JP2007301452A - 酸素含有炭化水素改質用触媒、それを用いた水素又は合成ガスの製造方法、及び燃料電池システム - Google Patents

酸素含有炭化水素改質用触媒、それを用いた水素又は合成ガスの製造方法、及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】銅を含有し、かつ耐熱性に優れ、単位表面積当たりの活性が大きく向上した酸素含有炭化水素改質用触媒、及び水素又は合成ガスの製造方法を提供する。また、このような優れた改質用触媒を備えた改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する、優れた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物およびMFI型ゼオライトとを含有する酸素含有炭化水素の改質用触媒、並びに前記改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を、(1)水蒸気改質、(2)自己熱改質、(3)部分酸化改質、(4)二酸化炭素改質を行うことにより、水素又は合成ガスを製造する方法である。また、このような優れた改質用触媒を備えた改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有する、優れた燃料電池システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素含有炭化水素改質用触媒、それを用いた水素又は合成ガスの製造方法及び燃料電池システムに関し、さらに詳しくは、耐熱性に優れる銅含有スピネル構造を有する金属酸化物およびMFI型ゼオライトを含み、単位表面積当たりの活性が大きく向上した酸素含有炭化水素改質用触媒、及びこの改質用触媒を用いて酸素含有炭化水素に各種改質を施し、水素又は合成ガスを効率よく製造する方法、並びにこの改質用触媒を利用した燃料電池システムに関する。
合成ガスは、一酸化炭素と水素からなり、メタノール合成、オキソ合成、フィッシャートロプシュ合成などの原料ガスとして用いられるほか、アンモニア合成や各種化学製品の原料として広く用いられている。
この合成ガスは、従来石炭のガス化による方法、あるいは天然ガスなどを原料とする炭化水素類の水蒸気改質法や部分酸化改質法などにより製造されてきた。しかしながら、石炭のガス化方法においては、複雑で高価な石炭ガス化炉が必要である上、大規模なプラントになるなどの問題があった。また、炭化水素類の水蒸気改質法においては、反応が大きな吸熱を伴うため、反応の進行に700〜1200℃程度の高温を必要とし、特殊な改質炉が必要となる上、使用される触媒に高い耐熱性が要求されるなどの問題があった。さらに、炭化水素類の部分酸化改質においても、高温を必要とするために、特殊な部分酸化炉が必要となり、また反応に伴って大量の煤が生成することから、その処理が問題となる上、触媒が劣化しやすいなどの問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、近年、ジメチルエーテル(DME)などの酸素含有炭化水素を原料として用い、これに各種の改質を施し、合成ガスを製造することが試みられている。一方、近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目を集めている。
この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換させるものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。また、発電効率が高く、最近注目度の高い固体酸化物型燃料電池は、水素以外に一酸化炭素も利用することができる。この燃料電池の水素源(固体酸化物型燃料電池においては、水素及び一酸化炭素源)としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のナフサや灯油などの石油系炭化水素の研究がなされている。
これらの石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素に対して、触媒の存在下に水蒸気改質処理や部分酸化改質処理などが施されるが、この場合、前記のような問題が生じる。したがって、水素の製造においても、ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を原料として用いる方法が、種々試みられている。ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素を原料として、これに各種の改質を施して、水素や合成ガスを製造する際に使用される触媒については、これまで各種のものが開示されているが、その中でCu系の触媒を用いて、酸素含有炭化水素を改質する技術としては、例えばCu含有触媒を用いて、酸素含有炭化水素と二酸化炭素から合成ガスを製造させる触媒及びそれを用いた合成ガスの製造方法(特許文献1等)、Cu含有触媒を用いて、酸素含有炭化水素と水蒸気から水素を製造する触媒及びそれを用いた水素の製造方法(特許文献2等)、固体酸にCuを含む金属が担持されたものからなる酸素含有炭化水素改質用触媒(特許文献3、特許文献4等)、Cu含有物質と固体酸性物質との混合物からなる、酸素含有炭化水素と水蒸気から水素を製造する触媒及びそれを用いた水素の製造方法(特許文献5等)、Cu含有物質と固体酸性物との混合物からなる、酸素含有炭化水素と水蒸気から合成ガスを製造する触媒及びそれを用いた合成ガスの製造方法(特許文献6等)などが開示されている。
しかしながら、これらの技術において用いられるCu系触媒は、いずれも耐熱性が不十分であり、したがって、反応活性を向上させるために反応温度を上げると触媒が劣化するのを免れないという問題があった。
上記問題を解決するために、銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物または、さらに固体酸性物質を含有する酸素含有炭化水素改質用触媒が提案されている(特許文献7)。特許文献7では、固体酸性物質としてアルミナ、シリカ・アルミナ、ゼオライト等が列挙されているが、アルミナが好ましい旨記載されている。また、特許文献8では、Cu−Zn−Al型メタノール分解型触媒とZSM−5を混合した触媒を開示しているが、特許文献7の触媒と比較して、触媒劣化の原因となるコークが生成し易い点、或いは耐熱性の点で十分でない。
特開平10−174869号公報 特開平10−174871号公報 特開2001−96159号公報 特開2001−96160号公報 特開2003−10684号公報 特開2003−33656号公報 特開2005−342543号公報 特開平9−118501号公報
本発明は、上記のような銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物または、スピネル構造を有する金属酸化物と固体酸性物質との混合物である酸素含有炭化水素改質用触媒の性能をさらに改良することを課題とする。
本発明者らは、前記従来技術の現状に鑑み、上記触媒をさらに改良すべく鋭意研究を行った結果、銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物にMFI型ゼオライトを一定量混合することにより触媒性能がさらに改良されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(13)
(1)銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物とMFI型ゼオライトを含有し、X線回折により算出した銅含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積とMFI型ゼオライトの(3 3 2)面のピーク面積の比が1:1〜100:1の範囲であることを特徴とする酸素含有炭化水素改質用触媒、
(2)銅含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積とMFI型ゼオライトの(3 3 2)面のピーク面積の比が2:1〜80:1の範囲である上記(1)に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒、
(3)金属酸化物がCu−Mn型スピネルである上記(1)または(2)に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒、
(4)金属酸化物がCu−Fe型スピネルである上記(1)または(2)に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒、
(5)金属酸化物がCu−Cr型スピネルである上記(1)または(2)に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒、
(6)金属酸化物がCu−Mn−Fe型スピネルである上記(1)または(2)に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒、
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の改質触媒を還元することにより得られる酸素含有炭化水素改質用触媒、
(8)酸素含有炭化水素が、ジメチルエーテル、およびメチルエチルエーテルから選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の酸素含有炭化水素改質用触媒、
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を水蒸気改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法、
(10)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を自己熱改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法、
(11)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を部分酸化改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法、
(12)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を二酸化炭素改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法、
(13)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の改質用触媒を備えた改質器と、該改質器により製造された水素を燃料とする燃料電池とを有することを特徴とする燃料電池システムを提供する。
本発明の酸素含有炭化水素改質用触媒を用いることにより、酸素含有炭化水素から水素または合成ガスを高い転化率で効率よく製造する方法および効率の高い燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、スピネル構造を有する金属酸化物は、AB24型の金属複合酸化物にみられる代表的結晶構造型の一つで立方晶系を有している。前記AB24において、通常Aは二価の金属であり、Bは三価の金属である。
本発明においては、銅を含むスピネル構造の金属酸化物(以下、Cu含有スピネルと記載する場合がある)が用いられ、このような金属酸化物としては、触媒活性及び耐熱性などの点から、Cu−Mn型スピネル、Cu−Fe型スピネル、Cu−Cr型スピネルが好ましい。前記Cu−Mn型スピネルとしては、例えばCuMn24などを挙げることができ、Cu−Fe型スピネルとしては、例えばCuFe24などを挙げることができる。Cu−Cr型スピネルとしては、例えばCuCr24などを挙げることができる。さらに、CuAl24や、三成分系のCu(FeCr)24、Cu(FeAl)24、Cu(MnFe)24スピネルも用いることができる。Cu(MnFe)24型スピネルとしては、Cu(Mn1.5Fe0.5)O4、Cu(Mn1.0Fe1.0)O4、Cu(Mn2/3Fe4/3)O4、Cu(Mn0.5Fe1.5)O4などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いても良い。
このような銅を含むスピネル構造の金属酸化物は、銅を含む非スピネル構造のものに比べて、耐熱性に優れ、かつ酸素含有炭化水素の改質に用いる場合、単位表面積当たりの触媒活性がはるかに高い。
MFI型ゼオライトとは、MFI(Mobil five)構造を有しており、ZSM−5、ZSM−8、ゼータ1、ゼータ3、Nu−4、Nu−5、TZ−1、TPZ−1、TS−1等のMFI構造を有するものが挙げられ、中でもZSM−5が特に好ましい。
ZSM−5の市販品としては、Zeolyst社製のプロトン型の「CBV3020E」、アンモニウム型の「CBV2314」、「CBV8014」、「CBV28014」、また、触媒学会の参照触媒である日本モービルカタリスト社製のプロトン型の「JRC−Z5−25H」および「JRC−Z5−70H」、Na型の「JRC−Z5−70NA」、ズードケミー触媒社製のプロトン型の「JRC−Z5−90H(1)」、Na型の「JRC−Z5−90NA(1)」等が挙げられる。
ZSM−5の市販品と同様、上記MFI型ゼオライトのいずれにもNa型のものや硝酸アンモニウム溶液によるアンモニウム交換処理後の焼成、あるいは硝酸や塩酸によるプロトン交換処理により、Naの一部又は全てをプロトンに交換したプロトン型のものがあるが触媒活性の面から、後者を用いることが好ましい。
本発明の酸素含有炭化水素改質用触媒は、銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物とMFI型ゼオライトを含有し、両者の混合比率はX線回折により算出した銅含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積とMFI型ゼオライトの(3 3 2)面のピーク面積の比で表すと1:1〜100:1の範囲であることを要する。より好ましいピーク面積比率は2:1〜80:1である。銅含有スピネルとMFI型ゼオライトの混合比率がこの範囲にあれば、触媒劣化の原因となるコークの生成量が抑制されるとともに、触媒活性も良好である。
銅含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積とMFI型ゼオライトの(3 3 2)面のピーク面積の比はCu含有スピネルとMFI型ゼオライトを混合する際の質量比、混合方法、混合時間、第三成分の添加等によってコントロールすることができる。Cu含有スピネルとMFI型ゼオライトを混合する際の質量比は、通常1:1〜150:1、好ましくは、2:1〜50:1程度であるが、例えば、Cu含有スピネルとMFI型ゼオライトの混合比を増加させるか、Cu含有スピネルとMFI型ゼオライトをより高い圧力で混合することにより、また、Cu含有スピネルとMFI型ゼオライトの混合時間を延長させることにより、MFI型ゼオライトに対する銅含有スピネルのピーク面積の比を大きくすることができる。
さらに、上記と逆の操作を行うことにより、MFI型ゼオライトに対する銅含有スピネルのピーク面積の比を小さくすることができる。
本発明の改質用触媒は、銅を含むスピネル構造の金属酸化物とMFI型ゼオライトを、単に混合したものであってもよいし、MFI型ゼオライトを担体として用い、これに銅を含むスピネル構造の金属酸化物を担持させたものであってもよい。この改質用触媒における銅の含有量としては特に制限はないが、触媒活性などの点から、Cuとして、通常1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲である。
また、本発明の改質用触媒においては、銅を含むスピネル構造の金属酸化物として、非スピネル構造の銅を含む化合物を、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により含有するものも用いることができる。
次に、本発明の改質用触媒の調製方法の一例について、CuMn24スピネルからなる触媒を調製する場合を例に挙げて説明する。
まず、銅源として、硝酸銅などの水溶性銅塩を、マンガン源として、硝酸マンガンなどの水溶性マンガン塩を用い、これらを実質上化学量論的な割合、すなわちCuとMnのモル比が、実質上1:2になるように含む水溶液を調製する。次いで、この水溶液に、クエン酸などのキレート剤を加えたのち、加熱して水を蒸発させてゲルを生成させる。次に、このゲルを加熱処理して、ゲル中の硝酸根やクエン酸などを分解して得られた酸化物微粉末を、空気中で300〜500℃程度の温度で1〜5時間程度仮焼したのち、さらに500〜1,000℃程度の温度で5〜15時間程度焼成することにより、CuMn24スピネルからなる触媒が得られる。また700℃以上の高温で焼成した場合は、Mn23やMn34とCu1.5Mn1.54スピネルの混合物になると言われているが、この場合も触媒として使用可能である。
この方法においては、CuがMnに対して化学量論的な割合より過剰になるように、銅源を用いることができる。この場合、得られた触媒は、銅の酸化物(Cu2O又はCuOあるいはそれらの混合物)とスピネル型酸化物との混合物となり、このものも、改質用触媒として用いることができる。
また、CuFe24スピネルからなる触媒を調製する場合には、前記マンガン源の代わりに、硝酸鉄などの水溶性鉄塩等の鉄源を用いればよい。さらに、前記マンガン源の代わりに、鉄源とマンガン源との混合物を用いることにより、Cu(FeMn)24スピネルからなる触媒を得ることができる。このものも、もちろん改質用触媒として用いることができる。これらの改質用触媒は、通常適当な大きさのペレット状に成型されて用いられる。
次に、本発明の改質用触媒の調製方法の一例について、プロトン型のZSM−5であるH−ZSM−5にCuMn24スピネルを担持してなる触媒を調製する場合を例に挙げて説明する。
まず、銅源として、硝酸銅などの水溶性銅塩を、マンガン源として、硝酸マンガンなどの水溶性マンガン塩を用い、これらを実質上化学量論的な割合、すなわちCuとMnのモル比が、実質上1:2になるように含む水溶液を調製する。次いで、この水溶液に、所定量のH−ZSM−5を加え、均質に分散させたのち、加熱して水を蒸発させて粉末を得る。次に、この粉末を、空気中で300〜500℃程度の温度で1〜5時間程度仮焼したのち、さらに500〜1,000℃程度の温度で5〜15時間程度焼成することにより、CuとMnを含有するスピネルを担持してなるH−ZSM−5触媒が得られる。
また、前記マンガン源の代わりに、鉄源を用いることにより、CuFe24スピネルを担持してなるH−ZSM−5触媒を得ることができ、マンガン源の代わりに、鉄源とマンガン源との混合物を用いることにより、Cu(FeMn)24スピネルを担持してなるH−ZSM−5触媒を得ることができる。これらの改質用触媒は、通常適当な大きさのペレット状に成型されて用いられる。
さらに、本発明の改質用触媒が、銅を含むスピネル構造の金属酸化物とH−ZSM−5との混合物である場合には、例えば、CuMn24スピネル、CuFe24スピネル及びCu(FeMn)24スピネルなどの中から選ばれる少なくとも一種からなる適当な大きさのペレットと、適当な大きさのH−ZSM−5とを混合して改質用触媒を調製してもよいし、CuMn24スピネル、CuFe24スピネル及びCu(FeMn)24スピネルの中から選ばれる少なくとも一種の粉末と、H−ZSM−5粉末とを均質に混合したのち、適当な大きさのペレットに成型して改質用触媒を調製してもよい。
本発明においては、上記改質用触媒を還元することにより、さらに活性を向上させることができる。還元処理は、水素を含む気流中で処理する気相還元方法と、還元剤で処理する湿式還元方法がある。前者の還元処理は、通常水素を含む気流下、150〜500℃、好ましくは、200〜300℃の温度で30分〜24時間、好ましくは、1〜10時間実施する。水素ガス以外に、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを共存させてもよい。
後者の湿式還元法としては、液体アンモニア/アルコール/Na、液体アンモニア/アルコール/Liを用いるBirch還元、メチルアミン/Li等を用いるBenkeser還元、Zn/HCl、Al/NaOH/H2O、NaH、LiAlH4又はその置換体、ヒドロシラン類、水素化ホウ素ナトリウム又はその置換体、ジボラン、蟻酸、ホルマリン、ヒドラジン等の還元剤で処理する方法がある。この場合、通常、室温〜100℃で、10分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間行うものである。
また、反応原料を流すことによって、生成した水素やCOによって反応中にも触媒は還元される。本発明においては、触媒は還元前処理あるいは生成ガスによって還元されることで、Cuあるいは他の元素はスピネル構造から脱離し、スピネル構造は一部あるいは全部が保持されていない状態になっているが、最初にスピネル構造を有するCu触媒を使用することが本発明の重要な点である。
本発明の水素又は合成ガスの製造方法における反応原料である酸素含有炭化水素としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル類を好ましく挙げることができる。この中でジメチルエーテルが特に好ましい。
本発明の水素又は合成ガスの製造方法においては、前述の本発明の改質用触媒を用いてジメチルエーテル等の酸素含有炭化水素を、(1)水蒸気改質、(2)自己熱改質、(3)部分酸化改質又は(4)二酸化炭素改質することにより、水素又は合成ガスを製造する。次に、各改質方法についてジメチルエーテルを用いた場合を例に挙げて説明する。
[水蒸気改質]
本発明の改質用触媒を用いる場合、ジメチルエーテルの水蒸気改質は、以下に示す反応式に従って、反応が進行するものと思われる。
CH3OCH3+H2O→2CH3OH・・・(1)
2CH3OH+2H2O→2CO2+6H2・・・(2)
2CO2+2H2→2CO+2H2O・・・(3)
したがって、水素を製造する場合には、前記(3)の反応が進行しにくいように、すなわち
CH3OCH3+3H2O→2CO2+6H2・・・(4)
の反応が起こるように反応条件を選択すればよい。
一方、合成ガスを製造する場合には、前記(1)、(2)及び(3)の反応が生じるように、すなわち、
CH3OCH3+H2O→2CO+4H2・・・(5)
の反応が起こるように反応条件を選択すればよい。
水素を製造する場合、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、理論的には3であるが、3〜6程度が好ましく、一方、合成ガスを製造する場合、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、理論的には1であるが、1〜2程度が好ましい。
反応温度は、通常200〜500℃、好ましくは250〜450℃の範囲で選定される。この温度を200℃以上とすることにより、ジメチルエーテルの転化率が低くなるのを防止し、500℃以下とすることにより、触媒の活性が低下するのを防止する。GHSV(ガス時空間速度)は、ジメチルエーテル基準で50〜5,000h-1の範囲が好ましい。さらに好ましくは、100〜3000h-1である。このGHSVを50h-1以上とすることにより、生産効率が低くなるのを防止し、5,000h-1以下とすることにより、ジメチルエーテルの転化率が低くなりすぎるのを防止する。また、反応圧力は、通常、常圧〜1MPa程度である。この圧力をこのような範囲とすることにより、ジメチルエーテルの転化率が低下するのを防止する。
[自己熱改質]
自己熱改質反応においては、ジメチルエーテルの酸化反応と水蒸気との反応が同一反応器内で、又は連続した反応器内で起きる。この場合、水素製造と合成ガス製造では、反応条件は若干異なるが、一般的には、酸素/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.1〜1の範囲で選定され、水蒸気/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.5〜3の範囲で選定される。酸素/ジメチルエーテルモル比が0.1以上とすることにより、発熱による反応熱の供給が十分になる。
一方、1以下とすることにより、完全酸化が生じて水素濃度が低下するのを防ぐ。また、水蒸気/ジメチルエーテルモル比を0.5以上とすることにより、水素濃度が低下するのを防止し、一方3以下とすることにより、発熱の供給が足りなくなるのを防止する。反応温度は、通常200〜800℃、好ましくは250〜500℃の範囲で選定される。また、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
[部分酸化改質]
部分酸化改質反応は、ジメチルエーテルの部分酸化反応が起こり、水素製造と合成ガス製造では、反応条件が若干異なるが、一般的には、酸素/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.3〜1.5の範囲で選定される。この酸素/ジメチルエーテルモル比を0.3以上とすることにより、ジメチルエーテルの転化率が十分に高くなり、一方1.5以下とすることにより、完全酸化が起こり、水素濃度が低下するのを防止する。反応温度は、通常200〜900℃、好ましくは250〜600℃の範囲で選定される。また、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
[二酸化炭素改質]
二酸化炭素改質反応は、ジメチルエーテルと二酸化炭素の反応が起こり、水素製造と合成ガス製造では、反応条件は若干異なるが、一般的には、CO2/ジメチルエーテルモル比は、好ましくは0.8〜2、より好ましくは0.9〜1.5の範囲で選定される。このCO2/ジメチルエーテルモル比を0.8以上とすることにより、ジメチルエーテルの転化率が十分に高くなり、一方2以下とすることにより、生成物中にCO2が多く残り、水素の分圧が低下するのを防止する。この反応では、水蒸気を導入することができ、この導入により水素濃度を高めることが可能となる。また、反応温度、GHSV及び反応圧力については、前記水蒸気改質の場合と同様である。
本願の第三発明は、前述の改質触媒を備える改質器と、該改質器により製造される水素を燃料とする燃料電池とを有することを特徴とする燃料電池システムであり、図2により説明する。
燃料タンク21内の燃料は脱硫器23に導入される。通常、酸素含有炭化水素として好適なジメチルエーテル等を使用する場合には硫黄は含有されないが、着臭剤等として硫黄含有化合物を含む場合等に脱硫器が有効である。脱硫器23には例えば活性炭、ゼオライト又は金属系の吸着剤などを充填することができる。脱硫器23で脱硫された燃料は水タンクから水ポンプ24を経た水と混合した後、気化器1に導入されて気化され、改質器31に送り込まれる。改質器31には前述の改質触媒が充填されており、改質器31に送り込まれた燃料混合物(酸素含有炭化水素及び水蒸気)から、前述した水蒸気改質反応によって水素が製造される。
このようにして製造された水素はCO変成器32、CO選択酸化器33を通じてCO濃度が燃料電池の特性に及ぼさない程度まで低減される。これらの反応器に用いる触媒例としては、CO変成器32には、鉄−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒あるいは貴金属系触媒が挙げられ、CO選択酸化器33には、ルテニウム系触媒、白金系触媒あるいはそれらの混合触媒が挙げられる。改質反応で製造された水素中のCO濃度が低い場合、CO変成器32を取り付けなくてもよい。
燃料電池34は負極34Aと正極34Bとの間に高分子電解質34Cを備えた固体高分子形燃料電池の例である。負極側には上記の方法で得られた水素リッチガスが、正極側には空気ブロアー35から送られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後(加湿装置は図示せず)導入される。
この時、負極側では水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、正極側では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行し、両極34A、34B間に直流電流が発生する。その場合、負極には、白金黒もしくは活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが使用され、正極には、白金黒もしくは活性炭担持のPt触媒などが使用される。
負極34A側に改質器31のバーナ31Aを接続して余った水素を燃料とすることができる。また、正極34B側に気水分離器36を接続し、正極34B側に供給された空気中の酸素と水素との結合により生じた水と排気ガスとを分離し、水を水蒸気の生成に利用することができる。燃料電池34では発電に伴って熱が発生するため、排熱回収装置37を付設してこの熱を回収して有効利用することができる。排熱回収装置37は、燃料電池34に付設され反応時に生じた熱を奪う熱交換器37Aと、この熱交換器37Aで奪った熱を水と熱交換するための熱交換器37Bと、冷却器37Cと、これら熱交換器37A、37B及び冷却器37Cへ冷媒を循環させるポンプ37Dとを備え、熱交換器37Bにおいて得られる温水は他の設備などで有効に利用することができる。
以下に本発明の実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5(MFI型ゼオライト)触媒(質量比8:1、乳鉢混合無し)の調製法〕
1リットルのビーカーに、硝酸銅[ナカライテスク社製、99.5%Cu(NO32・3H2O]13.28g(55ミリモル)及び硝酸マンガン[シグマアルドリッチジャパン社製、98.0%Mn(NO32・6H2O]31.55g(108ミリモル)と、蒸留水300ミリリットルを加え、60℃で2時間攪拌した。次いで、この溶液にクエン酸第一水和物[シグマアルドリッチジャパン社製]34.65g(165ミリモル)を加え、60℃で1時間攪拌したのち、80℃に昇温して水を蒸発させた。このようにして生成したゲルを120℃で7時間、180℃で5時間加熱し、硝酸根およびクエン酸を分解させて酸化物微粉末を得たのち、空気中にて400℃で2時間仮焼し、さらに焼成炉にて空気中、900℃で10時間焼成を行ない、Cu−Mnスピネル型酸化物を得た。
得られたCu−Mnスピネル型酸化物16gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」、SiО2/Al2О3比30)2gをスパチュラで軽く分散混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔実施例2:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5触媒(質量比8:1、5分間乳鉢混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物16gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」)2gを乳鉢で5分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔実施例3:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5触媒(質量比8:1、30分間乳鉢混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物16gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」)2gを乳鉢で30分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔実施例4:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5触媒(質量比1:1、5分間乳鉢混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物10gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」)10gを乳鉢で5分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔実施例5:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5触媒(質量比64:1、5分間乳鉢混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物16gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」)0.25gを乳鉢で5分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔実施例6:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5触媒(質量比128:1、5分間乳鉢混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物16gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」)0.125gを乳鉢で5分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔比較例1:Cu−Mn型スピネル酸化物+H−ZSM−5触媒(質量比8:1、180分間ボールミル混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物16gとH−ZSM−5(Zeolyst社製「CBV3020E」)2gをボールミルで180分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とH−ZSM−5の混合触媒を得た。
〔比較例2:Cu−Mn型スピネル酸化物+アルミナ触媒(質量比2:1、5分間乳鉢混合)の調製法〕
実施例1と同様にして調製したCu−Mnスピネル型酸化物10gとアルミナ(住友化学工業社製「AKP−G015」)5gを乳鉢で5分間混合することにより、Cu−Mnスピネル型酸化物とアルミナの混合触媒を得た。
実施例1〜6および比較例1において得られた各触媒のX線回折チャートを図1に示す。図1において、横軸(2θ)は、試料から回折されるX線の角度を示し、縦軸(Intensity)はX線回折の強度を示す。図1により、比較例1において得られた触媒は、実施例の触媒と比較してCu−Mnスピネルの(3 1 1)面のピーク面積とH−ZSM−5(MFI型ゼオライト)の(3 3 2)面のピーク面積の比が100以上と高い値であることがわかる。
Cu含有スピネルとH−ZSM−5の割合はX線結晶構造解析により定量化した。具体的な方法を以下に示す。
1.X線回折装置(XRD)および測定条件
(1)XRD装置
(株)リガク製 Ultima IIIを使用
(2)測定条件
X線源:Cu―Kα線、出力40kV×40mA
光学系:反射法、スリット DS、SS=2/3°、RS=0.6mm
測定範囲:2θ=5〜80°
サンプリング間隔:0.02°
走査方法:2θ/θ連続スキャン
走査速度:0.2°/分
2.XRD測定データの解析方法
(1)解析ソフト
Materials Data Inc.(MDI)製 JADE 6を使用
(2)解析方法
H−ZSM−5については2θ=23.08°付近の(3 3 2)面のピーク面積(XH-ZSM-5)、Cu含有スピネルについては2θ=35〜36°付近の(3 1 1)面のピーク面積(XCu-spinel)を算出した。
(3)解析手順
3.1 JADE 6を立ち上げる。
3.2 XRD測定データを開く。
3.3 領域指定を行う(H−ZSM−5は20〜25°、Cu含有スピネルは34〜39°)。
3.4 バックグラウンド編集カーソルで、上記範囲のベースラインを引く。
3.5 プロファイル編集カーソルで、上記範囲内に存在するCu含有スピネルおよび H−ZSM−5のピークを指定する。
3.6 ピーク分離を実施する。
詳細は以下の通りである。
バックグラウンド…リニアバックグラウンド
プロファイルパラメータ・・・Person VII
非対称性なし、Kα2有り
3.6.1 上記を設定後、初期化を押し、精密化を数回押す。
3.6.2 レポートを押して、出力されたデータの中からピーク面積[H−Z SM−5は(3 3 2)面、Cu含有スピネルは(3 1 1)面]を読み取る。
3.6.3 (XCu-spinel)/(XH-ZSM-5)を算出する。
前記のように、(XCu-spinel)/(XH-ZSM-5)比はCu含有スピネルとH−ZSM−5との混合比、混合方法、混合時間、Cu含有スピネルとH−ZSM−5以外の第3成分の添加等によって変化するが、混合後の(XCu-spinel)/(XH-ZSM-5)比が上記の範囲内であればいずれの方法で調製しても良い。
試験例
実施例1〜6及び比較例1で得た触媒を16〜32メッシュの大きさに成型し、それぞれ1ミリリットルを反応器に充填した。各触媒について、100%の水素中で、250℃にて1時間加熱して水素還元を行った。
全ガス量基準のGHSV(ガス時空間速度)は5,400h-1(DME+H2O)であり、DME基準のGHSVは900h-1で、S/C(スチーム/炭素)モル比は2.5、反応温度300℃で6時間後におけるDME転化率を測定した。
DME転化率を、下記の式に従って算出して触媒性能を比較した。結果を第1表に示す。
DME転化率(%)=(A/B)×100
A:出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口のCH4モル濃度
B:出口COモル濃度+出口CO2モル濃度+出口CH4モル濃度+出口DM Eモル濃度×2
Figure 2007301452
表1中、S/Zは、[Cu含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積]/[H−ZSM−5の(3 3 2)面のピーク面積]の比である。表1から明らかなように、Cu含有スピネルおよびH−ZSM−5を一定の比率で含有する実施例の触媒は、比率を外れた比較例の触媒と比較して高いジメチルエーテルの転化率を達成することができる。
本発明の酸素含有炭化水素改質用触媒は酸素含有炭化水素から水素または合成ガスを高い転化率で効率よく製造することができ、効率の高い燃料電池システムに応用することができる。
実施例および比較例で得られた触媒のX線回折図である。 本発明の燃料電池システムの概略の流れ図である。
符号の説明
1:気化器
11:水供給管
12:燃料導入管
15:接続管
21:燃料タンク
23:脱硫器
24:水ポンプ
31:改質器
31A:改質器のバーナ
32:CO変成器
33:CO選択酸化器
34:燃料電池
34A:燃料電池負極
34B:燃料電池正極
34C:燃料電池高分子電解質
35:空気ブロワー
36:気水分離器
37:排熱回収装置
37A:熱交換器
37B:熱交換器
37C:冷却器
37D:冷媒循環ポンプ

Claims (13)

  1. 銅を含み、かつスピネル構造を有する金属酸化物とMFI型ゼオライトを含有し、X線回折により算出した銅含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積とMFI型ゼオライトの(3 3 2)面のピーク面積の比が1:1〜100:1の範囲であることを特徴とする酸素含有炭化水素改質用触媒。
  2. 銅含有スピネルの(3 1 1)面のピーク面積とMFI型ゼオライトの(3 3 2)面のピーク面積の比が2:1〜80:1の範囲である請求項1に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒。
  3. 金属酸化物がCu−Mn型スピネルである請求項1または2に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒。
  4. 金属酸化物がCu−Fe型スピネルである請求項1または2に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒。
  5. 金属酸化物がCu−Cr型スピネルである請求項1または2に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒。
  6. 金属酸化物がCu−Mn−Fe型スピネルである請求項1または2に記載の酸素含有炭化水素改質用触媒。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の改質触媒を還元することにより得られる酸素含有炭化水素改質用触媒。
  8. 酸素含有炭化水素が、ジメチルエーテル、およびメチルエチルエーテルから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれかに記載の酸素含有炭化水素改質用触媒。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を水蒸気改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を自己熱改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を部分酸化改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の改質用触媒を用い、酸素含有炭化水素を二酸化炭素改質することを特徴とする水素又は合成ガスの製造方法。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の改質用触媒を備えた改質器と、該改質器により製造された水素を燃料とする燃料電池とを有することを特徴とする燃料電池システム。
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