JP2006037330A - 柔細胞繊維含有紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の紙に比べて、表面平滑性、剛直性、印刷適性、吸脂性などに優れる紙を提供する。
【解決手段】植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙。柔細胞がサトウダイコン由来であることが好ましい。柔細胞がサトウキビ由来であることが好ましい。植物の柔細胞より得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されてなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙に関する。
植物から得られる繊維は、紙、パルプや衣料用途で大量に使われているが、その繊維のほとんどが強固な二次壁からなる細胞壁を有した細長い形状の繊維細胞に由来するものである。一方、二次壁が発達していない柔細胞は、細胞壁が弱く方形の細胞が多いため、従来の繊維細胞と同等の用途に使用することができない。
柔細胞が集合した柔組織は、果実や茎の内部に多く存在し、果実からのジュースの搾り粕やサトウキビ、サトウダイコンからのショ糖液の搾り粕に豊富に存在する。しかしながら、これらの搾り粕の多くは農産廃棄物、産業廃棄物として処分されることが多く、有効利用されているケースは少ない。
産業廃棄物となる植物の搾り粕を有効利用する方法はいくつか提案されており、ぶどう酒の搾り粕を一定期間発酵後、乾燥、粉砕して家畜の飼料として利用する方法(例えば、特許文献1参照)や、大豆の搾り粕であるおからを焼成炭化させ、粉体または粒体として濾過剤、濾過助剤として利用する方法(例えば、特許文献2参照)、おからに麹菌を接種して乾燥させたものを食品の添加物として利用する方法(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
しかしながら、飼料や食品の添加物とする場合には成分の点で原料が制限されるため、ぶどう酒の搾り粕やおからといった特定のものにしか適用できないという問題がある。その点、炭化した濾過剤、濾過助剤は原料の制約は少ないものの、逆に原料となり得るものが豊富であるが、搾汁粕のような含水率の高い材料をあえて炭化するのは効率が悪く、原料として不適当であると考えられる。
従来、紙は木材パルプや非木材パルプを主体として作られており、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙に大別されるが、その用途と種類は非常に多い。例えば、辞典や美術書などの書籍は重く、繰り返し閲覧しているうちに背表紙が剥離する場合があった。従来、脂取り紙としては、針葉樹や広葉樹などの木材パルプ、麻などの非木材パルプを主体とする紙が使用されている。(例えば、特許文献4参照)。しかし、これらの紙は吸脂量が不十分であった。
従来、電解コンデンサや電気二重層キャパシタのセパレータとしては、溶剤紡糸セルロース繊維や再生セルロース繊維を主体とする紙製セパレータが使用されている。(例えば、特許文献5〜7参照)。近年、電気二重層キャパシタは、電極の改良により静電容量の大容量化が進んでいる。改良された電極の中には、充電時の体積膨張が大きいものがある。
従来の紙製セパレータは突刺強度が弱く、特に電解液を含浸したときの突刺強度が弱いため、充電時の電極の体積膨張が大きい場合には、セパレータに大きな圧力がかかり、セパレータが突き破れてしまう問題があった。この問題を解決するため、紙製セパレータを2重、4重などに重ねて使用すると電解コンデンサや電気二重層キャパシタの内部抵抗が高くなりやすく、静電容量が小さくなりやすいため、薄くても丈夫なセパレータが望まれていた。
特開平2003−171916号公報(第1〜2頁) 特開平11−076813号公報(第1〜2頁) 特開平5−068503号公報(第1〜6頁) 特開2002−28097号公報 特開平5−267103号公報 特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、産業廃棄物として処分されることが多い搾り粕に含まれる柔細胞から得られる繊維を有効利用するものである。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、植物の柔細胞から得られた繊維、特にフィブリル化された該繊維は極めて細く、微小であるため比表面積が非常に大きく、乾燥後も水素結合による強度発現力に優れており、従来の紙に比べて、表面平滑性、薄膜性、剛直性、印刷適性、吸脂性などに優れる紙を実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙である。
本発明においては、柔細胞が工業的大量生産可能なサトウダイコンやサトウキビ由来であることが好ましい。製糖工業において発生するサトウダイコンやサトウキビの搾汁粕の柔細胞から繊維を得ることにより、一定品質の繊維を大量に安定して製造することが可能である。
本発明においては、植物の柔細胞から得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されていることが好ましい。
本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙からなる印刷用紙である。
本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙からなる脂取り紙である。
本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙からなるセパレータである。
本発明により従来の紙に比べて、表面平滑性、薄膜性、剛直性、印刷適性、吸脂性などに優れる紙が得られる。
本発明における植物の柔細胞から得られる繊維(以下、柔細胞繊維と表記する。)とは、植物の茎や葉、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な非木材繊維である。柔細胞は、二次壁が発達していない特徴を有する。
本発明において、植物の柔細胞を得るためには、茎の内部柔組織や葉の葉肉、果実等を粉砕するなどすればよいが、工業的には食品加工工場や製糖工場等から排出される、果実からのジュースの搾り粕やサトウダイコン、サトウキビ等からの搾汁粕を用いるのが最適である。例えば、サトウダイコンの搾汁粕を利用する際には、粉砕した根を搾汁し、残さの粕をそのまま利用することができる。サトウキビの搾汁粕を利用する際には、搾り粕であるバガスを適当な大きさに粉砕し、目開き1〜2mmのふるいを通過させることにより柔細胞を多く含む部分を得ることができる。
本発明において、柔細胞から繊維を得るためには木材からパルプを製造する際のパルプ化処理を適用するのが良い。例えば、苛性ソーダ等のアルカリと混合、加熱してリグニンを分解除去するクラフトパルプ化法やソーダパルプ化法を用いることができる。詳細なパルプ化処理条件は、原料の性状や目的とする繊維の性状、収率等を鑑みて適宜決定すればよい。アルカリを洗浄後、必要に応じて漂白処理を行なう。漂白剤として過酸化水素、二酸化塩素、次亜塩素酸ソーダ、酸素、オゾン等を用いることができる。漂白後、洗浄して繊維の懸濁液を得ることができる。
パルプ化処理により得られた繊維は、そのままでも使用可能だが、フィブリル化処理することにより、比表面積が大きくなり、且つ均一性が高くなるため好ましい。フィブリル化処理には、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いることができる。
柔細胞繊維の好ましいフィブリル化の目安は、懸濁安定性が50%以上である。ここで、懸濁安定性が50%以上とは、本発明における0.1質量%濃度の繊維懸濁液をメスシリンダーなどに入れて24時間静置したときに、繊維の沈降面より下の懸濁液の体積が全体の体積の50%以上になることである。この懸濁安定性は分散性と解釈することもでき、繊維の分散性が高く、懸濁液がより均一である程、懸濁安定性が高いと言える。この懸濁安定性は繊維の大きさと関係しており、フィブリル化が進行しているもの程その懸濁液の安定性は高い。懸濁安定性が50%未満では、紙層中での分布状態にむらができやすく、その結果、フィブリル相互の水素結合形成が弱く、十分な特性が得られない場合がある。
懸濁安定性を50%以上にするには、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、回転刃式ホモジナイザー、高速ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて処理条件を適正化することにより達成できる。
本発明の紙は、柔細胞繊維以外に、溶剤紡糸セルロース、再生セルロース、天然セルロースを含有しても良い。これらのセルロースはパルプ状又はフィブリル状が好ましい。
本発明における紙は、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種または異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いて抄紙する方法によって製造することができる。原料スラリーの調製には、繊維原料、必要に応じて分散剤、増粘剤、紙力増強剤、無機填量、有機填量、顔料、サイズ剤、消泡剤などを適宜添加し、5質量%〜0.001質量%程度の固形分濃度に調整する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙する。抄紙して得た紙は必要に応じて、カレンダー処理、塗工、熱処理などが施される。
紙は、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙に大別されている。印刷・情報用紙は、非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、特殊印刷用紙(官製はがき、小切手、手形、証券など)、情報用紙(ノーカーボン原紙、ジアゾ感光紙、PPC用紙、感熱紙原紙など)に再分化され、包装用紙は、未晒包装紙と晒包装紙に、衛生用紙はティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオル用紙、その他衛生用紙(京花紙、生理用紙、脂取り紙など)に、雑種紙は、工業用雑種紙(コンデンサペーパーやプレスボードなどの電機絶縁紙、その他工業用雑種紙)と家庭用雑種紙(書道半紙、障子紙、ふすま紙、傘紙など)に細分化されている。本発明の柔細胞繊維含有紙は、これらの何れの用途にも使用することができるが、表面平滑性と印刷適性に優れることから、印刷用紙として使用することが好ましい。印刷用紙としては、非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、特殊印刷用紙の何れでも良い。また、吸脂性にも優れることから、魚肉食品類からしみ出る脂分や人の皮脂を吸い取るための脂取り紙として使用することも好ましい。
本発明の柔細胞繊維含有紙を印刷用紙として用いる場合、厚みは特に制限はないが、20μm〜150μmが好ましく、30μm〜120μmがより好ましい。厚みが20μm未満ではインクが裏写りする場合があり、150μmより厚いと紙がかさばりやすい。柔細胞繊維の含有率は1質量%以上、100質量%以下が好ましく、10質量%以上、100質量%以下がより好ましい。1質量%未満では表面平滑性や印刷適性が不十分になる場合がある。
本発明の柔細胞繊維含有紙を脂取り紙として用いる場合、厚みは特に制限はないが、10〜50μmが好ましく、15〜40μmがより好ましい。厚みが10μm未満では薄すぎて破れる場合があり、50μmより厚いと紙がごわついたり、硬くなりやすく、肌触りが悪くなりやすい。柔細胞繊維の含有率は10質量%以上、100質量%以下が好ましく、20質量%以上、100質量%以下がより好ましい。10質量%未満では吸脂性が不十分になる場合がある。
本発明における電気化学素子とは、マンガン乾電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、リチウム電池、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池、酸化銀−亜鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、各種のゲル電解質電池、亜鉛−空気蓄電池、鉄−空気蓄電池、アルミニウム−空気蓄電池、燃料電池、太陽電池、ナトリウム硫黄電池、ポリアセン電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタなどを指す。電気二重層キャパシタの電極としては、一対の電気二重層型電極、一方が電気二重層型電極でもう片方が酸化還元型電極の組み合わせの何れでも良い。電解液には、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(BL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶液系と有機溶媒系の何れも利用できる電気化学素子の場合は、水溶液系は耐電圧が低いため、有機溶媒系の方が好ましい。電解液の代わりにポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、これらの誘導体などの導電性高分子膜を用いても良い。
本発明の柔細胞繊維含有紙をセパレータとして用いる場合、セパレータの厚みは特に制限はないが、10μm〜100μmが好ましく、20μm〜60μmがさらに好ましい。10μm未満では、十分な突刺強度が得られにくく、100μmより厚いと、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子に収納できる電極面積が小さくなり、電気化学素子の容量が小さくなってしまう。柔細胞繊維の含有率は1質量%以上、80質量%以下が好ましく、3質量%以上、60質量%以下がより好ましい。1質量%未満では電解液を含浸した状態の突刺強度が弱めになり、電気化学素子の不良率が高くなる場合がある。一方、80質量%より多いと紙の空隙率が低下し、電解液保持性が不十分になる場合がある。
<柔細胞繊維1>
サトウダイコンの搾り粕からなる市販のビートパルプを10L容のオートクレーブに投入した。液比4、有効アルカリ添加率11〜14%となるように苛性ソーダを混合し、保持温度120℃、保持時間30分の条件で処理した。ろ過による洗浄後、試料濃度8%とし、試料に対して有効塩素濃度2%となるように次亜塩素酸ソーダを加えて攪拌し、室温で8時間漂白した後、ろ過により洗浄した。これによりサトウダイコン柔細胞由来の柔細胞繊維が得られた。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後の柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は15%であった。以下、これを柔細胞繊維1又はJ1と表記する。
<柔細胞繊維2>
サトウキビの搾り粕からなるバガスを粉砕し、目開き1mmのふるいにかけて、ふるいを通過した分を収集した。これを<柔細胞繊維1>の製法と同様にして漂白と洗浄し、サトウキビ柔細胞由来の柔細胞繊維を得た。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後の柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は11%であった。以下、これを柔細胞繊維2又はJ2と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維1>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を10000rpmで1分間処理して、フィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は46%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維1又はFBJ1と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維2>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で45秒間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は50.5%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維2又はFBJ2と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維3>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で5分間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は100%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維3又はFBJ3と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維4>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、シングルディスクリファイナーを用いて処理し、フィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は90%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維4又はFBJ4と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維5>
柔細胞繊維2を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で10分間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は100%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維5又はFBJ5と表記する。
<フィブリル化セルロース繊維1>
針葉樹パルプをパルパーで離解した後、ダブルディスクリファイナーで叩解処理し、さらに高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で20分間循環処理してフィブリル化セルロース繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化セルロース繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は60%であった。以下、これをフィブリル化セルロース繊維1又はFBC1と表記する。
表1に示した原料と配合量に従って、抄紙用スラリーを調製した。ここで、表1中の「P1」は、カナディアンフリーネス150mlのマニラ麻パルプ、「P2」は、カナディアンフリーネス400mlのマニラ麻パルプ、「P3」は、カナディアンフリーネス520mlのマニラ麻パルプ、「N1」は、カナディアンフリーネス0mlのNBKP、「L1」は、カナディアンフリーネス350mlのLBKPを意味する。「T1」は、カナディアンフリーネス0mlの溶剤紡糸セルロース繊維(叩解テンセル)、「T2」は、カナディアンフリーネス50mlの溶剤紡糸セルロース繊維(叩解テンセル)、「T3」は、カナディアンフリーネス70mlの溶剤紡糸セルロース繊維(叩解テンセル)、「T4」は、カナディアンフリーネス100mlの溶剤紡糸セルロース繊維(叩解テンセル)を意味する。比較例6のスラリー31は、NBKP、LBKP、マニラ麻パルプを50:20:30の割合で混合した後、カナディアンフリーネスを510mlになるまで叩解したものを意味する。
Figure 2006037330
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1〜25
スラリー1〜25を長網抄紙機を用いて抄紙し、必要に応じてスーパーカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みと密度の紙1〜25を作製した。
(比較例1〜10)
スラリー26〜35を長網抄紙機を用いて抄紙し、必要に応じてスーパーカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みと密度の紙26〜35を作製した。
紙1〜35について、下記の試験方法により測定し、その結果を表2〜表5に示した。
<厚み>
紙1〜8、10、11、13〜16、18〜20、22〜23、26、27の厚みをJIS P8118に準拠して測定し、その結果を表2に示した。紙9、12、17、21、24、25、28〜35の厚みをJIS C2301に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
<密度>
紙1〜8、10、11、13〜16、18〜20、22〜23、26、27の密度をJIS P8118に準拠して測定し、その結果を表2に示した。紙9、12、17、21、24、25、28〜35の密度をJIS C2301に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
<突刺強度>
紙1〜35を50mm巾の短冊状に切りそろえ、プロピレンカーボネートに10分間浸した。これを1分間吊るして、紙試料に付着した余分なプロピレンカーボネートを取り除いた。この紙試料の突刺強度を測定した。先端に丸み(曲率1.6)をつけた直径1mmの金属針((株)オリエンテック製)を卓上型材料試験機((株)オリエンテック製、STA−1150)に装着し、紙試料面に対して直角に1mm/sの一定速度で貫通するまで降ろした。このときの最大荷重(g)を計測し、これを突刺強度とした。1試料について5箇所以上突刺強度を測定し、全測定値の平均値を表2に示した。
<剛直性>
紙1〜35を縦、横方向にそれぞれ20mm巾、100mm長に10本ずつ切り取った。この試料を水平台に載せ、水平台の端から長さ50mmだけはみ出させたときの、試料が垂れ下がった角度を計測し、10本の平均値を表2に示した。これを剛直性の指標とした。従って、角度が小さい程、剛直性があることを意味する。
<表面粗さ>
紙1〜35を試料台に置き、磁石で固定し、触針式3次元表面粗さ計を用いて中心面平均粗さSRaを測定した。触針の先端は5mmのものを使用し、駆動速度0.3mm/s、カットオフ0.8mmで、X軸方向10mm、Y軸方向1mmの範囲を測定した.Y軸方向の測定ピッチは200μmにした。各試料の両面について測定し、SRaの小さい面の値を表3に示した。SRaが小さい程、表面平滑性に優れることを意味する。
<線幅>
紙1〜35に市販の油性マジック(公称インク幅1〜1.5mm)で線を書いた後の線幅を計測し、表3に示した。線幅が細い程、印字の滲みがなく、印刷適性に優れることを意味する。
<裏写り>
台紙の上に紙1〜35を置いた状態で、市販の水性ペンで線を書き、台紙に裏写りするかどうかを調べた。裏写りした場合は「あり」、しなかった場合は「なし」とし、表3に示した。裏写りし難いもの程、印刷適性に優れることを意味する。
<吸脂量>
擬似皮脂として、ひまし油80%、ベンジルアルコール20%の混合油液を調製した。該油液0.5mlを印刷適性試験機(石川島産業機械株式会社製、RIテスター)の印刷ロール上に取り、ロールを回転させて油膜を均一に形成させた後、ロールニップ圧4.2Pa、回転速度30rpmで回転させて、紙1〜35を2本の印刷ロール間に通して油膜を転写させた。油膜を転写させる前後の紙の重量変化、すなわち紙に転写した油液の量を吸脂量とし、転写前の紙重量に対する割合(%)を表4に示した。この数値が大きい程、吸脂性に優れることを意味する。
<色差>
擬似皮脂の転写前後の紙1〜35の色差を測定し、吸脂の視認性評価とした。測定装置には分光白色光度計(東京電色株式会社製、ERP−80WX)を用いた。裏当てに白色板を用いたときの紙試料(5枚重ね)の色差ΔEwを測定し、次に裏当てに黒色板を用いて同様に色差ΔEbを測定した。吸脂の視認性評価として両色差の和ΔEを指標とし、表4に示した。ΔEの値が大きい程、吸脂の視認性に優れることを意味する。
<不良率>
紙9、12、17、21、24、25、28〜35をセパレータとして用いた。正極及び負極として、充電によって体積が約5%膨張する活性炭電極を用い、セパレータを負極と正極の間に介して積層し、巻回機を用いて渦巻き型に巻回して渦巻き型素子を作製した。この渦巻き型素子をアルミニウム製ケースに収納し、ケースに取り付けられた正極端子及び負極端子に正極リード及び負極リードを溶接した後、電解液注液口を残してケースを封口した。このケースごと150℃に15時間加熱し、電極及びセパレータに含まれる水分を除去した。これを真空中で室温まで放冷した後、ケース内に電解液を注入し、注入口を密栓して電気二重層キャパシタをそれぞれ100個作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。電気二重層キャパシタを2.7Vまで充電し、電極の体積膨張によってセパレータが突き破れて内部短絡した割合を調べ、不良率とし、表5に示した。
Figure 2006037330
Figure 2006037330
Figure 2006037330
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表2〜表4に示した通り、実施例1〜25で作製した紙は、植物の柔細胞繊維を含有するため、比較例1〜10で作製した紙に比べて表面平滑性が高く、剛直性があった。また、例えば実施例1、2、9と比較例1、実施例13と比較例4、実施例15と比較例3を比較すると明らかなように、柔細胞繊維を含有する実施例の方が低密度にもかかわらず厚みを薄くできており、薄膜性に優れている。実施例1〜25で作製した紙はインク滲みがほとんどなく、インクの裏写りもないため、印刷用紙として好適である。
さらに、表4に示した通り、実施例1〜25で作製した紙は吸脂性に優れており、脂取り紙として好適である。
表5に示した通り、実施例9、12、17、21、24、25で作製した紙は、電解液含浸時の突刺強度が強く、電気二重層キャパシタの不良率を抑えることができ、セパレータとして好適である。
一方、比較例7〜10で作製した紙は、電解液含浸時の突刺強度が弱いため電気二重層キャパシタの不良率が著しく高く、セパレータとして不適であった。
本発明の活用例としては、印刷用紙、包装用紙、脂取り紙、充電時の体積膨張が大きな電極を用いる電気化学素子用途、例えば、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、リチウム系二次電池などのセパレータが挙げられる。

Claims (7)

  1. 植物の柔細胞から得られた繊維を含有する紙。
  2. 柔細胞がサトウダイコン由来である請求項1記載の紙。
  3. 柔細胞がサトウキビ由来である請求項1記載の紙。
  4. 植物の柔細胞から得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されている請求項1〜3の何れかに記載の紙。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の紙からなる印刷用紙。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の紙からなる脂取り紙。
  7. 請求項1〜4の何れかに記載の紙からなるセパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011505505A (ja) * 2007-12-05 2011-02-24 シャンドング フユイン ペーパー アンド エンヴァイロンメンタル プロテクション テクノロジー カンパニー,リミテッド わら類原色紙製品とその製造方法

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