JP2006043587A - 酸素含有炭化水素の改質触媒、それを用いた酸素含有炭化水素の改質方法及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸素含有炭化水素の改質反応における高活性な改質触媒、及びこの改質触媒を用いて酸素含有炭化水素を効率的に改質する方法、及び高活性な改質触媒を備えた改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 セリウムを含む担体に活性金属成分を担持することを特徴とする酸素含有炭化水素の改質触媒、該改質触媒を用いた酸素含有炭化水素の改質方法、及び該改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システムである。
【選択図】なし
【解決手段】 セリウムを含む担体に活性金属成分を担持することを特徴とする酸素含有炭化水素の改質触媒、該改質触媒を用いた酸素含有炭化水素の改質方法、及び該改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システムである。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸素含有炭化水素の改質触媒、それを用いた酸素含有炭化水素の改質方法及び燃料電池システムに関し、さらに詳しくは、セリウムを含む担体に活性金属を担持した高い活性を有する酸素含有炭化水素の改質触媒、該触媒を用いた酸素含有炭化水素の改質方法、並びにこの改質触媒を利用した燃料電池システムに関する。
合成ガスは、一酸化炭素と水素とからなり、メタノール合成、オキソ合成、フィッシャートロプシュ合成などの原料ガスとして用いられるほか、アンモニア合成や各種化学製品の原料として広く用いられている。
この合成ガスは、従来、石炭のガス化による方法、あるいは天然ガスなどを原料とする炭化水素類の水蒸気改質法や部分酸化改質法などにより製造されてきた。しかしながら、石炭のガス化方法においては、複雑で高価な石炭ガス化炉が必要である上、大規模なプラントになるなどの問題があった。また、炭化水素類の水蒸気改質法においては、反応が大きな吸熱を伴うため、反応の進行に700〜1200℃程度の高温を必要とし、特殊な改質炉が必要となる上、使用される触媒に高い耐熱性が要求されるなどの問題があった。さらに、炭化水素類の部分酸化改質においても、高温を必要とするために、特殊な部分酸化炉が必要となり、また反応に伴って大量のすすが生成することから、その処理が問題となる上、触媒が劣化しやすいなどの問題があった。
この合成ガスは、従来、石炭のガス化による方法、あるいは天然ガスなどを原料とする炭化水素類の水蒸気改質法や部分酸化改質法などにより製造されてきた。しかしながら、石炭のガス化方法においては、複雑で高価な石炭ガス化炉が必要である上、大規模なプラントになるなどの問題があった。また、炭化水素類の水蒸気改質法においては、反応が大きな吸熱を伴うため、反応の進行に700〜1200℃程度の高温を必要とし、特殊な改質炉が必要となる上、使用される触媒に高い耐熱性が要求されるなどの問題があった。さらに、炭化水素類の部分酸化改質においても、高温を必要とするために、特殊な部分酸化炉が必要となり、また反応に伴って大量のすすが生成することから、その処理が問題となる上、触媒が劣化しやすいなどの問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、近年、ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を原料として用い、これに各種の改質を施して、合成ガスを製造することが試みられている。
一方、近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目を集めている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換させるものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池の水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のナフサや灯油などの石油系炭化水素の研究がなされている。
一方、近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目を集めている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換させるものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池の水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のナフサや灯油などの石油系炭化水素の研究がなされている。
これらの石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素に対して、触媒の存在下に水蒸気改質処理や部分酸化改質処理などが施されるが、この場合、前記のような問題が生じる。したがって、水素の製造においても、ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を原料として用いる方法が、種々試みられている。
ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を原料として、これに各種の改質を施して、水素や合成ガスを製造する際に使用される触媒については、これまで各種のものが開示されている。その中で、酸素含有炭化水素を改質する技術として、例えば元素形態の銅またはニッケルから実質的に構成される本質的にアルカリ金属を含まない改質触媒(例えば特許文献1参照)、エーテル水和触媒とメタノール分解触媒の存在下にジメチルエーテルと水蒸気を反応させる方法(例えば、特許文献2参照)、銅を含有することを特徴とする、ジメチルエーテルと二酸化炭素から合成ガスを生成させる触媒および合成ガスの製造方法(例えば、特許文献3参照)、コバルトを含有することを特徴とするジメチルエーテルと水蒸気から水素を生成させる触媒および水素の製造方法(例えば、特許文献4参照)、少なくともイリジウム、白金、ロジウムまたはパラジウム担持金属酸化物と固体酸性化合物のいずれかを活性成分として含有する触媒および該触媒を用いてジメチルエーテルと水蒸気とから合成ガスを製造する方法(例えば、特許文献5参照)、固体酸に銅または銅と一種以上の銅を除く遷移金属が担持されたものからなるジメチルエーテルの改質触媒(例えば、特許文献6参照)、固体酸に銅または銅と一種以上の銅以外の遷移金属が担持されている物質と固体強酸とからなるジメチルエーテル改質触媒(例えば、特許文献7参照)、銅含有物質と固体酸性物質の混合物からなる、ジメチルエーテルと水蒸気から水素を製造させる触媒及びそれを用いた水素の製造方法(例えば、特許文献8参照)、銅を含む物質と固体酸性物質との混合物からなる、ジメチルエーテルと水蒸気から合成ガスを製造させる触媒及びそれを用いた合成ガスの製造方法(例えば、特許文献9参照)、固体酸に白金成分を含む金属が担持されているジメチルエーテル改質触媒(例えば、特許文献10参照)など、Cu系触媒や貴金属系触媒が多数提案されている。
しかしながら、これらの技術において用いられるCu系触媒、貴金属系触媒は、いずれも酸素含有炭化水素の改質反応において、十分な触媒活性が得られていない。
ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を原料として、これに各種の改質を施して、水素や合成ガスを製造する際に使用される触媒については、これまで各種のものが開示されている。その中で、酸素含有炭化水素を改質する技術として、例えば元素形態の銅またはニッケルから実質的に構成される本質的にアルカリ金属を含まない改質触媒(例えば特許文献1参照)、エーテル水和触媒とメタノール分解触媒の存在下にジメチルエーテルと水蒸気を反応させる方法(例えば、特許文献2参照)、銅を含有することを特徴とする、ジメチルエーテルと二酸化炭素から合成ガスを生成させる触媒および合成ガスの製造方法(例えば、特許文献3参照)、コバルトを含有することを特徴とするジメチルエーテルと水蒸気から水素を生成させる触媒および水素の製造方法(例えば、特許文献4参照)、少なくともイリジウム、白金、ロジウムまたはパラジウム担持金属酸化物と固体酸性化合物のいずれかを活性成分として含有する触媒および該触媒を用いてジメチルエーテルと水蒸気とから合成ガスを製造する方法(例えば、特許文献5参照)、固体酸に銅または銅と一種以上の銅を除く遷移金属が担持されたものからなるジメチルエーテルの改質触媒(例えば、特許文献6参照)、固体酸に銅または銅と一種以上の銅以外の遷移金属が担持されている物質と固体強酸とからなるジメチルエーテル改質触媒(例えば、特許文献7参照)、銅含有物質と固体酸性物質の混合物からなる、ジメチルエーテルと水蒸気から水素を製造させる触媒及びそれを用いた水素の製造方法(例えば、特許文献8参照)、銅を含む物質と固体酸性物質との混合物からなる、ジメチルエーテルと水蒸気から合成ガスを製造させる触媒及びそれを用いた合成ガスの製造方法(例えば、特許文献9参照)、固体酸に白金成分を含む金属が担持されているジメチルエーテル改質触媒(例えば、特許文献10参照)など、Cu系触媒や貴金属系触媒が多数提案されている。
しかしながら、これらの技術において用いられるCu系触媒、貴金属系触媒は、いずれも酸素含有炭化水素の改質反応において、十分な触媒活性が得られていない。
本発明は、このような状況下でなされたもので、ジメチルエーテルやメタノールに代表される酸素含有炭化水素の改質反応における高活性な改質触媒、及びこの改質触媒を用いて酸素含有炭化水素に各種改質を施し、水素又は合成ガスを効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。また、このような優れた改質触媒を備えた改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する、燃料電池システムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、セリウムを含む担体に活性金属を担持した改質触媒が、酸素含有炭化水素の改質反応に対し高い活性を有し、その目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
(1)セリウムを含む担体に活性金属成分を担持することを特徴とする酸素含有炭化水素の改質触媒、
(2)さらに固体酸性物質を含む上記(1)に記載の改質触媒、
(3)活性金属成分が銅、銀、ルテニウム、白金、パラジウム、ロジウム及びイリジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(1)又は(2)に記載の改質触媒、
(4)活性金属成分が銀である上記(3)に記載の改質触媒、
(5)固体酸性物質がゼオライト、メタロシリケート、ジルコニア担持酸化物、ヘテロポリ酸、シリカ−アルミナ及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(2)〜(4)のいずれかに記載の改質触媒、
(6)酸素含有炭化水素がメタノール、エタノール、ジメチルエーテル及びメチルエチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の改質触媒、
(7)酸素含有炭化水素がジメチルエーテルである上記(6)に記載の改質触媒、
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の改質触媒を用いた酸素含有炭化水素の改質方法、
(9)改質反応が水蒸気改質、自己熱改質、部分酸化改質又は二酸化炭素改質である上記(8)に記載の改質方法、及び
(10)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システム、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)セリウムを含む担体に活性金属成分を担持することを特徴とする酸素含有炭化水素の改質触媒、
(2)さらに固体酸性物質を含む上記(1)に記載の改質触媒、
(3)活性金属成分が銅、銀、ルテニウム、白金、パラジウム、ロジウム及びイリジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(1)又は(2)に記載の改質触媒、
(4)活性金属成分が銀である上記(3)に記載の改質触媒、
(5)固体酸性物質がゼオライト、メタロシリケート、ジルコニア担持酸化物、ヘテロポリ酸、シリカ−アルミナ及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(2)〜(4)のいずれかに記載の改質触媒、
(6)酸素含有炭化水素がメタノール、エタノール、ジメチルエーテル及びメチルエチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の改質触媒、
(7)酸素含有炭化水素がジメチルエーテルである上記(6)に記載の改質触媒、
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の改質触媒を用いた酸素含有炭化水素の改質方法、
(9)改質反応が水蒸気改質、自己熱改質、部分酸化改質又は二酸化炭素改質である上記(8)に記載の改質方法、及び
(10)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システム、
を提供するものである。
本発明の改質触媒は、酸素含有炭化水素の改質反応において高い活性を有し、また本発明の改質方法によれば、水素又は合成ガスを効率よく製造することができる。さらに、本発明によれば、このような高活性な改質触媒を備えた改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する、優れた燃料電池システムを提供することができる。
本発明の改質触媒は、担体にセリウムを含有することを特徴とする。ここで、セリウムは酸化セリウムとして単独で担体を構成してもよいし、酸化セリウムと無機酸化物等が混合されて担体を構成していてもよい。また、セリウムが無機酸化物に担持され、担体の一部を構成していてもよい。
セリウム源としては特に制限はなく、Ce(NO3)3、Ce2(SO4)3、CeCl3、CeBr3、CeI3、Ce(ClO4)3、Ce(NH4)(SO4)2、Ce(NH4)2(NO3)5、Ce(NH4)2(NO3)6、Ce(CH3COO)3などが挙げられる。
単独で担体を構成する、または無機酸化物等と混合される酸化セリウムは、上記セリウム塩を焼成することにより、または上記セリウム塩溶液のpHを調整して沈殿を得、これを焼成すること等により容易に得ることができる。また、酸化セリウムと無機酸化物等を混合する場合には、酸化セリウムと無機酸化物等とを別々に調製しておき、物理混合してもよいし、上記セリウム塩の溶液と、無機酸化物等の塩との混合溶液を調製しておき、共沈させてもよい。
セリウムを無機酸化物等に担持させる場合には、上述のセリウム塩の溶液を無機酸化物等に、含浸法あるいはイオン交換法等の通常用いられる手段で担持することによって容易に得ることができる。
セリウム源としては特に制限はなく、Ce(NO3)3、Ce2(SO4)3、CeCl3、CeBr3、CeI3、Ce(ClO4)3、Ce(NH4)(SO4)2、Ce(NH4)2(NO3)5、Ce(NH4)2(NO3)6、Ce(CH3COO)3などが挙げられる。
単独で担体を構成する、または無機酸化物等と混合される酸化セリウムは、上記セリウム塩を焼成することにより、または上記セリウム塩溶液のpHを調整して沈殿を得、これを焼成すること等により容易に得ることができる。また、酸化セリウムと無機酸化物等を混合する場合には、酸化セリウムと無機酸化物等とを別々に調製しておき、物理混合してもよいし、上記セリウム塩の溶液と、無機酸化物等の塩との混合溶液を調製しておき、共沈させてもよい。
セリウムを無機酸化物等に担持させる場合には、上述のセリウム塩の溶液を無機酸化物等に、含浸法あるいはイオン交換法等の通常用いられる手段で担持することによって容易に得ることができる。
上記担体のうち、セリウム以外の成分としては特に制限はなく、通常担体として使用される無機酸化物を用いることができる。具体的には、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア等の金属酸化物、あるいはシリカ、ゼオライト等を用いることができる。
本発明の改質触媒は、さらに固体酸性物質を含むことが好ましい。ここで、固体酸性物質は、上記セリウムを含む担体中に含有されていてもよいし、セリウムを含む担体、活性金属成分の他に、第三成分として含まれていてもよい。また、前記無機酸化物が固体酸性物質であってもよい。
本発明の改質触媒における固体酸性物質とは、固体でありながらブレンステッド酸又はルイス酸の特性を示すものであり、具体的にはゼオライト、メタロシリケート、ジルコニア担持酸化物、ヘテロポリ酸、シリカ−アルミナ、アルミナ、シリコリン酸アルミニウム(SAPO)などを挙げることができる。これらの固体酸性物質は、本発明における改質触媒中に1〜80質量%の範囲で存在することが好ましい。1質量%以上であると、ジメチルエーテル等の酸素含有炭化水素の転化率が十分に得られ、80質量%以下であると、活性低下の原因であるコーク質の生成を抑制できる。以上の観点から、さらに2〜50質量%の範囲で存在することが好ましい。なお、上記固体酸性物質は、一種単独で又は二種以上を混合して使用してもよい。
本発明の改質触媒は、さらに固体酸性物質を含むことが好ましい。ここで、固体酸性物質は、上記セリウムを含む担体中に含有されていてもよいし、セリウムを含む担体、活性金属成分の他に、第三成分として含まれていてもよい。また、前記無機酸化物が固体酸性物質であってもよい。
本発明の改質触媒における固体酸性物質とは、固体でありながらブレンステッド酸又はルイス酸の特性を示すものであり、具体的にはゼオライト、メタロシリケート、ジルコニア担持酸化物、ヘテロポリ酸、シリカ−アルミナ、アルミナ、シリコリン酸アルミニウム(SAPO)などを挙げることができる。これらの固体酸性物質は、本発明における改質触媒中に1〜80質量%の範囲で存在することが好ましい。1質量%以上であると、ジメチルエーテル等の酸素含有炭化水素の転化率が十分に得られ、80質量%以下であると、活性低下の原因であるコーク質の生成を抑制できる。以上の観点から、さらに2〜50質量%の範囲で存在することが好ましい。なお、上記固体酸性物質は、一種単独で又は二種以上を混合して使用してもよい。
固体酸性物質として用いられるゼオライトとしては特に制限はなく、天然ゼオライト、合成ゼオライトのいずれであってもよい。具体的には、ホージャサイト、モルデナイト、ソーダライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、ZSM−5などが挙げられる。
また、固体酸性物質として用いられるメタロシリケートとしては特に制限はなく、例えば鉄シリケート、ガリウムシリケート、亜鉛シリケート、ランタンシリケート、モリブデンシリケートなどが挙げられる。
また、固体酸性物質として用いられるメタロシリケートとしては特に制限はなく、例えば鉄シリケート、ガリウムシリケート、亜鉛シリケート、ランタンシリケート、モリブデンシリケートなどが挙げられる。
固体酸性物質として用いられるジルコニア担持酸化物とは、高いイオン交換性を有する水酸化ジルコニウムに硫酸、タングステン酸塩、モリブデン酸塩等の第二成分を添加し、高温で焼成することによって得られる固体酸性を有するジルコニアであって、第二成分を担持する際のpHの調整や焼成温度等によって酸性質を制御することができるものである。
また、固体酸性物質として用いられるヘテロポリ酸とは、2種以上のオキソ酸が縮合した多核構造のポリ酸をいい、骨格をつくる酸の縮合構造の中に少数個の異種原子(ヘテロ原子)の酸素酸を含む構造を有する。骨格酸の中心原子はポリ原子といい、Mo、W、Nb、Vなどである。一方、ヘテロ原子はP、Si、As、Geなどが挙げられる。
また、固体酸性物質として用いられるヘテロポリ酸とは、2種以上のオキソ酸が縮合した多核構造のポリ酸をいい、骨格をつくる酸の縮合構造の中に少数個の異種原子(ヘテロ原子)の酸素酸を含む構造を有する。骨格酸の中心原子はポリ原子といい、Mo、W、Nb、Vなどである。一方、ヘテロ原子はP、Si、As、Geなどが挙げられる。
固体酸性物質として用いられるシリカ−アルミナは、シリカとアルミナを結合して得られるもので、合成にはシリカゲルとアルミナゲルの混合や、アルミニウムイオンを含む溶液とケイ酸の混合溶液からゲル状で共沈させるなどの方法がある。シリカとアルミナの組成比によって、酸量や酸強度を変化させることができる。
固体酸性物質として用いられるアルミナとしては、市販のα、β、γ、η、θ、κ、χのいずれの結晶形態のものも使用できる。また、ベーマイト、バイアライト、ギブサイト等のアルミナ水和物を焼成したものも使用できる。この他に、硝酸アルミニウムにpH8〜10程度のアルカリ緩衝液を加えて水酸化物の沈殿を生成させ、これを焼成したものを使用してもよいし、塩化アルミニウムを焼成してもよい。また、アルミニウムイソプロポキシド等のアルコキシドを2−プロパノール等のアルコールに溶解させ加水分解用の触媒として塩酸等の無機酸を添加してアルミナゲルを調製し、これを乾燥、焼成するゾル・ゲル法によって調製したものを使用することもできる。
固体酸性物質として用いられるアルミナとしては、市販のα、β、γ、η、θ、κ、χのいずれの結晶形態のものも使用できる。また、ベーマイト、バイアライト、ギブサイト等のアルミナ水和物を焼成したものも使用できる。この他に、硝酸アルミニウムにpH8〜10程度のアルカリ緩衝液を加えて水酸化物の沈殿を生成させ、これを焼成したものを使用してもよいし、塩化アルミニウムを焼成してもよい。また、アルミニウムイソプロポキシド等のアルコキシドを2−プロパノール等のアルコールに溶解させ加水分解用の触媒として塩酸等の無機酸を添加してアルミナゲルを調製し、これを乾燥、焼成するゾル・ゲル法によって調製したものを使用することもできる。
本発明の改質触媒は、セリウムを含む担体に活性金属成分を担持してなる。ここで活性金属成分とは、酸素含有炭化水素を改質する触媒活性を有する金属であれば特に制限されず、具体的には、銅、銀、ルテニウム、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムなどが好適に挙げられる。これらの活性金属のうち、特に銀が酸素含有炭化水素の改質における触媒活性が高いことから好ましい。なお、これらの活性金属は一種単独で使用することができ、または二種以上を併用することもできる。
これらの活性金属の担持量は、各金属種に応じて好適な含有量が異なり、改質触媒全量に対して、銅であれば金属換算で1.0〜50質量%の範囲であることが好ましく、さらには5〜30質量%の範囲であることが好ましい。また銀であれば、改質触媒全量に対して、金属換算で0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、さらには0.5〜10質量%の範囲であることが好ましい。ルテニウム、白金、パラジウム、ロジウム及びイリジウムの場合には、改質触媒全量に対して、金属換算で0.01〜5質量%の範囲であることが好ましく、さらには0.1〜3質量%の範囲であることが好ましい。活性金属の含有量がここに示す下限値以上であると十分な触媒活性を示し、ここに示す上限値以下であるとメタンの副生を抑制することができるとともに、経済的にもメリットがある。
これらの活性金属の担持量は、各金属種に応じて好適な含有量が異なり、改質触媒全量に対して、銅であれば金属換算で1.0〜50質量%の範囲であることが好ましく、さらには5〜30質量%の範囲であることが好ましい。また銀であれば、改質触媒全量に対して、金属換算で0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、さらには0.5〜10質量%の範囲であることが好ましい。ルテニウム、白金、パラジウム、ロジウム及びイリジウムの場合には、改質触媒全量に対して、金属換算で0.01〜5質量%の範囲であることが好ましく、さらには0.1〜3質量%の範囲であることが好ましい。活性金属の含有量がここに示す下限値以上であると十分な触媒活性を示し、ここに示す上限値以下であるとメタンの副生を抑制することができるとともに、経済的にもメリットがある。
本発明の改質触媒において、上記活性金属種の源としては、それぞれ特に限定されないが、取り扱いやすさなどの観点から、以下のような化合物が好適に例示される。なお、以下に示される化合物は、一種単独でも、二種以上を併用してもよい。
銅成分源である銅化合物としては、例えば、Cu(NO3)2、CuSO4、CuCl2、Cu2CO3などが、銀成分源である銀化合物としては、例えば、AgNO3、Ag(CH3COO)、AgF、AgClO3、AgClO4,Ag2SO4、AgNO2、Ag3PO4、Ag[BF4]、B[Ag(NH3)2]2SO4、[Ag(NH3)2]2SO4、K[Ag(CN)2]、Ag2O、AgOHなどを挙げることができる。
また、ルテニウム成分源であるルテニウム化合物としては、例えば、RuCl3・nH2O、Ru(NO3)3、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2O、K2(RuCl5(H2O))、(NH4)2(RuCl5(H2O))、K2(RuCl5(NO))、RuBr3・nH2O、Na2RuO4、Ru(NO)(NO3)3、(Ru3O(OAc)6(H2O)3)OAc・nH2O、K4(Ru(CN)6)・nH2O、K2(Ru(NO2)4(OH)(NO))、(Ru(NH3)6)Cl3、(Ru(NH3)6)Br3、(Ru(NH3)6)Cl2、(Ru(NH3)6)Br2、(Ru3O2(NH3)14)Cl6・H2O、(Ru(NO)(NH3)5)Cl3、(Ru(OH)(NO)(NH3)4)(NO3)2、RuCl2(PPh3)3、RuCl2(PPh3)4、(RuClH(PPh3)3)・C7H8、RuH2(PPh3)4、RuClH(CO)(PPh3)3、RuH2(CO)(PPh3)3、Ru(CO)12、Ru(acac)3、(Ru(HCOO)(CO)2)n、Ru2I4(p−cymene)2などのルテニウム塩を挙げることができる。これらのうち、取扱い上の点でRuCl3・nH2O、Ru(NO3)3、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2Oが特に好ましい。なお、ここでPhはフェニル基、acacはアセチルアセトン基を表す。
銅成分源である銅化合物としては、例えば、Cu(NO3)2、CuSO4、CuCl2、Cu2CO3などが、銀成分源である銀化合物としては、例えば、AgNO3、Ag(CH3COO)、AgF、AgClO3、AgClO4,Ag2SO4、AgNO2、Ag3PO4、Ag[BF4]、B[Ag(NH3)2]2SO4、[Ag(NH3)2]2SO4、K[Ag(CN)2]、Ag2O、AgOHなどを挙げることができる。
また、ルテニウム成分源であるルテニウム化合物としては、例えば、RuCl3・nH2O、Ru(NO3)3、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2O、K2(RuCl5(H2O))、(NH4)2(RuCl5(H2O))、K2(RuCl5(NO))、RuBr3・nH2O、Na2RuO4、Ru(NO)(NO3)3、(Ru3O(OAc)6(H2O)3)OAc・nH2O、K4(Ru(CN)6)・nH2O、K2(Ru(NO2)4(OH)(NO))、(Ru(NH3)6)Cl3、(Ru(NH3)6)Br3、(Ru(NH3)6)Cl2、(Ru(NH3)6)Br2、(Ru3O2(NH3)14)Cl6・H2O、(Ru(NO)(NH3)5)Cl3、(Ru(OH)(NO)(NH3)4)(NO3)2、RuCl2(PPh3)3、RuCl2(PPh3)4、(RuClH(PPh3)3)・C7H8、RuH2(PPh3)4、RuClH(CO)(PPh3)3、RuH2(CO)(PPh3)3、Ru(CO)12、Ru(acac)3、(Ru(HCOO)(CO)2)n、Ru2I4(p−cymene)2などのルテニウム塩を挙げることができる。これらのうち、取扱い上の点でRuCl3・nH2O、Ru(NO3)3、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2Oが特に好ましい。なお、ここでPhはフェニル基、acacはアセチルアセトン基を表す。
白金成分源である白金化合物としては、例えばPtCl4、H2PtCl6、Pt(NH3)4Cl2、(NH4)2PtCl2、H2PtBr6、NH4〔Pt(C2H4)Cl3〕、Pt(NH3)4(OH)2、Pt(NH3)2(NO2)2などを挙げることができる。
パラジウム成分源であるパラジウム化合物としては、例えば(NH4)2PdCl6、(NH4)2PdCl4、Pd(NH3)4Cl2、PdCl2、Pd(NO3)2などを挙げることができる。
ロジウム成分源であるロジウム化合物としては、例えばNa3RhCl6、(NH4)2RhCl6、Rh(NH3)5Cl3、RhCl3などを挙げることができる。
イリジウム成分源であるイリジウム化合物としては、例えば(NH4)2IrCl6、IrCl3、H2IrCl6などを挙げることができる。
パラジウム成分源であるパラジウム化合物としては、例えば(NH4)2PdCl6、(NH4)2PdCl4、Pd(NH3)4Cl2、PdCl2、Pd(NO3)2などを挙げることができる。
ロジウム成分源であるロジウム化合物としては、例えばNa3RhCl6、(NH4)2RhCl6、Rh(NH3)5Cl3、RhCl3などを挙げることができる。
イリジウム成分源であるイリジウム化合物としては、例えば(NH4)2IrCl6、IrCl3、H2IrCl6などを挙げることができる。
本発明における酸素含有炭化水素としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル類を好ましく挙げることができる。この中でジメチルエーテルが特に好ましい。
本発明の改質触媒はさらにアルカリ金属成分またはアルカリ土類金属成分から選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。該アルカリ金属成分として、カリウム、セシウム、ルビジウム、ナトリウム、リチウムが好適に用いられる。アルカリ金属成分源の化合物としては、例えば、K2B10O16、KBr、KBrO3 、KCN、K2CO3 、KCl、KClO3 、KClO4、KF、KHCO3、KHF2、KH2PO4、KH5(PO4)2、KHSO4、KI、KIO3、KIO4、K4I2O9、KN3、KNO2、KNO3、KOH、KPF6、K3PO4、KSCN、K2SO3、K2SO4、K2S2O3、K2S2O5、K2S2O6、K2S2O8、K(CH3COO)等のK塩;CsCl、CsClO3、CsClO4、CsHCO3、CsI、CsNO3、Cs2SO4、Cs(CH3COO)、Cs2CO3 、CsF等のCs塩;Rb2B10O16、RbBr、RbBrO3、RbCl、RbClO3、RbClO4、RbI、RbNO3、Rb2SO4、Rb(CH3COO)、Rb2CO3等のRb塩;Na2B4O7、NaB10O16、NaBr、NaBrO3、NaCN、Na2CO3、NaCl、NaClO、NaClO3、NaClO4、NaF、NaHCO3、NaHPO3、Na2 HPO3、Na2HPO4、NaH2PO4、Na3HP206、Na2H2P2O7、NaI、NaIO3、NaIO4、NaN3、NaNO2、NaNO3、NaOH、Na2PO3、Na3PO4、Na4P2O7、Na2S、NaSCN、Na2SO3、Na2SO4、Na2S2O5、Na2S2O6、Na(CH3COO)等のNa塩;LiBO2、Li2B4O7、LiBr、LiBrO3、Li2CO3、LiCl、LiClO3、LiClO4、LiHCO3、Li2HPO3、LiI、LiN3、LiNH4SO4、LiNO2、LiNO3、LiOH、LiSCN、Li2SO4、Li3VO4 等のLi塩を挙げることができる。
アルカリ土類金属成分として、バリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムが好適に用いられる。アルカリ土類金属成分源の化合物として、BaBr2、Ba(BrO3)2、BaCl2、Ba(ClO2)2 、Ba(ClO3)2、Ba(ClO4)2、BaI2、Ba(N3)2、Ba(NO2)2、Ba(NO3)2、Ba(OH)2、BaS、BaS2O6、BaS4O6、Ba(SO3NH2)2等のBa塩;CaBr2、CaI2、CaCl2、Ca(ClO3)2、Ca(IO3)2、Ca(NO2)2、Ca(NO3)2、CaSO4、CaS2O3、CaS2O6、Ca(SO3NH2)2、Ca(CH3COO)2、Ca(H2PO4)2等のCa塩;MgBr2、MgCO3、MgCl2、Mg(ClO3)2、MgI2、Mg(IO3)2、Mg(NO2)2、Mg(NO3)2、MgSO3、MgSO4、MgS2O6、Mg(CH3COO)2、Mg(OH)2、Mg(ClO4)2等のMg塩;SrBr2、SrCl2、SrI2、Sr(NO3)2、SrO、SrS2O3、SrS2O6、SrS4O6、Sr(CH3COO)2、Sr(OH)2等のSr塩を挙げることができる。
本発明の改質触媒は還元を行わずに使用することもできるが、触媒活性の面では還元処理を行う方が好ましい。この還元処理には、水素を含む気流中で処理する気相還元法と、還元剤で処理する湿式還元法が用いられる。前者の気相還元法は、通常、水素を含む気流下、100〜800℃、好ましくは150〜700℃の温度で、0.5〜12時間、好ましくは1〜6時間行うものである。
後者の湿式還元法としては、液体アンモニア/アルコール/Na,液体アンモニア/アルコール/Liを用いるBirch還元、メチルアミン/Li等を用いるBenkeser還元、Zn/HCl,Al/NaOH/H2O,NaH,LiAlH4及びその置換体、ヒドロシラン類、水素化ホウ素ナトリウム及びその置換体、ジボラン、蟻酸、ホルマリン、ヒドラジン等の還元剤で処理する方法がある。この場合、通常、室温〜100℃で、10分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間行うものである。
後者の湿式還元法としては、液体アンモニア/アルコール/Na,液体アンモニア/アルコール/Liを用いるBirch還元、メチルアミン/Li等を用いるBenkeser還元、Zn/HCl,Al/NaOH/H2O,NaH,LiAlH4及びその置換体、ヒドロシラン類、水素化ホウ素ナトリウム及びその置換体、ジボラン、蟻酸、ホルマリン、ヒドラジン等の還元剤で処理する方法がある。この場合、通常、室温〜100℃で、10分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間行うものである。
本発明における酸素含有炭化水素の改質方法は、ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を、(A)水蒸気改質、(B)自己熱改質、(C)部分酸化改質又は(D)二酸化炭素改質などの改質反応を行うことにより、水素又は合成ガスを製造するものである。
次に、各改質方法についてジメチルエーテルを用いた場合を例に挙げて説明する。
[水蒸気改質]
本発明の改質触媒を用いる場合、ジメチルエーテルの水蒸気改質は、以下に示す反応式に従って、反応が進行するものと思われる。
CH3OCH3 + H2O → 2CH3OH ・・・(1)
2CH3OH + 2H2O → 2CO2 + 6H2 ・・・(2)
2CO2 + 2H2 → 2CO + 2H2O ・・・(3)
したがって、水素を製造する場合には、前記(3)の反応が進行しにくいように、
すなわち
CH3OCH3 + 3H2O → 2CO2 + 6H2 ・・・(4)
の反応が起こるように反応条件を選択すればよい。
次に、各改質方法についてジメチルエーテルを用いた場合を例に挙げて説明する。
[水蒸気改質]
本発明の改質触媒を用いる場合、ジメチルエーテルの水蒸気改質は、以下に示す反応式に従って、反応が進行するものと思われる。
CH3OCH3 + H2O → 2CH3OH ・・・(1)
2CH3OH + 2H2O → 2CO2 + 6H2 ・・・(2)
2CO2 + 2H2 → 2CO + 2H2O ・・・(3)
したがって、水素を製造する場合には、前記(3)の反応が進行しにくいように、
すなわち
CH3OCH3 + 3H2O → 2CO2 + 6H2 ・・・(4)
の反応が起こるように反応条件を選択すればよい。
一方、合成ガスを製造する場合には、前記(1)、(2)及び(3)の反応が生じるように、すなわち
CH3OCH3 + H2O → 2CO + 4H2 ・・・(5)
の反応が起こるように反応条件を選択すればよい。
水素を製造する場合、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、理論的には3であるが、3〜6程度が好ましく、一方、合成ガスを製造する場合、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、理論的には1であるが、1〜2程度が好ましい。
反応温度は、通常200〜550℃、好ましくは250〜500℃の範囲で選定される。この温度が200℃以上であるとジメチルエーテルの転化率が十分確保され、550℃以下であると触媒の活性劣化が抑制されやすい。GHSV(ガス時空間速度)は、ジメチルエーテル基準で100〜10,000h-1の範囲が好ましい。このGHSVが100h-1以上であると高い生産効率が維持され、10,000h-1以下であるとジメチルエーテルの十分な転化率が得られる。また、反応圧力は、通常、常圧〜1MPa程度である。1MPa以下であるとジメチルエーテルの高い転化率が維持されやすい。
CH3OCH3 + H2O → 2CO + 4H2 ・・・(5)
の反応が起こるように反応条件を選択すればよい。
水素を製造する場合、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、理論的には3であるが、3〜6程度が好ましく、一方、合成ガスを製造する場合、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、理論的には1であるが、1〜2程度が好ましい。
反応温度は、通常200〜550℃、好ましくは250〜500℃の範囲で選定される。この温度が200℃以上であるとジメチルエーテルの転化率が十分確保され、550℃以下であると触媒の活性劣化が抑制されやすい。GHSV(ガス時空間速度)は、ジメチルエーテル基準で100〜10,000h-1の範囲が好ましい。このGHSVが100h-1以上であると高い生産効率が維持され、10,000h-1以下であるとジメチルエーテルの十分な転化率が得られる。また、反応圧力は、通常、常圧〜1MPa程度である。1MPa以下であるとジメチルエーテルの高い転化率が維持されやすい。
[自己熱改質]
自己熱改質反応においては、ジメチルエーテルの酸化反応と水蒸気との反応が同一リアクター内で、又は連続したリアクター内で起こる。この場合、水素製造と合成ガス製造では、反応条件は若干異なるが、一般的には、酸素/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.1〜1の範囲で選定され、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.5〜3の範囲で選定される。酸素/ジメチルエーテルモル比が0.1以上であると発熱による反応熱の供給が十分にでき、一方1以下であると完全酸化による水素濃度の低下が起きにくい。また、水蒸気/ジメチルエーテルモル比が0.5以上であると水素濃度が十分確保され、一方3以下であると熱のロスが少ない。
反応温度は、通常200〜800℃、好ましくは250〜500℃の範囲で選定される。また、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
自己熱改質反応においては、ジメチルエーテルの酸化反応と水蒸気との反応が同一リアクター内で、又は連続したリアクター内で起こる。この場合、水素製造と合成ガス製造では、反応条件は若干異なるが、一般的には、酸素/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.1〜1の範囲で選定され、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.5〜3の範囲で選定される。酸素/ジメチルエーテルモル比が0.1以上であると発熱による反応熱の供給が十分にでき、一方1以下であると完全酸化による水素濃度の低下が起きにくい。また、水蒸気/ジメチルエーテルモル比が0.5以上であると水素濃度が十分確保され、一方3以下であると熱のロスが少ない。
反応温度は、通常200〜800℃、好ましくは250〜500℃の範囲で選定される。また、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
[部分酸化改質]
部分酸化改質反応は、ジメチルエーテルの部分酸化反応が起こり、水素製造と合成ガス製造では、反応条件が若干異なるが、一般的には、酸素/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.3〜1.5の範囲で選定される。この酸素/ジメチルエーテルモル比が0.3以上であるとジメチルエーテルの転化率が十分得られ、一方1.5以下であると完全酸化による水素濃度の低下が起こりにくい。反応温度は、通常200〜900℃、好ましくは250〜600℃の範囲で選定される。また、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
部分酸化改質反応は、ジメチルエーテルの部分酸化反応が起こり、水素製造と合成ガス製造では、反応条件が若干異なるが、一般的には、酸素/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.3〜1.5の範囲で選定される。この酸素/ジメチルエーテルモル比が0.3以上であるとジメチルエーテルの転化率が十分得られ、一方1.5以下であると完全酸化による水素濃度の低下が起こりにくい。反応温度は、通常200〜900℃、好ましくは250〜600℃の範囲で選定される。また、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
[二酸化炭素改質]
二酸化炭素改質反応は、ジメチルエーテルと二酸化炭素の反応が起こり、水素製造と合成ガス製造では、反応条件は若干異なるが、一般的には、CO2/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.8〜2、より好ましくは0.9〜1.5の範囲で選定される。このCO2/ジメチルエーテルモル比が0.8以上であるとジメチルエーテルの転化率が十分得られ、一方2以下であると生成物中にCO2があまり残ることがなく、水素の分圧が低下する不都合がないため、CO2の除去などを必要としないという利点がある。この反応では、水蒸気を導入することができ、この導入により水素濃度を高めることが可能となる。また、反応温度、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
二酸化炭素改質反応は、ジメチルエーテルと二酸化炭素の反応が起こり、水素製造と合成ガス製造では、反応条件は若干異なるが、一般的には、CO2/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.8〜2、より好ましくは0.9〜1.5の範囲で選定される。このCO2/ジメチルエーテルモル比が0.8以上であるとジメチルエーテルの転化率が十分得られ、一方2以下であると生成物中にCO2があまり残ることがなく、水素の分圧が低下する不都合がないため、CO2の除去などを必要としないという利点がある。この反応では、水蒸気を導入することができ、この導入により水素濃度を高めることが可能となる。また、反応温度、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
本発明に係る燃料電池システムは、前述の改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有することを特徴とするものであり、以下図1に、例として水蒸気改質反応による改質器を使用した場合について説明する。
燃料タンク21内の燃料は脱硫器23に導入される。通常、酸素含有炭化水素として好適なジメチルエーテル等を使用する場合には硫黄は含有されないが、着臭剤等として硫黄含有化合物を含む場合等に脱硫器が有効である。脱硫器23には例えば活性炭、ゼオライト又は金属系の吸着剤などを充填することができる。脱硫器23で脱硫された燃料は水タンクから水ポンプ24を経た水と混合した後、気化器1に導入されて気化され、改質器31に送り込まれる。改質器31には前述の改質触媒が充填されており、改質器31に送り込まれた燃料混合物(酸素含有炭化水素及び水蒸気)から、前述した水蒸気改質反応によって水素が製造される。
燃料タンク21内の燃料は脱硫器23に導入される。通常、酸素含有炭化水素として好適なジメチルエーテル等を使用する場合には硫黄は含有されないが、着臭剤等として硫黄含有化合物を含む場合等に脱硫器が有効である。脱硫器23には例えば活性炭、ゼオライト又は金属系の吸着剤などを充填することができる。脱硫器23で脱硫された燃料は水タンクから水ポンプ24を経た水と混合した後、気化器1に導入されて気化され、改質器31に送り込まれる。改質器31には前述の改質触媒が充填されており、改質器31に送り込まれた燃料混合物(酸素含有炭化水素及び水蒸気)から、前述した水蒸気改質反応によって水素が製造される。
このようにして製造された水素はCO変成器32、CO選択酸化器33を通じてCO濃度が燃料電池の特性に及ぼさない程度まで低減される。これらの反応器に用いる触媒例としては、CO変成器32には、鉄−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒あるいは貴金属系触媒が挙げられ、CO選択酸化器33には、ルテニウム系触媒、白金系触媒あるいはそれらの混合触媒が挙げられる。改質反応で製造された水素中のCO濃度が低い場合、CO変成器32を取り付けなくてもよい。
燃料電池34は負極34Aと正極34Bとの間に高分子電解質34Cを備えた固体高分子形燃料電池の例である。負極側には上記の方法で得られた水素リッチガスが、正極側には空気ブロアー35から送られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後(加湿装置は図示せず)導入される。
この時、負極側では水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、正極側では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行し、両極34A、34B間に直流電流が発生する。その場合、負極には、白金黒もしくは活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが使用され、正極には、白金黒もしくは活性炭担持のPt触媒などが使用される。
この時、負極側では水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、正極側では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行し、両極34A、34B間に直流電流が発生する。その場合、負極には、白金黒もしくは活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが使用され、正極には、白金黒もしくは活性炭担持のPt触媒などが使用される。
負極34A側に改質器31のバーナ31Aを接続して余った水素を燃料とすることができる。また、正極34B側に気水分離器36を接続し、正極34B側に供給された空気中の酸素と水素との結合により生じた水と排気ガスとを分離し、水を水蒸気の生成に利用することができる。燃料電池34では発電に伴って熱が発生するため、排熱回収装置37を付設してこの熱を回収して有効利用することができる。排熱回収装置37は、燃料電池34に付設され反応時に生じた熱を奪う熱交換器37Aと、この熱交換器37Aで奪った熱を水と熱交換するための熱交換器37Bと、冷却器37Cと、これら熱交換器37A、37B及び冷却器37Cへ冷媒を循環させるポンプ37Dとを備え、熱交換器37Bにおいて得られる温水は他の設備などで有効に利用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
触媒の性能評価は、以下に示すジメチルエーテル(DME)転化率(%)又はメタノール(MeOH)転化率(%)、及び出口H2濃度(%)を測定することにより行った。また、触媒2と触媒3について、DMEの改質反応を実施した後の触媒のX線回折測定を行い、活性金属成分の分散性を評価した。
なお、使用する触媒は、粒径16〜32メッシュに成型したものを10ミリリットル改質器に充填し、反応前に下記の水素還元条件で水素還元を行った。
水素還元条件:100%H2、温度=400℃、時間:1.5h。
触媒の性能評価は、以下に示すジメチルエーテル(DME)転化率(%)又はメタノール(MeOH)転化率(%)、及び出口H2濃度(%)を測定することにより行った。また、触媒2と触媒3について、DMEの改質反応を実施した後の触媒のX線回折測定を行い、活性金属成分の分散性を評価した。
なお、使用する触媒は、粒径16〜32メッシュに成型したものを10ミリリットル改質器に充填し、反応前に下記の水素還元条件で水素還元を行った。
水素還元条件:100%H2、温度=400℃、時間:1.5h。
ジメチルエーテルの改質反応の反応条件は、GHSV=900h-1(DME),5400H-1(DME+H2O),スチーム/カーボン(モル比)=2.5、反応温度=400℃、反応時間=18hで行った。
また、メタノールの改質反応の反応条件は、GHSV=1800h-1(MeOH),5400H-1(MeOH+H2O),スチーム/カーボン(モル比)=2.0、反応温度=350℃、反応時間=6hで行った。また、内部標準物質として10%N2を導入した。
また、メタノールの改質反応の反応条件は、GHSV=1800h-1(MeOH),5400H-1(MeOH+H2O),スチーム/カーボン(モル比)=2.0、反応温度=350℃、反応時間=6hで行った。また、内部標準物質として10%N2を導入した。
ジメチルエーテル(DME)の転化率、メタノール(MeOH)の転化率及び出口H2濃度は以下のようにして計算した。
(1)DME転化率(%):(A/B)×100
A:出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度
B:出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度+出口DMEモル濃度×2
(2)MeOH転化率(%):(C/D)×100
C:(出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度)×入口N2モル流量/出口N2モル濃度
D:入口メタノールモル流量
(3)出口H2濃度(%):(出口H2流量/出口ガス総流量)×100
(1)DME転化率(%):(A/B)×100
A:出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度
B:出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度+出口DMEモル濃度×2
(2)MeOH転化率(%):(C/D)×100
C:(出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度)×入口N2モル流量/出口N2モル濃度
D:入口メタノールモル流量
(3)出口H2濃度(%):(出口H2流量/出口ガス総流量)×100
また、X線回折測定は以下の装置及び条件で測定した。
(1)X線回折測定装置;(株)リガク製「Ultima III」
(2)X線源;Cu−Kα線、出力40kV×40mA
(3)光学系;反射法、スリットDS,SS=2/3°、RS=0.6mm
(4)測定範囲;2θ=5〜80°
(5)サンプリング間隔;0.02°
(6)走査速度;2θ/θ 連続スキャン1°/分
(1)X線回折測定装置;(株)リガク製「Ultima III」
(2)X線源;Cu−Kα線、出力40kV×40mA
(3)光学系;反射法、スリットDS,SS=2/3°、RS=0.6mm
(4)測定範囲;2θ=5〜80°
(5)サンプリング間隔;0.02°
(6)走査速度;2θ/θ 連続スキャン1°/分
実施例1
硝酸銀(AgNO3、和光純薬工業(株)製)1.66gを蒸留水8ミリリットルに溶解し、これをセリア(第一希元素化学工業(株)製)20gに含浸させた。その後、120℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間焼成を行い、5質量%Ag/CeO2(触媒1)を得た。上記の条件で水素還元およびMeOHの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。
硝酸銀(AgNO3、和光純薬工業(株)製)1.66gを蒸留水8ミリリットルに溶解し、これをセリア(第一希元素化学工業(株)製)20gに含浸させた。その後、120℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間焼成を行い、5質量%Ag/CeO2(触媒1)を得た。上記の条件で水素還元およびMeOHの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。
実施例2
製造実施例1で調製した触媒1を10gとAl2O3(「AKP−G015」、住友化学工業(株)製)4.45gとを、乳鉢にて混合して、5質量%Ag/CeO2+Al2O3(触媒2)を得た。上記の条件で水素還元およびDMEの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。また、反応後の触媒について、X線回折測定の結果を図2に示す。
製造実施例1で調製した触媒1を10gとAl2O3(「AKP−G015」、住友化学工業(株)製)4.45gとを、乳鉢にて混合して、5質量%Ag/CeO2+Al2O3(触媒2)を得た。上記の条件で水素還元およびDMEの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。また、反応後の触媒について、X線回折測定の結果を図2に示す。
比較例1
硝酸銀(AgNO3、和光純薬工業(株)製)1.66gを蒸留水7ミリリットルに溶解し、これをアルミナ担体(「KHD−24」、住友化学工業(株)製)20gに含浸させた。その後、120℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間焼成を行い、5質量%Ag/Al2O3(触媒3)を得た。上記の条件で水素還元およびMeOHの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。
硝酸銀(AgNO3、和光純薬工業(株)製)1.66gを蒸留水7ミリリットルに溶解し、これをアルミナ担体(「KHD−24」、住友化学工業(株)製)20gに含浸させた。その後、120℃で3時間乾燥した後、400℃で3時間焼成を行い、5質量%Ag/Al2O3(触媒3)を得た。上記の条件で水素還元およびMeOHの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。
比較例2
比較例1で調製した触媒3を用い、上記の条件で水素還元およびDMEの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。また、反応後の触媒について、X線回折測定の結果を図2に示す。
比較例1で調製した触媒3を用い、上記の条件で水素還元およびDMEの改質反応を実施して触媒の性能を評価した。その結果を第1表に示す。また、反応後の触媒について、X線回折測定の結果を図2に示す。
第1表からわかるように、セリウムを含む担体を用いた改質触媒は、アルミナ担体を用いた改質触媒と比較して、ジメチルエーテル及びメタノールの改質反応において、極めて高い活性を示すことがわかる。
また、図2からわかるように、セリウムを含む担体を用いた改質触媒は、アルミナ担体を用いた改質触媒と比較して、金属銀の回折ピークがほとんど見られないことから、活性成分である銀が、反応終了後も高い分散性を維持していることがわかる。
また、図2からわかるように、セリウムを含む担体を用いた改質触媒は、アルミナ担体を用いた改質触媒と比較して、金属銀の回折ピークがほとんど見られないことから、活性成分である銀が、反応終了後も高い分散性を維持していることがわかる。
本発明の改質触媒及び改質方法によれば、ジメチルエーテルやメタノールに代表される酸素含有炭化水素の改質反応において、高い転化率で水素又は合成ガスを効率よく製造することができる。また、このような優れた改質触媒を改質器に用いることによって、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池を有する燃料電池システムにおいて、効率的に電気を得ることができる。
1 :気化器
11:水供給管
12:燃料導入管
15:接続管
21:燃料タンク
23:脱硫器
24:水ポンプ
31:改質器
31A:改質器のバーナ
32:CO変成器
33:CO選択酸化器
34:燃料電池
34A:燃料電池負極
34B:燃料電池正極
34C:燃料電池高分子電解質
35:空気ブロワー
36:気水分離器
37:排熱回収装置
37A:熱交換器
37B:熱交換器
37C:冷却器
37D:冷媒循環ポンプ
11:水供給管
12:燃料導入管
15:接続管
21:燃料タンク
23:脱硫器
24:水ポンプ
31:改質器
31A:改質器のバーナ
32:CO変成器
33:CO選択酸化器
34:燃料電池
34A:燃料電池負極
34B:燃料電池正極
34C:燃料電池高分子電解質
35:空気ブロワー
36:気水分離器
37:排熱回収装置
37A:熱交換器
37B:熱交換器
37C:冷却器
37D:冷媒循環ポンプ
Claims (10)
- セリウムを含む担体に活性金属成分を担持することを特徴とする酸素含有炭化水素の改質触媒。
- さらに固体酸性物質を含む請求項1に記載の改質触媒。
- 活性金属成分が銅、銀、ルテニウム、白金、パラジウム、ロジウム及びイリジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の改質触媒。
- 活性金属成分が銀である請求項3に記載の改質触媒。
- 固体酸性物質がゼオライト、メタロシリケート、ジルコニア担持酸化物、ヘテロポリ酸、シリカ−アルミナ及びアルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項2〜4のいずれかに記載の改質触媒。
- 酸素含有炭化水素がメタノール、エタノール、ジメチルエーテル及びメチルエチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれかに記載の改質触媒。
- 酸素含有炭化水素がジメチルエーテルである請求項6に記載の改質触媒。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の改質触媒を用いた酸素含有炭化水素の改質方法。
- 改質反応が水蒸気改質、自己熱改質、部分酸化改質又は二酸化炭素改質である請求項8に記載の改質方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する燃料電池システム。
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JP2004228265A JP2006043587A (ja) | 2004-08-04 | 2004-08-04 | 酸素含有炭化水素の改質触媒、それを用いた酸素含有炭化水素の改質方法及び燃料電池システム |
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JP (1) | JP2006043587A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007246369A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Toshiba Corp | 水素製造装置、水素製造システム及び水素製造方法 |
JP2007320796A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Japan Energy Corp | 酸化自己熱型改質装置 |
JP2010207782A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Toyota Central R&D Labs Inc | 水蒸気改質触媒、それを用いた水蒸気改質方法、および水蒸気改質反応装置 |
JP2012218946A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 水素ガスの製造方法 |
-
2004
- 2004-08-04 JP JP2004228265A patent/JP2006043587A/ja active Pending
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