JP2006066047A - 光記録媒体及びその製造方法、製造装置 - Google Patents

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Toshiaki Kunieda
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Abstract

【課題】光記録媒体を構成する基材上に薄膜の光透過層を形成する場合、例えば光透過層のシートを形成し、これをドーナツ状に丸く打ち抜いて基材に接着剤で貼り付けるようにしているが、この方法では、シートを作製する装置がコーティングや乾燥の工程を含むために大掛かりなものとなり、また、シート材に傷が付きやすいという課題があった。
【解決手段】搬送板上にコーティングヘッドにより光透過層材料等の樹脂層材料をコーティングし、このコーティングされた未硬化の樹脂層材料上に光記録媒体の基材を載置した状態でその樹脂層材料を硬化すると同時に基材の表面に硬化された光透過層等の薄膜の樹脂層を付着形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、特に薄膜化された光透過層等の樹脂層を有する光記録媒体及びその製造方法、製造装置に関するものである。
音楽や映像等の各種データを蓄積する光記録媒体は、再生専用型、追記型、書き換え型等があり、そのサイズは円盤状のもので直径が120mmと80mm、またカードタイプ等があり、この多様性を活かして民生用のみならず業務用等に広く普及している。また、記録容量も650MBのコンパクトディスク(CD)から4.7GBの多用途ディスク(DVD)へと高密度化、大容量化が進み、さらに最近では青色レーザーを光源とする次世代の光記録媒体が現れ、その用途がさらに拡大しようとしている。
この次世代の光記録媒体においては、25GBという高密度、大容量を実現するために記録及び再生のためのレーザーが入射する面に0.1mmという薄い樹脂層からなる光透過層を設けているのが特徴である。従来のCDではレーザーが入射する面の光透過層は1.2mmもあり、またDVDの光透過層は0.6mmと厚く、そして、これらの光透過層は光記録媒体の基板を兼ねるポリカーボネイト等の樹脂材料を射出成形して形成していた。しかし、次世代の光記録媒体では光透過層は0.1mmという薄さであり、したがって前記CDやDVDと同様の方法では光記録媒体として十分な機械的強度が確保できない。
このために、上記次世代の光記録媒体の光透過層の形成は、例えば特許文献1に、キャスティング法により光透過層のシートを形成し、これをドーナツ状に丸く打ち抜いて基材に接着剤で貼り付けるようにしたものが開示されている。しかしながら、この方法では、シートを作製する装置がコーティングや乾燥の工程を含むために大掛かりなものとなり、また、シート材のコーティング時には厳密な塵埃の管理が求められ、さらに、その後のシートの搬送にはキズが発生しないように細心の注意を払う必要があり、しかし現実には、上記塵埃やキズの原因によるシートの欠陥をなかなか減らすことは難しいため、シートとしての製品歩留まりがあがらないという課題がある。また、丸く打ち抜くときにも発塵があり、これの付着も欠陥を増加させている。さらに打ち抜いたシートを基材に接着させるための接着剤や接着工程も必要であるため、光記録媒体の製造工程が複雑となっている。
また、特許文献2及び3には、スピンコート法により直接、基材上に光透過層を形成する装置及び方法が提案されている。これは基材の中心穴を覆うためのキャップを載置し、基材を回転させながらそのキャップの中心部に光透過層を形成する樹脂材料を流し込み、遠心力でこの樹脂材料を基材の外周方向へ広げていく方法である。しかしこのようにスピンコート法により0.1mmの薄い光透過層を形成するためには、1500から3000mPa・sの粘度の高い樹脂材料を用いなければならず、そのために樹脂材料が基材の外周まで均一に広がっていくのに時間がかかり、生産タクトが従来のCDやDVDよりも長くなって、生産効率が悪いという課題がある。
さらに、上記のスピンコート法により基材の表面に厚さが薄い例えば0.1mmの樹脂材料を塗布すると、基材の外周部に樹脂材料の表面張力によると思われる樹脂材料の盛り上がりが発生し、基材の全面に亘って均一な樹脂層の形成が困難であるという課題がある。
特開2002−74749号公報 特開平10−249264号公報 特開平11−102544号公報
本発明は、特にレーザー光として青色レーザーを用いる高密度、大容量光記録媒体の基材に例えば0.1mmという薄い樹脂層を歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができる製造方法、製造装置及び光記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明は、光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記コーティングされた樹脂層材料の面に上記基材を載置する第2の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分の樹脂層材料を硬化する第3の工程と、前記硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第4の工程を有し、前記第1の工程、第2の工程、第3の工程及び第4の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の前記コーティングされた樹脂層材料を硬化する第2の工程と、前記樹脂層材料の硬化された部分を搬送板上から取り出す第3の工程と、前記搬送板上の未硬化の樹脂層材料の上にその樹脂層材料の形状に合わせて上記基材を載置する第4の工程と、前記基材が載置された未硬化の樹脂層材料を硬化する第5の工程と、前記硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第6の工程を有し、前記第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程、第5の工程及び第6の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、前記第2の工程で硬化される樹脂層材料は、基材の平面形状に対して内周径を大きく、かつ外周径を小さく設定し、これにより基材の内周径よりも大きく、かつ外周径よりも小さい搬送板上の未硬化の樹脂層材料上に基材を載置することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
さらに、本発明は、光記録媒体の基材に第1の樹脂層とその第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって第1の樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記コーティングされた第1の樹脂層材料の上に上記基材を載置する第2の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分の第1の樹脂層材料を硬化する第3の工程と、前記硬化により第1の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第4の工程と、搬送板にコーティングヘッドによって第2の樹脂層材料をコーティングする第5の工程と、前記コーティングされた第2の樹脂層材料の上に前記第1の樹脂層が位置するように基材を載置する第6の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分の第2の樹脂層材料を硬化する第7の工程と、前記硬化により第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第8の工程とを有し、前記第1の工程から第8の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に第1の樹脂層とその第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって第1の樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の第1の樹脂層材料を硬化する第2の工程と、前記第1の樹脂層材料の硬化された部分を搬送板上から取り出す第3の工程と、前記搬送板上の未硬化の第1の樹脂層材料の上にその第1の樹脂層材料の形状に合わせて上記基材を載置する第4の工程と、前記基材が載置された未硬化の第1の樹脂層材料を硬化する第5の工程と、前記硬化により第1の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第6の工程と、搬送板にコーティングヘッドによって第2の樹脂層材料をコーティングする第7の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の第2の樹脂層材料を硬化する第8の工程と、前記第2の樹脂層材料の基材の平面形状と対応する部分以外の硬化された部分を搬送板上から取り出す第9の工程と、前記搬送板上の未硬化の第2の樹脂層材料の上にその第2の樹脂層材料の形状に合わせて上記第1の樹脂層が位置するように基材を載置する第10の工程と、前記基材が載置された未硬化の第2の樹脂層材料を硬化する第11の工程と、前記硬化により第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第12の工程とを有し、前記第1の工程から第12の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、前記第2の工程で硬化される第1の樹脂層材料及び前記第8の工程で硬化される第2の樹脂層材料は、基材の平面形状に対して内周径を大きく、かつ外周径を小さく設定し、これにより基材の内周径よりも大きく、かつ外周径よりも小さい未硬化の第1の樹脂層材料上に基材を載置し、第1の樹脂層が付着形成された基材を未硬化の第2の樹脂層材料上に載置することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、各コーティングヘッドにより搬送板に樹脂層材料を基材の平面外径寸法よりも大きい寸法範囲にコーティングし、かつ基材を前記コーティングされた樹脂層材料の周囲を残して載置することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造装置であって、搬送板と、その搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングするコーティング装置と、前記コーティングされた樹脂層材料の面に前記基材を載置する第1の移送手段と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記樹脂層材料の面に載置された基材の平面形状と対応する部分の樹脂層材料を硬化する硬化装置と、前記硬化装置による硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第2の移送手段を有することを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造装置であって、搬送板と、その搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングするコーティング装置と、前記搬送板にコーティングされた樹脂層材料を前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の樹脂層材料を硬化する第1の硬化装置と、前記第1の硬化装置により前記樹脂層材料の硬化された部分を搬送板上から取り出す第1の移送手段と、前記搬送板上の未硬化の樹脂層材料の上にその樹脂層材料の形状に合わせて上記基材を載置する第2の移送手段と、前記基材が載置された未硬化の樹脂層材料を硬化する第2の硬化装置と、前記第2の硬化装置による硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第3の移送手段を有することを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
そして、本発明は、第1の硬化装置とマスクは、樹脂層材料を基材の平面形状よりも内周径を大きく、かつ外周径を小さく硬化するように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
また、本発明は、光記録媒体の基材に第1の樹脂層とその第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する光記録媒体の製造装置であって、第1の搬送板と、その第1の搬送板を搬送する第1の駆動源と、前記第1の搬送板にコーティングヘッドによって第1の樹脂層材料をコーティングする第1のコーティング装置と、前記第1の搬送板にコーティングされた第1の樹脂層材料をマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の第1の樹脂層材料を硬化する第1の硬化装置と、前記第1の硬化装置により前記第1の樹脂層材料の硬化された部分を第1の搬送板上から取り出す第1の移送手段と、前記第1の搬送板上の未硬化の第1の樹脂層材料の上に上記基材を載置する第2の移送手段と、前記基材が載置された未硬化の第1の樹脂層材料を硬化する第2の硬化装置と、前記第2の硬化装置による硬化により第1の樹脂層が付着形成された基材を第1の搬送板から取り出す第3の移送手段と、第2の搬送板と、その第2の搬送板を搬送する第2の駆動源と、前記第2の搬送板にコーティングヘッドによって第2の樹脂層材料をコーティングする第2のコーティング装置と、前記第2の搬送板にコーティングされた第2の樹脂層材料をマスクを通して前記基材の平面形状と対応する部分以外の第2の樹脂層材料を硬化する第3の硬化装置と、前記第3の硬化装置により前記第2の樹脂層材料の硬化された部分を第2の搬送板上から取り出す第4の移送手段と、前記第2の搬送板上の未硬化の第2の樹脂層材料の上に上記第3の移送手段によって取り出された基材を載置する第5の移送手段と、前記基材が載置された未硬化の第2の樹脂層材料を硬化する第4の硬化装置と、前記第4の硬化装置による硬化により前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が付着形成された基材を第2の搬送板から取り出す第6の移送手段とを有することを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
また、本発明は、第1の硬化装置とマスク及び第3の硬化装置とマスクは、第1の樹脂層材料及び第2の樹脂層材料を基材の平面形状よりも内周径を大きく、かつ外周径を小さく硬化するように構成したことを特徴とする光記録媒体の製造装置である。
また、本発明は、予め板の上にコーティングされた未硬化の樹脂層材料に光記録媒体の基材を接合し、前記樹脂層材料の硬化と同時に前記基材に樹脂層を付着形成させたことを特徴とする光記録媒体である。
さらに、本発明は、中心部に孔を有する基材の面に、内周径が基材の内周径よりも大きく、外周径が基材の外周径よりも小さい少なくとも1つの樹脂層を有することを特徴とする光記録媒体である。
上記本発明によれば、青色レーザー対応の大容量光記録媒体に要求される例えば0.1mm厚の樹脂層からなる光透過層やそれ以下の膜厚の樹脂層の形成において、均一な膜厚で、かつ再現性よく安定した樹脂層を形成することができるものであり、したがって、歩留まりが向上し、かつ生産のタクトが短縮されてコストの大幅な低減が可能となる。
まず、図1は本発明の実施の形態における製造方法、製造装置により製造された光記録媒体に記録されたデータ信号を再生する光学概略図であり、例えば青色レーザー光を発生する半導体レーザーモジュール1から出射された光束は光束分離手段2を通過し、コリメートレンズ3によってほぼ平行光にされて集光レンズ4に入射する。前記集光レンズ4により集光されたレーザー光は光記録媒体5の情報記録面に形成された反射率の異なるピットで反射され、この反射光は集光レンズ4、コリメートレンズ3を通過して光束分離手段2により反射され、検出レンズ6により受光素子7に集光される。前記受光素子7は前記光記録媒体5の情報記録面によって変調された光量変化を電気信号に変換し、これによって光記録媒体5に記録されているデータを読み取る。
上記のようにして光情報の再生が行われる光記録媒体の製造方法、製造装置について、まず説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1によって製造された光記録媒体の概略断面図であり、この光記録媒体10は単層の再生専用型である。この光記録媒体10は中心部に孔10aを有する円盤状からなり、基板11と反射膜12からなる基材13とその反射膜12を含んで付着形成された樹脂層からなる光透過層14から構成されている。基板11は樹脂材料からなり、具体的には、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレフィン等からなる。もちろんガラス基板であってもよい。なお、前記基板11と反射膜12からなる基材13は直径が120mm、厚みがほぼ1.1mmのドーナツ状である。
前記基板11はその厚さは1.1mmであり、主に射出成形によって作られ、その一方の表面(図示では下面)にはデジタル信号を変換したピットが形成され、情報記録領域面となっている。反射膜12はアルミニュウム合金や銀合金等の金属からなり、前記一方の表面にスパッタ法等により前記情報記録領域のピットの形状に倣って10〜50nmの厚みに形成されている。光透過層14の膜厚は0.1mmで、その樹脂材料はアクリレート、シロキサン系樹脂、ポリカーボネイト等からなる。前記基板11に形成されている情報記録領域と、この表面に形成されている反射膜12は後述の各実施の形態における基材13と同様にともに基板11の内外周よりも内側に形成されている。なお、前記ピットによるデジタル信号情報を読み取るレーザー光束は光透過層14から入射される。
次に、上記光記録媒体10の製造装置及び製造方法について説明する。
図3は製造装置の概略構成図であり、図4はその製造工程の要部を示す概略斜視図である。
製造装置15は塵埃が厳しく管理されたクリーン室16内に設置され、そのクリーン室16内には基材13の外形寸法よりも大きい外形寸法の複数個の搬送板17、18、19、20、21の移動をガイドする一対の搬送ガイド22a、22bが設けられており、これらの搬送板17、18、19、20、21はモータ等の駆動源23により通常は右方向に移動可能になっている。前記搬送板17、18、19、20、21はそれぞれ150*150mmの方形状で厚みが5mmの紫外線を透過する例えばガラス板等からなる。この搬送板17〜21の要件としては、表面性がよいこと、すなわち表面粗さが小さく、欠陥が少なくて平面であること、また、紫外線をほぼ透過する材料であることが必要となる。これらのことから表面研磨された液晶表示パネル用のガラスが適している。また、搬送板の表面にはコーティングした材料が剥離しやすいように紫外線の透過を妨げない範囲内でフッ素樹脂による被覆や硬質表面処理等の加工を施してもよい。
前記搬送ガイド22a、22b上に搬送板17、18、19、20、21が載置された状態において、搬送板17、19、21の各工程位置に対応して先端部に吸着保持部24a、25a、26aを有する移送ロボット腕等の移送手段24、25、26が配置されており、これらの移送手段24、25、26は駆動源27により駆動制御されるようになっている。また、搬送板18に対応した位置には前記基材13に樹脂層からなる光透過層を形成するために光透過層材料をコーティングするコーティング装置28が配置されており、このコーティング装置28はコーティングヘッド29、光透過層材料の供給タンク30、供給ポンプ31を備え、供給ポンプ31により供給タンク30からパイプ32a、32bを通して光透過層材料をコーティングヘッド29に供給するようになっている。
また、搬送板20と対応してその搬送板20の下方には前記光透過層材料の硬化装置33が配置されており、これは高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を持つ紫外線硬化装置である。そして前記硬化装置33と搬送板20との間には基材13の平面形状部分のみ、すなわちドーナツ状に前記搬送板20に硬化装置33からの紫外線が照射されるようにパターン34aが形成されたマスク34が配置されている。前記マスク34の構造としては紫外線を透過する材料からなる基板、例えばガラス基板の上にスパッタにより基材13の平面形状部分以外の部分に紫外線を反射する薄膜、例えばアルミニュウムやコールドミラー等の多層材料や、さらにはこの多層材料の上に保護膜、例えばSiO2やMgF2等を形成したものである。
次に、基材13に光透過層14を形成する工程について説明する。
まず、移送手段24の吸着保持部24aに搬送板17を保持してこれを搬送ガイド22a、22b上に載置する(工程A)。そして、前記搬送板17を、駆動源23により搬送板18の位置に移動させ、ここで供給ポンプ31により供給タンク30内の光透過層材料をコーティングヘッド29に供給し、かつこのコーティングヘッド29を前記搬送板の搬送方向とは反対方向に移動機構(図示せず)により移動させ、このヘッド29の下面にその移動方向と直交する方向に設けられている筋状のスロットから前記搬送板18の上面に膜厚0.1mmの光透過層材料14aを基材13の平面外形寸法よりも大きい寸法範囲、例えば基材13の直径120mmに対して1辺が130〜140mmの方形状にコーティングする(工程B)。
次に、上記光透過層材料14aがコーティングされた搬送板18を駆動源23により、次の工程Cに搬送する。この工程Cは基材13を前記コーティングされた光透過層材料14a上に載置し、接合する工程である。すなわち、移送手段25の吸着保持部25aに保持された基材13を上方から未硬化の光透過層材料14a上に反射膜12が接合されるようにして載置する。この時、コーティングされた光透過層材料14aの周囲を残した中央部分の均一な膜厚部分の光透過層材料に対して基材13を接合する。そして、この接合時に基材13と光透過層材料14aとの間に空気をかまないように注意を払う必要があり、そのためには真空ポンプにより接触面近傍を低真空雰囲気下にした状態で基材13を接合するようにすれば有効である。
前記のようにして基材13が載置された搬送板19は、光透過層材料14aの硬化のための工程Dに駆動源23により移送される。この工程Dでは搬送板20の下方に位置する硬化装置33から発生する紫外線が搬送板20に向けて照射され、その紫外線はマスク34のドーナツ状のパターン、すなわち基材13の形状と実質的に同じ形状のパターン34aを通して前記コーティングされた光透過層材料14aを基材13の平面形状と対応する部分のみを硬化する。この光透過層材料14aの硬化と同時にその光透過層材料14aは基材13の反射膜12を含む表面に強固に付着する。
前記硬化装置33は高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を有しており、高圧水銀ランプにより上記光透過層材料を硬化する場合は、放射線の照射量は500〜800mJ/cm2で、その照射時間は3〜6秒である。
なお、搬送板の下表面に前記マスク34のパターン34aを形成することにより図示のような独立したマスク34を省略することができ、装置がシンプルになる。また、上記は基材13が紫外線を透過しない場合に適する例であるが、基材13が紫外線を透過する材料からなる場合は、マスク34や硬化装置33を搬送板20の上方に配置し、基材13を通して光透過層材料14aを紫外線により硬化することができる。そして、このように紫外線を基材13を通して光透過層材料14aに照射してこれを硬化させる場合は、搬送板は紫外線を透過しない材料からなるものであってもよい。なお、上記光透過層材料が電子線によって硬化する材料であればこの電子線を利用した硬化装置であってもよい。
前記光透過層材料14aの硬化が行われた搬送板20は駆動源23により次の工程Eに搬送される。この工程Eは硬化により光透過層材料14aが固着された基材13を取り出す工程であり、移送手段26の吸着保持部26aによって光透過層材料14aが硬化された基材13を搬送板21から持ち上げることにより光透過層材料14aの硬化部分と未硬化部分の境界でこの光透過層材料14aは切り離され、基材13は搬送板21から取り出されて次の製品完成工程(図示せず)に移送される。なお、基材13が取り出された搬送板21は工程Eの位置から移送された後、それに付着している未硬化の光透過層材料14aは掻きとられる等により除去され、搬送板21は再使用されるとともに、除去された光透過層材料もフィルターで濾過して再利用される。
なお、上記搬送板21から基材13を取り出す時、搬送板21上の未硬化の光透過層材料との切り離れが良好に行われない場合は、予め基材13の内外周に沿って光透過層材料をカッター等により切り離す工程を設ければよい。
このようにして基材13の反射膜12を含む表面に光透過層14を形成し、光記録媒体10を製造する一連の工程が終了する。なお、これらの工程は順次同時進行で行われ、各1つ1つの工程が終了すると駆動源23はそれぞれの工程に位置している搬送板17〜21を同時に搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる。
以上の一連の工程は搬送板17〜21を搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる直進方式であるが、各工程を円状に配置して移動させるターレット方式であっても同様である。
ここで、光透過層材料14aのコーティング方法としては、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式等があるが、上記コーティングヘッド29によるダイ方式は高精度な膜厚管理ができること、高速度でコーティングが行えること、また、装置がシンプルで小型であること、メンテナンスが容易であること等から0.1mmという薄膜のコーティングに適している。したがって、生産タクトが短くできるばかりでなく、欠陥が少なく、歩留まりが改善できるという特徴を有している。
前記光透過層材料14aは予め真空槽に入れられて脱気されており、その後、供給タンク30に注入される。そして供給タンク30に蓄えられた光透過層材料14aが供給ポンプ31により広幅のコーティングヘッド29に送られ、このヘッド29を前記搬送板の搬送方向とは反対方向に移動機構により移動させながらスロット(図示せず)から光透過層材料14aを吐出させて搬送板18上にコーティングしていく。前記のコーティングが終了した後、コーティングヘッド29は元の位置に戻らせる必要はなく、次の搬送板18上への光透過層材料14aのコーティング時に前回と逆の方向に移動機構によりコーティングヘッド29を移動させてコーティングを行うことができる。前記コーティングの幅方向の膜厚の均一性を確保するためにコーティングヘッド29の先端形状やスロット幅は高精度に加工されており、また、光透過層材料14aが均一に吐出されるように、そのコーティングヘッド29に光透過層材料を供給する注入口の位置や数、液溜りの役目を果たすマニフォールドの形状や位置等も最適化されている。
前記光透過層材料14aとしては紫外線や電子線で硬化する材料が用いられるが、特に紫外線で硬化するアクリレート等の樹脂材料は、硬化のための装置が小型で簡便であるためによく用いられる。具体的にはエポキシアクリレートやウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のオリゴマーに希釈や高機能化のためのモノマーや重合を迅速にするための光重合開始剤を含んだ混合物から構成されている。0.1mmの光透過層14の膜厚を得るために、粘度や表面張力等の材料物性に合わせてコーティングヘッド29のスロット幅、搬送板18との間隔、ヘッドの送り速度、材料の吐出圧等を調整し、最適化する必要がある。光透過層材料の粘度が1500mPa・sの場合のコーティングヘッド29の代表的な値はスロット幅が200μm、搬送板18との間隔が120μm、ヘッドの送り速度が30mm/sec、材料の吐出圧が0.3MPaである。さらに、検討を重ねた結果、このコーティング方法によると光透過層材料が300から5000mPa・sという広範囲の粘度においても搬送板上に0.1mm厚のコーティングが可能であることがわかった。
なお、移動機構によるコーティングヘッド29の送り速度は、速ければ速いほどタクトが短くなり、生産性は向上するが、空気の噛み込みや塗布スジ等が発生し、均一性が損なわれるために送り速度には上限があり、均一性が損なわれない速度範囲内でヘッド送りがなされる必要がある。また、光透過層材料の粘度や表面張力等の材料物性にも依存するがコーティングヘッド29の送り速度は20〜60mm/sec、すなわち、タクトとしては3〜8秒で搬送板上に0.1mm厚の光透過層材料14aのコーティングが可能であることを確認した。
また、工程Dにおいて、硬化装置33からの紫外線によってマスク34の温度が上昇するが、この温度の上昇を抑制するためにマスク34に金属箔を貼り付けてもよい。また、硬化装置33に備えられる高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の種類によって発光スペクトラムが微妙に異なるために、その紫外線透過率を考慮してマスク34の基板材料を選定する必要がある。さらに、上記工程Dにおいて、マスク34と基材13の位置が僅かにずれる等により紫外線の照射範囲が基材13の平面形状とずれて基材13の内外周のエッジ部分の光透過層材料14aに硬化不十分な部分が発生する場合は、別の硬化装置を設ける等により再度硬化させてもよい。
このように、基材に0.1mmという薄い樹脂層からなる光透過層を再現性よく安定に歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができるものである。しかも、搬送板への光透過層材料のコーティングは基材の平面外形寸法よりも大きい寸法範囲にコーティングし、そして、そのコーティングされた光透過層材料の周囲を残した中央部分の均一な膜厚部分の光透過層材料に対して基材を接合し、その光透過層材料を硬化することにより、膜厚の均一な光透過層が得られるものである。なお、コーティングされた光透過層材料の周囲を残さないような寸法に設定して、すなわち、搬送板の大きさを例えば基材の外形寸法と同じ120mm*120mmにして基材を接合すると、搬送板の外縁部に光透過層材料のコーティング溜りが生じる可能性があり、したがって、コーティング溜り部分も基材に付着することは膜厚の均一な光透過層が得られないことになる。
なお、上記では1枚の搬送板を順次搬送させて1枚の基材に光透過層を形成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、複数枚の搬送板を同時進行させて複数枚の光記録媒体を同時に製造するようにしてもよく、また、1枚の長方形状の搬送板上に複数枚の基材を載置できるようにして順次光記録媒体を製造するようにしてもよく、この場合は製造タクトがさらに向上するため、量産性に富む。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について図5を用いて説明する。この実施の形態2において、工程A、工程Bは上記実施の形態1と同一であり、かつこの工程A,工程Bに関連して説明した各事項も同様であるため、これらを援用し、図1〜図4と同一の符号を附して、その説明は省略する。
この実施の形態2は、工程Bで基材13の平面外形寸法よりも大きい寸法範囲に光透過層材料14aがコーティングされた紫外線を通す例えばガラス基板等からなる搬送板18は光透過層材料14aの第1の硬化工程である工程Fに搬送される。この工程Fに搬送された搬送板35には、その下方に配置された硬化装置36から発生する紫外線が照射される。前記硬化装置36と搬送板35との間にはその紫外線を基材13の平面形状とほぼ対応する範囲は遮り、基材13の平面形状とほぼ対応する部分以外の部分は紫外線を通すパターン37aが形成されたマスク37が配置されている。したがって、搬送板35の上面にコーティングされた光透過層材料14aは硬化装置36からの紫外線により基材13の平面形状にほぼ対応する範囲は未硬化のままであり、その平面形状とほぼ対応する部分以外の部分のみ、すなわちドーナツ形状以外の部分のみが硬化される。そして、基材13の平面形状にほぼ対応する未硬化部分の外径は前記コーティングされた光透過層材料14aの外径より小さく設定されており、これにより光透過層材料14aの周囲を残した中央部分の均一な膜厚部分が未硬化状態となっている。なお、図5において、硬化された光透過層材料は14bで示している。
前記マスク37の構造としては紫外線を透過する材料からなる基板、例えばガラス基板の上にスパッタにより基材13の平面形状に対応する部分に紫外線を反射する薄膜、例えばアルミニュウムやコールドミラー等の多層材料や、さらにはこの多層材料の上に保護膜、例えばSiO2やMgF2等を形成したものである。
前記光透過層材料14aの硬化部分と未硬化部分についてさらに詳細に説明すると、マスク37のパターン37aによる光透過層材料14aの未硬化部分の外径は基材13の外径よりもその基材13の中心からの半径値において例えば0.5〜1.0mm小さく設定され、未硬化部分の内径は基材13の内径よりも同様に基材13の中心からの半径値において1.0mm以上大きく、かつ反射膜12の内径よりも1.0mm以上小さく設定されている。これにより、光透過層材料14aの未硬化部分の外径は基材13の外径よりも小さく、内径は基材13の内径よりも大きくなっている。なお、前記光透過層材料14aの硬化は、高圧水銀ランプを備えた紫外線硬化装置36の場合、紫外線照射量は500〜800mJ/cm2、照射時間は3〜6秒である。もちろん、紫外線発生源はメタルハライドランプ、キセノンランプ等であってもよい。また、硬化装置36に備えられる高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の種類によって発光スペクトラムが微妙に異なるために、その紫外線透過率を考慮してマスク37の基板材料を選定する必要がある。なお、光透過層材料14aの硬化に電子線を使う場合は、マスクで電子線を遮断する領域以外にはこれを遮断するような物質があってはならないことは言うまでもない。
なお、上記実施の形態1と同様に、搬送板の下表面に前記マスク37のパターン37aを形成することにより図示のような独立したマスク37を省略することができ、装置がシンプルになる。また、基材13が紫外線を透過する材料からなる場合は、マスク37や硬化装置36を搬送板35の上方に配置して光透過層材料を硬化することもできる。そして、この場合、搬送板は紫外線を透過しない材料からなるものであってもよいものである。
次に、前記搬送板35は駆動源23の動力により工程Gに搬送される。この工程Gに搬送された搬送板38と対応する位置には駆動源27により制御される移送手段39が配置されており、この移送手段39の吸着保持部39aにより前記搬送板38上の硬化された光透過層材料14bのみがその搬送板38上から剥がされて取り去られる。これは吸着保持部39aによって光透過層材料14b部分を搬送板38から持ち上げることによりその光透過層材料の硬化部分14bと未硬化部分14aの境界でその硬化された光透過層材料14bは切り離されることによって行われる。なお、上記硬化された光透過層材料14bの切り離れが良好に行われない場合は、予めそれぞれの硬化部分と未硬化部分の境界で光透過層材料をカッター等により切り離す工程を設ければよい。
上記のようにして硬化された光透過層材料14bが剥がされ、未硬化の光透過層材料14aのみを有する搬送板38は駆動源23により工程Hに搬送される。この工程Hと次の工程Iは基材13に光透過層を形成する工程である。まず、工程Hに搬送された搬送板40に対応する位置には駆動源27により動作制御される移送手段41が配置され、その移送手段41の吸着保持部41aに保持された基材13が搬送板40上のドーナツ状の未硬化の光透過層材料14aの形状に合わせて、すなわち中心が一致するようにしてその上に載置されて接合され、ここに押圧される。この時、基材13の反射膜12は光透過層材料14aによって覆われる。前記基材13の光透過層材料14a上への載置は、上記実施の形態1と同様に気泡の巻き込みを抑えるために低真空雰囲気下で行うとよい。なお、前記基材13の光透過層材料14a上への載置時に、基材13の平面形状よりも光透過層材料14aの未硬化部分の平面形状が外径においては小さく、内径においては大きく形成されているため、光透過層材料14aの未硬化部分に対して基材13の接合位置が微少にずれても基材13の外周及び内周から光透過層材料14aの未硬化部分がはみ出すことはないものである。
次に、前記基材13が載置され、接合された搬送板40は光透過層の形成のための第2の工程である工程Iに駆動源23により搬送される。この工程Iに搬送された搬送板42に対してその下方に配置された硬化装置43から紫外線が照射され、これにより搬送板42を通過する紫外線によって前記未硬化の光透過層材料14aは硬化される。この光透過層材料14aの硬化時にその光透過層材料14aは基材13の反射膜12の表面を覆った状態でここに強固に付着する。なお、前記硬化装置43は前記の硬化装置と同様に、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を有しており、これが高圧水銀ランプの場合の紫外線照射量は500〜800mJ/cmで、その照射時間は3〜6秒である。
前記光透過層材料14aが硬化され、固着された基材13を載置する搬送板42は駆動源23により次の工程Jに搬送される。この工程Jはここに搬送されて位置する搬送板44上の基材13を取り出す工程である。この工程Jの搬送板44に対応する位置には駆動源27により制御される移送手段45が配置され、その吸着保持部45aによって基材13を搬送板44から持ち上げることにより、硬化された光透過層材料は搬送板44から剥がされて基材13は取り出され、次の製品完成工程(図示せず)に移送される。
なお、実施の形態1と同様に、硬化された光透過層材料14aが搬送板44から円滑に剥がれるようにするために、各搬送板17、18、35、38、40、42、44の要件としては、表面性がよいこと、すなわち表面粗さが小さく、欠陥が少なくて平面であること、また、紫外線をほぼ透過する材料であることが必要となる。これらのことから搬送板は表面研磨された液晶表示パネル用のガラスが適している。また、搬送板の表面には紫外線の透過を妨げない範囲内でフッ素樹脂による被覆や硬質表面処理等の加工を施してもよく、さらに搬送板は実施の形態1のものも含めて必ずしも順次搬送される形式のものである必要はなく、また、円板状等の板であってもよい。
このようにして反射膜12が形成された基材13の表面に樹脂層からなる光透過層14を形成する光記録媒体10の製造が行われ、これによれば実施の形態1と同様に、基材に0.1mmという薄い光透過層を再現性よく安定に歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができるものである。しかも、光透過層14は搬送板にコーティングされた未硬化の均一な膜厚部分の光透過層材料に対して基材を接合し、その光透過層材料を硬化することにより、膜厚の均一な光透過層が得られるものである。
なお、これらの工程は順次同時進行で行われ、1つ1つの工程が終了すると駆動源23はそれぞれの工程に位置している搬送板17、18、35、38、40、42、44を同時に搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる。
次に、図6は上記実施の形態2によって製造された円盤状の光記録媒体10を模式的に示した概略断面図であり、その中心部には孔10aが設けられている。10bは基板11にピットで形成された情報記録部であり、その上には反射膜12が形成され、さらに、その上には光透過層14が形成されている。
ここで、前記光記録媒体10の孔10aを除く半径方向の実効幅をT、反射膜12の半径方向の幅をW、情報記録部10bの半径方向の幅をR、光透過層14の半径方向の幅をSとした時、「T>S>W>R」の関係に構成されている。これにより、光記録媒体10の内周部と外周部に光透過層14の非形成部分が存在するが、反射膜12は光透過層14によって覆われるため、確実に保護される。なお、上記の構成において、その数値例としては、T=52.5mm、S=48.5mm、W=40.0mm、R=36.75mmである。
この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様に、搬送板上に光透過層材料14aを基材13の平面外形寸法よりも大きい寸法範囲にコーティングすることにより、その中央部は均一な厚みの光透過層材料が得られ、したがって、仮に実施の形態1で説明したようなコーティング溜りが発生しても基材に付着形成される光透過層は中央部の膜厚の均一な部分であり、品質の良好な光記録媒体が得られるものである。
また、上記のように未硬化の光透過層材料14aを基材13の内周径よりも大きく、外周径よりも小さく形成することにより、その光透過層材料14aと基材13の接合時にその相対位置が微少にずれても光透過層が基材13の内周や外周からはみ出すようなことがなく、かつ、情報記録部10bへの影響もなく、また反射膜12を確実に覆うことができるものである。
なお、未硬化の光透過層材料14aを基材13の内外周径とも同一寸法として、これを付着するようにした場合、その光透過層材料14aと基材13との接合時にその相対位置が微少にずれると光透過層が基材13の内周あるいは外周から部分的にはみ出し、そのはみ出し部分をカットする必要があるが、上記のように基材13に対する光透過層材料14aの形状を設定することによって、そのような処理をする必要がなく、生産性が向上するものである。
また、上記の製造方法によらず、他の製造方法により作製された光透過層をその基材13上に形成する光記録媒体においても、その光透過層の内周径を基材13の平面形状における内周径よりも大きく、外周径を基材13の外周径よりも小さく作製すれば、その接合時に基材と光透過層との間で相対位置が微少にずれてもその光透過層が基材の内周や外周からはみだすようなことがないため、これによっても同様である。
なお、実施の形態2の方法あるいは他の方法により基材に光透過層を付着により形成する光記録媒体において、光透過層と基材との接合時に精度よく接合させて付着可能であれば、光透過層の内周径を基材の平面形状における内周径よりも大きく、また外周径を基材の外周径より小さく形成する必要はないものであり、したがって、本発明はこれによってもよい。
上記の一連の工程は搬送板を搬送ガイド22a、22bに沿って移動させる直進方式であるが、各工程を円状に配置して移動させるターレット方式であっても同様である。
なお、上記では1枚の搬送板を順次搬送させて光透過層を形成する例を説明したが、実施の形態1と同様に、これに限定されるものではなく、複数枚の搬送板を同時進行させて複数枚の光記録媒体を同時に製造するようにしてもよく、また、1枚の長方形状の搬送板上に複数枚の基材を載置できるようにして順次光記録媒体を製造するようにしてもよく、この場合は製造タクトがさらに向上するため、量産性に富む。
以上の説明による各実施の形態は単層の再生専用型の光記録媒体の基材に光透過層を形成するもので説明したが、追記型や書き換え型の記録層を有する基材にも適用することができる。また、それらの光透過層の表面にさらにハードコート層を設ける場合にも適用できる。また、上記の各光記録媒体の形状は円盤状に限られるものではなく、形状が角型等でも同様である。
(実施の形態3)
この実施の形態3は光記録媒体の製造において、基材の表面に形成された情報記録部や反射膜を保護する光透過層等の第1の樹脂層を形成し、かつその第1の樹脂層の上にこれをさらに保護する膜厚が3〜5μmの透明なハードコート層等の第2の樹脂層を形成する例である。図7は基材13に第1の樹脂層である光透過層14とその上に第2の樹脂層であるハードコート層75を形成した光記録媒体10の例であり、ハードコート層75を形成する前の構成は上記実施の形態1に係る光記録媒体10の構成と同様である。
この図7に示す光記録媒体10の製造について図8を用いて説明すると、基板11と反射膜12からなる基材13に光透過層14を形成する工程A〜工程Eは図4に示した実施の形態1と同様であるため、その実施の形態1の説明を援用し、ここでの説明は省略する。
前記光透過層14の形成後のハードコート層75を形成する製造装置80は塵埃が厳しく管理されたクリーン室内に設置され、そのクリーン室内には基材13の外形寸法よりも大きい外形寸法の複数個の搬送板81、82、83、84、85の移動をガイドする一対の搬送ガイド86a、86bが設けられており、これらの搬送板81、82、83、84、85はモータ等の駆動源97により通常は右方向に移動可能になっている。なお、この駆動源97は駆動源23と同じ駆動源であってもよい。前記搬送板81、82、83、84、85はそれぞれ150*150mmの方形状で厚みが5mmの紫外線を透過する例えばガラス板等からなる。この搬送板81〜85の要件としては、前記光透過層14を形成する搬送板と同様に、表面性がよいこと、すなわち表面粗さが小さく、欠陥が少なくて平面であること、また、紫外線をほぼ透過する材料であることが必要となる。これらのことから表面研磨された液晶表示パネル用のガラスが適している。また、搬送板の表面にはコーティングした材料が剥離しやすいように紫外線の透過を妨げない範囲内でフッ素樹脂による被覆や硬質表面処理等の加工を施してもよい。
前記搬送ガイド86a、86b上に搬送板81〜85が載置された状態において、搬送板81、83、85の各工程位置に対応して先端部に吸着保持部87a、88a、89aを有する移送ロボット腕等の移送手段87、88、89が配置されており、これらの移送手段87、88、89は駆動源(図示せず)により駆動制御されるようになっている。また、搬送板82に対応した位置にはハードコート層75形成するためにハードコート層材料をコーティングするコーティング装置90が配置されており、このコーティング装置90はコーティングヘッド91、ハードコート層材料の供給タンク92、供給ポンプ93を備え、供給ポンプ93により供給タンク92からパイプ94a、94bを通してハードコート層材料をコーティングヘッド91に供給するようになっている。
また、搬送板84と対応してその搬送板84の下方には前記ハードコート層材料の硬化装置95が配置されており、これは高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を持つ紫外線硬化装置である。そして前記硬化装置95と搬送板84との間には基材13の平面形状と対応する部分のみ、すなわちドーナツ状に前記搬送板84に硬化装置95からの紫外線が照射されるようにパターン96aが形成されたマスク96が配置されている。前記マスク96の構造としては紫外線を透過する材料からなる基板、例えばガラス基板の上にスパッタにより基材13の平面形状と対応する部分以外の部分に紫外線を反射する薄膜、例えばアルミニュウムやコールドミラー等の多層材料や、さらにはこの多層材料の上に保護膜、例えばSiO2やMgF2等を形成したものである。
次に、基材13に第1の樹脂層である光透過層14とその上に第2の樹脂層であるハードコート層75を形成する方法について説明する。
まず、光透過層14の形成に関する工程A〜Eの説明は前述したように図4に示した実施の形態1と同様であるため、その実施の形態1の説明を援用し、したがって、ハードコート層75の形成について以下に説明する。
移送手段87の吸着保持部87aに搬送板81を保持してこれを搬送ガイド86a、86b上に載置する(工程K)。そして、前記搬送板81を駆動源97により搬送板82の位置に移動させ、ここで供給ポンプ93により供給タンク92内のハードコート層材料をコーティングヘッド91に供給し、かつこのコーティングヘッド91を前記搬送板の搬送方向とは反対方向に移動機構(図示せず)により移動させ、このヘッド91の下面にその移動方向と直交する方向に設けられている筋状のスロットから前記搬送板82の上面に膜厚3〜5μmの透明なハードコート層材料75aを基材13の平面外形寸法よりも大きい寸法範囲、例えば基材13の直径120mmに対して1辺が130〜140mmの方形状にコーティングする(工程L)。
前記ハードコート層材料75aは例えば紫外線で硬化する硬度の高いアクリレート系の樹脂材料を用い、さらに、これにコロイダルシリカや帯電防止剤、潤滑剤等を添加した材料を用いてもよい。一般にハードコート層材料の粘度は50〜500mPa・sで、光透過層材料に比べて粘度が低いものが多く、また、膜厚も光透過層に比べて薄いことからコーティングヘッド91でコーティングするにあたり、所望の膜厚を得るために粘度や材料種類に合わせてそのヘッド91のスロットのギャップ幅、ヘッドと基材の光透過層との間の間隔、ヘッドの送り速度、材料の吐出圧等を調整する必要がある。例えば、粘度100mPa・sのハードコート層材料75aを3〜5μmの膜厚でコーティングする場合の主な条件は、スロット幅が30μm、光透過層との間の間隔が50μm、ヘッドの送り速度が80mm/sec、材料の吐出圧が0.1MPaであり、この条件によると2〜3秒の時間でコーティングが行える。
次に、上記ハードコート層材料75aがコーティングされた搬送板82を駆動源により、次の工程Mに搬送する。この工程Mは前記工程Eで光透過層14が形成された基材13をハードコート層材料75a上に載置し、接合する工程である。すなわち、工程Eで取り出された基材13を移送手段88の吸着保持部88aにより保持し、その基材13を上方から搬送板83上の未硬化のハードコート層材料75a上に光透過層14が接合されるようにして載置する。この時、コーティングされたハードコート層材料75aの周囲を残した中央部分の均一な膜厚部分のハードコート層材料75aに対して基材13に形成された光透過層14を接合する。そして、この接合時に光透過層14とハードコート層材料75aとの間に空気をかまないように注意を払う必要があり、そのためには真空ポンプにより接触面近傍を低真空雰囲気下にした状態で基材13を接合するようにすれば有効である。
なお、前記光透過層14の形成に関する工程Eから連続してハードコート層75を形成する場合は、移送手段88とその吸着保持部88aを配置することなく、工程Eにおける移送手段26とその吸着保持部26aにより基材13を工程Mに搬送して搬送板83上の未硬化のハードコート層材料75a上に載置するようにすればよく、これにより製造装置がより簡素化されるとともに光透過層14とハードコート層75を連続形成することができ、製造効率がよくなる。
前記工程Mで基材13が載置された搬送板83は、ハードコート層材料75aの硬化のための工程Nに駆動源97により移送される。この工程Nではここに搬送された搬送板84の下方に位置する硬化装置95から発生する紫外線が搬送板84に向けて照射され、その紫外線はマスク96のドーナツ状のパターン96aを通してハードコート層材料75aを基材13の平面形状と対応する部分のみを硬化し、基材13の平面形状と対応する部分以外の部分は未硬化の状態にされる。前記ハードコート層材料75aの硬化と同時にその部分のハードコート層材料75aは基材13の光透過層14の表面に強固に付着する。
前記硬化装置95は高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を有しており、高圧水銀ランプにより硬化する場合は、紫外線の照射量は300〜500mJ/cm2で、その照射時間は2〜3秒である。
なお、搬送板の下表面に前記マスク96のパターン96aを形成することにより図示のような独立したマスク96を省略することができ、装置がシンプルになる。また、上記は基材13が紫外線を透過しない場合に適する例であるが、基材13及び光透過層14が紫外線を透過する材料からなる場合は、マスク96や硬化装置95を搬送板84の上方に配置し、基材13を通してハードコート層材料75aを紫外線等により硬化することができる。そして、このように紫外線等を基材13を通してハードコート層材料75aに照射してこれを硬化させる場合は、搬送板は紫外線等を透過しない材料からなるものであってもよい。
前記ハードコート層材料75aの硬化が行われた搬送板84は駆動源により次の工程Oに搬送される。この工程Oはここに搬送された搬送板85上でハードコート層材料75aが硬化により固着された基材13を取り出す工程であり、移送手段89の吸着保持部89aによって基材13を搬送板85から持ち上げることによりハードコート層材料75aの硬化部分と未硬化部分の境界でこのハードコート層材料75aは切り離され、光透過層14とハードコート層75が形成された基材13は搬送板85から取り出されて次の製品完成工程(図示せず)に移送される。なお、基材13が取り出された搬送板85は工程Oの位置から移送された後、それに付着している未硬化のハードコート層材料75aは掻きとられる等により除去され、これにより搬送板は再使用されるとともに、除去されたハードコート層材料もフィルターで濾過して再利用される。
なお、上記搬送板85から基材13を取り出す時、搬送板85上の未硬化のハードコート層材料との切り離れが良好に行われない場合は、予め基材13の内外周に沿ってハードコート層材料をカッター等により切り離す工程を設ければよい。
このようにして基材13に光透過層14とハードコート層75を形成することにより、図7に示す光記録媒体10を製造する一連の工程が終了する。なお、光透過層14の形成工程部とハードコート層75の形成工程部を例えばL字状に配して両形成工程を順次進行で連続して行うようにしてもよく、または、光透過層14の形成とハードコート層75の形成を不連続で行うようにしてもよい。
以上に述べた工程は直進方式であるが、光透過層14の形成工程とハードコート層75の形成工程をそれぞれ円状に配置して移動させるターレット方式であっても同様である。
(実施の形態4)
この実施の形態4は図9に示す光記録媒体10、すなわち基材13の表面に情報記録部や反射膜を保護する光透過層等の第1の樹脂層を形成し、かつその第1の樹脂層の上にこれをさらに保護する膜厚が3〜5μmの透明なハードコート層等の第2の樹脂層を有する光記録媒体の他の例である。すなわち、この光記録媒体10において、第2の樹脂層を形成する前の構成は図6に示す実施の形態2に係る光記録媒体の構成と同様である。
この実施の形態4における光記録媒体10の製造について図10を用いて説明すると、基板11と反射膜12からなる基材13に光透過層14を形成する工程A、工程B、工程F〜工程Jは図5に示した実施の形態2と同様であるため、その実施の形態2の説明を援用し、ここでの説明は省略する。
光透過層14の形成後のハードコート層75を形成する製造装置100は上記の各実施の形態と同様に、塵埃が厳しく管理されたクリーン室内に設置され、そのクリーン室内には基材13の外形寸法よりも大きい外形寸法の複数個の搬送板101、102、103、104、105、106、107の移動をガイドする一対の搬送ガイド108a、108bが設けられており、これらの搬送板101〜107はモータ等の駆動源109により通常は右方向に移動可能になっている。なお、この駆動源109は駆動源23と同じ駆動源であってもよい。前記搬送板101〜107はそれぞれ150*150mmの方形状で厚みが5mmの紫外線を透過する例えばガラス板等からなる。この搬送板101〜107の要件としては、前記光透過層14を形成する搬送板と同様に、表面性がよいこと、すなわち表面粗さが小さく、欠陥が少なくて平面であること、また、紫外線をほぼ透過する材料であることが必要となる。これらのことから表面研磨された液晶表示パネル用のガラスが適している。また、搬送板の表面にはコーティングした材料が剥離しやすいように紫外線の透過を妨げない範囲内でフッ素樹脂による被覆や硬質表面処理等の加工を施してもよい。
前記搬送ガイド108a、108b上に搬送板101〜107が載置された状態において、搬送板101、104、105、107の各工程位置に対応して先端部に吸着保持部110a、111a、112a、113aを有する移送ロボット腕等の移送手段110、111、112、113が配置されており、これらの移送手段110、111、112、113は駆動源(図示せず)により駆動制御されるようになっている。また、搬送板102に対応した位置にはハードコート層75を形成するためにハードコート層材料をコーティングするコーティング装置114が配置されており、このコーティング装置114はコーティングヘッド115、ハードコート層材料の供給タンク116、供給ポンプ117を備え、供給ポンプ117により供給タンク116からパイプ118a、118bを通してハードコート層材料をコーティングヘッド115に供給するようになっている。
また、搬送板103と対応してその搬送板103の下方には前記ハードコート層材料の硬化装置119が配置されており、これは高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を持つ紫外線硬化装置である。そして前記硬化装置119と搬送板103との間には基材13に形成された光透過層14の平面形状とほぼ対応する部分以外の部分のみ、すなわち半径方向の幅がSのドーナツ形状以外の部分に搬送板103を通して硬化装置119からの紫外線が照射されるようにパターン120aが形成されたマスク120が配置されている。前記マスク120の構造としては紫外線を透過する材料からなる基板、例えばガラス基板の上にスパッタにより基材13の光透過層14の平面形状に対応する部分に紫外線を反射する薄膜、例えばアルミニュウムやコールドミラー等の多層材料や、さらにはこの多層材料の上に保護膜、例えばSiO2やMgF2等を形成したものである。さらに、前記搬送板106の下方にはこの搬送板106に向けて紫外線を照射する硬化装置121が配置されている。
次に、基材13に第1の樹脂層である光透過層14とその上に第2の樹脂層であるハードコート層75を形成する方法について説明する。
まず、光透過層14の形成に関する工程A、工程B、工程F〜工程Jの説明及びそれに関連する事項は図5に示した実施の形態2と同様であるため、その実施の形態2の説明を援用し、したがって、以下にハードコート層75の形成について説明する。
まず、移送手段110の吸着保持部110aに搬送板101を保持してこれを搬送ガイド108a、108b上に載置する(工程P)。そして、前記搬送板101を駆動源109により搬送板102の位置に移動させ、ここで供給ポンプ117により供給タンク116内のハードコート層材料をコーティングヘッド115に供給し、かつこのコーティングヘッド115を前記搬送板の搬送方向とは反対方向に移動機構(図示せず)により移動させ、このヘッド115の下面にその移動方向と直交する方向に設けられている筋状のスロットから前記搬送板102の上面に膜厚3〜5μmの透明なハードコート層材料75aを基材13の平面外形寸法よりも大きい寸法範囲、例えば基材13の直径120mmに対して1辺が130〜140mmの方形状にコーティングする(工程Q)。
前記ハードコート層材料75aは上記実施の形態3と同様に、例えば紫外線で硬化する硬度の高いアクリレート系の樹脂材料を用い、さらに、これにコロイダルシリカや帯電防止剤、潤滑剤等を添加した材料を用いてもよい。一般にハードコート層材料の粘度は50〜500mPa・sで、光透過層材料に比べて粘度が低いものが多く、また、膜厚も光透過層に比べて薄いことからコーティングヘッド115でコーティングするにあたり、所望の膜厚を得るために粘度や材料種類に合わせてそのヘッド115のスロットのギャップ幅、ヘッドと基材の光透過層との間の間隔、ヘッドの送り速度、材料の吐出圧等を調整する必要がある。例えば、粘度100mPa・sのハードコート層材料75aを3〜5μmの膜厚でコーティングする場合の主な条件は、スロット幅が30μm、光透過層との間の間隔が50μm、ヘッドの送り速度が80mm/sec、材料の吐出圧が0.1MPaであり、この条件によると2〜3秒の時間でコーティングが行える。
前記ハードコート層材料75aがコーティングされた搬送板102は駆動源109により次に工程Rに搬送される。この工程Rに搬送された搬送板103には、その下方に配置された硬化装置119から発生する紫外線が照射される。この場合前記硬化装置119と搬送板103との間に配置されたマスク120のパターン120aにより硬化装置119からの紫外線は基材13に形成された光透過層14の平面形状と対応する範囲は遮られ、その範囲以外の部分は紫外線が搬送板103を通してハードコート層材料75aに照射されるように構成されているため、光透過層14の平面形状にほぼ対応するハードコート層材料75aは未硬化のままであり、その平面形状とほぼ対応する部分以外の部分のみ、すなわちドーナツ形状以外の部分のハードコート層材料75aが硬化される。前記ハードコート層材料75aの未硬化部分の外周径は前記工程Qでコーティングされたハードコート層材料75aの外径より小さく設定されており、これによりハードコート層材料75aの周囲を残した中央部分の均一な膜厚部分が未硬化状態となっている。なお、図10において、硬化された部分のハードコート層材料は75bで示している。前記硬化装置119は高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を有しており、高圧水銀ランプにより硬化する場合は、紫外線の照射量は300〜500mJ/cm2で、その照射時間は2〜3秒である。
なお、上記は基材13が紫外線を透過しない場合に適する例であるが、基材13及び光透過層14が紫外線を透過する材料からなる場合は、マスク120や硬化装置119を搬送板103の上方に配置し、基材13を通してハードコート層材料を紫外線等により硬化することができる。そして、このように紫外線等を基材13を通してハードコート層材料に照射してこれを硬化させる場合は、搬送板は紫外線等を透過しない材料からなるものであってもよい。
次に、搬送板103は工程Sに搬送される。この工程Sに搬送された搬送板104と対応する位置には駆動源により制御される移送手段111が配置されており、この移送手段111の吸着保持部111aにより前記搬送板104上の硬化されたハードコート層材料75bのみがその搬送板104上から剥がされて取り去られる。これは吸着保持部111aによってハードコート層材料75b部分を搬送板104から持ち上げることによりそのハードコート層材料の硬化部分75bと未硬化部分75aの境界でその硬化されたハードコート層材料75bが切り離されることによって行われる。なお、上記硬化されたハードコート層材料75bの切り離れが良好に行われない場合は、予め硬化部分と未硬化部分の内外周に沿ってハードコート層材料をカッター等により切り離す工程を設ければよい。
上記のようにして硬化されたハードコート層材料75bが剥がされ、未硬化のハードコート層材料75aのみを有する搬送板104は駆動源109により工程Tに搬送される。この工程Tと次の工程Uは基材13の光透過層の上にハードコート層を形成する工程である。前記工程Tに搬送された搬送板105に対応する位置には駆動源により動作制御される移送手段112が配置され、その移送手段112の吸着保持部112aに前記工程Jにおいて取り出された光透過層14を有する基材13が保持され、そして、移送手段112によって基材13の光透過層14が前記未硬化のハードコート層材料75aの形状に合致するように、すなわち、それらの中心が一致するようにして搬送板105上に載置されて接合され、ここに押圧される。この時、基材13の光透過層14によって未硬化のハードコート層材料75aは覆われる。前記基材13の搬送板105への載置はハードコート層材料75aとの間で気泡の巻き込みを抑えるために上記実施の形態2等と同様に低真空雰囲気下で行うとよい。
前記工程Tで基材13が載置された搬送板105は、ハードコート層材料75aの硬化のための工程Uに駆動源109により移送される。この工程Uではここに搬送された搬送板106の下方に位置する硬化装置121から発生する紫外線が搬送板106に向けて照射され、その紫外線は前記コーティングされた未硬化のハードコート層材料75aを硬化し、それと同時にハードコート層材料75aは基材13の光透過層14の表面に強固に付着する。なお、このハードコート層材料75aの硬化はマスクは必ずしも必要はないが、マスクを用いて硬化してもよい。
前記硬化装置121は高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の紫外線発生源を有しており、高圧水銀ランプにより硬化する場合は、紫外線の照射量は300〜500mJ/cm2で、その照射時間は2〜3秒である。
なお、上記は基材13が紫外線を透過しない場合に適する例であるが、基材13及び光透過層14が紫外線を透過する材料からなる場合は硬化装置121を搬送板106の上方に配置し、基材13を通してハードコート層材料75aを紫外線により硬化することができる。そして、このように紫外線を基材13を通してハードコート層材料75aに照射してこれを硬化させる場合は、搬送板は紫外線を透過しない材料からなるものであってもよい。
前記ハードコート層材料75aの硬化が行われた搬送板106は駆動源により次の工程Vに搬送される。この工程Vはここに搬送された搬送板107上でハードコート層材料75aが硬化により付着形成された基材13を取り出す工程であり、移送手段113の吸着保持部113aによって基材13を搬送板107から持ち上げることにより、光透過層14とハードコート層75が形成された基材13が取り出されて次の製品完成工程(図示せず)に移送される。このようにして図9に示すハードコート層75により光透過層14と共に情報記録部10b及び反射膜12が確実に保護された光記録媒体10が製造される。
なお、前記光透過層14の形成に関する工程Jから連続してハードコート層75を形成する場合は、移送手段112とその吸着保持部112aを配置することなく、工程Jにおける移送手段45とその吸着保持部45aにより基材13を工程Tに搬送して搬送板105上の未硬化のハードコート層材料75a上に載置するようにすればよく、これにより製造装置がより簡素化されるとともに光透過層14の形成とハードコート層75の形成が連続されることにより、製造効率がよくなる。
なお、上記光透過層14の上にハードコート層75の形成において、マスク120のパターン120aの形状寸法の設定によりハードコート層75は光透過層14の半径方向の幅Sよりも外周径を大きく、かつ内周径を小さく形成することによって、工程Tで未硬化のハードコート層材料75aに対して基材13の光透過層14の接合位置が微少にずれて載置されてもハードコート層75の外周及び内周から光透過層14のはみ出しをなくすることができるため、光透過層14と共に情報記録部10b及び反射膜12は確実に保護される。また、この実施の形態4による光透過層14及びハードコート層75の形成方法は、例えば図7に示す光記録媒体10、すなわち光透過層14及びハードコート層75が基材13の平面形状寸法と合致する構成の光記録媒体をマスク120のパターン120aの形状寸法を変えることにより簡単に製造することができる。また、ハードコート層75の外周径を基材13の外周径と光透過層14の外周径の中間の外周径に、そして内周径を基材13の内周径と光透過層14の内周径の中間の内周径に形成することもマスク120のパターン120aの形状寸法を変えることにより、製造することができるものである。このようなハードコート層75の外周径が基材13の外周径と光透過層14の外周径の中間の外周径に、そして内周径が基材13の内周径と光透過層14の内周径の中間の内周径に形成された光記録媒体によれば、その製造時に工程Tにおいて基材13の載置時に光透過層14がハードコート層材料75aから微小にずれてもその光透過層14は確実に保護されると共に、ハードコート層75の基材13の外周からのはみ出しをなくすることができ、したがって、基材13の外周からはみ出したハードコート層75を削除する等の後処理の必要がないものである。
ここで、光記録媒体における中間層やハードコート層等のこの種樹脂薄膜材料のコーティング方法としては、前述の光透過層材料のコーティング方法と同様にグラビア方式、リバース方式、ダイ方式等があるが、上記コーティングヘッド29によるダイ方式は高精度な膜厚管理ができること、高速度でコーティングが行えること、また、装置がシンプルで小型であること、メンテナンスが容易であること等から0.1mm以下という薄膜のコーティングに適している。したがって、生産タクトが短くできるばかりでなく、欠陥が少なく、歩留まりが改善できるという特徴を有している。
前記実施の形態3及び4におけるハードコート層材料も予め真空槽に入れられて脱気されており、その後、供給タンクに注入される。そして供給タンクに蓄えられた各材料が供給ポンプにより広幅のコーティングヘッドに送られ、このヘッドを搬送板の搬送方向とは反対方向に移動機構により移動させながらスロット(図示せず)から材料を吐出させて搬送板上にコーティングしていく。前記のコーティングが終了した後、コーティングヘッドは元の位置に戻らせる必要はなく、次の搬送板上への材料のコーティング時に前回と逆の方向に移動機構によりコーティングヘッドを移動させてコーティングを行うことができる。前記コーティングの幅方向の膜厚の均一性を確保するためにコーティングヘッドの先端形状やスロット幅は高精度に加工されており、また、材料が均一に吐出されるように、そのコーティングヘッドにコーティング材料を供給する注入口の位置や数、液溜りの役目を果たすマニフォールドの形状や位置等も各材料にあわせて最適化されている。
上記実施の形態3及び4に説明した2つの樹脂層を基材に付着形成する方法は、書き換え可能な一層あるいは二層の情報記録層を有する光記録媒体10の製造にも適用することができるものであり、そのような光記録媒体における基材は、その2つの樹脂層が形成されていない状態のものを本発明では指し、基材の積層体の構成やその種別は何ら特定されるものではない。
また、上記実施の形態3及び4において、移動機構によるハードコート層材料のコーティングヘッドの送り速度は、光透過層材料や中間層材料のコーティングと同様に速ければ速いほどタクトが短くなり、生産性は向上するが、空気の噛み込みや塗布スジ等が発生し、均一性が損なわれるために送り速度には上限があり、均一性が損なわれない速度範囲内でヘッド送りがなされる。
また、ハードコート層材料の硬化装置からの紫外線によってマスクの温度が上昇するが、この温度の上昇を抑制するためにマスクに金属箔を貼り付けてもよい。また、硬化装置に備えられる高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の種類によって発光スペクトラムが微妙に異なるために、その紫外線透過率を考慮してマスクの基板材料等が選定される。さらに、マスクの位置が僅かにずれる等により紫外線の照射範囲が基材等の平面形状と対応する部分からずれて基材等の内外周のエッジ部分の材料に硬化不十分な部分が発生する場合は、別の硬化装置を設ける等により再度硬化させてもよい。
このように、基材に極めて薄い樹脂層を再現性よく安定に歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができるものである。しかも、この実施の形態3及び4においても、上記実施の形態1及び2と同様に、搬送板上にコーティングされた樹脂層材料は均一な厚みの膜が得られ、そして、仮に実施の形態1でも説明したようなコーティング溜りが発生しても基材に付着形成される樹脂層は中央部の膜厚の均一な部分であり、したがって、品質の良好な光記録媒体が安価にして得られるものである。なお、コーティングされた樹脂層材料の周囲を残さないような寸法に設定して、すなわち、搬送板の大きさを例えば基材の外形寸法と同じ120mm*120mmにして基材を接合すると、搬送板の外縁部に樹脂層材料のコーティング溜りが生じる可能性があり、したがって、コーティング溜り部分も基材に付着することは膜厚の均一な樹脂層が得られないことになる。
なお、上記実施の形態3及び4においても1枚の搬送板を順次搬送させて1枚の基材に樹脂層を形成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、複数枚の搬送板を同時進行させて複数枚の光記録媒体を同時に製造するようにしてもよく、また、1枚の長方形状の搬送板上に複数枚の基材を載置できるようにして順次光記録媒体を製造するようにしてもよく、この場合は製造タクトがさらに向上するため、量産性に富むことは実施の形態1及び2と同様である。
上記の各実施の形態において、樹脂層の例として光透過層とハードコート層を掲げたが、これらに限られるものではなく、そして、これらの材料のコーティングは各コーティングヘッドを移動させることにより行うようにしたが、これは例えばコーティングヘッドを所要の最適位置に停止させておき、搬送板あるいは搬送板により基材が移送される動作によってコーティングされるようにしてもよく、すなわち、搬送板あるいは基材とコーティングヘッドの相対移動によって樹脂材料がコーティングされるようにすればよいものであり、また、本発明は上記に説明されていない工程や装置が付加されていてもよい。
さらに、本発明は各工程の位置は必ずしも独立した位置である必要はなく、例えば樹脂層材料をコーティングする工程と硬化する工程、また基材を搬送板上に載置する工程と樹脂層材料を硬化する工程、樹脂層材料の硬化工程とこの硬化した樹脂層を取り去る工程、樹脂層材料の硬化工程とこの硬化された樹脂層が付着形成された基材を取り出す工程等は同一位置にて行うようにしてもよく、各工程の位置は特定されない。また、各移送手段の構成やその駆動装置、搬送板の駆動機構等は各実施の形態で示したものに限られるものではなく、他の構成や装置であってもよいものである。
本発明は、基材に例えば0.1mmあるいはそれ以下の薄い光透過層やハードコート層等の樹脂層を均一な膜厚で、かつ再現性よく安定に歩留まりよく、かつ効率よく短い生産タクトで形成することができるもので、高密度、大容量の光記録媒体の製造に有効である。
光記録媒体に記録された信号を再生する一例を示す光学概略図 本発明の実施の形態1に係る光記録媒体の概略断面図 本発明の実施の形態1に係る製造装置の概略構成図 本発明の実施の形態1に係る製造工程の要部を示す概略斜視図 本発明の実施の形態2に係る製造工程の要部を示す概略斜視図 本発明の実施の形態2に係る光記録媒体を模式的に示した概略断面図 本発明の実施の形態3に係る光記録媒体を模式的に示した概略断面図 本発明の実施の形態3に係る製造工程の要部を示す概略斜視図 本発明の実施の形態4に係る光記録媒体を模式的に示した概略断面図 本発明の実施の形態4に係る製造工程の要部を示す概略斜視図
符号の説明
10 光記録媒体
10a 孔
10b 情報記録部
11 基板
12 反射膜
13 基材
14 光透過層
14a 光透過層材料
17〜21、35、38、40、42、44、81〜85、101〜107 搬送板
22a、22b、86a、86b、108a、108b 搬送ガイド
23、27、97、109 駆動源
24〜26、39、41、45、87〜89、110〜113 移送手段
28、90、114 コーティング装置
29、91、115 コーティングヘッド
33、36、43、95、119、121 硬化装置
34、37、96、120 マスク
75 ハードコート層
75a ハードコート層材料

Claims (14)

  1. 光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記コーティングされた樹脂層材料の面に上記基材を載置する第2の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分の樹脂層材料を硬化する第3の工程と、前記硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第4の工程を有し、前記第1の工程、第2の工程、第3の工程及び第4の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の前記コーティングされた樹脂層材料を硬化する第2の工程と、前記樹脂層材料の硬化された部分を搬送板上から取り出す第3の工程と、前記搬送板上の未硬化の樹脂層材料の上にその樹脂層材料の形状に合わせて上記基材を載置する第4の工程と、前記基材が載置された未硬化の樹脂層材料を硬化する第5の工程と、前記硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第6の工程を有し、前記第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程、第5の工程及び第6の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  3. 前記第2の工程で硬化される樹脂層材料は、基材の平面形状に対して内周径を大きく、かつ外周径を小さく設定し、これにより基材の内周径よりも大きく、かつ外周径よりも小さい搬送板上の未硬化の樹脂層材料上に基材を載置することを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体の製造方法。
  4. 光記録媒体の基材に第1の樹脂層とその第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって第1の樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記コーティングされた第1の樹脂層材料の上に上記基材を載置する第2の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分の第1の樹脂層材料を硬化する第3の工程と、前記硬化により第1の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第4の工程と、搬送板にコーティングヘッドによって第2の樹脂層材料をコーティングする第5の工程と、前記コーティングされた第2の樹脂層材料の上に前記第1の樹脂層が位置するように基材を載置する第6の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分の第2の樹脂層材料を硬化する第7の工程と、前記硬化により第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第8の工程とを有し、前記第1の工程から第8の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 光記録媒体の基材に第1の樹脂層とその第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する光記録媒体の製造方法であって、搬送板にコーティングヘッドによって第1の樹脂層材料をコーティングする第1の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の第1の樹脂層材料を硬化する第2の工程と、前記第1の樹脂層材料の硬化された部分を搬送板上から取り出す第3の工程と、前記搬送板上の未硬化の第1の樹脂層材料の上にその第1の樹脂層材料の形状に合わせて上記基材を載置する第4の工程と、前記基材が載置された未硬化の第1の樹脂層材料を硬化する第5の工程と、前記硬化により第1の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第6の工程と、搬送板にコーティングヘッドによって第2の樹脂層材料をコーティングする第7の工程と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の第2の樹脂層材料を硬化する第8の工程と、前記第2の樹脂層材料の基材の平面形状と対応する部分以外の硬化された部分を搬送板上から取り出す第9の工程と、前記搬送板上の未硬化の第2の樹脂層材料の上にその第2の樹脂層材料の形状に合わせて上記第1の樹脂層が位置するように基材を載置する第10の工程と、前記基材が載置された未硬化の第2の樹脂層材料を硬化する第11の工程と、前記硬化により第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第12の工程とを有し、前記第1の工程から第12の工程を実行することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  6. 前記第2の工程で硬化される第1の樹脂層材料及び前記第8の工程で硬化される第2の樹脂層材料は、基材の平面形状に対して内周径を大きく、かつ外周径を小さく設定し、これにより基材の内周径よりも大きく、かつ外周径よりも小さい未硬化の第1の樹脂層材料上に基材を載置し、第1の樹脂層が付着形成された基材を未硬化の第2の樹脂層材料上に載置することを特徴とする請求項5に記載の光記録媒体の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法において、各コーティングヘッドにより搬送板に樹脂層材料を基材の平面外径寸法よりも大きい寸法範囲にコーティングし、かつ基材を前記コーティングされた樹脂層材料の周囲を残して載置することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  8. 光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造装置であって、搬送板と、その搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングするコーティング装置と、前記コーティングされた樹脂層材料の面に前記基材を載置する第1の移送手段と、前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通して前記樹脂層材料の面に載置された基材の平面形状と対応する部分の樹脂層材料を硬化する硬化装置と、前記硬化装置による硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第2の移送手段を有することを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  9. 光記録媒体の基材に樹脂層を形成する光記録媒体の製造装置であって、搬送板と、その搬送板を搬送する駆動源と、前記搬送板にコーティングヘッドによって樹脂層材料をコーティングするコーティング装置と、前記搬送板にコーティングされた樹脂層材料を前記基材の形状と実質的に同じ形状のパターンを有するマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の樹脂層材料を硬化する第1の硬化装置と、前記第1の硬化装置により前記樹脂層材料の硬化された部分を搬送板上から取り出す第1の移送手段と、前記搬送板上の未硬化の樹脂層材料の上にその樹脂層材料の形状に合わせて上記基材を載置する第2の移送手段と、前記基材が載置された未硬化の樹脂層材料を硬化する第2の硬化装置と、前記第2の硬化装置による硬化により樹脂層が付着形成された基材を搬送板から取り出す第3の移送手段を有することを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  10. 第1の硬化装置とマスクは、樹脂層材料を基材の平面形状よりも内周径を大きく、かつ外周径を小さく硬化するように構成したことを特徴とする請求項9に記載の光記録媒体の製造装置。
  11. 光記録媒体の基材に第1の樹脂層とその第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する光記録媒体の製造装置であって、第1の搬送板と、その第1の搬送板を搬送する第1の駆動源と、前記第1の搬送板にコーティングヘッドによって第1の樹脂層材料をコーティングする第1のコーティング装置と、前記第1の搬送板にコーティングされた第1の樹脂層材料をマスクを通してその基材の平面形状と対応する部分以外の第1の樹脂層材料を硬化する第1の硬化装置と、前記第1の硬化装置により前記第1の樹脂層材料の硬化された部分を第1の搬送板上から取り出す第1の移送手段と、前記第1の搬送板上の未硬化の第1の樹脂層材料の上に上記基材を載置する第2の移送手段と、前記基材が載置された未硬化の第1の樹脂層材料を硬化する第2の硬化装置と、前記第2の硬化装置による硬化により第1の樹脂層が付着形成された基材を第1の搬送板から取り出す第3の移送手段と、第2の搬送板と、その第2の搬送板を搬送する第2の駆動源と、前記第2の搬送板にコーティングヘッドによって第2の樹脂層材料をコーティングする第2のコーティング装置と、前記第2の搬送板にコーティングされた第2の樹脂層材料をマスクを通して前記基材の平面形状と対応する部分以外の第2の樹脂層材料を硬化する第3の硬化装置と、前記第3の硬化装置により前記第2の樹脂層材料の硬化された部分を第2の搬送板上から取り出す第4の移送手段と、前記第2の搬送板上の未硬化の第2の樹脂層材料の上に上記第3の移送手段によって取り出された基材を載置する第5の移送手段と、前記基材が載置された未硬化の第2の樹脂層材料を硬化する第4の硬化装置と、前記第4の硬化装置による硬化により前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が付着形成された基材を第2の搬送板から取り出す第6の移送手段とを有することを特徴とする光記録媒体の製造装置。
  12. 第1の硬化装置とマスク及び第3の硬化装置とマスクは、第1の樹脂層材料及び第2の樹脂層材料を基材の平面形状よりも内周径を大きく、かつ外周径を小さく硬化するように構成したことを特徴とする請求項11に記載の光記録媒体の製造装置。
  13. 予め板の上にコーティングされた未硬化の樹脂層材料に光記録媒体の基材を接合し、前記樹脂層材料の硬化と同時に前記基材に樹脂層を付着形成させたことを特徴とする光記録媒体。
  14. 中心部に孔を有する基材の面に、内周径が基材の内周径よりも大きく、外周径が基材の外周径よりも小さい少なくとも1つの樹脂層を有することを特徴とする光記録媒体。
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