JP2018020503A - クリップを備えた筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で着脱が容易なクリップを備えた筆記具を提供する。【解決手段】クリップ3を備えた筆記具1は、筆記具1の外面には取付面5aが形成され、クリップ3が、取付面5aに対して磁力によって着脱可能に取り付けられ、且つ、筆記具1による筆跡を消去可能な消去部材であることを特徴とする。また、クリップ3又は取付面5aの一方が、軸線方向に離間して配置された、磁性材料からなる少なくとも2つの第1の磁性部7、8を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、クリップを備えた筆記具に関する。
クリップを備えた筆記具、特に、クリップを備え、熱変色性インクを収容する熱変色性筆記具が公知である(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の熱変色性筆記具は、クリップの先端部分に別体で設けられた摩擦体を有し、クリップ自体が取付部を介して筆記具本体に対して着脱可能に取り付けられている。熱変色性インクによる筆跡は、摩擦体によって擦過して熱変色性インクを昇温させることで、消色又は変色する。
特開2012−96388号公報
摩擦体を使用するためにクリップを筆記具本体から取り外す場合には、クリップを熱変色性筆記具の軸線方向に沿ってスライドさせる必要がある。しかしながら、クリップと取付部との強固な係止に起因して、クリップをスライドさせ難く、簡単に行うことができない場合がある。さらにこの場合において、無理にクリップをスライドさせようとすると、クリップが曲がるか又は折れてしまう虞がある。或いは、取付部を破損してしまう虞もあり、この場合にはもはやクリップを取り付けることすらできなくなってしまう。
そこで、本発明は、簡単な構造で着脱が容易なクリップを備えた筆記具を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、クリップを備えた筆記具であって、当該筆記具の外面には取付面が形成され、前記クリップが、前記取付面に対して磁力によって着脱可能に取り付けられ、且つ、当該筆記具による筆跡を消去可能な消去部材であることを特徴とする筆記具が提供される。
また、別の態様によれば、前記クリップ又は前記取付面の一方が、軸線方向に離間して配置された、磁性材料からなる少なくとも2つの第1の磁性部を有する。ここで磁性材料は、鉄等の軟磁性材料及び永久磁石等の硬磁性材料を含む。
また、別の態様によれば、前記クリップ又は前記取付面の他方が、磁性材料からなる少なくとも2つの第2の磁性部を有し、該第2の磁性部の各々が、前記第1の磁性部の各々に対向して配置されている。
また、別の態様によれば、前記磁性部は、前側の磁力よりも後側の磁力の方が大きいことを特徴とする。なお、筆記具の軸線方向において、筆記部側を「前」側と規定し、筆記部とは反対側を「後」側と規定する。
また、別の態様によれば、前記取付面に面する側における前記クリップの端部には、傾斜面が形成されている。
また、別の態様によれば、当該筆記具が熱変色性筆記具であり、前記消去部材によって擦過した際に生じる摩擦熱によって当該筆記具の筆跡を熱変色可能である。
本発明の態様によれば、簡単な構造で着脱が容易なクリップを備えた筆記具を提供するという共通の効果を奏する。
本発明の実施形態による筆記具の筆記状態を示す側面図である。 図1の筆記具のクリップの斜視図である。 図1の筆記具の後端部の部分断面図である。 図1の筆記具の後端部の側面図である。 図1の筆記具の後端部の別の側面図である。 物品を挟持した状態の図1の筆記具の後端部の部分断面図である。 本発明の別の実施形態による筆記具の後端部の部分断面図である。 本発明のさらに別の実施形態による筆記具の後端部の部分断面図である。 図1の筆記具の筆記状態を示す縦断面図である。 図1の筆記具の非筆記状態を示す縦断面図である。 図1の筆記具の内筒の斜視図である。 図11の内筒の縦断面図である。 図1の筆記具の外摺動部材の斜視図である。 図13の外摺動部材の縦断面図である。 図1の筆記具の内摺動部材の斜視図である。 図15の内摺動部材の縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の実施形態による筆記具1の筆記状態を示す側面図である。筆記具1は、軸筒2とクリップ3とを有する。軸筒2は、筒状の前軸4と、前軸4の後端部にその前端部が螺合する筒状の後軸5とを有している。前軸4の先端には、軸筒2内に収容された筆記体であるリフィル6の筆記部6aを突出させるための孔が形成されている。前軸4及び後軸5は、例えばポリカーボネート樹脂といった樹脂材料から形成される。
本明細書中では、筆記具1の軸線方向において、筆記部6a側を「前」側と規定し、筆記部6aとは反対側を「後」側と規定する。また、「軸線」とは、筆記具1の中心軸線を意味する。さらに、筆記具1は、後述する出没機構によって、軸筒2内でリフィル6が前後方向に摺動する。このとき、筆記部6aが軸筒2、すなわち前軸4の孔から突出した状態を筆記状態(図9)と称し、筆記部6aが軸筒2内に没入した状態を非筆記状態(図10)と称す。
図2は、図1の筆記具1のクリップ3の斜視図であり、図3は、図1の筆記具の後端部の部分断面図である。クリップ3は、筆記具1の外面、すなわち後軸5の外面に対して取り付けられる。すなわち、後軸5に対向するクリップ3の側には、第1取付面3aが形成され、第1取付面3aに対向する後軸5の外面には、第1取付面3aに相補的な形状の第2取付面5aが形成されている。本実施形態では、第1取付面3a及び第2取付面5aは、平坦な面に形成されているが、湾曲した面等であってもよい。
第1取付面3aの後方には、後軸5の外面から離間する方向に傾斜する平坦な第1傾斜面3bが形成され、第1取付面3aの前方には、後軸5の外面から離間する方向に傾斜する平坦な第2傾斜面3cが形成されている。クリップ3の第1取付面3aの反対側の外面3dは、円筒面状に形成されている。本実施形態では、第1傾斜面3bの方が、第2傾斜面3cよりも緩やかな傾斜面であるが、同一の傾斜であってもよい。また、第2傾斜面3cは、なくてもよく、第1取付面3aと面一であってもよい。
クリップ3は、その全体、又は、前端部若しくは後端部等の一部を消去部材として構成してもよい。すなわち、消去部材としてのクリップ3によって、筆記具1による筆跡を擦過することで、その筆跡を消去することができる。
クリップ3の第1取付面3aには、軸線方向に離間して配置された、磁性材料からなる2つの第1磁性部7が設けられている。後軸5の第2取付面5aには、第1磁性部7の各々に対向して配置された、磁性材料からなる2つの第2磁性部8が設けられている。クリップ3は、後軸5の第2取付面5aに対して磁力によって着脱可能に取り付けられる。すなわち、第1磁性部7及び第2磁性部8を構成する磁性材料は、クリップ3が、軸筒2に対して、すなわち後軸5の第2取付面5aに対して着脱可能に取り付けられる程度の磁力が生じるように設定される。したがって、第1磁性部7又は第2磁性部8の一方を永久磁石等の硬磁性材料で構成し且つ他方を鉄等の軟磁性材料で構成してもよく、第1磁性部7及び第2磁性部8の両方を硬磁性材料で構成してもよい。
図4は、図1の筆記具1の後端部の側面図であり、図5は、図1の筆記具1の後端部の別の側面図であり、図6は、物品9を挟持した状態の図1の筆記具1の後端部の部分断面図である。クリップ3の後端部を、軸筒2に向かって押圧することによってクリップ3の前端部が持ち上がる(図4)。この状態であっても、軸筒2とクリップ3とが吸引する方向に磁力が作用している。言い換えると、少なくともこの状態であっても磁力が作用するように、第1磁性部7及び第2磁性部8の配置及び磁力が設定される。したがって、図4の状態から、クリップ3の後端部の押圧を解除することによって、クリップ3は磁力によって元の位置に復帰し、シャツのポケットや紙等の物品を挟持することができる。
各々後側の第1磁性部7及び第2磁性部8の吸着部分を軸にして、すなわち筆記具1の軸線に直交する軸を回転軸として、クリップ3を軸筒2に対して回転させるようにしてもよい(図5)。このような配置にすることによって、軸筒2とクリップ3との吸着力が弱まり、クリップ3を取り外しやすくなる。軸筒2に対するクリップ3の回転が行い易いように、またクリップ3の位置合わせのために、後側の第1磁性部7を第1取付面3aに対して突出するように設け、対応する後側の第2磁性部8を第2取付面5aに対して凹状に設け、第1磁性部7を受容するようにしてもよい。これとは逆に、後側の第2磁性部8を第2取付面5aに対して突出するように設け、対応する後側の第1磁性部7を第1取付面3aに対して凹状に設け、第2磁性部8を受容するようにしてもよい。
紙等の薄い物品9を挟持する場合には、クリップ3の前方の第2傾斜面3c側から、クリップ3と軸筒2との間に滑り込ませるように挿入することによって、物品9を挟持することができる(図6)。
本実施形態では、第1磁性部7及び第2磁性部8は、半径3mmで高さ3mmの円柱状に形成されているが、別の形状であってもよい。例えば、図7は、本発明の別の実施形態による筆記具1の後端部の部分断面図であり、図8は、本発明のさらに別の実施形態による筆記具1の後端部の部分断面図であるが、図7及び図8に示されるように、第1磁性部7及び第2磁性部8の一方を、単一の板状に形成してもよい。
第1磁性部7及び第2磁性部8は、それぞれ1つでもよいが、第1磁性部7及び第2磁性部8の少なくとも一方は、少なくとも2つであり、これらが軸線方向に離間して配置されていることが好ましい。また、第1磁性部7及び第2磁性部8は、それぞれ第1取付面3a及び第2取付面5aから露出していてもよいが、第1取付面3a及び第2取付面5aの一方又は両方を金属板等で覆ってもよい。金属板で覆うことによって、第1取付面3a及び第2取付面5aが面一となり、付着したゴミ等の除去が容易となる。
図4に示されるような形態をとるため、第1磁性部7及び第2磁性部8は、支点となる後側の磁力の方が、前側の磁力よりも大きい方が好ましい。具体的には、支点として機能しやすいために後側の磁力が、前側の磁力の1.5倍以上であることが好ましい。具体的には、磁力は、磁束密度計(株式会社FUSO MG−3003SD)を用い、各磁性部表面の最大磁束密度を測定することで求められ、支点となる後側は350mT以上の磁力であることが好ましい。なお、支点は前側である第1磁性部としてもよい。
図9は、図1の筆記具1の筆記状態を示す縦断面図であり、図10は、図1の筆記具1の非筆記状態を示す縦断面図である。後軸5の後端部には、後壁部5bが形成されている。後軸5の後壁部5b近傍の内壁よりも前方の内壁は、より内径が大きく形成され、したがって、それらの境界部分には段部5cが形成されている。軸筒2内、特に後軸5内には、出没機構が配置されている。出没機構は、内筒10と、外摺動部材11と、内摺動部材12と、ボール13と、コイルスプリング14と、重量体15とを有している。
図11は、図1の筆記具1の内筒10の斜視図であり、図12は、図11の内筒10の縦断面図である。内筒10は、円筒状の内筒本体10aと、大径フランジ部10bと、中径フランジ部10cと、小径フランジ部10dとを有している。大径フランジ部10bは、内筒本体10aの前端部に形成され、内筒本体10aよりも大きな径を有する環状の突起である。中径フランジ部10cは、大径フランジ部10bの後方に形成され、大径フランジ部10bの径よりも小さい径を有する環状の突起である。小径フランジ部10dは、中径フランジ部10cの後方に形成され、内筒本体10aの径よりも大きく且つ中径フランジ部10cの径よりも小さい径を有する環状の突起である。内筒本体10aの側面には、ボール13が挿入可能な貫通孔10eが3箇所径方向に対して均等に形成されている。内筒10の前端部の内面には、大径部10fが形成され、その後方には、大径部10fよりも小さい内径を有する小径部10gが形成されている。内筒10は、例えばポリカーボネート樹脂といった樹脂材料等から形成される。
図13は、図1の筆記具1の外摺動部材11の斜視図であり、図14は、図13の外摺動部材11の縦断面図である。外摺動部材11は全体として円筒状の部材であり、外摺動部材11の外径は後軸5の内径よりも小さい。外摺動部材11の後端部の内面には、保持部である厚肉部11aが形成されている。厚肉部11aの前方の部分、すなわち前端部の内面は、前端から後方に向かって内径が小さくなり且つ厚肉部11aの前端に連続的に接続する斜面であるテーパ面11bが、環状に形成されている。テーパ面11bは、解除部である。外摺動部材11の厚肉部11aの内径は、内筒10の内筒本体10aの外径よりも大きく、且つ、内筒10の小径フランジ部10dの外径よりも小さい。外摺動部材11は、例えばステンレス鋼等の金属材料から形成されることが好ましいが、樹脂材料や、金属粉を混合させた樹脂材料から形成しても良い。
図15は、図1の筆記具1の内摺動部材12の斜視図であり、図16は、図15の内摺動部材12の縦断面図である。内摺動部材12は、全体として円筒状の部材である内摺動部材本体12aを有する。内摺動部材本体12aの後端部には、環状の突起である第1フランジ部12bが形成され、内摺動部材本体12aの後端と前端との間には、環状の突起である第2フランジ部12cが形成されている。内摺動部材12の内摺動部材本体12aの外径は、内筒10の小径部10gの内径よりも小さい。第1フランジ部12b及び第2フランジ部12cの外径は、内筒10の小径部10gの内径よりも大きい。第1フランジ部12bと第2フランジ部12cとの間の内摺動部材本体12aの外周面には、環状の凹部12dが形成されている。
内摺動部材本体12aの前端部には、軸線方向に延びる複数のリブ12eが形成されている。リフィル6の後端内に、内摺動部材本体12aの前端が挿入されると、複数のリブ12eによって圧入嵌合がなされる。この状態で、リフィル6の後端面は、第2フランジ部12cの前端面に当接するが、第2フランジ部12cに通気孔12fが形成されていることによって、リフィル6内と軸筒2内とが連通する。内摺動部材12は、例えば比重のあるステンレス鋼等の金属材料から形成されることが好ましいが、樹脂材料や、金属粉を混合させた樹脂材料、エラストマー等のゴム弾性材料から形成しても良い。
図9又は図10を参照すると、内摺動部材12の内摺動部材本体12aの外側に対して、内筒10、コイルスプリング14、外摺動部材11の順に、取り付けられる。また、内摺動部材12の後端部に対して、重量体15が取り付けられる。この状態で、出没機構を、後軸5内に前方から挿入すると、内筒10の大径フランジ部10bと後軸5の内面とが圧入によって固定される。ボール13は、内筒10の貫通孔10e内に収容された状態で、外摺動部材11と内摺動部材12との間に常に配置されている。
したがって、後軸5の内周面との内筒10の外周面との間に、ボール13及び外摺動部材11が摺動可能に配置され、内筒10内に、内摺動部材12が摺動可能に配置される。内摺動部材12の摺動は、コイルスプリング14の弾発力によって前方への摺動が規制され、重量体15を介して後軸5の後壁部5bによって後方への摺動が規制される。コイルスプリング14の前端は、内筒10の後端面によって支持され、コイルスプリング14の後端は、第1フランジ部12bの前端面によって支持される。外摺動部材11の摺動は、内筒10の小径フランジ部10dの後端面によって前方への摺動が規制され、後軸5の段部5cによって後方への摺動が規制される。
次いで、筆記具1の出没機構の動作について説明する。使用者は、筆記具1を軸線方向に振ることによって、出没機構がリフィル6の保持又は解除を行い、それによって筆記状態と非筆記状態との切り替えが行われる。
筆記状態(図10)から非筆記状態(図9)への切り替えを説明する。筆記状態の筆記具1において、外摺動部材11及び内摺動部材12は、ボール13と共に係止している。この状態で、使用者が、筆記具1を挟持しながら軸線方向に振ることによって出没機構が後方向の慣性力を受けると、外摺動部材11は後方へ向かって摺動し、その後端面が、後軸5の段部5cに衝突する。このとき、外摺動部材11の厚肉部11aによる内摺動部材12及びボール13との係止が解除される。すなわち、外摺動部材11のテーパ面11bとボール13とが径方向に整列して、ボール13が内摺動部材12の凹部12dから外れ、出没機構によるリフィル6の保持が解除される。それによって、内摺動部材12の外径に配置されたコイルスプリング14の付勢力によって、リフィル6と圧入嵌合により一体となった内摺動部材12が後方へ向かって摺動する。その結果、リフィル6の先端の筆記部6aは、前軸4の先端の孔から軸筒2内に没入し、筆記具1は非筆記状態となる。
次に、非筆記状態(図9)から筆記状態(図10)への切り替えを説明する。ボール13は、外摺動部材11の厚肉部11aと内摺動部材12の凹部12d以外の外周面との間に配置されている。この状態で、使用者が、筆記具1を挟持しながら軸線方向に振ることによって出没機構が前方向の慣性力を受けると、内摺動部材12がリフィル6と共に内筒10内を前方へ向かって摺動する。その結果、ボール13が内摺動部材12の凹部12d内へ嵌合する。次いで、外摺動部材11が、後軸5と内筒10との間を前方へ向かって摺動して、テーパ面11bがボール13に対して当接する。
次いで、外摺動部材11は慣性力によってそのまま摺動を継続し、テーパ面11bによって案内されることによってボール13を乗り越え、厚肉部11aによってボール13と共に内摺動部材12を係止する。すなわち、外摺動部材11の厚肉部11aとボール13とが径方向に整列してボール13と共に内摺動部材12を係止する。このとき、リフィル6の先端の筆記部6aが前軸4の先端の孔から突出した状態で、リフィル6が出没機構によって保持されることから、筆記具1は筆記状態となる。この状態で筆記を行うと、筆圧によって、内摺動部材12が後方へ摺動する方向、すなわち外摺動部材11の厚肉部8aがボール13と及び内摺動部材12に係止する方向に力が作用するため、筆記状態が解除されることはない。
本発明によれば、上述したように、クリップの取り付け構造に磁力を利用しているため、破損等の原因となるような複雑な構造は必要無く、面の密着という簡単な構造で着脱が容易なクリップを備えた筆記具を提供することができる。また、取り付け部分には、特許文献1に記載のクリップの取付部のような突起状の部材が存在しないことから、物品の端部を傷つけることなく、面全体でしっかりと挟持することができる。さらに、突起状の部材が存在しないことから、部材の劣化がなく、長期に亘る取り付け機能を提供することが可能となる。
また一旦、クリップ3を軸筒2から完全に取り外した後に、物品を挟持しながらクリップ3を元の位置に戻すことによって、物品を挟持するようにしてもよい。そのようにすることによって、クリップを、物品の端部だけでなくその中央部に挟持させることができ、様々な物品、また様々な場所に、筆記具1と取り付けることが可能となる。
本実施形態では、クリップが取り付けられる第2取付面を軸筒に設けたが、キャップに設けてもよい。本発明は、クリップを有する任意の筆記具、例えばシャープペンシルやマーキングペン等に適用することができる。
上述した実施形態におけるリフィル6は、熱変色性色材を含有する熱変色性インクを収容してもよい。この場合、筆記具1は熱変色性筆記具であり、クリップ3は摩擦体である。摩擦体としてのクリップ3で擦過した際に生じる摩擦熱によって、筆記具1の筆跡を熱変色可能である。
ここで、熱変色性インクとは、常温(例えば25℃)で所定の色彩(第1色)を維持し、所定温度(例えば60℃)まで昇温させると別の色彩(第2色)へと変化し、その後、所定温度(例えば−5℃)まで冷却させると、再び元の色彩(第1色)へと復帰する性質を有するインクを言う。筆記具1では上記第2色を無色とし、第1色(例えば赤)で筆記した描線を昇温させて無色とすることを、ここでは「消去する」ということとする。したがって、描線が筆記された筆記面等に対して摩擦体によって擦過して摩擦熱を生じさせ、それによって描線を無色に変化、すなわち消去させる。なお、当然のことながら上記第2色は、無色以外の有色でもよい。
熱変色性色材となる熱変色性マイクロカプセル顔料としては、摩擦熱等の熱により変色するもの、例えば、有色から無色、有色から有色、無色から有色などとなる機能を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、少なくともロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
用いることができるロイコ色素としては、電子供与性染料で、発色剤としての機能するものであれば、特に限定されものではない。具体的には、発色特性に優れるインクを得る点から、トリフェニルメタン系、スピロピラン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、ローダミンラクタム系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系等従来公知のものが、単独(1種)で又は2種以上を混合して(以下、単に「少なくとも1種」という。)用いることができる。
具体的には、6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N-−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、クロロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリン、などが挙げられる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。
用いることができる顕色剤は、上記ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となるものであり、例えば、フェノール樹脂系化合物、サリチル酸系金属塩化物、サリチル酸樹脂系金属塩化合物、固体酸系化合物等が挙げられる。
具体的には、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス( 4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いる顕色剤の使用量は、所望される色彩濃度に応じて任意に選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、上述したロイコ色素1質量部に対して、0.1〜100質量部程度の範囲内で選択するのが好適である。
用いることができる変色温度調整剤は、上記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールする物質である。用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
より具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート(C715)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジラウレート(C1123)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジミリステート(C1327)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタンジミリステート(C1327)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジパルミテート(C1530)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジベヘネート(C2143)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエチルヘキシリデンジミリステート(C1327)等の少なくとも1種が挙げられる。
この変色温度調整剤の使用量は、所望されるヒステリシス幅及び発色時の色彩濃度等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、通常、ロイコ色素1質量部に対して、1〜100質量部程度の範囲内で使用するのが好ましい。
熱変色性マイクロカプセル顔料は、少なくとも上記ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、平均粒子径が0.2〜3μmとなるように、マイクロカプセル化することにより製造することができる。マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、イソシアネート系樹脂溶液などを徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の熱変色性のマイクロカプセル顔料を製造することができる。
これらのロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の含有量は、用いるロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤の種類、マイクロカプセル化法などにより変動するが、当該色素1に対して、質量比で顕色剤0.1〜100、変色温度調整剤1〜100である。また、カプセル膜剤は、カプセル内容物に対して、質量比で0.1〜1である。
熱変色性マイクロカプセル顔料は、上記ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、摩擦熱等の熱により有色から無色となることが好ましい。
熱変色性マイクロカプセル顔料では、描線濃度、保存安定性、筆記性の更なる向上の点から、壁膜がウレタン樹脂、ウレア/ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、あるいはアミノ樹脂で形成されることが好ましい。ウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネートとポリオールとの化合物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂とアミンの化合物が挙げられる。アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。マイクロカプセル色材の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径は、着色性、発色性、易消色性、安定性、インク中での流動性の点、並びに、筆記性への悪影響を抑制、後述する光変色性マイクロカプセル顔料との相用性などの点から、好ましくは、0.2〜5μm、さらに好ましくは、0.3〜3μmである。なお、ここで規定する「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックHRA9320−X100(日機装社製)〕にて、平均粒子径(50%径)を測定(屈折率1.8)した値である。
この平均粒子径が0.2μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、5μmを越えると、筆記性の劣化、熱変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性の低下、振動によるインクバックが発生しやすくなり好ましくない。(インクバックとは、筆記状態から非筆記状態への切り替えの際の衝撃によってインクが後退し、筆記部よりリフィル中に空気が混入することをいい、インク中に気泡が生じ、筆記不良を引き起こす虞がある。)さらには90%径が8μm以下、好ましくは6μm以下である。径が大きい粒子が一定割合以上存在すると、上述した影響がより顕著になる傾向がみられる。なお、上述した平均粒子径の範囲(0.2〜5μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
熱変色性マイクロカプセル顔料の比重は、0.9〜1.3、好ましくは1.0〜1.2の範囲である。比重がこの範囲外であると、マイクロカプセル顔料の分散安定性が低下しやすい。また、比重が1.3を超えるマイクロカプセル顔料は、振動によってインクバックが発生しやすい。
筆記具用水性インク組成物において、上記熱変色性マイクロカプセル顔料の他、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)の他、各筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用等)の用途に応じて、その効果を損なわない範囲で、水溶性有機溶剤、増粘剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。
これらのうち、インクバックによる筆記部でのインク固化を抑制する目的として、グリセリンを用いることが好ましく、その添加量はインク全量に対して1〜10質量%であることが好ましい。グリセリンによる作用のメカニズムは不明だが、乾燥状態における顔料及びインク成分との凝集力を低下させる効果があるものと推察される。
用いることができる増粘剤としては、例えば、合成高分子、セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種が好ましい。具体的には、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸及びその塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレシオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、架橋型アクリル酸重合体及びその塩、非架橋型アクリル酸重合体及びその塩、スチレンアクリル酸共重合体及びその塩などが挙げられる。
これらのうち、多糖類を使用することが好ましい。多糖類はそのレオロジー特性から、振動による流動性への影響を受けにくい傾向があり、インクバックに起因する筆記不良等の不具合が生じにくい。特にキサンタンガムは、筆記具インクに要求されるその他の特性とのバランスに優れており好ましい。
潤滑剤としては、顔料の表面処理剤にも用いられる多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステル、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ポリアルキレングリコールの誘導体やフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類などが挙げられる。防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
この筆記具用水性インク組成物を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、上記熱変色性、光変色性マイクロカプセル顔料の他、上記水性における各成分を所定量配合し、ホモミキサー、もしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することによって得られる。さらに必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去してもよい。
筆記具用水性インク組成物の粘度値は、25℃、剪断速度3.83/sにおいて、500〜2000mPa・s、剪断速度383/sにおいて20〜100mPa・sであることが好ましい。上記粘度範囲に設定することによって、筆記性と経時安定性に優れたインクとすることができる。さらに、S=αDn(但し、1>n>0)(Sは剪断応力(dyn/cm2)、Dは剪断速度(s-1)、αは非ニュートン粘性係数)で示される粘性式で求められる非ニュートン粘性指数nが、0.2〜0.6であることが好ましい。上記粘度範囲に加えて非ニュートン粘性指数nを上記範囲とすることで、振動に対するインクの流動性を適切に設定することが可能となり、インクバックの発生を防止することが可能となる。
筆記具用水性インク組成物の表面張力は、25〜45mN/m、さらには30〜40mN/mであることが好ましい。この範囲内であれば、ペン先内部とインクの濡れ性のバランスが適切となり、インクバックの発生を防止することが可能となる。
リフィル内においては、インクのすぐ後方にインク追従体を配置してもよい。追従体を構成する材料としては、少なくとも、不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤と、増粘剤とにより構成することができる。インク追従体に使用する不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤は、インク追従体の基油として用いるものであり、例えば、流動パラフィンが用いられる。流動パラフィンには、鉱物油、化学合成油が用いられ、化学合成油としては、ポリブテン、ポリα−オレフィン、エチレンα−オレフィンオリゴマーなどを用いることができる。
用いることができる具体的な鉱物油としては、例えば、市販品のダイアナプロセスオイルNS−100、PW−32、PW−90、NR−68、AH−58(出光興産社製)などが挙げられる。
用いることができる具体的なポリブテンとしては、例えば、市販品のニッサンポリブテン200N、ポリブテン30N、ポリブテン10N、ポリブテン5N、ポリブテン3N、ポリブテン015N、ポリブテン06N、ポリブテン0N(以上、日本油脂社製)、ポリブテンHV−15(日本石油化学社製)、35R(出光興産社製)などが挙げられる。
用いることができる具体的なポリα−オレフィンとしては、例えば、市販品のバーレルプロセス油P−26、P−46,P−56、P−150,P−350,P−1500、P−2200、(P−10000、P−37500)(松村石油社製)などが挙げられる。
用いることができる具体的なエチレンα−オレフィンオリゴマーとしては、例えば、市販品のルーカント HC−10、HC−20、HC−100、HC−150、(HC−600、HC−2000) (以上、三井化学社製)などが挙げられる。
これらの不揮発性若しくは難揮発性有機溶剤は、1種または2種以上を合わせて使用することができる。
インク追従体に使用する増粘剤としては、例えば、リン酸エステルのカルシウム塩、微粒子シリカ、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマー、水添スチレン−ブタジエンラバー、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー及びアセトアルコキシアルミニウムジアルキレートなどが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上用いることができる。
用いることができるリン酸エステルのカルシウム塩の好ましい市販品としては、CrodaxDP−301LA(クローダジャパン社製)等が挙げられる。用いることができる微粒子シリカは、親水性微粒子シリカと疎水性微粒子シリカがあり、親水性シリカの好ましい市販品としては、AEROSIL−300、AEROSIL−380(日本アエロジル社製)等が挙げられ、また、疎水性シリカの好ましい市販品としては、AEROSIL−974D、AEROSIL−972(日本アエロジル社製)等が挙げられる。
また、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマーの好ましい市販品としては、クレイトンGFG−1901X、クレイトンGG−1650(以上、シェルジャパン社製)、セプトン8007、セプトン8004(以上、クラレ社製)などが挙げられる。さらに、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレンゴム−ポリスチレンのブロックコポリマーの好ましい市販品としては、クレイトンGG−1730(シェルジャパン社製)、セプトン2006、セプトン2063(以上、クラレ社製)などが挙げられる。
水添スチレン−ブタジエンラバーの好ましい市販品としては、DYNARON1320P、DYNARON1321P(以上、JSR社製)、タフテックHl041、タフテックHl141(以上、旭化成工業社製)などが挙げられる。
スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマーの好ましい市販品としては、DYNARON4600P(JSR社製)等が挙げられ、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマーの好ましい市販品としては、DYNARON6200P、DYNARON6201B(JSR社製)等が挙げられる。
アセトアルコキシアルミニウムジアルキレートの好ましい市販品としては、プレンアクトAL−M(味の素ファインテクノ社製)などが挙げられる。
これらの増粘剤の中で、本発明の効果をさらに発揮させる点から、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマー、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶のブロックコポリマーなどの熱可塑性オレフィン系エラストマーの使用が好ましい。
さらに、インクバックの発生を防止するインク追従体を得る点から、周波数領域1〜63rad/sで指数関数的に増加させながら周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以上とすることが好ましく、1.7〜3.4とすることがさらに好ましい。
ここで、tanδは、損失弾性率/貯蔵弾性率を意味する値であり、従来では、周波数領域「1〜63rad/s」で指数関数的に増加させながら周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以下のものが好ましいことが知られていた。本発明では、上記1〜63rad/sで各周波数毎に測定したtanδ値の平均値が1.0以上とすることにより、振動を吸収してインクバックの発生を防止することが可能となる。
摩擦体を形成する材料として、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の熱硬化性ゴムやスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーといったゴム弾性材料、2種以上のゴム弾性材料の混合物、及び、ゴム弾性材料と合成樹脂との混合物を用いることができ、これを、JIS K7204に規定された摩耗試験(ASTM D1044)で荷重9.8N、1000rpm環境下において、テーバー摩耗試験機の摩耗輪CS−17でのテーバー摩耗量が25mg未満となるように構成し、摩擦体を形成する。
また、摩擦体の材料に対して、アルキルスルフォン酸フェニルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸エステルを添加してもよい。摩擦体が、アルキルスルフォン酸フェニルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸エステルを含むことによって、紙面を傷めず且つ印刷文字等を掠れさせることなく、筆跡の消去が可能となる。さらに、摩擦体は、JIS K6203に規定されたデュロメータA硬度が70以上であることが好ましい。それによって、所定の硬さが確保でき、より安定した擦過動作が可能となる。なお、摩擦体は、タッチペン、スタイラスペンとしても適用可能であり、導電性を付与してもよい。
また、摩擦体は、筆記具1に収容された熱変色性インクの色よりも明度値が低い色で着色されていることが好ましい。すなわち、摩擦体の使用時に筆記具1の熱変色性インクが変色することなく摩擦体の表面に転写した場合に、熱変色性インクの転写を目立たなくすることができる。特に、摩擦体の色を黒色とすることによって、摩擦体の使用に伴う表面の汚れも目立たなくすることができる。
明度値は汎用型色差計(TC−8600A、東京電色株式会社製)等の測定装置を用いてマンセル表色系を使用し、摩擦体の明度値は表面を測定し、熱変色性インクの明度値は、紙面(旧JIS P3201;化学パルプ100%を原料に抄造された上質紙、坪量範囲40〜157g/m2、白色度75.0%以上)上に筆記速度4.5m/min、ピッチ間隔0.1mmで筆記した描線上のインクを測定することによって求められる。
1 筆記具
2 軸筒
3 クリップ
3a 第1取付面
4 前軸
5 後軸
5a 第2取付面
6 リフィル
7 第1磁性部
8 第2磁性部

Claims (6)

  1. クリップを備えた筆記具であって、当該筆記具の外面には取付面が形成され、前記クリップが、前記取付面に対して磁力によって着脱可能に取り付けられ、且つ、当該筆記具による筆跡を消去可能な消去部材であることを特徴とする筆記具。
  2. 前記クリップ又は前記取付面の一方が、軸線方向に離間して配置された、磁性材料からなる少なくとも2つの第1の磁性部を有することを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記クリップ又は前記取付面の他方が、磁性材料からなる少なくとも2つの第2の磁性部を有し、該第2の磁性部の各々が、前記第1の磁性部の各々に対向して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の筆記具。
  4. 前記磁性部は、前側の磁力よりも後側の磁力の方が大きいことを特徴とする請求項2又は3に記載の筆記具。
  5. 前記取付面に面する側における前記クリップの端部には、傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の筆記具。
  6. 当該筆記具が熱変色性筆記具であり、前記消去部材によって擦過した際に生じる摩擦熱によって当該筆記具の筆跡を熱変色可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の筆記具。
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