JP2006029823A - 水晶式圧力センサ - Google Patents

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JP2006029823A JP2004205117A JP2004205117A JP2006029823A JP 2006029823 A JP2006029823 A JP 2006029823A JP 2004205117 A JP2004205117 A JP 2004205117A JP 2004205117 A JP2004205117 A JP 2004205117A JP 2006029823 A JP2006029823 A JP 2006029823A
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Abstract

【課題】 周波数変化型の水晶式圧力センサであって、圧力検出素子の振動部の両面側に気密空間を形成する為の封止部材を圧力検出素子の両面に夫々固定して、ゴミなどの異物の付着による周波数の変動を防止したものにおいて、封止部材の影響によって圧力検出素子が変形しにくくなってセンサ感度が低下することを防止する。
【解決手段】 薄肉の振動部3を備えたATカット水晶板から成る圧力検出素子2と、振動部の上面及び下面との間に夫々第1及び第2の気密空間S1、S2を形成するように圧力検出素子の上面及び下面に夫々固定され且つATカット水晶板から成る第1、及び第2の封止部材20、30と、を備えた水晶式圧力センサであって、圧力検出素子は、水晶基板4下面の略中央部に形成した薄肉振動部3、内側環状枠5と、環状溝6、外側環状枠7、振動部の平坦な上面に形成した励振電極8、リード電極9と、振動部下面に形成された金属膜10と、を備え、第2の封止部材は、その上面外周縁を、圧力検出素子下面の内側環状枠の下面に固定されることにより第2の気密空間を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は水晶基板上に電極パターンを形成した圧力検出素子を用いた圧力センサの改良に関し、特に圧力検出素子が外部圧力の変化によって変形することにより発生する圧力検出素子の共振周波数の変化に基づいて外部圧力の値を検出するようにした水晶式圧力センサに関する。
従来から、水圧計、気圧計、差圧計等の圧力センサとして、水晶振動素子を圧力検出素子として使用した圧力センサが知られている。水晶振動素子は、板状の水晶基板の振動部上に電極パターンを形成した構成を備え、振動部に圧力が加わった際に共振周波数が変化する性質を利用して圧力の変化を検出するようにしたのが圧力センサである。
水晶振動素子を用いた圧力センサにあっては、印加した圧力にほぼ比例(2次曲線)して共振周波数が変化するため、周波数変化量と印加圧力との関係を2次方程式を用いて補正することによって、高精度の圧力測定が可能となる。
特開平6−26957号公報には、ATカット又はBTカット水晶を使用した圧力変換器について開示されている。この公報には、中空円筒状の結晶ハウジングと、ハウジング内に一体化した円盤状の水晶共振器と、を備えた圧力変換器が開示されている。また、同公報には従来例として円盤状の水晶共振器の両主面を夫々同径円筒状のキャップによってサンドイッチすることによって全体として円筒状とした圧力変換器が開示されている。これらの圧力変換器は、水晶共振器の共振周波数の変化の値を圧力の変化値として検出する周波数変化型の圧力センサである。そして、水晶共振器の振動部の表裏両面側を気密封止することにより、振動部へのゴミ付着等に起因した周波数の変動、周波数誤差の発生を防止できる。しかし、いずれの圧力変換器にあっても、円筒内部に配置された共振器に外部圧力を作用させて機械的応力を発生させるためには、結晶ハウジング、或いはキャップを共に撓ませる必要があるため、高いセンサ感度を得ることが困難であった。
特開平6−26957号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ATカット水晶板から成る圧力検出素子の共振周波数の変化の値を圧力の変化値として検出する周波数変化型の水晶式圧力センサであって、圧力検出素子の振動部の両面側に気密空間を形成する為の封止部材を圧力検出素子の両面に夫々固定して、ゴミなどの異物の付着による周波数の変動を防止したものにおいて、封止部材の影響によって圧力検出素子が変形しにくくなってセンサ感度が低下することを防止した水晶式圧力センサを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、中央部に薄肉の振動部を備えた水晶板から成る圧力検出素子と、該振動部の上面及び下面との間に夫々第1及び第2の気密空間を形成するように圧力検出素子の上面及び下面に夫々固定され且つ水晶板から成る第1、及び第2の封止部材と、を備え、第2封止部材に加わる被測定圧力によって振動部が変形することによって変化する共振周波数に基づいて被測定圧力値を計測する水晶式圧力センサであって、前記圧力検出素子は、上面が平坦な水晶基板と、該水晶基板下面の略中央部に形成した薄肉振動部と、該振動部の外周縁に位置する厚肉の内側環状枠と、該内側環状枠の外径側に位置する環状溝と、該環状溝の外径側に位置する厚肉の外側環状枠と、該振動部の平坦な上面に形成した励振電極と、該励振電極から水晶基板端縁に導出されたリード電極と、少なくとも振動部下面に形成された金属膜と、を備え、前記第1の封止部材は、その下面に、前記振動部を含む圧力検出素子上面との間に前記第1の気密空間を形成するための凹所を有すると共に、該凹所を包囲する環状枠の下面に設けた金属膜を介して圧力検出素子上面のリード電極と導通し、前記第2の封止部材は、その上面外周縁を、圧力検出素子下面の内側環状枠の下面に固定されることにより前記第2の気密空間を形成することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記第2の封止部材は、前記圧力検出素子の振動部と対面する部分に薄肉部を有すると共に、該薄肉部外周縁に厚肉環状部を一体化した構成を備えていることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記第1の封止部材の金属膜と、前記圧力検出素子の金属膜との間に発振回路を接続して圧力検出素子を発振させた状態で、前記被測定圧力が変化した場合に、前記振動部が変形することにより発生する振動部の共振周波数の変化に基づいて圧力を算出する制御部を有していることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、圧力検出素子の薄肉振動部の両面を夫々封止部材により封止して気密空間としたので、振動部にゴミ等が付着することによる検出精度の低下を防止できると共に、第2の封止部材の上面外周縁を圧力検出素子下面の内側環状枠の下面に固定したことにより第2の封止部材を必要最小限の面積としたので、センサ感度を更に高めることができる。
請求項2の発明によれば、被検出圧力を受ける側の第2の封止部材に薄肉部を設けたので、更にセンサ感度を高めることができる。
請求項3の発明によれば、構成がシンプルで、小型、低コストで、センサ感度の優れた圧力センサを得ることができる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る周波数変化型の水晶式圧力センサの全体構成を示す縦断面図、等価回路図、及びその動作を説明するための断面図である。
この周波数変化型の水晶式圧力センサ(以下、圧力センサ、という)1は、板面の略中央部に薄肉の振動部3を備えたATカット水晶板から成る圧力検出素子2と、振動部3の上面及び下面との間に夫々第1及び第2の気密空間S1、S2を形成するように圧力検出素子2の上面及び下面に夫々固定され且つATカット水晶板から成る第1、及び第2の封止部材20、30と、を備えている。そして、第2封止部材30に加わる被測定圧力Pによって振動部3が変形することによって変化する共振周波数に基づいて被測定圧力値を計測する。
圧力検出素子2は、上面が平坦なATカット水晶基板4と、水晶基板4下面の略中央部に形成した薄肉振動部3と、振動部3の外周縁に位置する厚肉の内側環状枠5と、内側環状枠5の外径側に位置する環状溝(環状薄肉部)6と、環状溝6の外径側に位置する厚肉の外側環状枠7と、振動部3の平坦な上面に形成した励振電極8と、励振電極8から水晶基板端縁に導出されたリード電極9と、水晶基板上面の外周縁全周に亘って延在し且つリード電極9とも連続形成された環状金属膜9aと、水晶基板4の下面に形成された金属膜10と、を備えている。金属膜10は、少なくとも振動部3の下面に形成されることにより励振電極8と対向配置される部分10aと、該部分10aから基板端縁に延びて発振回路と接続するための端子Bとなる部分10bとを少なくとも備えている。励振電極8とリード電極9、環状金属膜9a、金属膜10は、例えばCr−Auから成るメッキ電極とする。
ATカット水晶板から成る第1の封止部材20は、その下面に、振動部3を含む圧力検出素子2の上面との間に第1の気密空間S1を形成するための凹所21を有すると共に、凹所21を包囲する厚肉環状枠22の下面全体に設けた金属膜23を介して圧力検出素子上面のリード電極9と導通しており、この金属膜23は例えばメッキにより積層形成したCr−Auから構成し、発振回路と接続するための端子Aを構成している。厚肉環状枠22の下面の金属膜22の他の部位は、Au―Sn等の接合材料25を用いて、環状金属膜9aと接合一体化されることにより、第1の気密空間S1を形成する。
第1の封止部材20は、水晶基板4の上面の外周縁全周と接合一体化されることにより、水晶基板の外側環状枠7を機械的に支持するように、水晶基板4と同等の面積か、或いは大きい面積を有するように構成されている。しかも、水晶基板4と第2の封止部材30が圧力によって変形したとしても、第1の封止部材20は変形することがない程度に全体的な厚さを大きく設定してその剛性を高めておく。
ATカット水晶板から成る第2の封止部材30は、その上面外周縁を、圧力検出素子2の下面の内側環状枠5の下面に固定されることにより第2の気密空間S2を形成している。第1の封止部材20が一定以上の面積と肉厚と剛性を備えていることにより水晶基板4を安定して保持する保持手段として機能するのに対して、第2の封止部材は内側環状枠5の内側の凹所を気密化する蓋部材として機能するに過ぎないため、面積、肉厚、剛性ともに必要最小限であればよい。特に、第2の封止部材30を介して水晶基板の振動部3に圧力がかかるよう構成されているため、振動部3と対向する位置に薄肉部31を設けると共に、被測定圧力によって振動部3が変形することを妨げないように第2の封止部材の全体面積は必要最小限である必要がある。
上記の如き蓋部材としての機能を発揮するために、第2の封止部材30は、水晶基板4の振動部3と対向する部分が薄肉部31となっており、薄肉部31の外周には厚肉環状部32が一体化された状態となっている。また、第2の封止部材30の面積は、第2の気密空間S2を形成するために必要な最小限の面積に設定する。なお、この例では、内側環状枠5の下面との接合手段としてAu−Sn接合材料を使用しているがこれは一例に過ぎず、第2の気密空間S2を形成できる接合手段であれば、どのような手段であってもよい。
第1及び第2の気密空間S1、S2は、外部温度の変化によってセンサ感度が悪影響を受けることがないように、真空、或いは真空に近い減圧状態とすることが好ましい。第2の気密空間S2は、圧力測定のための基準圧室として機能する。
更に、第1の封止部材20と、第2の封止部材30、及び水晶基板4とを同一材料を用い、これらを接合する際には、結晶軸方向が一致するように重ね合わせることにより、第1、2の封止部材と水晶基板との間の熱膨張係数などが一致するので、被測定圧力による応力のみを検出することができる。
水晶基板4、第1及び第2の封止部材20、30は、いずれもフォトリソグラフィを利用したエッチングにより加工する。
以上の構成に於いて、第2の封止部材30の外側面(薄肉部31)に被測定圧力が加わった場合に、被測定圧力と気密空間S2内の基準圧力との差圧に伴い、水晶基板4の振動部3が延びる方向へ撓み変形するので、振動部3に歪み応力が発生して振動部の共振周波数が変化する。振動部の共振周波数、及び共振周波数の変化量は、発振回路によって振動部を励振させることにより得られる周波数として検出でき、図示しない制御部がこの共振周波数の変化量を圧力変化量に換算して、被測定圧力の値を計測する。
このように本発明の圧力センサにあっては、被測定圧力が変化した場合に、その圧力変化を直接受けて水晶基板4の振動部3が撓むので、高い感度を有する圧力センサを得ることが可能となる。特に、本発明では、振動部を包囲する内側環状枠5の更に外側に環状薄肉部6を配備したので、より高いセンサ感度を得ることが可能となる。
次に、図2は本発明の圧力センサ1をパッケージ内に収容した例を示す断面図である。
パッケージ40としては、セラミック等を用い、圧力導入のための開口41は第1の封止部材20の上面と対向する位置に配置する。圧力センサ1は、パッケージ40の内底面に導電性接着剤42により固定する。導電性接着剤42による固定カ所は、端子A、Bとの導通を確保するように圧力検出素子2の対向する2つの端縁とし、第2の封止部材30の下面が開口41と連通するように接着カ所を選定する。このように圧力が作用する第2の封止部材下面と圧力を導入する開口41とを離間させたのは、圧力伝達経路が迂回したルートを経るように設定することによって汚れや水分が圧力センサ1に入りにくくするためである。
なお、パッケージ内の空間をオイルにより満たした構成としても良い。
(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係る周波数変化型の水晶式圧力センサの全体構成を示す縦断面図、等価回路図、及びその動作を説明するための断面図。 本発明の圧力センサをパッケージ内に収容した場合の構成例を示す断面図。
符号の説明
1 水晶式圧力センサ、2 圧力検出素子、3 薄肉振動部、S1、S2 気密空間、4 水晶基板、5 内側環状枠、6 環状溝(環状薄肉部)、7 外側環状枠、8 励振電極、9 リード電極、9a 環状金属膜、10 金属膜、20 第1の封止部材、21 凹所、22 厚肉環状枠、23 金属膜、25 接合材料、30 封止部材、31 薄肉部、32 厚肉環状部、40 パッケージ、41 開口、42 導電性接着剤。

Claims (3)

  1. 中央部に薄肉の振動部を備えた水晶板から成る圧力検出素子と、該振動部の上面及び下面との間に夫々第1及び第2の気密空間を形成するように圧力検出素子の上面及び下面に夫々固定され且つ水晶板から成る第1、及び第2の封止部材と、を備え、第2封止部材に加わる被測定圧力によって振動部が変形することによって変化する共振周波数に基づいて被測定圧力値を計測する水晶式圧力センサであって、
    前記圧力検出素子は、上面が平坦な水晶基板と、該水晶基板下面の略中央部に形成した薄肉振動部と、該振動部の外周縁に位置する厚肉の内側環状枠と、該内側環状枠の外径側に位置する環状溝と、該環状溝の外径側に位置する厚肉の外側環状枠と、該振動部の平坦な上面に形成した励振電極と、該励振電極から水晶基板端縁に導出されたリード電極と、少なくとも振動部下面に形成された金属膜と、を備え、
    前記第1の封止部材は、その下面に、前記振動部を含む圧力検出素子上面との間に前記第1の気密空間を形成するための凹所を有すると共に、該凹所を包囲する環状枠の下面に設けた金属膜を介して圧力検出素子上面のリード電極と導通し、
    前記第2の封止部材は、その上面外周縁を、圧力検出素子下面の内側環状枠の下面に固定されることにより前記第2の気密空間を形成することを特徴とする水晶式圧力センサ。
  2. 前記第2の封止部材は、前記圧力検出素子の振動部と対面する部分に薄肉部を有すると共に、該薄肉部外周縁に厚肉環状部を一体化した構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の水晶式圧力センサ。
  3. 前記第1の封止部材の金属膜と、前記圧力検出素子の金属膜との間に発振回路を接続して圧力検出素子を発振させた状態で、前記被測定圧力が変化した場合に、前記振動部が変形することにより発生する振動部の共振周波数の変化に基づいて圧力を算出する制御部を有していることを特徴とする水晶式圧力センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011203140A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Seiko Epson Corp 圧力センサー

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