JP2006040914A - 半導体ウェハの分割方法及び分割装置 - Google Patents

半導体ウェハの分割方法及び分割装置 Download PDF

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潔 有田
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宏 土師
Akira Nakagawa
顕 中川
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和宏 野田
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Abstract

【課題】 薄化された半導体ウェハの分割において、それぞれの半導体素子を損傷させることなく、高抗折強度を備えさせる。
【解決手段】 複数の半導体素子が形成された第1の表面6aに保護シート30が配置され、上記第1の表面6aの反対側の第2の表面6bに上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線31bを画定するマスク31aが配置された半導体ウェハ6に対して、上記第2の表面6bよりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線31bに沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割方法において、上記プラズマエッチングにおいて、異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を実施し、その後、いずれか他方を実施する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の半導体素子を有する半導体ウェハを分割することで、上記それぞれの半導体素子を個片に分割する半導体ウェハの分割方法及び装置に関する。
従来、この種の半導体ウェハの分割処理、すなわち半導体素子製造プロセスにおけるダイシングとしては様々なものが知られている。例えば、ダイサーと呼ばれるダイヤモンド等を用いた円盤型カッターを用いて、半導体ウェハに形成されたそれぞれの半導体素子を分割位置に沿って機械的に切断することで、それぞれの半導体素子への分割を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、このようなダイサーを用いてダイシングを行う方法の他にも、半導体ウェハの分割線に沿ってレーザ光を照射することで分割を行う方法もある(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−173987号公報 特開2003−151924号公報
近年、このような半導体素子が用いられた電子回路を内蔵する電子機器の小型化が進んでおり、このような小型化に伴い電子回路自体の小型化が図られつつある。中でも、半導体素子を薄くする取り組み、すなわち半導体ウェハの薄化が活発に行われており、その厚みが100μm以下の半導体ウェハが用いられるようになっている。
しかしながら、このように薄化された半導体素子は外力に対する強度が弱く、特にウェハ状態の半導体素子を切断して個片毎に分割するダイシングにおいては、切断時にはダメージを受けやすく、加工歩留まりの低下が避けられないという問題点がある。
具体的には、ダイサーが用いられるような場合にあっては、上記切断時にそれぞれの半導体素子における切断端部近傍に残留応力によるダメージ部分が形成されるだけでなく、当該切断の際に半導体ウェハの欠片が発生し、この欠片がそれぞれの半導体素子の表面に飛び散り、当該表面が損傷を受ける場合があるという問題がある。
また、レーザ光が用いられるような場合にあっても、上記欠片の飛散という問題が生じる場合があることに加えて、それぞれの半導体素子が熱的な影響を受けて、熱的に損傷する場合があるという問題もある。
さらに、このような機械的なダイシングにより個片への分割が行われると、それぞれの半導体素子にはエッジ部分が形成されることとなり、このようなエッジ部分の存在は、欠片の発生や破損しやすいという問題をより顕著なものとしている。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、薄化された半導体ウェハの分割において、それぞれの半導体素子を損傷させることなく、高抗折強度を備えさせることができる半導体ウェハの分割方法及び分割装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置され、上記第1の表面の反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線を画定するマスクが配置された半導体ウェハに対して、上記第2の表面よりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線に沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割方法において、
上記プラズマエッチングにおいて、異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を実施し、その後、いずれか他方を実施することを特徴とする半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記等方性エッチングの実施により、上記分割線に接する上記それぞれの半導体素子におけるそれぞれの端部に湾曲凸面部を形成する第1態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記異方性エッチングと上記等方性エッチングとの切り替えは、プラズマ発生用ガスの圧力、ガス組成、高周波出力、又は放電周波数の中の1のパラメータ又は複数のパラメータの組み合わせにより決定される上記異方性エッチング用のプラズマ条件と上記等方性エッチング用のプラズマ条件を、上記プラズマエッチングの際に切り替えることにより行う第1態様又は第2態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記異方性エッチングは、上記分割線の線幅寸法及び上記半導体ウェハの厚み寸法に基づいて決定される処理時間だけ実施され、
上記等方性エッチングは、上記分割線の線幅寸法及び上記湾曲凸面部の形成領域の大きさに基づいて決定される処理時間だけ実施される第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記プラズマエッチングにおいて、上記異方性エッチングの実施により、上記第2の表面における上記分割線に相当する部分に対して、上記半導体ウェハの厚み方向を主方向としてエッチングを行い、当該分割線に相当する部分に溝部を形成し、
その後、上記異方性エッチングから上記等方性エッチングに切り替えて、
当該等方性エッチングの実施により、上記半導体ウェハの厚み方向及び当該厚み方向と直行する方向に上記溝部の内側表面をエッチングして、上記湾曲凸面部を形成するとともに、当該溝部の除去を行う第2態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記プラズマエッチングにおいて、上記等方性エッチングの実施により、上記第2の表面における上記分割線に相当する部分に対して、上記半導体ウェハの厚み方向及び当該厚み方向と直行する方向にエッチングを行い、当該分割線に相当する部分に溝部を形成するとともに、上記湾曲凸面部を形成し、
その後、上記等方性エッチングから上記異方性エッチングに切り替えて、
当該異方性エッチングの実施により、上記半導体ウェハの厚み方向を主方向として上記溝部の底面をエッチングして、当該溝部の除去を行う第2態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記溝部の深さ寸法が当該半導体ウェハの厚み寸法の略1/2の寸法に達したときに、上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方から他方への切り替えを行う第5態様又は第6態様に記載の半導体ウェハの分割方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記第1の表面に上記保護シートが配置され、上記第2の表面に上記マスクが形成された上記半導体ウェハに対して、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法を施して、上記プラズマエッチングにより上記それぞれの半導体素子の分割を行い、
その後、当該半導体ウェハの第2の表面に対してアッシングを施すことにより、上記それぞれのマスクの除去を行い、個片化された上記それぞれの半導体素子を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置され、上記第1の表面の反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線を画定するマスクが配置された半導体ウェハに対して、上記第2の表面よりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線に沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割装置において、
上記プラズマエッチングが行われる処理室と、
上記処理室内において上記半導体ウェハを上記保護シートを介して保持する保持部を備える第1の電極と、
上記処理室内において上記第1の電極に対して対向配置された第2の電極と、
上記第1の電極に高周波電力を印加する高周波電力印加装置と、
上記処理室内にプラズマ発生用ガスを供給するプラズマ発生用ガス供給装置と、
上記処理室内の圧力を減圧する真空排気装置と、
上記高周波電力印加装置、上記プラズマ発生用ガス供給装置、及び上記真空排気装置を各々の運転条件に基づいて制御して上記第1の電極と上記第2の電極との間にプラズマを発生させ、上記プラズマエッチングにより上記分割線に沿って上記半導体ウェハの分割処理を実行する制御装置とを備え、
上記制御装置は、上記高周波電力印加装置、プラズマ発生用ガス供給装置、又は上記真空排気装置の上記それぞれの運転条件のうちの少なくとも1つの上記運転条件を変更することで上記プラズマエッチングの状態を異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を選択可能であって、当該いずれか一方の状態で上記分割処理を開始し、当該分割処理の途中で上記運転条件の変更を行うことで他方の状態へ切り替えるプロセス制御部を備えることを特徴とする半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記運転条件には、プラズマ発生用ガスのガス組成条件を含み、
上記プラズマ発生用ガス供給装置がプラズマ発生用ガスのガス組成を調整するガス組成調整部を備え、
上記プロセス制御部は、上記ガス組成条件に基づいて上記ガス組成調整部の制御を行い、当該ガス組成条件を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える第9態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記ガス組成調整部は、
異なる種類の複数のガスを個別に供給する複数のガス供給部と、
上記それぞれのガス供給部から供給されるガスの流量を個別に調整可能な複数のガス流量調整部とを備え、
上記プロセス制御部は、上記ガス組成条件に基づいて、上記それぞれのガス流量調整部を制御して、上記プラズマ発生用ガスのガス組成の変更を行う第10態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記運転条件には、上記プラズマ発生用ガス供給部から上記処理室内へ供給するプラズマ発生用ガスの供給流量条件を含み、
上記プラズマ発生用ガス供給装置が、プラズマ発生用ガスの供給流量を調整するガス流量調整部を備え、
上記プロセス制御部は、上記プラズマ発生用ガスの供給流量条件に基づいて、上記ガス流量調整部を制御して上記供給流量を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える第9態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第13態様によれば、上記運転条件には、上記処理室内の圧力条件を含み、
上記プラズマ発生用ガス供給装置が、プラズマ発生用ガスの供給流量を調整するガス流量調整部を備え、
上記プロセス制御部は、上記処理室内の圧力条件に基づいて、上記ガス流量調整部を制御して上記供給流量を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える第9態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第14態様によれば、上記運転条件には、上記処理室内の圧力条件を含み、
上記プロセス制御部は、上記処理室内の圧力条件に基づいて、上記真空排気装置を制御して上記処理室内の圧力を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える第9態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第15態様によれば、上記運転条件には、上記高周波電力の周波数条件を含み、
上記プロセス制御部は、上記高周波電力の周波数条件に基づいて、上記高周波電力印加装置を制御して上記周波数を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える第9態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第16態様によれば、上記半導体ウェハに対する上記プラズマエッチングの処理時間を計測する処理時間計測部をさらに備え、
上記プロセス制御部は、上記処理時間計測部により計測された処理時間に基づいて、上記プラズマエッチングの状態の切り替えを行う第9態様に記載の半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明の第17態様によれば、複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置され、上記第1の表面の反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線を画定するマスクが形成された半導体ウェハに対して、上記第2の表面よりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線に沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割装置において、
上記半導体ウェハが配置されるとともに、当該半導体ウェハに対してプラズマエッチングが行われる処理室と、
上記処理室内においてプラズマを発生させるプラズマ発生装置と、
運転条件に基づいて上記プラズマ発生装置を制御して上記処理室内にプラズマを発生させ、上記プラズマエッチングにより上記分割線に沿って上記半導体ウェハの分割処理を実行する制御装置とを備え、
上記制御装置は、上記運転条件として、上記プラズマエッチングの状態を異方性エッチングの状態とする異方性エッチング用運転条件と、等方性エッチングの状態とする等方性エッチング用運転条件とを選択可能に有し、いずれか一方の運転条件に基づいて上記プラズマを発生させて上記分割処理を開始し、当該分割処理の途中で他方の上記運転条件を選択して当該他方の運転条件に基づいて上記プラズマを発生させるプロセス制御部を備えることを特徴とする半導体ウェハの分割装置を提供する。
本発明によれば、半導体ウェハの分割のためのプラズマエッチングにおいて、互いにエッチング特性が異なる異方性エッチングと等方性エッチングとのいずれか一方を実施して、その後、いずれか他方を実施することにより、分割されたそれぞれの半導体素子の抗折強度を向上させることができるような加工を、当該分割処理とともに施すことができる。
具体的には、プラズマエッチングにおいて、上記半導体ウェハの表面沿いの方向よりも厚み方向に強いエッチング特性を有する上記異方性エッチングを行うことで、マスクにより画定された分割線に沿って、微細な幅でもって上記厚み方向にエッチングを行うことができ、一方、上記半導体ウェハの表面沿いの方向と厚み方向とに略同様なエッチング特性を有する等方性エッチングを行うことで、上記厚み方向だけでなく上記分割線の幅方向にもエッチングを行うことができる。
このように、特性の異なる2つのエッチングを組み合わせて行うことにより、上記半導体ウェハを上記分割線に沿って分割するとともに、当該分割線に接する上記それぞれの半導体素子におけるそれぞれの端部に湾曲凸面部を形成することができる。このような上記湾曲凸面部が形成されることで、上記それぞれの半導体素子においては角(エッジ)部分が除去されることとなり、構造的な強度を向上させることができ、高い抗折強度を有する半導体素子を提供することができる。
また、このような上記異方性エッチングと上記等方性エッチングとの切り替えは、プラズマ発生用ガスの圧力、ガス組成、高周波出力、又は放電周波数の中の1又は複数のパラメータの組み合わせにより決定される上記異方性エッチング用と上記等方性エッチング用のプラズマ条件(運転条件)を、上記プラズマエッチングの途中において切り換えることで行うことが可能であり、当該エッチング特性の切り替えを容易に行うことができる。
また、このような切り替えのタイミングは、上記それぞれのエッチング特性毎に要求される処理時間に基づいて行うことができるため、例えば、処理時間を計測して所定の時間が経過した時に当該切り替えを行うようにすることで当該切り換えのタイミングの管理(制御)を容易なものとすることができる。
また、半導体ウェハの分割装置において、プラズマエッチングにより半導体ウェハの分割処理を実行する制御装置が、高周波電力印加装置、プラズマ発生用ガス供給装置、又は真空排気装置のそれぞれの運転条件のうちの少なくとも1つの上記運転条件を変更することで上記プラズマエッチングの状態を異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を選択的に実行するプロセス制御部を備えていることにより、当該プロセス制御部にて分割処理の途中で上記運転条件の変更を行うことで、上記異方性エッチングと上記等方性エッチングとを組み合わせたプラズマエッチングを具体的に実現することができる。従って、このような分割処理を行うことで、その端部に湾曲凸面部が形成されて高い抗折強度を有する半導体素子を、上記半導体ウェハの分割処理を行うことで得ることができる半導体ウェハの分割装置を提供することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の一の実施形態にかかる半導体ウェハの分割装置の一例であるプラズマ処理装置101の構成を模式的に示す模式構成図を図1に示す。なお、図1は、プラズマ処理装置101の縦断面を示す模式構成図である。このプラズマ処理装置101は、複数の半導体素子が回路形成面(第1の表面)に形成された半導体ウェハを半導体素子の個片毎に分割することで、それぞれの半導体素子を製造する装置であって、例えば、その厚みが100μm以下というように薄化された半導体素子の製造に用いられる。
また、このような半導体素子の一連の製造工程では、まず半導体ウェハの回路形成面に半導体の主材質であるシリコンよりもプラズマエッチングされにくい材質からなる保護シートが貼り付けられ、回路形成面の反対側表面であるマスク配置側面には、半導体ウェハを半導体素子の個片毎に分割するための切断線(分割線)を画定するマスクが形成される。そしてこの状態の半導体ウェハを対象として本プラズマ処理装置101によって、プラズマダイシング及びマスク除去の各工程が行われる。
具体的に、プラズマ処理装置101の構成について図1を用いて説明する。
図1のプラズマ処理装置101において、真空チャンバ1の内部は上述の半導体ウェハを対象としたプラズマ処理を行う処理室2となっており、減圧下でプラズマを発生させるための密閉空間が形成可能となっている。処理室2内部の下方には下部電極3(第1の電極)が配置されており、下部電極3の上方には上部電極4(第2の電極)が下部電極3に対して対向配置されている。下部電極3と上部電極4とはそれぞれ略円筒形状を有しており、処理室2内において同心配置されている。
下部電極3は、処理室2の底部を埋める形で装着された2つの層である絶縁部材5A、5Bに周囲を取り囲まれ、処理室2の底部の中央部に処理対象物を保持する上面が露出されかつ固定された状態で配設されている。下部電極3はアルミニウムなどの導電体によって製作されており、上記処理対象物を保持する円盤状の電極部3aと、この電極部3aの下面より下方に突出し、その一端が真空チャンバ1の外部に露出するように形成された円柱状の支持部3bとを一体的な状態として備えている。また、この支持部3bは絶縁部材5Cを介して真空チャンバ1に保持されており、このように保持されることで、下部電極3が電気的に絶縁された状態で真空チャンバ1に装着されている。
上部電極4は、下部電極3と同様にアルミニウムなどの導電体で製作されており、円盤状の電極部4aと、この電極部4aの上面より上方に突出し、その一端が真空チャンバ1の外部に露出するように形成された円柱状の支持部4bとを一体的な状態として備えている。また、この支持部4bは真空チャンバ1と電気的に導通されるとともに、電極昇降装置24(図7参照)によって昇降可能となっている。この電極昇降装置24により上部電極4は、その昇降の上端位置であって、下部電極3との間に半導体ウェハの搬出入を行うための大きな空間が形成される位置であるウェハ搬出入位置と、その昇降の下端位置であって、上部電極4と下部電極3との間にプラズマ処理のためのプラズマ放電を発生させる放電空間が形成される位置である放電空間形成位置との間にて昇降されることが可能となっている。なお、電極昇降装置24は電極間距離変更手段として機能し、上部電極4を昇降させることにより、下部電極3と上部電極4との間の電極間距離D(図2参照)を変更することができる。
次に、下部電極3の詳細な構造および処理対象の半導体ウェハについて説明する。図1に示すように、下部電極3の電極部3aの上面は、半導体ウェハ6を載置する平面状の保持面(保持部の一例である)となっており、保持面の外縁部にはその全周渡って絶縁被覆層3fが設けられている。この絶縁被覆層3fはアルミナなどのセラミックによって形成されており、下部電極3が真空チャンバ1内に装着された状態では、図1に示すように、絶縁被覆層3fの外縁部は部分的に絶縁部材5Aによって覆われる。このような構造を有することにより、下部電極3の外縁部は放電空間内に発生したプラズマから絶縁され、異常放電の発生を防止することが可能とされている。
図2は、プラズマダイシングが開始される前の半導体ウェハ6を下部電極3に載置した状態を示す部分模式断面図である。半導体ウェハ6はシリコンを主材質とする半導体基板であり、半導体ウェハ6の表面(図2の下面側)の回路形成面6a(第1の表面)には保護シート30が貼着されている。半導体ウェハ6を下部電極3の上面である電極部3aの保持面3gの上に載置した状態では、保護シート30は保持面3gに密着することとなる。
保護シート30は、ポリイミドなどの絶縁体の樹脂を100μm程度の厚みの膜に形成した絶縁層を含んだ構成となっており、粘着材により半導体ウェハ6の回路形成面6aに剥離可能に貼り付けられる。保護シート30が貼り付けられた半導体ウェハ6を下部電極3に保持させる際には、後述するようにこの絶縁層が半導体ウェハ6を電極部3aの保持面3gによって静電吸着する際の誘電体として機能する。
また保護シート30の材質としては、後述のプラズマダイシングにおいて半導体ウェハ6の主材質であるシリコンよりもエッチングされにくい材質が選定されることが好ましい。このようにすることで、プラズマダイシングの過程でプラズマによるエッチングレート分布が均一でなく、半導体ウェハのエッチングレートに部分的なばらつきが生じる場合が生じても、保護シート30がエッチングストップ層として機能するようになっている。
また、回路形成面6aの反対側(図2において上側)の表面には、後述するプラズマダイシングにおける切断線(分割線)を画定するマスクが配置されるマスク配置面6b(第2の表面)となっている。このマスクは、後述するようにマスク配置面6bとなる側の表面を例えば機械加工によって研削した後に、レジスト膜31aでパターニングすることにより形成され、これによりプラズマエッチングの対象となる切断線31bの部分を除く領域がレジスト膜31aで覆われる。すなわち、半導体ウェハ6における個々の半導体素子のマスク配置面6bがレジスト膜31aにて覆われる。
また、図2に示すように、下部電極3には保持面3gに開口する吸着孔3eが複数設けられており、吸着孔3eは下部電極3の内部に設けられた吸引孔3cに連通している。吸引孔3cは図1に示すように、ガスライン切換バルブ11を介して真空吸着ポンプ12に接続されており、ガスライン切換バルブ11はNガスを供給するNガス供給部13に接続されている。ガスライン切換バルブ11を切り換えることにより、吸引孔3cを、真空吸着ポンプ12またはNガス供給部13に選択的に接続させることが可能となっている。
具体的には、ガスライン切換バルブ11により真空吸着ポンプ12が選択されて、吸引孔3cが真空吸着ポンプ12と連通された状態において真空吸着ポンプ12を駆動することにより、それぞれの吸着孔3eから真空吸引を行って下部電極3に載置された半導体ウェハ6を真空吸着して保持することができる。従って、それぞれの吸着孔3e、吸引孔3c、及び真空吸着ポンプ12は、下部電極3の保持面3gに開口したそれぞれの吸着孔3eから真空吸引することで、保護シート30を電極部3aの保持面3gに密着させた状態で、半導体ウェハ6を真空吸着により保持する真空吸着手段となっている。
また、ガスライン切換バルブ11によりNガス供給部13が選択されて、吸引孔3cをNガス供給部13に接続させることにより、それぞれの吸着孔3eから保護シート30の下面に対してNガスを噴出させることができるようになっている。後述するようにこのNガスは、保護シート30を保持面3gから強制的に離脱させる目的のブロー用ガスである。
また、図1に示すように。下部電極3には冷却用の冷媒流路3dが設けられており、冷媒流路3dは冷却装置10と接続されている。冷却装置10を駆動することにより、冷媒流路3d内を冷却水などの冷媒が循環し、これによりプラズマ処理時に発生した熱によって昇温した下部電極3や下部電極3上の保護シート30を介して半導体ウェハ6が冷却される。なお、冷媒流路3dおよび冷却機構10は、下部電極3を冷却する冷却手段となっている。
また、図1のプラズマ処理装置101において、処理室2に連通して設けられた排気ポート1aには、排気切換バルブ7を介して真空ポンプ8が接続されている。排気切換バルブ7を排気側に切り換えて真空ポンプ8を駆動することにより、真空チャンバ1の処理室2内部が真空排気され、処理空2内を減圧することが可能となっている。また、処理室2は圧力センサ28(図1において図示省略、図4参照)を備えており、この圧力センサ28の圧力計測結果に基づいて、後述する制御装置33(図4参照)によって真空ポンプ8が制御されることにより、処理室2内を所望の圧力に減圧することが可能とされている。なお、このような所望の圧力に減圧するための真空ポンプ8の制御は、例えば、真空ポンプ8として可変容量型のものを用いて真空ポンプ8自体の真空排気能力を直接的に制御すること、あるいは、開度調整弁(バタフライ弁等)を真空排気経路に設け、その開度を制御することで間接的に真空排気能力を制御することにより行うことができる。なお、真空ポンプ8及び排気切換バルブ7が、処理室2内を所望の圧力に減圧する真空排気装置(減圧手段)となっている。また、排気切換バルブ7を大気開放側に切り換えることにより、排気ポート1aを通して処理空2内には大気が導入され、処理室2内部の圧力を大気圧に復帰させることが可能となっている。
次に上部電極4の詳細構造について説明する。上部電極4は、中央の電極部4aと電極部4aを囲むようにその外周部に固定して設けられた絶縁体からなる環状部材4fを備えている。環状部材4fの内径は下部電極3の電極部4aの外径と略同じとされており、下部電極3の周面よりも外側に広がるような形状で同心配置されており、環状部材4fは、上部電極4の下方中央部に配置された円盤状のガス吹出部4eを保持する機能を担っている。
ガス吹出部4eは、上部電極4と下部電極3の間に形成される放電空間においてプラズマ放電を発生させるためのプラズマ発生用ガスを供給する。ガス吹出部4eは、内部に多数の微細孔を有する多孔質材料を円盤状に加工した部材であり、上部電極4の電極部4aの下面、ガス吹出部4eの上面、および環状部材4fの内周面にて囲まれたガス滞留空間4g内に供給されたプラズマ発生用ガスを、これらの微細孔を介して放電空間内に満遍なく吹き出させて均一な状態で供給することが可能となっている。
支持部4b内には、ガス滞留空間4gに連通するガス供給孔4cが設けられており、ガス供給孔4cは、真空チャンバ1の外部に配置されたプラズマ発生用ガス供給装置に接続されている。このプラズマ発生装置は、異なる種類のガスを個別に供給する複数のガス供給部として第1のガス供給部20A、第2のガス供給部20B、及び第3のガス供給部20Cと、それぞれのガス供給部20A、20B、20Cより供給されるガスを混合してガス組成を均一な状態とするガス混合部(配管の結合部)19と、このガス混合部19とそれぞれのガス供給部20A、20B、20Cとの間に配置され、ガス混合部19に供給されるそれぞれのガスの供給流量を個別的に調整するガス流量調整部21とを備えている。
ガス流量調整部21は、第1のガス供給部20Aより供給されるガス流量を独自に調整する第1の流量制御バルブ23Aとガスの供給を遮断可能な第1の開閉バルブ22Aと、第2のガス供給部20Bより供給されるガス流量を独自に調整する第2の流量制御バルブ23Bとガスの供給を遮断可能な第2の開閉バルブ22Bと、第3のガス供給部20Cより供給されるガス流量を独自に調整する第3の流量制御バルブ23Cとガスの供給を遮断可能な第3の開閉バルブ22Cとを備えており、それぞれのバルブの開度制御及び開閉制御は、後述する制御装置33により行われる。
本実施形態のプラズマ処理装置101においては、例えば、第1のガス供給部20Aより六フッ化硫黄ガス(SF)が供給可能であり、第2のガス供給部20Bよりヘリウムガス(He)が供給可能であり、第3のガス供給部20Cより酸素(O)が供給可能とされている。このようにプラズマ発生用ガス供給装置が構成されていることにより、それぞれのガス供給部20A、20B、及び20Cより選択された1又は複数のガス供給部より供給されたガスの供給流量をガス流量調整部21にて個別に調整して、所望のガス組成及び流量の混合ガス(あるいは単独のガス)をガス混合部19に供給するとともに、ガス混合部19にて混合されたガス(混合ガス)を、ガス供給孔4c、ガス滞留空間4g、及びガス吹出部4eを通して放電空間内に供給することが可能となっている。
また、それぞれのガスの流量を個別に調整できるというガス流量調整部21の機能を用いて、ガス組成、すなわちガスの供給比率を変更することなく、供給流量のみを変更することで、処理室2内の圧力を制御することができる。具体的には、予め設定された圧力条件と圧力センサ28により検出される処理室2内の圧力に基づいて、制御装置33によりガス流量調整部21を制御することにより、処理室2内の圧力を上記圧力条件に合致するように調整することができる。従って、ガス流量調整部21は処理室2内に供給されるガス組成を調整する機能と、処理室2内の圧力を制御する機能とを併せ持っている。
また、図1に示すように、下部電極3は、マッチング回路16を介して高周波電源部17に電気的に接続されている。高周波電源部17を駆動することにより、接地部9に接地された真空チャンバ1と導通した上部電極4と下部電極3の間には高周波電圧が印加される。これにより、処理室2内部では上部電極4と下部電極3との間の放電空間においてプラズマ放電が発生し、処理室2内に供給されたプラズマ発生用ガスがプラズマ状態に移行する。また、マッチング回路16は、このプラズマ発生時において処理室2内のプラズマ放電回路と高周波電源部17のインピーダンスを整合させる機能を有している。なお、本実施形態においては、高周波電源部17とマッチング回路16とが高周波電力印加装置の一例となっている。
さらに下部電極3には、RFフィルタ15を介して静電吸着用DC電源部18が接続されている。静電吸着用DC電源部18を駆動することにより、図3(a)のプラズマ処理装置101の模式図に示すように、下部電極3の表面には負電荷(図中「−」にて示す)が蓄積される。そしてこの状態で図3(b)のプラズマ処理装置101の模式図に示すように、高周波電源部17を駆動して処理室2内にプラズマ34(図中点表示部分にて示す)を発生させると、保持面3g上に保護シート30を介して載置された半導体ウェハ6と接地部9とを接続する直流印加回路32が処理室2内のプラズマ34を介して形成される。これにより、下部電極3、RFフィルタ15、静電吸着用DC電源部18、接地部9、プラズマ34、及び半導体ウェハ6を順次結ぶ閉じた回路が形成され、半導体ウェハ6には正電荷(図中「+」にて示す)が蓄積される。
そして導電体により形成された下部電極3の保持面3gに蓄積された負電荷「−」と、半導体ウェハ6に蓄積された正電荷「+」との間には、誘電体としての絶縁層を含む保護シート30を介してクーロン力が作用し、このクーロン力によって半導体ウェハ6は下部電極3に保持される。このとき、RFフィルタ15は、高周波電源部17の高周波電圧が、静電吸着用DC電源部18に直接印加されることを防止する。なお、静電吸着用DC電源部18の極性は正負逆でもよい。なお、このようにプラズマ処理装置101において、実質的にプラズマの発生に寄与している構成部分をまとめて、プラズマ発生装置ということもできる。
また、上記構成において、静電吸着用DC電源部18は、下部電極3に直流電圧を印加することにより、保護シート30で隔てられた半導体ウェハ6と下部電極3の保持面3gとの間に作用するクーロン力を利用して、半導体ウェハ6を静電吸着する静電吸着手段となっている。すなわち、下部電極3に半導体ウェハ6を保持させる保持手段は、保持面3gに開口する複数の吸着孔3eを介して保護シート30を真空吸着する真空吸着手段と、上述の静電吸着手段との2種類を使い分けできるようになっている。
また、下部電極3と同様に上部電極4にも冷却用の冷媒流路4dが設けられており、冷媒流路4dは冷却装置10と接続されている。冷却装置10を駆動することにより、冷媒流路4d内を冷却水などの冷媒が循環し、これによりプラズマ処理時に発生した熱によって昇温した上部電極4を冷却することが可能となっている。
また、処理室2の側面には、処理対象物である半導体ウェハ6の出し入れ用の開口部1bが設けられている(図7参照)。開口部1bの外側には扉開閉装置26によって昇降する扉25が設けられており、扉25を昇降させることにより開口部1bが開閉される。図7は、扉開閉装置26により扉25を下降させて開口部1bを開放した状態で半導体ウェハ6を出し入れする状態を示している。
また、図7に示すように、半導体ウェハ6の出し入れ時には、電極昇降装置24により上部電極4を上昇させてウェハ搬出入位置に位置させて、上部電極4と下部電極3との間に搬送用のスペースを確保する。そしてこの状態で、半導体ウェハ6を吸着保持した吸着ヘッド27を、アーム27aを操作することによって開口部1bを介して処理室2内に進入させる。これにより、下部電極3上への半導体ウェハ6の搬入および処理済みの半導体ウェハ6(半導体装置)の搬出が行われる。
次にこのような構成を有するプラズマ処理装置101における制御系の構成について、図4に示す制御系のブロック図を用いて以下に説明する。
図4に示すように、制御装置33は、各種のデータや処理プログラムを記憶する記憶部92と、これらのデータや処理プログラムに基づいて、プラズマ処理装置101における各構成部の動作制御を行うことでプラズマ処理の制御を行うプロセス制御部91とを備えている。記憶部92は、プラズマ処理条件81(プラズマ条件または運転条件というような場合であってもよい)や、プラズマ処理の動作プログラム82を記憶しており、プロセス制御部91は、動作プログラム82及びプラズマ処理条件81に基づいてプラズマ処理の制御を行う。操作・入力部94はキーボードなどの入力手段であり、プラズマ処理条件などのデータ入力や操作コマンドの入力を行う。表示部93はディスプレイ装置であり、操作入力時の案内画面などの表示を行う。なお、図示しないが、制御装置33が外部入出力インターフェースを備えて、装置外部との情報の受け渡しが行われるような場合であってもよい。
ここで、本実施形態のプラズマ処理装置101において用いられるプラズマ処理条件について説明する。プラズマエッチングにおいては、半導体ウェハ6の表面沿いの方向よりも厚み方向に強いエッチング特性(すなわち、当該厚み方向を主方向としたエッチング特性)を有する異方性エッチングと、当該表面沿いの方向と厚み方向とに略等しいエッチング特性を有する等方性エッチングというエッチング特性が異なる2種類のエッチングがある。本発明においては、プラズマダイシング処理の途中において、エッチング特性を切り換える(すなわち変更する)ことにより、異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を実施した後、他方に切り換えて実施することにより、半導体ウェハのダイシング処理が行われる。
このような異方性エッチングと等方性エッチングを行うためのプラズマ処理条件81の一例を図10のデータテーブルに示す。図10に示すように、プラズマ処理条件81は、例えば、それぞれのプラズマ発生用ガスのガス組成と、処理室2内の圧力と、上部電極4と下部電極3との間に印加される高周波の周波数(放電周波数)との組み合わせ条件により決定される。具体的には、異方性エッチング用のプラズマ処理条件81Aとしては、混合ガスのガス組成(すなわち、それぞれのガスの混合比)がSFとOとを10:2の比率として、圧力を100Paとし、そして周波数を60MHzとする組み合わせの条件となっている。また、等方性エッチング用のプラズマ処理条件81Bとしては、ガス組成がSFとHeとを10:30の比率として、圧力を10Paとし、そして周波数を13.56MHzとする組み合わせの条件となっている。
なお、このようなエッチング特性の切り換えは、上述のようにガス組成、圧力、及び周波数の組み合わせにより決定されるプラズマ条件81Aと81Bとを切り換えることにより行うが好ましいが、このような条件のみに限られるものではない。このような場合に代えて、例えば、ガス組成、圧力、及び周波数のうちのいずれか1つのパラメータのみを切り換えるような場合であっても、エッチング特性の切り換えを行うことができる。このようなエッチング特性の切り換えにおいては、ガス組成が最も有効なパラメータであり、その次に、圧力、周波数の順序となる。例えば、ガス組成のみを変更することで上記エッチング特性の切り換えを行うような場合にあっては、SF:O:Heのガス組成を、10:2:0から10:0:30と変更することで、異方性エッチングから等方性エッチングへの切り換えを行うことができる。また、処理室2内の圧力のみを変更することで上記エッチング特性の切り換えを行うような場合にあっては、圧力を低下させる(例えば、100Paから10Paとする)ことで、異方性エッチングから等方性エッチングへの切り換えを行うことができる。また、高周波の周波数のみを変更することで上記エッチング特性の切り換えを行うような場合にあっては、周波数を低くする(例えば、60Hzから13.56Hzとする)ことで、異方性エッチングから等方性エッチングへの切り換えを行うことができる。なお、これらのパラメータの他にも、例えば、高周波出力(例えば、500〜3000Wの範囲で設定される)やガス供給流量も一のパラメータとして用いられる。
また、異方性エッチング用のガス組成としては、デポジション(deposition:蒸着又は堆積)しやすい反応生成物を生じるようなガス組成を用いることが好ましい。例えば、異方性エッチング用のガス組成として、酸素を含むガス組成を用いることで、反応生成物としてシリコンのフッ素酸化物(Si)を生成することができる(ここで、x、y、zは整数)。このフッ素酸化物は、シリコンよりもエッチングされ難いという特性を有している。このような特性を利用することで、半導体ウェハにおいて、異方性エッチングの実施によりその表面に溝部を形成するとともに、当該形成された溝部の内側面に生成されたフッ素酸化物を付着させて膜を形成することができる(側壁デポジション)。一方、加速されたイオンによる物理的エッチングにより、上記溝部の底面にはフッ素酸化物が付着し難い。これにより、上記溝部の内側面は底面に比べてエッチングされ難くすることができ、その結果として当該エッチングを半導体ウェハの厚み方向に強く行うことが可能となり、より理想に近い異方性エッチングを実現することができる。従って、異方性エッチング用のガス組成としては、異方性エッチングを促進させるようなガス組成、すなわち側壁デポジションを起こし易いガス組成を用いることが好ましい。
また、プラズマ処理装置101においては、プラズマダイシング工程とアッシング工程とを行うことができ、プラズマダイシング工程における上述以外の条件としては、上部電極4と下部電極3との間の電極間距離Dの条件があり、例えば電極間距離Dとして5〜50mmの範囲で最適と考えられる値(電極間距離D1とする)が、プラズマ処理条件81A及び81Bとして設定されている。一方、アッシング工程におけるプラズマ処理条件としては、例えば、高周波出力が100〜1000W、圧力が5〜100Pa、電極間距離Dが50〜100mmの範囲内で最適と考えられる値(電極間距離D2とする)が設定されている。
なお、このような異方性エッチング用プラズマ処理条件81A、等方性エッチング用プラズマ処理条件81B、及びアッシング工程用のプラズマ処理条件のそれぞれは、制御装置33の記憶部92に記憶されており、動作プログラム82に基づいて、各工程毎に必要なプラズマ処理条件81が選択されて、プロセス制御部91により、当該選択されたプラズマ処理条件81に基づいて、プラズマ処理が行われる。
動作プログラム82に基づいて行われるプラズマ処理においては、図4に示すように、ガス流量調整部21、ガスライン切換バルブ11、高周波電源部17、静電吸着用DC電源部18、排気切換バルブ7、真空ポンプ8、真空吸着ポンプ12、扉開閉装置26、及び電極昇降装置24の各部が、プロセス制御部91により制御される。
また、圧力センサ28の圧力検出結果に基づいて、プロセス制御部91のよりガス流量調整部21が制御されてそれぞれのガスの供給量の総量が調整されることで、処理室2の内部の圧力を、プラズマ処理条件81に合致させるように制御することができる。
さらに、図4に示すように、制御装置33には、プラズマ処理時間の計測を行う処理時間計測部95が備えられており、異方性エッチング又は等方性エッチングの処理時間の計測を行い、当該計測結果が、例えば、それぞれのプラズマ処理条件81に含まれている処理時間の条件に到達したときに、プロセス制御部91により当該処理を終了させるような制御を行うことが可能となっている。
次に、このような構成を有するプラズマ処理装置101を用いて行われる半導体素子の製造方法およびこの半導体素子の製造方法の過程において実行される半導体ウェハの分割方法(ダイシング処理)について、以下に説明する。また、半導体ウェハ6に対する処理内容を説明するための模式説明図を図5(A)〜(H)に示し、当該製造方法の手順を示すフローチャートを図6に示し、これらの図面を中心に参照しながら説明を行う。
まず、図5(A)に示す状態において、半導体ウェハ6には複数の半導体素子が形成されており、さらにその厚みが100μm以下となるように薄化処理が施された後の半導体ウェハである。また、半導体ウェハ6の回路形成面6aには、粘着剤を介して保護シート30が剥離可能に貼り付けられており、以降において施されるそれぞれの処理の際に回路形成面6aが損傷を受けることを防止している。なお、保護シート30は、回路形成面6aの全面を覆い且つ半導体ウェハ6から外側にはみ出すことのないよう、半導体ウェハ6の外形形状と同じ形状に整形したものが用いられる。これにより、プラズマ処理において保護シート30がプラズマに対して露呈することがなく、プラズマによる保護シート30のダメージを防止することができる。
次に、図5(B)に示すように、半導体ウェハ6の回路形成面6aの裏面であるマスク配置面6bに、半導体ウェハ6を半導体素子の個片毎に分割するための切断線を画定するマスクを形成する。樹脂より成るレジスト膜31を半導体ウェハ6のマスク配置面6bの全面を覆って形成する。その後、図5(C)に示すように、レジスト膜31をフォトリソグラフィによってパターニングして、切断線31bに相当する部分のみを約20μm幅で除去する。これにより、半導体ウェハ6のマスク配置面6bには切断線31bの部分を除く領域がレジスト膜31aによって覆われたマスクが形成され、この状態のマスク付きの半導体ウェハ6が、プラズマ処理の対象となる。
以下、このマスク付きの半導体ウェハ6を対象としたプラズマ処理方法について、図6のフローチャートに沿って、図7から図9に示すプラズマ処理装置101の模式図を参照しながら説明する。なお、プラズマ処理装置101における以降のそれぞれの動作の制御は、制御装置33の記憶部92内に保持されている動作プログラム82に基づいて、プロセス制御部91により各構成部が制御されることにより行われる。
まず、図6のフローチャートのステップS1において、図7に示すように、マスク付きの半導体ウェハ6が処理室2内に搬入される。この搬入動作に際しては、上部電極4を電極昇降装置24によって上昇させた状態で、アーム27aを操作して、吸着ヘッド27にマスクを介して保持された半導体ウェハ6を開口部1bから処理室2内に搬入し、半導体ウェハ6を下部電極3上に保護シート30を介して載置する。
次に、真空吸着ポンプ12を駆動してそれぞれの吸着孔3eから真空吸引し、半導体ウェハ6の真空吸着をON状態にするとともに、静電吸着用DC電源部18をON状態にする(ステップS2)。この真空吸着により、処理室内2において保護シート30を下部電極3の保持面3gに密着させた状態で、半導体ウェハ6を下部電極3によって保持する。
この後、図8に示すように扉25が閉じられ、電極昇降装置24により上部電極4を下降させる(ステップS3)。このとき、制御装置33において、記憶部92に保持されているそれぞれのプラズマ処理条件81の中から、動作プログラム82に基づいてプロセス制御部91によりプラズマダイシング工程における異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aが選択されて取り出されるとともに、この異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aに含まれる電極間距離Dの条件に基づいて、上部電極4と下部電極3との間の電極間距離Dが例えば5〜50mmの範囲内の所定の条件(すなわち、電極間距離D1)に設定される。
次いで真空ポンプ8を作動させ、処理室2内の減圧を開始する(ステップS4)。処理室2内が所定の真空度に到達したならば、上記選択された異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aに基づいて、ガス流量調整部21により選択されたガスが所定のガス組成かつ所定の流量に調整されて処理室2内に供給される(ステップS5)。具体的には、異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aに基づいて、第1の開閉バルブ22Aが開放されて、第1のガス供給部20AからSFが第1の流量制御バルブ23Aによりその供給流量が調整されてガス混合部19に供給されるとともに、第3の開閉バルブ部22Cが開放されて、第3のガス供給部20CからOが第3の流量制御バルブ23Cによりその供給流量が調整されてガス混合部19に供給される。なお、このとき、第2の開閉バルブ22Bは閉止された状態とされ、Heの供給は行われない。また、ガス混合部19において、SFとOとが10:2のガス組成となるように混合されて、処理室2内に供給される。
そしてガス供給過程において、処理室2内の圧力を圧力センサ28により検出してプラズマ処理条件81Aの中の圧力条件(例えば、100Pa)と比較し、当該検出された圧力が当該圧力条件に示す圧力に到達したことを確認する(ステップS6)。すなわち、下部電極3と上部電極4との電極間距離D、処理室2に供給されるガス組成、ならびに処理室2内の圧力を、異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aに設定する。
そして上記条件設定が完了した後、プラズマ処理条件81Aの高周波の周波数及び出力条件に基づいて、高周波電源部18を駆動して上部電極4と下部電極3との間に、当該条件に合致する高周波電圧を印加し、プラズマ放電を開始する(ステップS7)。これにより、上部電極4と下部電極3との間の放電空間において、供給された混合ガスをプラズマ状態に移行させる。このプラズマ発生により、当該プラズマがマスク側(レジスト膜31a側)から半導体ウェハ6に照射される。このプラズマの照射により、半導体ウェハ6の主材質であるシリコンのうち、レジスト膜31aに覆われていない切断線31bの部分のみが、当該プラズマによってプラズマエッチングされる。
これとともに、プラズマによって上部電極4と下部電極3との間の放電空間には直流印加回路32が形成される(図3参照)。これにより、下部電極3と半導体ウェハ6との間には静電吸着力が発生し、半導体ウェハ6は下部電極3に静電吸着力により保持される。このため保護シート30は下部電極3の保持面3gに良好に密着し、半導体ウェハ6はプラズマ処理過程において安定して保持されるとともに、下部電極3に備えられた冷却機能によって保護シート30が良好に冷却され、プラズマ放電によって発生する熱による熱ダメージが防止される。
また、このプラズマエッチングは、異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aに基づいて行われていることより、そのエッチング特性は、半導体ウェハ6の厚み方向に大きくなる。従って、図5(D)に示すように、それぞれの切断線31bに相当する半導体ウェハ6の表面を、その厚み方向にエッチングを行い、この切断線31bの幅に略相当するような幅の切断溝6cが形成される。
また、ステップS8において、この切断溝6cの深さが所定の深さに到達するまで、例えば、処理時間計測部95により計測された時間が、異方性エッチング用プラズマ処理条件81Aの処理時間の条件を経過するまで、ステップS7の異方性エッチングによるプラズマダイシングが行われる。
ステップS8において、当該所定時間を経過したものと判断された場合には、異方性エッチングを終了するとともに、プロセス制御部91により等方性エッチング用プラズマ
処理条件81Bが選択されて、当該条件に基づいて、ガス流量調整部21により選択されたガスが所定のガス組成かつ所定の流量に調整されて処理室2内に供給される(ステップS9)。具体的には、等方性エッチング用プラズマ処理条件81Bに基づいて、第1の開閉バルブ22Aが開放されて、第1のガス供給部20AからSFが第1の流量制御バルブ23Aによりその供給流量が調整されてガス混合部19に供給されるとともに、第2の開閉バルブ部22Bが開放されて、第2のガス供給部20BからHeが第2の流量制御バルブ23Bによりその供給流量が調整されてガス混合部19に供給される。なお、このとき、第3の開閉バルブ22Cは閉止された状態とされ、Oの供給は行われない。また、ガス混合部19において、SFとHeとが10:30のガス組成となるように混合されて、処理室2内に供給される。
そしてガス供給過程において、圧力センサ28により検出される処理室2内の圧力がプラズマ処理条件81Bの中の圧力条件(例えば、10Pa)に到達したことを確認する(ステップS10)。なお、下部電極3と上部電極4との電極間距離D1はそのままの状態に保たれる
その後、プラズマ処理条件81Bの高周波の周波数及び出力条件に基づいて、高周波電源部18を駆動して上部電極4と下部電極3との間に、当該条件に合致する高周波電圧を印加し、プラズマ放電を開始することで、等方性エッチングによるプラズマダイシングを開始する(ステップS11)。
この等方性エッチングは、半導体ウェハ6の表面沿いの方向のエッチング特性と、厚み方向のエッチング特性とが略同じであるという特徴を有していることにより、プラズマが照射される部分においては、上記それぞれの方向に略均等にエッチングが施されることとなる。ただし実際には、等方性エッチングにおいても厚み方向のエッチング特性が表面沿いの方向のエッチング特性よりもやや強くなる傾向にあるが、上記異方性エッチングとは明らかに異なるエッチング特性を示すことには変わりはない。
このように等方性エッチングを用いたプラズマダイシングが行われると、図5(E)に示すように、上記異方性エッチングにより形成されたそれぞれの切断溝6cは、半導体ウェハ6の厚み方向だけでなく、表面沿いの方向にもその内周面の全体に対してエッチングが施されることとなる。従って、それぞれの切断溝6cは、その幅方向にやや拡大されながらその深さ方向にも拡大され、当該深さが半導体ウェハ6の全厚みに到達することで、半導体ウェハ6はそれぞれの半導体素子6dの個片毎に分割される(プラズマダイシング工程)。また、エッチング特性は、それぞれの切断溝6cの上部である入り口付近程強く、底部へ行くに従って弱くなる傾向にある。従って、このような等方性エッチングを施すことにより、図5(E)に示すように、それぞれの半導体素子6dにおける切断線に接する端部に湾曲凸面部であるR(アール)部6eを形成することができ、特に、それぞれの半導体素子6dのマスク配置面6b側に位置される端部(角部分)及びその矩形状平面の四隅部のそれぞれにR部6eが形成される。
なお、ステップS12において、この切断溝6cの深さが半導体ウェハ6の全厚みに到達するまで、例えば、処理時間計測部95により計測された時間が、等方性エッチング用プラズマ処理条件81Bの処理時間の条件を経過するまで、ステップS11の等方性エッチングによるプラズマダイシングが行われる。
ステップS12において、当該所定時間を経過したものと判断された場合には、等方性エッチングを終了する。これにより、半導体ウェハ6はそれぞれの半導体素子6dの個片に分割されるとともに、それぞれの半導体素子6dの端部にR部6eが形成されて、プラズマダイシング工程が完了する。
このプラズマダイシング工程が完了する際には、混合ガスの供給や高周波電圧の印加が停止されることとなる。その後、プラズマアッシング工程に移行するための電極間距離変更をおこなう(ステップS13)。具体的には、プロセス制御部91によりプラズマアッシング用のプラズマ処理条件が選択されて、当該条件に基づいて、図9に示すように電極昇降装置24により上部電極4を上昇させて、上部電極4と下部電極3との間の電極間距離を電極間距離D2に設定する。このようなプラズマアッシングによりマスク除去を行う際の電極間距離D2は、上述のプラズマダイシングにおける電極間距離D1よりも広く設定するようにしている。
その後、上記プラズマ処理条件に基づいてそれぞれのガス供給部20A〜20Cの中より選択されたガス供給部からプラズマアッシング用ガス(例えば、酸素)を、そのガス組成及び供給流量を調整しながら供給する(ステップS14)。そしてガス供給過程において処理室2内のガス圧力を検出して上記プラズマ処理条件と比較し、当該圧力が上記条件に示す圧力に到達したことを確認する(ステップS15)。
その後、高周波電源部18を駆動して上部電極4と下部電極3との間に高周波電圧を印加し、プラズマ放電を開始する(ステップS16)。これにより、上部電極4と下部電極3との間の放電空間において、供給されたガスをプラズマ状態に移行させる。このようにして発生したプラズマが、半導体ウェハ6のマスク配置面6b側に作用することにより、有機物よりなるレジスト膜31aはプラズマによってアッシング(灰化)される。
そしてこのアッシングが進行することにより、レジスト膜31aが徐々に消滅し、最終的には、図5(F)に示すように半導体ウェハ6のマスク配置面6aからマスクが完全に除去される。このマスク除去工程における高周波電源の出力は、上記プラズマ処理条件に基づいて、例えば100〜1000Wの範囲で設定された所定の値とされる。そしてマスクが完全に除去された後、プラズマ放電を停止する。
その後、真空ポンプ8の作動を停止し(ステップS17)、排気切換バルブ7を切り換えて大気開放を行う(ステップS18)。これにより、処理室2内の圧力が大気圧に復帰する。そして真空吸着をOFF状態にするとともに、静電吸着用DC電源をOFFにする(ステップS19)。これにより、それぞれの半導体素子6dの個片毎に分割され保護テープ30に保持された状態の半導体ウェハ6の吸着保持が解除される。
さらにその後、プラズマ処理後の半導体ウェハ6の搬出が行われる(ステップS20)。すなわち、吸着孔3eからNガスをブローしながら、吸着ヘッド27によって半導体ウェハ6を吸着保持して処理室2の外へ搬出する。これにより、プラズマ処理装置101において、プラズマダイシング及びアッシングの各工程を連続して行うプラズマ処理が終了する。
そして、保護シート30とともに搬出された半導体ウェハ6は、シート剥離工程に送られ、半導体素子6cの個片毎に分割して得られた半導体装置の回路形成面6aから、保護シート30を剥離する。このシート剥離は、図5(G)及び(H)に示すように、保持用の粘着シート37をそれぞれの半導体素子6dのマスク配置面6bに貼り付けて各半導体素子6dを粘着シート37に保持させた後に行われる。これにより半導体素子の製造工程が完了する。
ここで、上述のようにエッチング特性の異なる2種類のプラズマエッチングを組み合わせて行うようなプラズマダイシングが施されることにより形成された半導体素子6dの部分拡大断面図及び上面図を図11及び図12に示す。
図11に示すように、半導体素子6dのマスク配置面6b側におけるそれぞれの端部(図示上面側の端部)には、R部6eが形成されている。また、図12に示すように、半導体素子6dの矩形状の4つの隅(角)部分にもR部6eが形成されている。このように薄化された半導体素子6dの端部や角部分にR部6eを形成することにより、その抗折強度を向上させることができ、チップ欠け等の発生を抑制することができる半導体素子6dを、ダイシング処理を施すことで形成することができる。
また、このようなプラズマダイシングにおける異方性エッチングの処理時間は、例えば、マスクにより画定される切断線31bの線幅寸法と半導体ウェハ6の厚み寸法とに基づいて決定することができ、例えば、上記線幅寸法に基づいて、半導体ウェハ6の厚み寸法の1/2程度の深さの切断溝6cを形成するのに要する時間を、当該処理時間として決定することができる。また、等方性エッチングの処理時間は、切断線31bの線幅寸法と形成される半導体素子6dに求められる抗折強度から求めることができるR部6eの形成領域(形成範囲)の大きさとに基づいて決定することができる。例えば、抗折強度を高めたい場合には、R部6eの形成領域を大きくする(例えば、Rサイズを大きく採る)必要がある。
具体的な例を用いて、このようなそれぞれの処理時間の決定方法、すなわちプラズマエッチングの特性の切り換えのタイミングの決定方法について説明する。例えば、異方性エッチングを行った後に、等方性エッチングを行うような場合であって、厚さ50μmの半導体ウェハ6を用いて、要求される抗折強度より決定されるR部6eの大きさがR15μmであるそれぞれの半導体素子6dを形成するような場合について考えると、半導体ウェハ6の厚み方向における異方性エッチングによるエッチング量は35μmとなり、等方性エッチングによるエッチング量は15μmとなる。
ここで、異方性エッチングのエッチングレートをSμm/minとし、等方性エッチングのエッチングレートをSμm/minとすると、異方性エッチングの処理時間T(sec)と等方性エッチングの処理時間T(sec)は、数(1)、(2)のように算出することができる。
=(35μm/S)×60 ・・・(1)
=(15μm/S)×60 ・・・(2)
このようにして算出されたそれぞれの処理時間T、Tは理論値であるので、これらに基づいて実際にプラズマエッチングを実験的に行って、その結果分割処理された半導体素子6dに形成されたR部6eの大きさを計測することで、それぞれの処理時間T、Tの補正を行って、最適な処理時間を求めることができる。なお、異方性エッチングを先に行う場合においては、異方性エッチングの処理時間Tが、エッチング特性の切り換えのタイミングとなる。
また、プラズマダイシング処理において、異方性エッチングと等方性エッチングとの切り換えを複数回繰り返して行う場合には、それぞれの等方性エッチングの処理時間の合計時間によって、R部6eの大きさを決定することができる。
なお、上述のプラズマダイシングにおいては、エッチング特性が異なる2種類のエッチングとして、異方性エッチングを施した後に、等方性エッチングを施すような場合について説明したが、本実施形態はこのような場合にのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、先に等方性エッチングを施して、その後、異方性エッチングを施すことでプラズマダイシングを行うような場合であってもよい。このように先に等方性エッチングを施すような場合であっても、そのエッチング特性により切断線31bの形成位置を厚み方向にエッチングを行うことで切断溝6cを形成することができるとともに、当該形成の際に切断溝6cを幅方向にもエッチングすることでR部6eの形成を行うことができる。さらに、このようにR部6eが形成された切断溝6cに対して、異方性エッチングを施すことで、R部6eの形状を保持しながら切断溝6cの深さを半導体ウェハ6の厚さにまで拡大してダイシングを行うことができる。
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、薄化された半導体ウェハ6をそれぞれの半導体素子6dの個片に分割するダイシング工程において、ダイサーやレーザ光を用いることなく、プラズマエッチングを施すことで行うことにより、当該ダイシングの際に半導体ウェハ6の欠片が発生することを確実に防止することができ、ダイシングにおける加工歩留まりの低下を抑制することができる。
また、このようなプラズマダイシングにおいて、互いにそのエッチング特性が異なる異方性エッチングと等方性エッチングとを使い分けて、いずれか一方の特性のエッチングを施した後、エッチング条件の変更(切り換え)を行い、他方の特性のエッチングを行うことで、抗折強度を向上させることができるような加工を半導体素子6dに対して施すことができる。
具体的には、例えば、プラズマダイシングにおいて、先に異方性エッチングを施すことで、マスクにより画定された切断線31bが配置されている半導体ウェハ6の表面部分に、厚み方向に強いエッチング特性により微細な幅の溝として切断溝6cを形成することができる。その後、エッチング特性を等方性エッチングに切り換えて、当該形成された切断溝6cの内周面に対して、半導体ウェハ6の厚み方向だけでなく、その表面沿いの方向にもエッチングを施すことで、切断溝6cを深さ方向だけでなく、幅方向にもエッチングを行うことができる。このようなエッチングを施すことで、半導体素子6dの端部や角部分に湾曲凸面部であるR部6eを形成するとともに、切断溝6cの底部を保護シート30の表面にまで到達させて、半導体ウェハ6の分割を行うことができる。このように分割されたそれぞれの半導体素子6dの端部や角部分にR部6eを形成することで、半導体素子6d自体の抗折強度を向上させることができ、薄化された半導体素子であっても高い強度を有する半導体素子を提供することができる。
従って、薄化された半導体ウェハ6に対するダイシング処理を、欠片の発生を防止して損傷の発生を防止するだけでなく、それぞれの半導体素子6dにR部6eを形成することで、抗折強度を向上させることができる。
また、このようなプラズマダイシングの途中におけるエッチング特性の切り替えは、プラズマ発生用ガスのガス組成、処理室2内の圧力、印加される高周波の周波数、又は高周波出力の中の1又は複数のパラメータの組み合わせにより決定される異方性エッチング用プラズマ処理条件と等方性エッチング用プラズマ処理条件のいずれか一方から他方へと切り換えることにより行うことができ、このようなそれぞれのプラズマ処理条件を予め設定しておくことで、上記切り換えを容易に行うことができる。
特に、これらのパラメータの中でも上記切り換えにより有効なパラメータであるガス組成と圧力との双方を制御することができるガス流量調整部21が備えられていることにより、上記エッチング特性の切り換えを容易なものとすることができるプラズマ処理装置を提供することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明の一の実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成を示す模式構成図である。 上記プラズマ処理装置の下部電極の部分拡大断面図である。 上記プラズマ処理装置の模式構成図であって、(A)は静電吸着用電源部の駆動により下部電極の表面に負電荷が蓄積された状態を示す模式構成図であって、(B)は高周波電源部の駆動により処理室内にプラズマが発生された状態を示す模式構成図である。 上記プラズマ発生装置の制御系の構成を示す制御ブロック図である。 上記実施形態にかかる半導体素子の製造方法におけるそれぞれの工程を示す半導体ウェハの模式説明図であって、(A)は保護シートが貼着された状態の半導体ウェハを示し、(B)はレジスト膜が形成された状態の半導体ウェハを示し、(C)は切断線を画定するマスクが形成された状態の半導体ウェハを示し、(D)は異方性エッチングが施されている状態の半導体ウェハを示し、(E)は等方性エッチングが施されている状態の半導体ウェハを示し、(F)はアッシング工程が施された状態の半導体ウェハを示し、(G)はそれぞれの半導体素子におけるマスク配置面に粘着シートが貼着された状態を示し、(H)は回路形成面より保護シートが剥離された状態を示す。 上記実施形態にかかる半導体ウェハの分割方法の手順を示すフローチャートである。 半導体ウェハの搬入が行われている状態のプラズマ処理装置の模式断面図である。 プラズマダイシング工程が行われている状態のプラズマ処理装置の模式断面図である。 プラズマアッシング工程が行われている状態のプラズマ処理装置の模式断面図である。 上記プラズマダイシング工程において用いられるプラズマ処理条件のデータテーブルを示す図である。 上記プラズマダイシング工程が施された半導体素子の模式断面図である。 上記プラズマダイシング工程が施された半導体素子の模式上面図である。
符号の説明
1 真空チャンバ
2 処理室
3 下部電極
4 上部電極
5A、5B、5C 絶縁部材
6 半導体ウェハ
6a 回路形成面
6b マスク配置面
8 真空ポンプ
17 高周波電源部
18 静電吸着用DC電源部
19 ガス混合部
20A、20B、20C 第1〜第3のガス供給部
21 ガス流量調整部
22A、22B、22C 第1〜第3の開閉バルブ
23A、23B、23C 第1〜第3の流量制御バルブ
28 圧力センサ
30 保護シート
33 制御装置
81 プラズマ処理条件
82 動作プログラム
91 プロセス制御部
92 記憶部
95 処理時間計測部
101 プラズマ処理装置

Claims (17)

  1. 複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置され、上記第1の表面の反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線を画定するマスクが配置された半導体ウェハに対して、上記第2の表面よりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線に沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割方法において、
    上記プラズマエッチングにおいて、異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を実施し、その後、いずれか他方を実施することを特徴とする半導体ウェハの分割方法。
  2. 上記等方性エッチングの実施により、上記分割線に接する上記それぞれの半導体素子におけるそれぞれの端部に湾曲凸面部を形成する請求項1に記載の半導体ウェハの分割方法。
  3. 上記異方性エッチングと上記等方性エッチングとの切り替えは、プラズマ発生用ガスの圧力、ガス組成、高周波出力、又は放電周波数の中の1のパラメータ又は複数のパラメータの組み合わせにより決定される上記異方性エッチング用のプラズマ条件と上記等方性エッチング用のプラズマ条件を、上記プラズマエッチングの際に切り替えることにより行う請求項1又は2に記載の半導体ウェハの分割方法。
  4. 上記異方性エッチングは、上記分割線の線幅寸法及び上記半導体ウェハの厚み寸法に基づいて決定される処理時間だけ実施され、
    上記等方性エッチングは、上記分割線の線幅寸法及び上記湾曲凸面部の形成領域の大きさに基づいて決定される処理時間だけ実施される請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法。
  5. 上記プラズマエッチングにおいて、上記異方性エッチングの実施により、上記第2の表面における上記分割線に相当する部分に対して、上記半導体ウェハの厚み方向を主方向としてエッチングを行い、当該分割線に相当する部分に溝部を形成し、
    その後、上記異方性エッチングから上記等方性エッチングに切り替えて、
    当該等方性エッチングの実施により、上記半導体ウェハの厚み方向及び当該厚み方向と直行する方向に上記溝部の内側表面をエッチングして、上記湾曲凸面部を形成するとともに、当該溝部の除去を行う請求項2に記載の半導体ウェハの分割方法。
  6. 上記プラズマエッチングにおいて、上記等方性エッチングの実施により、上記第2の表面における上記分割線に相当する部分に対して、上記半導体ウェハの厚み方向及び当該厚み方向と直行する方向にエッチングを行い、当該分割線に相当する部分に溝部を形成するとともに、上記湾曲凸面部を形成し、
    その後、上記等方性エッチングから上記異方性エッチングに切り替えて、
    当該異方性エッチングの実施により、上記半導体ウェハの厚み方向を主方向として上記溝部の底面をエッチングして、当該溝部の除去を行う請求項2に記載の半導体ウェハの分割方法。
  7. 上記溝部の深さ寸法が当該半導体ウェハの厚み寸法の略1/2の寸法に達したときに、上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方から他方への切り替えを行う請求項5又は6に記載の半導体ウェハの分割方法。
  8. 上記第1の表面に上記保護シートが配置され、上記第2の表面に上記マスクが形成された上記半導体ウェハに対して、上記請求項1から7のいずれか1つに記載の半導体ウェハの分割方法を施して、上記プラズマエッチングにより上記それぞれの半導体素子の分割を行い、
    その後、当該半導体ウェハの第2の表面に対してアッシングを施すことにより、上記それぞれのマスクの除去を行い、個片化された上記それぞれの半導体素子を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  9. 複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置され、上記第1の表面の反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線を画定するマスクが配置された半導体ウェハに対して、上記第2の表面よりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線に沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割装置において、
    上記プラズマエッチングが行われる処理室と、
    上記処理室内において上記半導体ウェハを上記保護シートを介して保持する保持部を備える第1の電極と、
    上記処理室内において上記第1の電極に対して対向配置された第2の電極と、
    上記第1の電極に高周波電力を印加する高周波電力印加装置と、
    上記処理室内にプラズマ発生用ガスを供給するプラズマ発生用ガス供給装置と、
    上記処理室内の圧力を減圧する真空排気装置と、
    上記高周波電力印加装置、上記プラズマ発生用ガス供給装置、及び上記真空排気装置を各々の運転条件に基づいて制御して上記第1の電極と上記第2の電極との間にプラズマを発生させ、上記プラズマエッチングにより上記分割線に沿って上記半導体ウェハの分割処理を実行する制御装置とを備え、
    上記制御装置は、上記高周波電力印加装置、プラズマ発生用ガス供給装置、又は上記真空排気装置の上記それぞれの運転条件のうちの少なくとも1つの上記運転条件を変更することで上記プラズマエッチングの状態を異方性エッチング又は等方性エッチングのいずれか一方を選択可能であって、当該いずれか一方の状態で上記分割処理を開始し、当該分割処理の途中で上記運転条件の変更を行うことで他方の状態へ切り替えるプロセス制御部を備えることを特徴とする半導体ウェハの分割装置。
  10. 上記運転条件には、プラズマ発生用ガスのガス組成条件を含み、
    上記プラズマ発生用ガス供給装置がプラズマ発生用ガスのガス組成を調整するガス組成調整部を備え、
    上記プロセス制御部は、上記ガス組成条件に基づいて上記ガス組成調整部の制御を行い、当該ガス組成条件を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える請求項9に記載の半導体ウェハの分割装置。
  11. 上記ガス組成調整部は、
    異なる種類の複数のガスを個別に供給する複数のガス供給部と、
    上記それぞれのガス供給部から供給されるガスの流量を個別に調整可能な複数のガス流量調整部とを備え、
    上記プロセス制御部は、上記ガス組成条件に基づいて、上記それぞれのガス流量調整部を制御して、上記プラズマ発生用ガスのガス組成の変更を行う請求項10に記載の半導体ウェハの分割装置。
  12. 上記運転条件には、上記プラズマ発生用ガス供給部から上記処理室内へ供給するプラズマ発生用ガスの供給流量条件を含み、
    上記プラズマ発生用ガス供給装置が、プラズマ発生用ガスの供給流量を調整するガス流量調整部を備え、
    上記プロセス制御部は、上記プラズマ発生用ガスの供給流量条件に基づいて、上記ガス流量調整部を制御して上記供給流量を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える請求項9に記載の半導体ウェハの分割装置。
  13. 上記運転条件には、上記処理室内の圧力条件を含み、
    上記プラズマ発生用ガス供給装置が、プラズマ発生用ガスの供給流量を調整するガス流量調整部を備え、
    上記プロセス制御部は、上記処理室内の圧力条件に基づいて、上記ガス流量調整部を制御して上記供給流量を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える請求項9に記載の半導体ウェハの分割装置。
  14. 上記運転条件には、上記処理室内の圧力条件を含み、
    上記プロセス制御部は、上記処理室内の圧力条件に基づいて、上記真空排気装置を制御して上記処理室内の圧力を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える請求項9に記載の半導体ウェハの分割装置。
  15. 上記運転条件には、上記高周波電力の周波数条件を含み、
    上記プロセス制御部は、上記高周波電力の周波数条件に基づいて、上記高周波電力印加装置を制御して上記周波数を変更することで、上記プラズマエッチングの状態を上記異方性エッチング又は上記等方性エッチングのいずれか一方の状態から他方の状態に選択的に切り替える請求項9に記載の半導体ウェハの分割装置。
  16. 上記半導体ウェハに対する上記プラズマエッチングの処理時間を計測する処理時間計測部をさらに備え、
    上記プロセス制御部は、上記処理時間計測部により計測された処理時間に基づいて、上記プラズマエッチングの状態の切り替えを行う請求項9に記載の半導体ウェハの分割装置。
  17. 複数の半導体素子が形成された第1の表面に保護シートが配置され、上記第1の表面の反対側の第2の表面に上記それぞれの半導体素子を個片に分割するための分割線を画定するマスクが形成された半導体ウェハに対して、上記第2の表面よりプラズマエッチングを施すことで、上記画定された分割線に沿って上記それぞれの半導体素子に分割する半導体ウェハの分割装置において、
    上記半導体ウェハが配置されるとともに、当該半導体ウェハに対してプラズマエッチングが行われる処理室と、
    上記処理室内においてプラズマを発生させるプラズマ発生装置と、
    運転条件に基づいて上記プラズマ発生装置を制御して上記処理室内にプラズマを発生させ、上記プラズマエッチングにより上記分割線に沿って上記半導体ウェハの分割処理を実行する制御装置とを備え、
    上記制御装置は、上記運転条件として、上記プラズマエッチングの状態を異方性エッチングの状態とする異方性エッチング用運転条件と、等方性エッチングの状態とする等方性エッチング用運転条件とを選択可能に有し、いずれか一方の運転条件に基づいて上記プラズマを発生させて上記分割処理を開始し、当該分割処理の途中で他方の上記運転条件を選択して当該他方の運転条件に基づいて上記プラズマを発生させるプロセス制御部を備えることを特徴とする半導体ウェハの分割装置。
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