以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[撮像装置の構成]
本実施形態における撮像装置を示すブロック図を図1に示す。
撮像装置10は、装置本体20、光学系30、赤外線透過フィルタ40、第1の受光素子42、第2の受光素子44、制御回路50、入出力装置80などから構成されている。
装置本体20は、外部からの光を遮光するために、遮光性を有する部材で形成されている。
また、装置本体20の外壁22には、外部からの光を入射光として撮像装置10の内部に入射させるための入射開口22aが形成されている。また、装置本体20の内部には、入射開口22aを介して外部から入射された入射光が導かれる入射経路が形成される。尚、図1においては、入射経路の光軸を符号Lで示す。
また、装置本体20の内部には、入射開口22aから入射された入射光を遮光するための遮光壁24及び26が形成されている。
遮光壁24は、入射経路の光軸Lに対して垂直に形成されている。また、この遮光壁24には、開口24aが形成されている。この開口24aは、後述する第1の受光素子42に被写体光を入射させるための開口である。尚、この開口24aを形成することによって、第1の受光素子42に第1の被写体光を写像させることとなり、その光の経路を第1の光学経路と称する。つまり、装置本体20には、赤外線透過フィルタ40を有し、入射開口22aから入射された入射光を第1の受光素子42へと導く第1の光学経路が形成されている。尚、図1においては、第1の光学経路の光軸を符号L1で示す。
また、遮光壁26は、後述する分散プリズム34によって分散される入射光の光軸に対して垂直に形成されている。また、遮光壁26には、開口26aが形成されている。この開口26aは、後述する第2の受光素子44に被写体光を入射させるための開口である。尚、この開口26aを形成することによって、第2の受光素子44に第2の被写体光を写像させることとなり、その光の経路を第2の光学経路と称する。つまり、装置本体20には、赤外線透過フィルタ40を有することなく、入射開口22aから入射された入射光を第2の受光素子44へと導く、第1の光学経路とは別の第2の光学経路が形成されている。尚、図1においては、第2の光学経路の光軸を符号L2で示す。
光学系30は、光を屈折などさせることによって、外部から入射開口22aを介して入射する入射光を平行光として入射させ、被写体の像を生じさせるための平行光(被写体光)を生成させるためのものである。本実施形態においては、光学系30は、凸レンズ32、36及び38、分散プリズム34などの組合せから構成されている。また、この光学系30は、被写体側から、凸レンズ32、分散プリズム34、凸レンズ36という順に配設されている。また、分散プリズム34の下方には、凸レンズ38が配設されている。
凸レンズ32は、入射開口22aの後方に配設されている。言い換えると、凸レンズ32は、入射経路の光軸L上に配設されている。凸レンズ32は、入射開口22aから入射された入射光を屈折させるためのものである。
また、分散プリズム34は、入射開口22aから入射された入射光を、上述した第1の光学経路と、第2の光学経路とに分散させるための分散光学系の一例である。つまり、光学系30は、光学系30によって入射させる被写体光を少なくとも第1の光学経路と第2の光学経路とに分散させる分散光学系を含んでいる。尚、分散光学系は、一又は複数の光学系から構成されればよい。
また、凸レンズ36は、上述した第1の光学経路に配設されている。この凸レンズ36は、分散プリズム34によって第1の光学経路に分散された第1の被写体光を屈折させ、後述する第1の受光素子42に被写体像を写すためのものである。
一方、凸レンズ38は、上述した第2の光学経路に配設されている。この凸レンズ36は、分散プリズム34によって第2の光学経路に分散された第2の被写体光を屈折させ、後述する第2の受光素子44に被写体像を写すためのものである。
尚、本実施形態においては、凸レンズ32、36及び38を用いたが、これに限らず、例えば、凹レンズなどを用いてもよい。また、被写体光を少なくとも2方向に分散させるために分散プリズム34を用いたが、これに限らず、分散させる機能を有する光学系(分散光学系)であれば別の態様であってもよい。また、分散光学系は、その分散させる方向が、水平方向と、垂直方向とに限らず、少なくとも2方向に分散させるものであればよい。また、光学系の位置を調節する調節機構を備えてもよい。更には、被写体との距離を測定(測光)する測距部を備えてもよい。
上述した開口24aの後方(被写体方向とは逆の方向)には、赤外線透過フィルタ40が配設されている。この赤外線透過フィルタ40は、赤外線以外の光を遮光し、赤外線のみを透過させるフィルタである。これによって、第1の光学経路を通過する被写体光は、赤外線のみを含む光(以降、「第1種の被写体光」と称する)となる。つまり、赤外線透過フィルタ40は、所定の周波数帯域の光を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光を透過させない(遮蔽する)若しくは減衰させる。
一方、上述した開口26aの下方には、赤外線透過フィルタ40のようなフィルタが配設されていない。これによって、第2の光学経路を通過する被写体光は、赤外線、可視光を含む光(以降、「第2種の被写体光」と称する)となる。
また、第1の光学経路には、第1の受光素子42が配設されている。第1の受光素子42は、受光素子がマトリクス状に配設されたものである。この第1の受光素子42は、赤外線透過フィルタ40を介して、赤外線を含む第1種の被写体光を受光することとなる。また、第1の受光素子42は、受光した被写体光の光量に基づく信号を、後述するインターフェイス回路(以降、「I/F」と称する)62に供給する。尚、このように赤外線のみを含んだ被写体光の受光量に基づく信号を第1種の検出信号と称する。つまり、第1の受光素子42は、光学系30によって入射された被写体光を、赤外線透過フィルタ40を介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する機能を有する。言い換えると、第1の受光素子42は、分散プリズム34などの分散光学系によって第1の光学経路に分散させた被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する。
一方、第2の光学経路には、第2の受光素子44が配設されている。第2の受光素子44は、受光素子がマトリクス状に配設されたものである。この第2の受光素子44は、赤外線透過フィルタ40を介さずに、可視光線、赤外線を含む第2種の被写体光を受光することとなる。また、第2の受光素子44は、受光した被写体光の光量に基づく信号を、後述するインターフェイス回路(以降、「I/F」と称する)64に供給する。尚、このように可視光線、赤外線を含んだ被写体光の受光量に基づく信号を第2種の検出信号と称する。つまり、第2の受光素子44は、分散プリズム34などの分散光学系によって第2の光学経路に分散させた被写体光を、赤外線透過フィルタ40を介さずに第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力する。
制御回路50は、制御部52、各種のインターフェイスなどから構成されている。
制御部52は、撮像装置10を制御するCPU(図示せず)、CPUにより撮像装置10の動作を制御するためのプログラムが記憶されたROM(図示せず)、CPUの一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶するメモリ(図示せず)などから構成されている。
制御部52は、I/F62から第1種の検出信号に対応する第1種の画像データを受け取る。また、制御部52は、I/F64から第2種の検出信号に対応する第2種の画像データを受け取る。
また、制御部52は、画像データを合成する画像合成部54と、画像データを記憶する画像記憶部56を有している。
画像合成部54は、後述するステップS103(図6参照)を実行することによって実現されるものであり、上述した第1種の画像データと第2種の画像データとを合成画像データとして合成する機能を有する。つまり、画像合成部54は、第1の受光素子42によって出力された第1種の検出信号と、第2の受光素子44によって出力された第2種の検出信号とに基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像と、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像とを合成被写体画像として合成する。
また、画像記憶部56は、後述するステップS101からステップS103(図6参照)を実行することによって実現されるものであり、第1種の画像データと、第2種の画像データと、合成画像データとを記憶する機能を有する。つまり、画像記憶部56は、第1の受光素子42によって出力された第1種の検出信号に基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像を記憶する。また、画像記憶部56は、第2の受光素子44によって出力された第2種の検出信号に基づいて、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像を記憶する。また、画像記憶部56は、画像合成手段54によって合成された合成被写体画像を記憶する。
更には、制御部52は、第1種の画像データを信号変換回路74に供給する。制御部52は、第2種の画像データを信号変換回路76に供給する。制御部52は、合成画像データを信号変換回路78に供給する。これによって、コネクタ84、86及び88から各種の画像信号が出力される。
更には、制御部52は、操作パネル90から供給される操作信号を受け取り、各種の処理を実行することとなる。
更には、制御部52は、操作パネル90の操作に応じて、第1種の画像データ、第2種の画像データ、合成画像データのいずれかを、LCDドライバ72に供給する。これによって、液晶表示装置(以降、「LCD」と称する)82に各種の画像が表示される。
また、上述した各種のインターフェイスには、I/F62及び64、LCDドライバ72、信号変換回路74、76及び78が含まれる。
I/F62は、第1の受光素子42から供給される第1種の検出信号に応じて、その第1種の検出信号に対応する第1種の画像データを制御部52に供給する。
I/F64は、第2の受光素子44から供給される第2種の検出信号に応じて、その第2種の検出信号に対応する第2種の画像データを制御部52に供給する。
LCDドライバ72は、制御部52から供給される画像データに応じて、LCD82に画像信号を供給する。これによって、LCDドライバ72は、LCD82に画像を表示させる。
信号変換回路74、76及び78は、制御部52から供給される画像データに応じて、それぞれ、コネクタ84、86及び88に供給する。上述したように、信号変換回路74は、制御部52から赤外線透過フィルタ40を介した第1種の画像データを受け取り、コネクタ84から第1種の画像データに対応する第1種の画像信号を外部装置に供給させることとなる。また、信号変換回路76は、制御部52から赤外線透過フィルタ40を介さない第2種の画像データを受け取り、コネクタ84から第2種の画像データに対応する第2種の画像信号を外部装置に供給させることとなる。更には、信号変換回路78は、制御部52から合成画像データを受け取り、コネクタ88から合成画像データに対応する合成画像信号を外部装置に供給させることとなる。
入出力装置80は、LCD82、3種類のコネクタ84、86及び88、操作パネル90などから構成される。
LCD82は、画像を表示するための表示領域82a(図2参照)を有する。また、LCD82は、後述する操作パネル90の操作に応じて設定された表示モードに対応する画像を表示する。詳しくは後述するが、LCD82は、赤外線透過フィルタ40を介した画像、赤外線透過フィルタ40を介さない画像、赤外線透過フィルタ40を介した画像と赤外線透過フィルタ40を介さない画像とを合成した合成画像のいずれかを表示する。
コネクタ84、86及び88は、複数種類の画像信号を、外部の表示装置、コンピュータなど、外部装置(図示せず)に供給するためのものである。コネクタ84は、赤外線透過フィルタ40を介した画像に対応する第1種の画像信号を外部装置に供給するためのものである。コネクタ86は、赤外線透過フィルタ40を介さない画像に対応する第2種の画像信号を外部装置に供給するためのものである。コネクタ88は、赤外線透過フィルタ40を介した画像と、赤外線透過フィルタ40を介さない画像とを合成した合成画像に対応する合成画像信号を外部装置に供給するためのものである。
操作パネル90は、ユーザによって操作可能なものである。この操作パネル90の操作に応じて、上述する制御部52が各種の処理を実行することとなる。
[撮像装置の表示画面]
このように構成された撮像装置10におけるLCD82に表示される画面について図2から図5を用いて説明する。
[設定画面]
撮像画面の表示設定、撮像画面について図2から図5、図19から図21を用いて説明する。
LCD82における表示領域82aには、3つの表示モード選択用の画像が表示される。具体的には、図2に示すように、可視光線モード選択用画像102、赤外線モード選択用画像104、合成モード選択用画像106が表示領域82aに表示される。そして、操作パネル90の操作に応じて、表示モードが選択される。具体的には、図2に示すように、合成モード選択用画像106が選択される。尚、このように選択されたモードは、制御部52に一時的に記憶される。
[撮像画面]
上述したような設定方法によって、可視光線モードが選択された場合には、図3に示すように、通常のカメラのように可視光線による可視光線画像が撮像され、表示される。また、赤外線モードが選択された場合には、図4に示すように、赤外線カメラのように赤外線による赤外線画像が撮像され、表示される。更には、合成モードが選択された場合には、図5に示すように、可視光線画像と赤外線画像とを合成した合成画像が撮像され、表示される。
図3においては、ボイラーの外径が僅かながら認識できる。また、図4においては、ボイラーの放熱状態が把握できるが、ボイラーのどの部分が放熱状態が激しいなど、詳細までは認識不可能である。一方、図5においては、ボイラーのどの部分が放熱状態の激しい箇所かなど、全体の位置関係と放熱状態とが詳しく認識することができる。
このように、可視光線画像と赤外線画像とを合成した合成画像が撮像され、表示されることによって、所定の周波数帯域の光を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光を透過させない若しくは減衰させるフィルタを備え、フィルタを介した第1種の被写体光と、フィルタを介さない第2種の被写体光とを受光することによって、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像と、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像とを合成した合成被写体画像を撮像するので、所定の周波数帯域の光に基づく画像だけでなく、それ以外の周波数帯域の光に基づく画像と合成させて撮像することができ、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。特に、不慮な条件が成立したときであっても、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。
具体的には、赤外線による第1種の画像のみでは全体における位置関係が把握できず、可視光線による第2種の画像のみでは、輝度が低く、詳細な画像まで認識ができない場合がある。このような不慮な条件が重なった場合には、本発明が効果的である。例えば、赤外線を反射、放射するようなものを輝度の低い場所で撮影する場合などにおいては、赤外線による第1種の画像と、可視光線による第2種の画像とが合成されることによって、暗い場所でも赤外線を反射、放射する者(例えば、熱、人)などは明確な画像として撮像でき、効果的である。また、例えば、赤外線による第1種の画像のみでは、輪郭など位置関係が明確でないため、可視光線による第2種の画像を合成することによって、その位置関係が明確となる。
また、上述したような撮像装置は、図19から図21に示すような用途にも用いることができる。
図19においては、暗闇にいる人が僅かながら認識可能である。また、図20においては、赤外線によって、人が認識可能であるが、どの位置にいるのかが認識不可能である。一方、図21においては、人がどの位置にいるかが認識可能であるとともに、その人が浮き出るように撮像されるため、人の顔まで明瞭に認識可能となる。
[撮像装置の動作]
このように構成された撮像装置10において実行される処理について図6を用いて説明する。尚、以下の処理は、所定のタイミング(例えば、電源がオンされている状態において所定の周期)で制御部52によって実行される。
最初に、第1種の検出信号に基づいて、赤外線画像データを生成する(ステップS101)。第1の受光素子42は、赤外線透過フィルタ40を介して、第1種の被写体光を受光する。そして、第1の受光素子42は、受光した第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を、I/F62に供給する。制御部52は、第1の受光素子42からの第1種の検出信号に対応する第1種の画像データをI/F62から受け取る。そして、制御部52は、第1種の画像データを画像記憶部56に記憶させる。つまり、画像記憶部56は、第1の受光素子42によって出力された第1種の検出信号に基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像を記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、第2種の検出信号に基づいて、可視光線画像データを生成する。第2の受光素子44は、赤外線透過フィルタ40を介さずに、第2種の被写体光を受光する。そして、第2の受光素子44は、受光した第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を、I/F64に供給する。制御部52は、第2の受光素子44からの第2種の検出信号に対応する第2種の画像データをI/F64から受け取る。そして、制御部52は、第2種の画像データを画像記憶部56に記憶する。つまり、画像記憶部56は、第2の受光素子44によって出力された第2種の検出信号に基づいて、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像を記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS103に処理を移す。
ステップS103において、赤外線画像データと可視光線画像データとを合成し、合成画像データを生成する。制御部52は、ステップS101によって画像記憶部56に記憶された第1種の画像データ(赤外線画像データ)と、ステップS102によって画像記憶部56に記憶された第2種の画像データ(可視光線画像データ)とを読み出す。そして、制御部52は、赤外線画像データと可視光線画像データとに基づく合成画像データを、画像合成部54に対して生成させ、画像記憶部56に記憶させる。
つまり、画像合成部54は、第1の受光素子42によって出力された第1種の検出信号と、第2の受光素子44によって出力された第2種の検出信号とに基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像と、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像とを、合成被写体画像として合成する。また、画像記憶部56は、画像合成手段54によって合成された合成被写体画像を記憶する。
これによって、所定の周波数帯域の光に基づく画像だけでなく、それ以外の周波数帯域の光に基づく画像と合成させて撮像することができ、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。特に、不慮な条件が成立したときであっても、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。また、無駄なコマがなく、動画像であっても、静止画像であっても撮像することができ、簡便である。この処理が終了した場合には、ステップS104に処理を移す。
そして、制御部52は、モードの設定をモニタし、可視光線モードであるか否か、赤外線モードであるか否かを判定する(ステップS104、ステップS106)。制御部52は、赤外線モードであると判定した場合には、ステップS105に処理を移し、可視光線モードであると判定した場合には、ステップS107に処理を移し、それ以外のモード(合成画像モード)であると判定した場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS105において、制御部52は、第2種の検出信号に基づく可視光線画像をLCD82に表示させる。この処理において、制御部52は、ステップS101によって画像記憶部56に記憶された赤外線画像データを読み出す。そして、LCDドライバ72にその赤外線画像データを供給することによって、LCD82に赤外線画像データに対応する赤外線画像を表示させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS107において、制御部52は、第1種の検出信号に基づく赤外線画像をLCD82に表示させる。この処理において、制御部52は、ステップS102によって画像記憶部56に記憶された可視光線画像データを読み出す。そして、LCDドライバ72にその可視光線画像データを供給することによって、LCD82に可視光線データに対応する可視光線画像を表示させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS108において、制御部52は、第1種の検出信号と第2種の検出信号とに基づく合成画像をLCD82に表示させる。この処理において、制御部52は、ステップS103によって画像記憶部56に記憶された合成画像データを読み出す。そして、LCDドライバ72にその合成画像データを供給することによって、LCD82に合成画像データに対応する合成画像を表示させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、所定の周波数帯域の光を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光を透過させない若しくは減衰させるフィルタを備え、フィルタを介した第1種の被写体光と、フィルタを介さない第2種の被写体光とを受光することによって、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像と、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像とを合成した合成被写体画像を撮像するので、所定の周波数帯域の光に基づく画像だけでなく、それ以外の周波数帯域の光に基づく画像と合成させて撮像することができ、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。特に、不慮な条件が成立したときであっても、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。
以上のように説明した実施形態の撮像装置10は、以下のような構成を備える撮像装置であることを特徴とする。
外部からの光を入射光として入射させるための入射開口(例えば、入射開口22aなど)が形成された本体部(例えば、装置本体20など)と、前記入射開口から入射された入射光を被写体光として入射させる入射光学系(例えば、光学系30など)と、所定の周波数帯域(例えば、赤外線に対応する周波数帯域など)の光を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光を透過させない若しくは減衰させるフィルタ(例えば、赤外線透過フィルタ40など)と、前記入射光学系によって入射された被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する第1の受光素子(例えば、第1の受光素子など)と、前記第1の受光素子によって出力された第1種の検出信号に基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像を記憶する画像記憶部(例えば、画像記憶部56など)とを備え、前記本体部には、前記フィルタを有し、前記入射開口から入射された入射光を前記第1の受光素子へと導く第1の光学経路が形成された撮像装置(例えば、撮像装置10など)であって、前記本体部には、前記第1の光学経路とは別の第2の光学経路が形成され、前記入射光学系は、当該入射光学系によって入射させる被写体光を少なくとも前記第1の光学経路と前記第2の光学経路とに分散させる分散光学系(例えば、分散プリズム34など)を含み、前記第1の受光素子は、前記分散光学系によって前記第1の光学経路に分散させた被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する機能を有し、
前記分散光学系によって前記第2の光学経路に分散させた被写体光を、前記フィルタを介さずに第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力する第2の受光素子(例えば、第2の受光素子44など)と、前記第1の受光素子によって出力された前記第1種の検出信号と、前記第2の受光素子によって出力された前記第2種の検出信号とに基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像と、第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像とを、合成被写体画像として合成する画像合成部(例えば、画像合成部54など)とを備え、前記画像記憶部は、前記画像合成手段によって合成された前記合成被写体画像を記憶する機能を有することを特徴とする撮像装置。
これによって、所定の周波数帯域の光に基づく画像だけでなく、それ以外の周波数帯域の光に基づく画像と合成させて撮像することができ、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。特に、不慮な条件が成立したときであっても、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。また、無駄なコマがなく、動画像であっても、静止画像であっても撮像することができ、簡便である。
また、装置本体に形成された一つの入射開口から入射する入射光から、赤外線透過フィルタ40を介した第1種の画像と、赤外線透過フィルタ40を介さない第2種の画像とを合成画像として合成することによって、例えば、レンズの交換、追加、除去など、光学系の交換を行った場合であっても、一つの入射開口に対して行えばよく、複数系統の交換を行う必要がなく、これに加えて、第1の画像と第2の画像との調整を行う必要もない。また、例えば、光学系の焦点調整を行う必要もない。更には、例えば、複数の入射開口から入射する入射光から、第1種の画像と第2種の画像とを合成画像として合成する場合においては、それら複数の入射開口の配置などを再設定する必要がなく、煩雑な作業を行うことなく、第1種の画像と第2種の画像とを合成画像として合成することができるとともに、携帯性に優れた撮像装置を提供することができる。
尚、上述した実施形態における構成に対して、図7に示すように、プリント装置92を備え、装置本体20内部に装填されたフイルムなどのプリント媒体に合成画像などを印刷可能な構成としてもよい。また、図7に示すように、被写体に対して赤外線などを照射する照射装置94を備えるように構成してもよい。
また、上述した実施形態において、LCDドライバ72、信号変換回路74、76及び78、LCD82、コネクタ84、86及び88、操作パネル90などを備えるように構成したが、これに限らず、例えば、LCDドライバ72、LCD82を備えない構成であってもよい。また、操作パネル90を備えない構成であってもよい。更には、信号変換回路74、76及び78、コネクタ84、86及び88を備えない構成であってもよい。もちろん、操作パネル90のように、タッチパネル操作ではなくとも、ボタン操作などが行われるものであってもよい。
[第2の実施形態]
また、第2の実施形態について図面に基づいて説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成、処理については説明を省略する。
[撮像装置の構成]
本実施形態における撮像装置を示すブロック図を図8に示す。
撮像装置110は、図8に示すように、装置本体20、光学系130、赤外線透過フィルタ40、第1の受光素子42、第2の受光素子44、制御回路150、入出力装置80などから構成されている。
光学系130は、上述した実施形態における分散プリズム34を用いることなく、反射ミラー46が含まれている。
この反射ミラー46は、後述するモータ57によって回動可能である。反射ミラー46は、第1の位置(図8の実線)で停止している場合には、入射開口22aから入射された入射光が第1の光学経路に導かれる。一方、反射ミラー46は、第2の位置(図8の点線)で停止している場合には、入射開口22aから入射された入射光が第2の光学経路に導かれる。つまり、反射ミラー46は、光学系130によって入射させる被写体光を所定の方向に反射させる反射光学系の一例である。尚、反射光学系は、一又は複数の光学系から構成されればよい。
また、撮像装置110は、モータ57を備えている。このモータ57は、後述するモータ制御部58から供給される駆動信号に応じて、反射ミラー46を回動させる。つまり、モータ57は、反射ミラー46を駆動させる。
制御回路150は、モータ制御部58を備えている。モータ制御部58は、制御部152から供給されるデータに応じて、モータ57の駆動制御を行う。つまり、モータ制御部58は、モータ57による反射ミラー46の駆動を制御する。
具体的には、モータ制御部58は、制御部152から供給されるデータに応じて、モータ57に対して、反射ミラー46を第1の位置と第2の位置との間で所定の周期で駆動させることによって、反射ミラー46を第1の位置に駆動させた場合には、入射開口22aから入射された入射光を第1の光学経路に導き、反射ミラー46を第2の位置に駆動させた場合には、入射開口22aから入射された入射光を前記第2の光学経路に導くこととなる。
また、モータ制御部58は、モータ57(反射ミラー46)の駆動に応じて、制御部52に対して、反射ミラー46の位置を示す位置データを供給する。これによって、制御部52は、反射ミラー46の位置を認識可能となる。つまり、制御部52、モータ制御部58は、反射ミラー46の位置を検出する機能を有する。
これによって、第1の受光素子42は、モータ制御部58によって反射ミラー46が第1の位置に駆動された場合には、第1の光学経路に導かれた被写体光を、赤外線透過フィルタ40を介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力することとなる。
また、第2の受光素子44は、モータ制御部58によって反射ミラー46が第2の位置に駆動された場合には、第2の光学経路に導かれた被写体光を、赤外線透過フィルタ40を介さずに第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力することとなる。
また、制御部152は、画像データを記憶する画像記憶部56と、画像データを擬似的に合成させるように再生させる擬似合成被写体動画像再生部59とを有している。
画像記憶部56は、後述するステップS101及びステップS102(図12参照)を実行することによって実現されるものであり、第1の受光素子42によって出力された第1種の検出信号に基づく第1種の被写体画像と、第2の受光素子44によって出力された第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像とを記憶する。
また、擬似合成被写体動画像再生部59は、上述したように、画像記憶部56によって記憶された第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とを所定数のコマ毎に切り替えて再生することによって、第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とに基づく擬似合成被写体動画像を再生することとなる。
具体的には、図9を用いて説明する。
図9(A)に示すタイミングチャートは、第1種の検出信号を示すものである。図9(B)に示すタイミングチャートは、第2種の検出信号を示すものである。図9(C)に示すタイミングチャートは、モータ制御部58から供給される反射ミラー46の位置データであり、上述した各検出信号が有効であるか無効であるかの切替を示すデータとなる。
図9(C)に示すように、反射ミラー46の位置データに応じて、第1種の検出信号と第2種の検出信号とのいずれか有効であるか否かが判定可能となる。
具体的には、T0からT1の間は、第1種の検出信号が有効である旨の位置データであるため、第1種の検出信号に基づく第1種の被写体画像を表示させる。そして、T1となった場合には、第2種の検出信号が有効である旨の位置データであるため、第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像を表示させる。そして、T1からT2の間は、第2種の検出信号が有効である旨の位置データであるため、第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像を表示させる。
同じように、T2からT3の間、T4からT5の間は、第1種の検出信号が有効である旨の位置データであるため、第1種の検出信号に基づく第1種の被写体画像を表示させ、T3からT4の間、T5からT6の間は、第2種の検出信号が有効である旨の位置データであるため、第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像を表示させる。
このように、第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とを所定数のコマ毎に切り替えて再生することによって、第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とに基づく擬似合成被写体動画像が再生されることとなる。尚、本実施形態においては、所定数のコマとは、標準的な画像表示の単位コマ数(具体的には、1/30s)とするが、これに限らない。もちろん、より細かくすることによって、より良質な合成動画像が擬似的に生成される。
尚、本実施形態においては、モータ制御部58などとの間におけるデータに応じて切替タイミングを検出するように構成したが、これに限らず、例えば、反射ミラー46の駆動位置を検出するセンサを有し、そのセンサから切替タイミングを検出する構成や、第1の受光素子42から供給された第1種の被写体画像や、第2の受光素子44から供給された第2種の被写体画像の画像データを解析して、切替タイミングを検出する構成など、様々な構成が該当する。
[撮像装置の動作]
このように構成された撮像装置110において実行される処理について図10から図12を用いて説明する。
[割込み処理1]
図10に示す割込み処理1は、所定のタイミング(例えば、電源がオンされたタイミングなど)で制御部152によって実行される。
本処理において、図10に示すように、反射ミラー駆動開始処理を実行する(ステップS111)。制御部152は、モータ制御部58に対して、反射ミラー46が第1の位置と第2の位置との間で駆動させるためのデータを供給する。そして、モータ制御部58は、そのデータを受け取ると、モータ57に対して反射ミラー46を第1の位置から第2の位置に駆動させるためのデータや、第2の位置から第1の位置に駆動させるためのデータを供給する。これによって、制御部152、モータ制御部58は、モータ57に対して、反射ミラー46を第1の位置と第2の位置との間で所定の周期で駆動させることによって、反射ミラー46を第1の位置に駆動させた場合には、入射開口22aから入射された入射光を第1の光学経路に導き、反射ミラー46を第2の位置に駆動させた場合には、入射開口22aから入射された入射光を前記第2の光学経路に導くこととなる。
また、モータ制御部58は、モータ57(反射ミラー46)の駆動に応じて、制御部52に対して、反射ミラー46の位置を示す位置データを供給する。これによって、制御部52は、反射ミラー46の位置を認識可能となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[割込み処理2]
一方、図11に示す割込み処理2は、所定のタイミング(例えば、電源がオフされたタイミングなど)で制御部152によって実行される。
本処理において、図11に示すように、反射ミラー駆動停止処理を実行する(ステップS121)。制御部152は、モータ制御部58に対して、反射ミラー46の駆動を停止させるためのデータを供給する。そして、モータ制御部58は、そのデータを受け取ると、モータ57に対して反射ミラー46を停止させるためのデータを供給する。これによって、反射ミラー46が駆動することなく、所定の位置で停止することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[撮像処理]
図12に示す撮像処理は、所定のタイミング(例えば、電源がオンされている状態において所定の周期など)で制御部152によって実行される。
図12に示すように、ステップS102が終了した場合には、ステップS104に処理を移す。
一方、制御部152は、モードの設定をモニタし、可視光線モードであるか否か、赤外線モードであるか否かを判定する(ステップS104、ステップS106)。制御部52は、赤外線モード、可視光線モード以外のモード(合成画像モード)であると判定した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109において、制御部152は、可視光線画像と赤外線画像とを所定数のコマ毎に切り替えて表示させる制御を行う。制御部152は、モータ制御部58からの反射ミラー46の位置データに応じて、可視光線画像、赤外線画像のいずれかを表示させるか否かを判定する。そして、制御部152は、可視光線画像を表示させると判定した場合には、ステップS102において画像記憶部56に記憶された可視光線画像データを読み出す。一方、制御部152は、赤外線画像を表示させると判定した場合には、ステップS101において画像記憶部56に記憶された赤外線画像データを読み出す。このように、制御部152は、読み出した画像データを、LCDドライバ72に供給することによって、可視光線画像、赤外線画像をLCD82に表示させる。また、モータ制御部58からの反射ミラー46の位置データは、所定数コマ(例えば、1/30sなど)毎に切り替わるため、可視光線画像、赤外線画像を所定数コマ毎に切り替えて再生することによって、可視光線画像と赤外線画像とに基づく擬似合成被写体動画像を再生することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上のように説明した実施形態の撮像装置110は、以下のような構成を備える撮像装置であることを特徴とする。
外部からの光を入射光として入射させるための入射開口(例えば、入射開口22aなど)が形成された本体部(例えば、装置本体20など)と、前記入射開口から入射された入射光を被写体光として入射させる入射光学系(例えば、光学系130など)と、所定の周波数帯域の光(例えば、赤外線など)を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光(例えば、可視光線など)を透過させない若しくは減衰させるフィルタ(例えば、赤外線透過フィルタ40など)と、前記入射光学系によって入射された被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する第1の受光素子(例えば、第1の受光素子42など)と、前記第1の受光素子によって出力された第1種の検出信号に基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像を記憶する画像記憶部(例えば、画像記憶部56など)とを備え、前記本体部には、前記フィルタを有し、前記入射開口から入射された入射光を前記第1の受光素子へと導く第1の光学経路が形成された撮像装置(例えば、撮像装置110など)であって、前記入射光学系は、当該入射光学系によって入射させる被写体光を所定の方向に反射させる反射光学系(例えば、反射ミラー46など)を含み、前記本体部には、前記第1の光学経路とは別の第2の光学経路が形成され、前記反射光学系を駆動させる駆動機構(例えば、モータ57など)と、前記駆動機構による前記反射光学系の駆動を制御する駆動制御部(例えば、モータ制御部58など)とを備え、前記駆動制御部は、前記駆動機構に対して、前記反射光学系を第1の位置と第2の位置との間で所定の周期で駆動させるとともに、前記反射光学系を前記第1の位置に駆動させた場合には、前記入射開口から入射された入射光を前記第1の光学経路に導き、前記反射光学系を前記第2の位置に駆動させた場合には、前記入射開口から入射された入射光を前記第2の光学経路に導く機能を有し、前記第1の受光素子は、前記駆動制御部によって前記反射光学系が前記第1の位置に駆動された場合には、前記第1の光学経路に導かれた被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する機能を有し、前記駆動制御部によって前記反射光学系が前記第2の位置に駆動された場合には、前記第2の光学経路に導かれた被写体光を、前記フィルタを介さずに第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力する第2の受光素子(例えば、第2の受光素子44など)を備え、前記画像記憶部は、前記第1の受光素子によって出力された第1種の検出信号に基づく第1種の被写体画像と、前記第2の受光素子によって出力された第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像とを記憶する機能を有し、前記画像記憶部によって記憶された第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とを所定数のコマ毎に切り替えて再生することによって、前記第1種の被写体画像と前記第2種の被写体画像とに基づく擬似合成被写体動画像を再生する擬似合成被写体動画像再生部(例えば、擬似合成被写体動画像再生部59など)を備えたことを特徴とする撮像装置。
これによって、所定の周波数帯域の光に基づく画像だけでなく、それ以外の周波数帯域の光に基づく画像と合成させて撮像することができ、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。特に、不慮な条件が成立したときであっても、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。また、動画像のみが撮像可能であるが、被写体光を反射させるので、受光量の減退が少なく、より鮮明に画像を撮像することができる。
[第3の実施形態]
また、第3の実施形態について図面に基づいて説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成、処理については説明を省略する。
[撮像装置の構成]
本実施形態における撮像装置を示すブロック図を図13に示す。
撮像装置210は、図13に示すように、装置本体220、光学系230、赤外線透過フィルタ41、受光素子43、制御回路250、入出力装置80などから構成されている。
装置本体220は、上述した実施形態とは異なり、第2の光学経路が形成されていない。また、入射経路の光軸L0と第1の光学経路の光軸L1とが直行する。また、光学計230は、凸レンズ32、36などで構成されている。更には、制御回路250には、I/F64が配設されていない。
光学経路L1の延長線上には、受光素子43のみが配設されている。この受光素子43は、タイミングに応じて、赤外線透過フィルタ41における赤外線透過領域41aを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する場合があり、赤外線透過フィルタ41における赤外線透過領域41aを介さず、透過領域41bを介して第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力する場合もある。
モータ57は、赤外線透過フィルタ41を回動させる機能を有する。つまり、モータ57は、赤外線透過フィルタ41を駆動させる機能を有する。更には、モータ制御部58は、モータ57による赤外線透過フィルタ41の駆動を制御する機能を有する。
また、赤外線透過フィルタ41は、詳しくは後述するが、回動可能に配設されており、その回動に応じて、第1種の被写体光、第2種の被写体光のいずれかを受光素子43に入射させることとなる。
[赤外線透過フィルタの構成]
赤外線透過フィルタ41の構成について図14を用いて説明する。
赤外線透過フィルタ41は、図14に示すように、円盤形状である。赤外線透過フィルタ41は、赤外線のみを透過する赤外線透過領域41aと、可視光線、赤外線など各種の光を透過する透過領域41bとで構成されている。また、赤外線透過フィルタ41は、上述したモータ57によって、光軸L1に対して垂直な方向(矢印Aに示す方向)に回動可能となる。
また、この赤外線透過フィルタ41は、開口24aの背面に配設されている。このため、光軸L1は、赤外線透過フィルタ41を介して、上述した受光素子43に向かう。特に、光軸L1は、赤外線透過フィルタ41の中心を通過せずに、中心より外れた箇所を通過することとなる。この光軸L1が通過する箇所は、赤外線透過フィルタ41の回動に応じて、赤外線透過領域41a、透過領域41bのいずれかとなる。このため、所定の周期で赤外線透過フィルタ41を回動させることによって、第1種の被写体光、第2種の被写体光のいずれかが切り替わるように受光素子43に入射されることとなる。
具体的には、図15を用いて説明する。
図15(A)に示すタイミングチャートは、第1種の検出信号、第2種の検出信号を示すものである。図15(B)に示すタイミングチャートは、モータ制御部58から供給される赤外線透過フィルタ41の位置データであり、上述した各検出信号が有効であるか無効であるかの切替を示すデータとなる。
図15(B)に示すように、赤外線透過フィルタ41の位置データに応じて、第1種の検出信号と第2種の検出信号とのいずれか有効であるか否かが判定可能となる。
具体的には、T0からT1の間、T2からT3の間、T4からT5の間は、受光素子43から出力される信号は第1種の第1種の検出信号となり、T1からT2の間、T3からT4の間、T5からT6の間は、受光素子43から出力される信号は第2種の検出信号となる。
このように、第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とを所定数のコマ毎に切り替えて出力され、記憶することによって、第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とに基づく擬似合成被写体動画像が再生されることとなる。尚、本実施形態においては、所定数のコマとは、標準的な画像表示の単位コマ数(具体的には、1/30s)とするが、これに限らない。もちろん、より細かくすることによって、より良質な合成動画像が擬似的に生成される。尚、本実施形態においては、赤外線透過フィルタ41の位置データを受け取ることによって、制御部53は、正常に赤外線透過フィルタ41が駆動しているか否かをモニタするが、赤外線透過フィルタ41の位置データを受け取らなくても問題ない。
[撮像装置の動作]
このように構成された撮像装置210において実行される処理について図16から図18を用いて説明する。
[割込み処理1]
図16に示す割込み処理1は、所定のタイミング(例えば、電源がオンされたタイミングなど)で制御部252によって実行される。
本処理において、図16に示すように、フィルタ駆動開始処理を実行する(ステップS131)。制御部252は、モータ制御部58に対して、赤外線透過フィルタ41が、
光軸L1上に赤外線透過領域41aが配置される第1の位置と、光軸L1上に透過領域41bが配置される第2の位置とで切替られるように駆動させるためのデータを供給する。そして、モータ制御部58は、そのデータを受け取ると、モータ57に対して赤外線透過フィルタ41を回動させるためのデータ(第1の位置から第2の位置に駆動させるためのデータ、第2の位置から第1の位置に駆動させるためのデータ)を供給する。これによって、制御部252、モータ制御部58は、モータ57に対して、赤外線透過フィルタ41を第1の位置と第2の位置との間で所定の周期で駆動させることによって、赤外線透過フィルタ41を第1の位置に駆動させた場合には、受光素子43に入射される被写体光を赤外線のみの光とし、赤外線透過フィルタ41を第2の位置に駆動させた場合には、受光素子43に入射される被写体光を可視光線、赤外線を含む光とすることとなる。
また、モータ制御部58は、モータ57(赤外線透過フィルタ41)の駆動に応じて、制御部52に対して、赤外線透過フィルタ41の位置を示す位置データを供給する。これによって、制御部52は、赤外線透過フィルタ41の位置を認識可能となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[割込み処理2]
一方、図17に示す割込み処理2は、所定のタイミング(例えば、電源がオフされたタイミングなど)で制御部252によって実行される。
本処理において、図17に示すように、フィルタ駆動停止処理を実行する(ステップS141)。制御部252は、モータ制御部58に対して、赤外線透過フィルタ41の駆動を停止させるためのデータを供給する。そして、モータ制御部58は、そのデータを受け取ると、モータ57に対して赤外線透過フィルタ41の駆動を停止させるためのデータを供給する。これによって、赤外線透過フィルタ41が駆動することなく、所定の位置で停止することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[撮像処理]
図18に示す撮像処理は、所定のタイミング(例えば、電源がオンされている状態において所定の周期など)で制御部252によって実行される。
最初に、第1種の検出信号に基づく赤外線画像データ、第2種の検出信号に基づく可視光線画像データを所定数のコマ毎に記憶する(ステップS100)。割込処理1において、赤外線透過フィルタ41が回動しているため、受光素子43は、赤外線透過フィルタ41が第1の位置に駆動された場合には、被写体光を、赤外線透過フィルタ41の赤外線透過領域41aを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する。一方、受光素子43は、赤外線透過フィルタ41が第2の位置に駆動された場合には、被写体光を、赤外線透過フィルタ41における赤外線透過領域41aを介さず、透過領域41bを介して、第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力する。このため、制御部252は、受光素子43によって出力された第1種の検出信号に基づく第1種の被写体画像と、第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像とを、所定数のコマ毎に、画像記憶部56に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110において、可視光線画像と赤外線画像とに基づく画像を表示させる。制御部252は、画像記憶部56によって記憶された第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とを、順次、LCDドライバ72に供給することによって、第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とに基づく擬似合成被写体動画像を擬似合成被写体動画像再生部に再生させることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上のように説明した実施形態の撮像装置210は、以下のような構成を備える撮像装置であることを特徴とする。
外部からの光を入射光として入射させるための入射開口(例えば、入射開口22aなど)が形成された本体部(例えば、装置本体220など)と、前記入射開口から入射された入射光を被写体光として入射させる入射光学系(例えば、光学系230など)と、所定の周波数帯域の光(例えば、赤外線など)を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光(例えば、可視光線など)を透過させない若しくは減衰させるフィルタ(例えば、赤外線透過フィルタ41など)と、前記入射光学系に入射される入射光を、又は、前記入射光学系によって入射させた被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力する受光素子(例えば、受光素子43など)と、前記受光素子によって出力された第1種の検出信号に基づいて、第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像を記憶する画像記憶部(例えば、画像記憶部56など)とを備え、前記本体部には、前記フィルタを有し、前記入射開口から入射された入射光を前記受光素子へと導く光学経路が形成された撮像装置(例えば、撮像装置210など)であって、前記フィルタを駆動させる駆動機構(例えば、モータ57など)と、前記駆動機構による前記フィルタの駆動を制御する駆動制御部(例えば、モータ制御部58など)とを備え、前記駆動制御部は、前記駆動機構に対して、前記フィルタを第1の位置と第2の位置との間で所定の周期で駆動させるとともに、前記フィルタを前記第1の位置に駆動させた場合には、前記入射開口から入射された入射光を前記フィルタを介して前記受光素子に導き、前記フィルタを前記第2の位置に駆動させた場合には、前記入射開口から入射された入射光を前記フィルタを介さずに前記受光素子に導く機能を有し、前記受光素子は、前記駆動制御部によって前記フィルタが前記第1の位置に駆動された場合には、前記光学経路に導かれた被写体光を、前記フィルタを介して第1種の被写体光として受光することによって、当該第1種の被写体光の受光量に基づく第1種の検出信号を出力するとともに、前記駆動制御部によって前記フィルタが前記第2の位置に駆動された場合には、前記光学経路に導かれた被写体光を、前記フィルタを介さずに第2種の被写体光として受光することによって、当該第2種の被写体光の受光量に基づく第2種の検出信号を出力する機能を有し、前記画像記憶部は、前記受光素子によって出力された第1種の検出信号に基づく第1種の被写体画像と、第2種の検出信号に基づく第2種の被写体画像とを所定数のコマ毎に記憶する機能を有し、前記画像記憶部によって記憶された第1種の被写体画像と第2種の被写体画像とに基づく擬似合成被写体動画像を再生する擬似合成被写体動画像再生部(例えば、擬似合成被写体動画像再生部59など)を備えたことを特徴とする撮像装置。
これによって、所定の周波数帯域の光に基づく画像だけでなく、それ以外の周波数帯域の光に基づく画像と合成させて撮像することができ、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。特に、不慮な条件が成立したときであっても、詳細に識別可能な写真、画像を撮像することができる。また、動画像のみが撮像可能であるが、一組の受光素子のみを用いるため、部品点数が少なくすることができ、装置の大型化を招くことなく、加えて、製造工程、メンテナンス作業などにおける煩雑な作業を減少させることができる。
尚、本実施形態においては、赤外線透過フィルタ41を回動させることによって、赤外線透過領域41aと透過領域41bとを光軸L1上に配置するように構成したが、これに限らず、例えば、第1の実施形態、第2の実施形態における赤外線透過フィルタのように、全域が赤外線透過領域であり、その赤外線透過フィルタを駆動させることによって、光軸L1上に配置し、光軸L1上から排除されるように構成してもよい。
また、本実施形態においては、赤外線透過フィルタ41は、開口24aの背面に配設するように構成したが、これに限らず、例えば、赤外線透過フィルタ41は、入射経路、光学経路の光軸上に配置可能であればよく、例えば、入射開口22aの前面、背面に配設するように構成してもよい。
[その他の実施形態]
尚、上述した実施形態においては、赤外線の周波数帯域の光に基づく画像と、可視光線、赤外線の周波数帯域の光に基づく画像とを合成するような構成としたが、これに限らず、他の周波数帯域であってもよい。例えば、紫外線の周波数帯域の光に基づく画像と、可視光線、紫外線の周波数帯域の光に基づく画像とを合成するような構成としてもよい。
また、上述した実施形態においては、受光素子43、第1の受光素子42、第2の受光素子44などによって被写体光が受光されることによって、デジタル的に画像制御処理を行うように構成したが、これに限らず、受光素子43、第1の受光素子42、第2の受光素子44などの代わりに、フイルムなどを装填し、アナログ的に(光学的に)合成させるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、本体部に各種の光学系、素子、電気回路などを一体に配設したが、これに限らず、例えば、受光素子などを備えた受光ユニットと、制御部などを備えた制御ユニットとに分けて、別体に配設するように構成してもよい。これによって、例えば、被写体側の受光ユニットのみを、制御ユニットに取り付けることによって、上述した画像を撮像することができ、用途に応じた撮像装置が提供することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、外部から入射する入射光を被写体光として受光することによって、当該被写体光に基づく被写体画像を撮像する撮像装置であって、所定の周波数帯域の光を透過させるとともに、当該所定周波数帯域以外の光を透過させない若しくは減衰させるフィルタを備え、前記フィルタを介した第1種の被写体光と、前記フィルタを介さない第2種の被写体光とを受光することによって、当該第1種の被写体光に基づく第1種の被写体画像と、当該第2種の被写体光に基づく第2種の被写体画像とを合成した合成被写体画像を撮像することを特徴とするものであるが、フィルタ、本体部、入射光学系、受光素子(第1の受光素子、第2の受光素子)、画像記憶部、画像合成部、駆動機構、駆動制御部、擬似合成被写体動画像再生部などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。