JP2005182970A - 記録再生装置、バッファメモリ管理方法 - Google Patents

記録再生装置、バッファメモリ管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バッファメモリに複数の異なるフォーマット(再生ビットレート)によるデータが混在してバッファリングされる場合にも、バッファ管理を正確に行ってアンダーフローを防止する。
【解決手段】 バッファメモリに対して蓄積されるデータの種別ごとに再生出力時間を算出する。そして、これらの和によって得られる蓄積データの残り再生可能時間を基準にバッファ管理を行う。蓄積データの再生出力時間を基準とした管理が行われるので、データのフォーマットが異なる場合にも正確に蓄積データによる残り再生可能時間を認識することができ、これによって確実にバッファのアンダーフローを防止することができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、例えばCD(Compact Disc)やMD(Mini Disc:光磁気ディスク)等の記憶媒体についての記録または再生が可能な記録再生装置と、バッファメモリ管理方法に関する。
例えば、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc:光磁気ディスク)、DVD(Digital Versatile Disc)等の記憶媒体についての記録/再生が可能な記録再生装置では、記憶媒体から読み出されたデータをバッファメモリにバッファリングした後にこれを再生出力するように構成されたものがある。
このような記録再生装置において、バッファメモリのデータ残量が無くなってしまうと再生出力が停止してしまうことから、一定のデータ量を下回らないようにバッファメモリの残量管理を行うようにされている。
そしてバッファメモリの残量管理としては、例えば下記の特許文献にも示されるように、一般的にはバッファメモリに保持されるデータの容量に基づいて行うようにされている。
すなわち、例えばバッファメモリへのデータ溜め込みを行うために必要となる時間長に応じたデータ容量を閾値として設定し、この閾値を下回ったタイミングでバッファメモリへのデータ溜め込みを行うようにしている。そしてこれにより、例えばバッファ残量が尽きる前にデータ溜め込みが行われるようにしているものである。
特開平9−45002号公報
ところで、近年においては、同一の記憶媒体に対して異なるデータフォーマット(圧縮方式)や再生ビットレートによるデータを記録し、記録再生装置側としても、例えばこのような複数種のフォーマットごとのデコーダを備える等して、記憶媒体に記憶された異なるデータフォーマット、ビットレートによるデータを再生出力するといったことが想定されている。
しかしながら、このように記憶媒体に対して異なるフォーマットやビットレートによるデータが記録されることを想定した場合、従来のようにデータ容量に基づくバッファ残量管理が行われることによっては、バッファメモリに保持されるデータの再生可能時間を正確に把握することが困難となってしまう。
例えば、記憶媒体に記憶されるデータの圧縮方式やビットレートが同じである場合は、容量に基づく管理により残りの再生可能時間を把握できるが、上記のように圧縮方式、ビットレートが異なる場合は、単位データ容量あたりの再生可能時間はそれぞれ異なるものとなるから、例えば非圧縮でビットレートの高いデータと、高圧縮率でビットレートの低いデータとでは、再生可能時間に極端な差が生じてしまうものである。
そして、このようにバッファメモリに保持されたデータの再生可能時間を正確に把握できなくなると、バッファメモリへのデータの再溜め込みを適切なタイミングで行うことができなくなって、最悪の場合は再生出力の音途切れ等の破綻を招く結果となる。
但し、このようにデータ容量に基づいてバッファ残量管理を行う場合であっても、例えば単位データ容量当たりの再生時間が最も短いデータに応じた再溜め込みの閾値を設定すれば、再生出力の破綻を防止することができる。
しかしながらこの場合において、例えば高圧縮率・低ビットレートによる、単位データ容量当たりの再生時間の長いデータがバッファリングされている場合では、設定された閾値のデータ容量においては充分な再生可能時間が得られるのにも関わらず、再溜め込みの処理が実行されてしまうこととなる。つまり、この場合は必要以上に多くの溜め込み処理が実行されてしまうこととなる。
溜め込み処理には光学系の駆動等を要するため、このような必要以上の溜め込み処理が行われることによっては、装置の消費電力の増大化を招いてしまう。
また、これらの問題点に加え、データ容量によりバッファ残量管理を行う従来技術では、以下のような問題も生じることとなる。
例えば、現状においてMDシステムでは、バッファメモリに対して、書込の最小単位としての例えばオーディオブロック単位によりオーディオデータが書き込まれる。一方で、再生時には、このオーディオブロックよりも小さな単位となるサウンドフレーム単位によってデータが扱われる。
これらオーディオブロックとサウンドフレームとの関係としては、詳しくは後述するが、例えば図4に示すようにオーディオブロック内に複数のサウンドフレームが含まれるようにされている。
このように、バッファメモリへの書込単位であるオーディオブロックと、上記サウンドフレームとで単位が異なるようにされていることにより、オーディオデータがバッファメモリに対して書き込まれた際は、例えば図6中に「A」と示すようにして、オーディオブロック内にサウンドフレーム単位による隙間領域が形成されてしまうことがある。
つまりこの場合、例えば楽曲トラックの終端部分のデータを格納するオーディオブロックでは、サウンドフレーム単位によるオーディオデータの終端が、必ずしもオーディオブロックの終端と一致しない等の事情から、オーディオブロック内に格納される全てのサウンドフレームに対して、オーディオデータとしての有効なデータが書き込まれていないことがある。そして、これによってオーディオブロック内には、有効なデータの書き込まれていないサウンドフレームが存在することとなり、その部分でオーディオデータの存在しない隙間領域が形成されてしまうものである。
このような状態に対して、従来のバッファ残量管理では、書き込みの最小単位でデータが書き込まれるごとにその回数をカウントした結果に基づき、バッファメモリに書き込んだデータの容量を算出するようにされるのが一般的であった。
つまり、この場合では、バッファメモリに積まれたオーディオブロックの数に基づいてデータの容量を算出するようにされるものである。
このような従来技術によると、上記のように算出されるバッファ容量の値には、書込最小単位内(オーディオブロック内)に生じている隙間領域の容量も含まれてしまうこととなる。
そして、このように実際にはオーディオデータの存在しない隙間領域も含めてバッファ残量がカウントされてしまうという点で、この場合もバッファメモリに保持されるオーディオデータによる残り再生可能時間を正確に認識できなくなってしまうものである。
例えばこの場合、上述のように多様なデータフォーマットやビットレートによるデータがバッファメモリ上に保持されることが想定されて、例えば高圧縮率、低ビットレートのデータがバッファリングされる場合を考えると、上記のような隙間領域での再生時間は比較的大きなもとなることが予想される。
そして、このように、算出されたバッファ残量と再生可能時間とのずれが大きくなることによっては、バッファメモリへのデータ再溜め込みを適切なタイミングで行うことができなくなって、再生出力の破綻を招く可能性がより高いものとなる。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、記録再生装置として以下のように構成することとした。
すなわち、先ず、再生時間的に連続性を有する時系列データを記憶媒体から読み出す読出手段と、上記読出手段で読み出された時系列データを、最小再生単位であるフレームを1又は複数含むことになるブロック単位で蓄積するバッファメモリ手段と、上記バッファメモリ手段から読み出された時系列データについて再生出力処理を行う出力処理手段とを備える。
そして、上記バッファメモリ手段に蓄積された各ブロックについての時系列データの種別、及び各ブロック内の有効な時系列データを含む有効フレームの数から、上記バッファメモリ手段に蓄積されている時系列データによる再生出力時間を算出する算出手段を備え、さらに、上記算出手段により算出される上記再生出力時間の値と所定閾値とを比較した結果に基づいて、上記読出手段による時系列データの読出及び上記バッファメモリ手段に対する時系列データの蓄積動作を制御する制御手段を備えるようにした。
また、本発明ではバッファメモリ管理方法として以下のようにもすることとした。
つまり、再生時間的に連続性を有する時系列データを記憶媒体から読み出す読出手順と、上記読出手順により読み出した時系列データを、最小再生単位であるフレームを1又は複数含むことになるブロック単位によりバッファメモリに対して蓄積する蓄積手順と、上記バッファメモリから読み出された時系列データについて再生出力処理を行う出力処理手順とを実行する。
そして、上記バッファメモリに蓄積された各ブロックについての時系列データの種別、及び各ブロック内の有効な時系列データを含む有効フレームの数から、上記バッファメモリに蓄積されている時系列データによる再生出力時間を算出する算出手順と、上記算出手順により算出される上記再生出力時間の値と所定閾値とを比較した結果に基づいて、上記読出手順による時系列データの読出及び上記蓄積手順による上記バッファメモリに対する時系列データの蓄積動作を制御する制御手順とを実行するようにした。
上記構成によれば、上記バッファメモリに蓄積される時系列データは、その種別と有効フレームの数の情報とに基づいて算出される、再生出力時間を基準として管理されるものとなる。
このように、データの種別ごとに再生出力時間が算出されることによっては、例えばバッファメモリに対してデータフォーマットや再生ビットレートが異なる(つまり単位容量当たりの再生時間が異なる)時系列データが混在して蓄積される場合にも、正確な残り再生可能時間の情報を得ることができる。
また、上記のようにして、バッファメモリに蓄積される時系列データの有効フレームの数に基づいて再生出力時間が算出されることによっては、例えばブロック内にフレーム単位により生じるとされていた隙間領域は、残り再生可能時間としてカウントされないようにすることができる。
その上で、上記本発明によれば、このようにして算出された正確な残り再生可能時間に基づいて、バッファメモリのへの上記時系列データの蓄積動作が制御される。
このような本発明によれば、バッファメモリに蓄積される時系列データの、正確な残り再生可能時間を把握した結果に基づき、バッファメモリへの時系列データの蓄積動作を実行させることができる。
そして、このようにバッファメモリへの時系列データの蓄積動作を、バッファメモリに蓄積される時系列データの正確な残り再生可能時間を基準として行うことができれば、上記閾値の設定によっては、バッファメモリの容量が、常に設定された再生可能時間分の容量を下回らないようにすることができる。
つまりこれによって、従来のバッファ残量を基準として再溜め込みを行う場合のように、例えばバッファリングされるデータのフォーマット等の別によってバッファメモリがアンダーフローしてしまうような事態を、確実に防止することができる。
また、このような本発明は、上記もしたようにバッファメモリに蓄積される時系列データに生じるとされる隙間領域が、残り再生可能時間としてカウントされないようにすることができるものであり、この点から、バッファメモリのアンダーフローをより確実に防止できるものでもある。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明していく。
図1は、実施の形態としての記録再生装置1の内部構成例について示したブロック図である。
実施の形態としての記録再生装置1としては、一例として、磁界変調方式でデータ記録が行われる光磁気ディスクであるミニディスク(MD)方式のディスクに対する記録再生装置である場合を例に挙げる。但し、既に普及している音楽用途のミニディスクのみではなく、より高密度記録を可能とし、コンピュータユースの各種データのストレージに利用できる高密度ディスク(次世代ディスクとも言う)についても対応可能な記録再生装置である。
また、本例の記録再生装置1としては、例えばパーソナルコンピュータ(或いはネットワーク)50等の外部の機器との間でデータ通信可能な機器とされる。
例えば記録再生装置1は、パーソナルコンピュータ50とUSBケーブル等の伝送路51で接続されることで、パーソナルコンピュータ50に対する外部ストレージ機器として機能できる。また、パーソナルコンピュータ50を介したり、或いは直接ネットワークと接続できる機能を備えるなどしてネットワーク接続されることで、音楽や各種データをダウンロードし、記録再生装置1においてストレージ部2に装填されたディスクに保存できるものともなる。
一方、この記録再生装置1はパーソナルコンピュータ50等に接続しなくとも、例えばオーディオ機器として機能する。例えば他のオーディオ機器等から入力された音楽データをディスクに記録したり、ディスクに記録された音楽データ等を再生出力することができる。
即ち本例の記録再生装置1は、パーソナルコンピュータ50等に接続されることで汎用的なデータストレージ機器として利用でき、かつ単体ではオーディオ記録再生機器としても利用できる装置である。
また、さらに本例の記録再生装置1では、ディスクに対して異なるデータフォーマットによりコンテンツデータが記憶される場合が想定されている。そして、これに対応するために本例の記録再生装置1としては、所定の複数のフォーマットに対応して記録再生を行うことが可能となるような構成としている。
ここで、本例の記録再生装置1が対応するとされる、光磁気記録による次世代ディスクの概要について説明しておく。
先ず、このような次世代ディスクとしては、現行のパーソナルコンピュータとの親和性が図れるように、ファイル管理システムとしてFAT(File Allocation Table)システムを使って、オーディオデータのようなコンテンツデータを記録再生するものである。
また、現行のMDシステムに対して、エラー訂正方式や変調方式等の改善を行うことで、データの記録容量の増大を図るとともにデータの信頼性を高めているものである。
次世代ディスクの記録再生のフォーマットとしては、現行のMDシステムで用いられているディスクと全く同様のディスクを用いるようにした次世代MD1の仕様と、現行のMDシステムで用いられているディスクと外形は同様であるが、磁気超解像度(MSR)技術を使うことにより、線記録方向の記録密度を上げて、記録容量をより増大した次世代MD2の仕様とが提案されている。
現行のMDシステムでは、カートリッジに収納された直径64mmの光磁気ディスクが記録媒体として用いられている。ディスクの厚みは1.2mmであり、その中央に11mmの径のセンターホールが設けられている。カートリッジの形状は、長さ68mm、幅72mm、厚さ5mmである。
次世代MD1の仕様でも次世代MD2の仕様でも、これらディスクの形状やカートリッジの形状は、全て同じである。リードイン領域の開始位置についても、次世代MD1の仕様および次世代MD2の仕様のディスクも、29mmから始まり、現行のMDシステムで使用されているディスクと同様である。
つまり、従来のMDシステムとの外形上での互換性が確保されているものである。
トラックピッチについては、次世代MD2では、1.2μmから1.3μm(例えば1.25μm)とすることが検討されている。これに対して、現行のMDシステムのディスクを流用する次世代MD1では、トラックピッチは1.6μmとされている。ビット長は、次世代MD1が0.44μm/ビットとされ、次世代MD2が0.16μm/ビットとされる。冗長度は、次世代MD1および次世代MD2ともに、20.50%である。
次世代MD2の仕様のディスクでは、磁気超解像技術を使うことにより、線密度方向の記録容量を向上するようにしている。磁気超解像技術は、所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が転写されることで、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになることを利用したものである。
具体的に、次世代MD2の仕様のディスクでは、透明基板上に、少なくとも情報を記録する記録層となる磁性層と、切断層と、情報再生用の磁性層とが積層される。切断層は、交換結合力調整用層となる。所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が再生用の磁性層に転写される。これにより、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになる。なお、記録時には、レーザパルス磁界変調技術を使うことで、微少なマークを生成することができる。
また、次世代MD2の仕様のディスクでは、デトラックマージン、ランドからのクロストーク、ウォブル信号のクロストーク、フォーカスの漏れを改善するために、グルーブを深くし、グルーブの傾斜を鋭くしている。次世代MD2の仕様のディスクでは、グルーブの深さは例えば160nmから180nmであり、グルーブの傾斜は例えば60度から70度であり、グルーブの幅は例えば600nmから700nmである。
光学的仕様については、次世代MD1の仕様では、レーザ波長λが780nmとされ、光学ヘッドの対物レンズの開口率NAが0.45とされている。次世代MD2の仕様も同様に、レーザ波長λが780nmとされ、光学ヘッドの開口率NAが0.45とされている。
また、記録方式としては、MD1の仕様もMD2の仕様も、グルーブ記録方式が採用されている。つまり、グルーブ(ディスクの盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるようにしている。
さらに、エラー訂正符号化方式としては、現行のMDシステムでは、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code) による畳み込み符号が用いられていたが、次世代MD1および次世代MD2の仕様では、RS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)とBIS(Burst Indicator Subcode)とを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。
ブロック完結型のエラー訂正符号を採用することにより、リンキングセクタが不要になる。LDCとBISとを組み合わせたエラー訂正方式では、バーストエラーが発生したときに、BISによりエラーロケーションが検出できる。このエラーロケーションを使って、LDCコードにより、イレージャ訂正を行うことができる。
アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブを形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブ方式が採用されている。このようなアドレス方式は、ADIP(Address in Pregroove)と呼ばれている。
ADIPの仕様については、現行のMDシステムと同様であるが、現行のMDシステムでは、2352バイトからなるセクタを記録再生のアクセス単位としているのに対して、次世代MD1および次世代MD2の仕様では、64Kバイトを記録再生のアクセス単位としている。なお、後述もするが、このような記録再生のアクセス単位は、レコーディングブロックと呼ばれる。
また、現行のMDシステムでは、エラー訂正符号としてACIRCと呼ばれる畳み込み符号が用いられているのに対して、次世代MD1および次世代MD2の仕様では、LDCとBISとを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。
そこで、現行のMDシステムのディスクを流用する次世代MD1の仕様では、ADIP信号の扱いを、現行のMDシステムのときとは異なるようにしている。また、次世代MD2の仕様では、次世代MD2の仕様により合致するように、ADIP信号の仕様に変更を加えている。
変調方式については、現行のMDシステムでは、EFM(8 to 14 Modulation)が用いられているのに対して、次世代MD1および次世代MD2の仕様では、RLL(1,7)PP(RLL;Run Length Limited ,PP;Parity Preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))(以下、1−7p−p変調と称する)が採用されている。また、データの検出方式は、次世代MD1ではパーシャルレスポンスPR(1,2,1)MLを用い、次世代MD2ではパーシャルレスポンスPR(1,−1)MLを用いたビタビ復号方式とされている。
また、ディスク駆動方式はCLV(Constant Linear Verocity)で、その線速度は、次世代MD1の仕様では、2.7m/秒とされ、次世代MD2の仕様では、1.98m/秒とされる。なお、現行のMDシステムの仕様では、60分ディスクで1.2m/秒、74分ディスクで1.4m/秒とされている。
現行のMDシステムで用いられるディスクをそのまま流用する次世代MD1の仕様では、ディスク1枚当たりのデータ総記録容量は約300Mバイト(80分ディスクを用いた場合)になる。変調方式がEFM変調から1−7p−p変調とされることで、ウィンドウバージンが0.5から0.666となり、この点で、1.33倍の高密度化が実現できる。
また、エラー訂正方式として、ACIRC方式からBISとLDCを組み合わせたものとしたことで、データ効率が上がり、この点で、1.48倍の高密度化が実現できる。総合的には、全く同様のディスクを使って、現行のMDシステムに比べて、約2倍のデータ容量が実現されたことになる。
これに対し磁気超解像度を利用した次世代MD2の仕様のディスクでは、更に線密度方向の高密度化が図られ、データ総記録容量は、約1Gバイトになる。
なお、データレートは次世代MD1では4.4Mビット/秒であり、次世代MD2では、9.8Mビット/秒である。
図2(a)には、次世代MD1のディスクの構成が示されている。
次世代MD1のディスクは、現行のMDシステムのディスクをそのまま流用したものである。すなわち、透明のポリカーボネート基板上に、誘電体膜と、磁性膜と、誘電体膜と、反射膜とを積層して構成される。更に、その上に保護膜が積層される。
次世代MD1のディスクでは、この図2(a)に示すようにディスクの内周のリードイン領域に、P−TOC(プリマスタードTOC(Table Of Contents))領域が設けられる。ここは、物理的な構造としてはプリマスタード領域となり、エンボスピットによりコントロール情報等がP−TOC情報として記録されていることになる。
そして、このようにP−TOC領域が設けられるリードイン領域の外周は、レコーダブル領域(光磁気記録可能な領域)とされ、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域の内周には、U−TOC(ユーザーTOC)が設けられる。
この場合のU−TOCは、現行のMDシステムでディスクの管理情報を記録するために用いられているU−TOCと同様の構成のものである。確認のために述べておくと、U−TOCは、現行のMDシステムにおいては、トラック(オーディオトラック/データトラック)の曲順、記録、消去などに応じて書き換えられる管理情報であり、各トラック(トラックを構成するパーツ)について、開始位置、終了位置や、モードを管理するものである。
また、U−TOCの外周には、アラートトラックが設けられる。アラートトラックは、このディスクが次世代MD1方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録された警告トラックである。
図2(b)には、次世代MD1の仕様のディスクのレコーダブル領域の構成を示している。
この図2(b)に示されるように、レコーダブル領域の先頭(内周側)には、U−TOCおよびアラートトラックが設けられる。U−TOCおよびアラートトラックが含まれる領域は、現行のMDシステムのプレーヤでも再生できるように、EFMでデータが変調されて記録される。
そして、このEFM変調でデータが変調されて記録される領域の外周には、次世代MD1方式の1−7p−p変調によりデータが変調されて記録される領域が設けられる。EFM変調によりデータが変調されて記録される領域と、1−7p−p変調によりデータが変調されて記録される領域との間は所定の距離の間だけ離間されており、ガードバンドが設けられている。
このようなガードバンドが設けられるため、現行のMDプレーヤに次世代MD1の仕様のディスクが装着されて、不具合が発生されることが防止される。
1−7p−p変調によりデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT(Disc Description Table)領域と、セキュアトラックが設けられる。DDT領域には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理をするために設けられる。
DDT領域には、さらに、ユニークID(UID)が記録される。UIDは、記録媒体毎に固有の識別コードであって、例えば所定に発生された乱数に基づく。
セキュアトラックは、コンテンツの保護を図るための情報が格納される。
さらに、1−7p−p変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT(File Allocation Table)領域が設けられる。このFAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。
FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。FATシステムは、ルートにあるファイルやディレクトリのエントリポイントを示すディレクトリと、FATクラスタの連結情報が記述されたFATテーブルとを用いて、FATチェーンによりファイル管理を行うものである。
このような次世代MD1の仕様のディスクにおいて、上記したU−TOC領域には、アラートトラックの開始位置の情報と、1−7p−p変調でデータが変調されて記録される領域の開始位置の情報が記録されるものとなる。
ここで、現行のMDシステムのプレーヤに、上記構成による次世代MD1のディスクが装着されると、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から、アラートトラックの位置が分かり、アラートトラックがアクセスされ、アラートトラックの再生が開始される。アラートトラックには、このディスクが次世代MD1方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録されている。
この警告音から、このディスクが現行のMDシステムのプレーヤでは使用できないことが通知される。
なお、この場合の警告音としては、「このプレーヤでは使用できません」というような言語による警告とすることができる。勿論、ブザー音とするようにしても良い。
一方、次世代MD1に準拠したプレーヤに対し、次世代MD1のディスクが装着された場合、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から1−7p−p変調でデータが記録された領域の開始位置が分かり、上記したDDT、セキュアトラック、FAT領域が読み取られる。上述のように1−7p−p変調のデータの領域では、U−TOCではなくFATシステムによるデータ管理が行われる。
続いて図3(a)には、次世代MD2のディスクの構成を示す。
この場合もディスクは、透明のポリカーボネート基板上に誘電体膜、磁性膜、誘電体膜、反射膜、さらにその上層に保護膜を積層して成る。
そして、次世代MD2のディスクの場合では、図示するようにディスクの内周のリードイン領域には、ADIP信号により、コントロール情報が記録されるものとなる。
次世代MD2のディスクには、リードイン領域にはエンボスピットによるP−TOCは設けられておらず、その代わりに、ADIP信号によるコントロール情報が用いられる。リードイン領域の外周からレコーダブル領域が開始され、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域には、1−7p−p変調方式によりデータが変調されて記録される。
ここで、次世代MD1であるか次世代MD2であるかは、例えば、リードインの情報から判断できる。
すなわち、リードインにエンボスピットによるP−TOCが検出されれば、現行のMDまたは次世代MD1のディスクであると判断できる。リードインにADIP信号によるコントロール情報が検出され、エンボスピットによるP−TOCが検出されなければ、次世代MD2であると判断できる。
なお、次世代MD1と次世代MD2との判別は、このような方法に限定されるものではない。オントラックのときとオフトラックのときとのトラッキングエラー信号の位相から判別することも可能である。勿論、ディスク識別用の検出孔等を設けるようにしても良い。
次世代MD2の仕様のディスクのレコーダブル領域の構成としては、次の図3(b)に示すように、全て1−7p−p変調方式によりデータが変調されて記録される領域が形成される。そして、この1−7p−p変調方式によりデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT領域と、セキュアトラックが設けられる。
この場合も上記DDT領域には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理を行うための領域とされる。またDDT領域には、上述したUIDが記録される。さらにセキュアトラックには、この場合もコンテンツの保護を図るための情報が格納される。
また、1−7p−p変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT領域が設けられる。FAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。
そして、このような次世代MD2のディスクにおいては、図からもわかるようにU−TOC領域は設けられていない。つまり、次世代MD2のディスクについては、次世代MDに準拠したプレーヤでのみの使用が想定されているものである。
次世代MD2のディスクが装着されると、所定の位置にあるDDT、セキュアトラック、FAT領域が読み取られ、FATシステムを使ってデータの管理が行われることになる。
続いて、図4には、このような次世代MD1,次世代MD2のディスクに記録されるデータの構造について簡略的に示す。
先にも述べたように、次世代ディスクにおける記録再生の単位としては、例えば64kByte(KB)による図のようなレコーディングブロックとなる。そして、このようなレコーディングブロック内には、複数のオーディオブロックが形成される。このオーディオブロックの単位は、例えば16KBとされ、この場合の1レコーディングブロックは4つのオーディオブロックから成るようにされる。
さらに、このようなオーディオブロック内には、図示するように複数のセクタが形成される。この場合、セクタは2KBとされ、1オーディオブロックは8つのセクタから成るようにされる。
このような物理的な構造を採った上で、上記オーディオブロック内には、再生の最小単位としての図のようなサウンドフレームが形成されるものとなる。
このサウンドフレームとしては、1サウンドフレーム当たりにそれぞれ同じ再生時間が得られるようにその単位が設定される。
そして、このように1サウンドフレーム当たりに設定される、上記同じ再生時間としては、図13にも示すように、次世代ディスクに記録されるデータのフォーマット(データ圧縮方式)ごとに規定されるものとなる。
すなわち、この図13に示される場合では、例えばリニアPCMオーディオデータの場合は、1サウンドフレームあたりの再生時間が0.36msecと規定されている。また、例えばATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Cording)3の場合では、1サウンドフレームあたりの再生時間が23.2msecと規定されている。
ここで確認のために述べておくと、データフォーマット(データ圧縮方式)が異なれば、これに伴って単位データ容量当たりの再生時間も変化するものとなる。また、同一圧縮方式によるデータであっても、その再生ビットレートが異なれば、単位データ容量当たりの再生時間は変化する。
従ってこの場合、上述のように1サウンドフレーム当たりで同じ再生時間となるように、サウンドフレームが設定されていることによっては、1オーディオブロック内でのサウンドフレームの数及びそのサイズは、データフォーマットごと(データ圧縮方式ごと)、及び同一フォーマットであっても再生ビットレートごとで、それぞれ異なるようにされていることになる。
このことは、図13において、例えば上記単位データ容量の例としてオーディオブロックの単位を挙げた場合に、図示するように各フォーマット・再生ビットレートでそれぞれ再生時間が異なるようにされていることからも理解できる。
これまでに説明してきたような次世代ディスクに対応するために、図1に示す本例の記録再生装置1では、次の図5に示す構成によるストレージ部2を備えて、コンテンツデータの記録・再生を行うものとされる。
図5において、このストレージ部2では、装填されたディスク40をスピンドルモータ29によってCLV方式で回転駆動させる。そして、このディスク40に対しては記録/再生時に光学ヘッド19によってレーザ光が照射される。
なお、この場合、ディスク40としては、現行のMD仕様のディスクと、次世代MD1の仕様のディスクと、次世代MD2の仕様のディスクとが装着される可能性があることから、これらのディスクにより線速度が異なるものとなる。
このため、スピンドルモータ29は、装填されたディスク40の別に応じた異なる線速度に対応して回転されることになる。
光学ヘッド19は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド19には、図示は省略するがレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド19に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
また、ディスク40を挟んで光学ヘッド19と対向する位置には磁気ヘッド18が配置されている。磁気ヘッド18は記録データによって変調された磁界をディスク40に印加する動作を行う。
また、図示しないが光学ヘッド19全体及び磁気ヘッド18をディスク半径方向に移動させためスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。
光学ヘッド19および磁気ヘッド18は、次世代MD2のディスクの場合には、パルス駆動磁界変調を行うことで、微少なマークを形成することができる。現行MDのディスクや、次世代MD1のディスクの場合には、磁界変調方式とされる。
また、このストレージ部2では、光学ヘッド19、磁気ヘッド18による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ29によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。
記録処理系では、現行のMDシステムのディスクの場合に、オーディオトラックの記録時に、ACIRCでエラー訂正符号化を行い、EFMで変調してデータを記録する部位と、次世代MD1または次世代MD2の場合に、BISとLDCを組み合わせた方式でエラー訂正符号化を行い、1−7p−p変調により変調して記録する部位が設けられる。
再生処理系では、現行のMDシステムのディスクの再生時に、EFMの復調とACIRCによるエラー訂正処理と、次世代MD1または次世代MD2システムのディスクの再生時に、パーシャルレスポンスおよびビタビ復号を用いたデータ検出に基づく1−7p−p復調と、BISとLDCによるエラー訂正処理とを行う部位が設けられる。
また、現行のMDシステムや次世代MD1のADIP信号よるアドレスをデコードする部位と、次世代MD2のADIP信号をデコードする部位とが設けられる。
光学ヘッド19のディスク40に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ21に供給される。
RFアンプ21では入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク40にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
現行のMDシステムのディスクを再生するときには、RFアンプで得られた再生RF信号は、EFM復調部24およびACIRCデコーダ25で処理される。
すなわち再生RF信号は、EFM復調部24で2値化されてEFM信号列とされた後、EFM復調され、更にACIRCデコーダ25で誤り訂正およびデインターリーブ処理される。つまりこの時点でATRAC圧縮データの状態となる。
そして現行のMDシステムのディスクの再生時には、セレクタ26はB接点側が選択されており、その復調されたATRAC圧縮データがディスク40からの再生データとして出力される。
一方、次世代MD1または次世代MD2のディスクを再生するときには、RFアンプで得られた再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部22およびRS−LDCデコーダ25で処理される。すなわち再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部22において、PR(1,2,1)MLまたはPR(1,−1)MLおよびビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。そして更にRS−LDCデコーダ23で誤り訂正、及びデインターリーブ処理される。
そして、次世代MD1または次世代MD2のディスクの再生時には、セレクタ26はA接点側が選択されており、その復調されたデータがディスク40からの再生データとして出力される。
RFアンプ21から出力されるトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEはサーボ回路27に供給され、グルーブ情報はADIP復調部30に供給される。
ADIP復調部30は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIP信号を復調する。
そして、このように復調された、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、図1に示されるシステムコントローラ8に供給される。システムコントローラ8ではADIPアドレスに基づいて所要の制御処理を実行する。
またグルーブ情報はスピンドルサーボ制御のためにサーボ回路27に供給される。
サーボ回路27は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路27は、スピンドルエラー信号や、RFアンプ21から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、あるいはシステムコントローラ8からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ28に対して出力する。すなわち上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ28では、サーボ回路27から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ29を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。
このようなサーボドライブ信号により、ディスク40に対するフォーカス制御、トラッキング制御、およびスピンドルモータ29に対するCLV制御が行われることになる。
現行のMDシステムのディスクでオーディオデータを記録するときには、セレクタ16がB接点に接続され、したがってACIRCエンコーダ14およびEFM変調部15が機能することになる。
この場合、記録データとして図1に示されるキャッシュメモリ3から供給される圧縮データは、ACIRCエンコーダ14でインターリーブおよびエラー訂正コード付加が行われた後、EFM変調部15でEFM変調が行われる。
そして、EFM変調データがセレクタ16を介して磁気ヘッドドライバ17に供給され、磁気ヘッド18がディスク40に対してEFM変調データに基づいた磁界印加を行うことでオーディオトラックの記録が行われる。
これに対し、次世代MD1または次世代MD2のディスクにデータを記録する時には、セレクタ16がA接点に接続され、RS−LDCエンコーダ12およびRLL(1−7)PP変調部13が機能することになる。この場合、キャッシュメモリ3からの高密度データは、RS−LDCエンコーダ12でインターリーブおよびRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部13でRLL(1−7)変調が行われる。
そして、RLL(1−7)符号列としての記録データがセレクタ16を介して磁気ヘッドドライバ17に供給され、磁気ヘッド18がディスク40に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータトラックの記録が行われる。
レーザドライバ/APC20は、上記のような再生時および記録時においてレーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。
つまり、図示していないが、光学ヘッド19内にはレーザパワーモニタ用のディテクタが設けられ、そのモニタ信号がレーザドライバ/APC20にフィードバックされる。レーザドライバ/APC20は、モニタ信号として得られる現在のレーザパワーを、設定されているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号に反映させることで、レーザダイオードから出力されるレーザパワーが、設定値で安定するように制御している。
なお、レーザパワーとしては、再生レーザパワー、記録レーザパワーとしての値がシステムコントローラ8によって、レーザドライバ/APC20内部のレジスタにセットされる。
以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)は、図1に示されるシステムコントローラ8からの指示に基づいて実行されるものとなる。
説明を図1に戻し、本例の記録再生装置1内部の全体構成について説明する。
図1において、キャッシュメモリ3は、上記構成によるストレージ部2によりディスク40に記録するデータ、或いはストレージ部2によってディスク40から読み出されたデータについてのバッファリングを行うキャッシュメモリであり、例えばD−RAMより構成される。
キャッシュメモリ3へのデータの書込/読出は、システムコントローラ(CPU)8において起動されるタスクによって制御される。このようなキャッシュメモリ3に対する書込/読出に伴い、システムコントローラ8が行う動作については後述する。
USBインタフェース4は、例えばパーソナルコンピュータ50とUSBケーブルとしての伝送路51で接続された際の、データ伝送のための処理を行う。
入出力処理部5は、例えば記録再生装置1が単体でオーディオ機器として機能する場合に記録再生データの入出力のための処理を行う。
この入出力処理部5は、例えば入力系として、ライン入力回路/マイクロホン入力回路等のアナログ音声信号入力部、A/D変換器や、デジタルオーディオデータ入力部を備える。
また、入出力処理部5は、ATRAC圧縮エンコーダ/デコーダを備える。ATRAC圧縮エンコーダ/デコーダは、ATRAC方式(例えば先に述べたATRAC3plus、ATRAC3)によるオーディオデータの圧縮/伸長処理を実行するための回路である。なお、本例の場合、次世代ディスクにおいて記録されるデータ圧縮方式としては、ATRAC圧縮方式が採用される場合を例に挙げるが、もちろんのこと、例えばMP3などの他のフォーマットによる圧縮オーディオデータが記録再生可能な構成を採ってもよい。その場合には、これらの圧縮オーディオデータのフォーマットに対応したエンコーダ/デコーダを備えればよい。
また、本実施の形態としては、ビデオデータに関しては特に記録再生可能なフォーマットの限定は行わないが、例えばMPEG4などが考えられる。そして、入出力処理部5としては、このようなフォーマットに対応したエンコーダ/デコーダを備えればよいこととなる。
また、この場合において、上記入出力処理部5内には暗号処理部(図示せず)が備えられる。暗号処理部においては、例えばディスクに記録すべきAVデータについて、所定のアルゴリズムによる暗号化処理を施すようにされる。また、例えばディスクから読み出されたAVデータについて暗号化が施されている場合には、必要に応じて暗号解読のための復号処理を実行するようにもされている。
さらに、この場合の入出力処理部5は、出力系として、デジタルオーディオデータ出力部や、D/A変換器及びライン出力回路/ヘッドホン出力回路等のアナログ音声信号出力部を備えるものとされる。
このような入出力処理部5を介した処理として、ディスクにオーディオデータが記録されるのは、例えば入力TINとして入出力処理部5にデジタルオーディオデータ(又はアナログ音声信号)が入力される場合である。入力されたリニアPCMデジタルオーディオデータ、或いはアナログ音声信号で入力されA/D変換器で変換されて得られたリニアPCMオーディオデータは、必要に応じてATRAC圧縮エンコードされてキャッシュメモリ3に蓄積される。そして所定タイミング(ADIPクラスタ相当のデータ単位)でキャッシュメモリ3から読み出されてストレージ部2に転送される。ストレージ部2では、転送されてくるデータを所定の変調方式で変調してディスクに記録する。
また、再生時において、ディスクに記録されているデータが例えばリニアPCMデータである場合は、ストレージ部2はリニアPCMデータをキャッシュメモリ3に転送することになる。そして、キャッシュメモリ3から読み出されて入出力処理部5に転送されるリニアPCMオーディオデータは、デジタルオーディオデータ出力部から出力される。或いはD/A変換器によりアナログ音声信号としてライン出力/ヘッドホン出力が行われることになる。
また、ディスクに記録されているデータが例えばATRAC圧縮方式により圧縮されたデータであった場合は、ストレージ部2はATRAC圧縮データ状態の再生データをキャッシュメモリ3に転送する。そしてキャッシュメモリ3から読み出されて入出力処理部5に転送される。入出力処理部5は、供給されてくる圧縮オーディオデータに対してATRAC圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータとし、デジタルオーディオデータ出力部から出力する。或いはD/A変換器によりアナログ音声信号としてライン出力/ヘッドホン出力を行う。
システムコントローラ8は、記録再生装置1内の全体の制御を行うと共に、接続されたパーソナルコンピュータ50との間の通信制御を行う。
図示するROM8aには、システムコントローラ8の動作プログラムや固定パラメータ等が記憶される。特に本例の場合、このROM8aには後の図11,12にて説明するような本例の記録再生装置1としての動作を実現するためのプログラムが格納される。
またRAM8bは、システムコントローラ8によるワーク領域として用いられ、また各種必要な情報の格納領域とされる。
例えばストレージ部2によってディスク40から読み出された各種管理情報や特殊情報を記憶する。上述したP−TOCデータ、U−TOCデータ、FATデータ等、楽曲トラックの管理情報はこのRAM8bに記憶される。
なお、これら楽曲トラックの管理情報は、先に説明したキャッシュメモリ3に領域を設けて保持させるようにしてもよい。
キャッシュ管理メモリ9は、例えばS−RAMで構成され、キャッシュメモリ3の状態を管理する情報が格納される。システムコントローラ8はキャッシュ管理メモリ9を参照しながらデータキャッシュ処理(バッファリング処理)の制御を行う。
表示部6は、システムコントローラ8の制御に基づいて、ユーザーに対して提示すべき各種情報の表示を行う。例えば動作状態、モード状態、楽曲等のデータの名称情報、トラックナンバー、時間情報、その他の情報表示を行う。
また、例えばディスク40が次世代ディスクである場合には、このディスク40に対し楽曲データに対応づけて画像データが記憶されていることが想定されており、表示部6は、ディスク40のロード時や再生時等においてシステムコントローラ8の制御に基づき、このように対応づけられた画像データの表示も行うものとされる。
操作部7には、ユーザーの操作のための各種操作子として、各種操作ボタンやジョグダイヤルなどが形成される。ユーザーは、この操作部7に対する操作により記録再生装置1に対する所要の動作指示を行う。システムコントローラ8は操作部7によって入力された操作情報に基づいて所定の制御処理を行う。
なお、これまでに説明した記録再生装置1の構成はあくまでも一例であり、例えば入出力処理部5は、オーディオデータだけでなく、ビデオデータに対応する入出力処理系を備えるようにしてもよい。
また、パーソナルコンピュータ50との接続はUSBでなく、IEEE1394等の他の外部インタフェースが用いられても良い。
また、操作部7としては、リモートコントローラを用いたユーザインタフェースとして実現されてもよい。
ここで、上記のような構成とされる記録再生装置1において、図1に示したキャッシュメモリ3に対してデータがバッファリングされる様子を、次の図6を参照して説明する。なお、この図6では、キャッシュメモリ3でのデータのバッファリングの様子を模式的に示している。
先ず、本例の場合としても、キャッシュメモリ3へのデータのバッファリングは、先の図4に示した記録再生の単位としてのオーディオブロックを書込/読出の最小単位として行うようにされている。
つまり、図中においては、1オーディオブロック単位として示した太枠の単位で図示する書き込み位置及び読み出し位置が移動していくようにされる。
なお、キャッシュメモリ3からのデータの読出については、必ずしも上記のようなオーディオブロック単位とされなくてもよい。
そして、例えばこのようにキャッシュメモリ3に対するデータ書込/読出の最小単位がオーディオブロック単位とされていることから、バッファリングデータの容量管理は、一般的にキャッシュメモリ3に積まれたこのようなオーディオブロックの数に基づいて行うようにされていた。
ここで、先の図4においても説明したように、上記のようなバッファメモリでの書込/読出最小単位となるオーディオブロック内には、再生の最小単位である複数のサウンドフレームが格納されているものとなる。
そして、先にも述べたとおり、このようなオーディオブロックとして、例えば楽曲トラックの終端部分となるオーディオデータが格納されるもの等については、オーディオブロックの終端または始端とサウンドフレームの終端または始端とが一致しないことによって、図中「A」と示すような、オーディオデータとしての有効なデータの格納されない隙間領域が生じる場合がある。
このようにオーディオブロックにて隙間領域が生じている場合において、上記のようにしてキャッシュメモリ3に対して積まれたオーディオブロックの数に応じた容量管理を行うことによっては、実際にはオーディオデータが存在しない領域もバッファ残量としてカウントされてしまうこととなる。
これによっては、算出されたバッファ残量と再生可能時間とにずれが生じることとなって、キャッシュメモリ3へのデータ再溜め込みを適切なタイミングで行うことができなくなる可能性がある。そして、これによってキャッシュメモリ3のアンダーフローを誘発し、再生出力の破綻を招く可能性がある。
また、このようなバッファ残量管理として、先にも述べたように従来では、バッファリングされるデータの容量にのみ基づいてデータの再溜め込みを行うタイミングを決定するものとしていた。つまり、例えばバッファリングデータの単位データ容量当たりの再生時間から、溜め込み処理が行われる前にバッファがアンダーフローしない充分な再生時間が得られるデータ容量を割り出し、バッファ残量がこのデータ容量(閾値)を下回ったタイミングで再溜め込み処理を実行することで、バッファのアンダーフローを防止するようにしていたものである。
しかしながら、本例では、上述のようにディスク40上に対してデータフォーマットや再生ビットレートの異なるデータが混在して記憶されている場合があることから、キャッシュメモリ3に対しても、このようにデータフォーマットやビットレートの異なるデータが混在してバッファリングされる場合があることになる。
そして、このようにデータフォーマットやビットレートの異なるデータでは、単位データ容量あたりの再生時間もそれぞれ異なるものとなるから、この場合において上記のように所定のデータ容量を閾値に設定して再溜め込み処理を行っていたのでは、確実にバッファのアンダーフローを防止することができなくなる可能性がある。
そこで、本実施の形態ではこれらの問題点の解決を図るべく、記録再生装置1において以下のような動作を行うものとしている。
図7、図8は、本例としてのキャッシュメモリ3の管理について説明するための図である。なお、これら図7、図8としても、キャッシュメモリ3におけるデータのバッファリングの様子を模式的に示している。また、この場合、キャッシュメモリ3に対しては、例えばATRAC3、ATRAC3plus圧縮方式によりそれぞれ圧縮されたオーディオデータ、及びリニアPCMオーディオデータの3種の異なるフォーマットのデータが混在してバッファリングされる場合を例に挙げる。また、例えばATRAC3plusの圧縮方式によるデータとしては、さらに再生ビットレートが64KB(/bps)と256KB(/bps)との2種が存在するものとする。
先ず図7には、キャッシュメモリ3へのデータの書き込みに伴う動作を示す。
図7において、先ずは図中(1)と示すようにして、例えばキャッシュメモリ3内にデータがバッファリングされていない状態を想定する。そして、このような状態に対し、図示するようにATRAC3plus圧縮方式であって、再生ビットレートが64KBであるデータが格納されたオーディオブロックについての書き込みが行われるとする。
このようにして、キャッシュメモリ3に対してオーディオブロックが書き込まれるのに応じ、図1に示したシステムコントローラ8は、先ずはこの書込オーディオブロック内に格納されるオーディオデータのフォーマットの情報を認識するようにされる。つまりこの場合は、書込オーディオブロックのフォーマットの情報としてATRAC3plusの情報が認識されることになる。
そして、これと共にシステムコントローラ8は、このオーディオブロック内に格納されるサウンドフレームについての、スタートサウンドフレーム(図中START SF)の情報とエンドサウンドフレーム(END SF)の情報とを認識するようにされる。
この「START SF」「END SF」としては、オーディオブロック内において、オーディオデータとして有効なデータが格納されているサウンドフレームを特定するための情報であり、「START SF」により示されるサウンドフレームから「END SF」により示されるサウンドフレームまで有効なデータが格納されていることが示される。
従って、このような「START SF」「END SF」の情報に基づけば、書込オーディオブロック内において有効なオーディオデータが格納されるサウンドフレームの数を算出することができるものである。
例えばこの場合は、図示するように「START SF」=0、「END SF」=42が認識されたことから、書込オーディオブロック内の有効なサウンドフレーム数は43個であるという情報が得られるものである。
なお、本例において、上記のようなオーディオブロックごとのフォーマット情報としては、ディスク40上における楽曲トラックについての管理情報内に格納されるものとされている。キャッシュメモリ3へのデータの書込時において、システムコントローラ8は、このような管理情報を例えばディスク40のロード時等に読み出して保持しているものとされることから、上記のような書込オーディオブロックについてのフォーマット情報は、このように保持されている管理情報を参照することによって認識することができる。
また、同様に上記「START SF」「END SF」の情報についても、ディスク40上の管理情報内に格納されるものとされ、これらの情報としても、上記のように保持された管理情報を参照することによって得ることができる。
このようにして書込オーディオブロックについてのフォーマットの情報と、有効なサウンドフレームの数の情報とを取得すると、予めフォーマットごとに用意されたカウンタの値を加算する。
すなわち、この場合は、図中にカウンタの値として示したようなフォーマットごとに対応させたカウンタの値のうち、ATRAC3plusに対応するカウンタの値に、43個分の値を加算するようにされる。
なお、このような各フォーマットごとのカウンタの動作としては、例えばソフトウエアにより実現されればよい。或いは、レジスタ等のハードウェアを構成して実現するものとされてもよい。
このようにして先の(1)の状態からATRAC3plusによるオーディオブロックの書込が完了した、図中(2)の状態において、続いては、図示するように例えばATRAC3plus圧縮方式によるデータであって、再生ビットレートが256KBであるオーディオデータが格納されたオーディオブロックについての書込が行われるとする。
この場合もシステムコントローラ8は、この書込オーディオブロック内に格納されるオーディオデータのフォーマットの情報を認識するようにされる。そして、これと共にオーディオブロック内に格納されるサウンドフレームについての「START SF」と「END SF」の情報を取得し、これらの情報からオーディオブロック内の有効なサウンドフレームの数を算出する。この場合は図のように「START SF」=2、「END SF」=9が認識されたとして、有効サウンドフレーム数=8が算出されたとする。
その上で、この場合も認識されたフォーマット情報に対応するカウンタの値に、このように算出されたサウンドフレーム数の値を加算するようにされる。つまり、この場合はフォーマットとしてATRAC3plusが認識され、有効サウンドフレーム=8が算出されたことから、ATRAC3plusに対応するカウンタの値に「8」を加算するようにされる。
これによって、ATRAC3plusに対応するカウンタの値としては、先の「43」に「8」が加算されて、図示するように「51」となる。
さらに、このようにATRAC3plusのオーディオブロックが2つ積まれた(3)の状態から、例えば図のようにATRAC3圧縮方式、再生ビットレート=105KBによるオーディオブロックであって、「START SF」=0、「END SF」=40となるオーディオブロックについての書込が行われるとすると、上記と同様の動作が行われることによって、この場合はATRAC3に対応するカウンタの値に、有効サウンドフレーム数=41が加算される。
また、さらにこのようなATRAC3のオーディオブロックが積まれた(4)の状態のから、図のようにリニアPCMオーディオによるオーディオブロックであって「START SF」=0、「END SF」=254となるオーディオブロックについての書込が行われるとすると、この場合はリニアPCMに対応するカウンタの値に、有効サウンドフレーム数=255が加算されるものとなる。
このような本例の書込処理に伴う動作が行われることによって、図中(1)〜(4)の状態への遷移に伴い各カウンタの値は、図中の(5)の状態として示すようにATRAC3plus=51、ATRAC3=41、PCM=255となり、これによりキャッシュメモリ3にオーディオブロック単位により積まれたデータについての、各フォーマットごとの有効サウンドフレーム数の値が示されるようになる。
続いて、図8には、キャッシュメモリ3にバッファリングされたデータについての読出処理に伴う動作について示す。
先ず、この場合、図中(1)に示す状態としては、キャッシュメモリ3に対し、例えば先の図7中の(5)の状態と全く同様にデータがバッファリングされている場合を想定する。
このような(1)の状態に対し、例えばATRAC3plus圧縮方式、再生ビットレート=64KBのオーディオブロックが読み出されるとする。
すると、これに応じシステムコントローラ8は、先ずはこのように読み出しが行われるオーディオブロックについての、フォーマットの情報を認識する。つまりこの場合も例えば予め保持された管理情報を参照することで、このような読出オーディオブロックについてのフォーマット情報を認識することができる。
このようにキャッシュメモリ3から読み出されたオーディオブロック単位によるオーディオデータは、図1に示した入出力処理部5に対して供給されることとなる。そして、この場合の読出データは、ATRAC3plus圧縮方式によるものであるから、入出力処理部5においてはこのデータについてのデコード処理を行うものとされる。
そして、この場合、上記入出力処理部5(ATRAC圧縮デコーダ)においては、キャッシュメモリ3から読み出されたオーディオデータについてのデコード処理を、サウンドフレームを最小単位として行うようにされる。これは、先の図4においても説明したとおり、オーディオデータについての再生の最小単位がこのようなサウンドフレーム単位とされていることによる。
ここで、本例の記録再生装置1において、システムコントローラ8は、このようにオーディオデータについてのデコード処理が行われる際に、上記入出力処理部5にて1サウンドフレーム分のデコード処理が完了するのを監視する処理を行うものとされている。
つまり、上記のように読出オーディオブロックのフォーマット情報を認識した後は、このように入出力処理部5にて1サウンドフレーム分のデコード処理が完了するのを監視するようにされるものである。
なおこの場合、上記入出力処理部5としては、例えば1サウンドフレーム分のデコード処理が完了するごとに所定の通知信号を出力するように構成しておき、この通知信号をシステムコントローラ8が監視するようにしておくことで、上記のように1サウンドフレーム分のデコード処理が完了したことを認識できるように構成しておく。
そして、このような処理によって、入出力処理部5にて1サウンドフレーム分のデコード処理が完了したことが認識されたことに応じては、先に認識された読出オーディオブロックのフォーマットに対応するカウンタの値を、1デクリメントするようにされる。
さらに以降も、同様に1サウンドフレーム分のデコード処理の完了が認識されるごとに、対応するカウンタの値を1づつデクリメントしていくようにされる。
ここで確認のために述べておくと、上記入出力処理部5においては、有効サウンドフレーム以外のサウンドフレームについてはデコード処理が行われないものとなるから、有効サウンドフレーム以外のサウンドフレームがデコード出力された場合には、カウンタの値が減少することはない。つまり、このような仕組みによって、この場合は読出オーディオブロック内に格納された有効サウンドフレーム数のみが正確に減算されるようになる。
これによって、読出オーディオブロックのデータについてのデコード処理(再生出力)が完了した図中(2)の状態では、ATRAC3plusに対応するカウンタの値が43減少して「8」となるようにされる。
続いて、このような(2)として示した状態から、さらにATRAC3plus圧縮方式、再生ビットレート=256KBによる次のオーディオブロックが読み出されたとする。
この場合も、先ずは読出オーディオブロックについてのフォーマット情報を認識するようにされる。そして、このようにフォーマット情報を認識した後は、この読出オーディオブロックについてのデコード処理が、1サウンドフレームごとに完了するのを監視する。さらに、このようにデコード処理が1サウンドフレームごとに完了することに応じて、上記のように認識した読出オーディオブロックのフォーマットに対応するカウンタの値を1づつデクリメントしていくようにされる。
これによって、この読出オーディオブロックについての再生出力が完了した図中(3)の状態では、この読出オーディオブロックのフォーマットに対応するATRAC3plusのカウンタの値が、この場合のオーディオブロック内の有効サウンドフレーム数=8の値分減少するものとなる。つまり、これによって、ATRAC3plusのカウンタの値は、図のように「0」となる。
さらに、この(3)に示す状態から、ATRAC3圧縮方式、再生ビットレート=105KBのオーディオブロックについての読み出しが行われたとすると、この場合も上記と同様の動作が行われることによって、1サウンドフレーム分のデコード処理が完了するごとに、この場合はATRAC3のカウンタの値が1づつデクリメントされていくものとなる。そして、このATRAC3の読出オーディオブロックについての再生出力が完了した(4)の状態では、図示するようにATRAC3のカウンタの値は「0」となる。
なお、これら図7、8では、説明の便宜上、オーディオブロック単位でデータフォーマットや再生レートが異なるデータがバッファリングされる場合を例に挙げたが、本例において、実際には楽曲トラック単位でのみフォーマットや再生レートが異なるようにされているものである。
また、図7,8においては、便宜上、キャッシュメモリ3に対してバッファリングされるデータがATRAC3plus(再生ビットレート=64KB及び256KB)、ATRAC3(再生ビットレート105KB)、リニアPCMオーディオデータの計4種のみとしたが、本例において実際には、ディスク40に対しては例えば図13に示すような各種のオーディオデータが記憶可能な場合が想定されている。
つまり、図13に示すように、ATRAC3のフォーマットによるデータとしては、さらに再生ビットレートが132KB、66KBのものが想定されている。また、ATRAC3plusのフォーマットによるデータとしては、さらに352KB、192KB、64KB、48KB、33KBのものが想定されているものである。
上記図7,8に示したような動作が行われることによっては、キャッシュメモリ3に対するオーディオブロックの書込/読出ごとに、対応するフォーマットのカウンタの値が、書込/読出された有効サウンドフレーム数の値だけ増加/減少されるものとなる。
そして、このように書込/読出の行われた有効サウンドフレーム数の値だけ、対応するフォーマットのカウンタの値が変化することで、キャッシュメモリ3にバッファリングされているオーディオデータについて、各フォーマットごとの有効サウンドフレーム数の情報を得ることができる。
図9は、このようにキャッシュメモリ3にバッファリングされているデータの、各フォーマットごとの有効サウンドフレーム数の情報から、キャッシュメモリ3にバッファリングされているデータの残り再生可能時間を求める際の概念的な図を示すものである。
この図9において、図示するフォーマットにより特定されるカウンタの値の領域は、各フォーマットごとのカウンタの値を示すものとなる。つまり、図示する「ATRAC3plus」により特定されるカウンタの値の領域には、上記説明からも理解されるように、キャッシュメモリ3にバッファリングされているATRAC3plus圧縮方式によるデータの、有効サウンドフレームの数を示すものとなる。
同様に、図中「ATRAC3」、「PCM」によりそれぞれ特定されるカウンタの値の領域には、キャッシュメモリ3にバッファリングされているATRAC3圧縮方式、リニアPCMオーディオによるデータの有効サウンドフレームの数をそれぞれ示すものである。
ここで、先の図4においても説明したように、1サウンドフレーム分の再生時間としては、各フォーマットごとに同一となるように規定されているものである。
例えば、図13にも示されるようにして、ATRAC3plusでの1サウンドフレーム分の再生時間は、再生ビットレートの別に関わらず例えば46.4msecとされている。また、例えばATRAC3、PCMでは、それぞれ23.2msecと0.36msecとされている。
このことから、上記のように各フォーマットごとに得られたカウンタの値に対し、このように各フォーマットで規定されている1サウンドフレーム分の再生時間を乗算することによっては、キャッシュメモリ3にバッファリングされるデータの、各フォーマットごとの再生時間を得ることができる。
そして、このようにキャッシュメモリ3にバッファリングされるデータの各フォーマットごとの再生時間が得られれば、これらを加算することによって、キャッシュメモリ3にバッファリングされているすべてのデータによる正確な残り再生可能時間を求めることができるようになる。
このようにして、キャッシュメモリ3にバッファリングされるデータによる残り再生可能時間の情報を得ることができるようにした上で、本例の記録再生装置1においては、この残り再生可能時間が、予め設定された時間長による閾値を下回ったことに応じて、キャッシュメモリ3へのデータの再溜め込みを実行するものとしている。
つまり、キャッシュメモリ3へのデータ再溜め込みを、キャッシュメモリ3にバッファリングされるデータの残り再生可能時間を基準として行うようにしたものであり、これによって再溜め込みを行う段階では、常にキャッシュメモリ3に対して設定された所定時間長分のデータを残しておくことが可能となるようにしている。
そして、このとき、上記のような所定時間長による閾値として、例えば再溜め込み動作が行われるまでに必要となる時間長に応じた、充分な時間長による値を設定しておけば、バッファのアンダーフローを確実に防止することができるようになる。
図10は、このように再生可能時間を基準として行う、本例のバッファ残量管理について説明するための概念図である。なお、この図において縦軸はキャッシュメモリ3におけるバッファ残量を示し、横軸は時間経過を示している。
先ず、図示する時点t1までは、キャッシュメモリ3へのデータの溜め込みが行われる。この場合、図からもわかるようにキャッシュメモリ3への溜め込みは、バッファ容量がFullになるまで行われる場合を例としている。
このようにキャッシュメモリ3に対してデータ溜め込みが行われることによっては、先の図7の説明にて説明した動作からも理解されるように、各フォーマットごとのカウンタの値が増加していく。そして、キャッシュメモリ3の容量がFullとなるのに応じて、カウンタの値はピーク値を指すものとなる。このときのカウンタの値に応じて、先の図9にて説明した演算処理により残り再生可能時間が算出されることで、図中に示したような、バッファ容量Fullでの残り再生可能時間の情報が得られるものとなる。つまりこの場合は、バッファ容量がFullとなった時点t1から、図示するようにバッファ容量が0レベルとなる時点t4までの間が、残り再生可能時間となるものである。
溜め込みが完了した時点t1以降では、キャッシュメモリ3からバッファリングされたデータが読み出されることによって、図示するようにバッファ容量は徐々に減少していく。この場合、バッファ容量の減少の傾きは、この際のキャッシュメモリ3からの読出データのフォーマットごとに異なるものとなる。例えば、非圧縮のリニアPCMオーディオデータであれば、図13にも示されるように1オーディオブロックの再生時間は最も短くなるため、読出に伴うバッファ容量減少の傾きは最も急峻となるようにされる。また、例えば最も高圧縮率であるATRAC3plusの再生ビットレート=33kのオーディオデータであれば、1オーディオブロックの再生時間は最も長くなるため、上記のような傾きは最も緩やかになる。
また、このように溜め込み完了後においてキャッシュメモリ3からデータが読み出されることに応じては、先に図6にて説明したようなオーディオブロック内の隙間領域が生じている部分で、例えば図中時点t2に示すようにしてバッファ容量が急激に落ち込むようにされる。これは、先にも説明したように、このような隙間領域では有効なオーディオデータが存在しないため、有効なサウンドフレームについてのデコード処理が間欠なく行われている状況では、キャッシュメモリ3からのデータ読み出しが早まるようにされることによる。
本例においては、先にも述べたように有効なオーディオデータが格納されるサウンドフレームのみを対象として残り再生可能時間を算出するようにされるから、図示するようにこのような隙間領域は、残り再生可能時間としてはカウントされないものとなる。
キャッシュメモリ3からの読み出しが行われることに応じては、先の図8の説明からも理解されるように、読み出し中のオーディオブロックのデータフォーマットに対応するカウンタの値が徐々にデクリメントされていく。そして、これに伴っては、図中の残り再生可能時間の値も徐々に減少していくようにされる。
本例では、上記もしているようにこのようなキャッシュメモリ3にバッファリングされるデータを、残り再生可能時間を基準として管理するものである。そして、これに応じて、キャッシュメモリ3へのデータの再溜め込みを行うための閾値としても、時間長により設定される。
このような閾値としては、例えば再生ヘッドの移動が開始されて溜め込みが開始されるまでに要する最大時間長に応じた値を設定するものとし、この場合は、図のように例えば9secを設定するようにしている。これによって、この場合はキャッシュメモリ3のバッファ容量が0レベルとなる(つまり残り再生可能時間がなくなる)時点t4から、9secの再生可能時間を残した図中時点t3にて、キャッシュメモリ3への再溜め込みが行われるものとなる。
また、このように再溜め込みが行われた以降は、バッファ容量が再びFullとなる時点t5に至るのに応じて、再びバッファFull時での残り再生可能時間の情報が得られるものとなる。
ここで、この時点t3〜t4にかけてのデータ溜め込みでは、先の時点t1までに溜め込まれたデータよりも、例えばデータ圧縮率の高いデータも溜め込まれたとする。
これに応じては、この場合の残り再生可能時間として、図のように時点t1までに溜め込まれたデータによるものよりも長い時間長が算出されるものとなる。つまり、この場合、図示するように再溜め込み直後の読み出しでは、時点t1までのバッファ容量は比較的急峻な傾きにより減少していくが(時点t5〜t6)、時点t6以降は、上記のような例えばデータ圧縮率が高く単位容量あたりの再生時間の長いデータについての読み出しが開始されるのに伴い、バッファ容量減少の傾きはより緩やかなものとなる。従って、この場合のバッファ容量がFullから0レベルとなるまでの時間長(時点t4〜t8)は、先の時点t1〜t4までの時間長よりも長くなるものであり、このことからも、この場合の残り再生可能時間としてはより長い時間長が算出されることが理解できる。
そして、図示するように、このように単位容量当たりの再生時間が長いデータがバッファリングされる場合であっても、閾値は時間長による9sec(時点t7〜t8)が設定されていることから、この場合としても9secの再生時間が得られるデータ容量を確実に残して、再溜め込みを行うことができるものとなる。
このような図10の説明からも、再生可能時間を基準としてバッファ残量管理を行う本例では、バッファリングされるデータのフォーマットや再生ビットレート(つまり単位容量あたりの再生時間)、及び隙間領域の影響を受けず、確実にキャッシュメモリ3のアンダーフローを防止することができることが理解できる。
図11、図12には、上記説明による本例の記録再生装置1としての動作を実現するために行うべき処理動作について示す。なお、これらの図に示される動作は、先にも述べたように図1に示したシステムコントローラ8がROM8aに格納されるプログラムに従って行うものである。
先ず図11には、先の図7にて説明したような、キャッシュメモリ3へのデータ書込(溜め込み)に伴って行われるべき動作に対応する処理動作について説明する。
図11において、システムコントローラ8は、図示するステップS101にてキャッシュメモリ3への溜め込み処理を開始する。
そして、このように溜め込み処理を開始すると、ステップS102において、キャッシュメモリ3に対して書き込まれる書込オーディオブロックのデータフォーマットの情報を取得する。先にも説明したように、この場合は、例えば既にディスク40から読み出されて保持された楽曲データについての管理情報を参照することによって、このような書込オーディオブロックのフォーマット情報を取得するようにされる。
続くステップS103においては、書込オーディオブロック内の「START SF」「END SF」の情報を取得する。このような「START SF」「END SF」の情報としても、この場合は上記管理情報を参照することによって得るようにされる。
そして、ステップS104においては、取得されたこれら「START SF」「END SF」の情報から、オーディオブロック内に含まれる有効サウンドフレーム(SF)数を算出する。
ステップS105においては、取得されたデータフォーマットに対応するカウンタの値に、算出されたサウンドフレーム数の値を加算する処理を実行する。つまり、先のステップS102の処理によって取得されたフォーマットの情報によって特定されるカウンタの値を、上記ステップS104にて算出された有効サウンドフレーム数の値だけ増加させるものである。
続くステップS106においては、1オーディオブロック分の書込の完了を監視する。そして、1オーディオブロック分の書込が完了した場合は、ステップS107において、キャッシュメモリ3のバッファ容量がFullとなったか否かについての判別処理を行う。
このステップS107において、バッファ容量が未だFullとなってはいないとして否定結果が得られた場合は、再びステップS102の処理が実行される。つまり、これによって、次の書込オーディオブロックについてのフォーマット情報の取得、有効SF数の算出、対応するカウンタの値の加算の各処理が再び実行されるものとなる。
そして、ステップS107において、キャッシュメモリ3のバッファ容量がFullとなったとされて肯定結果が得られた場合には、ステップS108に処理を進める。
ステップS108においては、キャッシュメモリ3へのデータ溜め込み処理を停止する。
そして、続くステップS109においては、各カウンタの値と各フォーマットでのサウンドフレームの再生時間の情報とから、残り再生可能時間の算出を開始する。すなわち、先の図9にて説明したように各フォーマットごとのカウンタの値と、そのフォーマットで規定されるサウンドフレームの再生時間の情報とに基づいて求めることのできる、キャッシュメモリ3にバッファリングされているデータの残り再生可能時間についての算出を開始するものである。
このようにして、キャッシュメモリ3にバッファリングされているデータの残り再生可能時間の算出を開始すると、続くステップS110においては、残り再生可能時間が閾値を下回るのを監視する。つまり、上記ステップS109にてその算出が開始された残り再生可能時間の値と、予め設定された所定の閾値とを比較した結果に基づき、上記残り再生可能時間の値が、上記閾値を下回る状態となることを監視する。
そして、残り再生可能時間の値が上記閾値を下回ったとされた場合は、ステップS101に処理を進めて、再びキャッシュメモリ3へのデータ溜め込み処理を開始するようにされる。これによって、残り再生可能時間が上記閾値を下回ることに応じては、キャッシュメモリ3へのデータの再溜め込みが行われるようになる。
なお、上記ステップS110にて設定される閾値としては、溜め込みが開始される前にキャッシュメモリ3がアンダーフローしてしまうことを確実に防止できる、充分な時間長が設定されればよい。例えばこの場合は、先にも述べたように再生ヘッドの移動が開始されて溜め込みが開始されるまでに要する最大時間を考慮した、例えば9secが設定されるものである。
続いて、図12には、先の図8にて説明したような、キャッシュメモリ3へのデータ読出に伴って行われるべき動作に対応する処理動作について説明する。
先ず、図12において、システムコントローラ8は、図示するステップS201において、例えばキャッシュメモリ3のバッファ容量が所定以上となる等、所定条件に応じてキャッシュメモリ3からのデータ読出処理を開始する。
そして、ステップS202においては、読出オーディオブロックのデータフォーマットの情報を取得する。このような読出オーディオブロックのフォーマット情報についても、予めディスク40から読み出しを行った管理情報に基づいて得ることができる。
続くステップS203においては、1サウンドフレーム分のデコード処理の完了を監視する。このステップS203の処理としては、例えば先の図8にて説明したようにして、図1にて説明した入出力処理部5から1サウンドフレーム分のデコードが完了するごとに通知信号を出力させるように構成しておき、この通知信号に基づいて行うことができる。
なお、キャッシュメモリ3からの有効サウンドフレームの出力タイミングが、システムコントローラ8において認識できるような構成が採られる場合は、このように入出力処理部5が通知信号を出力する構成を採る必要はない。
ステップS203において、1サウンドフレーム分のデコード処理が完了したとされた場合は、ステップS204に処理を進める。
ステップS204においては、取得されたフォーマット情報に対応するカウンタの値を1デクリメントする処理を行う。すなわち、先のステップS202にて取得されたオーディオブロックのフォーマット情報により特定されるカウンタの値を1デクリメントする。この場合、1オーディオブロック内でサウンドフレームごとにフォーマットが異なるといったことはないから、上記のような動作によっては、1サウンドフレーム分のデコード処理が完了するごとに、このようにデコード処理が完了したサウンドフレームのデータに対応したカウンタの値が1デクリメントされることになる。
続くステップS205においては、1オーディオブロック分のデコード処理の完了を監視する。このようなステップS205の処理としても、例えば入出力処理部5から1オーディオブロック分のデコードが完了するごとに通知信号を出力させるように構成しておき、この通知信号に基づいて行うことができる。なお、この場合も、キャッシュメモリ3からの1オーディオブロック分の出力タイミングがシステムコントローラ8において認識できるような構成が採られる場合は、上記のように入出力処理部5が通知信号を出力する構成を採る必要はない。
ステップS205において、1オーディオブロック分のデコード処理が未だ完了してはいないとして、否定結果が得られた場合は、図示するようにステップS203に処理を進めて、再び1サウンドフレーム分のデコード処理の完了を監視する。つまり、この場合は同一オーディオブロック内における次のサウンドフレームについてのデコード完了を監視するようにされる。
また、ステップS205において、1オーディオブロック分のデコード処理が完了したとして肯定結果が得られた場合は、再びステップS202からの処理を実行するようにされ、これによって次の読出オーディオブロックについて、再びフォーマット情報の取得、及び1SF分のデコード完了に伴う対応するカウンタの値のデクリメント処理を繰り返し行うようにされる。
これら図11、12に示した処理動作において、図11に示したステップS105の処理によっては、キャッシュメモリ3に対してデータが書き込まれるごとに、そのデータのフォーマットに対応するカウンタの値が増加する。そして、この一方で読出処理に伴っては、図12に示したステップS204の処理によって、1サウンドフレーム分のデータがデコード(再生出力)されるごとに、そのデータのフォーマットに対応したカウンタの値が減少されていくものとなる。
このようにして、キャッシュメモリ3へのデータの書込/読出に伴って、対応するカウンタの値が逐次増加/減少されることで、各カウンタの値は、キャッシュメモリ3にバッファリングされているデータのフォーマットごとの有効サウンドフレーム数を常に示すようになる。
そして、図11にてステップS109→S110→S101の処理として示したように、このようにカウントされる各カウンタの値に基づいて算出された残り再生可能時間の値が、所定閾値を下回ったことに応じ溜め込み処理が開始されることで、キャッシュメモリ3に保持されるデータの正確な残り再生可能時間に基づいて、再溜め込み処理を行うことができる。
以上のようにして本例の記録再生装置1においては、キャッシュメモリ3に対するデータの書込/読出ごとに、これら書込/読出データのフォーマットに応じたカウンタの値をインクリメント/デクリメントするようにして、キャッシュメモリ3内のデータによる残り再生可能時間を算出するようにしたから、キャッシュメモリ3に対してフォーマットの異なる(単位容量当たりの再生時間の異なる)データが混在してバッファリングされる場合にも、正確な残り再生可能時間の情報を得ることができる。
つまり、本例の記録再生装置1によっては、このようにキャッシュメモリ3に単位容量当たりの再生時間の異なるデータがバッファリングされる場合にも、確実にキャッシュメモリ3のアンダーフローを防止することができる。
また、本例の記録再生装置1によれば、キャッシュメモリ3に対してバッファリングされるデータは、書き込まれた有効サウンドフレーム数、及びキャッシュメモリ3から読み出されてデコードされた有効サウンドフレーム数の情報に基づいてその再生可能時間が算出されることから、オーディオブロック内に隙間領域が生じていたとしても、この隙間領域が残り再生可能時間としてカウントされないようにすることができる。
このようにキャッシュメモリ3にバッファリングされるオーディオブロック内の隙間領域が、残り再生可能時間にカウントされないようにすることができれば、より正確な残り再生可能時間の情報を得ることができ、これによってキャッシュメモリ3のアンダーフローをより確実に防止することができる。
ここで、先にも述べたように、従来のようにデータ容量に基づく管理を行う場合では、バッファのアンダーフローを防止するためには、バッファリングが想定されるデータ中の、単位容量当たりの再生時間の最も短いものに合わせた比較的大きな閾値を設定することも考えられる。しかしながらこのような閾値に基づいて再溜め込み処理を行う場合は、単位容量当たりの再生時間の長い他のデータがバッファリングされたときに、その閾値としての容量では充分に再生可能時間が残っているにも関わらず、再溜め込みが実行されてしまうといった事態が生じる。そして、このように充分な再生可能時間が残っているにも関わらず再溜め込み処理が行われてしまうことによっては、その分、再生ヘッドのアクセス回数が余分に必要となり、装置の消費電力が増大してしまうこととなる。
これに対し、残り再生可能時間を基準に再溜め込みを行う本例では、先の図10での説明からも理解されるように、そのときキャッシュメモリ3に対してバッファリングされているデータに応じて、常にアンダーフローを生じさせない必要最低限のデータ容量を残して再溜め込み処理を行うことができるようになる。
すなわち、実質的には、図10にてth1、th2として示したように、キャッシュメモリ3にてバッファリングされているデータに応じて、そのとき確保しておくべき必要最低限の容量となる閾値が可変されるようにして設定されることになるので、不必要なアクセスは行わずに済むものとなる。
このようなことから、本例の記録再生装置1によっては、再溜め込みに要する装置の消費電力を必要最小限に抑制できることがわかる。
なお、これまでに説明してきた本例の記録再生装置1としては、例えばディスク40に記憶されるデータが楽曲データとされる場合を例に挙げたが、本発明としては、これ以外にも例えば映像データ等、再生時間的に連続性を有する(再生出力が連続性を有して行われる必要のある)他のデータが記憶される場合においても好適に適用できるものである。
また、本例では、ディスク40に対してデータ記録が可能な記録再生装置を例に挙げたが、ディスク40に対するデータ再生のみが可能に構成された再生装置としての構成を採るようにしても構わない。
さらに、本例では、キャッシュメモリ3におけるバッファ容量がFullとなるまで再溜め込みを行うものとしたが、再溜め込みを停止する条件は他の条件が採用されても構わない。
さらに、本例では、本発明の記録再生装置がMDに対応した構成に適用される場合を例に挙げたが、例えばCD、DVD(Digital Versatile Disc)、ハードディスク、半導体メモリ装置等の他の記憶媒体に対応する構成に対しても本発明は好適に適用できる。
本発明の実施の形態としての記録再生装置の内部構成例について示したブロック図である。 実施の形態の記録再生装置が対応するとされる、次世代ディスクについて説明するための図である。 同じく、実施の形態の記録再生装置が対応するとされる、次世代ディスクについて説明するための図である。 上記次世代ディスクに記録されるデータの構造を簡略的に示した図である。 実施の形態の記録再生装置内に備えられるストレージ部の内部構成例について示すブロック図である。 実施の形態の記録再生装置が備えるキャッシュメモリ(バッファメモリ)に対するデータのバッファリングの様子を模式的に示した図である。 実施の形態の記録再生装置としての動作として、キャッシュメモリへのデータ書込に伴って行われる動作について模式的に示した図である。 実施の形態の記録再生装置としての動作として、キャッシュメモリからのデータ読出に伴って行われる動作について模式的に示した図である。 残り再生可能時間の算出方法を概念的に示した図である。 本例の記録再生装置によるバッファ残量管理について模式的に示した図である。 実施の形態の記録再生装置が行う処理動作として、キャッシュメモリへのデータ書込に伴って行うべき処理動作について示したフローチャートである。 実施の形態の記録再生装置が行う処理動作として、キャッシュメモリからのデータ読出に伴って行うべき処理動作について示したフローチャートである。 実施の形態の記録再生装置が対応する次世代ディスクへの記録が想定されるデータの種類の例について、それぞれのデータフォーマット、再生ビットレート、1サウンドフレームの再生時間、1オーディオブロックの再生時間を示した図である。
符号の説明
1 記録再生装置、2 ストレージ部、3 キャッシュメモリ、4 USBインタフェース、5 入出力処理部、6 表示部、7 操作部、8 システムコントローラ、8a ROM、8b RAM、9 キャッシュ管理メモリ

Claims (4)

  1. 再生時間的に連続性を有する時系列データを記憶媒体から読み出す読出手段と、
    上記読出手段で読み出された時系列データを、最小再生単位であるフレームを1又は複数含むことになるブロック単位で蓄積するバッファメモリ手段と、
    上記バッファメモリ手段から読み出された時系列データについて再生出力処理を行う出力処理手段と、
    上記バッファメモリ手段に蓄積された各ブロックについての時系列データの種別、及び各ブロック内の有効な時系列データを含む有効フレームの数から、上記バッファメモリ手段に蓄積されている時系列データによる再生出力時間を算出する算出手段と、
    上記算出手段により算出される上記再生出力時間の値と所定閾値とを比較した結果に基づいて、上記読出手段による時系列データの読出及び上記バッファメモリ手段に対する時系列データの蓄積動作を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする記録再生装置。
  2. 上記算出手段は、
    上記時系列データの種別ごとに対応づけられるようにして備えられた複数のカウンタについて、所要の値を加算及び減算可能に構成されていると共に、
    上記バッファメモリ手段に対して蓄積される上記時系列データの、上記ブロックごとに、上記種別の情報と上記有効フレームの数の情報とを取得し、取得された上記種別の情報に対応づけられた上記カウンタの値に対し、上記有効フレームの数を加算する加算処理と、
    上記バッファメモリ手段から読み出された上記時系列データの、上記ブロックごとに上記種別の情報を取得し、この読み出された時系列データの上記出力処理手段による上記フレーム単位での再生出力処理ごとに、取得された上記種別の情報に対応づけられたカウンタの値を減算する減算処理と、
    上記複数のカウンタの値と、上記種別ごとの上記フレーム単位での再生時間の情報とに基づき、上記バッファメモリ手段に蓄積されている上記時系列データによる再生出力時間を算出する算出処理とを実行するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記算出手段は、
    上記記憶媒体に記憶される、上記時系列データについての管理情報内に格納される所定情報に基づいて、上記ブロック内での上記有効フレームの数の情報を取得するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  4. 再生時間的に連続性を有する時系列データを記憶媒体から読み出す読出手順と、
    上記読出手順により読み出した時系列データを、最小再生単位であるフレームを1又は複数含むことになるブロック単位によりバッファメモリに対して蓄積する蓄積手順と、
    上記バッファメモリから読み出された時系列データについて再生出力処理を行う出力処理手順と、
    上記バッファメモリに蓄積された各ブロックについての時系列データの種別、及び各ブロック内の有効な時系列データを含む有効フレームの数から、上記バッファメモリに蓄積されている時系列データによる再生出力時間を算出する算出手順と、
    上記算出手順により算出される上記再生出力時間の値と所定閾値とを比較した結果に基づいて、上記読出手順による時系列データの読出及び上記蓄積手順による上記バッファメモリに対する時系列データの蓄積動作を制御する制御手順と、
    を実行することを特徴とするバッファメモリ管理方法。
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