JP2005203017A - 再生装置、再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 経時変化、温度変化等に関わらず常に最適なレーザパワーで再生動作が行われるようにする。
【解決手段】
再生動作中に、データ再生処理上で検出される評価値、例えばエラーレートやジッタレベルに基づいてレーザパワーの設定値(PWM信号)を変化させ、再生レーザパワーを変化させる処理を行う。つまり評価値として適切な値が得られる状態になるように再生レーザパワーを収束的に変化させることで、再生中に適切な再生レーザパワーが保たれるようにする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば光ディスク、光磁気ディスク等の記録媒体に対応して再生動作を行う再生装置と、その再生方法に関する。
特開2000−251256号公報 特開2003−99940号公報
例えば、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)など、各種のディスクメディアが開発され、オーディオデータ、ビデオデータ、コンピュータユースのデータ等、各種データ記録再生システムで利用されている。
これら光ディスク(光磁気ディスク)に対する記録再生装置では、ディスクメディアに対してレーザ光を照射し、ディスクメディアに対する情報の書き込みや読み出しを行う。そして、適切な記録再生動作を実現するための条件の1つとして、レーザパワーが適切なレベルに調整されていることが挙げられる。このため従来より光ディスクシステムとしてはレーザパワー調整のための各種の手法が提案されている。
例えばディスクに記録されている管理情報から最適なレーザパワーを判別したり、記録再生動作に先立って、ディスクに試し書きを行いながら最適な記録レーザパワー、再生レーザパワーを検出する方式などが知られている。上記特許文献1、2にもレーザパワー調整に関する技術が開示されている。
ディスクに記録された情報信号を読み取るための半導体レーザの出射パワーは、実際にデコードを行う再生データ処理回路系でのエラーレートに大きな影響を与える。もしレーザパワーが小さければ反射光情報から得られるRF信号は小さくなり、ノイズにうもれてS/Nが悪化し、エラーレートは悪化する。逆にレーザパワーが大きすぎると、RF信号が再生データ処理系のA/D変換器のレンジを越えてしまったり、ノイズが出てしまったりすることとなり、これもまたエラーレートの悪化を招く。また再生レーザパワーが高すぎると、ディスクに記録されている情報の劣化又は破壊を招くこともある。
これらの理由から再生レーザパワーとしての適切な範囲が存在する。
例えば図5においてエラーレート(縦軸)と再生レーザパワー(横軸)の関係を示しているが、ディスクに書かれた信号をエラーにならないように読み出すためには、再生時には、常にある程度決まった再生レーザパワーで出射しつづけなければならない。仮にエラー訂正能力の設計によって、3×10-3以下のエラーレートであればエラー訂正可能であることが保障されているのであれば、図5において3×10-3以下となる範囲内に再生レーザパワーが調整され、その再生レーザパワーが再生中に継続されなければならない。
そこで従来は、製造工程において、基準となるレーザパワーを出力させるために一つ一つの光ピックアップを調整し、再生装置では、基準の電圧に対し、常に同じレーザパワーが出力されるようにハードウェアにてオートパワーコントロールをおこなってきた。
これを図9で概略的に説明する。
図9は再生装置に搭載される光学ヘッド(光ピックアップ)19、レーザドライバ20、RFアンプ21、システムコントローラ8を示し、特にレーザパワー調整のための部位のみを示している。光学ヘッド19において、レーザダイオード(半導体レーザ)19aから出力されるレーザ光は、図示しない光学系を介してディスク40に照射され、その反射光がフォトディテクタ19bによって検出される。フォトディテクタ19bでは受光光量に応じた電気信号をRFアンプ21に供給する。RFアンプは再生処理のための所定の信号を生成し、図示しない再生信号処理系やサーボ系に供給する。
また光学ヘッド19にはモニタディテクタ19cが設けられ、レーザダイオード19aからのレーザ出力レベルを検出できるようにされている。
レーザダイオード19aは、レーザドライバ20におけるAPC回路20aによってドライブ電流が印加され、レーザ出力が行われる。つまりAPC回路20aからのドライブ電流値によってレーザダイオード19aからの出力レーザパワーが決まる。
APC回路20aは、例えばシステムコントローラ8からのPWM信号に応じたドライブ電流(例えばPWM信号を積分した電圧に基づく電流)を出力する。つまりシステムコントローラ8は、内部のPWM信号発生部8cから出力するPWM信号のパルスデューティを調整することで、レーザパワーを設定できるものである。
なお、APC回路20aは、一般的にAPC(Auto Power Control)動作として知られているように、モニタディテクタ19cから得られるレーザパワー検出値を参照し、PWM信号で指示されたレーザパワーが安定的に出力されるように制御を行う。
このようなレーザ出力系に対して、製造ラインでの調整工程では、レーザダイオードの個々の特性の違いを考慮して、基準のPWM信号に対して所定のレーザパワーが得られるように調整を行う。
この場合、PWM信号発生部8aから、基準となるデューティのPWM信号を出力させる。そして、その状態でレーザダイオード19aから出力され、モニタディテクタ19cで検知されるレーザパワーを作業者が確認する。つまりモニタディテクタ19cの出力を例えば外部の計測用の機器に供給し、表示画面上でレーザパワーを確認する。APC回路20aには、レーザダイオード19aに対して出力するドライブ電流を調整するための半固定抵抗VRが取り付けられており、作業者は、レーザパワーのモニタ表示をみながら半固定抵抗VRを操作し、所定のレーザパワーが出力されるように調整するものとなる。
このような調整を行うことで、基準となるデューティに対して所定のレーザレベルが出力されるようになるため、システムコントローラ8がPWM信号のデューティを制御することで、システムコントローラ8が意図するレーザパワーが出力される状態となる。
ところが、実際に再生装置がユーザーサイドで使用されている場合は、温度状態や経時変化によりレーザダイオードの出力が変動する。即ち、例えば同じデューティのPWM信号を与えても、温度変化によってレーザダイオード19aからの出力レーザパワーは変動するし、また経時変化によってレーザダイオード19aが劣化し、或るデューティのPWM信号に対するレーザパワーが低下していく。
このことを考えると、単に出荷前の上記調整により基準のPWM信号に対するレーザパワー調整を行うだけでは不十分、つまり常にシステムコントローラ8が制御する適切なレーザパワーが得られるとは限らないことが理解される。
なお、温度状態や経時変化によるレーザダイオード19aの特性変動は、ドライブ電流に対して実際に出力されるレーザパワーの比が不安定になるものであり、上記したAPC動作による安定化では追いつかないものである。つまりAPC動作は、PWM信号に基づくドライブ電流が、安定的に出力されるように制御する動作であり、安定化されたドライブ電流に対するレーザダイオード19aの出力レーザパワーの変動まではカバーできない。
上記温度変化に対応する手法としては、温度変化による特性変動の統計をとり、平均的な特性変動を判別し、各温度段階に対する係数を設定し、係数テーブルとして保持しておくことが考えられていた。即ちその場合、再生装置内に温度検出機能を設け、温度状態に応じてドライブ電流に係数をかけて出射パワーを制御する。
しかしながら、その係数は当然平均値であり、各再生装置の個々のばらつきを許容することは難しかった。つまり温度によりパワーを変化させているとはいえ、その係数は平均値なので個々の機器のばらつきにより、最適ではないものも存在した。また、その係数にそぐわないものがあれば、工場にて排除するしかないため歩留まりが悪化してしまっていた。
また、レーザダイオード19aは経時変化により多少なりとも劣化しパワーが出なくなることがありえるが、それに対して有効な手法はなされていない。もし経時変化に対処するには、例えばユーザーサイドでの使用時(再生時)毎に、例えば再生に先立ってレーザパワーの自動調整を行うようにしなければならず、その間ユーザーを待たせることになってしまい、装置の動作として適切ではなかった。
以上のことをまとめると、再生装置での再生レーザパワーに関して次の(1)〜(5)ような課題が残されていることになる。
(1)製造ラインにおいて、基準のPWM信号に対して所定のレーザパワーが出力されるように半固定抵抗VRの調整作業が必要となるため、工程が増え、製造効率が低下する。
(2)半固定抵抗VRでの調整を行っても、温度変化や経時変化には対応できない。
(3)温度変化に対応するためには係数テーブルを設定する必要があり、その統計作成、係数テーブルの設定等、面倒な作業が必要となるため、製造効率が低下する。また再生装置内に係数テーブルや温度検出機能を設ける必要がある。
(4)係数テーブルを用いて制御しても、機器の個別の特性に対応できないため、必ずしも適切なレーザパワー制御とならない。また係数にそぐわない機器は検査NGとされ、歩留まりが悪化する。
(5)経時変化には対応できない。対応するには使用時に再生レーザパワー調整を行うようにすればよいが、その場合、ユーザーの使用性を悪化させる。
本発明はこのような課題に鑑みて、再生装置がユーザサイドで再生動作を行っている間、常に再生レーザパワーを調整するようにして、どのような状況下でも適正な再生レーザパワーでの再生が実現されるようにすることを目的とする。
本発明の再生装置は、記録媒体に記録されたデータの再生のために記録媒体に対してレーザ照射を行い、その反射光情報を得るヘッド手段と、上記反射光情報に基づきデータ再生処理を行うとともに、データ再生動作の評価値を出力する再生処理手段と、上記ヘッド手段から出力されるレーザパワーを設定するパワー設定手段と、上記評価値を用いて、上記パワー設定手段によるレーザパワーの設定値を変化させる処理を、データ再生動作中に継続的に実行するレーザパワー制御手段とを備える。
また上記レーザパワー制御手段は、レーザパワー初期値から、データリード可能なレーザパワー値にまで段階的にレーザパワーを上げていくように上記設定値を変化させる処理と、データリード可能なレーザパワー値に達した後に、上記評価値と目標評価値との比較に基づいて、レーザパワーの上げ下げを行うように上記設定値を変化させる処理とを実行する。
上記評価値は、データ再生処理において得られるエラーレート値、もしくはジッター値である。
また上記設定値は、レーザドライブ信号を生成するためのPWM信号であり、上記レーザパワー制御手段は、上記設定値を変化させる処理として、PWM信号のパルスデューティを変化させる。
本発明の再生方法は、設定値を出力してレーザパワーを設定するパワー設定ステップと、記録媒体に記録されたデータの再生のために、上記パワー設定ステップで設定されたレーザパワーで、記録媒体に対してレーザ照射を行い、その反射光情報を得るレーザ出力ステップと、上記反射光情報に基づきデータ再生処理を行うとともに、データ再生動作の評価値を出力する再生処理ステップと、上記評価値を用いて、上記設定値を変化させるレーザパワー制御ステップとが、データ再生動作中において継続的に実行される。
また上記レーザパワー制御ステップでは、レーザパワー初期値から、データリード可能なレーザパワー値にまで段階的にレーザパワーを上げていくように上記設定値を変化させる処理と、データリード可能なレーザパワー値に達した後に、上記評価値と目標評価値との比較に基づいて、レーザパワーの上げ下げを行うように上記設定値を変化させる処理とが実行される。
CD、MDなどの光ディスクメディアに対する再生装置では、データを読み取るレーザの出射パワーは元々のピックアップでのばらつきに加え、装置使用時での温度状態、経時変化等により常に変化している。これに対しては、再生時に継続的に評価値に基づく再生レーザパワー制御を行うようにすることで、常に最適な再生レーザパワーで再生動作を行うことが可能となる。
本発明によれば、再生動作中に、データ再生処理上で検出される評価値、例えばエラーレートやジッタレベルに基づいてレーザパワーの設定値(PWM信号)を変化させ、再生レーザパワーを変化させる処理を行うようにしている。つまり評価値として適切な値が得られる状態になるように再生レーザパワーを収束的に変化させる制御が行われる。このため、個々の再生装置又はピックアップの特性のバラツキや、温度変化、経時変化等のレーザパワー変動要因に関わらず、常に最適なレーザパワーで再生動作を実行できるようになり、これによって再生装置としての性能が向上されるという効果がある。
また、このように再生中に常時パワー制御が行われるのであれば、製造ラインにおいて、基準のPWM信号に対して所定のレーザパワーが出力されるように半固定抵抗の調整作業が不要となり、製造効率を向上できる。
温度変化に対応するための係数テーブルの設定や温度検出機能も不要であり、構成の簡略化、製造工程の効率化、さらには歩留まりの向上という利点も得られる。
また、再生時の状況及び機器に応じた追従的なレーザパワーのサーボ制御といえるものであるため、温度や経時変化等の条件変動や機器の個別の特性差なども問題ない。
また、再生動作前のレーザパワー調整等の処理は不要であり、ユーザーの使用性を悪化させることもない。
また本発明のレーザパワー制御では、レーザパワー初期値から、データリード可能なレーザパワー値にまで段階的にレーザパワーを上げていくように設定値を変化させ、データリード可能なレーザパワー値に達した後に、評価値と目標評価値との比較に基づいて、レーザパワーの上げ下げを行うように設定値を変化させるようにしている。
この場合、目標評価値の設定によって、再生レーザパワーとして出力すべきパワーを設計上、任意に設定できるという利点がある。
さらにこのため、データリードが可能なレーザーパワー範囲内で、なるべく低いレーザパワーで再生が行われるように制御することができる。低いレーザパワーで再生が行われることで、省電効果が得られる。
また初期値からレーザーパワーを上げていく方向に制御すること、つまり初期値は十分に低いレーザーパワーとし、再生可能なレベルまで段階的にパワーを上げた後、収束的なパワー制御を行うようにすることで、再生動作中に、記録媒体上のデータの劣化や破壊をもたらすような高いパワーになることがなく、適切なレーザーパワーのサーボ処理となる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態としての記録再生装置1の内部構成例について示したブロック図である。
この実施の形態としての記録再生装置1は、一例として、磁界変調方式でデータ記録が行われる光磁気ディスクであるミニディスク(MD)方式のディスクに対する記録再生装置とする。但し、既に普及している音楽用途のミニディスクのみではなく、より高密度記録を可能とし、コンピュータユースの各種データのストレージに利用できる高密度ディスク(次世代ディスクとも言う)についても対応可能な記録再生装置である。
また、本例の記録再生装置1としては、例えばパーソナルコンピュータ(或いはネットワーク)50等の外部の機器との間でデータ通信可能な機器とされる。
例えば記録再生装置1は、パーソナルコンピュータ50とUSBケーブル等の伝送路51で接続されることで、パーソナルコンピュータ50に対する外部ストレージ機器として機能できる。また、パーソナルコンピュータ50を介したり、或いは直接ネットワークと接続できる機能を備えるなどしてネットワーク接続されることで、音楽や各種データをダウンロードし、記録再生装置1においてストレージ部2に装填されたディスクに保存できるものともなる。
一方、この記録再生装置1はパーソナルコンピュータ50等に接続しなくとも、例えばオーディオ機器として機能する。例えば他のオーディオ機器等から入力された音楽データをディスクに記録したり、ディスクに記録された音楽データ等を再生出力することができる。
即ち本例の記録再生装置1は、パーソナルコンピュータ50等に接続されることで汎用的なデータストレージ機器として利用でき、かつ単体ではオーディオ記録再生機器としても利用できる装置である。
ここで、本例の記録再生装置1の構成の説明に先立って、記録再生装置1が対応する、光磁気記録による次世代ディスクの概要について説明しておく。
先ず、このような次世代ディスクとしては、現行のパーソナルコンピュータとの親和性が図れるように、ファイル管理システムとしてFAT(File Allocation Table)システムを使って、オーディオデータのようなコンテンツデータを記録再生するものである。
また、現行のMDシステムに対して、エラー訂正方式や変調方式等の改善を行うことで、データの記録容量の増大を図るとともにデータの信頼性を高めているものである。
次世代ディスクの記録再生のフォーマットとしては、現在2種類の仕様が開発されている。説明上、これらを第1の次世代MD、第2の次世代MDと呼ぶこととする。
第1の次世代MDは、現行のMDシステムで用いられているディスクと全く同様のディスクを用いるようにした仕様であり、第2の次世代MDは、現行のMDシステムで用いられているディスクと外形は同様であるが、磁気超解像度(MSR)技術を使うことにより、線記録方向の記録密度を上げて、記録容量をより増大した仕様である。
現行のMDシステム(オーディオ用MDやMD−DATA)では、カートリッジに収納された直径64mmの光磁気ディスクが記録媒体として用いられている。ディスクの厚みは1.2mmであり、その中央に11mmの径のセンターホールが設けられている。カートリッジの形状は、長さ68mm、幅72mm、厚さ5mmである。
第1,第2の次世代MDの仕様でも、これらディスクの形状やカートリッジの形状は、全て同じである。リードイン領域の開始位置についても、第1,第2の次世代MDのディスクも、半径位置29mmから始まり、現行のMDシステムで使用されているディスクと同様である。
つまり、従来のMDシステムとの外形上での互換性が確保されているものである。
トラックピッチについては、第2の次世代MDでは、1.2μmから1.3μm(例えば1.25μm)とすることが検討されている。これに対して、現行のMDシステムのディスクを流用する第1の次世代MDでは、トラックピッチは1.6μmとされている。ビット長は、第1の次世代MDが0.44μm/ビットとされ、第2の次世代MDが0.16μm/ビットとされる。冗長度は、第1,第2の次世代MDともに、20.50%である。
第2の次世代MD仕様のディスクでは、磁気超解像技術を使うことにより、線密度方向の記録容量を向上するようにしている。磁気超解像技術は、所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が転写されることで、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになることを利用したものである。
具体的に、第2の次世代MD仕様のディスクでは、透明基板上に、少なくとも情報を記録する記録層となる磁性層と、切断層と、情報再生用の磁性層とが積層される。切断層は、交換結合力調整用層となる。所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が再生用の磁性層に転写される。これにより、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになる。なお、記録時には、レーザパルス磁界変調技術を使うことで、微少なマークを生成することができる。
また、第2の次世代MD仕様のディスクでは、デトラックマージン、ランドからのクロストーク、ウォブル信号のクロストーク、フォーカスの漏れを改善するために、グルーブを深くし、グルーブの傾斜を鋭くしている。即ち第2の次世代MD仕様のディスクでは、グルーブの深さは例えば160nmから180nmであり、グルーブの傾斜は例えば60度から70度であり、グルーブの幅は例えば600nmから700nmである。
光学的仕様については、第1の次世代MDの仕様では、レーザ波長λが780nmとされ、光学ヘッドの対物レンズの開口率NAが0.45とされている。第2の次世代MDの仕様も同様に、レーザ波長λが780nmとされ、光学ヘッドの開口率NAが0.45とされている。
また、記録方式としては、第1,第2の次世代MDとも、グルーブ記録方式が採用されている。つまり、グルーブ(ディスクの盤面上の溝)をトラックとして記録再生に用いるようにしている。
さらに、エラー訂正符号化方式としては、現行のMDシステムでは、ACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code) による畳み込み符号が用いられていたが、第1,第2の次世代MDの仕様では、RS−LDC(Reed Solomon−Long Distance Code)とBIS(Burst Indicator Subcode)とを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。
ブロック完結型のエラー訂正符号を採用することにより、リンキングセクタが不要になる。LDCとBISとを組み合わせたエラー訂正方式では、バーストエラーが発生したときに、BISによりエラーロケーションが検出できる。このエラーロケーションを使って、LDCコードにより、イレージャ訂正を行うことができる。
アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブを形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブ方式が採用されている。このようなアドレス方式は、ADIP(Address in Pregroove)と呼ばれている。
ADIPの仕様については、現行のMDシステムと同様であるが、現行のMDシステムでは、2352バイトからなるセクターを記録再生のアクセス単位としているのに対して、第1,第2の次世代MDの仕様では、64Kバイトを記録再生のアクセス単位(レコーディングブロック)としている。
また、現行のMDシステムでは、エラー訂正符号としてACIRCと呼ばれる畳み込み符号が用いられているのに対して、第1,第2の次世代MDの仕様では、LDCとBISとを組み合わせたブロック完結型の符号が用いられている。
そこで、現行のMDシステムのディスクを流用する第1の次世代MDの仕様では、ADIP信号の扱いを、現行のMDシステムのときとは異なるようにしている。また、第2の次世代MDでは、第2の次世代MDの仕様により合致するように、ADIP信号の仕様に変更を加えている。
変調方式については、現行のMDシステムでは、EFM(8 to 14 Modulation)が用いられているのに対して、第1,第2の次世代MDの仕様では、RLL(1,7)PP(RLL;Run Length Limited ,PP;Parity Preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))(以下、1−7pp変調と称する)が採用されている。また、データの検出方式は、第1の次世代MDではパーシャルレスポンスPR(1,2,1)MLを用い、第2の次世代MDではパーシャルレスポンスPR(1,−1)MLを用いたビタビ復号方式とされている。
また、ディスク駆動方式はCLV(Constant Linear Verocity)で、その線速度は、第1の次世代MDの仕様では、2.7m/秒とされ、第2の次世代MDの仕様では、1.98m/秒とされる。なお、現行のMDシステムの仕様では、60分ディスクで1.2m/秒、74分ディスクで1.4m/秒とされている。
現行のMDシステムで用いられるディスクをそのまま流用する第1の次世代MDの仕様では、ディスク1枚当たりのデータ総記録容量は約300Mバイト(80分ディスクを用いた場合)になる。変調方式がEFM変調から1−7pp変調とされることで、ウィンドウマージンが0.5から0.666となり、この点で、1.33倍の高密度化が実現できる。
また、エラー訂正方式として、ACIRC方式からBISとLDCを組み合わせたものとしたことで、データ効率が上がり、この点で、1.48倍の高密度化が実現できる。総合的には、全く同様のディスクを使って、現行のMDシステムに比べて、約2倍のデータ容量が実現されたことになる。
これに対し磁気超解像度を利用した第2の次世代MDの仕様のディスクでは、更に線密度方向の高密度化が図られ、データ総記録容量は、約1Gバイトになる。
なお、データレートは第1の次世代MDでは4.4Mビット/秒であり、第2の次世代MDでは、9.8Mビット/秒である。
図2(a)には、第1の次世代MDのディスクの構成が示されている。
第1の次世代MDのディスクは、現行のMDシステムのディスクをそのまま流用したものである。すなわち、透明のポリカーボネート基板上に、誘電体膜と、磁性膜と、誘電体膜と、反射膜とを積層して構成される。更に、その上に保護膜が積層される。
第1の次世代MDのディスクでは、この図2(a)に示すようにディスクの内周のリードイン領域に、P−TOC(プリマスタードTOC(Table Of Contents))領域が設けられる。ここは、物理的な構造としてはプリマスタード領域となり、エンボスピットによりコントロール情報等がP−TOC情報として記録されていることになる。
そして、このようにP−TOC領域が設けられるリードイン領域の外周は、レコーダブル領域(光磁気記録可能な領域)とされ、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域の内周には、U−TOC(ユーザーTOC)が設けられる。
この場合のU−TOCは、現行のMDシステムでディスクの管理情報を記録するために用いられているU−TOCと同様の構成のものである。確認のために述べておくと、U−TOCは、現行のMDシステムにおいては、トラック(オーディオトラック/データトラック)の曲順、記録、消去などに応じて書き換えられる管理情報であり、各トラック(トラックを構成するパーツ)について、開始位置、終了位置や、モードを管理するものである。
また、U−TOCの外周には、アラートトラックが設けられる。アラートトラックは、このディスクが第1の次世代MD方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録された警告トラックである。
図2(b)には、第1の次世代MDの仕様のディスクのレコーダブル領域の構成を示している。
この図2(b)に示されるように、レコーダブル領域の先頭(内周側)には、U−TOCおよびアラートトラックが設けられる。U−TOCおよびアラートトラックが含まれる領域は、現行のMDシステムのプレーヤでも再生できるように、EFMでデータが変調されて記録される。
そして、このEFM変調でデータが変調されて記録される領域の外周には、次世代MD1方式の1−7pp変調によりデータが変調されて記録される領域が設けられる。EFM変調によりデータが変調されて記録される領域と、1−7pp変調によりデータが変調されて記録される領域との間は所定の距離の間だけ離間されており、ガードバンドが設けられている。
このようなガードバンドが設けられるため、現行のMDプレーヤに第1の次世代MDの仕様のディスクが装着されて、不具合が発生されることが防止される。
1−7pp変調によりデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT(Disc Description Table)領域と、セキュアトラックが設けられる。DDT領域には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理をするために設けられる。
DDT領域には、さらに、ユニークID(UID)が記録される。UIDは、記録媒体毎に固有の識別コードであって、例えば所定に発生された乱数に基づく。
セキュアトラックは、コンテンツの保護を図るための情報が格納される。
さらに、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT(File Allocation Table)領域が設けられる。このFAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。
FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。FATシステムは、ルートにあるファイルやディレクトリのエントリポイントを示すディレクトリと、FATクラスタの連結情報が記述されたFATテーブルとを用いて、FATチェーンによりファイル管理を行うものである。
このような第1の次世代MDの仕様のディスクにおいて、上記したU−TOC領域には、アラートトラックの開始位置の情報と、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域の開始位置の情報が記録されるものとなる。
ここで、現行のMDシステムのプレーヤに、上記構成による第1の次世代MDのディスクが装着されると、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から、アラートトラックの位置が分かり、アラートトラックがアクセスされ、アラートトラックの再生が開始される。アラートトラックには、このディスクが第1の次世代MD方式で使用され、現行のMDシステムのプレーヤでは再生できないことを示す警告音が記録されている。
この警告音から、このディスクが現行のMDシステムのプレーヤでは使用できないことが通知される。
なお、この場合の警告音としては、「このプレーヤでは使用できません」というような言語による警告とすることができる。勿論、ブザー音とするようにしても良い。
一方、第1の次世代MDに準拠したプレーヤに対し、第1の次世代MDのディスクが装着された場合、U−TOC領域が読み取られ、U−TOCの情報から1−7pp変調でデータが記録された領域の開始位置が分かり、上記したDDT、セキュアトラック、FAT領域が読み取られる。上述のように1−7pp変調のデータの領域では、U−TOCではなくFATシステムによるデータ管理が行われる。
続いて図3(a)には、第2の次世代MDのディスクの構成を示す。
この場合もディスクは、透明のポリカーボネート基板上に誘電体膜、磁性膜、誘電体膜、反射膜、さらにその上層に保護膜を積層して成る。
そして、第2の次世代MDのディスクの場合では、図示するようにディスクの内周のリードイン領域には、ADIP信号により、コントロール情報が記録されるものとなる。
第2の次世代MDのディスクには、リードイン領域にはエンボスピットによるP−TOCは設けられておらず、その代わりに、ADIP信号によるコントロール情報が用いられる。リードイン領域の外周からレコーダブル領域が開始され、記録トラックの案内溝としてグルーブが形成された記録再生可能領域となっている。このレコーダブル領域には、1−7pp変調方式によりデータが変調されて記録される。
或るディスクが第1の次世代MD1であるか第2の次世代MDであるかは、例えば、リードインの情報から判断できる。
すなわち、リードインにエンボスピットによるP−TOCが検出されれば、現行のMDまたは第1の次世代MDのディスクであると判断できる。リードインにADIP信号によるコントロール情報が検出され、エンボスピットによるP−TOCが検出されなければ、第2の次世代MDであると判断できる。
なお、第1、第2の次世代MDの判別は、このような方法に限定されるものではない。オントラックのときとオフトラックのときとのトラッキングエラー信号の位相から判別することも可能である。勿論、カートリッジ等にディスク識別用の検出孔等を設けるようにしても良い。
第2の次世代MDの仕様のディスクのレコーダブル領域の構成としては、図3(b)に示すように、全て1−7pp変調方式によりデータが変調されて記録される領域が形成される。そして、この1−7pp変調方式によりデータが変調されて記録される領域の先頭(内周側)には、DDT領域と、セキュアトラックが設けられる。
この場合も上記DDT領域には、物理的に欠陥のあるセクタ(レコーディングブロック)に対する交替セクタ処理を行うための領域とされる。またDDT領域には、上述したUIDが記録される。さらにセキュアトラックには、この場合もコンテンツの保護を図るための情報が格納される。
また、1−7pp変調でデータが変調されて記録される領域には、FAT領域が設けられる。FAT領域は、FATシステムでデータを管理するための領域である。FATシステムは、汎用のパーソナルコンピュータで使用されているFATシステムに準拠したデータ管理を行うものである。
そして、このような第2の次世代MDのディスクにおいては、図からもわかるようにU−TOC領域は設けられていない。つまり、第2の次世代MDのディスクについては、次世代MDに準拠したプレーヤのみでの使用が想定されているものである。
次世代MDに準拠したプレーヤでは、第2の次世代MDのディスクが装着されると、所定の位置にあるDDT、セキュアトラック、FAT領域が読み取られ、FATシステムを使ってデータの管理が行われることになる。
これまでに説明してきたような次世代ディスクに対応するために、図1に示す本例の記録再生装置1では、ストレージ部2として、図4に示す構成のストレージ部を備えて、コンテンツデータの記録・再生を行うものとされる。
図4において、このストレージ部2では、装填されたディスク40をスピンドルモータ29によってCLV方式で回転駆動させる。そして、このディスク40に対しては記録/再生時に光学ヘッド19によってレーザ光が照射される。
なお、この場合、ディスク40としては、現行のMD仕様のディスクと、第1の次世代MDの仕様のディスクと、第2の次世代MDの仕様のディスクとが装着される可能性があることから、これらのディスクにより線速度が異なるものとなる。
このため、スピンドルモータ29は、装填されたディスク40の別に応じた異なる線速度に対応して回転されることになる。
光学ヘッド19は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行い、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行う。このため、光学ヘッド19には、図示は省略するがレーザ出力手段としてのレーザダイオード(図6のレーザダイオード19a)、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのフォトディテクタ(図6のフォトディテクタ19b)が搭載されている。光学ヘッド19に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
また、ディスク40を挟んで光学ヘッド19と対向する位置には磁気ヘッド18が配置されている。磁気ヘッド18は記録データによって変調された磁界をディスク40に印加する動作を行う。
また、図示しないが光学ヘッド19全体及び磁気ヘッド18をディスク半径方向に移動させためスレッドモータ及びスレッド機構が備えられている。
光学ヘッド19および磁気ヘッド18は、第2の次世代MDのディスクの場合には、パルス駆動磁界変調を行うことで、微少なマークを形成することができる。現行MDのディスクや、第1の次世代MDのディスクの場合には、磁界変調方式とされる。
また、このストレージ部2では、光学ヘッド19、磁気ヘッド18による記録再生ヘッド系、スピンドルモータ29によるディスク回転駆動系のほかに、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられる。
記録処理系では、現行のMDシステムのディスクの場合において、オーディオトラックの記録時に、ACIRCでエラー訂正符号化を行い、EFMで変調してデータを記録する部位と、第1,第2の次世代MDの場合に、BISとLDCを組み合わせた方式でエラー訂正符号化を行い、1−7pp変調により変調して記録する部位が設けられる。
再生処理系では、現行のMDシステムのディスクの再生時に、EFMの復調とACIRCによるエラー訂正処理と、第1,第2の次世代MDシステムのディスクの再生時に、パーシャルレスポンスおよびビタビ復号を用いたデータ検出に基づく1−7pp復調と、BISとLDCによるエラー訂正処理とを行う部位が設けられる。
また、現行のMDシステムや第1の次世代MDのADIP信号よるアドレスをデコードする部位と、第2の次世代MDのADIP信号をデコードする部位とが設けられる。
光学ヘッド19のディスク40に対するレーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RFアンプ21に供給される。
RFアンプ21では入力された検出情報に対して電流−電圧変換、増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク40にトラックのウォブリングにより記録されているADIP情報)等を抽出する。
現行のMDシステムのディスクを再生するときには、RFアンプで得られた再生RF信号は、EFM復調部24およびACIRCデコーダ25で処理される。
すなわち再生RF信号は、EFM復調部24で2値化されてEFM信号列とされた後、EFM復調され、更にACIRCデコーダ25で誤り訂正およびデインターリーブ処理される。つまりこの時点でATRAC圧縮データの状態となる。
そして現行のMDシステムのディスクの再生時には、セレクタ26はB接点側が選択されており、その復調されたATRAC圧縮データがディスク40からの再生データとして出力される。
一方、第1,第2の次世代MDのディスクを再生するときには、RFアンプ21で得られた再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部22およびRS−LDCデコーダ25で処理される。すなわち再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部22において、PR(1,2,1)MLまたはPR(1,−1)MLおよびビタビ復号を用いたデータ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生データを得、このRLL(1−7)符号列に対してRLL(1−7)復調処理が行われる。そして更にRS−LDCデコーダ23で誤り訂正、及びデインターリーブ処理される。
そして、第1,第2の次世代MDのディスクの再生時には、セレクタ26はA接点側が選択されており、その復調されたデータがディスク40からの再生データとして出力される。
RLL(1−7)PP復調部22、及びEFM復調部24では、デコード及びエラー訂正処理の結果により、再生時のエラーレートやジッターレベルを測定できる。エラーレートやジッタレベルは、再生動作の評価値となるが、本例ではRLL(1−7)PP復調部22、及びEFM復調部24は、例えばエラーレートERを後述する再生レーザパワー制御のための評価値として、システムコントローラ8に供給するようにしている。なお、エラーレートERに代えて、ジッタレベルを供給するようにしてもよい。
RFアンプ21から出力されるトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路27に供給され、グルーブ情報はADIP復調部30に供給される。
ADIP復調部30は、グルーブ情報に対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行ってADIP信号を復調する。
そして、このように復調された、ディスク上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、システムコントローラ8に供給される。システムコントローラ8ではADIPアドレスに基づいて所要の制御処理を実行する。
またグルーブ情報はスピンドルサーボ制御のためにサーボ回路27に供給される。
サーボ回路27は、例えばグルーブ情報に対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号を生成する。
またサーボ回路27は、スピンドルエラー信号や、RFアンプ21から供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、あるいはシステムコントローラ8からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドライバ28に対して出力する。すなわち上記サーボエラー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を生成する。
モータドライバ28では、サーボ回路27から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ29を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。
このようなサーボドライブ信号により、ディスク40に対するフォーカス制御、トラッキング制御、およびスピンドルモータ29に対するCLV制御が行われることになる。
現行のMDシステムのディスクでオーディオデータを記録するときには、セレクタ16がB接点に接続され、したがってACIRCエンコーダ14およびEFM変調部15が機能することになる。
この場合、記録データとして図1に示されるキャッシュメモリ3から供給される圧縮データは、ACIRCエンコーダ14でインターリーブおよびエラー訂正コード付加が行われた後、EFM変調部15でEFM変調が行われる。
そして、EFM変調データがセレクタ16を介して磁気ヘッドドライバ17に供給され、磁気ヘッド18がディスク40に対してEFM変調データに基づいた磁界印加を行うことでオーディオトラックの記録が行われる。
これに対し、第1の次世代MDまたは第2の次世代MDにデータを記録する時には、セレクタ16がA接点に接続され、RS−LDCエンコーダ12およびRLL(1−7)PP変調部13が機能することになる。この場合、キャッシュメモリ3からの高密度データは、RS−LDCエンコーダ12でインターリーブおよびRS−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、RLL(1−7)PP変調部13でRLL(1−7)変調が行われる。
そして、RLL(1−7)符号列としての記録データがセレクタ16を介して磁気ヘッドドライバ17に供給され、磁気ヘッド18がディスク40に対して変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータトラックの記録が行われる。
レーザドライバ20は、上記のような再生時および記録時において、システムコントローラ8から供給されるPWM信号に基づいてレーザドライブ信号を出力することで、レーザダイオードにレーザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automatic Lazer Power Control)動作も行う。
つまり、図6に示すように、光学ヘッド19内にはレーザパワーモニタ用のモニタディテクタ19cが設けられ、そのモニタ信号がレーザドライバ20にフィードバックされる。レーザドライバ20は、モニタ信号として得られる現在のレーザパワーを、PWM信号により設定されるレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ駆動信号(ドライブ電流)に反映させることで、レーザダイオード19aから出力されるレーザパワーが、設定値で安定するように制御している。
以上の各動作(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各動作)は、図1に示されるシステムコントローラ8からの指示に基づいて実行されるものとなる。
説明を図1に戻し、本例の記録再生装置1内部の全体構成について説明する。
図1において、キャッシュメモリ3は、上記構成によるストレージ部2によりディスク40に記録するデータ、或いはストレージ部2によってディスク40から読み出されたデータについてのバッファリングを行うキャッシュメモリであり、例えばD−RAMより構成される。
キャッシュメモリ3へのデータの書込/読出は、システムコントローラ(CPU)8において起動されるタスクによって制御される。
USBインタフェース4は、例えばパーソナルコンピュータ50とUSBケーブルとしての伝送路51で接続された際の、データ伝送のための処理を行う。
入出力処理部5は、例えば記録再生装置1が単体でオーディオ機器として機能する場合に記録再生データの入出力のための処理を行う。
この入出力処理部5は、例えば入力系として、ライン入力回路/マイクロホン入力回路等のアナログ音声信号入力部、A/D変換器や、デジタルオーディオデータ入力部を備える。またATRAC圧縮エンコーダ/デコーダを備える。ATRAC圧縮エンコーダ/デコーダは、ATRAC方式によるオーディオデータの圧縮/伸長処理を実行するための回路である。なお、もちろんのこと、本実施の形態の記録再生装置としては、例えばMP3などの他のフォーマットによる圧縮オーディオデータが記録再生可能な構成を採ってもよく、この場合には、これらの圧縮オーディオデータのフォーマットに対応したエンコーダ/デコーダを備えればよい。
また、本実施の形態としては、ビデオデータに関しては特に記録再生可能なフォーマットの限定は行わないが、例えばMPEG4などが考えられる。そして、入出力処理部5としては、このようなフォーマットに対応したエンコーダ/デコーダを備えればよいこととなる。
さらに入出力処理部5は、出力系として、デジタルオーディオデータ出力部や、D/A変換器及びライン出力回路/ヘッドホン出力回路等のアナログ音声信号出力部を備える。
そして、この場合の入出力処理部5内には、暗号処理部(図示せず)が備えられる。暗号処理部においては、例えばディスクに記録すべきAVデータについて、所定のアルゴリズムによる暗号化処理を施すようにされる。また、例えばディスクから読み出されたAVデータについて暗号化が施されている場合には、必要に応じて暗号解読のための復号処理を実行するようにもされている。
入出力処理部5を介した処理として、ディスクにオーディオデータが記録されるのは、例えば入力TINとして入出力処理部5にデジタルオーディオデータ(又はアナログ音声信号)が入力される場合である。入力されたリニアPCMデジタルオーディオデータ、或いはアナログ音声信号で入力されA/D変換器で変換されて得られたリニアPCMオーディオデータは、必要に応じてATRAC圧縮エンコードされてキャッシュメモリ3に蓄積される。そして所定タイミング(ADIPクラスタ相当のデータ単位)でキャッシュメモリ3から読み出されてストレージ部2に転送される。ストレージ部2では、転送されてくる圧縮データを所定の変調方式で変調してディスクに記録する。
ディスクからミニディスク方式のオーディオデータが再生される場合は、ストレージ部2は再生データをATRAC圧縮データ状態に復調してキャッシュメモリ3に転送する。そしてキャッシュメモリ3から読み出されて入出力処理部5に転送される。入出力処理部5は、供給されてくる圧縮オーディオデータに対してATRAC圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータとし、デジタルオーディオデータ出力部から出力する。或いはD/A変換器によりアナログ音声信号としてライン出力/ヘッドホン出力を行う。
システムコントローラ8は、記録再生装置1内の全体の制御を行うと共に、接続されたパーソナルコンピュータ50との間の通信制御を行う。
図示するROM8aには、システムコントローラ8の動作プログラムや固定パラメータ等が記憶される。
またRAM8bは、システムコントローラ8によるワーク領域として用いられ、また各種必要な情報の格納領域とされる。
例えばストレージ部2によってディスク40から読み出された各種管理情報や特殊情報、例えば上述したP−TOCデータ、U−TOCデータ、FATデータ等、楽曲トラックの管理情報については、キャッシュメモリ3に取り込まれるが、システムコントローラ8は、それらの管理情報の内、必要な情報をRAM8bに取り込んで処理することが行われる。
キャッシュ管理メモリ9は、例えばS−RAMで構成され、キャッシュメモリ3の状態を管理する情報が格納される。システムコントローラ8はキャッシュ管理メモリ9を参照しながらデータキャッシュ処理の制御を行う。
表示部6は、システムコントローラ8の制御に基づいて、ユーザーに対して提示すべき各種情報の表示を行う。例えば動作状態、モード状態、楽曲等の名称などの文字データ、トラックナンバー、時間情報、その他の情報表示を行う。
また、本例において、例えばディスク40が次世代ディスクである場合には、このディスク40に対し楽曲データに対応づけて画像データが記憶されていることが想定されているが、表示部6は、ディスク40のロード時や再生時等においてシステムコントローラ8の制御に基づき、このように対応づけられた画像データの表示を行うようにすることも考えられる。
操作部7には、ユーザーの操作のための各種操作子として、各種操作ボタンやジョグダイヤルなどが形成される。ユーザーは、この操作部7に対する操作により記録再生装置1に対する所要の動作指示を行う。システムコントローラ8は操作部7によって入力された操作情報に基づいて所定の制御処理を行う。
なお、これまでに説明した記録再生装置1の構成はあくまでも一例であり、例えば入出力処理部5は、オーディオデータだけでなく、ビデオデータに対応する入出力処理系を備えるようにしてもよい。
また、パーソナルコンピュータ50との接続はUSBでなく、IEEE1394等の他の外部インタフェースが用いられても良い。
また、操作部7としては、リモートコントローラ上に先に例示したものと同様の操作子を備えるようにすることも可能である。
例えば以上の構成とされる本例の記録再生装置1においては、以下に説明するレーザパワー制御系の構成及び動作により、再生時に継続的に再生レーザパワーが最適レベルと成るように制御することになる。
先にも説明したように、実際にディスクに記録された信号を読み取るレーザダイオードの出射レーザパワーは、デコード処理を行う再生処理系でのエラーレートに大きな影響を与える。図5に再生レーザパワーとエラーレートの関係を示す。なお図5における横軸の再生パワーの値は、実際の出射レベル(mW等)ではなく、レーザパワー制御上の或る指標値として示している。
装置のエラー訂正能力によって、例えば3×10-3以下のエラーレートであればエラー訂正可能であることが保障されているのであれば、図5において3×10-3以下となる範囲内に再生レーザパワーが調整され、その再生レーザパワーが再生中に継続されなければならない。
ところが、本発明が解決しようとする課題で述べたように、レーザダイオードは、温度状態や経時変化によって、出力パワーが変動することや、個々の装置での特性のバラツキなどを考えると、常に最適な再生レーザパワーを保つことは困難であった。
そこで本例では、再生中には、エラーレートERを評価値として、再生レーザパワーの設定値であるPWM信号のデューティを変化させていくことで、最適なレーザパワーを保つようにする。
評価値としてエラーレートERを用いるが、エラーレートERとは、再生処理系でデコード及び誤り訂正を行った時に提示されるエラーの個数である。例えば第2の次世代MDにおいては、フォーマット上エラーレートが3×10-3以下であれば問題なく再生できるものとして規定されている。よって例えばそのレベルよりもマージンを持って1×10-3を目標評価値として、再生レーザパワーを調整するためソフトウェアでフィードバックループを構成する。
図6に本例の記録再生装置1における再生レーザパワー制御系の構成を示す。
図6においては、図4に示した構成のうちで光学ヘッド19、RFアンプ21、レーザドライバ20、システムコントローラ8を抽出して示している。また、図6における再生系60とは、図4のRLL(1−7)PP復調部22、及びEFM復調部24をまとめて示したものである。
光学ヘッド19において、レーザダイオード19aから出力されるレーザ光は、図示しない光学系を介してディスク40に照射され、その反射光がフォトディテクタ19bによって検出される。フォトディテクタ19bでは受光光量に応じた電気信号をRFアンプ21に供給する。RFアンプ21は上述したように再生処理のための所定の信号を生成し、再生信号処理系60やサーボ系(図4のサーボ回路27)に供給する。
また光学ヘッド19にはモニタディテクタ19cが設けられ、レーザダイオード19aからのレーザ出力レベルを検出できるようにされている。
レーザダイオード19aは、レーザドライバ20におけるAPC回路20aによってドライブ電流が印加され、レーザ出力が行われる。つまりAPC回路20aからのドライブ電流値によってレーザダイオード19aからの出力レーザパワーが決まる。
APC回路20aは、システムコントローラ8からのPWM信号に応じたドライブ電流(例えばPWM信号を積分した電圧に基づく電流)を出力する。従ってシステムコントローラ8は、内部のPWM信号発生部8cから出力するPWM信号のパルスデューティを調整することで、レーザパワーを設定できるものである。
なお図4でのレーザドライバ20の説明で述べたように、レーザドライバ20は、APC回路20aによってAPC動作、つまりモニタディテクタ19cから得られるレーザパワー検出値を参照し、PWM信号で指示されたレーザパワーが安定的に出力されるように制御を行う。
本例では、再生系60(RLL(1−7)PP復調部22又はEFM復調部24)からは、再生時においてエラーレートERが検出され、システムコントローラ8に供給される。システムコントローラ8では、ソフトウエアによるレーザパワー制御機能として設けられているレーザパワー制御部8dが、再生系60から供給されたエラーレートERと、目標として設定された目標エラーレート、例えば上記の1×10-3とされた目標エラーレートを用いて、レーザパワー制御を行う。即ちエラーレートERと目標エラーレートに応じて、PWM信号発生部8cから出力されるPWM信号のパルスデューティを変化させる制御を行う。
このようなレーザパワー制御系の構成によって、再生動作中に継続的に再生レーザパワーの制御が行われる。
実際の制御例を図7に示す。図7の処理は、システムコントローラ8による再生制御とともに、レーザパワー制御部8dがPWM信号発生部8cに対して、PWM信号のパルスデューティを変化させる処理を示すものである。
ディスク40が挿入された後、最初にディスク40からのデータ読出を行う時点では、最適な出射レーザパワーは当然不明である。このときにあまり高いレーザパワーで再生を行うとディスク40に記録されているデータを消してしまう可能性もある。よってステップF101では、初期パワーとして十分に低いレーザパワーをセットする。即ちPWM信号発生部8cに対して、低いレーザパワーを設定するPWM信号を発生させるように指示する。例えば図8(a)のようなデューティのPWM信号を指示する。
ステップF102ではディスク40からのデータリードを行い、読出ができたか否かを判断する。例えば第2の次世代ディスクの場合、2Kバイト単位(1クラスタ)でデータ読出ができたかを判断していく。
ただし、初期パワーが十分低く設定されることで、最初はデータリードができない可能性がある。そこで、ステップF103でデータ読出ができたと判別されるまでは、ステップF104で再生レーザパワーを1ステップづつ上げながら、ステップF102のデータリードを繰り返す。
例えばレーザパワー制御部8dは、PWM信号発生部8cに対して図8(a)の初期値から図8(b)のようにパルスデューティを1ステップ上げるように指示する。これによってレーザダイオード19aからの再生レーザパワーが1ステップ上がり、その状態でデータリードを行う。このようにステップF102,F103,F104の処理で、データリードが可能となるレベルまで1ステップずつレーザパワーを上げていく。
なお、レーザパワーを上げていってもデータリードができず、レーザパワーとして限界値に達することがある。限界値とは、例えば再生レーザパワーとして許容される最大のレーザパワーなどとして設定しておく。
限界値にまでレーザパワーを上げてもデータが読み出せない場合は、ステップF105からF106に進み、装填されたディスク40が未記録ディスクであると判断して処理を終える。
以上のステップF102〜F105でのループ処理は、例えば1クラスタの読出時間である50msec毎に1ステップづつレーザパワーを上げていく処理となる。
或る時点で、ステップF103でデータ読出ができたことが確認されたら、処理はステップF107に進み。
データ読出ができるようになることによって、再生系60からはエラーレートERが供給されてくるが、ステップF107では、供給されたエラーレートERと、目標エラーレートである1×10-3を比較し、エラーレートERが目標エラーレート1×10-3以下であるか否かを判別する。
もし、ステップF107で再生系60から供給されたエラーレートERが、1×10-3より高いと判断されたら、ステップF108に進み、レーザパワー制御部8dは、再生レーザパワーを1ステップ上げるように制御する。即ちPWM信号発生部8cからのパルスデューティを1段階上げる方向に変化させる。
またステップF107で、再生系60から供給されたエラーレートERが、1×10-3以下であったなら、ステップF109に進み、レーザパワー制御部8dは再生レーザパワーを1ステップ下げる。即ちPWM信号発生部8cからのパルスデューティを1段階下げる方向に変化させる。
このステップF107,F108又はF109の処理を、ステップF110でのデータリード(及びエラーレートERの供給)が行われる毎に行う。そして、再生動作中は、このステップF107〜F110の処理が継続的に繰り返されるものとなる。例えばエラーレートが16クラスタ単位で検出されるとすると、1クラスタの読出が50msecであることから、50×16=800msec間隔で、ステップF107〜F110の処理が繰り返されていく。
この処理によって、再生レーザパワーとしては、例えばステップF103でデータ読出が可能なレベルとなったことが判別された後、まず目標エラーレート1×10-3となるレーザパワーにまで、1ステップづつ上げられていき、その後、目標エラーレート1×10-3となるレーザパワーの近辺で上下されながら安定されることになる。
例えば図5の破線矢印Aとして示すように、レーザパワーは初期値から徐々に上げられていき、例えば矢印Bのあたりで収束的に安定する。
PWM信号発生部8cからのPWM信号としては、例えば図8(d)のようなデューティのときに、エラーレートERが目標エラーレート以下となったとしたら、その後、その目標エラーレート近辺で上下されるため、図8(c)(d)のデューティで収束的に安定されることになる。
このようなレーザパワー制御が行われることで、個々の再生装置又はレーザダイオード19aの特性のバラツキや、温度変化、経時変化等のレーザパワー変動要因に関わらず、常に最適なレーザパワーで再生動作を実行できるようになる。
例えば急激に温度条件が変化したり、経時変化でレーザダイオード19aの性能が劣化いしていったり、或いは他の要因で、PWM信号に対する実際の出射レーザパワーの比が変動したような場合でも、PWM信号自体がサーボ的に可変制御されることになるため、その条件下において追従的に、最も適切な再生レーザパワーでの再生が行われるようになる。そしてこれによって、再生性能が向上される。
また、このように再生中に常時再生レーザパワー制御が行われるため、製造ラインにおいて、基準のPWM信号に対して所定のレーザパワーが出力されるように半固定抵抗の調整作業は不要となり、製造効率を向上できる。
もちろん温度変化に対応するための係数テーブルの設定や温度検出機能も不要であり、構成の簡略化、製造工程の効率化、さらには歩留まりの向上という利点も得られる。
また、再生時の状況及び機器に応じた追従的なレーザパワーのサーボ制御といえるものであるため、機器の個別の特性差なども問題ない。
また、経時変化に対応するために再生動作前に毎回レーザパワー調整を行う等の処理は不要であり、ユーザーの使用性を悪化させることもない。
また上記図7のレーザパワー制御では、ステップF101〜F105の処理として、十分に低いレベルとされるレーザパワー初期値から、データリード可能なレーザパワー値にまで段階的にレーザパワーを上げていくように設定値を変化させる。そして、データリード可能なレーザパワー値に達した後は、ステップF107〜F110の処理として、評価値であるエラーレートERと目標評価値であるエラーレート(1×10-3)との比較に基づいて、レーザパワーの上げ下げを行うようにPWM信号のデューティを変化させるようにしている。
このような処理であるため、目標評価値としてのエラーレートの設定によって、再生レーザパワーとして出力すべきパワーを設計上、任意に設定できる。例えば目標エラーレートを1×10-3に設定すれば、そのエラーレートの近辺となるように再生レーザパワーが安定される。もちろん、より低いエラーレートを目標エラーレートとすれば、よりエラーレートのよい状態に安定させることができる。
またこれは、データリードが可能なレーザーパワー範囲内で、なるべく低いレーザパワーで再生が行われるように制御可能なことも意味する。例えば上記の目標エラーレート(1×10-3)は、適正なレーザパワー範囲内で比較的低いレーザパワーに対応する値である。このように低めのレーザパワーで安定させることは、無用に高めのレーザパワーを出力させないという意味で、省電効果が得られるものとなる。
また初期値からレーザーパワーを上げていく方向に制御すること、つまり初期値は十分に低いレーザーパワーとし、再生可能なレベルまで段階的にパワーを上げた後、収束的なパワー制御を行うようにすることで、再生動作中に、記録媒体上のデータの劣化や破壊をもたらすような高いパワーになることがなく、適切なレーザーパワーのサーボ処理となる。
なお、実施の形態ではエラーレートを評価値として用いてレーザパワー制御を行うようにしたが、ジッタレベルを評価値として同様の処理を行うようにしても良い。
また実施の形態では記録再生装置の構成を示したが、再生専用装置としても本発明を適用できる。
さらにMD方式のディスクに対応する再生装置だけでなく、CD、DVD、ブルーレイディスクなど、各種光ディスクメディアに対応する再生装置において本発明は適用可能である。
本発明の実施の形態の記録再生装置のブロック図である。 実施の形態の記録再生装置が対応するディスクの説明図である。 実施の形態の記録再生装置が対応するディスクの説明図である。 実施の形態の記録再生装置のストレージ部のブロック図である。 再生レーザパワーとエラーレートの関係の説明図である。 実施の形態の再生レーザーパワー制御系の説明図である。 実施の形態のレーザーパワー制御処理のフローチャートである。 実施の形態のレーザーパワー制御のためのPWM信号のデューティ変化の説明図である。 従来の再生レーザパワー制御系の説明図である。
符号の説明
1 記録再生装置、2 ストレージ部、3 キャッシュメモリ、4 USBインタフェース、5 入出力処理部、6 表示部、7 操作部、8 システムコントローラ、8a ROM、8b RAM、8c PWM信号発生部、8d レーザパワー制御部、9 キャッシュ管理メモリ、19 光学ヘッド、19a レーザダイオード、19b フォトディテクタ、20 レーザドライバ、20a APC回路、21 RFアンプ、

Claims (6)

  1. 記録媒体に記録されたデータの再生のために記録媒体に対してレーザ照射を行い、その反射光情報を得るヘッド手段と、
    上記反射光情報に基づきデータ再生処理を行うとともに、データ再生動作の評価値を出力する再生処理手段と、
    上記ヘッド手段から出力されるレーザパワーを設定するパワー設定手段と、
    上記評価値を用いて、上記パワー設定手段によるレーザパワーの設定値を変化させる処理を、データ再生動作中に継続的に実行するレーザパワー制御手段と、
    を備えたことを特徴とする再生装置。
  2. 上記レーザパワー制御手段は、レーザパワー初期値から、データリード可能なレーザパワー値にまで段階的にレーザパワーを上げていくように上記設定値を変化させる処理と、
    データリード可能なレーザパワー値に達した後に、上記評価値と目標評価値との比較に基づいて、レーザパワーの上げ下げを行うように上記設定値を変化させる処理と、
    を実行することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 上記評価値は、データ再生処理において得られるエラーレート値、もしくはジッター値であることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  4. 上記設定値は、レーザドライブ信号を生成するためのPWM信号であり、
    上記レーザパワー制御手段は、上記設定値を変化させる処理として、PWM信号のパルスデューティを変化させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  5. 設定値を出力してレーザパワーを設定するパワー設定ステップと、
    記録媒体に記録されたデータの再生のために、上記パワー設定ステップで設定されたレーザパワーで、記録媒体に対してレーザ照射を行い、その反射光情報を得るレーザ出力ステップと、
    上記反射光情報に基づきデータ再生処理を行うとともに、データ再生動作の評価値を出力する再生処理ステップと、
    上記評価値を用いて、上記設定値を変化させるレーザパワー制御ステップとが、
    データ再生動作中において継続的に実行されることを特徴とする再生方法。
  6. 上記レーザパワー制御ステップでは、
    レーザパワー初期値から、データリード可能なレーザパワー値にまで段階的にレーザパワーを上げていくように上記設定値を変化させる処理と、
    データリード可能なレーザパワー値に達した後に、上記評価値と目標評価値との比較に基づいて、レーザパワーの上げ下げを行うように上記設定値を変化させる処理と、
    が実行されることを特徴とする請求項5に記載の再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100696825B1 (ko) 2006-06-22 2007-03-19 주식회사 대우일렉트로닉스 광 디스크 시스템의 광 파워 설정 장치 및 방법
JP2013030252A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd データ記録再生装置およびデータライブラリ装置
CN114501720A (zh) * 2021-12-03 2022-05-13 青岛海泰新光科技股份有限公司 一种冷光源稳定输出的控制方法及装置

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