JP2006037280A - 電気絶縁用不織布及びその製造法、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】全芳香族ポリエステル繊維を含む電気絶縁用不織布の吸湿性を小さく、且つ熱による寸法変化量を低減し、この電気絶縁用不織布に熱硬化性樹脂を保持させた絶縁層の耐湿性と耐熱性の向上と、厚さ方向の熱膨張率を小さくする。
【解決手段】繊維表面がレゾール型フェノール樹脂で処理され、フェノール樹脂の完全硬化皮膜が形成された全芳香族ポリエステル繊維を電気絶縁用不織布とする。レゾール型フェノール樹脂は、メチロール基の残存が多い水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。前記電気絶縁用不織布にエポキシ樹脂を含浸し、加熱加圧成形して積層板ないしはプリント配線板の絶縁層とする。
【選択図】 なし
【解決手段】繊維表面がレゾール型フェノール樹脂で処理され、フェノール樹脂の完全硬化皮膜が形成された全芳香族ポリエステル繊維を電気絶縁用不織布とする。レゾール型フェノール樹脂は、メチロール基の残存が多い水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。前記電気絶縁用不織布にエポキシ樹脂を含浸し、加熱加圧成形して積層板ないしはプリント配線板の絶縁層とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、全芳香族ポリエステル繊維を含有する電気絶縁用不織布に関し、殊に、吸湿性を抑えた電気絶縁用不織布に関する。また、この不織布を基材とするプリプレグ、積層板ないしはプリント配線板に関する。
電子機器に使用されるプリント配線板は、多層プリント配線板が主流となっている。多層プリント配線板の層間の絶縁層は、一般に、ガラス繊維織布を基材として、これに熱硬化性樹脂を含浸し硬化させたもので構成されている。しかし、電子機器の小型軽量化の要求から、ガラス繊維よりも比重の小さい全芳香族ポリエステル繊維を含有する不織布を基材とし、これに熱硬化性樹脂を含浸した構成の絶縁層が注目されるようになってきた。
しかし、全芳香族ポリエステル繊維はガラス繊維に比べて吸湿しやすく、この全芳香族ポリエステル繊維不織布に熱硬化性樹脂を保持させた絶縁層は吸湿しやすい。
また、繊維が主として平面方向に配向している不織布で絶縁層を構成すると、熱による繊維の寸法変化が大きくなる性質がある。さらに、全芳香族ポリエステル繊維はガラス繊維に比べ、熱による寸法変化量は大きいため、その厚さ方向の熱膨張率が大きくなってしまう。一般的なプリント配線板は、電子部品実装時に、リフロー半田付け工程で約250℃の高温に曝される。更に、環境問題の観点から、半田付には鉛フリー半田の採用が主流となりつつあり、このような場合には、プリント配線板や多層プリント配線板は、更に高温に曝されることになる。このため、吸湿量が多い状態で絶縁層が高温に曝されると、吸湿に起因して発生する水蒸気圧によって、膨れや剥離の現象が起こる。また、スルーホールを有するプリント配線板や多層プリント配線板は、冷熱サイクルを受けると、繊維・樹脂の熱膨張・収縮によりスルーホールの導通信頼性に悪影響を及ぼされる。
上記問題点は、全芳香族ポリエステル繊維と熱硬化性樹脂との接着性向上によって解決できると考えられる。
例えば、全芳香族ポリエステル繊維表面をプラズマエッチングして、凹凸を付与し、更に、エポキシ樹脂硬化剤の一種として使用されているアミノポリアミドで処理してから、不織布に熱硬化性樹脂を保持させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、アミノポリアミドを全芳香族ポリエステル繊維表面に付着しやすくし、不織布に保持させた熱硬化性樹脂と全芳香族ポリエステル繊維の接着性を確保するものである。
また、カップリング剤処理をした又はしない不織布に紫外線を照射してから、不織布に熱硬化性樹脂を保持させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、基材表面に極性基を生成し、基材−樹脂の親和性を高めて樹脂の含浸性を向上させるものである。
例えば、全芳香族ポリエステル繊維表面をプラズマエッチングして、凹凸を付与し、更に、エポキシ樹脂硬化剤の一種として使用されているアミノポリアミドで処理してから、不織布に熱硬化性樹脂を保持させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、アミノポリアミドを全芳香族ポリエステル繊維表面に付着しやすくし、不織布に保持させた熱硬化性樹脂と全芳香族ポリエステル繊維の接着性を確保するものである。
また、カップリング剤処理をした又はしない不織布に紫外線を照射してから、不織布に熱硬化性樹脂を保持させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、基材表面に極性基を生成し、基材−樹脂の親和性を高めて樹脂の含浸性を向上させるものである。
上記従来の技術によれば、不織布に熱可塑性樹脂を保持させる工程に、プラズマ発生装置や紫外線照射装置を新たに付加しなければならない。また、プラズマエッチングや紫外線照射による処理効果の持続時間は短いので、その後の工程を速やかに実施しなければならないという制約もある。
本発明が解決しようとする課題は、上記のような特別な装置による処理を必要とすることなく、全芳香族ポリエステル繊維を含む電気絶縁用不織布の吸湿性を小さく、且つ、熱による寸法変化量を低減し、この電気絶縁用不織布に熱硬化性樹脂を保持させた絶縁層の耐湿性と耐熱性の向上と、厚さ方向の熱膨張率を小さくすることである。
上記課題を達成するために、本発明に係る電気絶縁用不織布は、全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む繊維不織布であって、全芳香族ポリエステル繊維表面がレゾール型フェノール樹脂の完全硬化物で被覆されていることを特徴とする。
また、本発明に係るプリプレグは上記完全硬化物で被覆された電気絶縁用不織布に、半硬化状態の熱硬化性樹脂が保持されたものである。そして、積層板は、前記プリプレグを加熱加圧成形した層を有するものであり、プリント配線板は、前記プリプレグを加熱加圧成形した絶縁層を有するものである。
さらに、本発明に係る電気絶縁用不織布の製造法は、全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布に、レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、当該レゾール型フェノール樹脂を完全に熱硬化させて、全芳香族ポリエステル繊維表面を被覆することを特徴とする。
ここで、レゾール型フェノール樹脂の硬化状態が完全か不完全かを判別するには、動的粘弾性測定装置を使用した引っ張りDMA法によるガラス転移温度試験方法(JIS−C−6481の5.17.2に規定)を採用する。この方法によると、被検体のガラス転移温度を、損失正接の温度依存性挙動カーブのピーク位置から求めることができる。レゾール型フェノール樹脂の硬化が不完全の場合には、未反応物の硬化反応進行に伴う脱水反応が生じるため、損失正接の温度依存性挙動カーブに、60〜120℃の間で、ガラス転移温度によるピークが生じる。レゾール型フェノール樹脂の硬化が完全の場合には、損失正接の温度依存性挙動カーブに、60〜120℃の間で、ガラス転移温度によるピークが生じない。このようにして、硬化状態が、不完全か完全かを判別する。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、後者を過剰に配合してアルカリ触媒下で重縮合させたものであり、ベンゼン核にはメチロール基(−CH2OH)が結合している。全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布を前記レゾール型フェノール樹脂で処理することにより、全芳香族ポリエステル分子鎖中のエステル基(−COO−)にメチロール基が配位し、全芳香族ポリエステル繊維の吸湿性を下げることができ、繊維と樹脂の配位結合による接着性向上と、レゾール型フェノール樹脂の繊維被覆によって、繊維の熱振動低減が達成されるものと推測される。
全芳香族ポリエステル繊維表面を被覆するレゾール型フェノール樹脂を完全に硬化させるのは、レゾール型フェノール樹脂のメチロール基の残存を無くし、プリプレグ作製工程やプリント板作製工程において、フェノール樹脂の硬化反応進行とそれに伴う脱水反応をなくするためである。これによって、積層板、プリント板の確実な吸湿性低減と耐熱性・寸法特性の向上、そして、完全硬化物による繊維の被覆により繊維の熱振動低減を図り、絶縁層の低熱膨張化を達成するものである。
本発明を実施するに当り、全芳香族ポリエステル繊維を主要成分として含む不織布は、全芳香族ポリエステル繊維を主成分として湿式抄造、あるいは乾式抄造で不織布化したものを採用できる。
全芳香族ポリエステル繊維は、芳香族ポリエステル繊維のうち主鎖中に脂肪族炭化水素を有しないもので、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合体(クラレ製「ベクトラン」)や、p−ヒドロキシ安息香酸とテレフタル酸と4,4’−ジヒドロキシビフェニルの共重合体(住友化学製「スミカスーパー」)など芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸を組合せて反応させた共重合体を用いることができる。
全芳香族ポリエステル繊維は、芳香族ポリエステル繊維のうち主鎖中に脂肪族炭化水素を有しないもので、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合体(クラレ製「ベクトラン」)や、p−ヒドロキシ安息香酸とテレフタル酸と4,4’−ジヒドロキシビフェニルの共重合体(住友化学製「スミカスーパー」)など芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸を組合せて反応させた共重合体を用いることができる。
レゾール型フェノール樹脂による処理は、全芳香族ポリエステル繊維を主成分とし必要に応じて他の繊維そのほかの成分を一緒に抄造した不織布を準備し、この不織布にレゾール型フェノール樹脂を直接塗布し、加熱乾燥して不織布表面にフェノール樹脂の完全硬化物の皮膜を形成する方法を採用することができる。前記レゾール型フェノール樹脂ワニスの含浸は、通常の樹脂ワニス含浸の工程と変わることなく実施することができる。
上記フェノール樹の完全硬化物の皮膜を形成した電気絶縁用不織布に占めるフェノール樹脂の含有量は、1〜15質量%が好ましい。前記フェノール樹脂の含有量が少ないと処理の効果が十分に発揮されず、徒に含有量を多くしても処理の効果は変わらなくなる。
上記フェノール樹の完全硬化物の皮膜を形成した電気絶縁用不織布に占めるフェノール樹脂の含有量は、1〜15質量%が好ましい。前記フェノール樹脂の含有量が少ないと処理の効果が十分に発揮されず、徒に含有量を多くしても処理の効果は変わらなくなる。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、後者を過剰に配合してアルカリ触媒下で重縮合させたものであり、ベンゼン核にはメチロール基が結合している。フェノール類は、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、チモール、カルバクロールなどの一価フェノールである。アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの鎖式アルデヒドである。アルカリ触媒は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン化合物である。フェノール類1モルに対しアルデヒド類1〜3モルの割合で配合して反応させる。レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類2量体程度の水溶性低分子量フェノール樹脂とすることが好ましく、このようなレゾール型フェノール樹脂は、前記反応を74〜82℃で行なった後、減圧濃縮を行なうことにより製造し得る。このような観点から、全芳香族ポリエステル繊維を処理するレゾール型フェノール樹脂は、好ましくは、メチロール基が多く残存した水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂である。
レゾール型フェノール樹脂のメチロール基が全芳香族ポリエステル繊維分子鎖中のエステル基に配位することが吸湿性を小さくし、樹脂硬化物の繊維被膜によって、繊維の熱振動を低減することに寄与すると推測される。この配位は、メチロール基の残存が多い水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂で全芳香族ポリエステル繊維を処理することにより良好に進む。しかし、当該処理後にもメチロール基が残存していると、吸湿性を小さくすることはできず、さらに、樹脂の未硬化部の残存により、寸法特性の向上に悪影響を及ぼす。このため、全芳香族ポリエステル繊維表面を覆うレゾール型フェノール樹脂の硬化を確実にするべく、加熱乾燥を十分にした処理を行なう。このようにして、エステル基と配位せずに残ったメチロール基の架橋を確実に進めるのがよい。
本発明に係るプリプレグ、積層板及びプリント配線板は、次のようにして製造し得る。
上記処理をした電気絶縁用不織布に熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)を含浸し乾燥して、熱硬化性樹脂の硬化を半硬化状態まで進めたシート状のプリプレグとする。
このプリプレグを1枚又は複数枚重ねて加熱加圧成形し積層板を作製する。この場合、所定厚みの金属箔(例えば銅箔)をプリプレグ層の片面又は両面に配置し、加熱加圧成形で一体化して金属箔張り積層板とすることもできる。プリント配線板は、上記プリプレグの層を加熱加圧成形した絶縁層を備えるものである。
上記処理をした電気絶縁用不織布に熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)を含浸し乾燥して、熱硬化性樹脂の硬化を半硬化状態まで進めたシート状のプリプレグとする。
このプリプレグを1枚又は複数枚重ねて加熱加圧成形し積層板を作製する。この場合、所定厚みの金属箔(例えば銅箔)をプリプレグ層の片面又は両面に配置し、加熱加圧成形で一体化して金属箔張り積層板とすることもできる。プリント配線板は、上記プリプレグの層を加熱加圧成形した絶縁層を備えるものである。
以下、本発明に係る実施例を説明する。
全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布(1)を次のようにして準備した。全芳香族ポリエステル繊維(クラレ製「ベクトラン」,繊維径12μm、繊維長3mm)を湿式方式で抄造し、水溶性エポキシバインダ(大日本インキ化学工業製)をスプレーして繊維同士を結着する。この不織布(1)は、単位面積当り質量72g/m2、密度0.62g/cm2であった。
尚、不織布の主成分は全芳香族ポリエステル繊維であるが、パラ系芳香族ポリアミド繊維(帝人製「テクノーラ」,デュポン製「ケブラー」等)等の耐熱性繊維を混合することもできる。また、溶融した全芳香族ポリエステルをノズルからスプレーして繊維同士を絡ませた乾式メルトブロー法による不織布を用いることもできる。
全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布(1)を次のようにして準備した。全芳香族ポリエステル繊維(クラレ製「ベクトラン」,繊維径12μm、繊維長3mm)を湿式方式で抄造し、水溶性エポキシバインダ(大日本インキ化学工業製)をスプレーして繊維同士を結着する。この不織布(1)は、単位面積当り質量72g/m2、密度0.62g/cm2であった。
尚、不織布の主成分は全芳香族ポリエステル繊維であるが、パラ系芳香族ポリアミド繊維(帝人製「テクノーラ」,デュポン製「ケブラー」等)等の耐熱性繊維を混合することもできる。また、溶融した全芳香族ポリエステルをノズルからスプレーして繊維同士を絡ませた乾式メルトブロー法による不織布を用いることもできる。
上記全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布を処理するためのレゾール型フェノール樹脂を次のとおり準備した。
フェノール1mol、ホルムアルデヒド2mol、触媒としてトリエチルアミン0.1molを反応釜に投入し、74〜82℃で約3時間反応させた後、減圧濃縮を行ない、反応生成物のゲルタイムが所定の値となったところで反応を終了した。これをメタノールで希釈して樹脂固形分50質量%の水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂ワニスを調製した。このレゾール型フェノール樹脂は、重量平均分子量が約270であり、2量体が主成分となっている。
フェノール1mol、ホルムアルデヒド2mol、触媒としてトリエチルアミン0.1molを反応釜に投入し、74〜82℃で約3時間反応させた後、減圧濃縮を行ない、反応生成物のゲルタイムが所定の値となったところで反応を終了した。これをメタノールで希釈して樹脂固形分50質量%の水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂ワニスを調製した。このレゾール型フェノール樹脂は、重量平均分子量が約270であり、2量体が主成分となっている。
参考例1
上記不織布(1)に、上記レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥(150℃,15分間)して繊維表面にレゾール型フェノール樹脂の不完全硬化皮膜を形成した電気絶縁用不織布とした。硬化状態の判別として、上述したDMA法により、硬化が不完全であることを確認した。この不織布中のレゾール型フェノール樹脂含有量は、1質量%になるように調整した。
上記の電気絶縁用不織布にエポキシ樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥してエポキシ樹脂を半硬化状態とした樹脂含有量53質量%のプリプレグを得た。
尚、上記エポキシ樹脂ワニスは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製「Ep−828」)10質量部、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製「YDCN704」)40質量部、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA(ブロムケムファーイースト製「FR1524」)27質量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(ジャパンエポキシレジン製「YLH−129」)22質量部、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業製「MG−50」)0.2質量部を配合した樹脂固形分65質量%の組成とした。そのほか、公知のエポキシ樹脂配合組成を適用することもできる。
このようにして得たプリプレグを10枚重ね、2.9MPa、205℃で1.5時間加熱加圧成形して、1mm厚の積層板を得た。
また、前記プリプレグ10枚を重ねた両側に厚み18μmの銅箔を配置し、同様に加熱加圧成形して、1mm厚の銅張り積層板を得た。
上記不織布(1)に、上記レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥(150℃,15分間)して繊維表面にレゾール型フェノール樹脂の不完全硬化皮膜を形成した電気絶縁用不織布とした。硬化状態の判別として、上述したDMA法により、硬化が不完全であることを確認した。この不織布中のレゾール型フェノール樹脂含有量は、1質量%になるように調整した。
上記の電気絶縁用不織布にエポキシ樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥してエポキシ樹脂を半硬化状態とした樹脂含有量53質量%のプリプレグを得た。
尚、上記エポキシ樹脂ワニスは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製「Ep−828」)10質量部、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製「YDCN704」)40質量部、難燃剤としてテトラブロモビスフェノールA(ブロムケムファーイースト製「FR1524」)27質量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(ジャパンエポキシレジン製「YLH−129」)22質量部、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業製「MG−50」)0.2質量部を配合した樹脂固形分65質量%の組成とした。そのほか、公知のエポキシ樹脂配合組成を適用することもできる。
このようにして得たプリプレグを10枚重ね、2.9MPa、205℃で1.5時間加熱加圧成形して、1mm厚の積層板を得た。
また、前記プリプレグ10枚を重ねた両側に厚み18μmの銅箔を配置し、同様に加熱加圧成形して、1mm厚の銅張り積層板を得た。
実施例1
参考例1において、上記レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥(180℃,15分間)して繊維表面にレゾール型フェノール樹脂の完全硬化皮膜を形成した電気絶縁用不織布とした。硬化状態の判別として、上述したDMA法により、硬化が完全であることを確認した。この不織布中のレゾール型フェノール樹脂含有量は、1質量%になるように調整した。そのほかは参考例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
参考例1において、上記レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥(180℃,15分間)して繊維表面にレゾール型フェノール樹脂の完全硬化皮膜を形成した電気絶縁用不織布とした。硬化状態の判別として、上述したDMA法により、硬化が完全であることを確認した。この不織布中のレゾール型フェノール樹脂含有量は、1質量%になるように調整した。そのほかは参考例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
参考例2
参考例1において、レゾール型フェノール樹脂含有量を15質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは参考例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
参考例1において、レゾール型フェノール樹脂含有量を15質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは参考例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
実施例2
実施例1においてレゾール型フェノール樹脂含有量を15質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは実施例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
実施例1においてレゾール型フェノール樹脂含有量を15質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは実施例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
参考例3
参考例1において、レゾール型フェノール樹脂含有量を20質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは参考例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
参考例1において、レゾール型フェノール樹脂含有量を20質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは参考例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
実施例3
実施例1において、レゾール型フェノール樹脂含有量を20質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは実施例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
実施例1において、レゾール型フェノール樹脂含有量を20質量%になるように調整した電気絶縁用不織布を使用し、そのほかは実施例1と同様にして、積層板と銅張り積層板を得た。
従来例1
参考例1において、レゾール型フェノール樹脂による処理をしない不織布(1)を使用し、そのほかは参考例1と同様にして積層板と銅張り積層板を得た。
参考例1において、レゾール型フェノール樹脂による処理をしない不織布(1)を使用し、そのほかは参考例1と同様にして積層板と銅張り積層板を得た。
上記の各実施例、参考例、従来例において、積層板については吸湿性と厚さ方向の熱膨張係数を、銅張り積層板については耐熱性を、それぞれ評価した結果を表1に示す。
評価方法は、次のとおりである。
吸湿性試験:積層板試験片(1mm×50mm×50mm)を、加熱乾燥(105℃,1時間)した後、吸湿処理(湿度85%,85℃,200時間)する。そして、((吸湿処理後試験片質量−吸湿処理前試験片質量)/吸湿処理後試験片質量)×100を吸湿率(%)とした。
吸湿絶縁性試験:JIS−C−6468に準拠し、積層板試験片を吸湿処理(温度100℃、2時間)する。そして吸湿処理前後の絶縁抵抗を測定した。
耐熱性試験:銅張り積層板試験片(1mm×50mm×50mm)を、加熱乾燥(105℃,1時間)した後、吸湿処理(湿度85%,85℃,200時間)する。そして、吸湿処理後試験片を288℃の半田槽に浮かべて、銅箔表面に膨れが発生するまでの時間(秒)を耐熱時間として評価した。
熱膨張係数:銅張り積層板の銅箔を全面エッチングにより除去した後、試験片(1mm×9mm×3mm)を作成する。Dupont TMA 2940型(TAインスツルメンツ製)により、室温〜260℃の10℃/分昇温を2サイクル繰り返し、2サイクル目の30〜80℃の昇温に対する厚さ方向の熱膨張量を熱膨張係数とした。
評価方法は、次のとおりである。
吸湿性試験:積層板試験片(1mm×50mm×50mm)を、加熱乾燥(105℃,1時間)した後、吸湿処理(湿度85%,85℃,200時間)する。そして、((吸湿処理後試験片質量−吸湿処理前試験片質量)/吸湿処理後試験片質量)×100を吸湿率(%)とした。
吸湿絶縁性試験:JIS−C−6468に準拠し、積層板試験片を吸湿処理(温度100℃、2時間)する。そして吸湿処理前後の絶縁抵抗を測定した。
耐熱性試験:銅張り積層板試験片(1mm×50mm×50mm)を、加熱乾燥(105℃,1時間)した後、吸湿処理(湿度85%,85℃,200時間)する。そして、吸湿処理後試験片を288℃の半田槽に浮かべて、銅箔表面に膨れが発生するまでの時間(秒)を耐熱時間として評価した。
熱膨張係数:銅張り積層板の銅箔を全面エッチングにより除去した後、試験片(1mm×9mm×3mm)を作成する。Dupont TMA 2940型(TAインスツルメンツ製)により、室温〜260℃の10℃/分昇温を2サイクル繰り返し、2サイクル目の30〜80℃の昇温に対する厚さ方向の熱膨張量を熱膨張係数とした。
Claims (7)
- 全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布であって、全芳香族ポリエステル繊維表面がレゾール型フェノール樹脂の完全硬化物で被覆されていることを特徴とする電気絶縁用不織布。
- レゾール型フェノール樹脂が、水溶性低分子量レゾール型フェノール樹脂である請求項1記載の電気絶縁用不織布。
- レゾール型フェノール樹脂の硬化物で被覆された電気絶縁用不織布に占めるレゾール型フェノール樹脂硬化物の含有量が、1〜15質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気絶縁用不織布。
- 全芳香族ポリエステル繊維を主成分として含む不織布に、レゾール型フェノール樹脂ワニスを含浸し、当該レゾール型フェノール樹脂を完全に熱硬化させて、全芳香族ポリエステル繊維表面を被覆することを特徴とする電気絶縁用不織布の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電気絶縁用不織布に、半硬化状態の熱硬化性樹脂が保持されていることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項5記載のプリプレグの層を、加熱加圧成形した層を有することを特徴とする積層板。
- 請求項5記載のプリプレグの層を、加熱加圧成形した絶縁層を有することを特徴とするプリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004219515A JP2006037280A (ja) | 2004-07-28 | 2004-07-28 | 電気絶縁用不織布及びその製造法、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004219515A JP2006037280A (ja) | 2004-07-28 | 2004-07-28 | 電気絶縁用不織布及びその製造法、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 |
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2004
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WO2009062873A1 (en) * | 2007-11-13 | 2009-05-22 | Abb Research Ltd | Electrical insulation system |
WO2009062543A1 (en) * | 2007-11-13 | 2009-05-22 | Abb Research Ltd | Fiber-reinforced composite system as electrical insulation |
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