JP2006030982A - 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 - Google Patents
位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006030982A JP2006030982A JP2005174723A JP2005174723A JP2006030982A JP 2006030982 A JP2006030982 A JP 2006030982A JP 2005174723 A JP2005174723 A JP 2005174723A JP 2005174723 A JP2005174723 A JP 2005174723A JP 2006030982 A JP2006030982 A JP 2006030982A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- retardation film
- polymer
- group
- display device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
液晶表示装置の視野角特性改善に有用であり、またリワーク性に優れ、かつ、粘着剤を介して偏光板やガラスセルなど他の部材と積層し液晶表示装置として使用したときの耐久性に優れる位相差フィルムを提供する。また、視野角特性および耐久性に優れる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】
2層の外層の間に内層を有する位相差フィルムであって、両外層はそれぞれ非スチレン系重合材料からなり、内層は負の固有複屈折値を有する重合材料からなり、該位相差フィルムの固有複屈折値が負であり、かつHazeが0〜1%である位相差フィルム。
互に平行に対向する2枚の透明基板と、それらの間に挟持された液晶層とを有する液晶セルと、少なくとも前記液晶セルを介して互に平行に対向する2枚の偏光板と、前記2枚の偏光板のそれぞれと前記液晶セルとの間の少なくとも一方に前記位相差フィルムとを有する液晶表示装置。
【選択図】 なし
Description
また本発明の位相差フィルムは、2層の外層の間に内層を有する位相差フィルムであって、両外層はそれぞれ非スチレン系重合材料からなり、内層は負の固有複屈折値を有する重合材料からなる。このような構成とすることにより、粘着剤を介して偏光板や液晶セルなど他の部材と積層し液晶表示装置として使用したときの耐久性に優れ、かつ視野角特性にも優れる。
群(A):炭素原子数2以上のα−オレフィン
群(B):芳香族ビニル化合物
群(C):環状オレフィン
両外層とそれに挟まれた内層を有する多層フィルムを一軸延伸して作成した位相差フィルムから、短冊状(例えば、10mm(幅)×150mm(長さ)のサイズ)の試験片を、その長辺方向が延伸方向に一致するように切り取る。この試験片に対して、その長辺方向に5MPaの引張応力を加える。引張応力を加えた状態で、該試験片の外層に、2cmの距離から酢酸エチルを0.5ml滴下し、23℃の雰囲気下で1分間エージングする。
接着性樹脂層の厚さは、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μmである。
[構成例1]
偏光板/粘着剤/位相差フィルム/粘着剤/液晶セル/粘着剤/偏光板
[構成例2]
偏光板/粘着剤/液晶セル/粘着剤/位相差フィルム/粘着剤/偏光板
[構成例3]
偏光板/粘着剤/位相差フィルム/粘着剤/液晶セル/粘着剤/位相差フィルム/粘着剤/偏光板
前記液晶表示装置は、一方の偏光板の外側に光源(バックライト)を配置して画像表示装置とすることができる。
HazeはJIS K7136に従って測定した。
(2)固有複屈折値ΔN0
重合材料の固有複屈折値ΔN0は、下記文献に記載された修正応力光学則に従って決定した。
T. Inoueら「Polymer」38巻、1215頁、1997年,
T. Inoueら「Rheologica Acta」36巻、239頁、1997年
T. Inoueら「Macromolecules」29巻、6240頁、1996年
T. Inoueら「Macromolecules」24巻、5670頁、1991年
T. Inoueら「高分子論文集」53巻、602頁、1996年)
測定装置は、市販の粘弾性測定装置に複屈折測定用光学系を取り付けたものを使用した。時間の経過に伴って周期的に変化する振動ひずみを重合材料に与えて、生じる応力の変化と複屈折の変化とを同時に測定した。この結果より、修正応力光学則に基づいてCR、E’R(∞)を求め、各値を下式に代入することにより、ΔN0を求めた。
ΔN0=5CRE’R(∞)/3
(3)固有複屈折値の正負の判断
位相差フィルムの固有複屈折値の正負の判断は、次の方法に基づいて行った。
固有複屈折値が正であることがわかっている重合体(具体的には、ΔN0=+0.024であるTicona社製のトーパス6013)からなる一軸延伸フィルムについて、その面内位相差(R)を、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−CCD)を用いて測定する。次に、この一軸延伸フィルムと、固有複屈折値の正負を調べたい一軸延伸位相差フィルムとを、両者の延伸方向が平行になるように重ね合わせ、面内位相差(R’)を測定する。R’<Rの場合は、位相差フィルムの固有複屈折値は負であると判断し、R’>Rの場合は、位相差フィルムの固有複屈折値は正であると判断した。
(4)面内位相差
面内位相差は、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−CCD)を用いて測定した。
(5)光弾性係数C
20mm(幅)×150mm(長さ)の試験片の長辺方向に、0、3、6、9、および12MPaの引張応力を加えた状態で、それぞれ面内位相差を測定した。各面内位相差を試験片の厚みで除した商が複屈折Δnである。横軸に引張応力σを、縦軸にその応力が試験片に作用したときの複屈折Δnをとってプロットし、両者の関係をΔn=Cσとなるように最小二乗法で近似したときの傾きCを求め、これを光弾性係数とした。
(6)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、JIS K7121に従って測定した。
(7)確認試験
一軸延伸フィルムから、延伸方向を短辺(幅方向)とし、10mm(幅)×150mm(長さ)×100μm(厚み)の試験片を採取し、該試験片に対してその長辺方向に5MPaの引張応力を加えた。この引張張力を加えた状態で、該試験片上に2cmの距離から酢酸エチルを0.5ml滴下し、1分間エージングした後に応力を測定した。
(8)耐久性
偏光板/第一の粘着剤/位相差フィルム/第二の粘着剤/ガラス板という積層構成の30インチの大きさの積層体を作成した。該積層体を、熱衝撃試験機(楠本化成(株)製、WINTEC THERMAL SHOCK CHAMBER)内で、−40℃での30分間のエージングと、それに続く85℃での30分間のエージングからなる熱衝撃エージングを200サイクル実施した後に、位相差フィルムの状態を観察した。
(9)重合体の構成単位量
重合体における各構成単位(モノマーユニット)の量(重量分率)は、1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルにより求めた。1H−NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置(日本電子社製、JNM−EX270)を用い、溶媒としてジクロロメタン−d2を用いて室温で測定した。また、13C−NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置(BRUKER社製、AC250)を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/オルトジクロロベンゼン−d4(体積分率=4/1)を用い、135℃で測定した。
(1)トーパス6013(Ticona社製)は、Tg=140℃、ΔN0=+0.024、光弾性係数は−6×10-12Pa-1であり、この重合体は、エチレン由来の構成単位が23重量%、ノルボルネン由来の構成単位が77重量%である。この重合体を、Tダイ押出フィルム成形法によりフィルムとし、このフィルムをテンター法により一軸延伸した。延伸フィルムの厚みは100μm、面内位相差は110nmであった。確認試験を行ったところ、エージング後の応力は5MPaであった。
この単層フィルムを位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後に、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
なお、この重合体を両外層とし、後述する参考例2の重合体を内層として用いて、厚み比:外層/内層/外層=5/1/5〜1/8/1、総厚み30〜200μmの一軸延伸フィルムを製造することにより、リワーク性、視野角特性改良能力、耐久性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
この単層フィルムを位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後に、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
なお、この重合体を両外層とし、後述する参考例2の重合体を内層として用いて、厚み比:外層/内層/外層=5/1/5〜1/8/1、総厚み30〜200μmの一軸延伸フィルムを製造することにより、リワーク性、視野角特性改良能力、耐久性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
この単層フィルムを位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体をはがしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後に、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
なお、この重合体を両外層とし、後述する参考例2の重合体を内層として用いて、厚み比:外層/内層/外層=5/1/5〜1/8/1、総厚み30〜200μmの一軸延伸フィルムを製造することにより、リワーク性、視野角特性改良能力、耐久性に優れた位相差フィルムを得ることができる。
アペル5014DP(三井化学製)は、Tg=136℃、ΔN0=+0.016、光弾性係数は−6×10-12Pa-1であり、この重合体は、エチレン由来の構成単位が23重量%、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(ジメタノオクタヒドロナフタレン)由来の構成単位が77重量%である。この重合体を、Tダイ押出フィルム成形法によりフィルムとし、このフィルムをテンター法により一軸延伸した。延伸フィルムの厚みは100μm、面内位相差は50nmであった。確認試験を行ったところ、エージング後の応力は5MPaであった。
この単層フィルムを位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後に、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
エチレンとスチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(ジメタノオクタヒドロナフタレン)を、スチレン由来の構成単位が25重量%、ジメタノオクタヒドロナフタレン由来の構成単位が59重量%となるように重合した。Tg=144℃、ΔN0=−0.012、光弾性係数が−3×10-12Pa-1である。
外層としてアペル5014DP(三井化学製)を、内層として参考例2の重合体を用い、共押出フィルム成形法により多層フィルムとし、このフィルムをテンター法により一軸延伸した。延伸フィルムの総厚みは100μm、外層の厚みは25μm、内層の厚みは50μmであった。また、延伸フィルムのHAZEは0.5%、固有複屈折値は負であり、面内位相差は110nm、光弾性係数は−4×10-12Pa-1であった。確認試験を行ったところ、エージング後の応力は5MPaであった。
この多層フィルムを30インチの大きさの位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後に、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
この位相差フィルムを用いて、図1(A)及び図1(B)に示す構成の液晶表示装置を作成した。図1(A)は液晶表示装置の層構成を示し、図1(B)は偏光板、液晶層及び位相差フィルムの軸関係を示す。
位相差フィルム40と偏光板30を、第1及び第2の透明基板12,11と液晶層14とからなるIPSモード液晶セル10の背面(第1の透明基板12の面)に、液晶セル10の透明基板12側から順に、第二の粘着剤56、位相差フィルム40、第一の粘着剤57、偏光板30の順に積層し、液晶セル10の前面(第2の透明基板11の面)には、第一の粘着剤55、偏光板20の順に積層した。ここで、位相差フィルム40の遅相軸42は、背面側偏光板30の透過軸32及び液晶セル10内の液晶分子の長軸19方向とそれぞれ平行になるように、また前面側偏光板20と背面側偏光板30は、それぞれの透過軸22,32が直交するように配置した。この液晶表示装置の背面にバックライトを設置した。液晶セルは、電圧無印加の黒表示状態において、視野角の変化による光漏れの程度で、視野角依存性を評価した。どの方向から見ても光漏れが少ない場合、視野角依存性が小さく、位相差フィルムの視野角特性は優れていることになる。この例の液晶表示装置は、正面方向も斜め方向も光漏れは少なく、視野角特性は優れていることを確認した。
参考例2の重合体を、Tダイ押出フィルム成形法によりフィルムとし、このフィルムをテンター法により一軸延伸した。延伸フィルムの厚みは100μm、HAZEは0.5%、面内位相差は160nmであった。確認試験を行ったところ、エージング後の応力は1MPaであった。
この単層フィルムを30インチの大きさの位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。一方、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後には、位相差フィルムは割れていた。
比較例1と同じ30インチの大きさの位相差フィルムを、第一の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)、第二の粘着剤として、アクリル酸ブチルとアクリル酸からなる共重合体とアクリル酸n-ブチルとアクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P236JP)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤が残り、リワーク性が不良であった。一方、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
ダイラークD332(スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂、ノヴァケミカル社製)は、Tg=131℃、固有複屈折値は負であり、光弾性係数は+5×10-12Pa-1である。この重合体を、Tダイ押出フィルム成形法によりフィルムとし、このフィルムをテンター法により一軸延伸した。延伸フィルムの厚みは100μm、面内位相差は140nmであった。確認試験を行ったところ、エージング後の応力は1MPaであった。
この単層フィルムを位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体を剥がしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムが残り、リワーク性は不良であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後には、位相差フィルムは割れていた。
テクノロイS001(アクリル系ゴム粒子が約20重量%配合されているアクリル系樹脂、住友化学製)は、Tg=105℃、光弾性係数が−5×10-12Pa-1である。この重合材料は、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を含有してない。
外層としてテクノロイ S001(アクリル系ゴム粒子が約20重量%配合されているアクリル系樹脂、住友化学製)を、内層としてダイラークD332(スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂、ノヴァケミカル社製)を用い、共押出フィルム成形法により多層フィルムとし、このフィルムをテンター法により一軸延伸した。延伸フィルムの総厚みは100μm、外層の厚みは25μm、内層の厚みは50μmであった。また、延伸フィルムのHAZEは0.6%、固有複屈折値は負であり、面内位相差は170nm、光弾性係数は+5×10-12Pa-1であった。確認試験を行ったところ、エージング後の応力は5MPaであった。
この多層フィルムを30インチの大きさの位相差フィルムとし、第一の粘着剤として、アクリル酸n-ブチルとアクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P0082、Tg=−28℃)、第二の粘着剤としてアクリル酸n-ブチルとアクリル酸との共重合体からなる粘着剤(リンテック(株)製、P3132、Tg=−42℃)を用いて、偏光板及びガラス板と積層した。積層の後、偏光板と位相差フィルムの積層体をはがしたところ、ガラス板に第二の粘着剤や位相差フィルムは全く残らず、リワーク性は良好であった。また、この位相差フィルムと偏光板及びガラス板との積層体を、前記方法に基づいて耐久性を評価したところ、200サイクルの熱衝撃エージング後に、位相差フィルムに割れは生じていなかった。
この位相差フィルムと偏光板を、第1及び第2の透明基板と液晶層とからなるIPSモード液晶セルの背面(第1の透明基板の面)に、液晶セルの透明基板側から順に、第二の粘着剤、位相差フィルム、第一の粘着剤、偏光板の順に積層し、液晶セルの前面(第2の透明基板の面)には、第一の粘着剤、偏光板の順に積層した。ここで、位相差フィルムの遅相軸は、背面側偏光板の透過軸及び液晶セル内の液晶分子の長軸方向とそれぞれ平行になるように、また前面側偏光板と背面側偏光板は、それぞれの透過軸が直交するように配置した。ここで作製した液晶表示装置の層構成及び軸関係は図1に示すとおりである。この液晶表示装置の背面にバックライトを設置した。液晶セルは、電圧無印加の黒表示状態において、視野角の変化による光漏れの程度で、視野角依存性を評価した。どの方向から見ても光漏れが少ない場合、視野角依存性が小さく、位相差フィルムの視野角特性は優れていることになる。この例の液晶表示装置は、正面方向も斜め方向も光漏れは少なく、視野角特性は優れていることを確認した。
11: 透明基板
12: 透明基板
14: 液晶層
19: 液晶分子の長軸
20: 前面側偏光板
22: 偏光板20の透過軸
30: 背面側偏光板
32: 偏光板30の透過軸
40: 位相差フィルム
42: 位相差フィルム40の遅相軸
55: 第一の粘着剤
56: 第二の粘着剤
57: 第一の粘着剤
Claims (13)
- 2層の外層の間に内層を有する位相差フィルムであって、両外層はそれぞれ非スチレン系重合材料からなり、内層は負の固有複屈折値を有する重合材料からなり、該位相差フィルムの固有複屈折値が負であり、かつHazeが0〜1%である位相差フィルム。
- 光弾性係数の絶対値が10×10-12Pa-1以下である請求項1に記載の位相差フィルム。
- 内層を構成する重合材料、および両外層を構成する重合材料がそれぞれ、ガラス転移温度が100℃以上である請求項1または2に記載の位相差フィルム。
- 内層を構成する重合材料が、下記の群(A)から選択された少なくとも1種の化合物、群(B)から選択された少なくとも1種の化合物、および群(C)から選択された少なくとも1種の化合物を共重合して得られた共重合体であって、群(A)から選択された化合物由来の構成単位を5〜35重量%、群(B)から選択された化合物由来の構成単位を20〜45重量%、群(C)から選択された化合物由来の構成単位を45〜75重量%含む重合体を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
群(A):炭素原子数2以上のα−オレフィン
群(B):芳香族ビニル化合物
群(C):環状オレフィン - 両外層を構成する重合材料がそれぞれ独立して、炭素原子数2以上のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体または環状オレフィンの開環重合体の水素添加物である重合体を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 共押出フィルム成形法により得られた多層フィルムを延伸してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
- 互に平行に対向する2枚の透明基板と、それらの間に挟持された液晶層とを有する液晶セルと、
少なくとも前記液晶セルを介して互に平行に対向する2枚の偏光板と、
前記2枚の偏光板のそれぞれと前記液晶セルとの間の少なくとも一方に設けられた位相差フィルムと
を有する液晶表示装置であって、前記位相差フィルムは、2層の外層の間に内層を有する位相差フィルムであって、両外層はそれぞれ非スチレン系重合材料からなり、内層は負の固有複屈折値を有する重合材料からなり、該位相差フィルムの固有複屈折値が負であり、かつHazeが0〜1%である位相差フィルムである液晶表示装置。 - 前記液晶層は、電圧無印加状態では液晶分子が該透明基板に平行に配向している液晶層である請求項7記載の液晶表示装置。
- 前記位相差フィルムと、それと対向する偏光板及び/又は液晶セルとは、ガラス転移温度が−50℃以上−20℃以下であって、アクリル酸n−ブチルと他のモノマーとを共重合してなる一種類の共重合体からなる粘着剤を介して接合されてなる請求項7または8記載の液晶表示装置。
- 前記位相差フィルムの光弾性係数の絶対値が10×10-12Pa-1以下である請求項7〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記位相差フィルムにおいて、内層を構成する重合材料、および両外層を構成する重合材料がそれぞれ、ガラス転移温度が100℃以上である請求項7〜10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記位相差フィルムにおいて、内層を構成する重合材料が、下記の群(A)から選択された少なくとも1種の化合物、群(B)から選択された少なくとも1種の化合物、および群(C)から選択された少なくとも1種の化合物を共重合して得られた共重合体であって、群(A)から選択された化合物由来の構成単位を5〜35重量%、群(B)から選択された化合物由来の構成単位を20〜45重量%、群(C)から選択された化合物由来の構成単位を45〜75重量%含む重合体を含有する請求項7〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
群(A):炭素原子数2以上のα−オレフィン
群(B):芳香族ビニル化合物
群(C):環状オレフィン - 前記位相差フィルムにおいて、両外層を構成する重合材料がそれぞれ独立して、炭素原子数2以上のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体または環状オレフィンの開環重合体の水素添加物である重合体を含有する請求項7〜12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005174723A JP4569396B2 (ja) | 2004-06-16 | 2005-06-15 | 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004178079 | 2004-06-16 | ||
JP2005174723A JP4569396B2 (ja) | 2004-06-16 | 2005-06-15 | 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010142399A Division JP5429073B2 (ja) | 2004-06-16 | 2010-06-23 | 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006030982A true JP2006030982A (ja) | 2006-02-02 |
JP4569396B2 JP4569396B2 (ja) | 2010-10-27 |
Family
ID=35897339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005174723A Expired - Fee Related JP4569396B2 (ja) | 2004-06-16 | 2005-06-15 | 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4569396B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009046613A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Fujifilm Corp | シクロオレフィンコポリマーおよびフィルム |
WO2009119435A1 (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | 住友化学株式会社 | 複合偏光板、複合偏光板の製造方法およびそれを用いた液晶表示装置 |
JP2009258589A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-11-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 複合偏光板、複合偏光板の製造方法およびそれを用いた液晶表示装置 |
JP2009258226A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 |
WO2010067896A1 (ja) * | 2008-12-11 | 2010-06-17 | 住友化学株式会社 | 複合偏光板の製造方法 |
JP2010224500A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光学フィルムおよびそれを備える画像表示装置 |
WO2021100698A1 (ja) * | 2019-11-22 | 2021-05-27 | 住友化学株式会社 | 硬化性接着剤組成物及び偏光板 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10287713A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Mitsui Chem Inc | 環状オレフィン系共重合体およびその用途 |
JP2003050316A (ja) * | 2001-05-31 | 2003-02-21 | Sumitomo Chem Co Ltd | 高波長分散位相差板 |
JP2004133313A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 光学積層体及びその製造方法 |
JP2004133318A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 偏光光源装置及びそれを用いた液晶表示装置 |
-
2005
- 2005-06-15 JP JP2005174723A patent/JP4569396B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10287713A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Mitsui Chem Inc | 環状オレフィン系共重合体およびその用途 |
JP2003050316A (ja) * | 2001-05-31 | 2003-02-21 | Sumitomo Chem Co Ltd | 高波長分散位相差板 |
JP2004133313A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 光学積層体及びその製造方法 |
JP2004133318A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Nippon Zeon Co Ltd | 偏光光源装置及びそれを用いた液晶表示装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009046613A (ja) * | 2007-08-21 | 2009-03-05 | Fujifilm Corp | シクロオレフィンコポリマーおよびフィルム |
WO2009119435A1 (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | 住友化学株式会社 | 複合偏光板、複合偏光板の製造方法およびそれを用いた液晶表示装置 |
JP2009258589A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-11-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 複合偏光板、複合偏光板の製造方法およびそれを用いた液晶表示装置 |
JP2009258226A (ja) * | 2008-04-14 | 2009-11-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 複合偏光板およびそれを用いた液晶表示装置 |
WO2010067896A1 (ja) * | 2008-12-11 | 2010-06-17 | 住友化学株式会社 | 複合偏光板の製造方法 |
JP2010224500A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Nippon Shokubai Co Ltd | 光学フィルムおよびそれを備える画像表示装置 |
WO2021100698A1 (ja) * | 2019-11-22 | 2021-05-27 | 住友化学株式会社 | 硬化性接着剤組成物及び偏光板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4569396B2 (ja) | 2010-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5429073B2 (ja) | 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 | |
JP4902516B2 (ja) | 視角制御システムならびに画像表示装置 | |
KR101118000B1 (ko) | 액정 표시장치 | |
JP5202889B2 (ja) | 積層偏光板およびその製造方法ならびに液晶表示装置 | |
JP4569396B2 (ja) | 位相差フィルムおよびそれを備えた液晶表示装置 | |
KR20080075779A (ko) | 박형 편광판 및 이것을 사용한 화상 표시 장치 | |
KR20080055707A (ko) | 점착형 광학 필름 및 화상 표시 장치 | |
JP2008165185A (ja) | 積層光学フィルム、積層光学フィルムを用いた液晶パネル、および液晶表示装置 | |
US20170023715A1 (en) | Optical film, manufacturing method thereof, and display device | |
JP2006126770A (ja) | 楕円偏光板および画像表示装置 | |
KR102505692B1 (ko) | 적층체 및 화상 표시 장치 | |
JP2010122487A (ja) | 高弾性率粘着剤層を有する偏光板及びそれを用いた画像表示装置 | |
JP5076302B2 (ja) | 液晶表示装置及びそれに有用な偏光板のセット | |
KR101172074B1 (ko) | 액정 표시 장치 및 상기 장치에 유용한 편광판 세트 | |
JP2012103719A (ja) | 視角制御システムならびに画像表示装置 | |
JP5204616B2 (ja) | 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 | |
JP2006235613A (ja) | 複合偏光板 | |
JP2009116197A (ja) | 異方性光散乱フィルム、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置 | |
JP4333465B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2009139712A (ja) | 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 | |
WO2005116700A1 (ja) | 楕円偏光板および画像表示装置 | |
JP3938142B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2009251326A (ja) | 液晶パネルおよび液晶表示装置 | |
WO2020162298A1 (ja) | 画像表示装置およびその製造方法 | |
CN113454701B (zh) | 图像显示装置及其制造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080131 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080407 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080514 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100421 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100518 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100713 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100726 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4569396 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |