JP2006034009A - フラットケーブルの固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フラットケーブルの保持角度を任意に調整でき、作業性を向上するとともに、固定部位を確実に保護することができるフラットケーブルの固定構造を提供する。
【解決手段】ケーブルクランプ10は、車体パネルに固定されるフック21が形成されたベース部11と、該ベース部11の一端部を支点12としてベース部11面に沿って回動可能なアーム部13とを備える。そして、アーム部13を回動させてフラットケーブルの折り返し角度に対応した所定角度に設定して、フラットケーブルの折り返し部用のケーブル固定部25を形成してから、フラットケーブルを折り返しながら折り返し部をケーブル固定部25内に保持させた状態で、フック21を車体パネルに固定する。
【選択図】 図1










Description

本発明は、例えば、FPC(即ち、Flexible Printed Circuit)、FFC(即ち、Flexible Flat Cable)、リボン電線、等といった可撓性を有するフラットケーブルの固定構造に関する。
従来、フラットケーブルの固定構造の一例として、フラットケーブルの保持具を用いて車体に固定する電線の固定構造が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
図3(a),(b)に示すように、特許文献1に開示されたフラットハーネス保持具30は、フラットハーネス40を横断可能な凸状円弧面31Aを備えた棒状の第1部材31と、凹状円弧面32Aを備えた棒状の第2部材32とを有する。フラットハーネス40の長手方向に対して所定の角度で交差する折り返し線41に沿って第1部材31を配置した後、フラットハーネス40を介して凸状円弧面31Aと凹状円弧面32Aとが対面するように、第2部材32が第1部材31に装着される。この際、第2部材32の両端面に対して鍔部33,33が係合する。この第1部材31と第2部材32との係合により、互いに長手方向に沿って移動することはない。
特開2000−276956号公報
ところが、上記特許文献1に記載のフラットハーネス保持具30では、その構造上、フラットハーネス40の折り返し角度の設定が困難であり、汎用性が低いという問題があった。
また、第1部材31と第2部材32との2つの部品を組み合わせることによって、フラットハーネス40における折り返し線41に沿った折り曲げ部42を保持するために作業性が悪いという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フラットケーブルの保持角度を任意に調整でき、作業性を向上するとともに、固定部位を確実に保護することができるフラットケーブルの固定構造を提供することにある。
1)本発明に係るフラットケーブルの固定構造は、フラットケーブルを所定角度に折り返した状態で車体パネルに沿って固定するフラットケーブルの固定構造であって、前記車体パネルに固定されるフックが形成されたベース部と、該ベース部の一端部を支点として前記ベース部面に沿って回動可能なアーム部と、を備えるケーブルクランプを用い、前記アーム部を回動させて前記フラットケーブルの折り返し角度に対応した所定角度に設定することで、前記フラットケーブルの折り返し部用のケーブル固定部を形成してから、前記フラットケーブルを折り返しながら前記折り返し部を前記ケーブル固定部内に保持させた状態で、前記フックを車体パネルに固定することを特徴としている。
前記1)記載のフラットケーブルの固定構造によれば、ベースと一対のアームから形成されており、このアームをベースの一端部に配置された支点を中心にしてベースに対して回動させ、フラットケーブルの所望の折り返し角度を形成してから該角度を固定する。フラットケーブルの折り返し部用のケーブル固定部を形成し、フラットケーブルを折り返しながら、その折り返し部をケーブル固定部内に保持させ、この状態で前記フックを車体パネルに固定する。
したがって、折り返し部をケーブル固定部内に保持させるだけで、フラットケーブルを所望の任意角度で容易に折り曲げることが可能になり、作業性の向上を図ることができる。
2)本発明に係るフラットケーブルの固定構造は、上記1)記載のフラットケーブルの固定構造であって、前記アーム部の角度設定が、前記アーム部裏面に設けられた突起部を、前記ベース部の対向した位置に設けられた溝部に係合、または前記アーム部裏面に設けられた溝部を前記ベース部の対向した位置に設けられた突起部に係合させることで行われることを特徴としている。
前記2)記載のフラットケーブルの固定構造によれば、アームの裏面に設けられた突起部をベース部の溝部に係合、またはアーム部の裏面に設けられた溝部をベース部の突起部に係合させることによって複数の設定角度に容易に設定できるため、フラットケーブルを種々の設定角度に折り曲げる作業性の向上を一層図ることができる。
3)本発明に係るフラットケーブルの固定構造は、上記1)記載のフラットケーブルの固定構造であって、前記アーム部が、前記ケーブルクランプの前記折り返し部を案内する案内部と、外側から保護するカバー部を備えていることを特徴としている。
前記3)記載のフラットケーブルの固定構造によれば、案内部によって折り返し部をケーブル固定部内に容易に保持させることができるため、さらに作業性の向上を図ることができると共に、保護カバーによって折り返し部を保護するため、フラットケーブルに衝撃が加わった場合でも、折り返し部が断線するようなことはない。
本発明のフラットケーブルの固定構造によれば、フラットケーブルの折り返し角度を容易に設定できるため、汎用性が向上する。
また、アームを任意角度に簡単に固定することができるため、作業性の向上を図ることができると共に、フラットケーブルの折り返し部を有効に保護でき保持力を向上させることができる。
以下、本発明に係るフラットケーブルの固定構造の好適な一実施形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。図1(a)は、本発明に係るフラットケーブルの固定構造を説明するケーブルクランプの平面図、図1(b)は、フラットケーブルの固定構造を説明するケーブルクランプの側面図である。図2(a)は、フラットケーブルの折り返し部の平面図、図2(b)は、ケーブルクランプへの取付後の平面図、図2(c)は、図2(b)の断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態であるフラットケーブルの固定構造に用いられるケーブルクランプ10は、ベース部11と、このベース部11の一端部に形成された支点12を中心としてベース部11の表面に沿って回動可能な一対のアーム部13とを備えている。また、アーム部13は、フラットケーブルの折り返し角度Φ0に対応した所定角度Φ1に設定してフラットケーブルの折り返し用ケーブル固定部25(図2(a)〜 (c)参照)を形成するようになっている。アーム部13の裏面には突起部13aが設けられており、ベース部11の表面には、溝部11aが設けられている。
溝部11aを結ぶ経路にはアーム部13の裏面の突起部13aが摺動することができる凹部15が形成されている。
また、アーム部13は、ケーブルクランプ10の折り返し部22(図2(a)参照)を案内する案内部16を備えている。案内部16は、アーム部13の表面から突出している案内斜面16aを備えている。アーム部13は、さらにケーブルクランプ10の折り返し部22が案内部16に案内された後、その折り返し部22を外部から保護するカバー部17を備えている。カバー部17は、固定部ベース18と、該固定部ベース18から垂設されている側壁19と、該側壁19から固定部ベース18に平行に延設された保護壁20とから形成されている(図2(c)参照)。ケーブル固定部25は、固定部ベース18、側壁19と保護壁20とで画定された断面コ字状の3方向に開口した空間であり、フラットケーブル14の折り返し部22を保持するようになっている。
なお、ベース部11の裏面には、ケーブルクランプ10にフラットケーブル14の折り返し部22を保持した後、車体パネルに固定されるフック21が形成されている。
次に、図1及び図2を参照してフラットケーブル14をケーブルクランプ10に固定する手順を説明する。
先ず、図1(a)に示すように、ケーブルクランプ10のアーム部13を、ベース部11の支点12を中心としてベース部11面に沿って回動させてフラットケーブル14の折り返し角度Φ0に対応した所定角度Φ1に設定する。その際、上述したように、アーム部13の裏面に形成された突起部13aが、凹部15上を摺動し、ベース部11の所定の溝部11aに係合することで所定角度Φ1に設定される。
次に、図2(a)に示すように、フラットケーブル14を適当なV字状に折り返して折り返し部22を形成する。このとき、厳密に折り返し角度Φ0を所定角度Φ1にする必要はない。
次に、図2(b)に示すように、フラットケーブル14の折り返し部22をケーブルクランプ10のケーブル固定部25内に図中上方から挿入させる。このとき、突出した案内部16上面に当接させて滑らすようにしてフラットケーブル14の折り返し部22をケーブル固定部25内に容易に案内することができる。そして、折り返し部22のフラットケーブル14内端縁14aが案内部16の案内斜面16aに線接触するように折り返し部22のV字状端部を伸縮することで、折り返し角度Φ0を調整でき、折り返し角度Φ0を所定角度Φ1、若しくは所定角度Φ1に近似した角度に修正できる。
また、2(c)に示すように、このときフラットケーブル14の折り返し部22は、カバー部17の保護壁20により外部から保護されている。
上述したように、本実施形態のフラットケーブルの固定構造によれば、ケーブルクランプ10は、ベース部11と一対のアーム部13から形成されており、このアーム部13をベース部11の一端部に配置された支点12を中心にしてベース部11に対して回動させ、フラットケーブル14の所望の折り返し角度Φ1を形成する。
そして、フラットケーブル14の折り返し部22用のケーブル固定部25を形成し、フラットケーブル14を折り返しながら、折り返し部22をケーブル固定部25内に保持させた状態で、フック21を車体パネルに固定する。従って、フラットケーブル14を任意角度Φ0で折り曲げることが可能になる。さらに、折り返し部22をケーブル固定部25内に保持させる作業のみで、フラットケーブル14の折り返し部22の固定作業が終わるため、作業性を著しく向上させることができる。
また、アーム部13の角度設定が、アーム部13裏面に設けられた突起部13aをベース部11の対向した位置に設けられた溝部11aに係合させることによって行われるので、複数の角度設定が容易になり、作業性を一層向上させることができる。
また、アーム部13が、ケーブルクランプ10の折り返し部22を案内する案内部16と、外側から保護するカバー部17を備えているので、フラットケーブル14をケーブル固定部25に案内することが容易になり、外部からの衝撃に対しては、折り返し部22を外部から確実に保護することができる。さらに、ケーブル固定部25によって折り返し部22が確実に保持される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。例えば、案内部及び固定部の形状寸法は、フラットケーブルに応じて変形されて設定される。それにより、フラットケーブルに対する汎用性を高めることができる。
また、フラットケーブルをケーブル固定部に保持する前にケーブルクランプの角度設定をする実施形態について説明したが、ケーブルクランプを車両に固定した後でも、アーム部の開閉角度を調整することは可能である。
また、フックは、図示した単一に限定されず、2個以上であってもよい。そうすれば、ケーブルクランプの車体パネルに対する位置決め、特に、方向決めを確実にすることができる。なお、2個のフックを設けずに、1個のフックと、突起とを設けて、車体パネルの2個の係合孔にフック及び突起をはめ込むようにしても良い。
(a)は、本発明に係るフラットケーブルの固定構造を説明するケーブルクランプの平面図、(b)は、フラットケーブルの固定構造を説明するケーブルクランプの側面図である。 (a)は、フラットケーブルの折り返し部の平面図、(b)は、フラットケーブルのケーブルクランプへの取り付け後の平面図、(c)は、図2(b)の断面図である。 (a)は、従来のフラットケーブルの固定構造の折り返し部の外観斜視図、(b)は、(a)の断面図である。
符号の説明
10 ケーブルクランプ
11 ベース部
11a 溝部
12 支点
13 アーム部
13a 突起部
14 フラットケーブル
15 凹部
16 案内部
16a 案内斜面
17 カバー部
18 固定部ベース
19 側壁
20 保護壁
21 フック
25 ケーブル固定部

Claims (3)

  1. フラットケーブルを所定角度に折り返した状態で車体パネルに沿って固定するフラットケーブルの固定構造であって、
    前記車体パネルに固定されるフックが形成されたベース部と、
    該ベース部の一端部を支点として前記ベース部面に沿って回動可能なアーム部と、を備えるケーブルクランプを用い、
    前記アーム部を回動させて前記フラットケーブルの折り返し角度に対応した所定角度に設定することで、前記フラットケーブルの折り返し部用のケーブル固定部を形成してから、
    前記フラットケーブルを折り返しながら前記折り返し部を前記ケーブル固定部内に保持させた状態で、前記フックを車体パネルに固定することを特徴とするフラットケーブルの固定構造。
  2. 前記アーム部の角度設定が、前記アーム部裏面に設けられた突起部を前記ベース部の対向した位置に設けられた溝部に係合、または前記アーム部裏面に設けられた溝部を前記ベース部の対向した位置に設けられた突起部に係合させることで行われることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブルの固定構造。
  3. 前記アーム部が、前記ケーブルクランプの前記折り返し部を案内する案内部と、外側から保護するカバー部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブルの固定構造。
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