以下図面について、本願発明の一実施の形態について説明する。
(1)本実施の形態による記録再生装置の外観構成
図1において、1は全体として本実施の形態による記録再生装置を示し、ミニディスク(MD)方式のディスクを記録媒体としてデータの記録再生を行う本体部2と、再生されたデータに基づく音声を出力するヘッドホン部3とから構成されている。
この本体部2は、略直方体形状の金属材等からなる筐体2Aを有し、当該筐体2A表面には、各種文字や記号等を表示するための表示部(以下、これを本体側表示部と呼ぶ)4と、各種の機能が割り当てられたキー群でなる操作部(以下、これを本体側操作部と呼ぶ)5とが設けられている。
またヘッドホン部3には、ヘッドホン3Aから引き出されたコードの途中にリモートコントローラ3Cが中継して設けられ、ユーザの選択に応じて本体部2のみならずリモートコントローラ3Cを用いて種々の操作を行い得るようになされている。
このヘッドホン部3におけるリモートコントローラ3Cは、略円柱形状の金属材等からなる筐体3CAを有し、当該筐体3CA表面には、各種文字や記号等を表示するための表示部(以下、これをリモコン側表示部と呼ぶ)6と、各種の機能が割り当てられたキー群でなる操作部(以下、これをリモコン側操作部と呼ぶ)7とが設けられている。
ここで本体部2の本体側操作部5及びリモートコントローラ3Cのリモコン側操作部7は、ともに所定の配置状態で配置された押圧式のキー群K1〜K8とスライド式のロック(Lock)スイッチSW1とから構成されている。このうち押圧式のキー群は、停止キーK1と、巻戻しキーK2と、再生キーK3と、早送りキーK4と、ポーズキーK5と、音量マイナスキーK6と、音量プラスキーK7と、メニュー(Menu)キーK8からそれぞれ構成されている。
具体的に、停止キーK1には、ディスクの再生動作を停止するための機能が割り当てられている。また巻戻しキーK2には、再生時には巻戻し動作を行う一方、停止時には前の曲に戻るための機能が割り当てられている。さらに再生キーK3には、再生動作を行うための機能が割り当てられている。さらに早送りキーK4には、再生時には早送り動作を行う一方、停止時には次の曲に進むための機能が割り当てられている。ポーズキーK5には、再生動作を一時的に停止させるための機能が割り当てられている。音量マイナスキーK6及び音量プラスキーK7には、ヘッドホン3Aからの出力音量を所定ステップずつデクリメント又はインクリメントさせるための機能が割り当てられている。
またメニューキーK8には、本体側表示部4又はリモコン側表示部6にそれぞれユーザによって指定された各種の設定画面を表示させるための機能が割り当てられている。さらにロックスイッチSW1には、本体側操作部5又はリモコン側操作部7の各キー群K1〜K8の一部又は全部を操作無効な状態にさせるホールド機能が割り当てられている。このロックスイッチSW1は、所定方向又はこれと逆方向にスライド移動させるようにして、ホールド機能をオン状態又はオフ状態を切り換え得るようになされている。
(2)光磁気記録による次世代ディスクの概要
この記録再生装置1は、既に普及している音楽用途のミニディスクのみではなく、より高密度記録を可能とし、コンピュータユースの各種データのストレージに利用できる高密度ディスク(次世代ディスクとも言う)についても対応し得るようになされている。
ここで、本実施の形態による記録再生装置1の構成の説明に先立って、この記録再生装置1が対応する、光磁気記録による次世代ディスクの概要について説明しておく。
まず、このような次世代ディスクは、現行のパーソナルコンピュータとの親和性が図れるように、ファイル管理システムとしてFAT(File Allocation Table)システムを使って、オーディオデータのようなコンテンツデータを記録再生するものである。また、現行のMDシステムに対して、エラー訂正方式や変調方式等の改善を行うことで、データの記録容量の増大を図るとともにデータの信頼性を高めている。
次世代ディスクの記録再生のフォーマットとしては、現在2種類の仕様が開発されている。説明上、これらを第1の次世代MD、第2の次世代MDと呼ぶこととする。
第1の次世代MDは、現行のMDシステムで用いられているディスクと全く同様のディスクを用いるようにした仕様であり、第2の次世代MDは、現行のMDシステムで用いられているディスクと外形は同様であるが、磁気超解像(MSR)技術を使うことにより、線記録方向の記録密度を上げて、記録容量をより増大した仕様である。
現行のMDシステム(オーディオ用MDやMD−DATA)では、カートリッジに収納された直径64mmの光磁気ディスクが記録媒体として用いられている。ディスクの厚みは1.2mmであり、その中央に11mmの径のセンターホールが設けられている。カートリッジの形状は、長さ68mm、幅72mm、厚さ5mmである。
第1及び第2の次世代MDの仕様でも、これらディスクの形状やカートリッジの形状は、すべて同じである。リードイン領域の開始位置についても、第1及び第2の次世代MDのディスクも、半径位置29mmから始まり、現行のMDシステムで使用されているディスクと同様である。つまり、従来のMDシステムとの外形上での互換性が確保されているものである。
トラックピッチについては、第2の次世代MDでは、1.25μmとされ、現行のMDシステムのディスクを流用する第1の次世代MDでは、トラックピッチは1.6μmとされている。ビット長は、第1の次世代MDが0.44μm/ビットとされ、第2の次世代MDが0.16μm/ビットとされる。冗長度は、第1及び第2の次世代MDともに、20.50%である。
第2の次世代MD仕様のディスクでは、磁気超解像技術を使うことにより、線密度方向の記録容量を向上するようにしている。磁気超解像技術は、所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が転写されることで、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになることを利用したものである。
具体的に、第2の次世代MD仕様のディスクでは、透明基板上に、少なくとも情報を記録する記録層となる磁性層と、切断層と、情報再生用の磁性層とが積層される。切断層は、交換結合力調整用層となる。所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が再生用の磁性層に転写される。これにより、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになる。なお、記録時には、レーザパルス磁界変調技術を使うことで、微少なマークを生成することができる。
また、第2の次世代MD仕様のディスクでは、デトラックマージン、ランドからのクロストーク、ウォブル信号のクロストーク、フォーカスの漏れを改善するために、グルーブを深くし、グルーブの傾斜を鋭くしている。即ち第2の次世代MD仕様のディスクでは、グルーブの深さは例えば160nmから180nmであり、グルーブの傾斜は例えば60度から70度であり、グルーブの幅は例えば600nmから700nmである。
光学的仕様については、第1の次世代MDの仕様では、レーザ波長λが780nmとされ、光学ヘッドの対物レンズの開口率NAが0.45とされている。第2の次世代MDの仕様も同様に、レーザ波長λが780nmとされ、光学ヘッドの開口率NAが0.45とされている。
また記録方式としては、第1の次世代MDでは、グルーブ(ディスクの盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるグルーブ記録方式が採用され、第2の次世代MDではグルーブ記録方式及び磁壁移動検出(DWDD)方式が採用されている。
さらに、エラー訂正符号化方式としては、現行のMDシステムでは、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)による畳み込み符号が用いられていたが、第1及び第2の次世代MDの仕様では、RS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)とBIS(Burst Indicator Subcode)とを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。このブロック完結型のエラー訂正符号を採用することにより、リンキングセクタが不要になる。LDCとBISとを組み合わせたエラー訂正方式では、バーストエラーが発生したときに、BISによりエラーロケーションが検出できる。このエラーロケーションを使って、LDCコードにより、イレージャ訂正を行うことができる。
アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブを形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブ方式が採用されている。このようなアドレス方式は、ADIP(Address in Pregroove)と呼ばれている。
ADIPの仕様については、現行のMDシステムと同様であるが、現行のMDシステムでは、2352バイトからなるセクタを記録再生のアクセス単位としているのに対して、第1及び第2の次世代MDの仕様では、64Kバイトを記録再生のアクセス単位(レコーディングブロック)としている。
また、現行のMDシステムでは、エラー訂正符号としてACIRCと呼ばれる畳み込み符号が用いられているのに対して、第1及び第2の次世代MDの仕様では、LDCとBISとを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。
そこで、現行のMDシステムのディスクを流用する第1の次世代MDの仕様では、ADIP信号の扱いを、現行のMDシステムのときとは異なるようにしている。また、第2の次世代MDでは、第2の次世代MDの仕様により合致するように、ADIP信号の仕様に変更を加えている。
変調方式については、現行のMDシステムでは、EFM(8 to 14 Modulation)が用いられているのに対して、第1及び第2の次世代MDの仕様では、RLL(1,7)PP(RLL;Run Length Limited ,PP;Parity Preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))(以下、1−7pp変調と称する)が採用されている。また、データの検出方式は、第1の次世代MDではパーシャルレスポンスPR(1,2,1)MLを用い、第2の次世代MDではパーシャルレスポンスPR(1,−1)MLを用いたビタビ復号方式とされている。
また、ディスク駆動方式はCLV(Constant Linear Velocity)で、その線速度は、第1の次世代MDの仕様では、2.7m/秒とされ、第2の次世代MDの仕様では、1.98m/秒とされる。なお、現行のMDシステムの仕様では、60分ディスクで1.2m/秒、74分ディスクで1.4m/秒とされている。
現行のMDシステムで用いられるディスクをそのまま流用する第1の次世代MDの仕様では、ディスク1枚当たりのデータ総記録容量は約300Mバイト(80分ディスクを用いた場合)になる。変調方式がEFM変調から1−7pp変調とされることで、ウィンドウマージンが0.5から0.666となり、この点で、1.33倍の高密度化が実現できる。
また、エラー訂正方式として、ACIRC方式からBISとLDCを組み合わせたものとしたことで、データ効率が上がり、この点で、1.48倍の高密度化が実現できる。総合的には、全く同様のディスクを使って、現行のMDシステムに比べて、約2倍のデータ容量が実現されたことになる。
これに対し磁気超解像を利用した第2の次世代MDの仕様のディスクでは、更に線密度方向の高密度化が図られ、データ総記録容量は、約1Gバイトになる。なお、データレートは第1の次世代MDでは4.4Mビット/秒であり、第2の次世代MDでは、9.8Mビット/秒である。
図2(A)は、第1の次世代MDのディスクの構成を示すものである。第1の次世代MDのディスクは、現行のMDシステムのディスクをそのまま流用したものである。すなわち、透明のポリカーボネート基板上に、誘電体膜と、磁性膜と、誘電体膜と、反射膜とを積層して構成される。さらに、その上に保護膜が積層される。
第1の次世代MDのディスクでは、この図2(A)に示すようにディスクの内周のリードイン領域に、P−TOC(プリマスタードTOC(Table Of Contents))領域が設けられる。ここは、物理的な構造としてはプリマスタード領域となり、エンボスピットによりコントロール情報等がP−TOC情報として記録されていることになる。
そして、このようにP−TOC領域が設けられるリードイン領域の外周は、レコーダブル領域(光磁気記録可能な領域)とされ、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域の内周には、U−TOC(ユーザTOC)が設けられる。
この場合のU−TOCは、現行のMDシステムでディスクの管理情報を記録するために用いられているU−TOCと同様の構成のものである。確認のために述べておくと、U−TOCは、現行のMDシステムにおいては、トラック(オーディオトラック/データトラック)の曲順、記録、消去などに応じて書き換えられる管理情報であり、各トラック(トラックを構成するパーツ)について、開始位置、終了位置や、モードを管理するものである。
また、U−TOCの外周には、アラートトラックが設けられる。アラートトラックは、このディスクが第1の次世代MD方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録された警告トラックである。
図2(B)は、第1の次世代MDの仕様のディスクのレコーダブル領域の構成を示すものである。この図2(B)からも明らかなように、レコーダブル領域の先頭(内周側)には、U−TOCおよびアラートトラックが設けられる。U−TOCおよびアラートトラックが含まれる領域は、現行のMDシステムのプレーヤでも再生できるように、EFMでデータが変調されて記録される。
そして、このEFM変調でデータが変調されて記録される領域の外周には、次世代MD1方式の1−7pp変調によりデータが変調されて記録される領域が設けられる。EFM変調によりデータが変調されて記録される領域と、1−7pp変調によりデータが変調されて記録される領域との間は所定の距離の間だけ離間されており、ガードバンドが設けられている。このようなガードバンドが設けられるため、現行のMDプレーヤに第1の次世代MDの仕様のディスクが装着されて、不具合が発生されることが防止される。
1−7pp変調によりデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT(Disc Description Table)領域と、セキュアトラックが設けられる。DDT領域には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理をするために設けられる。DDT領域には、さらに、ディスクIDが記録される。ディスクIDは、記録媒体毎に固有の識別コードであって、例えば所定に発生された乱数に基づく。
また、スクラッチパッドとしての領域や、SRB(Serial Recording Bitmap)と呼ばれる、記録したクラスタに対応したビットを「1」とするビットマップが記録される。セキュアトラックは、コンテンツの保護を図るための情報が格納される。
さらに、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT(File Allocation Table)領域が設けられる。このFAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。
FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。FATシステムは、ルートにあるファイルやディレクトリのエントリポイントを示すディレクトリと、FATクラスタの連結情報が記述されたFATテーブルとを用いて、FATチェーンによりファイル管理を行うものである。
このような第1の次世代MDの仕様のディスクにおいて、上述のU−TOC領域には、アラートトラックの開始位置の情報と、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域の開始位置の情報が記録されるものとなる。
ここで、現行のMDシステムのプレーヤに、上述の構成による第1の次世代MDのディスクが装着されると、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から、アラートトラックの位置が分かり、アラートトラックがアクセスされ、アラートトラックの再生が開始される。
アラートトラックには、このディスクが第1の次世代MD方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録されている。この警告音から、このディスクが現行のMDシステムのプレーヤでは使用できないことが通知される。なお、この場合の警告音としては、「このプレーヤでは使用できません」というような言語による警告とすることができる。勿論、ブザー音とするようにしても良い。
一方、第1の次世代MDに準拠したプレーヤに対し、第1の次世代MDのディスクが装着された場合、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から1−7pp変調でデータが記録された領域の開始位置が分かり、上述したDDT、セキュアトラック、FAT領域が読み取られる。上述のように1−7pp変調のデータの領域では、U−TOCではなくFATシステムによるデータ管理が行われる。
図3(A)は、第2の次世代MDのディスクの構成を示すものである。この場合もディスクは、透明のポリカーボネート基板上に誘電体膜、磁性膜、誘電体膜、反射膜、さらにその上層に保護膜を積層してなる。
そして、第2の次世代MDのディスクの場合では、図示するようにディスクの内周のリードイン領域には、ADIP信号により、コントロール情報が記録されるものとなる。
第2の次世代MDのディスクには、リードイン領域にはエンボスピットによるP−TOCは設けられておらず、その代わりに、ADIP信号によるコントロール情報が用いられる。リードイン領域の外周からレコーダブル領域が開始され、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域には、1−7pp変調方式によりデータが変調されて記録される。
あるディスクが第1の次世代MDであるか第2の次世代MDであるかは、リードインの情報から判断できる。すなわち、リードインにエンボスピットによるP−TOCが検出されれば、現行のMDまたは第1の次世代MDのディスクであると判断できる。リードインにADIP信号によるコントロール情報が検出され、エンボスピットによるP−TOCが検出されなければ、第2の次世代MDであると判断できる。
なお第1及び第2の次世代MDの判別は、このような方法に限定されるものではない。オントラックのときとオフトラックのときとのトラッキングエラー信号の位相から判別することも可能である。勿論、カートリッジ等にディスク識別用の検出孔等を設けるようにしても良い。
第2の次世代MDの仕様のディスクのレコーダブル領域の構成としては、図3(B)に示すように、全て1−7pp変調方式によりデータが変調されて記録される領域が形成される。そして、この1−7pp変調方式によりデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT領域及びセキュアトラックが設けられる。
この場合も上述のDDT領域には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理を行うための領域とされる。またDDT領域には、上述したディスクIDが記録される。また上述したスクラッチパッド領域やSRBが設けられる。さらにセキュアトラックには、この場合もコンテンツの保護を図るための情報が格納される。
また、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT領域も設けられる。FAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。
そして、このような第2の次世代MDのディスクにおいては、この図3(B)からも明らかなように、U−TOC領域は設けられていない。つまり第2の次世代MDのディスクについては、次世代MDに準拠したプレーヤのみでの使用が想定されているものである。
次世代MDに準拠したプレーヤでは、第2の次世代MDのディスクが装着されると、所定の位置にあるDDT領域、セキュアトラック及びFAT領域が読み取られ、FATシステムを使ってデータの管理が行われることになる。
FATシステムで管理され、図2(B)及び図3(B)のデータ領域に記録されるデータとしては、データファイル、トラックインフォメーションファイル(TIF)、鍵情報ファイル、MACリストファイルなどがある。
データファイルは、例えばオーディオデータやコンピュータユースのデータなどのデータファイルである。
またトラックインフォメーションファイル(TIF)は、オーディオデータファイルに納められた音楽データを管理するための各種の情報が記述されたファイルである。トラックインフォメーションファイルには、楽曲の再生順を示すプレイオーダテーブル、ユーザが指定した再生順を管理するプログラムドプレイオーダテーブル、楽曲のアルバム単位等のグループかを管理するグループインフォメーションテーブル、各トラック(楽曲)に関する情報が記述されるトラックインフォメーションテーブル、各トラックのパーツを管理するパーツインフォメーションテーブル、各トラックに付加される文字情報を管理するネームテーブルを有する。
さらに鍵情報ファイルは、暗号化方式における鍵のバージョン情報を示すデータが記述される。さらにMACリストファイルは、改竄チェックのためのMAC値が記述される。
(3)本実施の形態による記録再生装置の内部構成
図4に本実施の形態による記録再生装置1内部の全体構成について説明する。この図4において、記録再生装置1は、ミニディスク(MD)方式のディスク10を記録媒体として当該ディスク10に記録されているオーディオデータを再生し得るようになされている。
また本実施の形態による記録再生装置1は、オーディオ再生機器以外にも、外部機器(以下、パーソナルコンピュータとする)11とUSBケーブル12を介して接続することで、パーソナルコンピュータ11に対する外部ストレージ機器として機能し得るようになされている。
また、この記録再生装置1は、パーソナルコンピュータ11を介したり、或いは直接ネットワークと接続できる機能を搭載するなどしてネットワーク接続することで、音楽や各種データをダウンロードし、これをストレージ部13においてディスク10に保存できるものともなる。
すなわち本実施の形態による記録再生装置1は、パーソナルコンピュータ11等に接続することで汎用的なデータストレージ機器として利用でき、かつ単体でもオーディオ再生機器としても利用できる装置である。
なお以下においては、パーソナルコンピュータ11の被接続機器とされてデータ記録再生が行われる動作状態を「ストレージモード」、パーソナルコンピュータと接続されずに単体でオーディオ再生を行う動作状態を「オーディオモード」と呼ぶこととする。
この図4において、記録再生装置1内の本体部2は、主としてシステム全体を統括制御する部分であるフロントエンド部14と、オーディオデータのエンコード及びデコードを制御する部分であるバックエンド部15とを有し、フロントエンド部14及びバックエンド部15がそれぞれコマンドインターフェース16及びSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)インターフェース17を介して相互に接続されて構成されている。
フロントエンド部14は、メインCPU(Central Processing Unit)18、RAM(Random Access Memory)19、ROM(Read Only Memory)20、不揮発性RAM21及び暗号化/復号化部22がバス23を介して相互に接続されて構成されている。このフロントエンド部14において、メインCPU18は、USBインターフェース24を介して、外部のホスト機器として接続されたパーソナルコンピュータ11とUSBケーブル12で接続された際のデータ伝送のための処理を行う。
ROM20には、メインCPU18の動作プログラムや固定パラメータ等が記憶される。またRAM19は、メインCPU18によるワーク領域として用いられ、また各種必要な情報の格納領域とされる。例えばストレージ部13によってディスク10から読み出された各種管理情報や特殊情報、例えば上述したP−TOCデータ、U−TOCデータ、FATデータ等、楽曲トラックの管理情報については、キャッシュメモリ25に取り込まれ、ストレージモード時にはその後パーソナルコンピュータ11に転送されるが、メインCPU18は、それらの管理情報のうち、必要な情報をRAM19に取り込んで処理することが行われる。
バックエンド部15は、サブCPU26、RAM27、ROM28、アナログ音声出力部29、暗号化/復号化部30、PCM(Pulse Code Modulation)バッファ31がバス32を介して相互に接続されている。
このバックエンド部15において、サブCPU26は、フロントエンド部14におけるメインCPU18の制御の下で、ROM28から読み出した所定のエンコード/デコードプログラムに基づいて、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)方式によるオーディオデータの圧縮/伸長処理を実行するようになされている。
ROM28には、サブCPU26の動作プログラムや固定パラメータ等が記憶される。またRAM27は、サブCPU26によるワーク領域として用いられ、また各種必要な情報の格納領域とされる。例えばオーディオモード時には、ストレージ部13によってディスク10から読み出された各種管理情報や特殊情報などをSDRAMからなるキャッシュメモリ25を介して転送されるが、サブCPU26は、それらの管理情報のうち、必要な情報をRAM27に取り込んで処理することが行われる。
なお、もちろんのこと、本実施の形態の記録再生装置1としては、例えばMP3などの他のフォーマットによる圧縮オーディオデータが記録再生可能な構成を採ってもよく、この場合には、これらの圧縮オーディオデータのフォーマットに対応したエンコーダ/デコーダプログラムをROM19、28に格納しておけばよい。
フロントエンド部14及びバックエンド部15間を接続するSDRAMインターフェース17は、キャッシュメモリ25及び続くストレージ部13に順次接続されている。
キャッシュメモリ25は、例えばSDRAMより構成され、ストレージ部13に装填されたディスク10に書き込むデータ、或いはストレージ部13によってディスク10から読み出されたデータについてのバッファリングを行う。
ストレージ部13は、上述のように現行MDと、第1及び第2の次世代MDとに対応した記録再生手段であり、記録モード時には、キャッシュメモリ25から転送されるデータに対してEFM変調方式又は1−7pp変調方式で変調してディスク10に書き込む。またストレージ部13は、再生モード時には、ディスク10から読み出したデータをEFM復調方式又は1−7pp復調方式で復調してキャッシュメモリ25に転送する。
フロントエンド部14内のメインCPU18は、USBインターフェース24を介してパーソナルコンピュータ11からの書込み要求や読出し要求などの各種コマンドを受信し、このコマンドに応じてバックエンド部15内のサブCPU26及びストレージ部13を制御するなどの各種制御処理を実行する。
例えばメインCPU18は、パーソナルコンピュータ11から送信されるアドレス及びデータ長を指定したデータの書込み要求をUSBインターフェース24を介して受信すると、これに応じてUSBインターフェース24及びキャッシュメモリ25を制御することにより、その後パーソナルコンピュータ11から送信されるそのデータをUSBインターフェース24を介してキャッシュメモリ25に入力して一時記憶させる。そしてメインCPU18は、この後キャッシュメモリ25及びストレージ部13を制御することにより、このキャッシュメモリ25に一時記憶されたデータをストレージ部13に転送させてディスク10上の指定されたアドレス位置に書き込ませる。
またメインCPU18は、パーソナルコンピュータ11から送信されるアドレス及びデータ長を指定したデータの読出し要求をUSBインターフェース24を介して受信すると、これに応じてストレージ部13及びキャッシュメモリ25を制御することにより、指定されたデータをディスク10から読み出させてキャッシュメモリ25に転送させ、これを当該キャッシュメモリ25に一時記憶させる。そしてメインCPU18は、この後キャッシュメモリ25及びUSBインターフェース24を制御することにより、このキャッシュメモリ25に一時記憶されたデータをUSBインターフェース24を介してパーソナルコンピュータ11に送信させる。
さらにこの場合のフロントエンド部14内には、暗号化/復号化部22が設けられる。暗号化/復号化部22においては、例えばディスク10に記録すべきオーディオデータについて、所定のアルゴリズムによる暗号化処理を施すようにされる。また、例えばディスク10から読み出されたオーディオデータについて暗号化が施されている場合には、必要に応じて暗号解読のための復号処理を実行するようになされている。
フロントエンド部14を介した処理として、ディスク10にオーディオデータが記録されるのは、例えばUSBインターフェース24を介して外部機器であるパーソナルコンピュータ11から供給されるディジタルオーディオデータをダウンロードする場合である。
フロントエンド部14において、メインCPU18は、USBインターフェース24を介して入力されたリニアPCMディジタルオーディオデータに対して、バックエンド部15のサブCPU26を制御してATRAC圧縮エンコードさせた後にキャッシュメモリ25に蓄積する。そしてメインCPU18は、キャッシュメモリ25から所定タイミング(ADIPクラスタ相当のデータ単位)でATRAC圧縮データを読み出してストレージ部13に転送する。ストレージ部13では、転送されてくる圧縮データを所定の変調方式で変調してディスク10に書き込む。
バックエンド部15におけるサブCPU26は、例えば記録再生装置1が単体でオーディオ再生機器として機能する場合に再生データの入出力のための処理を行う。
さらにバックエンド部15は、出力系としてD/A(ディジタル/アナログ)コンバータ29A及びヘッドホンアンプ29Bからなるアナログ音声出力部29を有する。
そして、この場合のバックエンド部15内には、暗号化/復号化部30が設けられる。暗号化/復号化部30においては、例えばディスク10に記録すべきオーディオデータについて、所定のアルゴリズムによる暗号化処理を施すようにされる。また、例えばディスク10から読み出されたオーディオデータについて暗号化が施されている場合には、必要に応じて暗号解読のための復号処理を実行するようにもされている。
ディスク10からミニディスク方式のオーディオデータが再生される場合は、ストレージ部13は再生データをATRAC圧縮データ状態に復調してキャッシュメモリ25に転送する。そしてキャッシュメモリ25から読み出されてバックエンド部15に転送される。バックエンド部15は、供給されてくる圧縮オーディオデータに対してATRAC圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータとし、PCMバッファ31に一時的に記憶しながら、アナログ音声処理部29内のD/Aコンバータ29A及び続くヘッドホンアンプ29Bを介してアナログ音声信号としてヘッドホン出力を行う。
さらに本体部における本体側表示部4及び本体側操作部5と、リモートコントローラ3Cにおけるリモコン側表示部6及びリモコン側操作部7とは、本体部2のフロントエンド部14内のバス23にそれぞれ接続されている。
そして本体側表示部4及びリモコン側表示部6は、メインCPU18の制御に基づいて、ユーザに対して提示すべき各種情報の表示を行う。例えば動作状態、モード状態、楽曲等の名称などの文字データ、トラックナンバー、時間情報、その他の情報表示を行う。
また本実施の形態において、例えばディスク10が次世代ディスクである場合には、このディスク10に対し楽曲データに対応づけて画像データが記憶されていることが想定されているが、本体側表示部4及びリモコン側表示部6は、ディスク10のロード時や再生時等においてメインCPU18の制御に基づき、このように対応づけられた画像データの表示を行うようにすることも考えられる。
本体側操作部5及びリモコン側操作部7には、ユーザによる操作により、記録再生装置1に対する所要の動作指示を行う。メインCPU18は本体側操作部5及びリモコン側操作部7によって入力された操作情報に基づいて所定の制御処理を行う。
なお、これまでに説明した記録再生装置1の構成はあくまでも一例であり、例えばパーソナルコンピュータとの接続はUSBでなく、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の他の外部インターフェースが用いられても良い。
(4)ストレージ部13の構成
ここまで説明してきたような次世代ディスクに対応するために、図4に示す本実施の形態による記録再生装置1は、ストレージ部13として、図5に示す構成のストレージ部13を備えて、データの記録・再生を行うものとされる。
図5において、このストレージ部13では、装填されたディスク10をスピンドルモータ40によってCLV方式で回転駆動させる。そして、このディスク10に対しては記録/再生時に光学ヘッド41によってレーザ光が照射される。
なお、この場合、ディスク10としては、現行のMD仕様のディスクと、第1の次世代MDの仕様のディスクと、第2の次世代MDの仕様のディスクとが装着される可能性があることから、これらのディスクにより線速度が異なるものとなる。このため、スピンドルモータ40は、装填されたディスク10の別に応じた異なる線速度に対応して回転されることになる。
光学ヘッド41は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。
このため、光学ヘッド41には、図示は省略するがレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド41に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスク10に接離する方向に変位可能に保持されている。
また、ディスク10を挟んで光学ヘッド41と対向する位置には磁気ヘッド42が配置されている。磁気ヘッド42は記録データによって変調された磁界をディスク10に印加する動作を行う。
また、図示しないが光学ヘッド41全体及び磁気ヘッド42をディスク半径方向に移動させためスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。
光学ヘッド41および磁気ヘッド42は、第2の次世代MDのディスクの場合には、パルス駆動磁界変調を行うことで、微少なマークを形成することができる。現行MDのディスクや、第1の次世代MDのディスクの場合には、磁界変調方式とされる。
また、このストレージ部13では、光学ヘッド41、磁気ヘッド42による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ40によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。
記録処理系では、現行のMDシステムのディスク10の場合において、オーディオトラックの記録時に、ACIRCでエラー訂正符号化を行い、EFMで変調してデータを記録する部位と、第1又は第2の次世代MDの場合に、BISとLDCを組み合わせた方式でエラー訂正符号化を行い、1−7pp変調により変調して記録する部位が設けられる。
再生処理系では、現行のMDシステムのディスク10の再生時に、EFMの復調とACIRCによるエラー訂正処理と、第1又は第2の次世代MDシステムのディスク10の再生時に、パーシャルレスポンスおよびビタビ復号を用いたデータ検出に基づく1−7pp復調と、BISとLDCによるエラー訂正処理とを行う部位が設けられる。
また、現行のMDシステムや第1の次世代MDのADIP信号よるアドレスをデコードする部位と、第2の次世代MDのADIP信号をデコードする部位とが設けられる。
光学ヘッド41のディスク10に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ43に供給される。
RFアンプ43では入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスクにトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
現行のMDシステムのディスク10を再生するときには、RFアンプで得られた再生RF信号は、EFM復調部44およびACIRCデコーダ45で処理される。すなわち再生RF信号は、EFM復調部44で2値化されてEFM信号列とされた後、EFM復調され、更にACIRCデコーダ45で誤り訂正およびデインターリーブ処理される。つまりこの時点でATRAC圧縮データの状態となる。
そして現行のMDシステムのディスク10の再生時には、セレクタ46はB接点側が選択されており、その復調されたATRAC圧縮データがディスク10からの再生データとして出力される。
一方、第1又は第2の次世代MDのディスク10を再生するときには、RFアンプ43で得られた再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部47およびRS−LDCデコーダ48で処理される。
すなわち再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部47において、PR(1,2,1)MLまたはPR(1,−1)MLおよびビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。そして更にRS−LDCデコーダ48で誤り訂正、及びデインターリーブ処理される。
そして、第1又は第2の次世代MDのディスクの再生時には、セレクタ46はA接点側が選択されており、その復調されたデータがディスク10からの再生データとして出力される。
RFアンプ43から出力されるトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路49に供給され、グルーブ情報はADIP復調部50に供給される。
ADIP復調部50は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIP信号を復調する。
そして、このように復調された、ディスク10上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、図4に示されるフロントエンド部14内のメインCPU18に供給される。メインCPU18ではADIPアドレスに基づいて所要の制御処理を実行する。
またグルーブ情報はスピンドルサーボ制御のためにサーボ回路51に供給される。サーボ回路51は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路51は、スピンドルエラー信号や、RFアンプ53から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、あるいはメインCPU18からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ51に対して出力する。すなわち前記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ51では、サーボ回路49から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ49を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。
このようなサーボドライブ信号により、ディスク10に対するフォーカス制御、トラッキング制御、およびスピンドルモータ40に対するCLV制御が行われることになる。
現行のMDシステムのディスクでオーディオデータを記録するときには、セレクタ52がB接点に接続され、したがってACIRCエンコーダ53およびEFM変調部54が機能することになる。
この場合、記録データとして図4に示されるキャッシュメモリ25から供給される圧縮データは、ACIRCエンコーダ53でインターリーブおよびエラー訂正コード付加が行われた後、EFM変調部54でEFM変調が行われる。
そして、EFM変調データがセレクタ52を介して磁気ヘッドドライバ55に供給され、磁気ヘッド42がディスク10に対してEFM変調データに基づいた磁界印加を行うことでオーディオトラックの記録が行われる。
これに対し、第1の次世代MDまたは第2の次世代MD2ディスクにデータを記録する時には、セレクタ52がA接点に接続され、RS−LDCエンコーダ56およびRLL(1−7)PP変調部57が機能することになる。この場合、キャッシュメモリ25からの高密度データは、RS−LDCエンコーダ56でインターリーブおよびRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部57でRLL(1−7)変調が行われる。
そして、RLL(1−7)符号列としての記録データがセレクタ52を介して磁気ヘッドドライバ55に供給され、磁気ヘッド42がディスク10に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータトラックの記録が行われる。
レーザドライバ/APC58は、前記のような再生時および記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。
つまり、図示していないが、光学ヘッド41内にはレーザパワーモニタ用のディテクタが設けられ、そのモニタ信号がレーザドライバ/APC58にフィードバックされる。レーザドライバ/APC58は、モニタ信号として得られる現在のレーザパワーを、設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることで、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが、設定値で安定するように制御している。
なお、レーザパワーとしては、再生レーザパワー、記録レーザパワーとしての値がメインCPU18によって、レーザドライバ/APC58内部のレジスタにセットされる。
以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)は、図4に示されるフロントエンド部14内のメインCPU18からの指示に基づいて実行されるものとなる。
(5)本実施の形態による選択ホールド機能
本実施の形態による記録再生装置1では、本体側操作部5及びリモコン側操作部7の各キー群K1〜K8について、これら全てのキー群K1〜K8を操作無効な状態にさせるのみならず、ユーザが指定した所望のキーのみを操作無効な状態にさせる機能(以下、これを選択ホールド機能と呼ぶ)を必要に応じて設定し得るようになされている。
実際に、本体側操作部5及びリモコン側操作部7は、図6に示すように構成されている。これら本体側操作部5及びリモコン側操作部7では、それぞれ押圧式のスイッチでなるキー群K1〜K8が全て並列接続されており、当該各キーK1〜K8の一端が共通の負荷抵抗R1、R2を介して基準電圧源Vddに接続されると共にグランドGNDにも接続されている。また各キーK1〜K8は、各他端がメインCPU18の入力端を共通の接続端として、当該各他端同士が同一の抵抗値でなる負荷抵抗5R1〜5R7、7R1〜7R7を介して接続されている。
本体側操作部5及びリモコン側操作部7において、メインCPU18は、ロックスイッチSW1がオフ状態で、キー群K1〜K8のうちユーザによって所望のキーKi(i=1〜8)が押圧されると、基準電圧源Vddから負荷抵抗R1、R2を介して供給される電流が、当該押圧されたキーを介していくつかの負荷抵抗5Ri、7Ri(i=1〜8)を直列的に経てメインCPU18の入力端に流れ込む。
メインCPU18は、本体側操作部5又はリモコン側操作部7から供給される電流に基づいて、基準電圧源Vddと当該メインCPU18の入力端との電位差の差分を演算することにより、キー群K1〜K8のうちユーザがいずれのキーKi(i=1〜8)を押圧したのかを認識することができる。
例えばユーザがキー群K1〜K8のうち再生キーK3を押圧した場合、基準電圧源Vddから供給される電流は、当該再生キーK3を介して3個の負荷抵抗5R1〜5R3、7R1〜7R3を経てメインCPU18に流れ込むことにより、当該メインCPU18は、基準電圧源Vddと当該メインCPU18の入力端との電位差の差分を演算して、負荷抵抗が3個分であることを認識することができれば、ユーザが押圧したキーが再生キーK3であることを認識することができる。
これに対してメインCPU18は、ロックスイッチSW1がオン状態のとき、上述した選択ホールド機能を実行することにより、キー群K1〜K8のうちユーザによって予め指定されたキーKi(i=1〜8)のみを操作無効な状態に設定するようになされている。
ここで本実施の形態による選択ホールド機能の設定方法について、本体部2における本体側操作部5で設定する場合を説明する。この本体側操作部5において、電源オン状態でユーザがメニューキーK8を押圧すると、本体側表示部4の表示画面には、図7に示すようなメニュー画面P1が表示される。
このメニュー画面P1には、「操作設定」、「音質設定」、「再生設定」及び「録音設定」の4種類の設定内容を表す項目欄が表示される。この状態でユーザが本体側操作部5における早送りキーK4を押圧するごとに、「音質設定」→「再生設定」→「録音設定」→「操作設定」と順次繰り返す一方、本体側操作部5における巻戻しキーK2を押圧するごとに、「録音設定」→「再生設定」→「音質設定」→「操作設定」と順次繰り返すようになされている。そしてユーザが本体側操作部5における再生キーK3を押圧すると、現在指定されている設定内容が決定される。
ユーザが設定内容として「操作設定」の項目を指定したとき、本体側表示部4の表示画面には、当該「操作設定」の項目の下位層である「LOCK設定」、「XXX設定」、「YYY設定」及び「ZZZ設定」の4種類の設定内容を表す項目欄が表示される。
この状態でユーザが本体側操作部5における早送りキーK4を押圧するごとに、「XXX設定」→「YYY設定」→「ZZZ設定」→「LOCK設定」と順次繰り返す一方、本体側操作部5における巻戻しキーK2を押圧するごとに、「ZZZ設定」→「YYY設定」→「XXX設定」→「LOCK設定」と順次繰り返すようになされている。そしてユーザが本体側操作部5における再生キーK3を押圧すると、現在指定されている設定内容が決定される。
ユーザが設定内容として「LOCK設定」の項目を指定したとき、本体側表示部4の表示画面には、図8に示すような操作禁止対象選択画面P2が表示される。この操作禁止対象選択画面P2は、本体側操作部5のキー群K1〜K8のうち再生キーK3に対応する「PLAY」を表すチェックボックスCB1、停止キーK1に対応する「STOP」を表すチェックボックスCB2、早送りキーK4及び巻戻しキーK2に対応する「FF/FR」を表すチェックボックスCB3、音量プラスキーK7に対応する「VOLUME+」を表すチェックボックスCB4、音量マイナスキーK6に対応する「VOLUME−」を表すチェックボックスCB5が表示されている。
この状態でユーザが本体側操作部5における早送りキーK4を押圧するごとに、「STOP」→「FF/FR」→「VOLUME+」→「VOLUME−」→「PLAY」と順次繰り返す一方、本体側操作部5における巻戻しキーK2を押圧するごとに、「VOLUME−」→「VOLUME+」→「FF/FR」→「STOP」→「PLAY」と順次繰り返すようになされている。そしてユーザが本体側操作部5における再生キーK3を押圧すると、現在指定されているチェックボックスがトグルして設定又は非設定が切り換わる。
例えば図8に示す操作禁止対象選択画面P2において、ユーザが再生キーK3、早送りキーK4、巻戻しキーK2、音量プラスキーK7を操作が無効な状態に設定する一方、停止キーK1及び音量マイナスキーK6を操作が有効な状態に設定する場合、「PLAY」、「FF/FR」及び「VOLUME+」を表すチェックボックスCB1、CB3、CB4をオン状態(黒色)に設定する一方、「STOP」及び「VOLUME−」を表すチェックボックスCB2、CB4をオフ状態(無色)のままにすれば良い。
この後、ユーザがメニューキーK8を押圧することにより、操作禁止対象選択画面P2における各チェックボックスCB1〜CB5のオン状態又はオフ状態の設定内容が決定される。このとき本体部2内のメインCPU18は、図9に示すように、操作禁止対象選択画面P2の各チェックボックスCB1〜CB5に割り当てられたビット番号と、当該各チェックボックスCB1〜CB5のオン状態又はオフ状態を「1」又は「0」とした2値化状態との対応関係を表すテーブル(以下、これを禁止有効設定テーブルと呼ぶ)を作成してフロントエンド部14内の不揮発性メモリ21(図4)に格納する。
なお本実施の形態では本体部2の本体側操作部5について選択ホールド機能を設定するようにした場合について述べたが、リモートコントローラ3Cのリモコン側操作部7についても同様に選択ホールド機能を設定するようにしても良い。
(6)選択ホールド機能設定処理手順
実際に記録再生装置1では、ユーザの操作に応じて本体側操作部5のキー群K1〜K8のうちメニューキーK8が押圧されると、メインCPU18は、図10に示す選択ホールド機能設定処理手順RT1をステップSP1から開始し、続くステップSP2において、本体側表示部4の表示画面にメニュー画面P1(図7)を表示させる。
続いてメインCPU18は、ステップSP3に進んで、メニュー画面P1内で「操作設定」が選択されたか否かを判断し、肯定結果が得られた場合には、ステップSP4に進んで、操作禁止対象設定画面P2(図8)を表示した後、ステップSP5に進む。
このステップSP5において、メインCPU18は、操作禁止対象設定画面P2内でユーザの操作に応じてチェックボックスがトグルされたか否かを判断して、肯定結果が得られた場合には、ステップSP6に進んで、当該チェックボックスについて、オン状態又はオフ状態に応じて黒色又は無色に表示した後、ステップSP7に進む。一方、ステップSP5において否定結果が得られた場合には、チェックボックスが何らトグルされていないことを意味し、このときメインCPU18は、そのままステップSP7に進む。
このステップSP7において、メインCPU18は、ユーザによりメニューキーK8が押圧されたか否かを判断し、肯定結果が得られるまで、再度ステップSP5に戻って、チェックボックスがトグルされるのを待ちながらステップSP5−SP6−SP7を順次繰り返す。
かかるステップSP7において肯定結果が得られると、このことは操作禁止対象設定画面P2における各チェックボックスのオン状態又はオフ状態の設定内容が決定されたことを意味し、このときメインCPU18は、禁止有効設定テーブルを作成した後に不揮発性メモリ21に格納した後、そのままステップSP9に進んで、当該選択ホールド機能設定処理手順RT1を終了する。
これに対して上述のステップSP3において否定結果が得られると、このことはメニュー画面P1内で「操作設定」が選択されなかったことを意味し、このときメインCPU18は、ステップSP10に進んで、メニュー画面P1内で「音質設定」が選択されたか否かを判断する。
このステップSP10において肯定結果が得られた場合には、メインCPU18は、ステップSP11に進んで、所定の音質設定画面(図示せず)を表示させた後、そのままステップSP9に進んで、当該選択ホールド機能設定処理手順RT1を終了する。
一方、ステップSP10において否定結果が得られた場合には、このことはメニュー画面P1内で「音質設定」が選択されなかったことを意味し、このときメインCPU18は、ステップSP12に進んで、メニュー画面P1内で「再生設定」が選択されたか否かを判断する。
このステップSP12において肯定結果が得られた場合には、メインCPU18は、ステップSP13に進んで、所定の再生設定画面(図示せず)を表示させた後、そのままステップSP9に進んで、当該選択ホールド機能設定処理手順RT1を終了する。
一方、ステップSP12において否定結果が得られた場合には、このことはメニュー画面P1内で「再生設定」が選択されなかったことを意味し、このときメインCPU18は、ステップSP14に進んで、メニュー画面P1内で「録音設定」が選択されたか否かを判断する。
このステップSP14において肯定結果が得られた場合には、メインCPU18は、ステップSP15に進んで、所定の録音設定画面(図示せず)を表示させた後、そのままステップSP9に進んで、当該選択ホールド機能設定処理手順RT1を終了する。
このように記録再生装置1では、通常のホールド機能を実行させた場合には本体側操作部5のキー群K1〜K8の全てが操作無効な状態になるが、選択ホールド機能を実行させる場合には、本体側操作部5のキー群K1〜K8のうちユーザが操作無効な状態にするか操作有効な状態にするかを各キーごとに設定することができる。
なお本実施の形態では本体部2の本体側操作部5について選択ホールド機能を設定するようにした場合について述べたが、リモートコントローラ3Cのリモコン側操作部7についても同様に選択ホールド機能を設定するようにしても良い。
(7)選択ホールド機能実行処理手順
実際に記録再生装置1では、ユーザの操作に応じて装填されたディスク10の再生動作が開始されると、メインCPU18は、図11に示す選択ホールド機能実行処理手順RT2をステップSP20から開始し、続くステップSP21において、ユーザによって本体側操作部5及びリモコン側操作部7の一方又は双方のロックスイッチSW1がオン状態にされたか否かによって選択ホールド機能が実行されているかを判断する。
このステップSP21において否定結果が得られると、メインCPU18は、ステップSP22に進んで、再生動作時にユーザによって本体側操作部5又はリモコン側操作部7における任意のキーが押圧されたときに、当該押圧されたキーの操作内容を解析した後、ステップSP23に進んで、当該キーの操作内容を実行する。やがてメインCPU18は、そのままステップSP24に進んで、当該選択ホールド機能実行処理手順RT2を終了する。
これに対してステップSP21において肯定結果が得られると、このことは選択ホールド機能が実行されていること意味し、このときメインCPU18は、ステップSP25に進んで、再生動作時にユーザによって本体側操作部5又はリモコン側操作部7における任意のキーが押圧されたときに、当該押圧されたキーが操作禁止対象であるか否かを判断する。
このステップSP25において否定結果が得られた場合には、当該押圧されたキーが操作有効な状態であることを意味し、このときメインCPU18は、ステップSP22に進んで、押圧されたキーの操作内容を解析した後、スピーカ23に進んで、当該キーの操作内容を実行し、そのままステップSP24に進んで、当該選択ホールド機能実行処理手順RT2を終了する。
一方、ステップSP25において肯定結果が得られた場合、このことはユーザによって押圧された任意のキーが操作禁止対象であることを意味し、このときメインCPU18は、ステップSP26に進んで、本体側表示部4の表示画面に「選択ホールド中」である旨を表示させた後、ステップSP24に進んで、当該選択ホールド機能実行処理手順RT2を終了する。
このように記録再生装置1では、選択ホールド機能を実行させた場合であっても、操作禁止対象となるキーのみ操作無効な状態に設定することができる一方、操作禁止対象とならないキーについては操作有効な状態に設定することができる。
(8)本実施の形態による動作及び効果
以上の構成において、この記録再生装置1では、本体部2及びリモートコントローラ3Cの一方又は双方について、対応する本体側操作部5やリモコン側操作部7をユーザが操作することにより、当該本体側操作部5やリモコン側操作部7のキー群K1〜K8に対してそれぞれ操作禁止対象とするか否かをユーザの選択に応じて予め設定しておく。
そして記録再生装置1は、ユーザの操作に応じて本体部2及びリモートコントローラ3Cの一方又は双方で選択ホールド機能を実行すると、ユーザにより操作禁止対象として設定されたキーについては操作無効な状態にする一方、それ以外のキーについては操作有効な状態にする。
この後、記録再生装置1は、本体側操作部5やリモコン側操作部7の各キー群K1〜K8のうちユーザにより任意のキーが押圧されたとき、当該キーが操作禁止対象であるか否かを判断して、操作禁止対象の場合には操作無効である旨を表示する一方、操作禁止対象でない場合には当該キーの操作内容を実行する。
従って記録再生装置1が再生動作時に、ユーザが急に再生動作を停止させたい場合や音量レベルを下げたい場合が生じたとき、停止キーや音量マイナスキーについて操作禁止対象でないように予め設定しておけば、選択ホールド機能を実行中であっても、当該設定しておいたキーについてのみ瞬時に操作を行うことができる。
この結果、この記録再生装置1では、従来のような全てのキーが操作無効な状態となるホールド機能を実行する場合と異なり、ユーザがスライド式のロックスイッチSW1を解除した後でなければ所望の操作を実行することができないという煩雑さを未然に回避することができる。
以上の構成によれば、この記録再生装置1において、本体部2及びリモートコントローラ3Cの一方又は双方について、対応する本体側操作部5やリモコン側操作部7のキー群K1〜K8に対してそれぞれ操作禁止対象とするか否かをユーザの選択に応じて予め設定しておき、選択ホールド機能の実行時に、ユーザによって押圧されたキーが操作禁止対象であるか否かを判断して、操作禁止対象の場合にのみ操作無効な状態にするようにしたことにより、例えば再生動作時に緊急に停止させたい場合や音量を下げたい場合が生じても瞬時に対応する操作を行うことができ、かくしてユーザの使い勝手を格段と向上し得る記録再生装置1を実現できる。
(9)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を、現行のMDや第1及び第2の次世代MDを記録媒体とする記録再生装置1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他のディスクメディアやテープ状記録媒体を記録媒体とする記録再生装置にも適用することができ、要は、外部入力による各種の操作内容に応じた処理を実行する情報処理装置であれば、光磁気ディスクの記録再生装置のみならず、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録及び又は再生装置や、CD(Compact Disk)等の光ディスクの記録及び又は再生装置やビデオカメラ、携帯電話機など、この他種々の構成の情報処理装置に広く適用することができる。
特に本実施の形態における記録再生装置1では、パーソナルコンピュータからUSBインターフェース24を介してダウンロードしたオーディオデータを現行のMDや第1及び第2の次世代MDに記録する記録機能と、当該MDからオーディオデータを再生する再生機能を有するものについて述べたが、これ以外にも、当該記録機能にマイクロホン(図示せず)や外部入力端子を介して音楽等を録音する機能を加えた記録再生装置(図示せず)や、単に再生機能のみ有する再生装置(図示せず)にも本発明を適用することができる。
かかる本実施の形態による記録再生装置1では、フロントエンド部14におけるUSBインターフェース24を介してパーソナルコンピュータから暗号化されたリニアPCMディジタルオーディオデータを復号化処理した後に、バックエンド部15においてATRAC圧縮エンコードしてからキャッシュメモリ25に蓄積するようにしたが、これ以外にも上述の録音機能を有する記録再生装置(図示せず)では、外部機器から入力端子を介して入力された暗号化されたATRAC圧縮オーディオデータを復号化した後にキャッシュメモリ25に蓄積するようにしても良い。さらには暗号化されたATRAC圧縮オーディオデータを復号化することなくそのままキャッシュメモリ25に蓄積しておき、再生時やパーソナルコンピュータへのアップロード時に復号化処理するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、キャッシュメモリ25に一時記憶したデータをディスク10に記録再生する記録再生手段としてのストレージ部12を図5のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、本発明が適用される記録再生装置に適用される記録媒体の種類に応じて、この他種々の構成を広く適用することができる。
さらに上述の本実施の形態においては、それぞれ所定の操作内容が割り当てられた複数のキー(操作子)K1〜K8と、当該各キー(操作子)K1〜K8からの入力を無効にするためのロックスイッチ(設定スイッチ)SW1とからなる入力手段として、本体部2の場合には本体側操作部5を適用し、リモートコントローラ3Cの場合にはリモコン側操作部7を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成の入力手段を広く適用することができる。
さらに上述の本実施の形態においては、複数のキー(操作子)K1〜K8のうち指定された各キー(操作子)Ki(i=1〜8)を操作禁止対象として設定する設定手段として、本体部2内のメインCPU18を主として適用し、さらに本体部2の場合には本体側操作部5及び本体側表示部4を用い、リモートコントローラ3Cの場合にはリモコン側操作部7及びリモコン側表示部6を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、複数のキー(操作子)K1〜K8の中からユーザが所望するキーを操作禁止対象とすることができれば、この他種々の構成からなる設定手段を広く適用することができる。
かかる本実施の形態の場合、複数のキー(操作子)K1〜K8のうち少なくとも2以上のキー(操作子)と、当該各キー(操作子)からの入力内容を表示するための本体側表示部4又はリモコン側表示部6(表示手段)とを有し、メイン画面P1表示開始時(設定開始時)に、該当する各キー(操作子)に割り当てられている操作内容を切り換えると共に、複数のキー(操作子)K1〜K8をそれぞれ表すチェックボックス(マーク)CB1〜CB5を所定の配列状態で表示させた後、各キー(操作子)からの入力に応じて指定されたチェックボックス(マーク)に対応するキー(操作子)を操作無効対象として設定することにより、各キー(操作子)の操作内容を通常の使用時と操作設定時とで兼用させた分だけ、新たに設定内容を入力するための手段を設ける必要がなくて済み、装置全体としての構成を簡易にすることができる。
さらに本実施の形態においては、主としてメインCPU18からなる設定手段による禁止有効設定テーブル(設定内容)を記憶する記憶手段として、本体部2内の不揮発性メモリ21を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成の記憶手段を広く適用することができる。
さらに本実施の形態においては、ロックスイッチ(設定スイッチ)SW1がオン状態で、かつ複数のキー(操作子)K1〜K8のうち任意のキー(操作子)Ki(i=1〜8)からの入力があったとき、不揮発性メモリ(記憶手段)21から禁止有効設定テーブル(設定内容)を読み出して、当該キー(操作子)が操作禁止対象であるか否かを判断する判断手段として、本体部2内のメインCPU18を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、複数のキー(操作子)K1〜K8とこれらの操作禁止対象として選択されたかの対応関係を判断することができれば、この他種々の構成からなる判断手段を広く適用することができる。
さらに本実施の形態においては、メインCPU(判断手段)18による判断結果に基づいて、操作されたキー(操作子)が操作禁止対象である場合には当該キー(操作子)からの入力を無効にする一方、操作されたキー(操作子)が操作禁止対象でない場合には当該キー(操作子)からの入力を有効にする制御手段として、本体部2内のメインCPU18を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、選択ホールド機能時(設定スイッチのオン状態)にユーザが予め操作禁止対象として設定しておいたキーからの入力を無効にすることができれば、この他種々の構成からなる制御手段を広く適用することができる。
この場合、メインCPU(制御手段)18は、ユーザによって押圧されたキーが操作禁止対象であると判断したとき、図11のステップSP26のように、操作無効である旨を例えば「選択ホールド中」のように表示させるようにしたが、本発明はこれに限らず、何ら操作無効である旨を表示しない無反応状態のままでも良く、さらにはヘッドホン3Aからビープ(BEEP)音を放音させるようにしても良い。
1……記録再生装置、2……本体部、3……ヘッドホン部、3A……ヘッドホン、3B……コード、3C……リモートコントローラ、4……本体側表示部、5……本体側操作部、6……リモコン側表示部、7……リモコン側操作部、10……ディスク、13……ストレージ部、18……メインCPU、21……不揮発性RAM、25……キャッシュメモリ、K1〜K8……キー群、SW1……ロックスイッチ、R1、R2、5R1〜5R7、7R1〜7R7……負荷抵抗、P1……メニュー画面、P2……操作禁止対象選択画面、RT1……選択ホールド機能設定処理手順、RT2……選択ホールド機能実行処理手順。