JP2006027489A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベルト伝動機構の入力プーリをモータ軸の延長部に片持ち支持し、駆動ベルトに所定の張力を加えても入力プーリと出力プーリの平行が保たれ、駆動ベルトの張力調整が容易な電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 第1ラックハウジング11にはモータフランジ14の円筒状部材14aが揺動自在に嵌合する略小判形の孔11bが形成され、モータフランジ14にはモータ20が固定される。モータフランジ14を取付ボルト16aの回りに回動させると入力プーリ31と出力プーリ33との間隔が変り、駆動ベルト32の張力を調整できる。第1ラックハウジング11の当接面11fをモータ軸23に垂直な平面に対して角度θだけ傾けたので、駆動ベルト32の張力によりモータ軸23の入力プーリ31側が出力プーリ33に向け角度θだけ湾曲しても、入力プーリ31と出力プーリ33とは平行に保たれる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
車両用の電動パワーステアリング装置では、電動モータの回転出力を減速機構を介して減速し、操舵補助力としてステアリング操作を補助するものが知られている。
図5は、従来の電動パワーステアリング装置の構成の一例を説明する正面図であって、その一部を断面図として示してある。図5において、101は舵輪軸、102はラック軸で、舵輪軸101とラック軸102とは公知のピニオンラック機構103により噛合している。104はモータで、モータ104のモータ軸104aは、軸受105及び106で回転自在に支持されている。
ラック軸102には螺旋溝102aが形成され、その外側には軸受109により回転自在に支持されたナット110が配置され、ラック軸102の螺旋溝102aとナット110との間にボール111が嵌挿され、ボールネジ機構112が構成されている。
モータ軸104aの延長部104bには入力ギア121の軸121aがスプライン結合SPされている。入力ギア121は中間ギア122に噛合し、中間ギア122は出力ギア123に噛合して歯車減速機構120が構成されている。出力ギア123は円筒状で、内部にラック軸102が貫通している。また、出力ギア123の軸方向の両端部外側は軸受124a及び124bで回転自在に支持されており、円筒状の内面にはスプライン溝123aが形成されている。
一方、ボールネジ機構112のナット110の一方の端の延長部110aの外側にはスプライン凸条110bが形成されており、前記した出力ギア123の内面に形成されたスプライン溝123aとスプライン結合SPしている。
以上の構成において、図示しないトルクセンサにより検出された舵輪軸101の操舵トルクに基づいて、これも図示されていない制御装置により駆動されたモータ104の駆動回転力は、入力ギア121、中間ギア122、出力ギア123を経てボールネジ機構112のナット110に伝達される。そして、ナット110の回転によりラック軸102が軸方向に移動して車輪の向きが変更され、操舵が行なわれる(特許文献1参照)。
上記したような歯車減速機構120を使用するものにおいては、歯車の噛合部分のバックラッシュが大きいときは、ステアリング操作を反転させたとき等に歯車の歯面で歯打ち音が発生するなどの不都合が発生する。また、バックラッシュが小さ過ぎると、歯車の噛合回転動作が円滑に行われず、操舵感覚が悪化するなどの不都合が発生する。このため、バックラッシュの大きさを適切な範囲に設定することが必要となる。
バックラッシュの大きさを適切な範囲に設定するためには、歯車製作時の加工寸法精度を高めたり、製作された歯車の仕上がり寸法の状態に応じて、噛合する相手の歯車を選択するマッチングと呼ばれる方法等があるが、これ等の方法は製造コストを高める結果となり、望ましくない。
図5に示す歯車減速機構では、モータ軸104aがラック軸102と平行に配置されており、モータ104とラック軸102との干渉を避けるため入力ギア121と出力ギア123との軸間距離は大きく構成されるから、入力ギア121と出力ギア123とは中間ギア122を介して噛合するように構成されている。
このように歯車減速機構120に中間ギア122が介装されているときは、入力ギア121と中間ギア122との間のバックラッシュ、及び中間ギア122と出力ギア123との間のバックラッシュの大きさを調整する必要があるが、上記したマッチングにより歯車を選択決定するときは、入力ギア121と中間ギア122、及び中間ギア122と出力ギア123との間でマッチングを行うことになり、実施する上で非常に困難が伴うものであった。
特開平10−297505号公報
上記した不都合を解決する電動パワーステアリング装置として、図5に示す歯車減速機構に代えて、入力プーリ、出力プーリ及びこれ等のプーリに巻き掛けられた駆動ベルトとから構成されるベルト伝動機構を使用したものが提案されている。
このようなベルト伝動機構を使用した構成では、高い伝導効率及び耐久性を維持するために駆動ベルトの張力を適切な範囲に設定することが求められるが、駆動ベルトはギアよりも製品のばらつきが大きく、また張力の調整を行うために、入力プーリと出力プーリとの軸間距離を容易に調整できる構成が必要とされる。
このほか、従来の電動パワーステアリング装置では、装置のハウジングに後からモータを組み付ける構造であったから、モータ軸と入力プーリとが別体となり、モータ軸とプーリ軸のそれぞれに軸受を設ける必要があり、部品点数を増大させ、製造コストを高めるという不都合があった。
このために、図6に示すようなベルト伝動機構が提案されている。即ち、モータ軸104を延長した延長部104aに入力プーリ131を一体的に設け、入力プーリ131を支持する軸及び軸受を省略するものである。この構成では、モータ軸104は軸受105及び106で支持されており、入力プーリ131と出力プーリ133との間に駆動ベルト132が巻掛けられている。
しかしながら、駆動ベルト132に所定の張力が付与されると、図6で矢印Aで示すように、入力プーリ131が取付けられているモータ軸104は軸受105から先の入力プーリ131側が出力プーリ133側に湾曲し、入力プーリ131の軸心が撓んで(撓み角θ)、入力プーリ131の軸心と出力プーリの軸心とは平行でなくなる。
このように、入力プーリと出力プーリとの平行度が維持されず、入力プーリと出力プーリとの間隔が入力プーリの先端側(モータとは反対側)で狭くなった状態で入力プーリを回転させると、入力プーリと出力プーリとの間に架設された駆動ベルトは、図6で矢印Bで示すように、入力プーリの先端側(モータとは反対側)に寄ってしまい、駆動ベルトの側面は入力プーリのフランジに押し付けられた状態で回転するから、駆動ベルトの側面が異常摩耗する結果となる。
また、前記したボールネジ機構を使用する電動パワーステアリング装置においては、モータからラック軸へ駆動力を伝達する構成にベルト伝動機構とボールネジ機構の2つの伝動機構を使用しており、それぞれの伝動機構の減速比は適宜配分することができるが、ボールネジ機構のネジ溝のリード角を小さくして減速比を大きく設定するとボールネジ機構のナットが高速回転することになり、作動音が大きくなるという不都合が発生するほか、ステアリング機構上でのナットの慣性が大きくなるため操舵フィーリングが悪化するという不都合が発生する。
一方、ベルト伝動機構の減速比を大きく設定するときは、入力プーリの直径を小さくするか出力プーリの直径を大きくするかのいずれかを選択することになるが、出力プーリの直径を大きくすることは装置全体の大きさなどの制約から限界があるので入力プーリの直径を小さくすることになるが、入力プーリの直径を小さくするときは、直径が小さい程入力プーリの剛性が低下し、また、駆動ベルトの接線方向の力が大きくなるので、入力プーリはますます撓み易くなり、入力プーリの本来の軸心位置からずれて入力プーリと出力プーリとの平行度を維持することが一層困難になる。
この発明は、上記した種々の課題を解決し、低コストで、入力プーリと出力プーリとの平行度を維持しながら駆動ベルトの張力を適切な範囲に設定することができるベルト伝動機構を備えた電動パワーステアリング装置の提供を目的とするものである。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、操舵補助力を供給するモータと、走行車輪を転向させるラック軸と、前記モータ回転軸と同軸に一体に構成されて片持ち支持された入力プーリと、前記ラック軸の軸方向移動に変換する駆動変換装置に結合された出力プーリと、前記入力プーリと出力プーリとの間に巻掛けられた駆動ベルトとから構成されるベルト伝動機構とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記モータは、前記駆動ベルトに作用する通常動作時の張力による入力プーリ回転軸の曲げ変位を補償するように、モータ回転軸が出力プーリの回転軸に対して所定の角度だけ傾斜配置されることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
請求項2の発明は、操舵補助力を供給するモータと、走行車輪を転向させるラック軸と、前記モータ回転軸と同軸に一体に構成されて片持ち支持された入力プーリと、前記ラック軸の軸方向移動に変換する駆動変換装置に結合された出力プーリと、前記入力プーリと出力プーリとの間に巻掛けられた駆動ベルトから構成されるベルト伝動機構とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記モータを装置本体に取付ける装置本体の取付面が前記出力プーリ回転軸に垂直な平面に対して所定の角度だけ傾斜し、前記駆動ベルトに通常動作時の張力の作用による入力プーリの回転軸の曲げ変位量を補償するように構成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記モータはモータフランジを介して装置本体に取付けられており、該装置本体のモータフランジ取付面は前記出力プーリ回転軸に垂直な平面に対して所定の角度だけ傾斜しており、且つモータフランジは前記入力プーリと出力プーリとの軸間距離が調整可能に構成されている。
また、前記した所定の角度は、前記駆動ベルトに通常動作時の張力が作用したときに入力プーリの回転軸に発生する曲げ変位角に等しい。
また、前記ベルト伝動機構の入力プーリ及び出力プーリは歯付きプーリであり、前記駆動ベルトは歯付きベルトである。
さらに、前記ベルト伝動機構が作動状態にあるときは、駆動ベルトの張力は以下の式(a)に示す関係に設定されること
T0 ≧Te /2・・・・・・・(a)
但し、T0 :駆動ベルトの取付時の張力
Te :駆動ベルトに加わる接線方向の力
を特徴とする。
また、前記ベルト伝動機構の減速比は2以上に設定するとよい。
この発明によれば、ベルト駆動機構の入力プーリを片持ち支持して構成部品点数を減らしながら入力プーリと出力プーリとの平行度を維持し、且つ、入力プーリと出力プーリとの軸間距離を容易に調整して駆動ベルトの張力を適切な範囲に設定することができるものであるから、モータ出力を効率良くラック軸に伝達することができる。そして、入力プーリと出力プーリとの平行度が維持されるから、駆動ベルトの側面が異常摩耗することもない電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置の要部の構成を説明する横断面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図である。
図1において、11は第1ラックハウンジング、12はベルトハウンジング、13は第2ラックハウンジング、14はモータフランジ、20はモータ、30はベルト伝動機構、40はボールネジ機構、41はラック軸を示す。
モータ20はステータ21及びロータ22を備え、ロータ22が固定されたモータ軸23の一方の端は延長され、後述する入力プーリ31が一体に設けられている。モータ軸23の一端はモータフランジ14に保持された軸受15により支持され、モータ軸23の他端はモータハウジング16に保持された軸受17により支持され、モータ軸23は回転自在に支持されている。
出力プーリ33は円筒状に形成されており、内部にラック軸41が貫通している。出力プーリ33の軸方向の両端部外側に形成された軸33a及び33bが、それぞれ第1ラック軸ハウジング11に保持された軸受19a及びベルトハウジング12に保持された軸受19bで支持されており、また、出力プーリ33の円筒状の内面にはスプライン溝33cが形成されている。
入力プーリ31、出力プーリ33、及びその間に巻き掛けられた駆動ベルト32によりベルト伝動機構30が形成され、モータ20の駆動回転力がベルト伝動機構30を経てボールネジ機構40に伝達されるように構成されている。
図示しない舵輪軸にピニオンラック機構を介して結合されているラック軸41には螺旋溝41aが形成され、螺旋溝41aの外側にはナット42が配置され、ラック軸41の螺旋溝41aとナット42との間には多数のボール43が嵌挿され、ボールネジ機構40が構成される。
ボールネジ機構40のナット42は、第2ラック軸ハウジング13の内部に配置された軸受44により回転自在に支持されている。ナット42の一方の端の延長部の外側にはスプライン凸条42bが形成され、前記した出力プーリ23の内面に形成されたスプライン溝33cとスプライン結合SPしている。
なお、図1において、16aは、モータフランジ14、第1ラックハウンジング11、及びベルトハウンジング12を固定する取付ボルトで、図1ではモータ軸23の下側に図示されているが、これは取付ボルトによるモータフランジ14と第1ラックハウンジング11、ベルトハウンジング12の固定の様子を示すために図示したもので、取付ボルト16aの実際の位置を示すものではない。取付ボルト16aの実際の位置は、図2に示すように、入力プーリ31と出力プーリ33との中心線に対して直角に交差する線上に位置している。
以上の構成の動作を簡単に説明する。図示されていない制御装置は、トルクセンサにより検出された舵輪軸の操舵トルクその他の信号に基づいてモータ電流指令値を演算し、演算されたモータ電流指令値に基づいて決定されたモータ電流がモータ20に供給される。モータ20の駆動回転力は、ベルト伝動機構30の入力プーリ31、駆動ベルト32、出力プーリ33を経てボールネジ機構40のナット42に伝達される。ナット42の回転によりラック軸41が軸方向に移動して車輪の向きが変更され、操舵が行なわれる。
ここで、ベルト伝動機構30の減速比は、2以上に設定するとよい。この実施の形態の伝導パワーステアリング装置では、ベルト伝動機構30とボールネジ機構40とを使用しており、減速比の配分は適宜できるのであるが、ボールネジ機構40の減速比を大きく設定すると、ボールネジ機構40のナットが高速回転して作動音が大きくなり、操舵フィーリングも悪くなるので大きくできないからである。ボールネジ機構40の減速比は高くせず、ベルト伝動機構30の減速比を2以上に設定するとよいことが、実験の結果確かめられた。
次に、入力プーリ31と出力プーリ33との間に巻き掛けられた駆動ベルト32の張力の調整と、張力調整後の入力プーリ31と出力プーリ33との平行度の確保について説明する。
ベルト伝動機構では駆動ベルトの張力を適正範囲に設定する必要があるが、駆動ベルトは歯車よりも製品のばらつきが大きいため、駆動ベルトとプーリのマッチングにより駆動ベルトの張力を適正範囲に設定することは困難であり、又、組み立て作業の面からも、入力プーリと出力プーリの軸間距離の調整が可能な構成が必要となる。
また、先に発明の課題で説明したように、入力プーリ31が片持ち式の場合、入力プーリ31と出力プーリ33との間に駆動ベルト32を巻き掛け、駆動ベルト32に所定の張力を付与するとモータ軸23の軸受15から先の入力プーリ31側が出力プーリ33側に湾曲してしまい、入力プーリ31と出力プーリ33との平行度が失われてしまう。
そこで、この発明では、入力プーリ31と出力プーリ33との間に駆動ベルト32を巻き掛け、駆動ベルト32に所定の張力を付与したときに入力プーリ31の軸心が湾曲する角度θを予め実験などにより決定し、モータフランジの当接面14fが当接する第1ラックハウジング11の側面に設けられている当接面11fを、駆動ベルト32に所定の張力を付与したとき入力プーリ31の軸心が湾曲する方向と反対方向に角度θだけ傾斜させておき、駆動ベルト32に所定の張力を付与したとき、入力プーリ31の軸心と出力プーリ33の軸心とが平行になるように構成した。
以下、図1乃至図3を参照して、駆動ベルト32の張力の調整と、張力調整後の入力プーリ31と出力プーリ33との平行度を確保する構成を説明する。
第1ラックハウジング11には、モータフランジ14に設けた円筒状部材14aが揺動自在に嵌合する略小判形の孔11bが形成されており、その略小判形の孔11bの左右には、張出部11yと張出部11zが設けられている(図2参照)。
第1ラックハウジング11の張出部11yには、モータフランジ14の円筒状部材14aの揺動中心軸となる取付ボルト16aが貫通する孔11pが形成されており、さらにその背面にあるベルトハウジング12には取付ボルト16aに螺合するネジ孔12pが形成されている。また、張出部11zには取付ボルト16bが貫通する孔11qが形成されており、さらにその背面にあるベルトハウジング12には取付ボルト16bに螺合するネジ孔12qが形成されている。
一方、モータフランジ14には、図示しない適宜の手段でモータ20が固定されると共に、その円筒状部材14aには、モータ軸23を支持する軸受15が固定されている。またモータフランジ14の外周には張出部14c及び張出部14dが形成されており(図2参照)、張出部14cには取付ボルト16aが貫通する孔14pが、張出部14dには取付ボルト16bが貫通する円弧状の長孔14qが形成されている。
モータフランジ14を取付ボルト16aの回りに回動させると、円筒状部材14aが第1ラックハウジング11の略小判形の孔11bの内部で移動し、軸受15で支持されている入力プーリ31の軸心が取付ボルト16aを中心とする円弧状軌跡M(図2参照)の上を移動して出力プーリ33との軸間距離を変更できるから、駆動ベルト32に付与される張力を所定の張力に調整することができる。
図3は、第1ラックハウジング11の当接面11f、モータフランジ14の当接面14f、モータ軸23、及び入力プーリ31の軸心との関係を説明する図で、説明のために後述する角度θを誇張して示してある。
第1ラックハウジング11の側面に設けられている当接面11fは、モータフランジ14の当接面14fが当接する面で、ラック軸41や出力プーリ33の軸心に垂直な平面に対して角度θだけ傾斜した平面に形成されている。一方、モータフランジ14が第1ラックハウジング11の側面の当接面11fに当接する当接面14fは、モータ軸23に垂直な平面に形成されている。
この構成により、モータ20を第1ラックハウジング11の当接面11fに取り付けた状態では、図3に示すようにモータ軸23及び入力プーリ31の軸心は、出力プーリ33の軸心に対して角度θだけ傾斜し、入力プーリ31の軸心と出力プーリ33の軸心とは平行でない。
しかし、入力プーリ31と出力プーリ33との間に駆動ベルト32を巻き掛け、モータフランジ14を取付ボルト16aの回りに回動させて駆動ベルト32に所定の張力が加わるように調整すると、図3に示すように、モータ20は傾斜したままであるが、モータ軸23の延長部に形成された入力プーリ31は、軸受15から先の入力プーリ31側が出力プーリ33に向けて湾曲し、入力プーリ31の軸心と出力プーリ33の軸心とが平行に配列される。
駆動ベルト32の張力の調整を説明する。まず、モータ20を取り付けたモータフランジ14の円筒状部材14aを第1ラックハウジング11の略小判形の孔11bに嵌合させ、入力プーリ31と出力プーリ33との間に駆動ベルト22を巻掛ける。
モータフランジ14の張出部14c及び14dを、第1ラックハウジング11の張出部11y及び11zに対向させる。次に、モータフランジ14の円筒状部材14aの揺動中心軸となる取付ボルト16aをモータフランジ14の孔14p及び第1ラックハウジング11の孔11pを貫通させ、ベルトハウジング12のネジ孔12pに緩く螺合させる。また、取付ボルト16bをモータフランジ14の孔14q及び第1ラックハウジング11の孔11qを貫通させ、ベルトハウジング12のネジ孔12qに緩く螺合させる。
モータフランジ14を取付ボルト16aの回りに移動させて、モータ軸23上に形成されている入力プーリ31と出力プーリ33との軸間距離を調整して駆動ベルト32の張力を所定の取付時の張力に調整する。所定の取付時の張力に調整が完了したときは、取付ボルト16a及び取付ボルト16bを締め付け、モータフランジ14を第1ラックハウジング11及びベルトハウジング12に固定する。このとき、入力プーリ31と出力プーリ33とは平行に配置されるので、駆動ベルト32の側面がプーリフランジに接触して摩耗することがない。
次に、駆動ベルト32を入力プーリ31及び出力プーリ33に巻き掛けたときの、プーリ軸に加わる曲げ応力(ラジアル方向の力)及び駆動ベルトの張力について説明する。
図4はプーリに駆動ベルトを巻き掛けたときの駆動ベルトに発生する張力を説明する図であって、図4の(a)は駆動ベルトの取付時の張力とプーリ軸に加わる曲げ応力を説明する図、図4の(b)は駆動ベルトの駆動時の張力とプーリ軸に加わる曲げ応力を説明する図である。
プーリに駆動ベルトを取付けた時の、取付時張力T0 とプーリ軸に加わる曲げ応力F0 との関係は、以下のように表される。
F0 =2T0
プーリが回転すると、駆動ベルトには、張り側張力T1 、緩み側張力T2 が加わり、プーリ軸に加わる曲げ応力Fd は以下のように表される。
Fd =T1 +T2
プーリ駆動時に駆動ベルトに作用する接線方向の力Te は、以下の式(1)のように表される。
Te =T1 −T2 ・・・・・・・・・・・(1)
駆動ベルトの張り側張力T1 の張力増加量をα、緩み側張力T2 の張力減少量をβとすると、張り側張力T1 、緩み側張力T2 は、それぞれ以下の式(2)、式(3)のように表される。
T1 =T0 +α・・・・・・・・・・・・(2)
T2 =T0 −β・・・・・・・・・・・・(3)
式(2)、(3)を式(1)に代入すると、プーリ駆動時に駆動ベルトに作用する接線方向の力Te は、以下の式(4)のように表される。
Te =α+β・・・・・・・・・・・・・(4)
ここで、駆動ベルトの張り側の張力増加量αによる伸び量Δ1 と、緩み側の張力減少量βによる縮み量Δ2 とは等しいと考えることができるから、駆動ベルトの張り側張力の増加量α、緩み側張力の減少量βは等しく、α=β=Te /2となるから、前記式(2)、(3)は、以下の式(5)、(6)のように表すことができる。
T1 =T0 +Te /2・・・・・・・・・(5)
T2 =T0 −Te /2・・・・・・・・・(6)
ここで駆動ベルトの張力は零になることはないので、駆動ベルトの緩み側の張力T2 はT2 ≧0となる。
駆動ベルトの取付時張力T0 がT0 <Te /2の範囲では、駆動ベルトの駆動時のプーリ軸に加わる曲げ応力Fd は取付時の曲げ応力F0 より大きくなり(F0 <Fd )となり、駆動時のプーリ軸は取付時よりも撓むことになり、好ましくない。
駆動ベルトの取付時張力T0 がT0 ≧Te /2の範囲では、駆動ベルトの駆動時のプーリ軸に加わる曲げ応力Fd は取付時の曲げ応力F0 と等しく(F0 =Fd )、駆動ベルトの駆動時のプーリ軸は取付時よりも撓むことがない。
そこで、ベルト伝動機構が作動状態にあるときは、駆動ベルトの張力を以下の式(a)の範囲になるように設定する。
T0 ≧Te /2・・・・・・・・・・・・(a)
但し、T0 : 駆動ベルトの取付時張力
Te : 駆動ベルトに作用する接線方向の力
このように設定すれば、駆動ベルトの駆動時もその状態、即ち、入力プーリと出力プーリとの平行が維持されることになる。これにより、駆動ベルト32の側面がプーリフランジに接触して摩耗することがなくなる。
ベルト駆動機構の入力プーリと出力プーリとの平行度を維持しながら入力プーリと出力プーリとの軸間距離を容易に調整して駆動ベルトの張力を適切な範囲に設定することができる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
第1の実施の形態の電動パワーステアリング装置の要部の構成を説明する横断面図。 図1のA−A線に沿った断面図。 第1ラックハウジングのモータフランジ当接面、モータ軸、及び入力プーリの軸心との関係を説明する図。 プーリに駆動ベルトを巻き掛けたときの駆動ベルトに発生する張力を説明する図。 従来の電動パワーステアリング装置において歯車減速機構を使用した例の要部の構成を説明する横断面図。 従来の電動パワーステアリング装置においてベルト減速機構を使用した例の要部の構成を説明する横断面図。
符号の説明
11 第1ラックハウンジング
11b 略小判形の孔
11f 当接面(第1ラックハウジングの当接面)
11p 孔(取付ボルトが貫通する孔)
11q 孔(取付ボルトが貫通する孔)
11y、11z 張出部
12 ベルトハウンジング
12p ネジ孔(取付ボルトに螺合するネジ孔)
12q ネジ孔(取付ボルトに螺合するネジ孔)
13 第2ラックハウンジング
14 モータフランジ
14a 円筒状部材
14c、14d 張出部
14f 当接面(モータフランジの当接面)
14p 孔(取付ボルト16aが貫通する孔)
14q 円弧状の長孔(取付ボルト16bが貫通する孔)
15、17 軸受
16a、16b 取付ボルト
20 モータ
21 ステータ
22 ロータ
23 モータ軸
30 ベルト伝動機構
31 入力プーリ
32 駆動ベルト
33 出力プーリ
40 ボールネジ機構
41 ラック軸
41a 螺旋溝
42 ナット
43 ボール

Claims (7)

  1. 操舵補助力を供給するモータと、
    走行車輪を転向させるラック軸と、
    前記モータ回転軸と同軸に一体に構成されて片持ち支持された入力プーリと、前記ラック軸の軸方向移動に変換する駆動変換装置に結合された出力プーリと、前記入力プーリと出力プーリとの間に巻掛けられた駆動ベルトとから構成されるベルト伝動機構と
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記モータは、前記駆動ベルトに作用する通常動作時の張力による入力プーリ回転軸の曲げ変位を補償するように、モータ回転軸が出力プーリの回転軸に対して所定の角度だけ傾斜配置されること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 操舵補助力を供給するモータと、
    走行車輪を転向させるラック軸と、
    前記モータ回転軸と同軸に一体に構成されて片持ち支持された入力プーリと、前記ラック軸の軸方向移動に変換する駆動変換装置に結合された出力プーリと、前記入力プーリと出力プーリとの間に巻掛けられた駆動ベルトから構成されるベルト伝動機構と
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記モータを装置本体に取付ける装置本体の取付面が前記出力プーリ回転軸に垂直な平面に対して所定の角度だけ傾斜し、前記駆動ベルトに通常動作時の張力の作用による入力プーリの回転軸の曲げ変位量を補償するように構成されていること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モータはモータフランジを介して装置本体に取付けられており、該装置本体のモータフランジ取付面は前記出力プーリ回転軸に垂直な平面に対して所定の角度だけ傾斜しており、且つモータフランジは前記入力プーリと出力プーリとの軸間距離が調整可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記した所定の角度は、前記駆動ベルトに通常動作時の張力が作用したときに入力プーリの回転軸に発生する曲げ変位角に等しいこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ベルト伝動機構の入力プーリ及び出力プーリは歯付きプーリであり、前記駆動ベルトは歯付きベルトであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記ベルト伝動機構が作動状態にあるときは、駆動ベルトの張力は以下の式(a)に示す関係に設定されること
    T0 ≧Te /2・・・・・・・(a)
    但し、T0 :駆動ベルトの取付時の張力
    Te :駆動ベルトに加わる接線方向の力
    を特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記ベルト伝動機構の減速比は2以上であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置。
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