JP2006037215A - ホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板およびその製造方法並びにホーロー製品 - Google Patents

ホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板およびその製造方法並びにホーロー製品 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホーロー掛け前処理をせずともホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板を提供する。
【解決手段】 質量%で、C:0.070%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.010〜0.95%、P:0.20%以下、S:0.080%以下、Al:0.20%以下、N:0.070%以下、O:0.070%以下を含有し、さらにCu:0.051〜8.0%、Ni:0.051〜8.0%、Co:0.051〜8.0%、Mo:0.051〜8.0%の一種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼板の表面粗度がRaで0.20μm以上かつPPIで50以上とする。さらに鋼板の製造工程における主として熱延および焼鈍工程での熱履歴を制御することにより、鋼板表面にCu、Ni、Co、Moの濃化部を形成させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホーロー前処理が簡易にも関わらず、ホーロー性、特に良好なホーロー密着性を発揮するホーロー用鋼板とその製造方法に関する。
ホーロー用鋼板において、鋼中に含有されたCuはホーロー前処理における酸洗において酸洗残渣(スマット)として鋼板表面に濃化し、その後のNiフラッシュ時のNi付着形態に影響を及ぼすことが知られており、非特許文献1等にその効果が記述されている。このため通常のホーロー用鋼板には0.1%程度までのCuが添加されている。
このような作用を有するCuを積極的に利用するものとして、例えば特許文献1,2等には、0.5%程度までCu添加量を高めることでホーローの密着性を向上させたり、つまとび防止に活用する技術が開示されている。しかし、これらはTiやBを含む特殊な鋼で問題となる課題に対してはいくらかの効果を発揮するが、一般的なホーロー用鋼板に対して顕著な効果が確認されず実用化には至っていない。
さらに、Cu量を3%程度まで高めたホーロー用鋼板が特許文献3,4,5等に開示されている。これらの鋼板ではCuは鋼中にε−Cuとして存在し、鋼板の機械的特性において高強度化には寄与するものの一般的なホーロー用鋼板の用途においてホーロー密着性等の向上に対して有効な効果を有するものではなく、むしろホーロー特性を悪化させる懸念がある。
一方、鋼板ホーローにおいては金属である鋼板とガラスであるホーロー皮膜をより強固に接合するために鋼板とホーロー層の界面に存在するNiの有効性が知られており、一般的にはホーロー釉薬を鋼板に掛ける前にNiフラッシュと呼ばれるNi含有溶液中に鋼板を浸漬し鋼板表面にNiを析出させる手法がとられている。また、単に密着性を向上させるだけでなく、ホーロー前に行われる酸洗やNiフラッシュといった工程を省略するため鋼板の製造工程においてNiをめっきする方法も例えば特許文献7等に開示されている。
しかし、これらの技術は基本的に従来から用いられている一般的なホーロー用鋼板に単にめっきをおこなったものであり、密着性向上効果が小さいばかりではなく、ホーロー製品を製造する際に避けることができない鋼板の加工を行うと鋼材の変形や工具との接触により表面のめっきが少なからず損傷してしまい、加工部においては狙った効果がほとんど発揮されないため実用化には至っていない。
一方、Niの役割を究極まで最適化する方法として、本発明者は特許文献8で鋼板に含有させたNiを鋼板表面に濃化させる技術を開示した。この技術はNiの効果に着目すれば従来のNiめっき等と比較すると格段に優れたもので、Niフラッシュと同等以上の効果を有しかつNiフラッシュやNiめっき工程での廃液等による環境への悪影響も完全に排除できる技術である。特許文献7中で本発明者は鋼中のCuについても鋼板製造工程における鋼板表面への濃化について述べており、その後さらなる改良を加え、Niのみならず、Cu、Co、Mo濃化部の形態を積極的に制御する思想を取り入れた技術に関して特許出願している。
この表層濃化技術を適用することで従来行われていたホーロー掛け直前の酸洗やNi処理の簡省略が可能となり、またはNiやCoを含む高価な釉薬を使用せずとも従来以上の優れたホーロー特性を得ることが可能となった。しかし、特にホーロー密着性向上への要求はとどまるところがなく、将来的にはホーロー製品の製造メーカーすなわちホーロー用鋼板ユーザーでの処理を簡省略したままでさらに密着性が良好な鋼板の開発が要求されることは明らかである。
特開昭61−52349号公報 特開平01−25948号公報 特開平03−126814号公報 特開平07−242997号公報 特開平08−13081号公報 特公昭60−48594号公報 特願2003−17745号 金属表面技術 Vol.37、No.9、1986、P526-533
本発明は、成分および製造条件をトータルに最適化することで、鋼板時点でホーロー用鋼板の表面にCu、Ni、CoまたはMoを高濃度に存在させ、従来のホーロー用鋼板でホーロー密着性を向上させるために必要とされていた、ホーロー掛け直前の酸洗およびNi処理を簡省略した場合にもNi処理を行った鋼板と同等以上の密着性を付与するとともに、従来のNi処理工程を適用した場合に問題となる廃液処理の問題を、軽減または完全に回避することが可能となる。このように非常に良好なホーロー密着性を鋼板そのものに具備させることで、特に従来の鋼板表面を改質する方法でホーロー密着性が問題となっていた、ホーロー製品を製造する過程で厳しい加工を受けた部位においても、良好な密着性を確保することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成すべく種々実験し検討を重ねてきた。即ち、本発明は、質量%で、C:0.070%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.010〜0.95%、P:0.20%以下、S:0.080%以下、Al:0.20%以下、N:0.070%以下、O:0.070%以下を含有し、さらにCu:0.051〜8.0%、Ni:0.051〜8.0%、Co:0.051〜8.0%、Mo:0.051〜8.0%の少なくとも1種以上を含有する鋼材において主として熱処理で鋼板表面に生成する酸化スケールの制御とそれに続く酸洗により鋼板表面に形成するCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部の存在形態を鋼板表面の凹凸と同期させて制御することで、ホーロー密着性を格段に向上させるものである。
なお、本明細書中では「特定元素」とは「Cu、Ni、CoまたはMoの内の一種または二種以上の元素」を表すものとする。このように鋼中の特定元素を偏析させることで形成した鋼板表面での特定元素の濃化部と鋼板表面の凹凸を合わせて制御しておくことにより、鋼板の加工等により鋼板表面が少なからざる損傷を受けた場合にもホーロー密着性の劣化を最小限に抑えることを可能とするものである。本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.070%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.010〜0.95%、P:0.20%以下、S:0.080%以下、Al:0.20%以下、N:0.070%以下、O:0.070%以下を含有し、さらにCu:0.051〜8.0%、Ni:0.051〜8.0%、Co:0.051〜8.0%、Mo:0.051〜8.0%の少なくとも1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼板の表面粗度がRaで0.20μm以上、かつPPIで50以上であることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(2)(1)記載のホーロー用鋼板の鋼板表面にCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部が存在することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(3)(2)記載のホーロー用鋼板において、前記濃化部に、Cu、Ni、Co、Moの少なくとも1種の元素について濃度が質量%で鋼中平均含有量の2.5倍以上、鋼板厚さ方向の厚みが0.01μm以上、鋼板表面の被覆率が5%以上の条件のうち少なくとも一つを満足していることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(4)(2)または(3)記載のホーロー用鋼板において、前記濃化部に直径0.1μm以上の独立した濃化領域または独立した非濃化領域が数密度で0.001個/μm2以上有することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(5)(2)〜(4)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、前記鋼板の表面に存在するCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部が主として鋼板表面粗度における凸部に存在することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(6)(2)〜(5)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、前記鋼板の表面に存在するCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部において、Cu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上の濃度について鋼板表面粗度における凸部での濃度が凹部での濃度よりも高いことを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(7)(1)〜(6)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、質量%で、更に、Nb:0.80%以下、V:0.40%以下、Ti:0.049%以下、B:0.0099%以下、Cr:10.0%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(8)(1)〜(7)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、質量%で、更に、W、Sn,Sb,Mg,Ca,Ceの1種または2種以上を含み、かつそれらの合計が0.2%以下であることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
(9)(1)〜(8)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を製造するに際し、熱延スラブ加熱中のスケール生成厚さが2mm以上、熱延コイル巻取り中のスケール生成厚さが20μm以上、冷延後焼鈍中のスケール生成厚さが0.2μm以上、の条件のうち少なくとも一つを満足していることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板の製造方法。
(10)(1)〜(8)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を製造するに際し、熱延スラブ加熱における熱履歴において1100℃以上での保持時間が40分以上、熱延仕上げ圧延後冷延前のコイル熱履歴において650℃以上での保持時間が30分以上、冷間圧延後のコイルの熱履歴において露点−20℃以上かつ750℃以上での保持時間が20秒以上、の条件のうち少なくとも一つを満足していることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板の製造方法。
(11)(9)または(10)記載のホーロー用鋼板の製造方法において、焼鈍工程の後、更に酸洗を行うことを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板の製造方法。
(12)(1)〜(8)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を素材とし、ホーロー釉薬を掛ける前までのホーロー製品製造の全工程においてCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する雰囲気中での表面処理工程を経ることなく製造されることを特徴とするホーロー製品。
(13)(1)〜(8)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を素材とし、ホーロー釉薬を掛ける前までのホーロー製品製造の全工程において酸洗工程を経ることなく製造されることを特徴とするホーロー製品。
(14)(1)〜(8)のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を素材とし、NiまたはCoを5%以上含有する釉薬を用いることなく製造されることを特徴とするホーロー製品。
本発明によるホーロー用鋼板は、良好な加工性を有し、さらにホーロー用鋼板として必要な耐つまとび性、ホーロー密着性、表面特性のすべてを満たしている。特にホーロー密着性を高めるため通常のホーロー用鋼板で行われるNi処理や酸洗の簡省略が可能となるためコスト低減、生産性の向上が可能となると共に、Ni処理や酸洗に伴う廃液処理による環境汚染問題を軽減・解消できる。また、Ni、Co等を含有する高価な釉薬を使用せずとも良好な密着性が得られるため二回掛けホーローの簡素化・低コスト化が達成できる。
以下詳細に説明する。各成分元素の含有量は質量%である。
Cは従来から低いほど加工性、耐泡性が良好となることが知られているが、本願発明では、良好な耐時効性、加工性およびホーロー性を得るために0.070%以下にする必要がある。泡などのホーロー表面品位が厳しい用途では0.040%以下、さらに好ましくは0.020%以下にすれば泡などの発生が抑えられホーロー表面品位が向上する。さらに加工性が要求される用途では好ましい範囲は0.0040%以下であり、さらに好ましくは0.0020%以下、さらに好ましくは0.0015%以下である。下限は特に限定する必要がないが、C量を低めると製鋼コストを高めるので実用的な下限は0.0003%である。
Cuは本発明が鋼材表面を鋼板製造工程またはホーロー製品製造工程において適当に酸化させ酸化スケールを形成させることで鋼中に含有されたCuをスケールと鋼の界面に濃化させ、その後の酸洗等の脱スケール工程を経ても鋼表面にCu濃化部位を残存させることが主旨の一つであることから本発明においては重要な元素である。その含有量は通常のホーロー用鋼板でホーロー密着性向上のために含有される0.050%程度以下では本発明の効果はほとんど検知されないため、通常レベル以上に添加する必要がある。発明の効果を十分に得るには0.11%以上の添加が必要で、好ましくは0.31%以上、さらに好ましくは0.51%以上、1.01%以上添加すれば著しい効果が得られる。2.01%以上の添加では効果は飽和する傾向が見られる。過剰な添加は合金コストの点からも好ましくはないが、同時にホーローと鋼の反応の不均一が大きくなり黒点などのホーロー欠陥を生じやすくなるとともに加工性の面からの悪影響も見られるようになるため、上限を8.0%とする。好ましくは5.0%以下で、3.0%以下でも十分な効果を得ることができる。
本発明が目的とするCuによるホーロー密着性の向上効果は特に通常行われるホーロー掛け直前の酸洗およびNi処理を簡省略した場合に顕著になる。言い換えれば通常と同様にホーロー掛け直前の酸洗およびNi処理を行うのであればわざわざ本発明に従い高濃度のCuを含有させずとも必要なホーロー密着性を得ることができる。ただし、現状以上の格段に良好なホーロー密着性を得るために通常程度の前処理を行う場合に本発明鋼を適用することが可能であることは言うまでもない。また本発明鋼はホーロー前処理を簡略化しても良好なホーロー密着性を得るためにNiやCoを添加した高価な釉薬を使用している場合に、NiやCoの含有量の少ないまたはまったく含有しない安価な釉薬を適用して良好なホーロー密着性を得ようとする場合にも非常に有効である。このようなNi、Coを含む高価な釉薬は通常、二回掛けホーローの下釉薬として鋼板とホーローの密着性を確保するために用いられている場合が多い。
Cuは鋼板の製造工程において酸化スケールの形成に伴いスケールと鋼材の界面に濃化し、その後も鋼材表面に残存しホーロー密着性に影響を及ぼす。ただし、鋼板の表面疵を増大させホーローの泡欠陥、黒点を増大させる場合があるので注意が必要である。この原因は明確ではないが、高Cu鋼で本発明のようなスケール生成に伴う濃化現象を活用した場合、Cu濃化部が溶融し鋼材の粒界部と粒界でない部位での差が顕著になり過剰な濃淡が表面疵の原因となるまでに形成されるとともにCu濃化部位がスケールと鋼の界面の全面を覆うようになり、ホーローのぬれ性を低下させるためと思われる。ただし、0.5%程度以下の含有Cuでは上記のような悪影響もほとんど見られず、より高濃度の場合でも後述のように製造条件を制御することによる回避が可能である。
さらに後述のように多量のNi、CoまたはMoを含む場合には、本発明で活用するスケール界面へのCu濃化現象を適用した場合にも上記のCu異常濃化の場合の悪影響も見られ難くなくなると同時に、CuとNi、CoまたはMoの複合濃化形態となり好ましい影響を及ぼす。
CuとNi、CoまたはMoが共存することによる効果の原因は明確ではないが、以下のように考えられる。CuとNi、CoまたはMoが共存すると両元素が同様にスケールと鋼の界面に濃化し鋼表面が一種の元素で全面を覆われることなく適当な間隔で島状に被覆され、覆われる元素の種類と量に応じてホーロー焼成時の溶融ガラスと鋼との反応が異なることになり、微小な局部電池を形成してホーローと鋼板の界面に微細な凹凸を形成することで密着性を改善するものと思われる。
このように濃化元素の種類および量の変動に起因する濃化部位の局部的な不均一性は面内方向への不均一さによる上述のような溶融ガラスと鋼の反応の不均一を引き起こしガラス−鋼界面に微小な凹凸を形成するばかりでなく、深さ方向にも元素種および濃度の変動を引き起こしいわゆる傾斜材料的な機能を発揮することでガラスと鋼と言った全く異なる物質の接合を堅固にする作用を有するものと思われる。もちろんこのような元素種および量の不均一が形成されず全く均質な濃化部位を形成しているとしても本発明の効果は失われるものではない。
NiはCuと同様に鋼表面にNi濃化部位を残存させることでホーロー密着性の向上やホーロー前処理の簡省略が可能となることから本発明において添加することが可能である。その含有量は通常のホーロー用鋼板で不可避的に含有される可能性がある0.05%程度以下では有益な効果はほとんど検知されないため、積極的に添加する必要があることは特許文献8と同様である。有益な効果を得るには0.10%以上の添加が必要で、好ましくは0.30%以上、さらに好ましくは0.50%以上、1.0%以上添加すれば著しい効果が得られる。2.0%以上の添加では効果は飽和する傾向が見られる。過剰な添加は合金コストの点からも好ましくはないが、同時にホーローと鋼の反応の不均一が大きくなり黒点などのホーロー欠陥を生じやすくなるとともに加工性の面からの悪影響も見られるようになるため、上限を8.0%とする。好ましくは5.0%以下で、3.0%以下でも十分な効果を得ることができる。
CoはCu、Niと同様に鋼表面にCo濃化部位を残存させることでホーロー密着性の向上やホーロー前処理の簡省略が可能となることから本発明において添加することが可能である。その含有量は通常のホーロー用鋼板で不可避的に含有される可能性がある0.05%程度以下では有益な効果はほとんど検知されないため、積極的に添加する必要があることは特許文献8と同様である。有益な効果を得るには0.10%以上の添加が必要で、好ましくは0.30%以上、さらに好ましくは0.50%以上、1.0%以上添加すれば著しい効果が得られる。2.0%以上の添加では効果は飽和する傾向が見られる。過剰な添加は合金コストの点からも好ましくはないが、同時にホーローと鋼の反応の不均一が大きくなり黒点などのホーロー欠陥を生じやすくなるとともに加工性の面からの悪影響も見られるようになるため、上限を8.0%とする。好ましくは5.0%以下で、3.0%以下でも十分な効果を得ることができる。
MoはCu、NiおよびCoと同様に鋼表面にMo濃化部位を残存させることでホーロー密着性の向上やホーロー前処理の簡省略が可能となることから本発明において添加することが可能である。その含有量は通常のホーロー用鋼板で不可避的に含有される可能性がある0.05%程度以下では有益な効果はほとんど検知されないため、積極的に添加する必要があることは特許文献8と同様である。有益な効果を得るには0.10%以上の添加が必要で、好ましくは0.30%以上、さらに好ましくは0.50%以上、1.0%以上添加すれば著しい効果が得られる。2.0%以上の添加では効果は飽和する傾向が見られる。過剰な添加は合金コストの点からも好ましくはないが、同時にホーローと鋼の反応の不均一が大きくなり黒点などのホーロー欠陥を生じやすくなるとともに加工性の面からの悪影響も見られるようになるため、上限を8.0%とする。好ましくは5.0%以下で、3.0%以下でも十分な効果を得ることができる。
なお、Cu、Ni、Co、Moの複合添加の効果はCuについて説明した部分で記述したように好ましい効果を有するものであり、何ら本発明の効果を損なうものではない。本発明においてはCu、Ni、Co、Moの少なくとも一種以上を規定量含有するものとする。ただし、ガラスと鋼の接合に関する機能を考えると、CuとMoは似た効果を有し、NiとCoは似た効果を有する傾向がある。これは一般的な知見から類推すると、Cu、Moは主としてガラス−鋼界面の鋼側に存在することで密着性向上に寄与する傾向があり、NiとCoは主としてガラス−鋼界面のガラス側に存在することで密着性向上に寄与する傾向があることである。このことは二種の元素を含有させる場合、CuまたはMoの一種とNiまたはCoの一種を選択して含有させることが効果の点から有利となることを意味するが、本発明においてこれらの組合わせおよび各元素の存在形態の詳細な差異により発明の効果が失われるものではない。これらの元素に関する詳細なメカニズムは一般のホーロー用鋼板においても明確になっておらず、今後の解明が待たれる。
Siはホーロー性を阻害するので、あえて添加する必要はなく少ないほど好ましいが、高強度化を補う意味で上限を0.5%として添加することは可能である。通常程度以上のホーロー性を確実に確保するには0.050%以下、さらに好ましくは0.010%以下である。
Mnは酸素、S量と関連してホーロー性に影響する成分である。同時に熱間圧延時にSに起因する熱間脆性を防止する元素で、酸素を多く含む本発明では0.01%以上とする。一方、Mn量が高くなるとホーロー密着性が悪くなり、泡や黒点が発生しやすくなるため上限を0.95%とする。好ましくは0.6%以下、さらに好ましくは0.39%以下である。
Pは含有量を高めることで高強度化を達成できるが、ホーロー時の泡、黒点などの欠陥を抑制するために低い方が好ましい。含有量が0.20%を超えると材料を顕著に脆化させ製造が困難となる。好ましくは0.05%以下、良好なホーロー性を確保するには、0.019%以下、さらに好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.009%以下にすることが好ましい。
Sはホーロー前処理の酸洗時にスマット量を増やし、泡・黒点を発生しやすくするので、0.080%以下、好ましくは0.030%以下とする。しかし過度に低くなるとスマット量が少なくなりすぎホーロー密着性が劣化する場合があるので、好ましくは0.011%以上、さらに好ましくは0.015%以上、さらに好ましい範囲として0.020%以上とする。
Alはあまり多く含有させると耐つまとびに非常に好ましい効果を有する鋼中Oを好ましい範囲内に制御することができなくなる。また、Al窒化物がホーロー焼成中の水分と反応してガスを発生し泡欠陥の原因となりやすいため好ましくない。このため含有量を0.20%以下、さらに好ましくは0.10%以下、さらに好ましくは0.02%以下、さらに好ましくは0.0099%以下、さらに好ましくは0.0049%以下、さらに好ましくは0.0039%以下に限定する。下限は特に限定されず0でも構わないが、通常の製法であれば0.0002%以上は含有され、特にコストをかけないのであれば0.0009%以上は不可避的に含有される。
Oはつまとび性の向上に非常に好ましいと同時に、Mn量と関連してホーロー密着性、耐泡・黒点性に影響する。これらの効果を発揮するには0.002%、好ましくは0.005%は必要である。一方、O量が過度に高くなると製鋼時の生産性を低下させるとともに鋼板の加工性を悪くするので、上限を0.070%、さらに好ましくは0.055%に特定する。好ましい範囲は0.010〜0.044%、さらに好ましい範囲は0.021〜0.034%である。つまとび性が特に問題とならない場合や他の炭化物、窒化物、硫化物またはこれらの複合析出物で酸化物と同様の効果を発揮させる場合にはOは0.002%以下でも構わない。
Nは加工性、時効性、耐泡・黒点性の観点からは少ないほど好ましいが、適当な窒化物形成元素の添加によりその害を低減することが可能である。0.0700%以上では窒化物を形成させたとしても良好な特性を得ることができなくなるためこれを上限とする。通常の設備で溶鋼を製造し、凝固させて鋼片を得る場合は0.0200%以下が鋼片の品質および操業性からは好ましい。さらに好ましくは0.0049%以下、さらに好ましくは0.0039%以下、さらに好ましくは0.0034%以下である。一方過度に低くすることはコストが上昇するばかりで効果が小さいので好ましくは0.0006%以上、さらに好ましくは0.0011%以上、さらに好ましくは0.0016%以上とする。
酸化物形成元素であり酸化物形態制御の観点からホーロー性に大きな影響を与え、また炭窒化物形成元素で時効性および加工性の向上が期待できる元素としてNb、Ti、Cr、Bがある。これらの元素は本発明の特徴であるCuの表面濃化になんら影響を及ぼすものでなく、全く含有していなくともよく、鉱石やスクラップ等から不可避的に含有される量程度でも構わない。
これらの元素は時効性や加工性等の向上のため添加されるが、いずれも過度な添加はホーロー性を劣化させることから、Nb:0.80%以下、好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.08%以下、V:0.40%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.05%以下、Ti:0.49%以下、好ましくは0.19%以下、さらに好ましくは0.049%以下、さらに好ましくは0.019%以下、さらに好ましくは0.009%以下、さらに好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.003%以下、B:0.0099%以下、好ましくは0.0049%以下、さらに好ましくは0.0029%以下、さらに好ましくは0.0014%以下、さらに好ましくは0.0010%以下、さらに好ましくは0.0006%以下とする。
特にTiについては、含有量が高いと耐つまとび性に非常に好ましい効果を有する鋼中のOを好ましい範囲に維持することが困難になるため、0.049%以下の低い範囲にとどめることが好ましい。Crについては酸化スケールを活用する本発明においては酸化を顕著に抑制し本発明の効果を現れにくくするばかりでなく、酸化スケールの脱スケール性を低下させ泡、黒点などのホーロー欠陥の発生が顕著になることもあるため過度の添加は避ける必要がある。上限は10.0%、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、さらには1%以下、通常、スクラップ混入等で不可避的に含まれる0.1%以下程度であれば本発明効果への悪影響はまったく見られない。
また、鉱石やスクラップなどから不可避的に含まれる程度の量に加え様々な目的で微量元素を添加しても本発明の効果は何ら損なわれるものではない。この場合もコストやホーロー性の兼ね合いからW,Sn,Sb,Mg,Ca,Ceの合計で0.2%以下とする。
前記成分を含む鋼は、通常のホーロー用鋼板と同様に転炉で溶製され、連続鋳造でスラブとされ、ついで熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍などの工程で製造される。これらの工程の中で脱炭工程などを経ることも本発明の効果を何ら損なうものではない。また通常の工程ではなく熱延工程を省略する薄スラブCCなどの工程によって製造しても問題ない。
本発明で特徴とする特定元素の濃化部位の鋼板表面への形成は以下のような熱履歴を経ることで可能となる。ただし、本発明で制御すべきは基本的に熱処理時に生成するスケールと地鉄の界面に形成される特定元素の濃化であり、熱履歴が同じでも鋼成分や雰囲気等によりスケール生成状況が異なれば当然、特定元素の濃化に差を生ずる。基本的には高温、長時間であればスケール生成量が多く特定元素の濃化も顕著になるが、様々な因子により低温、短時間でも特定元素の濃化が十分に起きる場合があるので、熱履歴はあくまでも目安に過ぎないことに注意すべきである。
以上の前提で制御すべきは製品板を製造する過程において、熱延スラブ加熱における熱履歴において1100℃以上での保持時間が40分以上、熱延仕上げ圧延後冷延前のコイル熱履歴において650℃以上での保持時間が30分以上、冷間圧延後のコイルの熱履歴において露点−20℃以上かつ750℃以上での保持時間が20秒以上、の条件のうち少なくとも一つを満足することである。基本的には高温、長時間、高露点で多くのスケールを形成することで濃化が実現するが、あまりに高温、長時間、高露点であると濃化が異常となりホーロー性に悪影響を及ぼす場合があるので注意が必要である。
また特に露点が低い場合は新たなスケール生成が起きないため、それ以前に表面濃化が存在していたとしても濃化元素は鋼板内部へ一方的に拡散し、表面濃化の効果が消失することもある。最適な制御には鋼成分等の考慮が重要となり、必要とする特性も用途やユーザーにより様々であるため一概には決定できないが、通常の技術を有する当業者であれば適度な回数の試行の後、適当な製造範囲内に制御することは容易な程度のものである。
また、ホーロー用冷延鋼板においては通常、この工程が最終的な熱処理となるが、この工程で高露点かつ高温で長時間保持した場合、特定元素の表面濃化には好都合ではあるもののスケール厚さが厚くなりすぎて製品としての使用時に外観上の問題を生ずる場合がある。ホーロー掛け直前に加工部材を酸洗する場合はこの問題はほぼ解消されるが、加工部材で酸洗が行われない場合、熱処理後の鋼板を軽く酸洗することが可能である。この酸洗により最終熱処理で形成されたスケールを除去するのみならず、特定元素の表面濃化をより強調し、ホーロー密着性を向上させる効果もある。
これらの工程を経て鋼材表面の特定元素の濃化部位が形成されるが、その濃化状況を規定する一つの指標として、酸化時のスケール厚さを用いることは本発明の効果を制御するのに有効な手段の一つである。ただし、上述の熱履歴と同様であるが、本発明で制御すべきは基本的にスケールと地鉄の界面に形成される特定元素の濃化であり、スケール厚さが同じでも鋼成分や温度や時間等のスケール生成条件が異なれば当然、特定元素濃化に差を生ずる。
基本的にはスケール生成量が多ければ特定元素の濃化も顕著になるが、様々な因子によりスケール生成量が少なくても特定元素の濃化が十分に起きる場合があるので、スケール厚さはあくまでも目安に過ぎないことに注意すべきである。熱延スラブ加熱中のスケール生成厚さが2mm以上、熱延コイル巻取り中のスケール生成厚さが20μm以上、冷延後焼鈍中のスケール生成厚さが1.0μm以上、の条件のうち少なくとも一つを満足した酸化が行われることで特定元素の鋼材表面での濃化状態が好ましく制御される。これらの条件のうち2つを同時に満足することで発明の効果がさらに顕著になり、さらに好ましくはすべての条件を満足する場合であることは言うまでも無い。
このようにして鋼板表面に形成される組成変動で重要なのは主として特定元素の濃化である。特定元素の濃化部は一般的には鋼中の特定元素の平均含有量より濃度が高い部分を言うべきであるが、本発明ではホーロー密着性に及ぼす効果や測定ばらつき等を考慮し、特定元素の濃度が鋼中の平均含有量の2.5倍以上となっている部位を特定元素の濃化部と定義する。
この濃化は電子顕微鏡、X線分析、電子線分析、イオン分析等の最新の解析機器で十分に観測が可能なものである。もちろん化学分析などこれ以外の方法によっても同定が可能なものである。
測定データを検討する際には、測定領域の面積のみならず表面から分析する場合には測定領域の深さも考慮して特定元素の濃度を決定する必要があるのは言うまでも無い。特に注意を有するのは例えば表面に特定元素100%の皮膜が形成されていてもそれが非常に薄い場合、表面から電子線やX線を用いた解析機器で成分分析を行うと皮膜を透過し母材部も含めた領域の成分が検出されるため特定元素の含有量としては低い定量値が得られるような場合である。
本発明では空間的に十分に微小な領域に限定した解析が必要である。もちろん、上の事例のように特定元素が濃化していない領域まで含めた広い領域を平均した定量値においてさえも本発明で規定する定量値、例えば特定元素の濃度が鋼中平均含有量の2.5倍以上、を満足する場合はそのデータを採用することは問題とはならない。
また濃化の程度によっては例えば冷延前に濃化部位が確認できた場合でも、冷延率等によっては鋼材とともに濃化部位が非常に薄く延伸してしまい、通常の解析機器では検知が困難になる場合も想定される。このため、本発明においてはホーロー釉薬を掛ける直前の鋼板ばかりではなく、鋼板製造の全工程にわたり、酸洗前後の熱延鋼板や熱延スラブ加熱中のスラブ等、半製品における特定元素の濃化部位についても規制が及ぶものとする。本発明ではこの特定元素の濃化部について、成分が質量%で鋼中平均含有量の2.5倍以上、鋼板厚さ方向の厚みが0.01μm以上、鋼板表面の被覆率が5%以上の条件のうち少なくとも一つを満足するものとする。これらの条件のうち2つを同時に満足することで発明の効果がさらに顕著になり、さらに好ましくはすべての条件を満足する場合であることは言うまでも無い。
被覆率については十分に微小な面積の特定元素の濃度の定量を行い、1000点以上の測定データについて本発明の規定を満足する特定元素の濃化部の面積比率で定義する。特に通常のホーロー用冷延鋼板またはホーロー用熱延鋼板では酸洗後の状態でこの濃化部位の検出をすることは本発明の効果を規定するのに都合がよい。特定元素の濃化部のより好ましい形態については、成分が質量%で鋼中平均含有量の3倍以上、さらに好ましくは4倍以上、鋼板厚さ方向の厚みが0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、鋼板表面の被覆率が20%以上、さらに好ましくは40%以上である。このうち、特に成分については特定元素100%でもかまわないし、通常、特定元素以外には主としてFeが強く検出されるが、さらに特定元素の他、Si、P、Al、Mnなど鋼中元素を含有することは本発明の効果を何ら損ねるものではない。また、厚さについては上述のように鋼板製造工程によっては非常に薄くなり、検出が困難な場合も想定されるが、0でなければ原理上、本発明の効果を得ることができる。また、表面被覆率には適当な領域が存在し、高すぎてもホーロー釉薬の濡れ性が低下し密着性を阻害する場合がある。被覆率の上限は95%、好ましくは80%以下である。
以下に本発明の最大の特徴である表面粗度との関連について説明する。本発明の特徴は上述の濃化部の存在形態を鋼板表面の粗度と関連して制御することに大きな特徴があり、基本的には鋼板表面の凹凸の凸部に濃化部が形成されるように制御する。
これは十分に多い数の特定元素の濃化部についてその存在位置が鋼板母材の凸部であるか、凹部であるかを調べ、凸部に存在する濃化部の数の割合で示される。好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。凸部と特定元素の濃化部の対応はまず、スラブ加熱中で起きる。これは特定元素がスケールの下に形成されるとその部分の酸化が抑制されスケールを剥離した後に凸部となるものである。
熱延鋼板では酸洗の時点で特定元素の濃化は通常の酸洗を行えば濃化部が溶解されず残存することで凸部が形成され、さらに酸洗により生成されこれらの元素を高濃度で含有するスマットが凸部に付着しやすいことも寄与し、凸部と特定元素の濃化部の対応は非常に良好である。また、冷延鋼板においても熱延板の酸洗時に形成された凸部に存在する濃化部は冷延、焼鈍後もやはり凸部となる傾向が見られる。この原因は明確ではないが、特定元素の濃化部は母材の鋼板地鉄より硬質となっているため、冷延後も凸部を形成しやすいためと思われる。ただし、熱延板の酸洗後と比較すれば凸部と特定元素の濃化部の対応は不明瞭になりやすい。
これを改善する一つの効果的な方法が冷延後の鋼板を酸洗することである。この酸洗は冷延工程後であれば、焼鈍の前でも後でも構わないが、酸洗後にスキンパスを行うと濃化部と同期した凹凸が消失しやすいため、スキンパス後に酸洗を行うか、酸洗後にスキンパスを行う場合はスキンパス冷延率を5%以下とすることが好ましい。好ましくは2%以下である。なお、言うまでもないことではあるが、本発明で制御しようとする鋼板表面の凹凸は特定元素濃化部と同期している必要があり、例えばスキンパス圧延のロール粗度の転写のみによって得られる通常の鋼板粗度では目的を達し得ない。
このように鋼板表面に形成される粗度を本発明ではRaで0.20μm以上かつPPIで50以上とする。ここでPPIはカットオフ値を50μmとした値を用いる。Raは好ましくは0.30μm以上、さらに好ましくは0.50μm以上、さらに好ましくは0.80μm以上、さらに好ましくは1.5μm以上であるが、あまりにRaが大きいとホーロー掛け時の泡が発生しやすくなるため5μm以下とすべきである。
またPPIは好ましくは70以上、さらに好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上、さらに好ましくは200以上、さらに好ましくは250以上、さらに好ましくは300以上である。このRaおよびPPIは酸洗の条件(酸種類、濃度、温度、時間)等に加え、スキンパス条件等も考慮して制御が可能である。ただし鋼成分やそれまでの製造履歴に大きく依存するため一概に条件を限定することは不可能であるが、通常の技術を有する当業者であれば適当な回数の試行の後に、用途やホーロー特性へのユーザーの要求も考慮した適当な範囲に制御することはそれほど困難なものではない程度のものである。
このように形成される特定元素の濃化は大きな面を全面的に覆うよりも局在化して濃淡が微細に分散したほうが好ましい。つまり、鋼板の表面に存在する特定元素の濃化部の形態としては粗大なものがまばらに分散するよりもある程度微細なものが均一に分散することが好ましい。ただしあまりに微細なものは計測が困難となりまた大きな測定誤差を生ずる原因ともなるため、直径0.10μm以上のものを対象とする。ホーローの密着にとって好ましい濃化部の直径は0.2〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは1.5〜10μmである。
本発明では鋼板表面に関して独立した濃化領域または独立した非濃化領域に関し、鋼板の表面での数密度を限定する。本発明では濃化領域および非濃化領域の内、数密度が高い方の数値で請求範囲を限定するものとする。この数値が高いほど鋼板表面の不均一性が微細に分散していることを示すものと考える。本発明ではこの数密度を0.001個/μm2以上とする。好ましくは0.003個/μm2以上、さらに好ましくは0.010個/μm2以上、さらに好ましくは0.030個/μm2以上、、さらに好ましくは0.10個/μm2以上さらに好ましくは0.30個/μm2以上、さらに好ましくは1.0個/μm2以上、さらに好ましくは3.0個/μm2以上である。
上述の本発明での面積率および数密度は模式的には図1および図2のように表すことができる。
本発明鋼板を用いることによりホーローの前処理工程の省略および良好な密着性が得られるばかりでなく、現状でNiやCoを含有する高価な釉薬を用いている場合、これをNiやCoの含有量を低減させた安価な釉薬に変更しても同等の密着性を確保できる。本発明鋼ではホーローの密着性以外の何らかの必要性がない限り、NiやCoを含まない釉薬を使用するものとし、釉薬中のNiまたはCo含有量を5%以下、好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下で、全く含有しなくとも非常に良好な密着性を得ることが可能である。
なお、本発明においては特にCu含有量が1.5%程度以上に高い場合、Cu含有量や熱履歴によっては鋼中Cuの少なからぬ量がε−Cuと呼ばれる金属Cu相として鋼中に析出する場合がある。これがあまりに粗大になると加工性を劣化させる場合があるので注意が必要である。また、従来技術に開示されているようにこれを鋼中に微細に析出させ高強度化を図ることは本発明の効果を何ら損なうものではない。
用途は特に限定されるものではなく、台所用品または衛生用品等通常のホーロー用途の他、建材、化学工業製品などホーロー製品が使用される全ての用途に適用される。
また、本発明の対象となる鋼板は板厚や熱延鋼板、冷延鋼板の種類など本発明で規定していない製造法に関わらずその効果を得ることができ、また何らかの目的で必要な表面処理等を行うことも可能である。
また本発明の適用は、本発明で記述されていないホーロー用鋼板に具備させることが好ましい特性、例えば加工性等にはなんら悪影響を及ぼすものではない。
表1に示した種々の化学組成からなる連続鋳造スラブを表2に示す条件で熱間圧延、冷間圧延、焼鈍を行い、圧下率1%の調質圧延を施し板厚1.2mmのホーロー用鋼板を得た。得られた鋼板を表3に示す工程でホーロー処理し、ホーロー処理後のホーロー性を評価した。一部の材料については表3の内の酸洗およびNi処理を省略してホーロー性を評価した。Ni処理を省略した場合は中和処理も省略した。ホーロー前処理の省略有無については表4中に記す。また釉薬はすべて同一のものでNi,Coを含有しない、通常一回掛けホーローで用いられるものを使用した。
ホーロー密着性は通常行われているP.E.I.密着試験方法(ASTM C313−59)では密着性に差が出にくいため、2kgの球頭の重りを1.5m高さから落下させ、変形部のホーロー剥離状態を169本の触診針で計測し、未剥離部分の面積率で評価した。この剥離条件は比較的厳しいものであり、通常の材料であれば50%程度、密着性が良好な材料でも70%程度の面積率になる程度の条件である。なお、通常ホーロー特性として評価する黒点、つまとびについては全ての材料で特に問題となるものはなかった。
各種特性を表4に示す。この結果から明らかなように、本発明によりホーロー密着性が格段に向上し、かつホーロー性も良好な優れたホーロー用鋼板を得ることができる。また、比較鋼においても通常の前処理である酸洗およびNi処理を行ったもの(表中の条件J)における密着性は60〜80%であり、Cuが0.1%程度以下である一般ホーロー材が本実施例の剥離条件では上述のように50〜70%であることを考えると特定元素を添加するだけでも何がしかの効果は現れる可能性を示していると思われる。
また密着性は通常の前処理である酸洗およびNi処理を行ったもの(表中の条件J)よりも前処理を簡省略した場合(表中の条件K、L)に向上効果が顕著になることがわかる。
Figure 2006037215
Figure 2006037215
Figure 2006037215
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濃化領域の面積率および数密度の算定方法を示す図である。 非濃化領域の面積率および数密度の算定方法を示す図である。

Claims (14)

  1. 質量%で、C:0.070%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.010〜0.95%、P:0.20%以下、S:0.080%以下、Al:0.20%以下、N:0.070%以下、O:0.070%以下を含有し、さらにCu:0.051〜8.0%、Ni:0.051〜8.0%、Co:0.051〜8.0%、Mo:0.051〜8.0%の少なくとも1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、鋼板の表面粗度がRaで0.20μm以上、かつPPIで50以上であることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  2. 請求項1記載のホーロー用鋼板の鋼板表面にCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部が存在することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  3. 請求項2記載のホーロー用鋼板において、前記濃化部に、Cu、Ni、Co、Moの少なくとも1種の元素について濃度が質量%で鋼中平均含有量の2.5倍以上、鋼板厚さ方向の厚みが0.01μm以上、鋼板表面の被覆率が5%以上の条件のうち少なくとも一つを満足していることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  4. 請求項2または3記載のホーロー用鋼板において、前記濃化部に直径0.1μm以上の独立した濃化領域または独立した非濃化領域が数密度で0.001個/μm2以上有することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  5. 請求項2〜4のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、前記鋼板の表面に存在するCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部が主として鋼板表面粗度における凸部に存在することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  6. 請求項2〜5のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、前記鋼板の表面に存在するCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する濃化部において、Cu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上の濃度について鋼板表面粗度における凸部での濃度が凹部での濃度よりも高いことを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  7. 請求項1〜6のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、質量%で、更に、Nb:0.80%以下、V:0.40%以下、Ti:0.049%以下、B:0.0099%以下、Cr:10.0%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  8. 請求項1〜7のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板において、質量%で、更に、W、Sn,Sb,Mg,Ca,Ceの1種または2種以上を含み、かつそれらの合計が0.2%以下であることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板。
  9. 請求項1〜8のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を製造するに際し、熱延スラブ加熱中のスケール生成厚さが2mm以上、熱延コイル巻取り中のスケール生成厚さが20μm以上、冷延後焼鈍中のスケール生成厚さが0.2μm以上、の条件のうち少なくとも一つを満足していることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を製造するに際し、熱延スラブ加熱における熱履歴において1100℃以上での保持時間が40分以上、熱延仕上げ圧延後冷延前のコイル熱履歴において650℃以上での保持時間が30分以上、冷間圧延後のコイルの熱履歴において露点−20℃以上かつ750℃以上での保持時間が20秒以上、の条件のうち少なくとも一つを満足していることを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板の製造方法。
  11. 請求項9または10記載のホーロー用鋼板の製造方法において、焼鈍工程の後、更に酸洗を行うことを特徴とするホーロー密着性が良好なホーロー用鋼板の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を素材とし、ホーロー釉薬を掛ける前までのホーロー製品製造の全工程においてCu、Ni、Co、Moの少なくとも1種以上を含有する雰囲気中での表面処理工程を経ることなく製造されることを特徴とするホーロー製品。
  13. 請求項1〜8のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を素材とし、ホーロー釉薬を掛ける前までのホーロー製品製造の全工程において酸洗工程を経ることなく製造されることを特徴とするホーロー製品。
  14. 請求項1〜8のいずれかの項に記載のホーロー用鋼板を素材とし、NiまたはCoを5%以上含有する釉薬を用いることなく製造されることを特徴とするホーロー製品。
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