JP2006029343A5 - - Google Patents

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JP2006029343A5
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自在継手
本発明は自在継手、特に、大きな操舵トルクが加わるステアリング装置のステアリングシャフトの連結部に使用する自在継手に関する。
車両の前輪を操舵するステアリング装置では、ステアリングホイールの操作で回転するステアリングシャフトの動きを、自在継手を介してステアリングギヤの入力軸に伝達している。この自在継手は、一対のヨーク同士を十字軸を介して結合することにより、ヨークの中心同士が同一直線上に位置しなくても、両ヨークの間で回転力を伝達することが出来る。
このようなステアリング装置において、電動パワーステアリング装置等の操舵力補助装置が付属した場合には、操舵力補助装置とステアリングギヤの入力軸との間に配置される自在継手に大きな操舵トルクが加わる。また、操舵力補助装置が付属しないマニュアルステアリング装置においても、ステアリングホイールの据え切りを行った場合には、自在継手に大きな操舵トルクが加わる。
従来の横入れ式の自在継手は、ヨークの材質として、伸びが良く硬度が小さい熱間圧延軟鋼板(SPHC、SPHD、SPHE)を使用し、ヨークの板厚として5.7mm〜6.0mmの材料を使用し、操舵力補助装置よりもステアリングホイール側で、操舵トルクの小さい場所に使用されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
従って、このような従来の横入れ式の自在継手を、操舵力補助装置とステアリングギヤの入力軸との間に使用すると、大きな操舵トルクが自在継手に加わり、ヨークの強度不足による変形や摩耗によって、ステアリングホイールを操作する運転者に違和感を与えると共に、ヨークとシャフトとの結合部に緩みが生じる不具合が発生する。
特開平9−291910号公報 特開平10−2339号公報 特開平10−9281号公報
本発明は、大きな操舵トルクが加わる場所に使用するのに好適で、ヨークの強度が大きく、ヨークとシャフトとの結合部の緩みが解消されると共に、加工が容易で、低コストで製造することが可能な自在継手を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、側方が開口した基端部を有し、この開口側から挿入したシャフト先端の1対の外側平面を上記基端部に結合可能なヨークと、上記基端部に互いに離隔して配置され、それぞれの内側面に上記各外側平面と対向する抑え面が形成された1対の抑え板部と、上記両抑え板部同士を上記基端部の開口と反対側部分で互いに連結する連結部と、上記両抑え板部に形成された、互いに略同心の通孔またはねじ孔と、上記通孔に挿通した状態で、その先端部に形成した雄ねじ部を上記ねじ孔またはナットに螺合させ、上記抑え板部の抑え面で上記シャフトの外側平面を締付ける抑えボルトとを備えた自在継手において、上記ヨークは、その強度が引張り強さ310N/mm以上の材料で成形されていることを特徴とする自在継手である。
第2番目の発明は、側方が開口した基端部を有し、この開口側から挿入したシャフト先端の1対の外側平面を上記基端部に結合可能なヨークと、上記基端部に互いに離隔して配置され、それぞれの内側面に上記各外側平面と対向する抑え面が形成された1対の抑え板部と、上記両抑え板部同士を上記基端部の開口と反対側部分で互いに連結する連結部と、上記両抑え板部に形成された、互いに略同心の通孔またはねじ孔と、上記通孔に挿通した状態で、その先端部に形成した雄ねじ部を上記ねじ孔またはナットに螺合させ、上記抑え板部の抑え面で上記シャフトの外側平面を締付ける抑えボルトとを備えた自在継手において、上記ヨークは、JISでの呼び板厚が6.5mm以上7.5mm以下の材料で成形されていることを特徴とする自在継手である。
第3番目の発明は、側方が開口した基端部を有し、この開口側から挿入したシャフト先端の1対の外側平面を上記基端部に結合可能なヨークと、上記基端部に互いに離隔して配置され、それぞれの内側面に上記各外側平面と対向する抑え面が形成された1対の抑え板部と、上記両抑え板部同士を上記基端部の開口と反対側部分で互いに連結する連結部と、上記両抑え板部に形成された、互いに略同心の通孔またはねじ孔と、上記通孔に挿通した状態で、その先端部に形成した雄ねじ部を上記ねじ孔またはナットに螺合させ、上記抑え板部の抑え面で上記シャフトの外側平面を締付ける抑えボルトとを備えた自在継手において、上記ヨークは、その強度が引張り強さ310N/mm以上であって、JISでの呼び板厚が6.5mm以上7.5mm以下の材料で成形されていることを特徴とする自在継手である。
第4番目の発明は、第1番目から請求項3までのいずれかの発明の自在継手において、上記抑えボルトは、呼び径がM10以上、強度区分が8.8以上であり、上記抑えボルトを締付けトルク32.7N・m以上で緊締することを特徴とする自在継手である。
第5番目の発明は、第1番目から第4番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記ヨークとステアリングホイールとの間に操舵力補助装置が取付けられていることを特徴とする自在継手である。
第6番目の発明は、第1番目から第5番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記1対ずつの外側平面と抑え面とが当接する面の中心を、上記シャフトの中心よりも上記通孔またはねじ孔と反対側にずらせる事により、上記当接する面の両端縁のうち上記通孔またはねじ孔側の端縁とこれら通孔またはねじ孔との距離を大きくしたことを特徴とする自在継手である。
第7番目の発明は、第1番目から第5番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記シャフトとヨークとをシャフトの軸方向に亙って互いに変位させる方向の力を付与した場合に互いに擦れ合う面のうちの少なくとも1個の面に、上記シャフトの軸方向に亙る凹凸部を形成し、この凹凸部を形成した面と相手面との係合により、上記シャフトとヨークとがシャフトの軸方向に変位するのを防止したことを特徴とする自在継手である。
第8番目の発明は、第1番目から第5番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記シャフトとヨークとの互いに当接する面同士の間に、摩擦係数の大きい材料により造られた薄膜を介在させたことを特徴とする自在継手である。
第9番目の発明は、第1番目から第5番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記抑えボルトを緊締する以前に於ける上記1対の抑え板部と外側平面との関係を、この抑えボルトの緊締力の影響を強く受ける程度に応じて互いに非平行とし、上記抑えボルトの緊締に伴ってこれら各抑え板部の抑え面と外側平面との軸保持力を上げることを特徴とする自在継手である。
第10番目の発明は、第1番目から第5番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記ヨークの一部に第二の通孔または薄肉部を形成する事により、上記抑えボルトの緊締に基づいて発生する、上記両抑え板部同士を近づけようとする力に対するこれら両抑え板部同士の間の剛性を低下させて、上記抑えボルトの緊締時に於ける上記1対の外側平面と上記各抑え面との締付け効率を向上させたことを特徴とする自在継手である。
第11番目の発明は、第1番目から第5番目までのいずれかの発明の自在継手において、上記抑えボルトを緊締する以前に於ける上記1対の抑え板部の抑え面同士の間隔を、上記連結部に近い側で狭く、上記通孔またはねじ孔を形成した上記基端部の開口側で広く、それぞれ形成し、上記抑えボルトまたは上記抑えボルトと螺合したナットの緊締時に上記1対の外側平面と上記各抑え面とが、上記連結部に近い側で先に接触し始め、上記抑えボルトの緊締作業の進行に伴って上記基端部の開口側に接触面圧が最大となる部位が移るように、または増加するようにしたことを特徴とする自在継手である。
本発明の自在継手では、硬度や引っ張り強さの大きい自動車構造用熱間圧延鋼板等を使用し、あるいは、ヨークの板厚を大きくしているので、ヨークの強度が向上し、ヨークとシャフトとの結合部のへたりや変形等にともなう緩みが解消されるため、大きな操舵トルクが加わる場所に使用するのに好適である。また、形状が簡単な横入れ式のヨークにしているため、加工が容易で、プレス加工による多量生産が可能になるため、低コストで製造することが可能になる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態の自在継手を装着したステアリングコラム装置の全体正面図である。図2は、本発明の実施の形態のヨークの基端部を、シャフトの端部に結合する状態を示す側面図である。
図1は、コラムタイプ電動式パワーステアリング装置に本発明の実施の形態の自在継手を装着した例を示す。車体に固定されたコラム43内には、車体後方側(図1の上方)にステアリングホイール45を取付けたステアリングシャフト44が回動可能に軸支されている。コラム43の下方には、電動式の操舵力補助装置49の減速ギヤボックス47が取付けられている。
操舵力補助装置49は、ステアリングホイール45の操舵トルクを検出し、検出した操舵トルクに比例した補助操舵力を発生するモータ46を回転し、このモータ46の回転を減速ギヤボックス47で減速してシャフト(出力軸)6に伝達する。シャフト6に伝達された操舵力は、上側の自在継手1を介してシャフト(中間軸)7に伝達され、シャフト7から下側の自在継手1を介して、ラック・ピニオン運動変換機構48のピニオン軸(図示せず)に伝達され、車輪を操舵する。
図2に詳細に示すように、本発明の実施の形態の自在継手1は、1対のヨーク2、3同士を十字軸4を介して結合したものである。この十字軸4に設けられた4個所の端部は、それぞれ上記各ヨーク2、3の先端部に、軸受カップ5、5内に設けられたニードル軸受を介して揺動自在に支持されている。従って、上記両ヨーク2、3の中心が同一直線上に位置しなくても、両ヨーク2、3同士の間で回転力を伝達する。
この様な自在継手1を使用してステアリング装置を組み付ける場合、例えば一方(図2の右方)のヨーク2を一方のシャフト6の端部に、ねじ止めにより予め結合固定し、他方(図2の左方)のヨーク3を他方のシャフト7の端部に結合する。この様な組み付け作業を行なうのに通常は、上記一方のシャフト6を車体に支持した後、このシャフト6と他方のシャフト7とを自在継手1により結合する。
自在継手1を構成する一対のヨーク2、3、シャフト6、7は、シャフト6、7を軸方向に動かす事なく接続作業を行なえる、所謂横入れ式である。ヨーク2、3、及び、シャフト6、7は同一の構造を有しているため、ヨーク及びシャフトの詳細な構造に関する以下の説明では、一方のヨーク3、シャフト7についてのみ説明し、他方のヨーク2、シャフト6の説明は省略する。
図3〜4は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施の形態の第1例のヨーク3及びシャフト7の詳細な構造を示している。図3は図2のヨーク3の基端部8のA−A断面図であって、基端部8は断面がU字形を有する横入れ式である。この横入れ式のヨーク3の基端部8は、1対の抑え板部9a、9bを含んで構成される。
ヨーク3の材質は、従来の熱間圧延軟鋼板(SPHC、SPHD、SPHE)に変えて、硬度、引っ張り強さが大きい鋼板である引張り強さが310N/mm以上(例えば自動車構造用熱間圧延鋼板SAPH310〜SAPH440等)の材料を採用している。ただし、引張り強さの上限は成型時の型寿命や成型性の制約で限界があり、下限は、横入れヨークであるがために、片側が大きく開放形状となっているため変形しやすく、大きなトルクを伝える場合限界がある。よって望ましくは引張り強さは400〜440N/mm程度がよい。
また、抑え板部9a、9bの板厚は、従来の5.7mm〜6.0mmよりも大きい、6.5mm以上7.5mm以下の材料で成形している。以下の全ての実施の形態において、ヨーク3の材質は引張り強さが310N/mm以上かまたはJISでの呼び板厚は6.5mm以上7.5mm以下(JISでは、公差±0.35mmがこれらの数値に加わることは許容されるので、この数値範囲は6.15mm以上7.85mm以下となる。)の材料を使用している。もちろん組み合わせてもよい。ヨーク3は、その材料の硬度、引っ張り強さが大きく板厚も大きいが、横入れ式であるため、形状が簡単になり、加工が容易で、プレス加工による多量生産が可能になり、低コストで製造することが可能になる。
互いに離隔して配置された抑え板部9a、9bは、それぞれの内側面を、互いに略平行な抑え面10、10としている。そして、一方(図3の左方)の抑え板部9aの開口側端部にねじ孔12を設けている。又、他方の抑え板部9bの開口側端部に、このねじ孔12と略同心でこのねじ孔12よりも大径の通孔13を、それぞれ形成している。尚、ねじ孔12の代わりに、上記抑え板部9aにナットを内嵌固定してもよい。又、ナットをヨーク3に嵌合固定しない構造のものでもよい。
一方、上述の様に構成されるヨーク3に、その先端部を結合されるシャフト7は、先端部の断面形状を、図4に示す様な略小判形としている。即ち、このシャフト7の先端部外周面に、互いに平行な1対の外側平面14、14を形成し、接続時にはこの外側平面14、14と上記抑え面10、10とを密接させる事により、上記ヨーク3に対するシャフト7の回転防止を図る。
上述の様な形状を有するシャフト7の端部を、前述の様なヨーク3の基端部8に接続固定する場合には、先ず、図2に実線で示す様に、上記シャフト7の端部を上記基端部8の開口側に配置する。そして、この状態から、上記ヨーク3を十字軸4を中心に回動させる事により、このヨーク3を図2の実線状態から鎖線状態にまで、同図で時計方向に揺動させて、上記シャフト7の端部をヨーク3の基端部8内に挿入する。
尚、ヨーク3を動かさずにシャフト7の端部を動かす事で、シャフト7の端部をヨーク3の基端部8内に挿入する場合もある。何れにしても、シャフト7の端部を基端部8内に挿入する以前には、上記通孔13に抑えボルト11(図3)を挿入しない。
上述の様にしてシャフト7の端部をヨーク3の基端部8内に挿入し、上記各抑え面10、10と外側平面14、14(図3)とを対向させたならば、上記通孔13に挿通した抑えボルト11の先端部に形成した雄ねじ部11aを上記ねじ孔12に螺合し、更に緊締する。この緊締に基づき、上記1対の抑え面10、10同士の間隔が狭まり、これら各抑え面10、10と上記各外側平面14、14とが強く当接して、上記シャフト7の先端部が上記基端部8に結合固定される。
本発明の実施の形態の抑えボルト11は、雄ねじ部11aの呼び径がM10以上で、JISでの強度区分が8.8以上であり、締付けトルク32.7N・m以上で緊締する。以下の全ての実施の形態において、抑えボルトの呼び径はM10以上で、強度区分が8.8以上であり、締付けトルク32.7N・m以上で緊締する。
高張力鋼で板厚が大きいため、硬度が大きく変形しにくく、シャフト7とヨーク3の結合強度が不足する恐れが大きいヨーク3を、抑えボルト11の締付けトルクを大きくすることで、シャフト7に強固に結合することができる。
尚、上記シャフト7の端部片縁部には切り欠き15を形成して、このシャフト7と上記抑えボルト11の軸部外周11bとの干渉を防止すると共に、万一この抑えボルト11が緩んだ場合にも、上記ヨーク3がシャフト7の軸方向に抜けるのを防止している。
シャフト7に形成された互いに平行な1対の外側平面14、14の両端縁部のうち、ヨーク3の抑え板部9a、9bに形成したねじ孔12及び通孔13に近い側の端縁(図3〜4の上端縁)部分には段部16、16を、上記各外側平面14、14から凹入する状態で形成している。従って、上記各抑え板部9a、9bの抑え面10、10のうち、上記1対の段部16、16と対向する部分は、上記通孔13に挿通し、上記ねじ孔12に螺合した抑えボルト11の緊締に拘らず、相手面である外側平面14、14に当接する事はない。
この結果、上記1対ずつの外側平面14、14と抑え面10、10とが互いに当接する当接面の両端縁のうち、上記ねじ孔12及び通孔13側の端縁とこれらねじ孔12及び通孔13の中心線との距離Lが、上記段部16、16の幅寸法W(図3参照)分だけ大きくなる。
上述の様に構成される本例のシャフト7と自在継手のヨーク3との結合部の場合には、上記1対ずつの外側平面14、14と抑え面10、10とが当接する当接面の両端縁のうち、上記ねじ孔12及び通孔13側の端縁とこれらねじ孔12及び通孔13の中心線との間の距離Lを大きくした事に伴ない、抑えボルト11の緊締に伴って、上記端縁と抑え面10、10との当接部の面圧が高くなる。この結果、この当接部に大きな摩擦力が作用して、上記シャフト7とヨーク3との軸方向に亙る保持力が大きくなる。
尚、上述の様に、上記当接面の端縁とこれらねじ孔12及び通孔13の中心線との距離Lを大きくする為の段部16、16の幅寸法Wは、ヨーク3及びシャフト7の大きさにより設計的に定める。
次に、図5は、請求項に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、シャフト7に形成した1対の外側平面14、14の片端縁部に傾斜面17、17を形成している。これにより、上記1対ずつの外側平面14、14とヨーク3の抑え面10、10とが互いに当接する当接面の両端縁のうち、ねじ孔12及び通孔13(図3参照)側の端縁とこれらねじ孔12及び通孔13の中心線との距離Lを大きくしている。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
次に、図6は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9bの中間部に段差部18、18を形成し、これら各抑え板部9a、9bの内側面同士の間隔を、これら各段差部18、18よりも先端寄り(図6の上寄り)部分で大きくしている。従って本例の場合には、上記各抑え板部9a、9bの内側面のうち、上記各段差部18、18よりも基端寄り(図6の下寄り)部分が、シャフト7に形成した外側平面14、14を抑え付ける為の抑え面10、10として機能する。
この様な本例の場合も、上記各段差部18、18を形成する位置を適宜選択する事により、上記1対ずつの外側平面14、14とヨーク3の抑え面10、10とが互いに当接する当接面の両端縁のうち、ねじ孔12及び通孔13側の端縁とこれらねじ孔12及び通孔13の中心線との距離L(図3参照)を大きくして、軸保持力の向上を図れる。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
次に、図7は、請求項5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示し、抑えボルトの変形例である。図7は、ヨーク3を構成する一方の抑え板部9bに形成した通孔13から他方の抑え板部9aに形成した別の通孔(図3のねじ孔12に代えて設けられる)に向けて挿通する、抑えボルト19を示している。この抑えボルト19は、カムボルトと称されるもので、先端部(図7の右端部)には雄ねじ部20を、中間部にはカム柱部21を、それぞれ形成している。
このカム柱部21の断面形状は楕円形であり、上記通孔13及び別の通孔の内側に回転自在に挿通される。又、上記雄ねじ部20の先端部は、上記別の通孔から他方の抑え部9aの外側に突出し、図示しないナットと螺合する。尚、このナットとしては、上記雄ねじ部20との摩擦を大きくした、かしめナット等を使用する。ヨーク3とシャフト7(図3参照)とを結合すべく、上記ナットを緊締すると、上記抑えボルト19が上記各通孔13の内側で回転し、長径側の外周面が、シャフト7に形成した切り欠き15の底面部分(図3参照)に押し付けられる。
本例の場合には、この様にナットの緊締に伴って上記切り欠き15の底面部分に押し付けられる、カム柱部21の外周面のうちの長径側部分に、ローレット加工による凹凸部23、23を形成している。上記ナットの緊締に伴って上記抑えボルト19が回転し、上記長径部分が上記切り欠き15の底面部分に押し付けられると、上記凹凸部23、23のうちの何れかの凹凸部23が、上記底面部分と係合する。従って、上記シャフト7とヨーク3との軸方向に亙る保持力は、凹凸部23が切り欠き15の底面部分に機械的に係合する制止力により、十分に大きくなる。
次に、図8は、請求項5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、シャフト7の先端部外周面で切り欠き15と反対側部分に、このシャフト7の軸方向に亙る凹凸部である、洗濯板状の凹凸部24を形成している。上記シャフト7とヨーク3(図3参照)とを結合すべく、抑えボルト11を緊締した場合には、上記凹凸部24とヨーク3の内面とが機械的に係合して、軸方向に亙る保持力を十分に大きくする。
次に、図9は、請求項5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、ヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9bを連結する連結部25の内面に、このヨーク3に結合されるシャフト7(図3参照)の軸方向に亙る凹凸である、洗濯板状の凹凸部24aを形成している。上記シャフト7とヨーク3とを結合すべく、抑えボルト11を緊締した場合には、上記凹凸部24aとシャフト7の切り欠き15と反対側部分の外周とが機械的に係合して、軸方向に亙る保持力を十分に大きくする。
次に、図10は、請求項5に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、シャフト7の先端部に形成した1対の外側平面14、14のうち、少なくとも一方(好ましくは両方)の外側平面の一部で、ヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9bに形成したねじ孔12又は通孔13(図3参照)に対向する部分に、このシャフト7の軸方向に亙る凹凸部である、洗濯板状の凹凸部24bを形成している。
上記シャフト7とヨーク3とを結合すべく、抑えボルト11を緊締した場合には、上記凹凸部24bと上記抑え板部9a、9bの抑え面10、10(図3参照)とが機械的に係合して、軸方向に亙る保持力を十分に大きくする。
尚、図8〜10に示した第5〜7例の場合には、シャフト7又はヨーク3の一部に洗濯板状の凹凸部24、24a、24bを形成しているが、この様な凹凸部24、24a、24bは、好ましくはシャフト7の側に形成する。この理由は、ヨーク3を構成する材料に比べてシャフト7を構成する材料が硬く、従って、シャフト7の側に凹凸部を形成した場合の方が、ヨーク3の側に凹凸部を形成した場合に比べて、相手面への係合が十分に行なわれる為である。又、凹凸部は、凹部を他の部分よりも凹ませる状態に形成するのではなく、凸部が他の部分よりも突出する状態に形成するのが好ましい。
次に、図11は、請求項6に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、このシャフト7とヨーク3(図3参照)とを結合した場合に、ヨーク3の抑え面10、10(図3参照)と当接するシャフト7の先端部の外側平面14、14に、摩擦係数の大きい材料により造られた薄膜である、ゴム層26を設けている。
このゴム層26の厚さ寸法は、シャフト7とヨーク3とを結合した場合に、当接面同士の摩擦力を十分に大きくできるだけの厚さを有し、且つ面方向へのずれを発生させる程大きな厚さを持たない程度に規制する。この為には、上記シャフト7の先端部に、厚さが0.05〜0.2mm程度のゴム層を、焼き付けにより形成する事が好ましい。
上述の様に構成される本例の場合には、上記シャフト7とヨーク3との互いに当接する面同士の間に介在したゴム層26の存在により、上記シャフト7の外側平面14、14と上記ヨーク3の抑え面10、10(図3)との間に大きな摩擦力が作用する。この結果、上記シャフト7とヨーク3との軸方向に亙る保持力が大きくなる。
次に、図12〜13は、請求項7に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合には、ヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9bを、抑えボルト11を緊締する以前に於いては互いに非平行にしている。即ち、図12に示す様にヨーク3と十字軸4とを組み合わせた状態で、上記1対の抑え板部9a、9b同士の間隔を抑えボルト11により縮めると、この抑えボルト11の緊締力の影響は、この抑えボルト11を挿通した通孔13及びねじ孔12の近傍部分で強くなり、上記十字軸4に近い側では弱くなる。
この為、上記1対の抑え板部9a、9bを、抑えボルト11の緊締以前から平行にしていると、これら各抑え板部9a、9bの抑え面10、10とシャフト7の外側平面14、14(図3参照)との当接圧が不均一になる。特に、長期間に亙る使用に伴って、上記各抑え板部9a、9bがへたると、当接圧が不均一となる程度が大きくなり、シャフト7とヨーク3との軸方向に亙る保持力が弱くなる。
そこで、本例の場合には、上記1対の抑え板部9a、9bを、上記抑えボルト11による緊締力の影響を強く受ける部分程間隔が広くなる方向に、互いに非平行としている。そして、上記抑えボルト11の緊締に伴ってこれら各抑え板部9a、9bの抑え面10、10同士が平行になり、これら各抑え面10、10と上記シャフト7に形成した1対の外側平面14、14とを均一に当接させる様にしている。
又、長期間に亙る使用により、上記各抑え板部9a、9bがへたった場合でも、当接圧が不均一となる程度を少なくし、シャフト7とヨーク3との軸方向に亙る保持力を確保する様にしている。
本例の場合、より具体的には、上記1対の抑え面10、10同士の間隔を、上記通孔13及びねじ孔12側で広く、上記十字軸4側で狭くしている。尚、上記通孔13及びねじ孔12側端部に於ける抑え面10、10同士の間隔D1(図12参照)と、これら両孔13、12の中心線から10mmだけ上記十字軸4側に寄った部分の間隔D2(図12参照)との差(D1−D2)は、各部の剛性に応じて設計的に定めるが、0.08〜0.23mm程度にすれば、上記各抑え面10、10と外側平面14、14との接触状態を均一にして、軸保持力および耐へたり性を十分に大きくできる。
次に、図14は、請求項7に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例の場合にも、上述した第9例の場合と同様に、ヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9bを、抑えボルト11を緊締する以前に於いては互いに非平行にしている。
即ち、図14に示す様に断面コ字形のヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9b同士の間隔を抑えボルト11により縮めると、この抑えボルト11の緊締力の影響は、上記1対の抑え板部9a、9bの先端側で強くなり、基端側で弱くなる。この為、上記1対の抑え板部9a、9bを、抑えボルト11の緊締以前から平行にしていると、本来基端側で最大モーメント締付け(最大軸保持力)が得られるはずの締付けがモーメント締め付け力の小さい先端側での割合が多くなってしまう。
そこで、本例の場合も、上記1対の抑え板部9a、9bを、上記抑えボルト11による緊締力の影響を強く受ける部分程間隔が広くなる方向に、互いに非平行としている。そして、上記抑えボルト11の緊締に伴って、これら各抑え板部9a、9bの抑え面10、10同士が平行になり、これら各抑え面10、10と上記シャフト7に形成した1対の外側平面14、14とを均一に当接させる様にしている。
本例の場合に、より具体的には、上記1対の抑え面10、10同士の間隔を、上記ヨーク3の開口側で広く、連結部25側で狭くしている。尚、上記シャフト7をヨーク3に挿入すると共に、これら両部材7、3の断面の中心線を互いに一致させた状態では、上記抑え面10、10と外側平面14、14との間にくさび状の隙間27、27が形成される。この隙間27、27の傾斜角度θは、各部の剛性に応じて設計的に定めるが、1〜2°程度にすれば、上記各抑え面10、10と外側平面14、14との接触状態を均一にして、軸保持力を十分に大きくできる。
次に、図15は、請求項7に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。上述した第10例の場合は、ヨーク3を構成する1対の抑え板部9a、9bの形状(図14参照)を工夫する事により、各抑え面10、10と外側平面14、14との接触状態(図14参照)を均一にしている。
これに対して、本例の場合には、シャフト7の外周面に形成した外側平面14の形状を、抑えボルト11の緊締に伴う上記抑え板部9a、9bのたわみ状態に応じて変える事により、上記各抑え面10、10と外側平面14、14との接触状態を均一にして、軸保持力を十分に大きくする様にしている。
次に、図16〜17は、請求項8に対応する本発明の実施の形態の第12例を示している。ヨーク3の基端部8を構成する1対の抑え板部9a、9b同士は、円弧形の連結部25により、互いに連結している。そして、この連結部25の中間部には、楕円形の第二の通孔28を形成している。
この第二の通孔28の長径の方向は、上記基端部8にその端部を結合固定すべきシャフト7(図2)の軸方向に一致させている。この様な第二の通孔28を上記連結部25に形成する事により、上記連結部25の曲げ剛性を低下させている。
この様に連結部25に第二の通孔28を形成したヨーク3とシャフト7との結合部によれば、シャフト7とヨーク3との軸方向に亙る保持力を大きくできる。即ち、上記ヨーク3の基端部8にシャフト7の端部を挿入した後、通孔13を挿通した抑えボルト11をねじ孔12に螺合し更に緊締すると、上記基端部8を構成する1対の抑え板部9a、9bの抑え面10、10同士の間隔が縮まる。
上記連結部25の存在は、これら両抑え面10、10同士を近づけようとする力に対する抵抗となるが、この連結部25の剛性は、上記第二の通孔28の存在により低い為、この連結部25による抵抗は小さくて済む。従って、上記抑えボルト11の緊締に伴って上記シャフト7の端部に設けた1対の外側平面14、14(図2、3)と、上記各抑え面10、10とが効果的に密着する。
即ち、上記抑えボルト11を緊締する締付けトルクが、上記1対の外側平面14、14と上記各抑え面10、10とをほぼ均一に強く密着させるトルクとして有効に働き、シャフト7とヨーク3との結合強度を確保できる。
次に、図18は、請求項8に対応する本発明の実施の形態の第13例を示している。本例の場合には、ヨーク3の一部で通孔13(若しくはねじ孔12)を形成した部分と、基端部8から軸方向に延出してそれぞれの先端部に十字軸4(図2)の端部を枢支する1対の腕部29との間部分に、第二の通孔30を形成して、1対の抑え板部9a、9bの曲げ剛性を低下させている。
に示す様なヨーク3の場合、そのままでは通孔13(若しくはねじ孔12)を形成した抑え板部9a、9bの剛性が不均一であり、通孔13を挿通してねじ孔12に螺合した抑えボルト11を緊締しても、これら通孔13或はねじ孔12を形成した1対の抑え板部9a、9b(図3)の弾性変形が不均一になる。
これに対して本例の場合には、剛性が高くなる部分に上記第二の通孔30を形成している為、上記1対の抑え板部9a、9bのそれぞれの面での剛性の差が少なくなる。この結果、上記抑えボルト11の緊締に伴ってシャフト7の端部に形成した1対の外側平面14、14と上記各抑え面10、10(図3)とが効果的に密着し、シャフト7とヨーク3との結合強度を確保できる。
次に、図19は、請求項8に対応する本発明の実施の形態の第14例を示している。本例の場合には、ヨーク3の基端部8を構成する1対の抑え板部9a、9b同士を連結する連結部25の中間部に薄肉部31を、上記基端部8にその端部を結合固定すべきシャフト7の軸方向に亙って形成している。
この様な薄肉部31を上記連結部25に形成する事により、上記連結部25の曲げ剛性を低下させている。この様に連結部25の曲げ剛性を低下させる為、第二の通孔28(図16〜17)に代えて薄肉部31を形成した点以外の構成及び作用は、前述した第12例と同様である。
次に、図20は、請求項8に対応する本発明の実施の形態の第15例を示している。本例の場合には、ヨーク3の一部で通孔13(若しくはねじ孔12)を形成した部分と、基端部8から軸方向に延出してそれぞれの先端部に十字軸4(図2)の端部を枢支する腕部29、29との間部分に、薄肉部32、32を形成して、この間部分の曲げ剛性を低下させている。
この間部分の曲げ剛性を低下させる為、第二の通孔30(図18)に代えて薄肉部32、32を形成した点以外の構成及び作用は、前述した第13例と同様である。尚、上述した実施の形態の第12〜15例は、適宜組み合わせて実施する事もできる。又、シャフト7の断面形状に関しても、互いに平行な1対の外側平面14、14を有するものに限らず、六角形、セレーションを形成した多角形断面等、他の断面形状を有する構造にも実施可能である。
次に、図21〜25は、請求項9に対応する本発明の実施の形態の第16例〜第17例を示し、図21の右半部及び図22〜23は、本発明の実施の形態の第16例を、図21の左半部及び図24〜25は同第17例を、それぞれ示している。各例を構成するヨーク3は、抑えボルト33を挿通する為の通孔を除き、中心線αに関して左右対称である。
ヨーク3の基端部8を構成する1対の抑え板部9a、9bの基端(基端部8の開口と反対端で、図21の下端)縁同士は、円弧形の連結部25により、互いに連結している。又、この連結板部25の幅方向両端縁と上記各抑え板部9a、9bの基端縁との連続部には、薄肉部34、34を形成して、これら各連続部の剛性を低くしている。
従って、図23の抑えボルト33と図示しないナットとの緊締に基づき、上記1対の抑え板部9a、9bの先端部(基端部8の開口側端部で、図21の上端部)同士の間隔を狭める際には、上記1対の抑え板部9a、9bの抑え面10a、10b同士の間隔が、比較的小さな締め付け力により縮まる。
尚、この様な薄肉部34、34を形成する為に、図示の例では、上記連結部25の内面に、シャフト7の軸方向(図21の紙面に直交する方向)に亙る凹部35、35を形成している。これら各凹部35、35は、上記各薄肉部34、34を形成する他、上記抑えボルト33とナットとの緊締時に、上記基端部8の内面とシャフト7の角部36、36とが干渉する事を防止する。
又、上記1対の抑え板部9a、9bのうち、実施の形態の第17例を示す、一方(図21の左方)の抑え板部9aの自由状態に於ける全体形状は、(次述する凸部37、37部分を除き)平坦としている。又、この一方の抑え板部9aの内側面である抑え面10aの一部で、上記シャフト7の外側平面14に対向する部分には、複数の凸部37、37を、上記抑え板部9aの一部を塑性変形させる事により形成している。
尚、この凸部37、37は、上記シャフト7の軸方向に不連続なエンボス状のもの(後述する図24参照)でも、或はこの軸方向に連続する土手状のもの(後述する図25参照)でも良い。
何れにしても、上記複数の凸部37、37の高さ(上記抑え面10aからの突出量)は、連結部25に近い側から外側平面14に当接させるべく、この連結部25に近い側を高くする等、適宜調整し、且つ、前記抑えボルト33を十分に緊締した状態では、総ての凸部37、37の先端が上記外側平面14に、突き当たる様にしている。但し、上記一方の抑え板部9aの自由状態での方向を、前記連結板部25から離れるに従って前記中心線αから離れる方向に傾斜させている。
これに対して、上記1対の抑え板部9a、9bのうち、実施の形態の第16例を示す、他方(図21の右方)の抑え板部9bの自由状態に於ける全体形状は、この抑え板部9bの内側面である抑え面10bが凸面となる、断面円弧状に形成している。この抑え面10bの形状は、単一曲面でも良いが、図示の例では、異なる曲率半径を有する円筒面同士を滑らかに連続させた、複合曲面としている。
即ち、図22は図21のA部拡大図であって、図22に示す様に、上記抑え面10bの基端寄り部分を、比較的小さな曲率半径R1を有する第一の円筒曲面38とし、上記抑え面10bの中間部から先端寄り部分を、比較的大きな曲率半径R2(R1<R2)を有する第二の円筒曲面39としている。
上記1対の抑え板部9a、9bを上述の様な形状にする事により、第16例、第17例、何れの場合も、前記抑えボルト33を緊締する以前に於けるこれら1対の抑え板部9a、9bの抑え面10a、10b同士の間隔は、前記連結部25に近い基端側で狭く、基端部8の開口側である先端側で広くなっている。
尚、上記抑えボルト33を挿通する通孔(図示省略)は、上記各抑え板部9a、9bの先端側部分に形成し、上記抑えボルト33をこれら各通孔に、上記シャフト7と干渉せずに挿通できる様にしている。但し、これら両通孔に挿通した抑えボルト33の先端部に設けた雄ねじ部40に螺合したナットの緊締に基づき、上記抑えボルト33が回転した場合には、この抑えボルト33の中間部に形成した、楕円形断面を有するカム部41の外周面が上記シャフト7を、上記連結部25の内周面に向け抑え付ける様にしている。
尚、上記1対の抑え板部9a、9bに形成する、互いに略同心の1対の通孔のうち、一方の通孔は上記カム部41を挿通できる様に比較的大径にし、他方の通孔は、上記雄ねじ部40を挿通できるだけの、比較的小径にする。
上述の様に構成される本発明のシャフト7と自在継手のヨーク3との結合部によれば、特に上記抑えボルト33の締め付けトルクを厳密に管理しなくても、シャフト7とヨーク3の基端部8との軸方向に亙る保持力を大きくできる。即ち、これらシャフト7とヨーク3とを結合するには、先ず、シャフト7をヨーク3の基端部に挿入した状態で、上記抑えボルト33を上記1対の抑え板部9a、9bの先端部に形成した通孔に挿通する。
そして、この抑えボルト33の先端部で何れかの抑え板部9a(又は9b)の外側面から突出した雄ねじ部40に、ナットを螺合する。そして、このナットを回転させつつ緊締する事により、このナットと上記抑えボルト33の頭部42との間隔を縮め、これらナットと頭部42との間で、上記1対の抑え板部9a、9bの先端部同士を抑え付ける。
上述の様に1対の抑え板部9a、9bの先端部同士を抑え付けるべく、上記ナットを緊締し始めた場合には、先ず上記抑えボルト33の回転に基づき、上記カム部41が上記シャフト7を、上記連結部25の内周面に抑え付ける。この結果、これらシャフト7と連結部25の内周面とは、図21のB部分で接触する。
又、上記抑えボルト33は、上記カム部41とシャフト7との係合に基づき、それ以上は回転しなくなる。上記ナットを更に緊締すると、上記1対の抑え板部9a、9bの抑え面10a、10bのうち、前記連結部25に近い基端側が、上記シャフト7に形成した1対の外側平面14、14を抑え付け始める。この状態では、上記抑え面10a、10bと外側平面14、14とが、図21のC、D部分で接触する。
この状態から更に上記ナットを緊締すると、上記抑え面10a、10bと外側平面14、14との接触面圧が最大となる部位が、上記ヨーク3の基端部8の開口側である、図21のE、F部分に移る。そして、上記ナットの緊締に基づく、上記抑えボルト33の締め付けトルクが十分に大きくなると、上記F、F部分の接触圧が大きくなり、反対に上記C、D部分の接触圧は小さくなって、遂にはこのC、D部分の接触圧は殆ど零になる。
本発明の実施の形態の自在継手は、上述の様に、上記ナットの緊締に基づく抑えボルト33による締め付け作業を開始してから比較的早い時期に、上記各抑え板部9a、9bの抑え面10a、10bと上記シャフト7に形成した1対の外側平面14、14との接触圧が大きくなる。
従って、上記1対の外側平面14、14と上記各抑え面10a、10bとが十分な当接圧により密着し、シャフト7とヨーク3との結合強度を確保できる。しかも、上記ナットの緊締に伴って上記1対の外側平面14、14と上記各抑え面10a、10bとの接触面圧が最大となる部位が、上記抑え板部9a、9bの先端側に移動または増加するので、上記ナットを緊締する締め付けトルクが相当に大きくなるまで、構成各部が塑性変形する事がない。
従って本発明の実施の形態の自在継手の場合には、ナットの締め付けトルクを厳密に規制しなくても、ヨーク3とシャフト7との結合強度を十分に確保し、しかも構成各部材に好ましくない塑性変形を起こさないで済む。
次に、図24〜25は、本発明の実施の形態の第17例を構成するヨーク3の全体形状を示している。このヨーク3を組み込んだ自在継手の構成及び作用は、上述した通りである。尚、本発明に使用する抑えボルトは、必ずしも図23に示す様なカムボルトである必要はない。そして、カムボルトを使用しない場合には、何れかの抑え板部9a、9bに抑えボルトを螺合させる為のねじ孔を形成したり、或はナットを固定したりする事もできる。
本発明の自在継手は、硬度や引っ張り強さの大きい自動車構造用熱間圧延鋼板(例えばSAPH440またはSAPH400)などを使用し、ヨークを構成する金属板の板厚を大きくしているので、ヨークの強度が向上し、ヨークとシャフトとの結合部の緩みが解消されるため、大きな操舵トルクが加わる場所に使用するのに好適である。
また、形状が簡単になる横入れ式のヨークにしているため、加工が容易で、プレス加工による多量生産が可能になるため、低コストで製造することが可能になる。特に、本発明の自在継手は、50N・m以上の大きな操舵トルクが伝達されるステアリング装置に使用した場合に、その効果がより一層発揮される。
また、抑えボルトの呼び径、強度区分、締付けトルクを大きくすることで、横入れ式ヨークの弱点である、ヨークとシャフトとの結合部の保持力を向上させ、シャフトとヨークの緩みが生じないようにしている。
さらに、本発明の自在継手は、抑えボルトの締付けトルクが、シャフトとヨークとの結合力として有効に働く構造を採用しているので、硬度や引っ張り強さが大きく板厚が大きい材料を使用しても、ヨークとシャフトとの結合部の保持力が確保され、結合部の緩みや異音の発生が無い。
また、抑えボルトの締付けトルクの許容範囲が広くなるので、締付けトルクを厳密に管理する必要がなくなり、シャフトとヨークとの結合作業が容易になる。さらに、本発明の自在継手は、シャフトとヨークとが軸方向に亙って細かく変位する事を有効に防止して、ステアリング装置部分で発生するがたつきをなくし、ステアリングホイールを操作する運転者に違和感を与える事を防止できる。
本発明の実施の形態の自在継手を装着したステアリングコラム装置の全体正面図である。 本発明の実施の形態の自在継手のヨークの基端部を、シャフトの端部に結合する状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態の第1例を示す部分断面図であって、図2のA−A断面図である。 第1例に使用するシャフトの端部斜視図である。 本発明の実施の形態の第2例を示す、シャフトの端部斜視図である。 本発明の実施の形態の第3例を示す部分断面図であって、図2のA−A断面図である。 本発明の実施の形態の第4例を示す、抑えボルトの側面図及び平面図である。 本発明の実施の形態の第5例を示す、シャフトの部分斜視図である。 本発明の実施の形態の第6例を示す、ヨークの部分斜視図である。 本発明の実施の形態の第7例を示す、シャフトの端部斜視図である。 本発明の実施の形態の第8例を示す、シャフトの端部斜視図である。 本発明の実施の形態の第9例を示す、自在継手の部分側面図である。 図12の右側面図である。 本発明の実施の形態の第10例を示す部分断面図であって、図2のA−A断面図である。 本発明の実施の形態の第11例を示す、シャフトの半断面図である。 本発明の実施の形態の第12例を示す、自在継手の部分側面図である。 図16の右側面図である。 本発明の実施の形態の第13例を示す、ヨークの側面図である。 本発明の実施の形態の第14例を示す、図17と同様の図である。 本発明の実施の形態の第15例を示す、図16と同様の図である。 本発明の実施の形態のヨークの基端部とシャフトの端部とを、抑えボルトを緊締する以前の状態で示す断面図であり、中心線を境として右半分が本発明の実施の形態の第16例を示し、中心線を境として左半分が本発明の実施の形態の第17例を示す。 図21のA部拡大図であって。本発明の実施の形態の第16例を示す。 第16例のヨークの締付けに使用する抑えボルトの側面図及び平面図である。 本発明の実施の形態の第17例を構成するヨークの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態の第17例の変形例のヨークの全体構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 自在継手
2、3 ヨーク
4 十字軸
5 軸受カップ
6、7 シャフト
8 基端部
9a、9b 抑え板部
10、10a、10b 抑え面
11 抑えボルト
11a 雄ねじ部
11b 軸部外周
12 ねじ孔
13 通孔
14 外側平面
15 切り欠き
16 段部
17 傾斜面
18 段差部
19 抑えボルト
20 雄ねじ部
21 カム柱部
23、24、24a、24b 凹凸部
25 連結部
26 ゴム層
27 隙間
28 第二の通孔
29 腕部
30 第二の通孔
31、32 薄肉部
33 抑えボルト
34 薄肉部
35 凹部
36 角部
37 凸部
38 第一の円筒曲面
39 第二の円筒曲面
40 雄ねじ部
41 カム部
42 頭部
43 コラム
44 ステアリングシャフト
45 ステアリングホイール
46 モータ
47 減速ギヤボックス
48 ラック・ピニオン運動変換機構
49 操舵力補助装置
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