JP2006036154A - 給電装置 - Google Patents

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章 椿
Tatsuro Matsuo
達朗 松尾
Takahiro Iwasaki
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Abstract

【課題】ケースをコンパクト化させつつ、ワイヤハーネスとケースとの摩擦に起因する耐久性の低下や操作力の増加を防止する。
【解決手段】ワイヤハーネス2を収容するケース3と、ケースのレール部4に沿って進退自在なスライダ5’とを備える給電装置1’で、ケースのレール部とは反対側の一方の壁部6からスライダ5’にかけてワイヤハーネスを略U字状に屈曲して配索し、一方の壁部6はワイヤハーネスの屈曲部2a側において収容空間を漸次拡大させる傾斜部6aを有し、レール部に沿ってハーネス挿通用の開口7を設け、開口に対向して他方の壁部8を設け、開口と他方の壁部との間にハーネス配索用の空間15を形成した。スライダ5’はワイヤハーネス2と一体的に他方の壁部8に向けて回動する回動部23を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ワイヤハーネスをケース内で略U字状に屈曲して収容させ、スライダの移動に伴って伸縮自在とした給電装置に関するものである。
図7は従来の給電装置の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この給電装置41は、自動車のスライドドア42に搭載され、横長のケース44の内部にフラットワイヤハーネス45を略U字状に屈曲させて収容し、ケース44にスライダ46をスライド自在に設け、ワイヤハーネス45の一端をスライダ46に固定し、ワイヤハーネス45の他端をケース44に固定したものである。
スライダ46は可撓性のアーム47で車両ボディ43に連結され、ワイヤハーネス45の一端からアーム47に沿って車両ボディ側のワイヤハーネス48が配線されて電源等に続いている。ワイヤハーネス45の他端はスライドドア側のパワーウィンドモータやドアロックユニットやスイッチユニットやスピーカ等の補機(図示せず)に続くドア側ワイヤハーネス(図示せず)に接続されている。
フラットワイヤハーネス45には弛みを防止するために可撓性の補強板を付設させている。ケース44には底壁が設けられ、ワイヤハーネス45はケース44の上壁49と平行な底壁とに沿って略U字状に屈曲している。
図7のドア半開状態からスライドドア42を矢印Aの如く前方へ閉めると、スライダ46はケース44の後方へ相対的に移動し、ワイヤハーネス45は上下ほぼ同じ長さでU字状に屈曲する。また、図7のドア半開状態からスライドドア42を矢印Bの如く後方へ開けると、スライダ46はケース44の前方へ相対的に移動し、ワイヤハーネス45は上側部分45aよりも下側部分45bが短くなって、略J字状に屈曲する。これらによってワイヤハーネス45の弛みが吸収され、スライドドア内の各補機に確実に常時給電が行われる。
特開平11−342807号公報(第4頁、図1〜図2)
しかしながら、上記従来の給電装置41にあっては、ワイヤハーネス45としてフラットワイヤハーネスを用いているために、ケース内でのワイヤハーネス45の弛みを抑える可撓性の補強板を必要とし、補強板の取付コストや部品コストがかかるという問題があった。
そこで、本出願人はフラットワイヤハーネスに代えて断面略円形ないし長円形の通常のワイヤハーネスを用いて、図8に示す給電装置を考案した。
この給電装置51は、合成樹脂製のケース52と、ケース52の底壁53に沿ってスライド自在なスライダ54とを備え、ワイヤハーネス55はケース内で略U字状ないしJ字状に屈曲して収容され、ワイヤハーネス55の一端がスライダ54に固定され、ワイヤハーネス55の他端がケース52の上壁56側に固定されたものである。ケース52は横長の略長方形に形成され、上下に平行な壁部56,53を有する。
この給電装置51を自動車のスライドドアに適用した場合、スライドドアを開けると、鎖線の如くスライダ54がケース52の前方に相対的に移動しつつ、ワイヤハーネス55の下側部分55bがケース52の底壁53に沿って前方へ摺動し、スライドドアを閉じると、実線の如くスライダ54がケース52の後方に相対的に移動しつつ、ワイヤハーネス55の下側部分55bがケース52の底壁53に沿って後方へ摺動する。ケース52はスライドドアと一体に前後に移動し、スライダ54はさほど動かず、車両ボディ側との接続用のハーネス部分57と共にほぼ定位置にある。
この給電装置51は自動車のスライドドア以外にもスライドシートや回動式のバックドアやトランク、自動車以外の機械等のスライドドア等にも適用可能なものである。これらスライドドアやスライドシートやトランク等は移動構造体と呼称される。
しかしながら、上記給電装置にあっては、ワイヤハーネス55が断面円形ないし長円形で剛性(曲げにくさ)を有しているから、ワイヤハーネス55の上側部分(往部)55aと折り返された下側部分(復部)55bとがケース52の上下の各壁部56,53に強く押接し、移動構造体の往復移動に際してワイヤハーネス55とケース52との間に強い摩擦力を生じて、ワイヤハーネス55やケース52が摩耗し、耐久性が低下したり、異音を生じたり、スライダ54の移動に大きな力を必要として、移動構造体の操作力が増大するといった問題を生じた。
これを解消するためにケース52の高さ(縦幅)を大きくして、ワイヤハーネス55の屈曲半径を大きくした場合には、給電装置51が肥大化して、例えば移動構造体内の他の構成部品のレイアウトに悪影響を及ぼすといった問題を生じた。
本発明は、上記した点に鑑み、通常のワイヤハーネスを用いて、ケースを肥大化させることなく、ワイヤハーネスとケースとの摩擦に起因する耐久性の低下や操作力の増加を防止することのできる給電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る給電装置は、ワイヤハーネスを収容するケースと、該ケースのレール部に沿って進退自在なスライダとを備え、該ケースの該レール部とは反対側の一方の壁部から該スライダにかけて該ワイヤハーネスが略U字状に屈曲して配索され、該一方の壁部が該ワイヤハーネスの屈曲部側において収容空間を漸次拡大させる傾斜部を有し、該レール部に沿ってハーネス挿通用の開口が設けられ、該開口に対向して他方の壁部が設けられ、該開口と該他方の壁部との間にハーネス配索用の空間が形成されたことを特徴とする。
上記構成により、スライダがレール部に沿ってケースの傾斜部側に移動した際に、ワイヤハーネスの長い往部が一方の壁部の傾斜部に接しつつ無理のない自然な屈曲半径で屈曲し、ワイヤハーネスの短い復部すなわち折り返された部分は開口内に進入することなくスライダに続く。この状態からスライダがレール部に沿って逆向きに移動した際に、ワイヤハーネスの復部が伸長されてレール部に沿う開口を経て他方の壁部側に突出し、開口と他方の壁部との間の空間内で他方の壁部に沿って位置しつつ、基端側で開口から一方の壁部側へ突出してスライダに続く。このように、スライダの移動方向に応じてケースの傾斜部と、開口と他方の壁部との間の空間とが、ワイヤハーネスの屈曲部の屈曲半径を大きくするように作用する。これにより屈曲部の曲げ応力が緩和され、ワイヤハーネスの往部と復部とがケースの一方及び他方の壁部に押接する力すなわち摩擦力が低減されると共に、ケースの一方と他方の壁部との間のコンパクト化が可能となる。
請求項2に係る給電装置は、請求項1記載の給電装置において、前記スライダが前記ワイヤハーネスと一体的に前記他方の壁部に向けて回動する回動部を有することを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスの復部が伸長されてレール部に沿う開口を経て他方の壁部側に突出し、開口と他方の壁部との間の空間内で他方の壁部に沿って位置しつつ、スライダの回動部がワイヤハーネスと共に他方の壁部に向けて回動するから、スライダに続くワイヤハーネスの復部が大きな半径で滑らかに湾曲し、スライダ近傍におけるワイヤハーネスの曲げ応力が緩和される。
請求項3に係る給電装置は、請求項1又は2記載の給電装置において、前記スライダに、前記ハーネス配索用の空間内で揺動する揺動部が設けられ、前記ワイヤハーネスが該揺動部から外部に導出されたことを特徴とする。
上記構成により、スライダの往復動に従って、揺動部がケースの長手方向に揺動しつつ揺動部からワイヤハーネスが固定構造体側(電源側)に接続され、揺動部によって移動構造体から固定構造体へのワイヤハーネスの曲げ力が吸収されると共に、移動構造体の移動ストロークが拡大される。
請求項1記載の発明によれば、スライダの移動に対応してワイヤハーネスの屈曲部の屈曲半径が大きくなるから、屈曲部に無理な曲げ力が作用せず、ワイヤハーネスの屈曲耐久性が高まると共に、ワイヤハーネスがケースに弱い力で接するから、ワイヤハーネスやケースの摩耗やそれに伴う傷みが防止され、且つスライダの操作力が低減されて、スライドドアやスライドシートやトランク等の移動構造体の操作性が向上する。また、一方の壁部を傾斜させ、且つ開口と他方の壁部との間にワイヤハーネスを進入可能としたことで、一方の壁部を傾斜させずに同じ幅(高さ)で真直に延長させた場合に較べて、ケースが両壁部の対向方向にコンパクト化される。
請求項2記載の発明によれば、スライダに続くワイヤハーネスの復部が大きな半径で滑らかに湾曲するから、スライダ近傍におけるワイヤハーネスの曲げ応力が緩和され、ワイヤハーネスの耐久性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、揺動部によってスライダから車両ボディ等の固定構造体へのワイヤハーネスの配索部分の曲げ力が吸収されて、ワイヤハーネスの耐久性が向上する。
図1〜図3は、本発明に係る給電装置の第一の実施形態を示すものである。図1は概要を示す正面図、図2〜図3は移動時の詳細な斜視図である。
この給電装置1は、ワイヤハーネス2を略U字状ないしJ字状に屈曲させた状態に収容する合成樹脂製のケース3と、ケース3の底部寄り(高さ方向中間部)のレール部4に沿ってスライド自在なスライダ5とを備え、ケース3におけるワイヤハーネス2の屈曲部2a側を高く、ワイヤハーネス2の固定部2b側を低く形成して、屈曲部2a側から固定部2b側にかけて上壁(一方の壁部)6を傾斜させると共に、左右一対のレール部4の間にハーネス挿通用のスリット状の開口7を設け、ワイヤハーネス2を開口7からケース3の底壁(他方の壁部)8に沿って配置させたことを特徴とするものである。
ケース3の上壁6は、傾斜壁(傾斜部)6aと、傾斜壁6aの低端側に続く水平な真直壁6bとで成り、傾斜壁6aの低端の近傍で真直壁6bに狭い開口9が設けられ、開口9からワイヤハーネス2の上端側の部分2cが外部に導出されつつ、図示しない固定部で固定されている。傾斜壁6aは開口9からケース後端にかけてケース3内の収容空間を漸次増加させるように斜め上向きに傾斜している。固定部は例えば真直壁6bを開口縁で板状に立ち上げて形成し、その固定板にワイヤハーネス2をバンドやテープ巻きで固定して構成される。
傾斜壁6aは円弧状の角壁10を介して後端側の垂直な壁部11に続き、真直壁6bは前端側の垂直な壁部12に続き、上側及び前後の壁部6,11,12は左右の対向する垂直で平坦なベース壁13とカバー壁14(図2)とに直交して続き、ベース壁13はカバー壁14よりも下方に延長され、カバー壁14の下端位置においてカバー壁14の内面とベース壁13の内面とに一対のレール部4(図2)が対向して水平に設けられ、両レール部4の間は長形なスリット状の開口7となっている。
ベース壁14の垂直な下側延長部14aはレール部4の下側で水平な底壁8に直交して続き、底壁8とレール部4とは平行に位置し、底壁8とカバー壁14(図2)の下端との間及び前後端の垂直な各壁部11,12の下端と底壁8との間は横長の開口15となっている。図1ではカバー壁14は図示を省略している。
レール4は断面三角形ないし矩形状に形成され、ケース3のベース壁13とカバー壁14(図2)とに一体に樹脂成形されることが好ましい。カバー壁14は上側及び前後の壁部6,11,12である周壁に係止手段(図示せず)で係止されることが好ましい。係止手段としては例えば周壁の係止突起とカバー壁14の可撓性の係止枠片等が挙げられる。カバー壁14をベース壁13側と一体に形成してもよい。ケース3の前後端部において一対のレール部4の間を水平な短い壁部(図示せず)で連結して開口7の剛性をアップさせることも可能である。
スライダ5は合成樹脂を材料として、上側のブロック部16と下側の断面略Lの字状の枠状部17(図2)とを一体に形成して成り、ブロック部16の左右の外壁面に一対のレール部4をスライド自在に係合させる水平な溝部18(図2)が設けられ、枠状部17内に揺動ブロック(揺動部)19が水平方向回動(揺動)自在に設けられている。
ワイヤハーネス2は上側のブロック部16から下側の揺動ブロック19の内部を通ってケース外部に導出されている。ワイヤハーネス2はブロック部16の内部で下向きに屈曲され、揺動ブロック19の内部で横向きに屈曲されている。
ブロック部16は例えば左右又は上下に二分割され、各分割ブロック内にワイヤハーネス2を挿通させる断面略半円状の溝部(図示せず)を有し、両分割ブロックの間でワイヤハーネス2が挟持固定され、あるいはワイヤハーネス2の外周の合成樹脂製の保護チューブであるコルゲートチューブの周溝が分割ブロック内面のリブ(図示せず)に係合して固定され、両分割ブロックは係止手段(図示せず)で相互に係止され、一方の分割ブロックに下側の枠状部17(図2)が一体に続いていることが好ましい。
揺動ブロック19は上下に軸部(図示せず)を有し、軸部が枠状部17の上下の壁部の穴部(図示せず)に回動自在に係合し、あるいは揺動ブロック19は上下に穴部を有し、穴部が枠状部17の上下の壁部の軸部に回動自在に係合している。揺動ブロック19は上下に分割され、内側に断面略半円状の溝部(図示せず)を有し、両分割揺動ブロックは係止手段で相互に係止されることが好ましい。揺動ブロック19はスライダ5と一体に移動する。
図1の鎖線及び図2の如く、スライダ5がケース3の後端側に位置した状態で、ワイヤハーネス2は横向き逆J字状に屈曲し、ワイヤハーネス2の略半円状の屈曲部2aがケース3の後端側の壁部11と円弧状の角壁10とに近接し、ワイヤハーネス2の屈曲部2aから固定部2bに続く上側部分(往部)2dがケース3の上側の傾斜壁6aの内面に沿って接触して傾斜状に位置する。
また、図1の実線及び図3の如く、スライダ5がケース3の前端側に位置した状態で、ワイヤハーネス2は横向きJ字状に屈曲し、ワイヤハーネス2の略半円状の屈曲部2aがケース3の長手方向ほぼ中間に位置し、屈曲部2aの下側部分とそれに続くワイヤハーネス2の下側部分(復部)2eとがレール部4間の開口7から下向きに突出し、ケース3の底壁8に沿って接して位置する。
ワイヤハーネス2の下側部分2eは、ケース3の底壁8に接する真直部と、真直部から大きな半径で湾曲状に立ち上がって開口7から上向きに突出してスライダ5の上側ブロック部16に続く湾曲部2fとで成る。
図1の鎖線及び図2の状態で、ワイヤハーネス2の屈曲部2aは無理のない過大な応力のかからない自然な状態で屈曲されている。図1の鎖線及び図2の状態からスライダ5がケース前方へ向けて移動するに伴って図3の如くワイヤハーネス2の下側部分2eは開口7から下向きに突出する。
これにより、ケース3内のハーネス移動範囲内でワイヤハーネス2の屈曲部2aの半径がほぼ一定に最大限の半径で確保される。ケース3の後半部内でワイヤハーネス2は傾斜壁6aに沿って末広がりに大きな半径で位置し、ワイヤハーネス2の下側部分2eが開口7から下側に突出した時点で、ワイヤハーネス2の屈曲部2aがケース3の後部におけると同程度ないしそれ以上の大きな屈曲半径に維持される。
これにより、ワイヤハーネス2の屈曲部2aに過大な応力が作用しないと共に、ワイヤハーネス2の上側部分2dと下側部分2eとがケース3の上下の壁部6,8に弱い押し力で接し、ワイヤハーネス2とケース3との摩擦が軽減され、ワイヤハーネス2やケース3の摩耗が防止され、スライダ5のスライド操作力が低減される。
例えば、従来(図8)のようにケース3の傾斜壁6aをなくして水平な真直壁6bのみとした場合は、ケース3の後部においてワイヤハーネス2の屈曲部2aを無理のない半径に設定するべく、ケース3の高さを増加させるから、ワイヤハーネス2の下側部分2eが開口7から下側に突出した時点でワイヤハーネス2の屈曲部2aの半径はそれ以上に(不必要に)拡大してしまう。従って、図1の実施形態によれば、少なくともケース3の傾斜壁6aの頂部と真直部6bとの高さの範囲内のスペースだけケース3がコンパクト化される。
図3の状態からスライダ5が図2の位置に移動する際には、上記とは逆に、ワイヤハーネス2の下側部分2eが開口7から下側に落ち込んだ状態でスライダ5が後方に移動しつつ、ワイヤハーネス2の上側部分2dがケース3の上側の傾斜壁6aに沿って斜め上向きに位置し、それによってワイヤハーネス2の屈曲半径が増大して、ワイヤハーネス2の剛性が弱められて、ワイヤハーネス2の上側部分2dが傾斜壁6aに弱い摩擦力で接触し、下側部分2eが底壁8に弱い摩擦力で接触する。
ワイヤハーネス2の下側部分2eが底壁8から上向きに離間すると同時に、ワイヤハーネス2の上側部分2dが傾斜壁6aに沿って斜め上向きに接するようにしてもよく、ワイヤハーネス2の上側部分2dが傾斜壁6aに接触しつつ、ワイヤハーネス2の下側部分2eが底壁8に接触するようにしてもよい。ワイヤハーネス2の下側部分2eは必ずしも底壁8に接触しなくてもよいが、ケース3の高さ方向のコンパクト化のためには、下側部分2eを底壁8で支持することがよい。
スライダ5の往復動において、ケース3の上側の傾斜壁6aと、レール部4間の開口7と底壁8との間の空間15とは、ワイヤハーネス2の屈曲半径を拡大し、ワイヤハーネス2の剛性を弱めて、ワイヤハーネス2とケース3との摺動抵抗を低減させるために有効な構成となっている。
上記給電装置1を自動車のスライドドア(移動構造体)に垂直に搭載した場合、スライドドアの全閉時に図1の鎖線及び図2の状態となり、車両ボディ(固定構造体)側へ向かうワイヤハーネス20は後方へ引っ張られ、それに伴って揺動ブロック19が後方へ回動する。
また、スライドドアの全開時に図1の実線及び図3の状態となり、車両ボディ側へ向かうワイヤハーネス20は前方へ引っ張られ、それに伴って揺動ブロック19が前方へ回動する。スライドドアは前向きにスライドして閉じ、後向きにスライドして開く。図1〜図3の給電装置1は車両左側のスライドドアに搭載された状態を示している。
上記給電装置1を自動車のスライドシートに適用した場合は、例えばケース3を車両ボディのフロアに上下逆にして垂直(縦置き)に配置し、あるいはケース3を水平(横置き)に配置して、固定側のワイヤハーネス2cを電源側に接続し、スライダ5に続くワイヤハーネス20をシート内に配索して着座センサやサポート調整器等の補機に接続する。
スライドシートに使用する場合や、スライドドアと車両ボディとの間(渡り部)におけるワイヤハーネス20の可撓性が高い場合等においては、揺動ブロック19を廃除して、スライダ5から直接的にワイヤハーネス20を導出させてもよい。
上記給電装置1をスライドドアではなく車両ボディ側に垂直又は水平に配置し、スライドドアの移動方向にスライダを移動させるようにしてもよい。この場合、スライダ5から導出されたワイヤハーネス20はスライドドア側に向けて配索される。
図4〜図6は、給電装置の第二の実施形態を示すものである。この給電装置1’は第一の実施形態におけるスライダ5に改良を加えて、ケース3内でスライダ5’の一部と共にワイヤハーネス2を上下に首振り(揺動)自在としたことを特徴としている。その他の構成部分及び作用効果は第一の実施形態と同様であるので、同じ構成部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
スライダ5’は、中空ないし矩形筒状の箱状ブロック21と、箱状ブロック21に左右一対の軸部22で上下方向回動自在に連結された一廻り小さな回動ブロック(回動部)23と、箱状ブロック21の下側に続く断面略L字状の枠状部17(図5)とで構成されている。
図5の如く、箱状ブロック21は少なくとも上下左右の壁部で囲まれ、後側に矩形状の開口24、下側(下壁)に円形等のハーネス挿通用の開口(図示せず)をそれぞれ有し、左右の壁部の後端に半円板状の可撓性の軸受25(図5)を有し、軸受25は円形の孔部を有している。左右の壁部の下部側にケース3’の一対のレール部4に対するスライド係合用の溝部18を有し、軸受25は溝部18よりも上に位置している。箱状ブロック21は、回動ブロック23内に導入されたワイヤハーネス2を下向きに屈曲させつつ挿通させる。
軸受25の一対の孔部に回動ブロック23の左右一対の軸部22が回動自在に係合している。回動ブロック23は上下左右の壁部(周壁)と、前後のハーネス挿通孔26と、左右の壁部の前端側に設けられた左右一対の軸部22とを備えている。各軸部22が箱状ブロック21の軸受25の孔部に回動自在に係合している。
回動ブロック23は左右に分割可能で、各分割回動ブロックは内部にワイヤハーネス2の外周を挟持等して固定する断面略半円状の溝部を有することが好ましく、ワイヤハーネス2が外周にコルゲートチューブを有する場合は、分割回動ブロックの溝部の内面にコルゲートチューブの周溝に係合するリブ(図示せず)を有することが好ましい。回動ブロック23はワイヤハーネス2を固定することが好ましいが、下側の揺動ブロック19でワイヤハーネス2を固定する場合は、回動ブロック23はワイヤハーネス2を上下方向首振り自在に支持していればよい。
なお、回動ブロック23に軸受穴を設け、箱状ブロック21に、軸受穴に回動自在に係合する軸部22を設けることも可能である。いずれの場合も軸部22は内側のワイヤハーネス2に干渉しないように短く形成される。これは揺動ブロック19と枠状部17との回動用の軸部(図示せず)においても同様である。
揺動ブロック19は第一の実施形態におけると同様にスライダ5’の枠状部17に水平方向回動自在に連結されている。ワイヤハーネス2の揺動が必要ない場合は揺動ブロック19を排除して箱状ブロック21から直接枠状部17内にワイヤハーネス2を導出させてもよく、枠状部17をハーネス導出口を有するブロックとしてもよい。これは前例においても同様である。
図4の鎖線及び図5の如く、スライダ5’がケース3の後端側に移動した際に、ワイヤハーネス2はケース3の後端側の壁部11に近接しつつ略半円状に屈曲し、スライダ5’の回動ブロック23は水平に又は斜め上向きに回動して位置し、ワイヤハーネス2の上側部分2dがケース3の上側の傾斜壁6aの内面に沿って位置する。回動ブロック23が斜め上向きに回動することで、ワイヤハーネス2の屈曲部2aの屈曲半径が大きくなり、ワイヤハーネス2にかかる曲げ応力が緩和される。
図4の実線及び図6の如く、スライダ5’がケース3の前端側に移動した際に、回動ブロック23が下向きに回動して最大の角度で傾斜し、ワイヤハーネス2が下向きに傾斜した状態でワイヤハーネス2の下側部分2eが下側の開口7内にスムーズに進入し、スライダ5’からケース3の底壁8にかけてワイヤハーネス2がなだらかな大きな半径で屈曲され、ワイヤハーネス2にかかる曲げ応力が緩和される。
回動ブロック23の首振り動作は図6の位置に限らず、図5から図6の位置にスライダ5’が移動する途中においても起こるものであり、図5の位置からスライダ5’が前方に移動して、例えばワイヤハーネス2の屈曲部2aの後端から回動ブロック23までの水平距離が屈曲部2aの屈曲直径よりも大きくなった時点で、ワイヤハーネス2の下側部分2eがレール部4間の開口7に落ち込み、それと同時に回動ブロック23が斜め下向きすなわちワイヤハーネス2の屈曲半径を拡大させる方向に回動する。
図4〜図6においてケース3のレール部間の開口7とその下側の底壁8との間の空間15のなす作用効果は前例同様であるので説明を省略する。底壁8はワイヤハーネス2をケース3から外側に突出させることなく支持するから、ワイヤハーネス2と外部との干渉が防止され、ワイヤハーネス2が安全に保護される。
また、底壁8と開口7との間でスライダ5’の枠状部17や揺動ブロック19が外部との干渉等から安全に保護される。これらは前例においても同様である。スライダ5’の箱状ブロック21や回動ブロック23がケース3内で外部との干渉等なく完全に保護されることは言うまでもない。
なお、第二の実施形態において、ケース3を縦置きではなく横置きに配置する場合は、回動ブロック23の首振り方向は上下ではなく左右となる。揺動ブロック19の揺動方向は水平な平面上ではなく垂直な平面上で前後に揺動することとなる。
また、上記各実施形態においては、レール部4を一対設けたが、例えばレール部4をベース壁13側の一本のみとし、且つレール部4を例えば断面略T字状として、スライダ5’にレール部4を係合させる略T字状の溝部(図示せず)を設けてもよい。この場合も開口7はレール部4とカバー壁14の下端との間に位置する。また、レール部としてスリット状の長孔(図示せず)を設け、スライダに溝部ではなく、長孔に係合する軸部等を設けることも可能である。
また、上記各実施形態においては、ケース3の上壁6に傾斜壁6aと真直壁6bとを連続して形成したが、真直壁6bを排除して傾斜壁6aをケース3の前端まで延長させたり、あるいは従来例(図8)のようにケース3の前側上半部を切欠することも可能である。ケース3の前側上半部はワイヤハーネス2の伸縮動作に影響しない部分だからである。
本発明に係る給電装置の第一の実施形態の概要を示す正面図である。 同じく給電装置を示すスライダの第一位置における斜視図である。 同じく給電装置を示すスライダの第二位置における斜視図である。 本発明に係る給電装置の第二の実施形態の概要を示す正面図である。 同じく給電装置を示すスライダの第一位置における斜視図である。 同じく給電装置を示すスライダの第二位置における斜視図である。 従来の給電装置の一形態を示す斜視図である。 従来の給電装置の他の形態の概要を示す正面図である。
符号の説明
1,1’ 給電装置
2 ワイヤハーネス
2a 屈曲部
3 ケース
4 レール部
5,5’ スライダ
6 上壁(一方の壁部)
6a 傾斜壁(傾斜部)
7 開口
8 底壁(他方の壁部)
15 空間
19 揺動ブロック(揺動部)
23 回動ブロック(回動部)

Claims (3)

  1. ワイヤハーネスを収容するケースと、該ケースのレール部に沿って進退自在なスライダとを備え、該ケースの該レール部とは反対側の一方の壁部から該スライダにかけて該ワイヤハーネスが略U字状に屈曲して配索され、該一方の壁部が該ワイヤハーネスの屈曲部側において収容空間を漸次拡大させる傾斜部を有し、該レール部に沿ってハーネス挿通用の開口が設けられ、該開口に対向して他方の壁部が設けられ、該開口と該他方の壁部との間にハーネス配索用の空間が形成されたことを特徴とする給電装置。
  2. 前記スライダが前記ワイヤハーネスと一体的に前記他方の壁部に向けて回動する回動部を有することを特徴とする請求項1記載の給電装置。
  3. 前記スライダに、前記ハーネス配索用の空間内で揺動する揺動部が設けられ、前記ワイヤハーネスが該揺動部から外部に導出されたことを特徴とする請求項1又は2記載の給電装置。
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