JPH06297896A - 消しゴム及びその製造方法 - Google Patents

消しゴム及びその製造方法

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JPH06297896A
JPH06297896A JP11233993A JP11233993A JPH06297896A JP H06297896 A JPH06297896 A JP H06297896A JP 11233993 A JP11233993 A JP 11233993A JP 11233993 A JP11233993 A JP 11233993A JP H06297896 A JPH06297896 A JP H06297896A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オレフィン系熱可塑性エラストマーを基材と
した消しゴムであって、その内部に多数の微小な空隙部
を形成したもの、及び、その製造工程において最後に剪
断力を加える工程の温度が基材であるオレフィン系熱可
塑性エラストマーの分子拘束成分の融点より低い温度で
あって、かつ、最後に剪断力を加える工程以降での加熱
が基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマーの分子
拘束成分の融点を超えない製造方法。 【効果】 塩素含有有毒ガス発生すること無く、しか
も、従来のポリ塩化ビニル系消しゴムのように軽い力で
擦過しても消去性が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛筆やシャープペンシ
ル等の筆跡を消去するための消しゴムに関するものであ
り、更に詳細には焼却時に塩素含有有毒ガスを発生する
こと無く、しかもポリ塩化ビニル系消しゴムのように軽
い力で擦過してもよく消える消しゴム及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】消しゴムは使用時消しカスが発生する。
従来、消しゴムの主流を占めるポリ塩化ビニル系消しゴ
ムは、基材のポリ塩化ビニルが多量の塩素を含有する塩
素化合物である。そのため、消しカスを焼却すると塩素
含有有毒ガスが発生し大気汚染の原因となる。この点、
熱可塑性エラストマー系消しゴムは、塩素化合物を使用
しなくともよいので、上記した問題が発生せず非常に良
好である。特に、オレフィン系熱可塑性エラストマー
は、鉛筆やシャープペンシルの筆跡を構成する炭素粉末
をよく吸着するので筆跡の消去性が良好であり消しゴム
材料に適している。
【0003】しかしながら、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、単独では破壊強度が強く擦過しても摩耗し
ないため消しゴムとならない。そこで、従来のゴム系消
しゴムで使用しているサブや樹脂または他の熱可塑性エ
ラストマーと併用して摩耗性を高めて消しゴムとなして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
物質を併用して消しゴム全体の破壊強度を弱くして擦過
摩耗するようにしてもオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー自体の破壊強度は弱くならない。従って、オレフィン
系熱可塑性エラストマーを基材とした消しゴムは、ポリ
塩化ビニル系消しゴムに比べて、軽い力での消去性が劣
るという問題を有していた。本発明の目的は、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーを基材として用いた消しゴム
において軽い力での消去性が良好な、焼却時に塩素含有
有毒ガスを発生することのない消しゴムを提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材としてオ
レフィン系熱可塑性エラストマーを用いた消しゴムにお
いて、この消しゴム内部に多数の微小な空隙部が形成さ
れていることを特徴とする消しゴムを第1の要旨とし、
基材としてオレフィン系熱可塑性エラストマーを用い、
剪断力を加えて混練及び/又は成型する消しゴムの製造
方法において、最後に剪断力が加えられる工程の温度が
基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマーの分子拘
束成分の融点より低い温度であって、かつ、最後に剪断
力が加えられる工程以降での加熱が基材であるオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーの分子拘束成分の融点を超え
ないことを特徴とする消しゴムの製造方法を第2の要旨
とする。
【0006】以下、詳述する。基材として用いるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーは、共重合系、単純ブレン
ド系、部分架橋系、完全架橋系に大別されるが、特に、
特公昭53−21021号公報、特公昭53−3421
0号公報、USP4104210およびUSP4130
535等に開示されているような部分架橋及び完全架橋
系のものが好ましい。上記の部分架橋系または完全架橋
系のものは、エラストマー中のゴム成分が部分的にまた
は完全に架橋されているため、エラストマー全体に占め
るゴム成分の量を多くすることができ、その結果、一般
の架橋ゴムに一層近い弾性を示すものとなる。消しゴム
としての品質を考慮すると、架橋ゴムに近い弾性を示す
柔らかいものが好ましく、ゴム硬度85以下(JIS
K6301:Aタイプ硬度計使用。測定サンプルは、エ
ラストマーを分子拘束成分の融点より高い温度で成型し
たものを使用するものとする)のものが好ましい。
【0007】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、そ
の構造中に塑性変形を防止する分子拘束成分(ハードセ
グメント)と、弾性を有するゴム成分(ソフトセグメン
ト)とを有している。分子拘束成分としては、結晶性の
高いポリエチレンやポリプロピレンといったものがあ
り、ゴム成分としてはエチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン非共役ジエン三成分共重合体
ゴムといったものが挙げられる。このようなオレフィン
系熱可塑性エラストマーは、分子拘束成分の融点(例え
ば、ポリプロピレンは約170℃であり、ポリエチレン
は100〜140℃である)以上の温度では、分子拘束
成分からなるドメインが可塑化されて、各分子を拘束す
る力がなくなる。従って、オレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、高温(通常200℃以上)で通常のプラスチ
ック成型機で成型でき、その成型品は、常温では加硫ゴ
ムの性能を示す。
【0008】上記したように、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーは通常の成型条件である分子拘束成分の融点
より高い温度で成型を行った場合、成型品は均一で、内
部に空隙部のないものとなり、加硫ゴムの性能を示す、
擦過しても全く摩耗しないものとなる。
【0009】これに対して、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーを分子拘束成分の融点より低い温度で剪断力を
加えて混練りを行なって成型した場合、その成型品は、
内部に多数の微細な空隙部を形成したものとなり、容易
に摩耗し、軽い力での消去性においてポリ塩化ビニル系
消しゴムに劣らない消しゴムとなる。
【0010】オレフィン系熱可塑性エラストマーの市販
品の一例としては、住友TPE3570、同3680、
同3780、同3385(以上、住友化学工業(株)
製)、日石ソフトレックスEL8A21、同EL7A2
1、同EL6A21(以上、日本石油化学(株)製)、
サントプレーン101−55、同101−64、同10
1−80、同201−55、同201−64、同201
−73、同301−87(以上、日本モンサント(株)
製)、ミラストマー5030N、同6030N、同70
30N、同8032N、グドマーS500(以上、三井
石油化学工業(株)製)、サーモラン3550、同36
50、同3061(以上、三菱油化(株)製)などが挙
げられる。これらのオレフィン系熱可塑性エラストマー
は単独でも2種以上併用してもかまわない。
【0011】尚、上記必須成分以外に、必要に応じて、
オレフィン系熱可塑性エラストマー以外のスチレン系、
エステル系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマーや熱
可塑性樹脂、充填剤、安定剤、着色剤、防黴剤・抗菌
剤、油や液状ゴムなど、塩素を含まず従来消しゴムに使
用されて来たものを適宜、添加し得る。充填剤としては
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、クレー等
の他、曲げ強度補強用の繊維状または針状のものとして
チタン酸カリウム繊維、マグネシウムサルフェート繊
維、窒化珪素ウィスカー、炭化珪素ウィスカー等が挙げ
られる。安定剤としては、酸化防止剤としてヒンダード
フェノール系のもの、紫外線吸収剤としてベンゾトリア
ゾール系やオキザリックアシッドアニリド系のもの、紫
外線安定剤としてヒンダードアミン系のものが挙げられ
る。着色剤としては、有機、無機の各種顔料が挙げられ
る。防黴剤・抗菌剤としては、2−(4−チアゾール)
ベンズイミダゾール、2−ピリジンチオール−1−オキ
ザイド亜鉛塩、リン酸カルシウム担体金属銀または亜鉛
抗菌剤が挙げられる。
【0012】オレフィン系熱可塑性エラストマーを基材
とした消しゴムは、基材であるオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー単独又は上記の各種成分適宜混合したものを
二本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサーといっ
た通常の混練り機により混練した後、プレス機などで所
望の形状に成型するという製造方法が用いられる。この
製造方法において、成型工程にプレス機のような剪断力
の加えられない成型機を採用する場合、最後に剪断力が
加えられる工程は混練工程であるので、この混練工程の
温度を基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマーの
分子拘束成分の融点より低い温度とすることが必要であ
る。また、成型工程に押出成型機、射出成型機のような
混練作用のある成型機を採用する場合、最後に剪断力が
加えられる工程は成型工程であるので、この成型工程の
温度を基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマーの
分子拘束成分の融点より低い温度とすることが必要であ
る。この基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマー
の分子拘束成分の融点より低い温度は、分子拘束成分が
ポリプロピレンの場合150℃以下、ポリエチレンの場
合80℃以下が好ましい。更に、最後に剪断力が加えら
れる工程の後において加熱が必要である場合、その加熱
は基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマーの分子
拘束成分の融点より低い温度であることが必要である。
【0013】尚、消しゴムの製造に当っては、基材であ
るオレフィン系熱可塑性エラストマー以外の物質を併用
する場合やオレフィン系熱可塑性エラストマーを2種以
上併用する場合、更にはオレフィン系熱可塑性エラスト
マー1種単独の場合であっても全体の組成比を均一にす
るために、消しゴム組成物を、一旦、基材であるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの分子拘束成分の融点より
高い温度で混練りし、冷却したものを用いると良好であ
る。更に、併用する樹脂や熱可塑性エラストマーの融点
や軟化点が基材であるオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの分子拘束成分の融点より高い場合は、併用する樹脂
や熱可塑性エラストマーの融点や軟化点以上の温度で混
練りし、冷却したものを用いると良好である。
【0014】
【作用】何故に、基材としてオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーを用いた消しゴムが、その分子拘束成分の融点
以下で剪断力を加えることによって、擦過で容易に摩耗
するようになるかは定かではないが以下の理由によると
推考する。オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ゴム
成分の海に分子拘束成分ドメインが島状に存在する海島
構造となっているものである。ここで、ゴム成分は、小
さな粒子状で架橋されているため、全体が一つのマトリ
ックスを形成せず、小さなマトリックスの集合体となっ
ている。更に、ゴム成分の架橋時に一部ゴム成分と分子
拘束成分とがグラフト結合し、このために小さなマトリ
クッスを形成しているゴム成分が分子拘束成分ドメイン
に拘束されている。分子拘束成分ドメインの融点以下の
温度で混練り及び/又は成型において剪断力を加える
と、分子拘束成分ドメインがそのままの状態で残り、ゴ
ム成分粒子間にずれが生じる。このため、消しゴムは、
その内部が分子拘束成分を核とし、その周りをゴム成分
が取り囲んだ大きなゴム成分粒子を単位とする集合体と
なっており、このゴム成分粒子間に多数の微小な空隙部
が形成されることとなり、このゴム成分粒子が擦過の力
により全体から剥がれて行くことにより容易に摩耗する
ようになる。
【0015】本消しゴム内部の多数の微小な空隙部は、
従来公知の発泡方法によって造られたプラスチック成型
品内の気泡とは異なったものである。従来公知の発泡方
法としては、 熱分解性の発泡剤を使用する方法、 液状材料物中に気体を吹き込み撹拌しながら固化する
方法、 プラスチックの液状原材料の重合反応で生成するガス
を閉じ込める方法、 中空粒子を配合する方法、 可溶性の固体を配合し、成型後溶解除去する方法、 液化ガスや揮発性溶剤を含浸後、気化させる方法とい
ったものが知られている。これらの方法を使って発泡さ
せた消しゴムとしては、材料を節約し、重量を軽減し、
且非滑性にする事を目的として熱分解性の発泡剤による
発泡成型を行うもの(特公昭36−22736号公報)
や、空気を吹き込む方法(特開昭56−84998号公
報)がある。本発明の消しゴム内部の微小な空隙部は、
オレフィン系熱可塑性エラストマー粒塊の間隙であり、
粒塊同志は一部結合しているが混練りのためにその結合
力は非常に弱く、よって軽い力で摩耗する。ところが、
上記方法のような発泡成型品は均一なプラスチック配合
品中に発泡部分を形成するため、各部が均一で基材の基
材の破壊強度がどの部分でも同じようになっている。従
って、上記方法に選って得られた消しゴムは、軽い力で
容易に摩耗し易いという効果を有していない。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき詳細に説明する。 実施例1 サントプレーン201−55(ゴム硬度 55、分子拘束成分:ポリプロピレ ン 融点 約170℃) 100重量部 上記成分を、220℃の二本ロールを用いて十分混練り
を行ない均一になした後、室温で放冷した。十分に放冷
した後、これを室温で二本ロールを用いて十分混練りを
行った。混練りが終了したものを金型に入れ、室温で1
0分間プレス成型を行ってブロック状の消しゴムを得
た。
【0017】実施例2 ミラストマー6030N(ゴム硬度 60、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 100重量部 上記成分を室温で二本ロールを用いて十分混練りを行っ
た。混練りが終了したものを金型に入れ、室温で10分
間プレス成型を行ってブロック状の消しゴムを得た。
【0018】実施例3 住友TPE3780(ゴム硬度 66、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 100重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 30重量部 IRGANOX1010(安定剤、独国、チバガイギー社製) 1重量部 酸化チタン(顔料) 2重量部 流動パラフィン 5重量部 上記成分を200℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行い、均一な混合物になした後、室温で放冷した。十
分に冷えた後、この混合物を120℃の二本ロールを用
いて十分に混練りを行った。混練りが終了したものを金
型に入れ、120℃で10分間プレス成型を行ってブロ
ック状の消しゴムを得た。
【0019】実施例4 住友TPE3780(ゴム硬度 66、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 100重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 30重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 酸化チタン(顔料) 2重量部 流動パラフィン 5重量部 上記成分を200℃のバンバリーミキサーを用いて十分
に混練りを行った後、シート化して切断しペレット化し
た。このペレットを材料供給側80℃、成型品吐出側1
20℃の順次昇温する温度条件の押出成型機で成型後、
冷却切断してブロック状の消しゴムを得た。
【0020】実施例5 サーモラン3650(ゴム硬度 65、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 50重量部 サントプレーン201−64(ゴム硬度 64、分子拘束成分:ポリプロピレ ン 融点 約170℃) 50重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 10重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 酸化チタン(顔料) 2重量部 上記成分を200℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行い、均一な混合物になした後、室温で放冷した。十
分に冷えた後、この混合物を100℃で二本ロールを用
いて十分混練りを行った。混練りが終了したものを金型
に入れ、100℃で10分間プレス成型を行ってブロッ
ク状の消しゴムを得た。
【0021】実施例6 ミラストマー7030N(ゴム硬度 70、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 70重量部 ミラクトランE670MNAT(ウレタン系熱可塑性エラストマー:日本ミラ クトラン(株)製) 30重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 上記成分を230℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行い均一な混合物になした後、室温で放冷した。十分
に冷えた後、この混合物を室温の二本ロールを用いて十
分に混練りを行った。混練りが終了したものを金型に入
れ、室温で10分間プレス成型を行って厚さ3mmのシ
ート状の消しゴムを得た。
【0022】実施例7 ミラストマー7030N 90重量部 UBE L519(ポリエチレン、宇部興産(株)製) 10重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 上記成分を200℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行い均一な混合物になした後、室温で放冷した。十分
に冷えた後、この混合物を100℃の二本ロールを用い
て十分に混練りを行った。混練りが終了したものを金型
に入れ、100℃で10分間プレス成型を行って厚さ3
mmのシート状の消しゴムを得た。
【0023】比較例1 サントプレーン201−55(ゴム硬度 55、分子拘束成分:ポリプロピレ ン 融点 約170℃) 100重量部 上記成分を220℃の二本ロールを用いて十分混練りを
行った。混練りが終了したものを金型に入れ、室温で1
0分間プレス成型を行ってブロック状の消しゴムを得
た。
【0024】比較例2 ミラストマー6030N(ゴム硬度 60、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 100重量部 上記成分を室温で二本ロールを用いて十分混練りを行っ
た。混練りが終了したものを金型に入れ、220℃で1
0分間プレス成型を行ってブロック状の消しゴムを得
た。
【0025】比較例3 住友TPE3780(ゴム硬度 66、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 100重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 30重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 酸化チタン(顔料) 2重量部 流動パラフィン 5重量部 上記成分を200℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行った。混練りが終了したものを金型に入れ、120
℃で10分間プレス成型を行ってブロック状の消しゴム
を得た。
【0026】比較例4 住友TPE3780(ゴム硬度 66、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 100重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 30重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 酸化チタン(顔料) 2重量部 流動パラフィン 5重量部 上記成分を200℃のバンバリーミキサーを用いて十分
に混練りを行った後、シート化して切断しペレット化し
た。このペレットを材料供給側80℃、成型品吐出側2
50℃の順次昇温する温度条件の押出成型機で成型後、
冷却切断してブロック状の消しゴムを得た。
【0027】比較例5 サーモラン3650(ゴム硬度 65、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 50重量部 サントプレーン201−64(ゴム硬度 64、分子拘束成分:ポリプロピレ ン 融点 約170℃) 50重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 10重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 酸化チタン(顔料) 2重量部 上記成分を220℃で二本ロールを用いて十分混練りを
行った。混練りが終了したものを金型に入れ、220℃
で10分間プレス成型を行ってブロック状の消しゴムを
得た。
【0028】比較例6 ミラストマー7030N(ゴム硬度 70、分子拘束成分:ポリプロピレン 融点 約170℃) 70重量部 ミラクトランE670MNAT(ウレタン系熱可塑性エラストマー:日本ミラ クトラン(株)製) 30重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 上記成分を230℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行った。混練りが終了したものを金型に入れ、230
℃で10分間プレス成型を行って厚さ3mmのシート状
の消しゴムを得た。
【0029】比較例7 ミラストマー7030N 90重量部 UBE L519(ポリエチレン、宇部興産(株)製) 10重量部 IRGANOX1010(安定剤) 1重量部 上記成分を200℃の二本ロールを用いて十分に混練り
を行った。混練りが終了したものを金型に入れ、100
℃で10分間プレス成型を行って厚さ3mmのシート状
の消しゴムを得た。
【0030】 比較例8(従来のポリ塩化ビニル系消しゴム) ゼオン121(ポリ塩化ビニル樹脂:日本ゼオン(株)製) 30重量部 ジオクチルフタレート(可塑剤) 35重量部 エポキシ化大豆油(安定剤) 0.6重量部 重質炭酸カルシウム(充填剤) 35重量部 上記各成分を混合することによりペースト状とし、この
ものを金型に入れて110℃、20分間プレス成型を行
ってブロック状の消しゴムを得た。
【0031】上記実施例1〜7で得た消しゴムおよび比
較例1〜7で得た消しゴムの内部を、走査型電子顕微鏡
を用いて1000倍に拡大して観察したところ、実施例
で得た消しゴムは多数の微細な空隙部の存在が確認でき
たが、比較例のものは均一な状態であり、空隙部はなか
った。
【0032】実施例1、2で得た消しゴムおよび比較例
1、2で得た消しゴムの硬度(JIS K6301、A
タイプ硬度計使用)を測定したところ、比較例1は5
5、比較例2は60であったが、実施例1、2は硬度計
の測定部の針が消しゴムに刺さってしまって硬度を測定
できなかった。
【0033】実施例1〜5で得た消しゴムおよび比較例
1〜5で得た消しゴムを用いて消字率(JIS S60
50)を測定したところ、実施例1〜5で得た消しゴム
はいずれも消字率80%以上でありJIS規格を満足し
たが、比較例1〜5で得た消しゴムは、摩耗しないため
消しカスが出なく、筆跡の炭素粉末は吸着するものの、
紙面を黒く汚してしまった。
【0034】実施例6、7で得た消しゴムおよび比較例
6、7で得た消しゴムを手で持って消してみたところ、
実施例6、7で得た消しゴムは厚さ3mmであるのに腰
があって曲がることなく消しゴムとして使用できたが、
比較例6、7は腰はあるが摩耗しないため消しカスが出
なく、筆跡の炭素粉末は吸着するものの、紙面を汚して
しまった。
【0035】更に、軽い力での消去性を手消しにより実
施例1〜7と比較例8のポリ塩化ビニル系消しゴムとで
比較したところ同等であった。
【0036】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よる消しゴム及びその製造方法は、原材料に塩素を含有
する塩素化合物を使用していないため、焼却時に塩素含
有有毒ガスを発生することがなく、さらに、ポリ塩化ビ
ニル系消しゴムのように軽い力で擦過してもよく消える
という優れた性質を有するもの消しゴムであり、またそ
のこの消しゴムを製造する方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材としてオレフィン系熱可塑性エラス
    トマーを用いた消しゴムにおいて、この消しゴム内部に
    多数の微小な空隙部が形成されていることを特徴とする
    消しゴム。
  2. 【請求項2】 基材としてオレフィン系熱可塑性エラス
    トマーを用い、剪断力を加えて混練及び/又は成型する
    消しゴムの製造方法において、最後に剪断力が加えられ
    る工程の温度が基材であるオレフィン系熱可塑性エラス
    トマーの分子拘束成分の融点より低い温度であって、か
    つ、最後に剪断力が加えられる工程以降での加熱が基材
    であるオレフィン系熱可塑性エラストマーの分子拘束成
    分の融点を超えないことを特徴とする消しゴムの製造方
    法。
JP11233993A 1993-04-15 1993-04-15 消しゴムの製造方法 Expired - Fee Related JP3381302B2 (ja)

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