JP2006035889A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2ポートの2位置によって車両用ブレーキ制御装置を構成できるようにすることで、車両用ブレーキ制御装置の構成の簡略化を図る。
【解決手段】 マスタシリンダMCと各ホイールシリンダWfr〜Wrlを管路MF、MRで接続し、それぞれの管路MF、MRに2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁SMCF、SRECを備える。また、管路MRのうち電磁開閉弁SRECと各増圧制御弁PC3、PC4との間を、管路ACを介して、管路MFにおける電磁開閉弁SMCFと各増圧制御弁PC1、PC2との間に接続する。そして、管路ACに、2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁SREAを備える。このような構成とすることで、自動ブレーキを含む通常ブレーキに加え、緊急時に必要とされる各種制御が実行できるものとなっている。
【選択図】 図1
【解決手段】 マスタシリンダMCと各ホイールシリンダWfr〜Wrlを管路MF、MRで接続し、それぞれの管路MF、MRに2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁SMCF、SRECを備える。また、管路MRのうち電磁開閉弁SRECと各増圧制御弁PC3、PC4との間を、管路ACを介して、管路MFにおける電磁開閉弁SMCFと各増圧制御弁PC1、PC2との間に接続する。そして、管路ACに、2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁SREAを備える。このような構成とすることで、自動ブレーキを含む通常ブレーキに加え、緊急時に必要とされる各種制御が実行できるものとなっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レギュレータを備えた車両用ブレーキ制御装置に関するものである。
従来、レギュレータを備えた車両用ブレーキ制御装置として、特許文献1に示されるものがある。図4に、この特許文献1に示される車両用ブレーキ制御装置における油圧回路の構成を示す。
この図に示されるように、車両用ブレーキ制御装置には、マスタシリンダMC及びレギュレータRGが備えられ、これらがブレーキペダルBPの操作に応じて駆動される。レギュレータRGには補助液圧源ASが接続されており、これらはマスタシリンダMCと共に低圧リザーバRSに接続されている。
補助液圧源ASには、液圧ポンプHP及びアキュムレータAccが備えられている。液圧ポンプHPは、電動モータMによって駆動されるもので、低圧リザーバRSのブレーキ液を吸入吐出する。この液圧ポンプHPが吐出したブレーキ液が逆止弁CV6を介してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。
電動モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限値を下回ることに応答して駆動されるようになっており、またアキュムレータAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して停止させられる。そして、このようにアキュムレータAccに蓄積されたブレーキ液圧が、出力液圧として、適宜レギュレータRGに供給されるようになっている。
レギュレータRGは、補助液圧源ASの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの出力液圧をパイロット圧として、これに比例したレギュレータ液圧に調圧するものである。なお、このレギュレータRGの基本的な構成については周知なものであるため、ここでは説明を省略する。
マスタシリンダMCと車両前方のホイールシリンダWfr、Wflの各々を接続する前輪側の管路MF1、MF2には、3ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁SA1およびSA2が備えられている。これらは管路AF1及びAF2を介して、それぞれ増圧制御弁PC1に接続されていると共に、増圧制御弁PC2に接続されている。
電磁開閉弁SA1およびSA2は、通電が行われていない非作動時には、管路AF1と増圧制御弁PC1と管路MF1を通じて、もしくは、管路AF2と増圧制御弁PC2と管路MF2を通じて、マスタシリンダMCが車両前方のホイールシリンダWfr、Wflの各々と接続される弁位置となる。そして、通電が行われる作動時には、マスタシリンダMCを車両前方のホイールシリンダWfr、Wflから遮断する。
また、レギュレータRGとホイールシリンダWrr、Wrl等の各々を接続する管路MRには2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁SA3が備えられている。また、管路MRは、電磁開閉弁SA3よりも下流側において管路MR1、MR2に分岐しており、分岐したそれぞれの管路MR1、MR2には、それぞれ増圧制御弁PC3および減圧制御弁PC7が備えられていると共に、増圧制御弁PC4および減圧制御弁PC8が備えられている。
そして、補助液圧源ASが管路AMを介して電磁開閉弁SA3の下流側に接続され、管路AMには2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁STRが備えられている。
このように構成された車両用ブレーキ制御装置では、各種弁SA1〜SA3、STR、PC1〜PC8は、ソレノイドに通電が行われていない非作動時には、弁位置が図示位置に設定されており、ソレノイドに通電が行われた作動時には、弁位置が図示位置とは異なる位置に設定されるようになっている。そして、ソレノイドへの通電によって各種弁SA1〜SA3、STR、PC1〜PC8の弁位置を調整することにより、通常のブレーキ時のみでなく、アンチスキッド制御(以下、ABS制御という)やトラクション制御(以下、TCS制御という)さらには横滑り防止制御(以下、ESC制御という)を実行するようになっている。
特開平11−139273号公報
しかしながら、上記車両用ブレーキ制御装置では、3ポートの二位置弁から構成される電磁開閉弁SA1、SA2が用いられている。このため、車両用ブレーキ制御装置の弁構造を複雑化なものにしていると共に、油圧回路の構成の複雑化を招いている。
また、上記車両用ブレーキ制御装置では、レギュレータRGのブレーキ液圧がホイールシリンダWfr、Wflに加えられる際に、それぞれ電磁開閉弁SA1、SA2という異なる弁を通過することになる。このため、各ホイールシリンダWfr、Wflにブレーキ液圧が伝達されるタイミングとカットされるタイミングとに偏りが発生し、左右輪に安定した制動力を発生させられなくなる可能性がある。
本発明は上記点に鑑みて、2ポートの2位置によって車両用ブレーキ制御装置を構成できるようにすることで、車両用ブレーキ制御装置の構成の簡略化を図ることを目的とする。
また、各ホイールシリンダに流体圧力が伝達されるタイミングとカットされるタイミングとに偏りが発生することを防止し、左右輪に安定した制動力を発生させることができる車両用ブレーキ制御装置を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1、第2の車輪(FR、FL)に対して制動力を発生させるための第1、第2ホイールシリンダ(Wfr、Wfl)と、第3、第4の車輪(RR、RL)に対して制動力を発生させるための第3、第4ホイールシリンダ(Wrr、Wrl)とが備えられている。また、第1電磁開閉弁(SMCF)を介して、マスタシリンダと第1、第2ホイールシリンダとを接続し、第1の電磁開閉弁よりも下流側において2つに分岐する第1管路(MF、MF1、MF2)が備えられ、第1管路の分岐路のうち、第1ホイールシリンダに接続される方に第1増圧制御弁(PC1)が備えられていると共に、第2ホイールシリンダに接続される方に第2増圧制御弁(PC2)が備えられている。第1、第2制御弁の下流には、第1、第2ホイールシリンダに加えられる流体圧力を発生させる流体をリザーバに逃がす第1、第2減圧制御弁(PC5、PC6)が備えられている。また、第2電磁開閉弁(SREC)を介して、マスタシリンダと第3、第4ホイールシリンダとを接続し、第2の電磁開閉弁よりも下流側において2つに分岐する第2管路(MR、MR1、MR2)が備えられ、第2管路の分岐路のうち、第3ホイールシリンダに接続される方に第3増圧制御弁(PC3)が備えられていると共に、第4ホイールシリンダに接続される方に第4増圧制御弁(PC4)が備えられている。第3、第4制御弁の下流には、第3、第4ホイールシリンダに加えられる流体圧力を発生させる流体をリザーバに逃がす第3、第4減圧制御弁(PC7、PC8)が備えられている。そして、第3電磁開閉弁(STR)を通じて、第2管路における第2電磁開閉弁と第3、第4増圧制御弁との間にアキュムレータに蓄積される流体圧力を導く第3管路(AM)を備えると共に、第4電磁開閉弁(SREA)を通じて、第1管路における第1電磁開閉弁と第1、第2増圧制御弁との間と、第2管路における第2電磁開閉弁と第3、第4増圧制御弁との間と、を接続する第4管路(AC)を備え、第1、第4電磁開閉弁を2ポートの二位置弁で構成することを特徴としている。
このような構成の車両用ブレーキ液圧制御装置とすることにより、第1、第4電磁開閉弁を共に2ポートの二位置弁で構成しつつ、通常ブレーキに加え、緊急時に必要とされる各種制御が実行できるものとなっている。このように、2ポートの2位置によって車両用ブレーキ制御装置を構成できるようにすることができるため、弁構成も管路構成も共に簡素にでき、車両用ブレーキ制御装置の構成の簡略化を図ることが可能となる。
また、第1、第2ホイールシリンダに加えられる流体圧力は、第1電磁開閉弁もしくは第4電磁開閉弁のみを通じて伝達されるものとなっている。このため、第1、第2ホイールシリンダに流体圧力が同時に伝達されるようにでき、また、第1電磁開閉弁または第4電磁開閉弁を遮断状態にしたときには、第1、第2ホイールシリンダへのブレーキ液圧の伝達を同時にカットさせられる。
したがって、第1、第2ホイールシリンダにブレーキ液圧が伝達されるタイミングとカットされるタイミングとに偏りが発生することを防止でき、左右輪に安定した制動力を発生させることができる車両用ブレーキ液圧制御装置とすることができる。
請求項2に記載の発明では、第1、第2車輪は両前輪に相当しており、第1、第2ホイールシリンダは該両前輪それぞれに対して流体圧力を加えるものであり、第3、第4車輪は両後輪に相当しており、第3、第4ホイールシリンダは該両後輪それぞれに対して流体圧力を加えるものである場合において、第4電磁開閉弁の弁のシール方向が、第2管路側から第1管路側への流体の流動のみを許容する方向となっていることを特徴としている。
このような構成とすれば、後輪系統においてブレーキ液圧が発生させられなくなるようなパワー失陥が発生したとしても、前輪系統におけるブレーキ液圧を発生させることができ、フロントパーシャル性能を確保することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、第4電磁開閉弁のオリフィス径(φSREA)は、第1、第2増圧制御弁のオリフィス径の80%以上の大きさに設定されていることを特徴としている。
このように、第4電磁開閉弁のオリフィス径を設定することにより、第4電磁開閉弁の下流側に十分な流体圧力を伝達しつつ、第4電磁開閉弁の小型化を図ることが可能となる。
以上、請求項1ないし3に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置は、請求項4に示されるように、通常ブレーキ時には、第1電磁開閉弁は連通状態、第2電磁開閉弁は連通状態、第3電磁開閉弁は遮断状態、第4電磁開閉弁は遮断状態、第1〜第4増圧制御弁は連通状態、第1〜第4減圧制御弁は遮断状態とされる。
これにより、マスタシリンダに発生させられた流体圧力が第1電磁開閉弁および第2電磁開閉弁を通じて、各ホイールシリンダに伝達されることになる。このとき、第1、第2ホイールシリンダには、共に、第1電磁開閉弁を通じた流体圧力が加えられることになるため、第1、第2ホイールシリンダに偏りなく流体圧力を加えることが可能となる。
また、請求項5に示されるように、アンチスキッド制御時には、第1電磁開閉弁は遮断状態、第2電磁開閉弁は連通状態、第3電磁開閉弁は遮断状態、第4電磁開閉弁は連通状態となり、第1〜第4増圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものは連通状態と遮断状態に制御され、第1〜第4減圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものも連通状態と遮断状態とに制御される。
また、請求項6に示されるように、第3、第4車輪に対してのみ制動力を加えるトラクション制御時には、第1電磁開閉弁は連通状態、第2電磁開閉弁は遮断状態、第3電磁開閉弁は連通状態、第4電磁開閉弁は遮断状態となり、第3、第4増圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものは連通状態と遮断状態に制御され、第3、第4減圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものも連通状態と遮断状態とに制御される。
さらに、請求項7に示されるように、四輪のいずれかに対して制動力を加えるトラクション制御またはブレーキアシスト制御もしくは横滑り防止制御時に、第1電磁開閉弁は遮断状態、第2電磁開閉弁は遮断状態、第3電磁開閉弁は連通状態、第4電磁開閉弁は連通状態となり、第1〜第4増圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものは連通状態と遮断状態に制御され、第1〜第4減圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものも連通状態と遮断状態とに制御される。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を図1に示す。以下、この図を参照して、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の構成について説明する。
本発明の一実施形態を適用した車両用ブレーキ制御装置の油圧回路構成を図1に示す。以下、この図を参照して、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の構成について説明する。
この図に示されるように、車両用ブレーキ制御装置には、マスタシリンダMC及びレギュレータRGが備えられ、これらがブレーキペダルBPの操作に応じて駆動される。レギュレータRGには補助液圧源ASが接続されており、これらはマスタシリンダMCと共に低圧リザーバRSに接続されている。
補助液圧源ASには、液圧ポンプHP及びアキュムレータAccが備えられている。液圧ポンプHPは、電動モータMによって駆動されるもので、低圧リザーバRSのブレーキ液を吸入吐出する。この液圧ポンプHPが吐出したブレーキ液が逆止弁CV6を介してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。
電動モータMは、アキュムレータAcc内のブレーキ液圧(流体圧力)が所定の下限値を下回ることに応答して駆動されるようになっており、またアキュムレータAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して停止させられる。そして、このようにアキュムレータAccに蓄積されたブレーキ液圧が、出力液圧として、適宜レギュレータRGに供給されるようになっている。
レギュレータRGは、補助液圧源ASの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの出力液圧をパイロット圧として、これに比例したレギュレータ液圧に調圧するものである。このレギュレータ液圧は、例えば後述する液圧監視手段に相当する圧力センサ11によって検出され、常に所定範囲内に保たれる。なお、このレギュレータRGの基本的な構成については周知なものであるため、ここでは説明を省略する。
マスタシリンダMCと前輪FR、FLのホイールシリンダWfr、Wflの各々を接続する前輪側の管路(第1管路)MFには、2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁(第1電磁開閉弁)SMCFが備えられている。この電磁開閉弁SMCFの下流側において、管路MFは2つの管路MF1、MF2に分岐しており、各管路MF1、MF2それぞれに増圧制御弁(第1、第2増圧制御弁)PC1、PC2が備えられた構成とされている。そして、各増圧制御弁PC1、PC2と前輪FR、FLのホイールシリンダ(第1、第2ホイールシリンダ)Wfr、Wflとの間が管路RC1、RC2を通じて低圧リザーバRCに接続されている。各管路RC1、RC2それぞれには、減圧制御弁(第1、第2減圧制御弁)PC5、PC6が備えられており、これら減圧制御弁PC5、PC6によって、各管路RC1、RC2の連通遮断が制御されるようになっている。
電磁開閉弁SMCFは、通電が行われていない非作動時には、管路MF、MF1、MF2を通じてマスタシリンダMCが前輪FR、FLのホイールシリンダWfr、Wflの各々と接続される弁位置となる。そして、通電が行われる作動時には、マスタシリンダMCを車両前方のホイールシリンダWfr、Wflから遮断する弁位置となる。
また、マスタシリンダMCと後輪RR、RLのホイールシリンダ(第3、第4ホイールシリンダ)Wrr、Wrl等とを接続する管路(第2管路)MRには2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁(第2電磁開閉弁)SRECが備えられている。また、管路MRは、電磁開閉弁SRECよりも下流側において管路MR1、MR2に分岐しており、分岐したそれぞれの管路MR1、MR2には、それぞれ増圧制御弁(第3増圧制御弁)PC3および減圧制御弁(第3減圧制御弁)PC7が備えられていると共に、増圧制御弁(第4増圧制御弁)PC4および減圧制御弁(第4減圧制御弁)PC8が備えられている。
補助液圧源ASは、管路(第3管路)AMを介して電磁開閉弁SRECの下流側に接続され、管路AMには2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁(第3電磁開閉弁)STRが備えられている。
そして、管路MRのうち電磁開閉弁SRECと各増圧制御弁PC3、PC4との間は、管路(第4管路)ACを介して、管路MFにおける電磁開閉弁SMCFと各増圧制御弁PC1、PC2と接続されている。この管路ACには、2ポートの二位置弁で構成された電磁開閉弁(第4電磁開閉弁)SREAが備えられており、この電磁開閉弁SREAによって管路ACの連通遮断が制御できるようになっている。
なお、各増圧制御弁PC1〜PC4には、逆止弁CV1〜CV4が並列接続されており、各逆止弁CV1〜CV4により、各増圧制御弁PC1〜PC4の下流側(ホイールシリンダWfr〜Wfl側)から上流側へのブレーキ液の流動のみが許容されるようになっている。また、電磁開閉弁SRECにも逆止弁CV5が並列接続されている。この逆止弁CV5により、制御により電磁開閉弁SRECが遮断されていても、ドライバのブレーキ操作によって生じる圧力が勝れば、電磁開閉弁SRECの上流側(レギュレータRG側)から下流側へのブレーキ液の流動のみが許容されるようになっている。
さらに、車両用ブレーキ制御装置には、油圧回路内の各部位におけるブレーキ液圧を検出するための圧力センサ11〜13が備えられている。圧力センサ11は、アキュムレータAccで蓄積されているブレーキ液圧を検出するためのものである。圧力センサ12は、マスタシリンダMCに発生しているブレーキ液圧を検出するためのもので、管路MRにおける電磁開閉弁SRECよりも上流側に備えられている。圧力センサ13は、電磁開閉弁SRECの下流に発生しているブレーキ液圧を検出するためのものである。
このように構成される車両ブレーキ制御装置には、図2に示すように制御手段に相当するブレーキECU10が備えられている。このブレーキECU10に各圧力センサ11〜13の検出信号、車両の任意の場所に搭載されたヨーレートセンサ14、G(加速度)センサ15および操舵角センサ16の検出信号、各車輪に対して備えられた車輪速度センサ17a〜17b、エンジンECU18からの制御信号が入力されるようになっている。そして、ブレーキECU10から、各種検出信号および制御信号に基づいて各種弁SMCF、SREC、STR、SREA、PC1〜PC8や電動モータMに対して駆動信号が出力されるようになっている。これにより、レギュレータ液圧が所定範囲内に維持されるように制御したり、ホイールシリンダWfr〜Wrlに加えられるブレーキ液圧が制御される。
具体的には、各種弁SMCF、SREC、STR、SREA、PC1〜PC8は、ソレノイドに通電が行われていない非作動時には、弁位置が図示位置に設定されており、ソレノイドに通電が行われた作動時には、弁位置が図示位置とは異なる位置に設定されるようになっている。そして、ソレノイドへの通電によって各種弁SA1〜SA3、STR、PC1〜PC8の弁位置を調整することにより、通常ブレーキ時のみでなく、アンチスキッド制御(以下、ABS制御という)やトラクション制御(以下、TCS制御という)さらには横滑り防止制御(以下、ESC制御という)を実行するようになっている。
図3に、各種制御時における各種弁の作動状態を示し、この図を参照して、各種制御時における車両用ブレーキ制御装置の作動について、通常ブレーキ時、ABS制御時、後輪のみによるTCS制御(以下、リアTCS制御という)時、四輪によるTCS制御(以下、四輪TCS制御という)時、ブレーキアシスト制御(以下、BA制御という)時およびESC制御時に分けて説明する。なお、各種制御に用いられる検出信号および制御信号に関して、および、これらの信号を用いた演算などに関しては周知のものであるため、ここでは説明を省略する。
〔通常ブレーキ時〕
通常ブレーキ時には、電磁開閉弁SMCF、SREA、STR、SRECへの通電はすべてOFFのままとされ、また、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8への通電もOFFのままとされる。つまり、電磁開閉弁STRは遮断状態、電磁開閉弁SRECは連通状態、電磁開閉弁SMCFは連通状態、電磁開閉弁SREAは遮断状態とされる。また、増圧制御弁PC1〜PC4は連通状態、減圧制御弁PC5〜PC8は遮断状態とされる。
通常ブレーキ時には、電磁開閉弁SMCF、SREA、STR、SRECへの通電はすべてOFFのままとされ、また、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8への通電もOFFのままとされる。つまり、電磁開閉弁STRは遮断状態、電磁開閉弁SRECは連通状態、電磁開閉弁SMCFは連通状態、電磁開閉弁SREAは遮断状態とされる。また、増圧制御弁PC1〜PC4は連通状態、減圧制御弁PC5〜PC8は遮断状態とされる。
このため、電磁開閉弁STRが遮断状態とされることから、アキュムレータAccに蓄積されたブレーキ液圧は各ホイールシリンダWfr〜Wrlに伝達されない。そして、電磁開閉弁SMCFおよび電磁開閉弁SRECが連通状態とされていることから、マスタシリンダMCに発生させられたブレーキ液圧は、電磁開閉弁SMCFを通じてホイールシリンダWfr、Wflに伝達される。また、レギュレータRGに発生させられたブレーキ液圧が電磁開閉弁SRECを通じて、各ホイールシリンダWrr、Wrlに伝達されることになる。
〔ABS制御時〕
ABS制御時は、各種弁の弁位置は、通常ブレーキ時と同じであるか、あるいは、電磁開閉弁STR、SRECへの通電はOFFのままとされ、電磁開閉弁SMCF、SREAへの通電はONされる。つまり、電磁開閉弁STRは遮断状態、電磁開閉弁SRECは連通状態、電磁開閉弁SMCFは遮断状態、電磁開閉弁SREAは連通状態とされる。また、ABS制御の対象輪となる車輪に関しても、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8が通常ブレーキ時とは異なる作動を行う。
ABS制御時は、各種弁の弁位置は、通常ブレーキ時と同じであるか、あるいは、電磁開閉弁STR、SRECへの通電はOFFのままとされ、電磁開閉弁SMCF、SREAへの通電はONされる。つまり、電磁開閉弁STRは遮断状態、電磁開閉弁SRECは連通状態、電磁開閉弁SMCFは遮断状態、電磁開閉弁SREAは連通状態とされる。また、ABS制御の対象輪となる車輪に関しても、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8が通常ブレーキ時とは異なる作動を行う。
まず、ABS制御中の減圧タイミングには、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8が共に通電がONされる。これにより、増圧制御弁PC1〜PC4が遮断状態、減圧制御弁PC5〜PC8が連通状態となって、ホイールシリンダWfr〜Wrlに加えられているブレーキ液圧が減圧制御弁PC5〜PC8を通じて低圧リザーバRC側に逃がされる。
次に、ABS制御中の保持タイミングには、増圧制御弁PC1〜PC4への通電がONされ、減圧制御弁PC5〜PC8への通電がOFFされる。これにより、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8が共に遮断状態となって、ホイールシリンダWfr〜Wrlに加えられているブレーキ液圧が保持される。
そして、ABS制御中の増圧タイミングには、増圧制御弁PC1〜PC4への通電がON、OFFに繰り返し切り替えられ、減圧制御弁PC5〜PC8への通電がOFFされる。これにより、増圧制御弁PC1〜PC4を通じてパルス的にホイールシリンダWfl〜Wrrに加えられるブレーキ液圧が増加させられる。
〔リアTCS制御時〕
リアTCS制御は、後輪RR、RLを制御対象車輪として、制御対象輪に対応するホイールシリンダWrr、Wrlに対してブレーキ液圧を加えることで、TCS制御を実行するものである。
リアTCS制御は、後輪RR、RLを制御対象車輪として、制御対象輪に対応するホイールシリンダWrr、Wrlに対してブレーキ液圧を加えることで、TCS制御を実行するものである。
このリアTCS制御時には、まず、電磁開閉弁STR、SRECへの通電がONされ、電磁開閉弁SMCF、SREAへの通電がOFFされる。また、リアTCS制御の対象輪に対応する増圧制御弁PC3、PC4および減圧制御弁PC7、PC8への通電は、適宜、ON、OFF切り替えられる。
この場合、電磁開閉弁STRが連通状態とされることから、アキュムレータAccに蓄積されたブレーキ液圧が電磁開閉弁STRを通じて伝達されることになる。しかしながら、電磁開閉弁SREAが遮断状態になっているため、前輪FR、FLに対応するホイールシリンダWfr、Wflにはブレーキ液圧が伝えられず、後輪RR、RLにおける制御対象輪に対応するホイールシリンダWrr、Wrlにのみブレーキ液圧が伝えられる。
これにより、後輪RR、RLにおける制御対象輪に制動力が発生させられることになり、車輪スリップを回避するように駆動力が減少させられる。なお、このリアTCS制御時には、電磁開閉弁SMCFが連通状態となることから、マスタシリンダMCが前輪FL、FRに対応する各ホイールシリンダWfr、Wflに接続され、前輪FR、FLには制動力を発生させることが可能となる。
〔四輪TCS制御時、BA制御時およびESC制御時〕
四輪TCS制御は、四輪FR〜RLを制御対象車輪として、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに対してブレーキ液圧を加えることで、TCS制御を実行するものである。また、BA制御は、ブレーキペダルBPの踏力が所定値を超えている場合など、通常ブレーキ時よりも大きな制動力を発生させたい場合に、四輪FR〜RLを制御対象車輪として、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに対してブレーキ液圧を加えるものである。また、ESC制御は、ヨーレートセンサ14や操舵角センサ16などから求められる横滑り角が所定値を超えるなど、横滑りが発生し得る状態を回避するために、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに対してブレーキ液圧を加えるものである。
四輪TCS制御は、四輪FR〜RLを制御対象車輪として、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに対してブレーキ液圧を加えることで、TCS制御を実行するものである。また、BA制御は、ブレーキペダルBPの踏力が所定値を超えている場合など、通常ブレーキ時よりも大きな制動力を発生させたい場合に、四輪FR〜RLを制御対象車輪として、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに対してブレーキ液圧を加えるものである。また、ESC制御は、ヨーレートセンサ14や操舵角センサ16などから求められる横滑り角が所定値を超えるなど、横滑りが発生し得る状態を回避するために、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに対してブレーキ液圧を加えるものである。
これら四輪TCS制御、BA制御およびESC制御における各種弁の駆動形態は同様であるため、一緒に説明する。
これらの制御時には、電磁開閉弁STR、SREC、SMCF、SREAへの通電がすべてONとされる。つまり、電磁開閉弁STRは連通状態、電磁開閉弁SRECは遮断状態、電磁開閉弁SMCFは遮断状態、電磁開閉弁SREAは連通状態となる。そして、制御対象輪に対応する増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8への通電は、適宜、ON、OFF切り替えられる。
この場合、電磁開閉弁SREC、SMCFが遮断状態であるため、マスタシリンダMCと各ホイールシリンダWfr〜Wrlが接続されていない状態となる。しかし、ブレーキペダルBPの踏み込みにより、レギュレータRFに発生した油圧は、CV5を介して加圧することが可能となる。そして、電磁開閉弁STR、SREAが連通状態、となっていることから、アキュムレータAccが各ホイールシリンダWfr〜Wrlと接続された状態となる。
したがって、アキュムレータAccに蓄積されたブレーキ液圧が電磁開閉弁STR、SREAを通じて伝えられる。そして、制御対象輪に対応する増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8が適宜連通状態と遮断状態に切り替えられ、制御対象輪に対応するホイールシリンダWfr〜Wrlに伝えられる。このため、四輪FR〜RLにおける制御対象輪に制動力が発生させられることになり、TCS制御やBA制御さらにはESC制御が実行されることになる。
以上説明した本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、電磁開閉弁SMCF、SREAを共に2ポートの二位置弁で構成しつつ、通常ブレーキに加え、緊急時に必要とされる各種制御が実行できるものとなっている。
このように、2ポートの2位置によって車両用ブレーキ制御装置を構成できるようにすることができるため、弁構成も管路構成も共に簡素にでき、車両用ブレーキ制御装置の構成の簡略化を図ることが可能となる。
また、前輪FR、FLのホイールシリンダWfr、Wflに加えられるブレーキ液圧は、電磁開閉弁SMCFまたは電磁開閉弁SREAのみを通じて伝達されるものとなっている。このため、それぞれのホイールシリンダWfr、Wflにブレーキ液圧が同時に伝達されるようにでき、また、電磁開閉弁SMCFまたは電磁開閉弁SREAを遮断状態にしたときには、ホイールシリンダWfr、Wflへのブレーキ液圧の伝達を同時にカットさせられる。
したがって、ホイールシリンダWfr、Wflにブレーキ液圧が伝達されるタイミングとカットされるタイミングとに偏りが発生することを防止でき、左右輪に安定した制動力を発生させることができる車両用ブレーキ液圧制御装置とすることができる。このような効果は、特に、高圧、高応答が要求される場合において有効である。
また、一般的に、車両用ブレーキ液圧制御装置では、前輪系統もしくは後輪系統のいずれか一方において、配管からのブレーキ液洩れなどの失陥が発生した場合において、さらに前輪系統と後輪系統とを接続する弁のシール部が故障する2重故障の場合に、四輪ノーブレーキ状態になり得る。
例えば、従来の車両用ブレーキ液圧制御装置の場合、前輪系統もしくは後輪系統のいずれかと図4に示される電磁開閉弁SA1、SA2のいずれか一つでもシール部が故障する2重故障の場合に、上記のような四輪ノーブレーキ状態になる。しかしながら、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置の場合には、図1に示される電磁開閉弁SREAのシール部が故障した場合に四輪ノーブレーキ状態になるが、その対象となる弁の数が一つと従来の二つよりも少ない。このため、四輪ノーブレーキ状態になる故障の発生確率が従来と比べて少なくなる。
また、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置では、前輪系統と後輪系統とを接続している電磁開閉弁SREA内のチェック弁の向き(バネが弁体を付勢する方向)を、前輪系統から後輪系統へのブレーキ液の流動が禁止される向きとするのが好ましい。
このような構成とすれば、後輪系統においてブレーキ液圧が発生させられなくなるようなパワー失陥が発生したとしても、前輪系統におけるブレーキ液圧を発生させることができ、フロントパーシャル性能を確保することが可能となる。
ただし、チェック弁のバネを強くすれば、チェック弁の向きを上記と逆にしてもフロントパーシャル性能を確保できるが、バネの折れ損などの故障が発生してバネ力が得られない場合を考慮すると、チェック弁を上記の向きとするのが好ましい。
なお、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置では、電磁開閉弁SREAのオリフィス径は、前輪系統における増圧制御弁PC1、PC2のオリフィス径との関係から決められる。具体的には、電磁開閉弁SREAのオリフィス径を決定する要素としては、以下の3つが挙げられる。
(1)電磁開閉弁SREAのオリフィス径φSREAは、ABS制御時に要求される増圧勾配の範囲が満たされるように、その範囲の下限値φAと上限値φBとの間に設定される。
(2)ESC制御など、ホイールシリンダWfr、Wflに加えられるブレーキ液圧を自動加圧するモードでは、電磁開閉弁SREAのオリフィス径φSREAをできるだけ大きくするのが好ましい。
(3)両前輪FL、FRで異なる路面μの場所を走行している場合のABS制御時に、両車輪FL、FRそれぞれに対応するホイールシリンダWfr、Wflの増圧タイミングが同期化する可能性がある。このような場合、電磁開閉弁SREAのオリフィス径が小さすぎると、電磁開閉弁SREAよりも下流側におけるブレーキ液圧が十分高圧化できなくなり、高μ側のホイールシリンダWfrに加えられるブレーキ液圧が増圧制御弁PC1内のオリフィスとCV1を通って、低μ側のホイールシリンダWfrを加圧するために費やされてしまう。このため、各ホイールシリンダWfr、Wflに加えるべきブレーキ液圧が足りず、十分な減速度が得られなくなる。このため、電磁開閉弁SREAのオリフィス径φSREAをできるだけ大きくするのが好ましい。
このように、電磁開閉弁SREAのオリフィス径φSREAをできるだけ大きくするのが好ましいが、現実的には、電磁開閉弁SREAの小型化を図るために、オリフィス径φSREAをある程度の値に決めなければならない。
したがって、上記(1)〜(3)を考慮して、例えば、電磁開閉弁SREAのオリフィス径φSREAを増圧制御弁PC1、PC2のオリフィス径の80%程度とするのが好ましい。
このように電磁開閉弁SREAのオリフィス径φSREAを設定することにより、上記(1)〜(3)での検討事項を満たしつつ、電磁開閉弁SREAの小型化を図ることが可能となる。
また、本実施形態に示した電磁開閉弁STR、SRECをリニア弁とすることで自動ブレーキ制御を実行することも可能である。このように電磁開閉弁STR、SRECをリニア弁として構成した場合、電磁開閉弁STRによって電磁開閉弁STRの下流側を緩やかに加圧できると共に、電磁開閉弁SRECによって電磁開閉弁SRECの下流側を緩やかに減圧できる。これにより、車輪のスリップ状態ではない、通常領域における自動ブレーキ加圧が可能となる。
例えば、図3に示されるように、自動ブレーキ制御時には、電磁開閉弁STR、SRECへの通電がONされることで、リニア調圧が実行され、電磁開閉弁SMCFへの通電がON、SREAへの通電がONまたはOFFされる。また、増圧制御弁PC1〜PC4および減圧制御弁PC5〜PC8への通電は、すべてOFFされる。
これにより、電磁開閉弁STR、SRECによってリニア調圧が為され、上述したように、電磁開閉弁STRによって電磁開閉弁STRの下流側を緩やかに加圧できると共に、電磁開閉弁SRECによって電磁開閉弁SRECの下流側を緩やかに減圧できる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、各種弁を連通状態と遮断状態が切り替えられる単なる二位置弁として構成したが、一方の弁位置を差圧弁として構成し、その弁の上流側と下流側とでブレーキ液圧に所定の差を発生させるようにすることも可能である。
上記第1実施形態では、各種弁を連通状態と遮断状態が切り替えられる単なる二位置弁として構成したが、一方の弁位置を差圧弁として構成し、その弁の上流側と下流側とでブレーキ液圧に所定の差を発生させるようにすることも可能である。
AS…補助液圧源、HP…液圧ポンプ、M…電動モータ、Acc…アキュムレータ、RG…レギュレータ、MC…マスタシリンダ、RS…低圧リザーバ、BP…ブレーキペダル、STR、SREC、SMCF、SREA…電磁開閉弁、PC1〜PC4…増圧制御弁、PC5〜PC8…減圧制御弁、Wfr〜Wrl…ホイールシリンダ、MF、MR、AM、AC…管路、10…ブレーキECU、11〜13…圧力センサ。
Claims (7)
- 車両に搭載され、流体を貯蔵するリザーバ(RS)と、
前記リザーバに貯蔵された前記流体を所定の圧力に昇圧して吐出する液圧ポンプ(HP)と、
前記液圧ポンプの吐出液圧を蓄積するアキュムレータ(Acc)と、
前記アキュムレータの蓄積する流体圧力を検出する液圧監視手段(11)と、
前記液圧監視手段の検出結果に応じて、前記液圧ポンプを駆動し、前記アキュムレータの液圧が所定範囲内となるように制御する制御手段(10)と、
ブレーキ操作部材(BP)の操作量に応じた流体圧を発生させるマスタシリンダ(MC)と、を備えてなる車両用ブレーキ液圧制御装置において、
第1、第2の車輪(FR、FL)に対して制動力を発生させるための第1、第2ホイールシリンダ(Wfr、Wfl)と、
第3、第4の車輪(RR、RL)に対して制動力を発生させるための第3、第4ホイールシリンダ(Wrr、Wrl)と、
第1電磁開閉弁(SMCF)が備えられ、該第1電磁開閉弁を介して、前記マスタシリンダと第1、第2ホイールシリンダとを接続し、前記第1の電磁開閉弁よりも下流側において2つに分岐する第1管路(MF、MF1、MF2)と、
前記第1管路の分岐路のうち、前記第1ホイールシリンダに接続される方に備えられた第1増圧制御弁(PC1)、および、前記第2ホイールシリンダに接続される方に備えられた第2増圧制御弁(PC2)と、
前記第1、第2増圧制御弁の下流において、前記第1、第2ホイールシリンダに加えられる流体圧力を発生させる前記流体を前記リザーバに逃がす第1、第2減圧制御弁(PC5、PC6)と、
第2電磁開閉弁(SREC)が備えられ、該第2電磁開閉弁を介して、前記マスタシリンダと第3、第4ホイールシリンダとを接続し、前記第1の電磁開閉弁よりも下流側において2つに分岐する第2管路(MR、MR1、MR2)と、
前記第2管路の分岐路のうち、前記第3ホイールシリンダに接続される方に備えられた第3増圧制御弁(PC3)、および、前記第4ホイールシリンダに接続される方に備えられた第4増圧制御弁(PC4)と、
前記第3、第4増圧制御弁の下流において、前記第3、第4ホイールシリンダに加えられる流体圧力を発生させる前記流体を前記リザーバに逃がす第3、第4減圧制御弁(PC7、PC8)と、
第3電磁開閉弁(STR)を備え、該第3電磁開閉弁を通じて、前記第2管路における前記第2電磁開閉弁と前記第3、第4増圧制御弁との間に前記アキュムレータに蓄積される流体圧力を導く第3管路(AM)と、
第4電磁開閉弁(SREA)を備え、該第4電磁開閉弁を通じて、前記第1管路における前記第1電磁開閉弁と前記第1、第2増圧制御弁との間と、前記第2管路における前記第2電磁開閉弁と前記第3、第4増圧制御弁との間と、を接続する第4管路(AC)とを備え、
前記第1、第4電磁開閉弁が2ポートの二位置弁で構成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記第1、第2車輪は両前輪に相当しており、前記第1、第2ホイールシリンダは該両前輪それぞれに対して流体圧力を加えるものであり、前記第3、第4車輪は両後輪に相当しており、前記第3、第4ホイールシリンダは該両後輪それぞれに対して流体圧力を加えるものである場合において、
前記第4電磁開閉弁の弁のシール方向が、前記第2管路側から前記第1管路側への前記流体の流動のみを許容する方向となっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記第4電磁開閉弁のオリフィス径(φSREA)は、前記第1、第2増圧制御弁のオリフィス径の80%以上の大きさに設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- 通常ブレーキ時に、前記第1電磁開閉弁は連通状態、前記第2電磁開閉弁は連通状態、前記第3電磁開閉弁は遮断状態、前記第4電磁開閉弁は遮断状態、前記第1〜第4増圧制御弁は連通状態、前記第1〜第4減圧制御弁は遮断状態となることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- アンチスキッド制御時に、前記第1電磁開閉弁は遮断状態、前記第2電磁開閉弁は連通状態、前記第3電磁開閉弁は遮断状態、前記第4電磁開閉弁は連通状態となり、前記第1〜第4増圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものは連通状態と遮断状態に制御され、前記第1〜第4減圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものも連通状態と遮断状態とに制御されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- 前記第3、第4車輪に対してのみ制動力を加えるトラクション制御時に、前記第1電磁開閉弁は連通状態、前記第2電磁開閉弁は遮断状態、前記第3電磁開閉弁は連通状態、前記第4電磁開閉弁は遮断状態となり、前記第3、第4増圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものは連通状態と遮断状態に制御され、前記第3、第4減圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものも連通状態と遮断状態とに制御されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- 前記四輪のいずれかに対して制動力を加えるトラクション制御またはブレーキアシスト制御もしくは横滑り防止制御時に、前記第1電磁開閉弁は遮断状態、前記第2電磁開閉弁は遮断状態、前記第3電磁開閉弁は連通状態、前記第4電磁開閉弁は連通状態となり、前記第1〜第4増圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものは連通状態と遮断状態に制御され、前記第1〜第4減圧制御弁のうち制御対象輪に相当するものも連通状態と遮断状態とに制御されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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