JP2006040459A - 光記録媒体の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光として青色レーザーを用いる高密度、大容量光記録媒体の基材に0,1mmという薄い光透過層や、さらに薄膜の中間層等を歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクト形成することができる光記録媒体の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】搬送板17,18,19,20,21に載置された基材13の表面にコーティングヘッド29によりその基材13を含む搬送板上に光透過層材料14aをコーティングし、前記基材13の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスク34を通して前記コーティングされた光透過層材料14aを硬化し、そして、前記硬化された光透過層を有する基材13を搬送板から取り出すという工程を順次実行することにより、歩留まりよく、かつ、効率よく、基材13に光透過層を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、特に光透過層が薄膜化された光記録媒体の製造方法および製造装置に関するものである。
音楽や映像等の各種データを蓄積する光記録媒体は、再生専用型、追記型、書き換え型等があり、そのサイズは円盤状のもので直径が120mmと80mm、またカードタイプ等があり、この多様性を活かして民生用のみならず業務用等に広く普及している。また、記録容量も650MBのコンパクトディスク(CD)から4.7GBの多用途ディスク(DVD)へと高密度化、大容量化が進み、さらに最近では青色レーザーを光源とする次世代の光記録媒体が現れ、その用途がさらに拡大しようとしている。
この次世代の光記録媒体においては、25GBという高密度、大容量を実現するために記録および再生のためのレーザーが入射する面に0.1mmという薄い光透過層を設けているのが特徴である。従来のCDではレーザーが入射する面の光透過層は1.2mmもあり、またDVDの光透過層は0.6mmと厚く、そして、これらの光透過層は光記録媒体の基板を兼ねるポリカーボネイト等の樹脂材料を射出成形して形成していた。しかし、次世代の光記録媒体では光透過層は0.1mmという薄さであり、したがって前記CDやDVDと同様の方法では光記録媒体として十分な機械的強度が確保できない。
このために、上記次世代の光記録媒体の光透過層の形成は、例えば特許文献1に、キャスティング法により光透過層のシートを形成し、これをドーナツ状に丸く打ち抜いて基材に接着剤で貼り付けるようにしたものが開示されている。しかしながら、この方法では、シートを作製する装置がコーティングや乾燥の工程を含むために大掛かりなものとなり、また、シート材のコーティング時には厳密な塵埃の管理が求められ、さらに、その後のシートの搬送にはキズが発生しないように細心の注意を払う必要があり、しかし現実には、上記塵埃やキズの原因によるシートの欠陥をなかなか減らすことは難しいため、シートとしての製品歩留まりがあがらないという課題がある。また、丸く打ち抜くときにも発塵があり、これの付着も欠陥を増加させている。さらに打ち抜いたシートを基材に接着させるための接着剤や接着工程も必要であるため、光記録媒体の製造工程が複雑となっている。
また、特許文献2および3には、スピンコート法により直接、基材上に光透過層を形成する装置および方法が提案されている。これは基材の中心穴を覆うためのキャップを載置し、基材を回転させながらそのキャップの中心部に光透過層を形成する樹脂を流し込み、遠心力でこの樹脂を基材の外周方向へ広げていく方法である。しかしこのようにスピンコート法により0.1mmの薄い光透過層を形成するためには、1500から3000mPa・sの粘度の高い樹脂を用いなければならず、そのために樹脂が基材の外周まで均一に広がっていくのに時間がかかり、生産タクトが従来のCDやDVDよりも長くなって、生産効率が悪いという課題がある。
特開2002−74749号公報 特開平10−249264号公報 特開平11−102544号公報
本発明は、特にレーザー光として青色レーザーを用いる高密度、大容量光記録媒体の基材に0.1mmという薄い光透過層や、さらに薄膜の中間層等を歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができる光記録媒体の製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、光記録媒体の基材に光透過層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板に載置された基材とコーティングヘッドとの相対移動により該コーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する第2の工程と、前記表面に硬化された光透過層を有する基材を搬送板から取り出す第3の工程を有し、前記搬送板を搬送させて第1の工程、第2の工程および第3の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に光透過層とハードコート層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板に載置された基材とコーティングヘッドとの相対移動により該コーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する第2の工程と、前記硬化された光透過層材料の表面にコーティングヘッドによってハードコート層材料をコーティングする第3の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記ハードコート層材料を硬化する第4の工程と、前記硬化された光透過層とハードコート層を有する基材を搬送板から取り出す第5の工程を有し、前記搬送板を搬送させて第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程、第5の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、光記録媒体の基材にピットまたはグルーブが形成された中間層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板に載置された基材とコーティングヘッドとの相対移動により該コーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に中間層材料をコーティングする第1の工程と、前記第1の工程によりコーティングされた中間層材料の面にピットまたはグルーブを形成するための透明スタンパーを載置する第2の工程と、基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記透明スタンパーが中間層材料の上に載置された状態でその中間層材料を硬化し、その中間層材料に透明スタンパーによってピットまたはグルーブを形成する第3の工程と、前記硬化された中間層材料から前記透明スタンパーを離脱させる第4の工程を有し、前記搬送板を搬送させて第1の工程、第2の工程、第3の工程および第4の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
そして、前記光透過層材料の硬化、光透過層材料およびハードコート層材料の硬化、中間層材料の硬化はそれぞれ紫外線により行うようにしたものである。
さらに、本発明は、光記録媒体の基材に光透過層を形成する光記録媒体の製造装置であって、前記基材を載置する搬送板と、その搬送板に設けられた基材の位置決め部と、前記搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板に前記位置決め部により位置決めされた状態で載置された基材の表面にコーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングするコーティング装置と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する硬化装置と、前記硬化された光透過層を有する基材を搬送板から取り出す移送手段を有し、前記駆動源により搬送板を搬送させてコーティング装置により光透過層材料のコーティング、硬化装置により光透過層材料の硬化、移送手段により搬送板から基材を取り出すように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に光透過層とハードコート層を形成する光記録媒体の製造装置であって、前記基材を載置する搬送板と、その搬送板に設けられた基材の位置決め部と、前記搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板に前記位置決め部により位置決めされた状態で載置された基材の表面にコーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングする第1のコーティング装置と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する第1の硬化装置と、前記硬化された光透過層材料の表面にコーティングヘッドによってハードコート層材料をコーティングする第2のコーティング装置と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記ハードコート層材料を硬化する第2の硬化装置と、前記硬化された光透過層とハードコート層を有する基材を搬送板から取り出す移送手段を有し、前記駆動源により搬送板を搬送させて第1のコーティング装置によって光透過層材料をコーティングし、第1の硬化装置により前記光透過層材料を硬化し、第2のコーティング装置によってハードコート層材料をコーティングし、第2の硬化装置により前記ハードコート層材料を硬化し、移送手段により前記硬化された光透過層とハードコート層を有する基材を取り出すように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
また、本発明は、光記録媒体の基材にピットまたはグルーブが形成された中間層を形成する光記録媒体の製造装置であって、前記基材を載置する搬送板と、その搬送板に設けられた基材の位置決め部と、前記搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板に前記位置決め部により位置決めされた状態で載置された基材の表面にコーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に中間層材料をコーティングするコーティング装置と、コーティングされた中間層材料の面にピットまたはグルーブを形成するための透明スタンパーを載置し、かつ離脱する移送手段と、基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記移送手段により透明スタンパーが中間層材料の上に載置された状態でその中間層材料を硬化する硬化装置を有し、前記駆動源により搬送板を搬送させてコーティング装置により中間層材料のコーティング、前記移送手段により透明スタンパーの中間層材料上への載置、硬化装置により中間層材料の硬化、移送手段により透明スタンパーの離脱を行うように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置である。そして、前記硬化装置は紫外線照射の硬化装置である。
上記本発明によれば、青色レーザー対応の大容量光記録媒体に要求される0.1mm厚の光透過層や25μm厚の中間層の形成において、均一な膜厚で、かつ再現性よく安定した光透過層や中間層を形成することができるものであり、したがって、歩留まりが向上し、かつ生産のタクトが短縮されてコストの大幅な低減が可能となる。
まず、図1は本発明の実施の形態における製造方法、製造装置により製造された光記録媒体に記録されたデータ信号を再生する光学概略図であり、例えば青色レーザー光を発生する半導体レーザーモジュール1から出射された光束は光束分離手段2を通過し、コリメートレンズ3によってほぼ平行光にされて集光レンズ4に入射する。前記集光レンズ4により集光されたレーザー光は光記録媒体5の情報記録面に形成された反射率の異なるピットで反射され、この反射光は集光レンズ4、コリメートレンズ3を通過して光束分離手段2により反射され、検出レンズ6により受光素子7に集光される。前記受光素子7は前記光記録媒体5の情報記録面によって変調された光量変化を電気信号に変換し、これによって光記録媒体5に記録されているデータを読み取る。
上記のようにして光情報の再生が行われる光記録媒体の製造方法、製造装置について、以下説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1によって製造された光記録媒体の概略断面図であり、この光記録媒体10は単層の再生専用型である。この光記録媒体10は中心部に孔10aを有する円盤状からなり、基板11と反射膜12からなる基材13とその反射膜12を含んで接合付着された光透過層14から構成されている。基板11は樹脂材料からなり、具体的には、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等からなる。もちろんガラス基板であってもよい。
前記基板11はその厚さは1.1mmであり、主に射出成形によって作られ、その一方の表面(図示では下面)にはデジタル信号を変換したピットが形成され、情報記録領域面となっている。反射膜2はアルミニュウム合金や銀合金等の金属からなり、前記一方の表面にスパッタ法等により情報記録領域のピットに倣って厚みが10〜50nmに形成されている。光透過層14の膜厚は0.1mmで、その材料はアクリレート、シロキサン系樹脂、ポリカーボネイト等からなる。なお、前記ピットによるデジタル信号情報を読み取るレーザー光束は光透過層14から入射される。前記基板11に形成されている情報記録領域と、この表面に形成されている反射膜12は後述の各実施の形態における基材13と同様にともに基板11の内外周よりも内側に形成されている。
次に、上記光記録媒体10の製造装置および製造方法について説明する。
図3は製造装置の概略構成図であり、図4はその製造工程の要部を示す概略斜視図である。
製造装置15は塵埃が厳しく管理されたクリーン室16内に設置され、そのクリーン室16内には複数個の搬送板17、18、19、20、21の移動をガイドする一対の搬送ガイド22a、22bが設けられており、これらの搬送板17、18、19、20、21はモータ等の駆動源23により通常は右方向に移動可能になっている。前記搬送板17、18、19、20、21はそれぞれ150*150mmの方形状で厚みが5mmの金属板、ガラス板、セラミック板等からなり、その上面には前記基材13を位置決めして載置する位置決め部、すなわち基材13を収納可能なドーナツ状の凹部17a、18a、19a、20a、21a(図には17a、21aのみ記載)が設けられており、その凹部17a、18a、19a、20a、21aの深さは前記基材13の厚みと同一になるように設定されている。
前記搬送板17、18、19、20、21の位置決め部を含む表面は、コーティングした材料が剥離しやすいように、フッ素樹脂による被覆や硬質表面処理等の加工がなされている。なお、前記基板11と反射膜12からなる基材13は直径が120mm、厚みがほぼ1.1mmのドーナツ状である。
前記搬送ガイド22a、22b上に搬送板17、18、19、20、21が載置された状態において、搬送板17、18、21の各工程位置に対応して先端部に吸着保持部24a、25a、26aを有する移送ロボット腕等の移送手段24、25、26が配置されており、これらの移送手段24、25、26は駆動源27により駆動制御されるようになっている。また、搬送板19に対応した位置には前記基材13に光透過層を形成するために光透過層材料をコーティングするコーティング装置28が配置されており、このコーティング装置28はコーティングヘッド29、光透過層材料の供給タンク30、供給ポンプ31を備え、供給ポンプ31により供給タンク30からパイプ32a、32bを通して光透過層材料をコーティングヘッド29に供給するようになっている。
また、搬送板20と対応して前記光透過層材料の硬化装置33が配置されており、これは高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を持つ紫外線硬化装置である。そして前記硬化装置33と搬送板20との間には基材13の平面形状部分のみ、すなわちドーナツ状に前記搬送板20上に硬化装置33からの紫外線が照射されるようにパターン34aが形成されたマスク34が配置されている。前記マスク34の構造としては紫外線を透過する材料からなる基板、例えばガラス基板の上にスパッタにより基材13の平面形状部分以外の部分に紫外線を反射する薄膜、例えばアルミニュウムやコールドミラー等の多層材料や、さらにはこの多層材料の上に保護膜、例えばSiO2やMgF2等を形成したものである。
次に、基材13に光透過層14を形成する工程について説明する。
まず、凹部17aからなる位置決め部が形成された搬送板17を移送手段24の吸着保持部24aにより保持して搬送ガイド22a、22b上に載置し、搬送板17を準備する(工程A)。次に、駆動源23により搬送板17を搬送板18の位置に移動させ、移送手段25の吸着保持部25aに吸着された基材13を前記搬送板18の凹部18a内に載置する。この場合、基材13の反射膜12が上面に位置するように載置する(工程B)。
そして、前記基材13が載置された搬送板18を、駆動源23により搬送板19の位置に移動させ、ここで供給ポンプ31により供給タンク30内の光透過層材料をコーティングヘッド29に供給し、かつこのコーティングヘッド29を基材13の搬送方向とは反対方向に移動機構(図示せず)により移動させ、このヘッド29の下面にその移動方向と直交する方向に設けられている筋状のスロットから前記基材13の平面範囲を含む搬送板19の上面に光透過層材料14aをコーティングする(工程C)。前記基材13と搬送板19への光透過層材料14aのコーティングは、搬送板に設けられた位置決め部の深さが基材13の厚みと同一寸法に形成されているため、光透過層材料14aは均一にコーティングされる。
ここで、この種光透過層材料等の薄膜材料のコーティング方法としては、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式等があるが、本発明の各実施の形態に係るダイ方式は高精度な膜厚管理ができること、高速度でコーティングが行えること、また、装置がシンプルで小型であること、メンテナンスが容易であること等から適している。したがって、生産タクトが短くできるばかりでなく、欠陥が少なく、歩留まりが改善できるという特徴を有している。
前記光透過層材料14aは予め真空槽に入れられて脱気されており、その後、供給タンク30に注入される。そして供給タンク30に蓄えられた光透過層材料14aが供給ポンプ31により広幅のコーティングヘッド29に送られ、このヘッド29を移動させながらスロット(図示せず)から光透過層材料14aを吐出させて基材13上にコーティングしていく。前記のコーティングが終了した後、コーティングヘッド29は元の位置に戻らせる必要はなく、次の基材のコーティング時に前回と逆の方向に移動機構により移動させてコーティングを行うことができる。前記コーティング幅方向の膜厚の均一性を確保するためにコーティングヘッド29の先端形状やスロット幅は高精度に加工されており、また、光透過層材料14aが均一に吐出されるように、そのコーティングヘッド29に光透過層材料を供給する注入口の位置や数、液溜りの役目を果たすマニフォールドの形状や位置等も最適化されている。
前記光透過層材料14aとしては紫外線や電子線で硬化する材料が用いられる。特に紫外線で硬化するアクリレート等の材料は、硬化のための装置が小型で簡便であるためによく用いられる。具体的にはエポキシアクリレートやウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のオリゴマーに希釈や高機能化のためのモノマーや重合を迅速にするための光重合開始剤を含んだ混合物から構成されている。0.1mmの光透過層14の膜厚を得るために、粘度や表面張力等の材料物性に合わせてコーティングヘッド29のスロット幅、基材13との間隔、ヘッドの送り速度、材料の吐出圧等を調整し、最適化する必要がある。光透過層材料の粘度が1500mPa・sの場合のコーティングヘッド29の代表的な値はスロット幅が200μm、基材13との間隔が120μm、ヘッドの送り速度が30mm/sec、材料の吐出圧が0.3MPaである。さらに、検討を重ねた結果、このコーティング方法によると光透過層材料が300から5000mPa・sという広範囲の粘度においても基材上に0.1mm厚のコーティングが可能であることがわかった。
なお、移動機構によるコーティングヘッド29の送り速度は、速ければ速いほどタクトが短くなり、生産性は向上するが、空気の噛み込みや塗布スジ等が発生し、均一性が損なわれるために送り速度には上限があり、均一性が損なわれない速度範囲内でヘッド送りがなされる必要がある。また、光透過層材料の粘度や表面張力等の材料物性にも依存するがコーティングヘッド29の送り速度は20〜60mm/sec、すなわち、タクトとしては3〜8秒で基材13上に0.1mm厚の光透過層材料14aをコーティングすることができることを確認した。
前記工程Cでコーティングが終了すると、搬送板19は次の工程D、すなわち、光透過層材料14aの硬化工程に駆動源23により移動される。硬化装置33から発生する紫外線が工程Dに移送された搬送板20方向に照射され、その紫外線はマスク34のドーナツ状のパターン34aを通して基材13の表面にコーティングされた光透過層材料14aを基材13の平面形状の範囲のみ硬化させる。前記光透過層材料14aの硬化時にその硬化部分は基材13、すなわち金属からなる反射膜12と基板11に固着し、基材13と一体化される。なお、光透過層材料が電子線によって硬化する材料であればこの電子線を利用した硬化装置であってもよい。
この実施の形態においては高圧水銀ランプを用い、紫外線の照射量は500〜800mJ/cm2、照射時間は3〜6秒である。この紫外線の照射時間が長くなると基材13に反りが発生するため、注意を要する。また、紫外線によってマスク34の温度が上昇するが、この温度の上昇を抑制するためにマスク34に金属箔を貼り付けてもよい。
また、硬化装置33に備えられる高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の種類によって発光スペクトラムが微妙に異なるために、その紫外線透過率を考慮してマスク34の基板材料を選定する必要がある。なお、基材13が紫外線を透過する材料からなる場合は、搬送板20を紫外線が透過する例えばガラス材料から構成することにより、マスク34や硬化装置33を搬送板20の裏側に配置し、その裏側から光透過層材料14aを硬化することができる。そして、このように裏側から光透過層材料14aを硬化する場合は搬送板20の裏面に直接マスクのパターンを形成することにより、独立して設置するマスク34を省略することができる。なお、光透過層材料14aの硬化に電子線を使う場合は、マスクで電子線を遮断する領域以外にはこれを遮断するような物質があってはならないことは言うまでもない。
上記の工程Dにおいて、マスク34と基材13の位置が僅かにずれる等により紫外線の照射範囲が基材13の平面形状とずれて基材13の内外周のエッジ部分の光透過層材料14aに硬化不十分な部分が発生する場合は、再度、硬化装置により硬化させてもよい。
前記工程Dにより基材13上の光透過層材料14aが硬化されると、搬送板20は駆動源23により次の工程Eに搬送される。この工程Eでは移送手段26の吸着保持部26aによって光透過層材料14aが硬化され、付着された基材13を搬送板21から持ち上げることにより光透過層材料14aの硬化部分と未硬化部分の境界でこの光透過層材料14aは切り離され、基材13は搬送板21から取り出されて次の製品完成工程(図示せず)に移送される。なお、基材13が取り出された搬送板21は工程Eの位置から移動された後、それに付着している未硬化の光透過層材料14aは掻きとられる等より除去され、搬送板21は再使用されるとともに、除去された光透過層材料もフィルターで濾過して再利用される。
なお、上記搬送板21から基材13を取り出す時、搬送板21上の未硬化の光透過層材料との切り離れが良好に行われない場合は、予め基材13の内外周に沿って光透過層材料をカッター等により切り離す工程を設ければよい。
このようにして基材13の表面に光透過層14を形成し、光記録媒体10を製造する一連の工程が終了する。なお、ここに説明した例では、上記の各工程は順次進行で行われるが、任意の工程間に必要とする他の工程を設けてもよく、いずれにおいても各工程が終了すると駆動源23はそれぞれの工程に位置している搬送板を同時に搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる。
以上の一連の工程は搬送板17〜21を搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる直進方式であるが、各工程を円状に配置して移動させるターレット方式であっても同様である。
なお、上記では1枚の基材13を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数枚の基材を同時進行させて複数枚の基材に光透過層材料をコーティングし、硬化させて光記録媒体を製造するようにしてもよく、この場合は製造タクトがさらに向上するため、量産性に富む。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図5、図6を用いて説明する。この実施の形態2は実施の形態1で説明した光記録媒体10の光透過層14の上に、図5に示すように膜厚が3〜5μmのハードコート層35を形成するものである。
この実施の形態2に示す光記録媒体10も上記実施の形態1と同様に塵埃が厳しく管理されたクリーン室内に設置された製造装置により製造される。そして、特に図3、図4に示す上記実施の形態1と同一部分については同一符号を附してこれを援用し、異なるところを中心に説明する。
図6は、この実施の形態2における製造工程の要部を示す概略斜視図であり、まず工程Aから工程Dは実施の形態1と同じで、異なるところは工程Dで光透過層材料14aが硬化された後、搬送板20は工程Fに搬送され、ここで硬化された光透過層材料14aの上にハードコート層材料35aがコーティングされる。すなわち、工程Fに位置する搬送板36に対応した位置にはハードコート層材料をコーティングするコーティング装置37が配置されており、このコーティング装置37はコーティングヘッド38、ハードコート層材料の供給タンク39、供給ポンプ40を備え、供給ポンプ40により供給タンク39からパイプ41a、41bを通してハードコート層材料をコーティングヘッド38に供給するようになっている。
前記ハードコート層材料35aのコーティングは、コーティングヘッド38を移動機構(図示せず)により基材13の搬送方向とは反対方向に移動させながら膜厚が3〜5μmとなるようにハードコート層材料35aをそのヘッド38の下面にこのヘッドの移動方向と直交する方向に設けられている筋状のスロットから前記基材13の平面範囲を含む光透過層材料14aの上面に吐出させることにより行われる。このハードコート層材料35aは紫外線で硬化する硬度の高いアクリレート系材料を用い、さらに、これにコロイダルシリカや帯電防止剤、潤滑剤等を添加した材料を用いてもよい。一般にハードコート層材料の粘度は50〜500mPa・sで、光透過層材料に比べて粘度が低いものが多く、また、膜厚も光透過層材料に比べて薄いことからコーティングヘッド38でコーティングするにあたり、所望の膜厚を得るために粘度や材料種類に合わせてそのヘッド38のスロットのギャップ幅、ヘッドと基材の反射膜との間の間隔、ヘッドの送り速度、材料の吐出圧等を調整する必要がある。例えば、粘度100mPa・sのハードコート層材料35aを3〜5μmの膜厚でコーティングする場合の主な条件は、スロット幅が30μm、反射膜との間の間隔が50μm、ヘッドの送り速度が80mm/sec、材料の吐出圧が0.1MPaであり、この条件によると2〜3秒の時間でコーティングが行える。
前記ハードコート層材料35aのコーティング終了後、搬送板36は次の工程Gに送られ、ここでハードコート層材料35aの硬化が行われる。この工程Gに送られた搬送板42に対応した位置には高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を持つ紫外線硬化装置43が配置されており、前記硬化装置43と搬送板42との間には基材13の平面形状部分のみ、すなわちドーナツ状に前記搬送板42上に硬化装置43からの紫外線が照射されるように上記実施の形態1のマスクと同様の方法で形成されたパターン44aを有するマスク44が配置されている。
したがって、工程Gに搬送板42が位置された状態で硬化装置43から紫外線を搬送板42方向に照射することにより、マスク44のパターン44a部のみを通してその紫外線がハードコート層材料35aに照射されるため、硬化された光透過層材料14aと同じ形状範囲のハードコート層材料35aのみが硬化される。すなわち、基材13の平面形状範囲のみが硬化される。そして、このハードコート層材料35aはその硬化時に光透過層材料14aに固く付着し、基材13と一体化される。この前記ハードコート層材料35aの硬化に高圧水銀ランプを用い、紫外線の照射量を300〜500mJ/cm2とした時の照射時間は2〜3秒である。
上記のようにして工程Gでハードコート層材料35aが硬化され、その後搬送板42は工程Eに送られる。そして、この工程Eで実施の形態1と同様の動作でもって基材13が移送手段26によって搬送板21から持ち上げられることにより、光透過層材料14aとハードコート層材料35aはともに硬化部分と未硬化部分で切り離されて取り出され、図5に示す光透過層14とハードコート層35からなる2層構造の光記録媒体10が得られる。
なお、上記搬送板21から基材を取り出す時、搬送板21上の未硬化の光透過層材料やハードコート層材料との切り離れが良好に行われない場合は、予め基材の内外周に沿って光透過層材料やハードコート層材料をカッター等により切り離す工程を設ければよい。
このようにして基材13の表面に光透過層14およびハードコート層材料35aを形成し、光記録媒体10を製造する一連の工程が終了する。なお、これらの工程は順次進行で行われ、各工程が終了すると駆動源23はそれぞれの工程に位置している搬送板を同時に搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる。この例においても任意の工程間に必要とする他の工程を設けてもよい。
以上の一連の工程は搬送板17〜21を搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる直進方式であるが、各工程を円状に配置して移動させるターレット方式であっても同様である。
なお、上記では1枚の基材13を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数枚の基材を同時進行させて複数枚の光記録媒体を同時に製造するようにしてもよく、この場合は製造タクトがさらに向上するため、量産性に富むことは実施の形態1の光透過層材料14aとハードコート層材料35aと同様である。
(実施の形態3)
この実施の形態3は、図7に例として示すような2層の記録層を有する光記録媒体10の製造に必要な中間層を基材13上に形成する場合についてのものである。
ここに示す2層の記録層を有する光記録媒体10は、図2に示した実施の形態1の光記録媒体10と同様にピットが形成されている基板11と反射膜12からなる基材13に、ピットが形成されている中間層45と反射膜46を形成し、さらにその上に光透過層47を設けた構成からなっている。前記基板11および反射膜12は上記実施の形態1で説明したものと実質的に同じ材料と厚みからなり、中間層45はその膜厚が25μmの紫外線が照射されると硬化するアクリレートやシロキサン系樹脂等からなる。さらに、中間層45の上には半光透過性の膜厚が10〜50nmの反射膜46が形成され、その上に膜厚が0.075mmの光透過層47が形成されている。なお、反射膜46はアルミニュウム合金や銀合金等の金属からなり、また、光透過層47はアクリレート、シロキサン系樹脂、ポリカーボネイト等からなる。
前記のような構成からなる光記録媒体10において、その中間層45の形成について図8の製造工程を示す図を用いて説明する。この図8において、図1〜図6の各実施の形態と同一構成部分には同一符号が附してあり、その動作は同一であるため、その説明は上記を援用し、ここでは省略する。
図8において、工程Aおよび工程Bは上記各実施の形態と同様で、工程Bにおいて搬送板18に載置された基材13は駆動源23により中間層材料45aをコーティングする工程Hに搬送される。この工程Hに位置する搬送板48に対応した位置には中間層材料45aをコーティングするコーティング装置49が配置されており、このコーティング装置49はコーティングヘッド50、中間層材料の供給タンク51、供給ポンプ52を備え、供給ポンプ52により供給タンク51からパイプ53a、53bを通して中間層材料をコーティングヘッド50に供給するようになっている。
前記工程Hにおける中間層材料45aのコーティングは、ヘッド50を基材13の搬送方向とは反対方向に搬送板48上を移動(移動機構は図示せず)させながら、膜厚が25μmとなるようにその中間層材料45aをヘッド50の下面にこのヘッド50の移動方向と直交する方向に設けられている筋状のスロットから基材13の平面範囲を含む搬送板48上に吐出させることにより行われる。前記中間層材料45aは粘度的には150〜500mPa・sで光透過層材料に比べて低いものが多く、また、膜厚も光透過層材料に比べて1/4と薄い。したがって、この中間層材料も所望の膜厚を得るために粘度や材料種類に合わせてコーティングの最適条件をコーティングヘッド50の設定等で求める必要がある。なお、粘度200mPa・sの中間層材料45aを25μmの膜厚にコーティングする場合の主な条件はコーティングヘッド50のスロットのギャップ幅は80μm、そのヘッド50と基材13間の間隔は80μm、そのヘッド50の送り速度は50mm/sec、中間層材料45aの吐出圧は0.1MPaである。この条件によるとコーティング時間は3〜5秒である。
前記中間層材料45aのコーティング終了後、搬送板48は次の工程Iに移動される。この工程Iは前記コーティングされた中間層材料45a上にピット形成のための工程である。前記工程Iに移動された搬送板54に対応する位置には駆動源27によって動作が制御される移送手段55が配置されており、その移送手段55の吸着保持部55aには基材13上の中間層材料45aにピットを形成するための透明スタンパー56が保持されている。前記透明スタンパー56は例えばポリカーボネイトやアクリル等の樹脂材料からなり、その下表面に形成されたピットは中間層材料45a上に形成するピットとは反対の凹凸のピット形状である。
工程Iに移送された基材13に対して移送手段55により透明スタンパー56を降下させてこれのピット面を基材13上の中間層材料45a上に軽く押圧した状態で載置する。そして、その後移送手段55のみを復帰移動させることにより透明スタンパー56のピットが中間層材料45a上に転写される。このピットの転写は気泡の巻き込みを抑えるために低真空雰囲気下で行うとよい。
前記中間層材料45a上に透明パターン56が載置された工程Iの搬送板54は、次に中間層材料45aを硬化する工程Jに移送される。この工程Jに移送された搬送板57に対応した位置には高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を持つ紫外線硬化装置58が配置されており、前記硬化装置58と搬送板57との間には基材13の平面形状範囲のみ、すなわちドーナツ状に前記搬送板57上に硬化装置58からの紫外線が照射されるように上記実施の形態1のマスクと同様の方法で形成されたパターン59aを有するマスク59が配置されている。
前記工程Jに移送された搬送板57上の基材13に対して硬化装置58から紫外線を照射すると、その紫外線は透明スタンパー56を通して基材13上にコーティングされ、かつピットが形成された中間層材料45aの基材13と対応する平面範囲を硬化する。そして、前記中間層材料45aの硬化と同時にこの中間層材料45aは基材13に固く付着し、その基材13と一体化される。前記紫外線の発生源として水銀ランプを用い、これによる紫外線の照射量を300〜500mJ/cm2とした場合、その照射時間は2〜3秒である。
上記工程Jで中間層材料45aが硬化された搬送板57は、次の透明スタンパー56を取り去る工程Kに移送される。この工程Kに移送された搬送板60に対応した位置には駆動源27によって動作される移送手段61が配置されており、その吸着保持部61aにより搬送板60とともに移送されてきた透明スタンパー56が硬化された中間層材料45aから剥がされる。なお、この場合中間層材料45aは反射膜12の材料である金属との付着力が透明スタンパー56とのそれよりも強固であるため、透明スタンパー56とともに剥がれることはない。
上記のようにして中間層45となる中間層材料45aが形成された基材13は、次に半透過性の反射膜46を形成する工程に搬送するために工程Lに移送される。この工程Lに移送された搬送板62に対応して駆動源27により動作される移送手段63が設けられており、その吸着保持部63aにより硬化され、付着された中間層材料45aを有する基材13が搬送板62から取り出される。この基材13の取り出しは基材13の形状に対応する中間層材料は硬化し、その部分以外は未硬化状態にあるため、移送手段63により基材13を持ち上げることにより中間層材料45aは硬化部分と未硬化部分の境界で容易に切り離される。もちろん予めカッター等により基材13の形状に沿って中間層材料を切断する切断工程を経由してもよい。
上記のように取り出された基材13は、次に半透過性の反射膜46を形成する工程へと運ばれる。
なお、基材13に半透過性の反射膜46を形成する工程への移送は、工程Lを経由することなく工程Kから連続して移送されるようにしてもよく、さらに、光透過層47を形成する工程へも連続して送られるようにしてもよい。この光透過層の形成工程は上記した各実施の形態と同様の工程あるいは他の工程によってもよい。また、この2層の記録層を有する光記録媒体においても光透過層の上に膜厚が2〜3μmのハードコート層を設けてもよい。なお、上記中間層45の形成は、これに情報が記録される領域のみ形成されるようにしてもよく、この場合は工程Jでマスク59と硬化装置58により硬化する中間層材料45aの範囲を前記情報記録領域部分にすればよい。
(実施の形態4)
この実施の形態4は、2層の記録可能な記録層を有する光記録媒体10の製造に必要な中間層を基材上に形成する場合についてのものである。すなわち、上記実施の形態3は2層の各記録層にピット(情報)が形成された光記録媒体10の中間層45を形成する場合であったが、この実施の形態4は例えば書き換え可能な2層の記録層を有する光記録媒体に中間層を形成する例である。
図9はこの実施の形態4における光記録媒体10の概略断面図であり、ポリカーボネイト等からなる基板11の表面に第1の記録可能な記録層70が設けられ、その記録層70の上(表面)に中間層45が設けられ、さらにその中間層45の上に第2の記録可能な記録層71が設けられ、かつその第2の記録可能な記録層71の表面に光透過層47が設けられた構成からなっている。なお、この光透過層47の表面にハードコート層が設けられていても同様である。
前記第1および第2の記録可能な記録層70、71は、それぞれの膜厚が0.18μmと0.1μmであり、それぞれ相変化記録膜、界面層、反射膜、誘電体層等からなっており、レーザー光により記録膜に情報が記録される。
上記の光記録媒体10の製造において、基板11に第1の記録層70が設けられた基材13に、中間層45を形成する装置は上記実施の形態3で説明した図8に示す装置を用いることができるためこれを援用し、その工程の説明も上記各実施の形態の説明と同一部分はこれを援用し、以下異なる部分を中心に説明する。
図8における工程Bにおいて、搬送板18に載置される基材13は基板11に第1の記録可能な記録層70が設けられたものからなり、そして、工程Hに移送され、ここでコーティングヘッド50により、前記基材13の平面範囲を含む搬送板48の上面に中間層材料45aが25μmの膜厚でコーティングされる。前記中間層材料45aがコーティングされた搬送板48は工程Iに移送され、この工程Iで移送手段55により保持された透明スタンパー56によって中間層材料45a上に情報記録のためのグルーブが形成される。このグルーブの形成は透明スタンパー56の中間層材料45aへの押圧面にグルーブ形状とは反対の形状が形成されており、これを中間層材料45a上に押圧して載置し、そして、移送手段55のみを復帰移動させることにより透明スタンパー56が中間層材料45a上に載置された状態で工程Jに移送され、この工程Jにて硬化装置58からマスク59を通して紫外線が基材13と対応する平面範囲に照射されることにより、透明スタンパー56を通過する紫外線によって基材13と対応する中間層材料45aの平面範囲が硬化される。そして、前記中間層材料45aの硬化により、この中間層材料45aに透明スタンパー56によるグルーブが転写により形成され、かつ中間層材料45aは基材13に固く付着し、その基材13と一体化される。
上記工程Jで中間層材料45aが硬化された搬送板57は、次の透明スタンパー56を取り去る工程Kに移送されて透明スタンパー56が中間層材料45aから剥がされ、そして、次の工程Lにて中間層45が形成された基材13が取り出されることは上記の実施の形態と同様である。
前記のようにして中間層45が形成された基材13は次に第2の記録可能な記録層71の形成工程へと搬送されることになるが、この記録層71の形成工程へは工程Lを経由することなく移送されるようにしてもよい。また、第2の記録可能な記録層71が形成された後の光透過層47の形成は上記実施の形態1と同様の工程により形成してもよく、この場合の基材は基板に第1の記録層、中間層、第2の記録層が形成されたものとなる。また、さらにハードコート層を形成する場合は実施の形態2と同様の工程により形成してもよく、この場合の基材も基板に第1の記録層、中間層、第2の記録層が形成されたものとなる。もちろんこれらの形成は他の工程によってもよい。
このように、記録可能な記録層を有する光記録媒体であっても中間層を形成することができるものであり、そして、この記録層は追記型であっても書き換え型であってもよいものである。
ここで、上記の各実施の形態において、光透過層材料のコーティング、ハードコート層材料のコーティング、また中間層材料のコーティングは各コーティングヘッドを移動させることにより行うようにしたが、これはコーティングヘッドを所要の最適位置に停止させておき、搬送板により基材が移送される動作によってコーティングされるようにしてもよく、すなわち、基材とコーティングヘッドの相対移動によって材料がコーティングされるようにすればよい。
以上の説明による各実施の形態における光記録媒体の形状は円盤状に限られるものではなく、形状が角型等の板でも同様であり、また中央に穴があっても、穴がないものであってもよい。
本発明は、基材に0.1mmという薄い光透過層や、さらに薄膜の中間層等を均一な膜厚で、かつ再現性よく安定に歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができるもので、高密度、大容量の光記録媒体の製造に有効である。
光記録媒体に記録された信号を再生する一例を示す光学概略図 本発明の実施の形態1に係る光記録媒体の概略断面図 本発明の実施の形態1に係る製造装置の概略構成図 本発明の実施の形態1に係る製造工程の要部を示す概略斜視図 本発明の実施の形態2に係る光記録媒体の要部概略断面図 本発明の実施の形態2に係る製造工程の要部を示す概略斜視図 本発明の実施の形態3に係る光記録媒体の要部概略断面図 本発明の実施の形態3に係る製造工程の要部を示す概略斜視図 本発明の実施の形態4に係る光記録媒体の要部概略断面図
符号の説明
10 光記録媒体
11 基板
12 反射膜
13 基材
14 光透過層
14a 光透過層材料
17、18、19、20、21、36、42、54、57、60、62 搬送板
17a、21a 凹部
22a、22b 搬送ガイド
23、27 駆動源
24、25、26、55、61、63 移送手段
28、37、49 コーティング装置
29、38、50 コーティングヘッド
33、43、58 硬化装置
34、44、59 マスク
35 ハードコート層
35a ハードコート層材料
45 中間層
45a 中間層材料
46 反射膜
56 透明スタンパー
70、71 記録層

Claims (8)

  1. 光記録媒体の基材に光透過層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板に載置された基材とコーティングヘッドとの相対移動により該コーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する第2の工程と、前記表面に硬化された光透過層を有する基材を搬送板から取り出す第3の工程を有し、前記搬送板を搬送させて第1の工程、第2の工程および第3の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 光記録媒体の基材に光透過層とハードコート層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板に載置された基材とコーティングヘッドとの相対移動により該コーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する第2の工程と、前記硬化された光透過層材料の表面にコーティングヘッドによってハードコート層材料をコーティングする第3の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記ハードコート層材料を硬化する第4の工程と、前記硬化された光透過層とハードコート層を有する基材を搬送板から取り出す第5の工程を有し、前記搬送板を搬送させて第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程、第5の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  3. 光記録媒体の基材にピットまたはグルーブが形成された中間層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板に載置された基材とコーティングヘッドとの相対移動により該コーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に中間層材料をコーティングする第1の工程と、前記第1の工程によりコーティングされた中間層材料の面にピットまたはグルーブを形成するための透明スタンパーを載置する第2の工程と、基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記透明スタンパーが中間層材料の上に載置された状態でその中間層材料を硬化し、その中間層材料に透明スタンパーによってピットまたはグルーブを形成する第3の工程と、前記硬化された中間層材料から前記透明スタンパーを離脱させる第4の工程を有し、前記搬送板を搬送させて第1の工程、第2の工程、第3の工程および第4の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1に記載の光透過層材料の硬化、請求項2に記載の光透過層材料およびハードコート層材料の硬化、請求項3に記載の中間層材料の硬化はそれぞれ紫外線により行うことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 光記録媒体の基材に光透過層を形成する光記録媒体の製造装置であって、前記基材を載置する搬送板と、その搬送板に設けられた基材の位置決め部と、前記搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板に前記位置決め部により位置決めされた状態で載置された基材の表面にコーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングするコーティング装置と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する硬化装置と、前記硬化された光透過層を有する基材を搬送板から取り出す移送手段を有し、前記駆動源により搬送板を搬送させてコーティング装置により光透過層材料のコーティング、硬化装置により光透過層材料の硬化、移送手段により搬送板から基材を取り出すように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  6. 光記録媒体の基材に光透過層とハードコート層を形成する光記録媒体の製造装置であって、前記基材を載置する搬送板と、その搬送板に設けられた基材の位置決め部と、前記搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板に前記位置決め部により位置決めされた状態で載置された基材の表面にコーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に光透過層材料をコーティングする第1のコーティング装置と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記基材の表面にコーティングされた光透過層材料を硬化する第1の硬化装置と、前記硬化された光透過層材料の表面にコーティングヘッドによってハードコート層材料をコーティングする第2のコーティング装置と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記ハードコート層材料を硬化する第2の硬化装置と、前記硬化された光透過層とハードコート層を有する基材を搬送板から取り出す移送手段を有し、前記駆動源により搬送板を搬送させて第1のコーティング装置によって光透過層材料をコーティングし、第1の硬化装置により前記光透過層材料を硬化し、第2のコーティング装置によってハードコート層材料をコーティングし、第2の硬化装置により前記ハードコート層材料を硬化し、移送手段により前記硬化された光透過層とハードコート層を有する基材を取り出すように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  7. 光記録媒体の基材にピットまたはグルーブが形成された中間層を形成する光記録媒体の製造装置であって、前記基材を載置する搬送板と、その搬送板に設けられた基材の位置決め部と、前記搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板に前記位置決め部により位置決めされた状態で載置された基材の表面にコーティングヘッドによってその基材を含む搬送板上に中間層材料をコーティングするコーティング装置と、コーティングされた中間層材料の面にピットまたはグルーブを形成するための透明スタンパーを載置し、かつ離脱する移送手段と、基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記移送手段により透明スタンパーが中間層材料の上に載置された状態でその中間層材料を硬化する硬化装置を有し、前記駆動源により搬送板を搬送させてコーティング装置により中間層材料のコーティング、前記移送手段により透明スタンパーの中間層材料上への載置、硬化装置により中間層材料の硬化、移送手段により透明スタンパーの離脱を行うように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  8. 請求項5、請求項6、請求項7にそれぞれ記載の硬化装置は紫外線照射の硬化装置であることを特徴とする光記録媒体の製造装置。
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