1.ディスクの概要
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用できるMDのディスク100の構成を示すものである。MDのディスク100は、カートリッジに収納された直径64mmの光磁気ディスクである。ディスク100の厚みは1.2mmであり、その中央に11mmの径のセンターホールが設けられている。カートリッジの形状は、長さ68mm、幅72mm、厚さ5mmである。
MDのディスク100は、透明のポリカーボネート基板上に、誘電体膜と、磁性膜と、誘電体膜と、反射膜とを積層して構成される。更に、その上に、保護膜が積層される。図1に示すように、ディスク100の内周に、リードイン領域101が設けられる。リードイン領域101は、物理的な構造としては、プリマスタード領域となっている。リードイン領域101に、P−TOC(プリマスタードTOC(Table Of Contents))領域が設けられる。P−TOCには、エンボスピットにより、コントロール情報等が記録されている。P−TOC領域が設けられるリードイン領域101の外周は、レコーダブル領域(光磁気記録可能な領域)102とされ、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。レコーダブル領域102の外周に、リードアウト領域103が設けられる。
後に説明するように、レコーダブル領域102の内周には、U−TOC(ユーザTOC(Table Of Contents))と呼ばれる音楽データの管理領域が設けられることになる。新品のディスクには、図2に示すように、U−TOCは形成されていない。図2に示すように、レコーダブル領域102にU−TOC領域が設けられていないディスク100aを、以下、「未使用ディスク」と呼ぶことにする。
2.既存MDの仕様
図3は、このMDのディスクに、既存のMDシステムでデータを記録したときのレコーダブル領域のデータ構成を示すものである。既存のMDシステムでは、MDのディスク100のレコーダブル領域102に、圧縮されたオーディオデータM1、M2、M3、…が記録される。なお、音楽データM1、M2、M3、…は物理的に連続的に記録する必要はなく、複数のパーツに渡って記録されていても良い。オーディオデータの圧縮方式として、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)が用いられている。ATRACは、所定の時間窓で取り込まれたオーディオデータを、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform )を用いて圧縮符号化するものである。ATRACにより、音楽データは1/5〜1/10に圧縮される。
また、エラー訂正方式として、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)と呼ばれる畳み込み符号が用いられ、変調方式には、EFM(8 to 14 Modulation)が用いられている。ACIRCは、C1系列(垂直方向)とななめ方向(C2系列)とに二重にエラー訂正符号化を行う畳み込み符号であり、オーディオデータのようなシーケンシャルなデータに対しては、強力なエラー訂正処理が行える。ACIRC方式やEFMは、基本的には、既存のコンパクトディスク(CD)と同様なものが採用されている。
また、音楽データの管理には、U−TOC(ユーザTOC(Table Of Contents))が用いられている。すなわち、図3に示すように、ディスクのレコーダブル領域の内周には、U−TOC領域105が設けられる。U−TOC領域105には、管理情報が記録される。
U−TOCの情報はセクタ単位になっており、セクタ0〜セクタ4の情報が使われている。U−TOCセクタ0には、基本情報と、各曲のスタートアドレス及びエンドアドレスが記録される。また、U−TOCセクタ1には、ディスクネームやトラックネームの文字列情報をASCIIコード、半角カタカナコードで記録することができる。U−TOCセクタ2には、ディスクと各曲の録音年月日時分秒が記録できる。U−TOCセクタ4には、ディスクと各曲のタイトル、アーチスト名をMusic Shift JISコード、ASCIIコードで記録できる。U−TOCセクタ0は必須であり、その他はオプションである。
図4は、U−TOCセクタ0の構成を示すものである。図4に示すように、U−TOCセクタ0には、先頭に所定のビットパターンのヘッダが設けられる。続いて所定アドレス位置に、最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(LAST TNO)、セクタ使用状況(Used Sectors)、ディスクID(Disc ID)等が記録される。
更に、ユーザが録音を行なって記録されている楽曲の領域やフリーエリア領域等の情報を指し示す各種のテーブルポインタが記録される。このテーブルポインタにより指し示されるポジションに、対応するパーツの起点となるスタートアドレスと、終端となるエンドアドレスと、そのモード情報(トラックモード)が記録されている。トラックのモード情報とは、そのトラックが例えばオーバーライト禁止やデータ複写禁止、消去禁止に設定されているか否かの情報や、オーディオ情報か否か、モノラル/ステレオの種別等が記録されている。更に、各パーツテーブルで示されるパーツが他のパーツへ続いて連結される場合があるため、その連結されるパーツのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルのポジションを指し示すリンク情報が記録される。
テーブルポインタP−DFAは、ディスク上に欠陥領域がある場合に、その欠陥領域の先頭のパーツテーブルのポジションを指し示すポインタである。つまり、欠陥パーツが存在する場合は、テーブルポインタP−DFAにおいて指し示されるポジションのパーツテーブルに、欠陥が存在する部分のスタート及びエンドアドレスが示される。また、他にも欠陥パーツが存在する場合、そのパーツテーブルのポジションがリンク情報により指し示される。他の欠陥パーツがない場合には、リンク情報は例えば(00h)とされ、以降リンクなしとされる。
テーブルポインタP−EMPTYは、未使用パーツテーブルの先頭のパーツテーブルのポジションを指し示すポインタである。テーブルポインタP−EMPTYによって指定されたパーツテーブルに、未使用領域の部分のスタート及びエンドアドレスが示される。更に、未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、リンク情報によって、順次パーツテーブルのポジションが指定される。他の未使用領域がない場合には、リンク情報は例えば(00h)とされ、以降リンクなしとされる。
テーブルポインタP−FRAは、書込可能なフリーエリア(消去領域を含む)の先頭のパーツテーブルのポジションを指し示すポインタである。このようなパーツが複数個あり、つまりパーツテーブルが複数個なる場合には、リンク情報により、順次パーツテーブルが指定される。他のフリーエリアがない場合には、リンク情報は例えば(00h)とされ、以降リンクなしとされる。
テーブルポインタP−TNO1〜P−TNO255は、ユーザが記録した各楽曲についての先頭のパーツテーブルのポジションを指し示すポインタである。すなわち、テーブルポインタP−TNO1は、1曲目とされた楽曲のデータのスタート及びエンドアドレスが記録されたパーツテーブルのポジションが指し示され、テーブルポインタP−TNO2は、2曲目とされた楽曲のデータのスタート及びエンドアドレスが記録されたパーツテーブルのポジションが指し示され、テーブルポインタP−TNO3は、3曲目とされた楽曲のデータのスタート及びエンドアドレスが記録されたパーツテーブルのポジションが指し示される。また、1つの楽曲のデータは、物理的に不連続に、即ち複数のパーツに渡って記録されていても良い。1つの楽曲が複数のパーツに分割されて記録されている場合には、リンク情報により、順次パーツテーブルのポジションが指し示される。他のパーツテーブルに楽曲が続いていない場合には、リンク情報は例えば(00h)とされ、以降リンクなしとされる。
以上のように、MDのディスク100を、既存のMDシステムのディスクとして用いると、図3にしたように、音楽データM1、M2、M3、…がレコーダブル領域102に記録される。そして、各音楽データM1、M2、M3、…がU−TOCにより管理される。このように、レコーダブル領域102に音楽データM1、M2、M3、…が記録され、この音楽データM1、M2、M3、…がU−TOC領域102のデータにより管理されているようなディスク100bを、以下、「既存MDディスク」と称することにする。
図2に示したように、U−TOC領域102は、未使用ディスク100aには設けられていない。ディスク100に音楽データM1、M2、M3、…を書き込み、ディスクが排出されるときに、U−TOC領域102が形成され、U−TOC領域102に、記録データに応じて、U−TOCデータが記録される。
既存MDディスク100bのデータの削除は、U−TOCを書き換えることにより行える。ディスク100bに記録されていたデータを全て削除すると、図5に示すように、「データ無し」のU−TOCデータが記録される。このように、「データ無し」のU−TOCデータが記録されたディスク100cを、以下、「ブランクディスク」と称することにする。
3.次世代MDの仕様
次に、次世代MDシステムについて説明する。図6は、次世代MDディスク100dの構成を示すものである。図6(A)に示すように、レコーダブル領域102の先頭(内周側)には、U−TOC領域105が設けられる。そして、レコーダブル領域102には、アラートトラック106と、FAT領域トラック107とが記録される。
アラートトラック106には、警告音が記録される。既存のMDシステムのプレーヤで次世代MDディスク100dが再生されると、まず、アラートトラック106が再生される。この警告音から、既存のMDシステムのプレーヤでは再生できないことが示される。アラートトラック106は重要なトラックであり、アラートトラック106が消されてしまうと、次世代MDディスク100dが既存MDシステムで再生されてしまう可能性がある。このため、アラートトラック106は、消去禁止のトラックとされている。すなわち、U−TOCのアラートトラックの記録モードが消去禁止になっている。
FAT領域トラック107は、次世代MDのシステムで、データを記録するのに用いる領域である。次世代MDでは、このFAT領域トラック107に、FATシステムのファイルとして管理されてデータが記録される。また、音楽データの管理には、FATシステム上のアプリケーションが使われる。なお、FAT領域トラック107は、既存のMDシステムで音楽データが記録されるトラックとは本質的に異なるが、U−TOC上では1つのトラックとして管理されているので、ここでは、トラックと称することにする。
レコーダブル領域102のうち、U−TOC領域105およびアラートトラック106が含まれる領域は、既存のMDシステムのプレーヤでも再生できるように、EFMでデータが変調されて記録される。これに対して、FAT領域トラック107は、1−7pp変調でデータが変調されている。レコーダブル領域102のうち、EFM変調でデータが変調されて記録される領域と、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域との間には、ガードバンド108が設けられる。
次世代MDの仕様のディスクにおいては、U−TOC領域105には、アラートトラック106のスタートアドレスおよびエンドアドレスと、FAT領域トラック107のスタートアドレスおよびエンドアドレスが記録される。FAT領域トラック107のエンドアドレスは、ディスクの終端になっている。そして、アラートトラック106のモードは、消去禁止となっている。したがって、U−TOCのデータからは、トラック数が2つあり、最初のトラック(アラートトラック106に相当する)の記録モードが消去禁止で、次のトラック(FAT領域トラック107に相当する)のエンドアドレスがディスクの終端に相当する場合には、「次世代MDディスク」であると判断できる。
FAT領域トラック107の先頭(内周側)には、図6(B)に示すように、DDT(Disc Description Table)領域111と、リザーブトラック112が設けられる。DDT領域111には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理をするために設けられる。DDT領域111には、さらに、ユニークID(UID)が記録される。UIDは、記録媒体毎に固有の識別コードであって、例えば所定に発生された乱数に基づく。セキュアトラックは、コンテンツの保護を図るための情報が格納される。
更に、FAT領域トラック107には、FAT(File Allocation Table)管理領域113が設けられる。FAT管理領域113は、FATシステムでデータを管理するための領域である。FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。FATシステムは、ルートにあるファイルやディレクトリのエントリポイントを示すディレクトリと、FATクラスタの連結情報が記述されたFATテーブルとを用いて、FATチェーンによりファイル管理を行うものである。
既存のMDシステムでは、エラー訂正方式として、畳み込み符号であるACIRCが用いられており、サブコードブロックのデータ量に対応する2352バイトからなるセクタを記録再生のアクセス単位としている。畳み込み符号の場合には、エラー訂正符号化系列が複数のセクタに跨るため、データを書き換える際には、隣接するセクタ間に、リンキングセクタを用意する必要がある。アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブを形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブ方式であるADIPが使われている。既存のMDシステムでは、2352バイトからなるセクタをアクセスするのに最適なように、ADIP信号が配列されている。
これに対して、次世代MDのシステムの仕様では、RS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)とBIS(Burst Indicator Subcode)とを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられ、64Kバイトを記録再生のアクセス単位としている。ブロック完結型の符号では、リンキングセクタは不要である。次世代MDのシステムでは、1つのADIPクラスタに、2つのレコーディングブロック(64Kバイト)のデータを配置するようにしている
現行のMDシステムで用いられるディスクをそのまま流用する次世代MDの仕様では、ディスク1枚当たりのデータ総記録容量は約300Mバイト(80分ディスクを用いた場合)になる。変調方式がEFMから1−7pp変調とされることで、ウィンドウバージンが0.5から0.666となり、この点で、1.33倍の高密度化が実現できる。また、エラー訂正方式として、ACIRC方式からBISとLDCを組み合わせたものとしたことで、データ効率が上がり、この点で、1.48倍の高密度化が実現できる。総合的には、全く同様のディスクを使って、現行のMDシステムに比べて、約2倍のデータ容量が実現されたことになる。
以上のように、次世代MDシステムの仕様でデータを記録すると、図6(A)に示すように、レコーダブル領域102に、アラートトラック106が記録され、FAT領域トラック107が確保される。このように、レコーダブル領域102に、アラートトラック106が記録され、FAT領域トラック107が確保されたディスク100dを、以下、「次世代MDディスク」と称することにする。
次世代MDディスク100dの場合には、U−TOCは、アラートトラック106とFAT領域トラック107とを管理している。このアラートトラック106とFAT領域トラック107の位置は決まっている。したがって、音楽データを書き換えても,U−TOCのデータは変更する必要はない。FAT領域トラック107内のデータが書き換えられると、これに応じて、FATテーブル112が書き換えられる。
なお、次世代MDシステムで、音楽データを記録する場合のアプリケーションとしては、図7および図8に示すように、トラックインデックスファイル(TIF)131と、オーディオデータファイル132とを用いることが提案されている。トラックインデックスファイル131およびオーディオデータファイル132は、FATシステムで管理されるファイルである。
オーディオデータファイル132は、複数の音楽データが1つのファイルとして納められたものであり、FATシステムでオーディオデータファイル112を見ると、巨大なファイルに見える。図8に示すように、オーディオデータファイル112は、その内部がパーツとして区切られ、オーディオデータは、パーツの集合として扱われる。
トラックインデックスファイル131は、オーディオデータファイル132に納められた音楽データを管理するための各種の情報が記述されたファイルである。図8に示すように、トラックインデックスファイル131は、プレイオーダテーブル121と、トラックインフォメーションテーブル122と、パーツインフォメーションテーブル123と、ネームテーブル124とを含む。
ファイルオーダテーブル121は、デフォルトで定義された再生順序を示すテーブルである。ファイルオーダテーブル121は、各トラックナンバ(曲番)についてのトラックインフォメーションテーブルのトラックデスクリプタへのリンク先を示す情報が格納されている。
トラックインフォメーションテーブル122は、各トラック毎(各曲毎)のトラックデスクリプタからなる。各トラックデスクリプタには、符号化方式、著作権管理情報、コンテンツの鍵情報、その楽曲が開始するエントリとなるパーツナンバへのポインタ情報、アーチストネーム、タイトルネーム、元曲順情報、録音時間情報等が記述されている。
パーツインフォメーションテーブル123は、パーツナンバから実際の楽曲の位置をアクセスするポインタが記述されている。パーツインフォメーションテーブル123は、各パーツ毎のパーツデスクリプタからなる。パーツデスクリプタのエントリは、トラックインフォメーションテーブル122により指し示される。各パーツデスクリプタは、オーディオデータファイル上のそのパーツの先頭のアドレスと、そのパーツの終了のアドレスと、そのパーツに続くパーツへのリンク先とが記述される。
ネームテーブル124は、ネームの実体となる文字を表すためのテーブルである。ネームテーブル124は、複数のネームスロットからなる。各ネームスロットは、ネームを示す各ポインタからリンクされて呼び出される。
4.記録再生装置の構成
次に、図9、図10により、既存MDの仕様のディスクと次世代MDの仕様のディスクとに対応する記録再生装置の構成を説明する。
図9には、ディスクドライブ装置1が、例えばパーソナルコンピュータ60と接続可能なものとして示している。ディスクドライブ装置1は、メディアドライブ部2、メモリ転送コントローラ3、クラスタバッファメモリ4、補助メモリ5、USB(Universal Serial Bus)インターフェース6、8、USBハブ7、システムコントローラ9、オーディオ処理部10を備えている。
メディアドライブ部2は、装填されたディスク100に対する記録/再生を行う。ディスク100は、未使用ディスク100a、既存MDディスク100b、ブランクディスク100c、または次世代MDディスク100dである。
メモリ転送コントローラ3は、メディアドライブ部2からの再生データやメディアドライブ部2に供給する記録データについての受け渡しの制御を行う。
クラスタバッファメモリ4は、メモリ転送コントローラ3の制御に基づいて、
メディアドライブ部2によってディスク100のデータトラックからレコーディングブロック単位で読み出されたデータのバッファリングを行う。
補助メモリ5は、メモリ転送コントローラ3の制御に基づいて、メディアドライブ部2によってディスク100から読み出された各種管理情報や特殊情報を記憶する。
システムコントローラ9は、ディスクドライブ装置1内の全体の制御を行うと共に、接続されたパーソナルコンピュータ60との間の通信制御を行う。すなわち、システムコントローラ9は、USBインターフェース8、USBハブ7を介して接続されたパーソナルコンピュータ60との間で通信可能とされ、書込要求、読出要求等のコマンドの受信やステイタス情報その他の必要情報の送信などを行う。
メモリ転送コントローラ3は、例えばディスク100がメディアドライブ部2に装填されることに応じて、ディスク100からの管理情報等の読出をメディアドライブ部2に指示し、読み出した管理情報等を補助メモリ5に格納させる。
パーソナルコンピュータ60からのあるFATセクタの読出要求があった場合は、システムコントローラ9はメディアドライブ部2に、そのFATセクタを含むレコーディングブロックの読み出しを実行させる。読み出されたレコーディングブロックのデータはメモリ転送コントローラ3によってクラスタバッファメモリ4に書き込まれる。
メモリ転送コントローラ3はクラスタバッファメモリ4に書き込まれているレコーディングブロックのデータから、要求されたFATセクタのデータを読み出させ、USBインターフェース6、USBハブ7を介してパーソナルコンピュータ60に送信させる制御を行う。
パーソナルコンピュータ60からのあるFATセクタの書き込み要求があった場合は、メモリ転送コントローラ3はメディアドライブ部2に、まずそのFATセクタを含むレコーディングブロックの読み出しを実行させる。読み出されたレコーディングブロックはによってクラスタバッファメモリ4に書き込まれる。
システムコントローラ9は、パーソナルコンピュータ60からのFATセクタのデータ(記録データ)をUSBインターフェース6を介してメモリ転送コントローラ3に供給させ、クラスタバッファメモリ4上で、該当するFATセクタのデータの書き換えを実行させる。
システムコントローラ9は、メモリ転送コントローラ3に指示して、必要なFATセクタが書き換えられた状態でクラスタバッファメモリ4に記憶されているレコーディングブロックのデータを、記録データとしてメディアドライブ部2に転送させる。メディアドライブ部2では、そのレコーディングブロックの記録データを変調してディスク100に書き込む。
システムコントローラ9に対して、入力キー50が接続される。入力キー50は、ディスクドライブに対して、記録、再生、モード設定、初期化等、各種のコマンドを入力する。
ディスクドライブ装置1に対して、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ51が設けられる。ディスプレイ51は、テキストデータや簡単なアイコンなどの表示が可能とされ、システムコントローラ9から供給される表示制御信号に基づき、このディスクドライブ装置1の状態に関する情報や、ユーザに対するメッセージなどを表示する。
オーディオ処理部10は、入力系として、例えばライン入力回路/マイクロホン入力回路等のアナログ音声信号入力部、A/D変換器や、ディジタルオーディオデータ入力部を備える。また、オーディオ処理部10はATRAC圧縮エンコーダ/デコーダや、圧縮データのバッファメモリを備える。更に、オーディオ処理部10は、出力系として、ディジタルオーディオデータ出力部や、D/A変換器およびライン出力回路/ヘッドホン出力回路等のアナログ音声信号出力部を備える。
ディスク100が既存のMDのディスクの場合には、ディスク100に対してオーディオトラックが記録されるときに、オーディオ処理部10にディジタルオーディオデータ(またはアナログ音声信号)が入力される。入力されたリニアPCMディジタルオーディオデータ、あるいはアナログ音声信号で入力されA/D変換器で変換されて得られたリニアPCMオーディオデータは、ATRAC圧縮エンコードされ、バッファメモリに蓄積される。そして所定タイミング(ADIPクラスタ相当のデータ単位)でバッファメモリから読み出されてメディアドライブ部2に転送される。メディアドライブ部2では、転送されてくる圧縮データを、EFMで変調してディスク100にオーディオトラックとして書き込みを行う。
ディスク100が既存のMDシステムのディスクの場合には、ディスク100のオーディオトラックが再生されるときには、メディアドライブ部2は再生データをATRAC圧縮データ状態に復調してオーディオ処理部10に転送する。オーディオ処理部10は、ATRAC圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータとし、ディジタルオーディオデータ出力部から出力する。あるいはD/A変換器によりアナログ音声信号としてライン出力/ヘッドホン出力を行う。
なお、パーソナルコンピュータ60との接続はUSBでなく、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394等の他の外部イン
ターフェースが用いられても良い。
図10は、メディアドライブ部2の構成を示すものである。メディアドライブ部2は、既存のMDシステムのディスクと、次世代MDのディスクとが装填されるターンテーブルを有しており。メディアドライブ部2では、ターンテーブルに装填されたディスク100をスピンドルモータ29によってCLV方式で回転駆動させる。このディスク100に対しては記録/再生時に光学ヘッド19によってレーザ光が照射される。
光学ヘッド19は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド19には、ここでは詳しい図示は省略するがレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、および反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド19に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向およびディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
また、ディスク100を挟んで光学ヘッド19と対向する位置には磁気ヘッド18が配置されている。磁気ヘッド18は記録データによって変調された磁界をディスク100に印加する動作を行う。また、図示しないが光学ヘッド19全体および磁気ヘッド18をディスク半径方向に移動させためスレッドモータおよびスレッド機構が備えられている。
光学ヘッド19および磁気ヘッド18は、次世代MD2のディスクの場合には、パルス駆動磁界変調を行うことで、微少なマークを形成することができる。現行MDのディスクや、次世代MD1のディスクの場合には、磁界変調方式とされる。
このメディアドライブ部2では、光学ヘッド19、磁気ヘッド18による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ29によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。
なお、ディスク100としては、未使用ディスク100aと、既存MDディスク100bと、ブランクディスク100cと、次世代MDディスク100dとが装着される可能性がある。既存MDディスク100bと次世代MDディスク100dとにより、線速度が異なっている。スピンドルモータ29は、これら線速度の異なる複数種類のディスクに対応する回転速度で回転させることが可能である。ターンテーブルに装填されたディスク100は、各ディスクの線速度とに対応して回転される。
記録処理系では、既存のMDシステムの場合に、オーディオトラックの記録時に、ACIRCでエラー訂正符号化を行い、EFMで変調してデータを記録する部位と、次世代MDの場合に、BISとLDCを組み合わせた方式でエラー訂正符号化を行い、1−7pp変調で変調して記録する部位が設けられる。
再生処理系では、既存のMDシステムでの再生時に、EFMの復調とACIRCによるエラー訂正処理と、次世代MDシステムでの再生時に、パーシャルレスポンスおよびビタビ復号を用いたデータ検出に基づく1−7復調と、BISとLDCによるエラー訂正処理とを行う部位が設けられる。
光学ヘッド19のディスク100に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ21に供給される。RFアンプ21では入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク100にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
既存のMDディスク100bを再生するときには、RFアンプで得られた再生RF信号は、EFM復調部24およびACIRCデコーダ25で処理される。すなわち再生RF信号は、EFM復調部24で2値化されてEFM信号列とされた後、EFM復調され、更にACIRCデコーダ25で誤り訂正およびデインターリーブ処理される。すなわちこの時点でATRAC圧縮データの状態となる。そして既存のMDディスク100bの再生時には、セレクタ26はB接点側が選択されており、その復調されたATRAC圧縮データがディスク100からの再生データとして出力される。
一方、次世代MDディスク100dを再生するときには、RFアンプで得られた再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部22およびRS−LDCデコーダ25で処理される。すなわち再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部22において、パーシャルレスポンスおよびビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。そして更にRS−LDCデコーダ23で誤り訂正およびデインターリーブ処理される。そして次世代MDディスク100dの再生時には、セレクタ26はA接点側が選択されており、その復調されたデータがディスク100からの再生データとして出力される。
RFアンプ21から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEはサーボ回路27に供給され、グルーブ情報はADIP復調部30に供給される。
ADIP復調部30は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIP信号を復調する。復調されたADIP信号は、アドレスデコーダ32に供給される。
アドレスデコーダ32でデコードされたADIPアドレスは、ドライブコントローラ31に供給される。ドライブコントローラ31ではADIPアドレスに基づいて、所要の制御処理を実行する。またグルーブ情報はスピンドルサーボ制御のためにサーボ回路27に供給される。
サーボ回路27は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路27は、スピンドルエラー信号や、RFアンプ21から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、あるいはドライブコントローラ31からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ28に対して出力する。すなわち上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ28では、サーボ回路27から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ29を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。このようなサーボドライブ信号により、ディスク100に対するフォーカス制御、トラッキング制御、およびスピンドルモータ29に対するCLV制御が行われることになる。
既存のMDシステムでオーディオデータを記録するときには、セレクタ16がB接点に接続され、したがってACIRCエンコーダ14およびEFM変調部15が機能することになる。この場合、オーディオ処理部10からの圧縮データはACIRCエンコーダ14でインターリーブおよびエラー訂正コード付加が行われた後、EFM変調部15でEFM変調が行われる。そしてEFM変調データがセレクタ16を介して磁気ヘッドドライバ17に供給され、磁気ヘッド18がディスク100に対してEFM変調データに基づいた磁界印加を行うことでオーディオトラックの記録が行われる。
次世代MDシステムでデータを記録する時には、セレクタ16がA接点に接続され、従ってRS−LDCエンコーダ12およびRLL(1−7)PP変調部13が機能することになる。この場合、メモリ転送コントローラ3からの高密度データはRS−LDCエンコーダ12でインターリーブおよびRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部13でRLL(1−7)変調が行われる。そしてRLL(1−7)符号列としての記録データがセレクタ16を介して磁気ヘッドドライバ17に供給され、磁気ヘッド18がディスク100に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータトラックの記録が行われる。
レーザドライバ/APC20は、上記のような再生時および記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic
Lazer Power Control)動作も行う。
すなわち、図示していないが、光学ヘッド19内にはレーザパワーモニタ用のディテクタが設けられ、そのモニタ信号がレーザドライバ/APC20にフィードバックされる。レーザドライバ/APC20は、モニタ信号として得られる現在のレーザパワーを、設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることで、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが、設定値で安定するように制御している。
なお、レーザパワーとしては、再生レーザパワー、記録レーザパワーとしての値がドライブコントローラ31によって、レーザドライバ/APC20内部のレジスタにセットされる。
ドライブコントローラ31は、システムコントローラ9からの指示に基づいて、以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)が実行されるように制御を行う。
5.初期化処理について
上述のように、本発明が適用された記録再生装置としてのディスクドライブ装置1では、既存のMDシステムでの記録再生と、次世代システムでの記録再生とが行える。次に、本発明の実施の形態でのディスクの初期化処理について説明する。
図11は、初期化処理を示すフローチャートである。図11において、ディスク100が装着されたかどうかが判断され(ステップS1)、ディスク100が装着されたら、そのディスク100が未使用ディスク100aかどうかが判断される。未使用ディスク100aかどうかは、U−TOC領域105があるかどうかにより判断できる。U−TOC領域105がなければ、未使用ディスクであると判断される。
装着されたディスクが未使用ディスク100aの場合には、たとえば、「初期化しますか」の文字がディスプレイ51に表示される(ステップS3)。ユーザは、初期化が必要な場合には、入力キー50により、ユーザにより初期化入力が与えられる。ステップS3で、初期化入力が与えられたかどうかが判断され(ステップS4)、初期化入力が与えられた場合には、U−TOC領域105が確保され、このU−TOC領域105に、「音楽データなし」のU−TOCデータが記録される(ステップS5)。そして、エジェクト入力が与えられたかどうかが判断され(ステップS6)、エジェクト入力が与えられたら、ディスク100が排出される(ステップS7)。ステップS4で初期化入力が与えられないときには、初期化処理が行われず、エジェクト入力が与えられたかどうかが判断され(ステップS6)、エジェクト入力が与えられたら、ディスク100が排出される(ステップS7)。
ステップS2で、未使用ディスク100aではないと判断された場合には、入力キー50により、ユーザからの初期化入力が与えられたかどうかが判断される(ステップS8)。初期化入力が与えられた場合には、U−TOC領域105のU−TOCデータが、「音楽データなし」のU−TOCデータに書き換えられる(ステップS9)。そして、エジェクト入力が与えられたかどうかが判断され(ステップS6)、エジェクト入力が与えられたら、ディスク100が排出される(ステップS7)。ステップS8で初期化入力が与えられないときには、初期化処理が行われず、エジェクト入力が与えられたかどうかが判断され(ステップS6)、エジェクト入力が与えられたら、ディスク100が排出される(ステップS7)。
このように、ディスク100が装着されると、装着されたディスク100が未使用ディスク100aの場合には、ユーザからの初期化入力により、U−TOC領域105が確保され、このU−TOC領域105に、「音楽データなし」のU−TOCデータが記録される。また、装着されたディスク100が既存MDディスク100bや次世代MDディスク100dの場合には、U−TOC領域105のU−TOCデータが「データ無し」のU−TOCデータに書き換えられる。「データ無し」のU−TOCデータが記録されたディスク100は、図5に示したブランクディスク100cである。したがって、初期化処理が行われると、装着されたディスク100がどのようなディスクであっても、ブランクディスク100cとなるように初期化される。
6.記録処理について
次に、本発明が適用された記録再生装置での記録処理について説明する。図12は、本発明が適用された記録再生装置で記録を行う場合の処理を示すフローチャートである。
図12において、入力キー50により、ユーザからの記録入力が与えられたかどうかが判断される(ステップS11)。記録入力が与えられた場合には、装着されているディスク100が未使用ディスク100aかどうかが判断される(ステップS12)。装着されているディスク100が未使用ディスク100aの場合には、U−TOC領域105が確保され、このU−TOC領域105に、「データ無し」のU−TOCデータが記録される(ステップS13)。すなわち、ステップS13の処理により、装着されたディスク100は、ブランクディスク100cとなるように初期化される。そして、既存MDシステムで記録を行うか、次世代MDシステムで記録を行うかの選択画面がディスプレイ51に表示される(ステップS14)。ユーザは、この選択画面により、既存MDシステムで記録を行うか次世代MDシステムで記録を行うかの選択を行い、これに応じて、入力キー50が操作される。ステップS15で、既存MDシステムでの記録が選択されたか、次世代MDシステムでの記録が選択されたかが判断される。
ステップ12で、装着されているディスク100が未使用ディスク100aではないと判断された場合には、装着されているディスク100がブランクディスク100cかどうかが判断される(ステップS16)。装着されているディスク100がブランクディスク100cの場合には、ステップS14で、既存MDシステムで記録を行うか、次世代MDシステムで記録を行うかの選択画面がディスプレイ51に表示され(ステップS14)、この選択画面により、既存MDシステムで記録を行うか次世代MDシステムで記録を行うかの選択が行われ、ステップS15で、既存MDシステムでの記録が選択されたか、次世代MDシステムでの記録が選択されたかが判断される。
ステップS16で、装着されているディスク100がブランクディスク100cではないと判断された場合には、装着されているディスク100が既存MDディスク100bか次世代MDディスク100dかが判断される(ステップS17)。
ステップS15で、次世代MDではないと判断された場合、あるいは、ステップS17で、装着されているディスク100が次世代MDディスク100dではないと判断された場合には、既存MDシステムでの記録が行われる(ステップS18)。そして、記録が終了されたかどうかが判断され(ステップS19)、記録が終了されたら、記録データに応じて、U−TOCのデータが書き換えられる(ステップS20)。
ステップS15で、次世代MDシステムでの記録が選択された場合、あるいは、ステップS17で、装着されているディスク100が次世代MDディスク100dであると判断された場合には、次世代MDシステムでの記録が行われる(ステップS21)。そして、記録が終了されたかどうかが判断され(ステップS22)、記録が終了されたら、装着されていたディスク100が次世代MDディスク100dであるかそれ以外のディスクであるかが判断される(ステップS23)。
装着されていたディスク100が次世代MDディスク100dの場合には、記録データに応じて、FAT管理領域113の書き換えが行われ、トラックインデックスファイルの書き換えが行われる(ステップS24)。
ステップS23で、装着されていたディスク100が次世代MDディスク100d以外のディスクであると判断された場合には、このディスクは未使用ディスク100aであったので、記録データに応じて、FAT管理領域113の作成、トラックインデックスファイルの作成が行われ(ステップS25)、そして、アラートトラック106が記録され、アラートトラック106とFAT領域トラック107とに応じたU−TOCが記録される(ステップS26)。
なお、上述の例では、ステップS16で、ブランクディスク100cと判断された場合に、ステップS14で、既存MDシステムで記録を行うか、次世代MDシステムで記録を行うかの選択画面がディスプレイ51に表示され、既存MDシステムでの記録と次世代MDシステムでの記録とが選択できるようになっているが、デフォルトで、ステップS16でブランクディスク100cと判断された場合には、次世代MDシステムでの記録を行うようにしてもよい。
7.ディスクの状態遷移
このように、本発明の実施の形態では、ディスク100が初期化されると、ブランクディスク100cになる。これにより、新規MDシステムで使っていたディスクを初期化して、既存のMDシステムのディスクとして使ったり、その反対に、既存のMDシステムで使っていたディスクを初期化して、新規MDシステムのディスクとして使うことができるようになる。このことを、図13の状態遷移図を使って説明する。
まず、未使用ディスク100aは、初期化処理が行われ(プロセスPRC1)、ブランクディスク100cに遷移する。この初期化処理(プロセスPRC1)は、図11のステップS5あるいは図12のステップS13で行われる。
このように、ブランクディスク100cに初期化された後に、データの記録処理が行われる。データの記録処理には、既存MDシステムによる記録処理(プロセスPRC2)と、新規MDシステムによる記録処理(プロセスPRC3)とが採り得る。既存MDシステムによる記録処理(プロセスPRC2)は、図12のステップS18に対応する。新規MDシステムによる記録処理(プロセスPRC3)は、ステップS21に対応する。
ブランクディスク100cに対して、既存MDシステムによる記録処理を行うと(プロセスPRC2)、既存MDディスク100bに遷移する。既存MDディスク100bに対して、既存MDシステムによる記録処理を行っている限り(プロセスPRC2)、既存MDディスク100bの状態のままである。
また、ブランクディスク100cに対して、新規MDシステムによる記録処理を行うと(プロセスPRC3)、新規MDディスク100dに遷移する。新規MDディスク100dに対して、既存MDシステムによる記録処理を行っている限り(プロセスPRC2)、既存MDディスク100bの状態のままである。
既存MDディスク100bに対して、初期化処理が行われると、(プロセスPRC1)、ブランクディスク100cに遷移する。新規MDディスク100dに対して、初期化処理が行われると、(プロセスPRC1)、ブランクディスク100cに遷移する。
ブランクディスク100cに初期化されると、その後、データの記録処理には、既存MDシステムによる記録処理(プロセスPRC2)と、新規MDシステムによる記録処理(プロセスPRC3)とが採り得る。このように、ブランクディスク100cに初期化することで、新規MDシステムで使っていたディスクを初期化して、既存のMDシステムのディスクとして使ったり、その反対に、既存のMDシステムで使っていたディスクを初期化して、新規MDシステムのディスクとして使うことができるようになる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
100a…未使用ディスク、100b…既存ディスク、100c…ブランクディスク、100d…新規MDディスク、101…リードイン領域、102…レコーダブル領域、103…リードアウト領域、105…U−TOC領域、106…アラートトラック、107…FAT領域トラック、113…FAT管理領域