JP2006031763A - 浮上ヘッド - Google Patents
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Abstract
【目的】スライダ110の空気軸受け面112aに互いに位置を近接させて配置され、各々外部に導通した配線を取り出せる電極131〜133と、ディスク状記録媒体2との間に形成される静電容量から記録媒体に対する浮上量dA をスライダ面へ付着した潤滑剤123の厚みdL 1に無関係に安定に測定する。
【構成】電極133は電極131、132よりスライダ内部側に距離dL 2だけ奥まっている。電極131、132間の静電容量C1 と、電極131、133間の静電容量C2 とを同時に測定する。C1 はCA とCL 1 、従って未知数dA とdL 1の関数、C2 はCA とCL 1およびCL 2 、従って未知数dA とdL 1の関数となる(但しCA は付着潤滑剤と空気層との界面上の各仮想電極(131’〜133’)と記録媒体間、CL 1は仮想電極131’と電極131間、CL 2は仮想電極133’と電極133間の各静電容量、各電極面積や潤滑剤
誘電率は既知)。よって浮上量dA が求まる。
【選択図】 図3
【構成】電極133は電極131、132よりスライダ内部側に距離dL 2だけ奥まっている。電極131、132間の静電容量C1 と、電極131、133間の静電容量C2 とを同時に測定する。C1 はCA とCL 1 、従って未知数dA とdL 1の関数、C2 はCA とCL 1およびCL 2 、従って未知数dA とdL 1の関数となる(但しCA は付着潤滑剤と空気層との界面上の各仮想電極(131’〜133’)と記録媒体間、CL 1は仮想電極131’と電極131間、CL 2は仮想電極133’と電極133間の各静電容量、各電極面積や潤滑剤
誘電率は既知)。よって浮上量dA が求まる。
【選択図】 図3
Description
本発明は磁気ディスク等のディスク状記憶媒体の記録面上を浮上しながら走行し、ヘッド素子を介してこの記憶媒体へ磁気的あるいはその他の原理で情報を記録したり、この記憶媒体に記録された情報を再生したりするスライダの浮上動作(浮上量等)を観察するために、特にスライダにこの浮上動作観察用のセンサ手段を付加してなるディスク状記憶媒体記録面の走査機構(つまり、スライダとこれを弾性的に支持するサスペンションとからなる機構、いわゆるヘッド装置)としての浮上ヘッドに関する。
なお、以下各図において同一の符号は同一もしくは相当部分を示す。
なお、以下各図において同一の符号は同一もしくは相当部分を示す。
コンピュータの扱う情報量は年々増大の一途を辿っており、これに合わせてその外部記憶装置には大容量化が求められる一方で、モバイルコンピュータ用途を中心として小型化に対する要求も強くなっている。このため外部記憶装置、特に磁気記録装置は年々その記録密度を高めている。
磁気記録装置は情報を記録・再生するヘッドと、情報が記録されるディスク状の記録媒体から成るが、高密度に情報を記録媒体に書き込むため、ヘッド(ここでは厳密には、ヘッド素子を内蔵するスライダ、ヘッドスライダともいう)と記録媒体との間隔(換言すれば、ヘッドの記録媒体に対する浮上量)は年々小さくなってきており、わずかなヘッドの浮上変動が記録再生動作に大きな影響を及ぼす。このためヘッドの浮上量および浮上姿勢(角度)を的確に評価し、最適な磁気記録装置の設計を行う必要がある。
磁気記録装置は情報を記録・再生するヘッドと、情報が記録されるディスク状の記録媒体から成るが、高密度に情報を記録媒体に書き込むため、ヘッド(ここでは厳密には、ヘッド素子を内蔵するスライダ、ヘッドスライダともいう)と記録媒体との間隔(換言すれば、ヘッドの記録媒体に対する浮上量)は年々小さくなってきており、わずかなヘッドの浮上変動が記録再生動作に大きな影響を及ぼす。このためヘッドの浮上量および浮上姿勢(角度)を的確に評価し、最適な磁気記録装置の設計を行う必要がある。
また、ヘッドと記録媒体との隙間の狭小化に伴い、記録媒体上に塗布された潤滑剤がヘッドに移着し、これがヘッドの浮上動作に影響を与えることが指摘されており、ヘッドの浮上量、浮上姿勢と同時に、ヘッドヘの潤滑剤の付着厚さを評価することが求められている。
従来、ヘッドの浮上量や浮上姿勢を測定するには、ヘッドを専用のガラスディスク上に浮上させ、該ガラスディスク側から光を入射させ、ガラスディスク面とヘッドの空気軸受け面(いわゆる Air Bearing Surface の訳からなる業界用語、つまり、ディスク面に最も近く対向する平面で、ディスク面から空気膜を介して支持される面)との間で光を干渉させ、その隙間間隔すなわち浮上量を測定していた。しかしながら、この測定方式はあくまでも専用のガラスディスク上で行う方式であり、実際の記録媒体上での評価ができないという問題がある。
従来、ヘッドの浮上量や浮上姿勢を測定するには、ヘッドを専用のガラスディスク上に浮上させ、該ガラスディスク側から光を入射させ、ガラスディスク面とヘッドの空気軸受け面(いわゆる Air Bearing Surface の訳からなる業界用語、つまり、ディスク面に最も近く対向する平面で、ディスク面から空気膜を介して支持される面)との間で光を干渉させ、その隙間間隔すなわち浮上量を測定していた。しかしながら、この測定方式はあくまでも専用のガラスディスク上で行う方式であり、実際の記録媒体上での評価ができないという問題がある。
実際のディスク状記録媒体の上でヘッドの浮上量を測定する方法としては、ヘッドと記録媒体間の距離に依存する静電容量を測定する手法が開示されている(特許文献1〜4参照)。ここで、この静電容量を測定する手法の原理を図4を使って説明する。
図4は従来の磁気ディスク装置の要部の構成を示す図で、この図は右やや斜め上から左やや斜め下に向けその長手方向にサスペンション12が伸びている浮上ヘッド1の側面と記録媒体2の断面を示している。
同図において浮上ヘッド1は、記録媒体2の情報を記録・再生するヘッド素子をその下面側の先端部分に(図の左下隅部)に内蔵するスライダ11と、スライダ11を弾性的に支持するサスペンション12とからなり、図外のVCM(ボイスコイルモータ)によって、スライダ11内のヘッド素子が記録媒体2の目標のトラック上に位置するよう位置決め駆動される。
図4は従来の磁気ディスク装置の要部の構成を示す図で、この図は右やや斜め上から左やや斜め下に向けその長手方向にサスペンション12が伸びている浮上ヘッド1の側面と記録媒体2の断面を示している。
同図において浮上ヘッド1は、記録媒体2の情報を記録・再生するヘッド素子をその下面側の先端部分に(図の左下隅部)に内蔵するスライダ11と、スライダ11を弾性的に支持するサスペンション12とからなり、図外のVCM(ボイスコイルモータ)によって、スライダ11内のヘッド素子が記録媒体2の目標のトラック上に位置するよう位置決め駆動される。
そしてスライダ11は、相対運動をする(本例では回転により右方から左方へ移動する)記録媒体2との間に生ずる空気流の浮揚力によって、記録媒体2のトラック上を浮上しながら走行する。なお、記録媒体2は基板20の上に磁性膜21、保護膜22を順次成膜したうえ、その表面を潤滑膜23で覆って作られている。
いま、スライダ11と記録媒体2との距離すなわち浮上量をdとし、スライダ11の記録媒体2に対向する有効面積(この場合、スライダ11の空気軸受け面は記録媒体2の面に対しほぼ平行ではあるが厳密には図示のように僅かながらヘッド姿勢角α分傾いているため、空気軸受け面の空気流出端Exの部分(破線で長円形に囲んだ部分)の面積となる)をS、空気の誘電率をεA とすれば、スライダ11と記録媒体2との間に形成される静電容量Cは次式のように表される。
いま、スライダ11と記録媒体2との距離すなわち浮上量をdとし、スライダ11の記録媒体2に対向する有効面積(この場合、スライダ11の空気軸受け面は記録媒体2の面に対しほぼ平行ではあるが厳密には図示のように僅かながらヘッド姿勢角α分傾いているため、空気軸受け面の空気流出端Exの部分(破線で長円形に囲んだ部分)の面積となる)をS、空気の誘電率をεA とすれば、スライダ11と記録媒体2との間に形成される静電容量Cは次式のように表される。
(数1)
C=εA ・(S/d)
従って静電容量Cが測定できれば浮上量dを知ることができる。なお記録媒体2の表面には絶縁体である保護膜22、潤滑膜23が存在するので、電気的に測定される静電容量は、膜厚dの空気層(つまり浮上量)に前記両部材22、23を挟んだ状態の静電容量となる。しかしながら、上記両部材22、23の厚さおよび誘電率がそれぞれ既知ならば、計算から上記静電容量Cを算出することができる。
また、一般的にスライダ11には導体であるAl2 O3 −TiCが材質として使用されており、このスライダ11に対しては金属のサスペンション12を通じて外部からコンタクト(電気的接触)が取れる。他方、記録媒体2側は磁性層21からその下方の基板20までが基本的に導体であり、磁性層21に対しては図示してないが記録媒体2をその回転軸に組付ける組付用結合部および回転軸を通じて外部からコンタクトが取れるので、上記の静電容量Cを測定することができる。
C=εA ・(S/d)
従って静電容量Cが測定できれば浮上量dを知ることができる。なお記録媒体2の表面には絶縁体である保護膜22、潤滑膜23が存在するので、電気的に測定される静電容量は、膜厚dの空気層(つまり浮上量)に前記両部材22、23を挟んだ状態の静電容量となる。しかしながら、上記両部材22、23の厚さおよび誘電率がそれぞれ既知ならば、計算から上記静電容量Cを算出することができる。
また、一般的にスライダ11には導体であるAl2 O3 −TiCが材質として使用されており、このスライダ11に対しては金属のサスペンション12を通じて外部からコンタクト(電気的接触)が取れる。他方、記録媒体2側は磁性層21からその下方の基板20までが基本的に導体であり、磁性層21に対しては図示してないが記録媒体2をその回転軸に組付ける組付用結合部および回転軸を通じて外部からコンタクトが取れるので、上記の静電容量Cを測定することができる。
なお、特許文献1には、光磁気記録再生装置において、静電容量型距離検出電極間の静電容量がディスクと磁気ヘッドとの距離に応じて変化することを利用して、ディスクと磁気ヘッドとの距離検出を行う技術が開示されており、その図9には2組の距離検出電極をディスクからの距離が異なるように段差を設けて配置することが記載されている。
また、特許文献2にはヘッド本体の下面に電極を設けて静電容量を検出し、その静電容量に基づいてヘッドの浮上量を測定する技術が開示されている。
また、特許文献3にはヘッドと媒体との間隙方向の距離の異なる電極間の静電容量を距離測定に用いる技術が開示されている。
また、特許文献4にはヘッドと記録媒体との間の静電容量によりヘッドの浮上量を検出する技術が開示されている。
特開平5―128620号公報
特開平6―203510号公報
特開平7―262626号公報
特開2001−344920号公報
また、特許文献2にはヘッド本体の下面に電極を設けて静電容量を検出し、その静電容量に基づいてヘッドの浮上量を測定する技術が開示されている。
また、特許文献3にはヘッドと媒体との間隙方向の距離の異なる電極間の静電容量を距離測定に用いる技術が開示されている。
また、特許文献4にはヘッドと記録媒体との間の静電容量によりヘッドの浮上量を検出する技術が開示されている。
しかしながら、ヘッドと記録媒体間の距離に依存する静電容量を測定する上述した手法では、スライダ11の姿勢αが変動する場合、また、潤滑膜23の潤滑剤がスライダ11へ付着する場合、これに依存し静電容量Cが変動するため浮上量dを正確に求めることができない。
また、記録媒体2と回転軸との組付用結合部における接触状態が安定にならず、さらに、回転軸と外部との電気的接触が軸受あるいは接触摺動部を介してなされるため、測定系の自身の抵抗、容量が安定せず静電容量Cが正確に測定できないという問題が有る。
本発明は上述の問題を解消し、スライダの姿勢やスライダへの潤滑剤の付着に関係なく、ヘッドと記録媒体間の距離に依存する静電容量(従って浮上量)を安定に測定することができる浮上ヘッドを提供することを課題とする。
また、記録媒体2と回転軸との組付用結合部における接触状態が安定にならず、さらに、回転軸と外部との電気的接触が軸受あるいは接触摺動部を介してなされるため、測定系の自身の抵抗、容量が安定せず静電容量Cが正確に測定できないという問題が有る。
本発明は上述の問題を解消し、スライダの姿勢やスライダへの潤滑剤の付着に関係なく、ヘッドと記録媒体間の距離に依存する静電容量(従って浮上量)を安定に測定することができる浮上ヘッドを提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために請求項1の浮上ヘッドは、
弾性支持体(サスペンション12)と、該弾性支持体によって支持されると共にディスク状記録媒体(2)の記録面に対向する空気軸受け面(レール面112a)を持ち、回転する該ディスク状記録媒体との間に生ずる空気流の浮揚力によって、前記記録面に対し前記空気軸受け面を微小な浮上量(dA )を隔てて浮上させながら該記録面上を走行して、自身が保持するヘッド素子を介し磁気的またはその他の原理により前記記録面から情報を再生または(および)該記録面に情報を記録し、または(および)自身が保持し前記ヘッド素子と異なるセンサ手段を介して少なくとも前記記録面に関わる情報を検出するスライダ(110)とを備えたディスク状記録媒体記録面の走査機構としての浮上ヘッド(1)であって、
前記空気軸受け面に、それぞれ外部に導通する互いに絶縁された引出し配線が付加され、互いに位置が十分近接してなり、かつ各々所定の面積の前記ディスク状記録媒体側に開放された電極面を持つ複数個の電極(131〜133など)が配置されてなるようにする。
弾性支持体(サスペンション12)と、該弾性支持体によって支持されると共にディスク状記録媒体(2)の記録面に対向する空気軸受け面(レール面112a)を持ち、回転する該ディスク状記録媒体との間に生ずる空気流の浮揚力によって、前記記録面に対し前記空気軸受け面を微小な浮上量(dA )を隔てて浮上させながら該記録面上を走行して、自身が保持するヘッド素子を介し磁気的またはその他の原理により前記記録面から情報を再生または(および)該記録面に情報を記録し、または(および)自身が保持し前記ヘッド素子と異なるセンサ手段を介して少なくとも前記記録面に関わる情報を検出するスライダ(110)とを備えたディスク状記録媒体記録面の走査機構としての浮上ヘッド(1)であって、
前記空気軸受け面に、それぞれ外部に導通する互いに絶縁された引出し配線が付加され、互いに位置が十分近接してなり、かつ各々所定の面積の前記ディスク状記録媒体側に開放された電極面を持つ複数個の電極(131〜133など)が配置されてなるようにする。
また請求項2の浮上ヘッドは、 請求項1に記載の浮上ヘッドにおいて、
前記複数個の電極が、前記空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極(131、132など)と、該第1の電極の電極面よりも前記スライダの内部側に所定の距離(dL2)だけ奥まった高さの電極面を持つ1つ以上の第2の電極(133など)とからなるようにする。
また請求項3の浮上ヘッドでは、 請求項2に記載の浮上ヘッドにおいて、
前記第1の電極同士間の静電容量と、該第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量とが同時に測定されるようにする。
即ち、本発明の作用は、回転するディスク状記録媒体の記録面に対し当該スライダの空気軸受け面を微小な浮上量を隔てて対向浮上させながら該記録面上を走行するスライダの空気軸受け面に、互いに位置を十分近接させて、それぞれ外部に導通した配線を取り出すことのできる3つ以上の各々所定の面積を持った電極を配置し、
この電極を、空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極と、この第1の電極の電極面よりもスライダ内部側に所定の距離だけ奥まった高さの電極面を持つ第2の電極とで構成し、
第1の電極同士間の静電容量と、第1の電極と第2の電極との間の静電容量とを同時に測定することにより、記録媒体の表面とスライダ面との間の静電容量(従って浮上量)をスライダ面への潤滑剤の付着に無関係に安定に測定しようとするものである。
前記複数個の電極が、前記空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極(131、132など)と、該第1の電極の電極面よりも前記スライダの内部側に所定の距離(dL2)だけ奥まった高さの電極面を持つ1つ以上の第2の電極(133など)とからなるようにする。
また請求項3の浮上ヘッドでは、 請求項2に記載の浮上ヘッドにおいて、
前記第1の電極同士間の静電容量と、該第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量とが同時に測定されるようにする。
即ち、本発明の作用は、回転するディスク状記録媒体の記録面に対し当該スライダの空気軸受け面を微小な浮上量を隔てて対向浮上させながら該記録面上を走行するスライダの空気軸受け面に、互いに位置を十分近接させて、それぞれ外部に導通した配線を取り出すことのできる3つ以上の各々所定の面積を持った電極を配置し、
この電極を、空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極と、この第1の電極の電極面よりもスライダ内部側に所定の距離だけ奥まった高さの電極面を持つ第2の電極とで構成し、
第1の電極同士間の静電容量と、第1の電極と第2の電極との間の静電容量とを同時に測定することにより、記録媒体の表面とスライダ面との間の静電容量(従って浮上量)をスライダ面への潤滑剤の付着に無関係に安定に測定しようとするものである。
本発明によれば、回転するディスク状記録媒体の記録面に対し当該スライダの空気軸受け面を微小な浮上量を隔てて対向浮上させながら該記録面上を走行するスライダの空気軸受け面に、互いに位置を十分近接させて、それぞれ外部に導通した配線を取り出すことのできる3つ以上の各々所定の面積を持った電極を配置し、
この電極を、空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極と、この第1の電極の電極面よりもスライダ内部側に所定の距離だけ奥まった高さの電極面を持つ第2の電極とで構成し、
第1の電極同士間の静電容量と、第1の電極と第2の電極との間の静電容量とを同時に測定するようにしたので、
記録媒体の表面とスライダ面との間の静電容量(従って浮上量)を電気的に安定に測定することができ、しかもスライダ面に潤滑剤が付着した際にも、その潤滑剤の付着厚さとスライダ浮上量とを独立に測定することができる。
この電極を、空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極と、この第1の電極の電極面よりもスライダ内部側に所定の距離だけ奥まった高さの電極面を持つ第2の電極とで構成し、
第1の電極同士間の静電容量と、第1の電極と第2の電極との間の静電容量とを同時に測定するようにしたので、
記録媒体の表面とスライダ面との間の静電容量(従って浮上量)を電気的に安定に測定することができ、しかもスライダ面に潤滑剤が付着した際にも、その潤滑剤の付着厚さとスライダ浮上量とを独立に測定することができる。
図1は本発明の一実施例としての浮上ヘッド1におけるスライダ110の外形図で、同図b)はスライダ110を裏面側(つまり記憶媒体2側)から見た平面図、同図a)は同図b)をこの図の上側(つまり空気流入端In側)から見た上面図、同図c)は同図b)をこの図の右側から見た側面図である。
なお、本発明においてもスライダが110に置換わる点と、サスペンション12に後述する電極131〜133からの各個別の引出し配線が付加される点を除いて図4の構成が当てはまる。
本例のスライダ110は、いわゆるテーパフラットと呼ばれる形状のスライダであり、図外のサスペンション12の長手方向に中心線O−O’(同図b)が一致するように取付けられ、凹部113の存在する裏面側で図外の記憶媒体2に対向している。なお、Inは空気流入端、Exは空気流出端である。
なお、本発明においてもスライダが110に置換わる点と、サスペンション12に後述する電極131〜133からの各個別の引出し配線が付加される点を除いて図4の構成が当てはまる。
本例のスライダ110は、いわゆるテーパフラットと呼ばれる形状のスライダであり、図外のサスペンション12の長手方向に中心線O−O’(同図b)が一致するように取付けられ、凹部113の存在する裏面側で図外の記憶媒体2に対向している。なお、Inは空気流入端、Exは空気流出端である。
スライダ110の凹部113は左右に2本のレール112を持ち、この左右のレール112の記憶媒体2方向の端面としてのレール面112aは本例ではテーパ114の部分を除きほぼ同一平面内にあって空気軸受け面を構成している。なお、テーパ114は空気流入端In側でレール面112aと記憶媒体2間の間隔が漸増するように設けられている。 この場合、記憶媒体2の情報を記録・再生するヘッド素子はスライダ110の裏面の空気流出端Ex側の中央隅部に埋め込まれるが、本発明はスライダの浮上状態を測定調査する機能に関わるものであるためヘッド素子の存在は問わない。
ところで、このスライダ110には、図1のb)における右側のレール面(空気軸受け面)112a上に本発明の核心となる3つの電極130(131、132、133)が設けられている。
ところで、このスライダ110には、図1のb)における右側のレール面(空気軸受け面)112a上に本発明の核心となる3つの電極130(131、132、133)が設けられている。
図2は図1のE−E’部分を矢印方向に見た拡大断面図で、スライダ110の電極131〜133とこれに対向する記録媒体2との関係を示す。電極131、132、133は例えば適当な金属薄膜より構成され、絶縁保護膜121を介してスライダ110のレール面112a上に埋め込まれる形で設けられている。
ここで、電極131、132の表面(電極面)はレール面112aにほぼ一致するように、また電極133の表面(電極面)は後述のようにレール面112aより所定の深さ分スライダ110の内部側に奥まるように構成されている。
また図示していないがこの各電極131〜133には、それぞれ外部からの個別の互いに絶縁された電気的接続が可能となるように、絶縁保護膜で絶縁された薄膜の導電パターンからなるサスペンション12側への引出し配線(薄膜配線)が設けられている。
ここで、電極131、132の表面(電極面)はレール面112aにほぼ一致するように、また電極133の表面(電極面)は後述のようにレール面112aより所定の深さ分スライダ110の内部側に奥まるように構成されている。
また図示していないがこの各電極131〜133には、それぞれ外部からの個別の互いに絶縁された電気的接続が可能となるように、絶縁保護膜で絶縁された薄膜の導電パターンからなるサスペンション12側への引出し配線(薄膜配線)が設けられている。
この各電極131〜133別の薄膜配線は、例えばスライダ110とサスペンション12との境界付近ではんだ接合などにより細線として引き出され、サスペンション12に沿わせて外部に向け引き回される。
いま、電極131と電極132の間の静電容量C1 を考える。スライダ110の浮上量dA は、例えば10nm程度と非常に微小であり、一方、電極131、132の間隔が例えば10μmとすれば、静電容量C1は電極131と記録媒体2との間の静電容量C1a、電極132と記録媒体2との間の静電容量C1bの直列接続と考えてよい。なおここでは簡単のため記録媒体上の保護膜および潤滑膜を省略して表している。
電極131、132が等しい面積Sを持つとし、スライダ110の大きさに対して電極131、132間の距離が十分小さければ、C1a=C1bであるので、静電容量C1 は次式(1)のように表される。
いま、電極131と電極132の間の静電容量C1 を考える。スライダ110の浮上量dA は、例えば10nm程度と非常に微小であり、一方、電極131、132の間隔が例えば10μmとすれば、静電容量C1は電極131と記録媒体2との間の静電容量C1a、電極132と記録媒体2との間の静電容量C1bの直列接続と考えてよい。なおここでは簡単のため記録媒体上の保護膜および潤滑膜を省略して表している。
電極131、132が等しい面積Sを持つとし、スライダ110の大きさに対して電極131、132間の距離が十分小さければ、C1a=C1bであるので、静電容量C1 は次式(1)のように表される。
(数2)
C1=(1/2)C1a=(1/2)εA (S/dA ) ・・・(1)
従って、浮上量dA はこの静電容量C1 を測定することにより知ることができる。このとき電極131、132には外部への配線取り出しがなされており、従来のように記録媒体と回転軸との結合用接触部や、回転軸部の軸受あるいは接触摺動部といった不安定な電気的接触部分に依存することなく安定に静電容量C1を測定することができる。
次に、電極面に潤滑剤が付着した時の問題について述べる。図3はスライダ110に記録媒体2上の図示されない潤滑膜23(図4参照)から潤滑剤が付着したときの様子を示す、図2に対応する拡大断面図である。
C1=(1/2)C1a=(1/2)εA (S/dA ) ・・・(1)
従って、浮上量dA はこの静電容量C1 を測定することにより知ることができる。このとき電極131、132には外部への配線取り出しがなされており、従来のように記録媒体と回転軸との結合用接触部や、回転軸部の軸受あるいは接触摺動部といった不安定な電気的接触部分に依存することなく安定に静電容量C1を測定することができる。
次に、電極面に潤滑剤が付着した時の問題について述べる。図3はスライダ110に記録媒体2上の図示されない潤滑膜23(図4参照)から潤滑剤が付着したときの様子を示す、図2に対応する拡大断面図である。
図3では、スライダ110全体の大きさに対して電極131、132が十分小さいとしているので、この領域では付着潤滑剤123が一様な厚さを持つと仮定している。このとき電極131(132)と記録媒体2との間の静電容量は、付着潤滑剤123とその下方の空気層との界面に電極131(132)と同面積Sの導体箔の電極131’(132’)を仮想すると、この仮想電極131’(132’)と電極131(132)間の静電容量CL1と、同じく仮想電極131’(132’)と記録媒体2間の静電容量CA との直列接続と同等になるから、電極131と電極132との間の静電容量C1は次式(2)のようになる。なお、dL1は付着潤滑剤123の膜厚、εL は付着潤滑剤123の誘電率である。
(数3)
式(2)より、付着潤滑剤123の厚さdL1により測定される静電容量C1 が変動する、すなわち正確に浮上量dA を算出することができないことが分かる。
そこで本発明では第3の電極133を用いる。電極133は電極131、132の近傍のレール面112aの上(本例では絶縁保護膜121の表面上)に設けられたトレンチ部(溝部)117の底部に、この電極133の表面が電極131,132の表面よりも距離(段差)dL2だけスライダ110の内部側に位置するように設けられている。
このときも電極133と記録媒体2との間の静電容量は、付着潤滑剤123とその下方の空気層との界面に電極133と同面積Sの導体箔の電極133’を仮想すると、この仮想電極133’と電極133間の静電容量CL2と、同じく仮想電極133’と記録媒体2間の静電容量CA との直列接続と同等になるから、電極131と電極133の間の静電容量C2 は次式(3)のようになる。
式(2)より、付着潤滑剤123の厚さdL1により測定される静電容量C1 が変動する、すなわち正確に浮上量dA を算出することができないことが分かる。
そこで本発明では第3の電極133を用いる。電極133は電極131、132の近傍のレール面112aの上(本例では絶縁保護膜121の表面上)に設けられたトレンチ部(溝部)117の底部に、この電極133の表面が電極131,132の表面よりも距離(段差)dL2だけスライダ110の内部側に位置するように設けられている。
このときも電極133と記録媒体2との間の静電容量は、付着潤滑剤123とその下方の空気層との界面に電極133と同面積Sの導体箔の電極133’を仮想すると、この仮想電極133’と電極133間の静電容量CL2と、同じく仮想電極133’と記録媒体2間の静電容量CA との直列接続と同等になるから、電極131と電極133の間の静電容量C2 は次式(3)のようになる。
(数4)
式(2)、(3)において距離dL2は電極の設計により決まり、εL も潤滑剤が決まれば既知となるため、C1 、C2が実測されれば残りの未知数である浮上量dA 、付着潤滑剤123の厚さdL1が算出できる。すなわち潤滑剤が付着した場合でも、スライダの浮上量および潤滑剤厚さを独立に測定することができる。
なお特に実施例は示さないが、電極130(131、132、133)と同様な構成の電極を空気軸受けレール面112aの異なる場所に同時に設置すれば、2つ以上の場所の浮上量が測定され、図4のヘッド姿勢角α等のスライダ110の浮上姿勢も測定することができる。
式(2)、(3)において距離dL2は電極の設計により決まり、εL も潤滑剤が決まれば既知となるため、C1 、C2が実測されれば残りの未知数である浮上量dA 、付着潤滑剤123の厚さdL1が算出できる。すなわち潤滑剤が付着した場合でも、スライダの浮上量および潤滑剤厚さを独立に測定することができる。
なお特に実施例は示さないが、電極130(131、132、133)と同様な構成の電極を空気軸受けレール面112aの異なる場所に同時に設置すれば、2つ以上の場所の浮上量が測定され、図4のヘッド姿勢角α等のスライダ110の浮上姿勢も測定することができる。
1 浮上ヘッド
2 記録媒体
12 サスペンション
α ヘッド姿勢角
20 基板
21 磁性層
22 保護膜
23 潤滑膜
110 スライダ
112 レール
112a レール面(空気軸受け面)
113 凹部
114 テーパー
117 トレンチ部
121 絶縁保護膜
123 付着潤滑材
130(131〜133) 電極
131’〜133’ 仮想電極
D 空気流方向
In 空気流入端
Ex 空気流出端
dA 浮上量
CA ,CL1,CL2,C1a,C1b 静電容量
dL1 付着潤滑剤の厚さ
dL2 電極面の距離(段差)
2 記録媒体
12 サスペンション
α ヘッド姿勢角
20 基板
21 磁性層
22 保護膜
23 潤滑膜
110 スライダ
112 レール
112a レール面(空気軸受け面)
113 凹部
114 テーパー
117 トレンチ部
121 絶縁保護膜
123 付着潤滑材
130(131〜133) 電極
131’〜133’ 仮想電極
D 空気流方向
In 空気流入端
Ex 空気流出端
dA 浮上量
CA ,CL1,CL2,C1a,C1b 静電容量
dL1 付着潤滑剤の厚さ
dL2 電極面の距離(段差)
Claims (3)
- 弾性支持体と、該弾性支持体によって支持されると共にディスク状記録媒体の記録面に対向する空気軸受け面を持ち、回転する該ディスク状記録媒体との間に生ずる空気流の浮揚力によって、前記記録面に対し前記空気軸受け面を微小な浮上量を隔てて浮上させながら該記録面上を走行して、自身が保持するヘッド素子を介し磁気的またはその他の原理により前記記録面から情報を再生または(および)該記録面に情報を記録し、または(および)自身が保持し前記ヘッド素子と異なるセンサ手段を介して少なくとも前記記録面に関わる情報を検出するスライダとを備えたディスク状記録媒体記録面の走査機構としての浮上ヘッドであって、
前記空気軸受け面に、それぞれ外部に導通する互いに絶縁された引出し配線が付加され、互いに位置が十分近接してなり、かつ各々所定の面積の前記ディスク状記録媒体側に開放された電極面を持つ複数個の電極が配置されてなることを特徴とする浮上ヘッド。 - 請求項1に記載の浮上ヘッドにおいて、
前記複数個の電極が、前記空気軸受け面に垂直な方向の面の高さが互いにほぼ一致する電極面を持つ2つ以上の第1の電極と、該第1の電極の電極面よりも前記スライダの内部側に所定の距離だけ奥まった高さの電極面を持つ1つ以上の第2の電極とからなることを特徴とする浮上ヘッド。 - 請求項2に記載の浮上ヘッドにおいて、
前記第1の電極同士間の静電容量と、該第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量とが同時に測定されることを特徴とする浮上ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004205621A JP2006031763A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 浮上ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004205621A JP2006031763A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 浮上ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006031763A true JP2006031763A (ja) | 2006-02-02 |
Family
ID=35897939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004205621A Pending JP2006031763A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | 浮上ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006031763A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021101400A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-08 | 株式会社東芝 | 磁気ディスク装置 |
-
2004
- 2004-07-13 JP JP2004205621A patent/JP2006031763A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021101400A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-08 | 株式会社東芝 | 磁気ディスク装置 |
JP7293105B2 (ja) | 2019-12-24 | 2023-06-19 | 株式会社東芝 | 磁気ディスク装置 |
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RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060703 |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060704 |