擦体3が、前後方向に貫通する取付孔32を備え、前記摩擦体3の取付孔32の内面を筆記具本体2の後部外面に着脱自在に嵌合させたことにより、筆記時に摩擦体3が汚れることを回避できる。
[2]本願の第2の発明は、前記第1の熱変色性筆記具1において、前記摩擦体3の外面に転がり防止用の凸部33を設けたことを要件とする。
前記第2の発明の熱変色性筆記具1は、前記摩擦体3の外面に転がり防止用の凸部33を設けたことにより、摩擦体3が取り付けられた状態の筆記具本体2を机上に安定して置くことができる。
[3]本願の第3の発明は、前記第1または第2の熱変色性筆記具1において、前記摩擦体3の外面に他の摩擦体3の外面の連結部と互いに連結可能な連結部34・35(例えば連結凸部34及び連結凹部35)を設けたことを要件とする。
前記第3の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体3の外面に他の摩擦体3の外面の連結部と互いに連結可能な連結部34・35(例えば連結凸部34及び連結凹部35)を設けたことにより、複数の筆記具本体2を備え、各々の筆記具本体2の後部外面に摩擦体3を取り付けた場合、一つの摩擦体3の連結部34(例えば連結凸部34)が、他の摩擦体3の連結部35(例えば連結凹部35)に係合固定され、筆記具本体2の相互間が連結される。それにより、複数の筆記具本体2をペンケース等に収容することが不要となり、携帯に便利となる。
・熱変色性インキ
前記熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
また、前記可逆熱変色性インキに含有される色材は、従来より公知の(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、の必須三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた可逆熱変色性顔料が好適に用いられる。
本実施の形態では、図7に示すように、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、または完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で記憶保持できる色彩記憶保持型熱変色性インキが適用される。図7において、ΔHは、ヒステリシスの程度を示す温度幅(即ちヒステリシス幅)を示す。ΔHの値が小さいと、変色前後の両状態のうち一方の状態しか存在しえない。ΔHの値が大きいと、変色前後の各状態の保持が容易となる。
本実施の形態では、摩擦体3の摩擦熱による前記熱変色性インキの変色温度は、25℃〜95℃(好ましくは36℃〜95℃)に設定される。即ち、本発明では、前記高温側変色点〔完全消色温度(t)〕を、25℃〜95℃(好ましくは、36℃〜90℃)の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度(t)〕を、−30℃〜+20℃(好ましくは、−30℃〜+10℃)の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができるとともに、可逆熱変色性インキによる筆跡を摩擦体3による摩擦熱で容易に変色することができる。
・摩擦体
尚、本発明で、摩擦体3は、弾性を有する樹脂(ゴム、エラストマー)により構成されることが好ましい。前記弾性を有する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記摩擦体3を構成する弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に磨耗屑が生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
本発明の熱変色性筆記具は、筆記時に摩擦体が汚れることを回避できる。
本発明の第1の実施の形態の側面図である。 (a)が(b)のA−A線断面図であり、(b)が図1の摩擦体の側面図である。 図1の筆記具本体の複数本を連結した状態を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態の側面図である。 (a)が(b)のB−B線断面図であり、(b)が図4の摩擦体の側面図である。 図4の筆記具本体の複数本を連結した状態を示す平面図である。 熱変色性インキの変色挙動を示す説明図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3に示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、筆記具本体2と、該筆記具本体2の後部外面に着脱自在に取り付けられる摩擦体3とからなる。
前記筆記具本体2は、後端のノック部21を前方に押圧操作することによってペン先が出没する出没式筆記具である。
前記摩擦体3は弾性材料から一体に形成される。前記摩擦体3は、筒状部31と、転がり防止用の凸部33(クリップ)とが一体に連設される。
前記筒状部31には、前後方向に取付孔32が貫設される。また、前記筒状部31には、前後方向にスリット36が貫設され、それにより、筒状部31の弾性変形を容易にし、筆記具本体2との容易な着脱を可能にする。
前記筒状部31の外面には、連結凸部34及び連結凹部35が形成される。前記連結凸部34は、他の摩擦体3の連結凹部35が係合可能であり、前記連結凹部35は、他の摩擦体3の連結凸部34が係合可能である。連結凸部34及び前記連結凹部35は、軸心に対して対称位置に設けられる。それにより、複数の筆記具本体2を、摩擦体3を介して横一列に連結することができる。(図3参照)
前記転がり防止用の凸部33は、クリップを兼ねる。筆記具本体2に摩擦体3を取り付けた際、前記クリップと筆記具本体2の後部外面とにより、ポケット等の被挟持物を挟持可能である。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、前記摩擦体3が、前後方向に貫通する取付孔32を備え、前記摩擦体3の取付孔32の内面を筆記具本体2の後部外面に着脱自在に嵌合させたことにより、筆記時に摩擦体3が汚れることを回避できる。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、前記摩擦体3の外面に転がり防止用の凸部33を設けたことにより、摩擦体3が取り付けられた状態の筆記具本体2を机上に安定して置くことができる。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3の外面に連結凸部34及び連結凹部35を設けたことにより、複数の筆記具本体2を備え、各々の筆記具本体2の後部外面に摩擦体3を取り付けた場合、一つの摩擦体3の連結凸部34が、他の摩擦体3の連結凹部35に係合固定され、筆記具本体2の相互間が連結される。それにより、複数の筆記具本体2をペンケース等に収容することが不要となり、携帯に便利となる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図4乃至図6に示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、筆記具本体2と、該筆記具本体2の後部外面に着脱自在に取り付けられる摩擦体3とからなる。
前記筆記具本体2は、後端のノック部21を前方に押圧操作することによってペン先が出没する出没式筆記具である。
前記摩擦体3は弾性材料から一体に形成される。前記摩擦体3は、筒状部31と、転がり防止用の凸部33とが一体に連設される。
前記筒状部31には、前後方向に取付孔32が貫設される。また、前記筒状部31には、前後方向にスリット36が貫設され、それにより、筒状部31の弾性変形を容易にし、筆記具本体2との容易な着脱を可能にする。
前記筒状部31の外面には、連結凸部34及び連結凹部35が形成される。前記連結凸部34は、他の摩擦体3の連結凹部35が係合可能であり、前記連結凹部35は、他の摩擦体3の連結凸部34が係合可能である。連結凸部34及び前記連結凹部35は、軸心に対して対称位置に設けられる。それにより、複数の筆記具本体2を、摩擦体3を介して横一列に連結することができる。(図6参照)
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、前記摩擦体3が、前後方向に貫通する取付孔32を備え、前記摩擦体3の取付孔32の内面を筆記具本体2の後部外面に着脱自在に嵌合させたことにより、筆記時に摩擦体3が汚れることを回避できる。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、前記摩擦体3の外面に転がり防止用の凸部33を設けたことにより、摩擦体3が取り付けられた筆記具本体2を机上に安定して置くことができる。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体3の外面に連結凸部34及び連結凹部35を設けたことにより、複数の筆記具本体2を備え、各々の筆記具本体2の後部外面に摩擦体3を取り付けた場合、一つの摩擦体3の連結凸部34が、他の摩擦体3の連結凹部35に係合固定され、筆記具本体2の相互間が連結される。それにより、複数の筆記具本体2をペンケース等に収容することが不要となり、携帯に便利となる。
1 熱変色性筆記具
2 筆記具本体
21 ノック部
3 摩擦体
31 筒状部
32 取付孔
33 凸部
34 連結凸部
35 連結凹部
36 スリット

Claims (3)

  1. 筆記具本体の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記具本体の前端に、熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記筆記具本体の外面に、熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で該筆跡が熱変色可能な弾性材料からなる摩擦体を着脱自在に設けた熱変色性筆記具であって、
    前記摩擦体が、前後方向に貫通する取付孔を備え、前記摩擦体の取付孔の内面を筆記具本体の後部外面に嵌合させたことを特徴とする熱変色性筆記具。
  2. 前記摩擦体の外面に転がり防止用の凸部を設けた請求項1記載の熱変色性筆記具。
  3. 前記摩擦体の外面に他の摩擦体の外面の連結部と互いに連結可能な連結部を設けた請求項1または2記載の熱変色性筆記具。
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