JP2006029357A - トルクコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 トルクコンバータにおいて、ロックアップクラッチ周辺の構造を工夫することで、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減する。
【解決手段】 このトルクコンバータ1は、入力側から出力側へトルクを伝達するためのもので、入力側のフロントカバー2と、筒状のタービンハブ23を有する出力側のタービン4と、フロントカバー2からタービン4へトルクを伝達するとともに捩じり振動を吸収・減衰するためのロックアップクラッチ6とを備えている。ロックアップクラッチ6は、タービンハブ23の外周側に配置され、クラッチ動作を行うための円板状のピストン41と、ピストン41の内周部とタービンハブ23の外周部との半径方向間に配置された環状の摺動部材100とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トルクコンバータ、特にロックアップクラッチが設けられたトルクコンバータに関する。
トルクコンバータは、内部の作動流体を介してエンジンからのトルクをトランスミッション側へ伝達する装置であり、主に、フロントカバーと、インペラーと、タービンと、ステータとから構成される。フロントカバーは、エンジンからのトルクが入力される環状の部材である。インペラーは、フロントカバーのトランスミッション側に固定されており、流体室を形成している。タービンは、トランスミッション側にトルクを出力するためのものであり、インペラーのエンジン側に対向するように配置された環状の部材である。タービンは、環状のフランジが外周面に形成された筒状のタービンハブを含んでいる。タービンハブは、トランスミッション側の入力軸に連結されており、トランスミッション側へトルクを伝達する。ステータは、タービンからインペラーへ向かう作動流体の流れを整流するためのものであり、インペラーの内周部とタービンの内周部との間に配置されている。
また、トルクコンバータは、トルクの伝達効率を向上させるためにロックアップクラッチを備えている。ロックアップクラッチは、タービンとフロントカバーとの間の空間に配置されており、トルクコンバータの機能を必要としない領域において、フロントカバーとタービンとを機械的に連結することでフロントカバーからタービンにトルクを直接伝達する。ロックアップクラッチは、主に、ピストンと、ピストンをタービンなどの出力側部材に連結するための弾性連結機構とから構成されている。
ピストンは、フロントカバーの摩擦面に押圧されることでフロントカバーと連結される円板状の部材であり、フロントカバーとタービンとの間をフロントカバー側のフロント室とタービン側のリア室とに分割するように配置されている。また、ピストンの外周部のフロントカバー側には、摩擦フェーシングが張られて摩擦連結部が形成されている。弾性連結機構は、例えばピストンに固定されたドライブ部材と、タービン側に固定されたドリブン部材と、ドライブ部材とドリブン部材との間でトルク伝達可能に配置されたコイルスプリング等の弾性部材とから構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−278881号公報
以上に述べたロックアップクラッチは、ピストンの内周部がタービンハブの外周面と当接しているため、ピストンがタービンに対して相対回転可能にかつ軸方向へ相対移動可能に支持されている。したがって、ピストンは、フロント室とリア室との差圧によりフロントカバーに対して接近及び離反可能となっている。このピストンの軸方向移動時に、ピストンの内周面とタービンハブの外周面とが摺動することにより、摩擦抵抗が発生する。さらにロックアップ連結中に捩り振動が入力されると、ピストンはハブに対し所定角度内で相対回転する。このピストンの回転方向移動時に、ピストンの内周面とタービンハブの外周面とが摺動することにより、摩擦抵抗が発生する。通常、ピストン及びタービンハブは金属製であり両者間の摩擦係数が大きいため、ピストンとタービンハブとの摺動面には大きな摩擦抵抗が発生する。ピストンとタービンハブとの間に大きい摩擦抵抗が発生した場合、ロックアップクラッチ作動時の応答性が低下するとともに、ピストンやタービンハブの摩耗が激しくなる。また、ピストンとタービンハブとの摩耗対策として浸炭処理等の熱処理を施す必要があるため、加工コストがかかる。さらに、摩擦抵抗が大きい場合、ロックアップクラッチのダンパー作動時のヒステリシストルクが必要以上に大きくなってしまう。
また、従来のトルクコンバータは、タービンがフロントカバー側へ移動するのを支持するため、フロントカバーとタービンハブとの間に、樹脂製のワッシャが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、ワッシャは、環状の部材であり、タービンハブの軸方向フロントカバー側先端とフロントカバーとの間に配置されている。ワッシャは、半径方向への移動を規制するため、フロントカバーあるいはタービンハブに環状の段付き部が設けられている。したがって、従来のトルクコンバータでは、フロントカバーやタービンハブに対して加工を施す必要があるため、加工コストがかかる。
本発明の課題は、トルクコンバータにおいて、ロックアップクラッチ周辺の構造を工夫することで、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することにある。
本発明の別の課題は、トルクコンバータにおいて、ロックアップクラッチ周辺の構造を工夫することで、コストダウンを図ることにある。
請求項1に記載のトルクコンバータは、入力側から出力側へトルクを伝達するためのもので、入力側のフロントカバーと、筒状のタービンハブを有する出力側のタービンと、フロントカバーからタービンへトルクを伝達するとともに捩じり振動を吸収・減衰するためのロックアップクラッチとを備えている。ロックアップクラッチは、タービンハブの外周側に配置され、クラッチ動作を行うための円板状のピストンと、ピストンの内周部とタービンハブの外周部との半径方向間に配置された環状の摺動部材とを有している。
このトルクコンバータでは、ピストンの内周部とタービンハブの外周部との半径方向間に摺動部材を備えているため、ピストンとタービンハブとが直接摺動することがなく、摺動部において発生する摩擦抵抗を低減することができる。その結果、このトルクコンバータでは、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することができる。
また、このトルクコンバータでは、摺動部材を備えているため、ピストンとタービンハブとが直接摺動することがない。そのため、摺動部に摩耗対策として熱処理等を施す必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
請求項2に記載のトルクコンバータは、請求項1において、摺動部材は、外周側の第1摺動面がピストンの内周面と当接し、内周側の第2摺動面がタービンハブの外周面と当接している。
このロックアップクラッチでは、摺動部材の第1及び第2摺動面がピストンの内周面及びタービンハブの外周面とそれぞれ当接しているため、摺動部材及びピストンのタービンハブに対する半径方向位置が安定する。
請求項3に記載のロックアップクラッチは、請求項1または2において、タービンハブが外周側に形成された環状のフランジを有しており、摺動部材がフロントカバーとフランジとの軸方向間に配置されている。
従来のトルクコンバータは、前述のようにタービンがフロントカバー側へ移動するのを防止するため、フロントカバーとタービンハブとの間に樹脂製のワッシャが設けられている。そして、この従来のワッシャは半径方向への移動が規制されていないため、ワッシャの半径方向の位置を安定させるため、フロントカバーには環状の段付き部を形成する必要がある。
しかし、本発明に係るトルクコンバータでは、摺動部材がフロントカバーとフランジとの軸方向間に配置されているため、摺動部材に従来のワッシャの機能をもたせることができ、従来のようにワッシャを設ける必要がなくなる。また、摺動部材がピストンとタービンハブとの半径方向間に配置されているため、摺動部材の半径方向の位置を安定させることができ、従来のように段付き部を形成する必要がなくなる。したがって、このトルクコンバータでは、摺動部材を設けることで従来のワッシャ及び段付き部を設ける必要がなくなるため、コストダウンを図ることができる。
請求項4に記載のトルクコンバータは、請求項1から3のいずれかにおいて、摺動部材がフロントカバー側の第3摺動面がフロントカバーと当接し、フランジ側の第4摺動面がフランジと当接している。
このトルクコンバータでは、摺動部材の第3及び第4摺動面がフロントカバー及びフランジと当接しているため、摺動部材がタービンからの軸方向荷重を確実に支持することができ、タービンがフロントカバー側へ移動するのを確実に防止することができる。
請求項5に記載のトルクコンバータは、請求項2から4のいずれかにおいて、摺動部材が第1及び第2摺動面に環状の第1及び第2シール部材を有している。
このトルクコンバータでは、摺動部材が第1及び第2シール部材を有しているため、ピストンと摺動部材との間、及び摺動部材とタービンハブとの間において作動流体が流れるのを防止することができる。その結果、ロックアップクラッチ連結時にピストンにフロントカバー側への押し付け力を与える作動流体が、摺動部材周辺の隙間から漏れるのを防止することができ、ロックアップクラッチ動作時の応答性を確保することができる。また、このトルクコンバータでは、摺動部材が第1及び第2シール部材を有しているため、従来タービンハブに設けられていたシール部材用の溝加工が不要となり、コストダウンを図ることができる。
請求項6に記載のトルクコンバータは、請求項5において、摺動部材が第1及び第2シール部材が収容される溝状の第1及び第2溝部を有している。
このトルクコンバータでは、摺動部材が第1及び第2溝部を有しているため、ピストンがタービンハブに対して相対移動する際に第1及び第2シール部材を保護することができる。その結果、このトルクコンバータでは、摺動部材周辺の隙間から作動流体が漏れるのを確実に防止することができる。また、このトルクコンバータでは、摺動部材が第1及び第2シール部材を有しているため、従来タービンハブに設けられていたシール部材用の溝加工が不要となり、コストダウンを図ることができる。
請求項7に記載のトルクコンバータは、請求項1から6のいずれかにおいて、摺動部材が樹脂で形成されている。
このトルクコンバータでは、摺動部材が樹脂で形成されているため、ピストンと摺動部材との間、及び摺動部材とタービンハブとの間の摩擦係数を小さくすることができる。その結果、このトルクコンバータでは、ピストンとタービンハブとの間に作用する摩擦抵抗を低減することができるため、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することができる。また、このトルクコンバータでは、ロックアップクラッチで発生するヒステリシストルクを低減することができる。
請求項8に記載のトルクコンバータは、請求項1から7のいずれかにおいて、第3摺動面には半径方向に延びる複数の流路が形成されている。
このトルクコンバータでは、摺動部材が流路を有しているため、摺動部材がロックアップ作動時及び解除時の作動流体の流れを阻害しない。
本発明に係るトルクコンバータであれば、ロックアップクラッチ周辺の構造を工夫することで、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することができる。
また、本発明に係るトルクコンバータであれば、ロックアップクラッチ周辺の構造を工夫することで、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
1.トルクコンバータの構造
図1に本発明の一実施形態としてのトルクコンバータ1の縦断面概略図を示す。図1のO−Oは、トルクコンバータ1の回転中心線を示す。
トルクコンバータ1は、主に、フロントカバー2、インペラー3、タービン4、ステータ5、及びロックアップクラッチ6から構成される。
フロントカバー2は、図示しないエンジン側の構成部品に装着可能となっており、エンジンからトルクが入力される。フロントカバー2の外周縁には、図示しないエンジンと反対側(トランスミッション側)に突出する外周側筒状部11が設けられている。
インペラー3は、インペラーシェル16と、インペラーシェル16上に固定された複数のインペラーブレード17とを有している。インペラーシェル16の外周縁は、フロントカバー2の外周側筒状部11に固定されている。このインペラーシェル16とフロントカバー2とにより、流体室を形成する。さらに、インペラー3は、インペラーシェル16の内周縁に固定されたインペラーハブ18を有している。
タービン4は、流体室内部でインペラー3に対向する位置に配される。タービン4は、タービンシェル21と、タービンシェル21上に固定された複数のタービンブレード22とを有している。タービン4は、さらに、図示しないトランスミッションにトルク伝達を行うためのタービンハブ23を有している。タービンハブ23の本体は筒状であり、その外周面にフランジ24が形成されている。タービンシェル21の内周側端部は、複数のリベット25によってフランジ24に固定されている。なお、タービンハブ23の本体は、トランスミッションのメインドライブシャフト(図示せず)に係合するスプライン溝26を内周側に有している。
ステータ5は、タービン4からインペラー3へと戻される作動流体の方向を調節するものである。ステータ5は、インペラー3及びタービン4のそれぞれの内周側の間に配置される。ステータ5は、ステータシェル31と、ステータシェル31上に固定された複数のステータブレード32とを備える。また、ステータ5は、その内周側においてワンウェイクラッチ33を介して図示しない固定シャフトに支持される。ステータシェル31とインペラーハブ18との軸方向間には、第1スラストベアリング75が配置されている。ワンウェイクラッチ33とフランジ24との間には、第2スラストベアリング76が配置されている。
ロックアップクラッチ6は、フロントカバー2とタービン4とを機械的に連結するための装置である。ロックアップクラッチ6は、フロントカバー2とタービン4との間の空間に配されている。ロックアップクラッチ6は、主に、ピストン41と、ピストン41をタービン4に弾性的に連結するための弾性連結機構42とから構成されている。
ピストン41は、板金製の円板状部材であり、絞り加工によって複雑な形状を有しているが、全体にわたって概ね同じ板厚を有している。ピストン41は、フロントカバー2とタービン4との間の空間を軸方向及び円周方向に移動可能であり、前記空間をフロントカバー2側のフロント室Fとタービン4側のリア室Rとに分割するように配置される。ピストン41は、フロント室Fとリア室Rとのそれぞれの作動流体の差圧により軸方向に移動する。ピストン41は、円板状部材であるピストン本体41aから主に構成されている。ピストン41は、さらに、内周縁から軸方向トランスミッション側に延びる内周側筒状部43と、外周縁から軸方向トランスミッション側に延びる外周側筒状部44とを有している。内周側筒状部43とタービンハブ23の外周面23aとの間には、後述する環状の摺動部材100が配置されている。すなわち、ピストン41は内周側筒状部43及び摺動部材100を介してタービンハブ23によって半径方向の位置決めがされている。
ピストン本体41aの外周部エンジン側には、摩擦フェーシング61が設けられている。フロントカバー2の摩擦フェーシング61に対向する部分には、摩擦面62が形成されている。摩擦フェーシング61と摩擦面62とが当接して摩擦連結すると、フロントカバー2からピストン41へトルクが伝達される。つまり、摩擦面62と摩擦フェーシング61とによってクラッチ連結部66が構成されている。
弾性連結機構42は、ピストン41とタービン4とを回転方向に弾性的に連結するための機構である。弾性連結機構42は、ピストン41とタービン4との間、さらに詳細には、外周側筒状部44の近傍とタービンシェル21の外周部との間に配置される。弾性連結機構42は、ドライブ側部材としてのリティーニングプレート51、ドリブン側部材としてのドリブンプレート52、及び両プレート51、52間に配置される複数のコイルスプリング53から構成される。
リティーニングプレート51は、外周側筒状部44の内周側に配置される環状のプレート部材である。リティーニングプレート51は、コイルスプリング53を保持すると共に、コイルスプリング53の円周方向両側に係合してトルクを伝達するための部材である。リティーニングプレート51は、円周方向に並べられた複数のコイルスプリング53の外周側と内周側をそれぞれ支持する保持部54、55を有する。内周側の保持部54は、リティーニングプレート51から切り起こされて形成される。また、リティーニングプレート51は、各コイルスプリング53の円周方向両端を支持するための係合部56、57を有している。係合部56、57は、リティーニングプレート51から切り起こされて形成される。ドリブンプレート52は、タービンシェル21の外周部の背面に固定された環状のプレート部材である。ドリブンプレート52は、円周方向複数箇所にエンジン側に延びる複数の爪部58が形成される。爪部58は、各コイルスプリング53の円周方向両端に係合可能に配される。これにより、リティーニングプレート51からのトルクが、コイルスプリング53を介してドリブンプレート52に伝達される。
3.摺動部材周辺の構造
図2に摺動部材周辺の縦断面概略図を示す。摺動部材100は、前述のように、ピストン41の内周側筒状部43とタービンハブ23との間に設けられており、例えば樹脂により形成された軸方向に延びる筒状の部材である。また、摺動部材100は、外周側の第1摺動面101と、内周側の第2摺動面102とを有している。第1摺動面101は、ピストン41の内周側筒状部43の内周面43aと当接している。また、第2摺動面102は、タービンハブ23の外周面23aと当接している。これにより、ピストン41及び摺動部材100は、タービンハブ23に対する半径方向の位置が安定する。
また、摺動部材100は、フロントカバー2とフランジ24との軸方向間に配置されており、フロントカバー2側の第3摺動面103と、フランジ24側の第4摺動面104とを有している。第3摺動面103は、フロントカバー2の軸方向トランスミッション側面2aと当接している。また、第4摺動面104は、フランジ24のエンジン側摺動面24aと当接している。これにより、摺動部材100は、タービン4からの軸方向荷重を支持しており、タービン4がフロントカバー2側へ移動するのを防止している。
摺動部材100は、第1及び第2摺動面101、102に環状の第1及び第2シール部材を有している。第1及び第2シール部材111、112は、内周側筒状部43と摺動部材100との間、及び摺動部材100とタービンハブ23との間において作動流体が漏れるのを防止するためのものである。また、摺動部材100は、第1及び第2シール部材111、112が収容される溝状の第1及び第2溝部111a、112aを有してる。
ロックアップクラッチ6連結及び連結解除時において、ピストン41は、フロント室Fとリア室Rとの差圧により軸方向へ移動しフロントカバー2に接近及び離反する。しかし、ピストン41、摺動部材100、及びタービンハブ23の隙間から作動流体が漏れた場合、前記差圧が小さくなるためピストン41が正常に動作しなくなるおそれがある。しかし、この摺動部材100は、第1及び第2シール部材111、112、及びそれに対応する第1及び第2溝部111a、112aを有しているため、摺動部材100周辺の部材間の隙間を介してフロント室Fとリア室Rとの間を作動流体が漏れることがなく、正常なロックアップクラッチ6の動作を確保することができる。
さらに、第3摺動面103には、半径方向に延びる複数の流路120が形成されている。具体的には、流路120は半径方向の断面が例えば矩形を有しており、円周方向に複数配置されている。また、流路120の深さ、すなわち流路120の軸方向の長さは、例えばフロントカバー2とタービンハブ23との軸方向の隙間と同等かそれ以下としている。この流路120が形成されていることで、摺動部材100がロックアップ作動時及び解除時の作動流体の流れを阻害することがない。
4.動作
(1)ロックアップクラッチの連結解除状態
エンジンからフロントカバー2にトルクが伝達されて回転すると、フロントカバー2に固定されたインペラー3が共に回転する。これにより、インペラー3からタービン4に作動流体が流れてタービン4を回転させるため、タービン4に伝達されたトルクは、図示しないメインドライブシャフトに伝達される。
このとき、タービン4には軸方向エンジン側への力が作用するため、タービン4は軸方向エンジン側へ移動しようとする。しかし、このトルクコンバータ1では、摺動部材100の第3及び第4摺動面103、104がフロントカバー2及びフランジ24がそれぞれ当接している。したがって、このトルクコンバータ1では、タービン4が軸方向エンジン側へ移動するのを防止することができる。
また、このトルクコンバータ1では、摺動部材100に従来のワッシャの機能を持たせつつ摺動部材100の半径方向の位置を安定させることができる。したがって、このトルクコンバータ1では、摺動部材100を備えることにより、従来のワッシャのように段付き部を形成する必要がないため、コストダウンを図ることができる。
(2)ロックアップクラッチの連結状態
フロント室Fの作動流体がドレンされると、フロント室Fとリア室Rの作動流体の差圧によってピストン41はフロントカバー2側に移動する。やがてピストン41の摩擦フェーシング61がフロントカバー2の摩擦面62に当接すると、クラッチ連結部66においてクラッチ連結状態になる。この状態では、フロントカバー2のトルクがタービン4に直接伝達される。
ピストン41がフロントカバー2側に移動する際、ピストン41の内周側筒状部43の内周面43aと摺動部材100の第1摺動面101との間、及び摺動部材100の第2摺動面102とタービンハブ23の外周面23aとの間でそれぞれの部材が軸方向に摺動する。また、ロックアップクラッチ6によりタービン4がフロントカバー2に弾性的に連結される際、ピストン41とタービン23とが回転方向にある一定の範囲内で相対回転する。その結果、上記の各摺動面が回転方向に摺動する。従来の構造では、ピストンの内周側筒状部が直接タービンハブの外周面と摺動しているため、金属同士の摺動により大きな摩擦抵抗が発生する。しかし、このトルクコンバータ1では、ピストン41とタービンハブ23との半径方向間に樹脂製の摺動部材100を備えているため、摺動する際に発生する摩擦抵抗を低減することができ、ロックアップクラッチ連結及び連結解除時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することができる。また、このトルクコンバータ1では、摺動部材100により摩耗を低減することができるため、内周側筒状部43や外周面23a等の摺動部に摩耗対策として熱処理等を施す必要がなくなるため、コストダウンを図ることができる。
5.作用効果
本発明に係る製造方法の作用効果を以下にまとめる。
このトルクコンバータ1では、ピストン41とタービンハブ23との半径方向間に摺動部材100を備えているため、金属製のピストン41及びタービンハブ23が直接摺動することがなく、摺動部において発生する摩擦抵抗を低減することができる。その結果、このトルクコンバータ1では、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することができる。また、このトルクコンバータ1では、摺動部材100を備えているため、ピストン41とタービンハブ23とが直接摺動することがない。その結果、摺動部に摩耗対策として熱処理等を施す必要がなくなるため、コストダウンを図ることができる。
このトルクコンバータ1では、摺動部材100がフロントカバー2とフランジ24との軸方向間に配置されているため、摺動部材100に従来のワッシャの機能をもたせることができ、従来のようにワッシャを設ける必要がなくなる。また、摺動部材100がピストン41とタービンハブ23との半径方向間に配置されているため、摺動部材100の半径方向の位置を安定させることができ、従来のように段付き部を形成する必要がなくなる。したがって、このトルクコンバータ1では、摺動部材100を設けることで従来のワッシャ及び段付き部を設ける必要がなくなるため、コストダウンを図ることができる。
このトルクコンバータ1では、摺動部材100が第1及び第2シール部材111、112を有しているため、ピストン41と摺動部材100との間、及び摺動部材100とタービンハブ23との間において作動流体が流れるのを防止することができる。その結果、ロックアップクラッチ動作時にピストン41にフロントカバー2側への押し付け力を与える作動流体が、摺動部材100周辺の隙間から漏れるのを防止することができ、ロックアップクラッチ動作時の応答性を確保することができる。また、このトルクコンバータ1は、摺動部材100が第1及び第2シール部材111、112を有しているため、従来タービンハブ23に設けられていたシール部材用の溝加工が不要となり、コストダウンを図ることができる。さらに、このトルクコンバータ1では、第3摺動面103に流路120が形成されているため、摺動部材100がロックアップ作動時及び解除時の作動流体の流れを阻害することがない。
このトルクコンバータ1では、摺動部材100が樹脂で形成されているため、ピストン41と摺動部材100との間、及び摺動部材100とタービンハブ23との間に発生する摩擦抵抗を低減することができ、ロックアップクラッチ動作時の応答性を高めるとともに、摺動部の摩耗を低減することができる。また、このトルクコンバータ1では、摩擦抵抗が低減するため、ロックアップクラッチ6で発生するヒステリシストルクを低減することができる。
6.その他の実施形態
本発明は係る上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
本発明のその他の実施形態を以下に示す。
(1)ロックアップクラッチ
前述の実施形態では、ロックアップクラッチ6は、ピストン41が軸方向フロントカバー2側へ移動することで、フロントカバー2とタービン4とを回転方向に弾性的に連結しているが、これに限定されない。例えば、ピストン41が軸方向タービン4側へ移動することで、両部材を連結する構造であってもよい。
(2)摺動部材の材質
前述の実施形態では、摺動部材100は樹脂製としたが、摩擦係数の低い材質であればこれに限定されない。
本発明の一実施形態としてのトルクコンバータ1の縦断面概略図。 摺動部材周辺の縦断面概略図。
符号の説明
1 トルクコンバータ
2 フロントカバー
3 インペラー
4 タービン
5 ステータ
6 ロックアップクラッチ
23 タービンハブ
23a 外周面
24 フランジ
41 ピストン
41a ピストン本体
43 内周側筒状部
100 摺動部材
101 第1摺動面
102 第2摺動面
103 第3摺動面
104 第4摺動面
111 第1シール部材
111a 第1溝部
112 第2シール部材
112a 第2溝部
120 流路

Claims (8)

  1. 入力側から出力側へトルクを伝達するためのトルクコンバータであって、
    入力側のフロントカバーと、
    筒状のタービンハブを有する出力側のタービンと、
    前記フロントカバーから前記タービンへトルクを伝達するとともに捩じり振動を吸収・減衰するためのロックアップクラッチとを備え、
    前記ロックアップクラッチは、前記タービンハブの外周側に配置され、クラッチ動作を行うための円板状のピストンと、前記ピストンの内周部と前記タービンハブの外周部との半径方向間に配置された環状の摺動部材とを有する、
    トルクコンバータ。
  2. 前記摺動部材は、外周側の第1摺動面が前記ピストンの内周面と当接し、内周側の第2摺動面が前記タービンハブの外周面と当接する、
    請求項1に記載のトルクコンバータ。
  3. 前記タービンハブは、外周側に形成された環状のフランジを有し、
    前記摺動部材は、前記フロントカバーと前記フランジとの軸方向間に配置された、
    請求項1または2に記載のトルクコンバータ。
  4. 前記摺動部材は、前記フロントカバー側の第3摺動面が前記フロントカバーと当接し、前記フランジ側の第4摺動面が前記フランジと当接する、
    請求項1から3のいずれかに記載のトルクコンバータ。
  5. 前記摺動部材は、前記第1及び第2摺動面に環状の第1及び第2シール部材を有する、
    請求項2から4のいずれかに記載のトルクコンバータ。
  6. 前記摺動部材は、前記第1及び第2シール部材が収容される溝状の第1及び第2溝部を有する、
    請求項5に記載のトルクコンバータ。
  7. 前記摺動部材は、樹脂で形成されている、
    請求項1から6のいずれかに記載のトルクコンバータ。
  8. 前記第3摺動面には、半径方向に延びる複数の流路が形成されている、
    請求項1から7のいずれかに記載のトルクコンバータ。
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