JP3898548B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラックに一体化されるスクリューシャフトにねじ合わされる回転筒をモータによりギヤを介して回転駆動することでラックを移動させる力を発生し、そのラックの動きを車輪に伝達することで舵角を変化させるステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
図10に示す従来の電動パワーステアリング装置100は、操舵により回転するピニオンに噛み合うラック101に一体化されるスクリューシャフト102と、そのスクリューシャフト102にボール103を介してねじ合わされるボールナット104と、そのボールナット104に同行回転するように一体化される従動ベベルギヤ105と、その従動ベベルギヤ105に噛み合う駆動ベベルギヤ106を駆動する操舵補助力発生用モータ107と、そのボールナット104と従動ベベルギヤ105ルギヤとを回転可能に支持するラックハウジング108と、その駆動ベベルギヤ106を回転可能に支持するギヤハウジング109とを備える。そのラック101の動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する。
【0003】
上記のような電動パワーステアリング装置100においては、駆動ベベルギヤ106と従動ベベルギヤ105との間のバックラッシュは加工公差や組み立て公差に起因して変動する。そのバックラッシュが大きくなると音の発生や操舵フィーリングの低下が問題になることから、バックラッシュの調節が必要になる。
【0004】
従来、そのラックハウジング108は、ラック101の一端側を覆う第1ハウジング108aと、ラック101の他端側を覆う第2ハウジング108bとを連結することで構成されていた。また、そのギヤハウジング109は、第2ハウジング108bに一体化される第1ギヤハウジング109aと、その第1ギヤハウジング109aの内周面109a′に嵌め合わされる外周面109b′を有する第2ギヤハウジング109bとをボルト111により連結することで構成していた。その第2ギヤハウジング109bにより、モータ107が支持されると共に駆動ベベルギヤ106が軸受け110を介して支持される。その第1ギヤハウジング109aの内周面109a′と第2ギヤハウジング109bの外周面109b′とは、駆動ベベルギヤ106の回転軸に対して偏心する中心軸を有する円筒面とされ、第2ギヤハウジング109bにおけるボルト111の通孔の内径はボルト111の外径よりも大きくされている。これにより、その第1ギヤハウジング109aに対して第2ギヤハウジング109bを回転させることで、駆動ベベルギヤ106をギヤハウジング109に対して径方向に移動させ、駆動ベベルギヤ106と従動ベベルギヤ105との間のバックラッシュを調節していた。
【0005】
上記従来の構成では、ギヤハウジング109を第1ギヤハウジング109aと第2ギヤハウジング109bとから構成するため、部品点数、組み立て工数が多くなり、製造コストが増大するという問題がある。
【0006】
上記のような電動パワーステアリング装置100においては、路面側から車輪に作用する負荷によってラック101の振動と撓みが生じる。そのような振動を吸収するため、そのラック101をピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材(図示省略)と上記ボール103との間の位置(図7においてボール103の右方の位置)において、振動減衰性の大きな材質からなる軸受けによりラック101を支持することが提案されている(特許第2966818号)。
【0007】
しかし、振動減衰性の大きな材質からなる軸受けにより振動を減衰することはできても、ラック101の撓みを十分に低減することはできなかった。そのラック101の撓みの増大はスクリューシャフト102の撓みの増大であることから、スクリューシャフト102とボール103との間およびボールナット104とボール103との間の摩擦が大きくなり、モータ107の出力のラック101への伝達効率が10%以上低下することもあり、エネルギーの有効利用を図ることができず、操舵フィーリングが低下するという問題があった。
【0008】
また、モータ107と車体内の他部品との干渉防止等のレイアウト上の必要性から、スクリューシャフト102をラック101の端部近傍に配置することが要望されていた。しかし、スクリューシャフト102をラック101の端部近傍に配置すると、スクリューシャフト102とラック支持部材との距離が大きくなるためラック101の撓みがより大きくなる。そのようなスクリューシャフト102が設けられていないラックを用いたラックピニオン式ステアリング装置においては、ラックの端部近傍をブッシュにより支持することでラックの撓みを防止している。しかし、ブッシュにより支持されるラック101の端部近傍にスクリューシャフト102を設けた場合、ブッシュはスクリューシャフト102における軌道溝102aの開口縁と接触することになり磨耗し易くなる。そのため、スクリューシャフトのがたつきにより伝達効率が低下する。
【0009】
本発明は、上記課題を解決することのできる車両のステアリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両のステアリング装置は、操舵により回転するピニオンと、そのピニオンに噛み合うラックと、そのラックに一体化されるスクリューシャフトと、そのスクリューシャフトに転動体を介してねじ合わされる回転筒と、その回転筒に同行回転するように一体化される従動ギヤと、その従動ギヤに噛み合う駆動ギヤと、その駆動ギヤを駆動するモータと、その回転筒を回転可能に支持するラックハウジングと、その駆動ギヤを回転可能に支持するギヤハウジングとを備える。そのラックハウジングは、回転筒の一端側を支持する第1ハウジングと他端側を支持する第2ハウジングとを連結することで構成され、そのギヤハウジングは、その第1ハウジングと第2ハウジングの中の一方と一体的に成形され、そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する。その回転筒の第1ハウジングと第2ハウジングの中の一方に対する径方向相対変位許容量は他方に対する径方向相対変位許容量よりも大きくされ、その第1ハウジングと第2ハウジングとの相対位置は、そのスクリューシャフトの径方向に変更可能とされ、その第1ハウジングと第2ハウジングとの相対位置の変更により、その駆動ギヤと従動ギヤとの間のバックラッシュが調節される。
本発明の構成によれば、ラックハウジングを構成する第1ハウジングと第2ハウジングとの相対位置を変更するだけで、駆動ギヤと従動ギヤとの間のバックラッシュを調節できる。
【0011】
その回転筒は、そのスクリューシャフトの径方向に弾性変形可能な弾性部材を介して、その第1ハウジングと第2ハウジングの中の一方により支持されているのが好ましい。
これにより、駆動ギヤと従動ギヤとの間のバックラッシュ調節のために第1ハウジングと第2ハウジングとの相対位置を変更する際に、ラックハウジングとラックとの径方向相対位置の変動を、その弾性部材の弾性変形により吸収できる。よって、回転筒と従動ギヤのラックハウジングに対するガタをなくせる。また、路面から車輪を介して作用する負荷によるラックの振動を減衰できる。
【0012】
そのスクリューシャフトの移動範囲に配置されると共に、そのスクリューシャフトの外周を支持可能な支持体と、そのラックをピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材とを備え、その支持体とラック支持部材との間に前記転動体の全体が配置され、前記ラックに路面側から作用する負荷を、その支持体とラック支持部材とにより受けるのが好ましい。
これにより路面側から車輪を介してラックに作用する負荷を、ラックを支持する支持体とラック支持部材とにより受けるので、その支持体とラック支持部材との間においてラックが撓むのを防止できる。その支持体とラック支持部材との間に転動体の全体が配置されるので、スクリューシャフトの撓みを低減し、転動体とスクリューシャフトとの間および転動体と回転筒との間の摩擦の増大を阻止できる。また、その支持体はスクリューシャフトの移動範囲に配置され、そのスクリューシャフトの外周を支持可能であるので、スクリューシャフトを転動体の全体よりもラック支持部材から離れたラックの端部近傍に配置できる。これにより、ステアリング装置を構成するモータのレイアウトの自由度を向上できる。その支持体としてはブッシュや軸受けを用いることができる。
【0013】
前記支持体は前記ラックハウジングにより支持されてもよい。これにより、スクリューシャフトのラック支持部材からの距離がより大きくなっても、支持体によりスクリューシャフトの外周を支持し、スクリューシャフトの撓みを低減できる。
【0014】
前記支持体は前記回転筒により支持されてもよい。これにより、支持体はスクリューシャフトに対して相対回転するので、偏って磨耗するのが防止され、また、スクリューシャフトの軌道溝の開口縁との接触による偏磨耗も抑制され、長寿命化を図れる。この場合、その支持体として転がり軸受が用いられるのが好ましい。転がり軸受を用いることでスクリューシャフトと回転筒とが円滑に相対回転し、伝達効率を向上することができる。
【0015】
前記スクリューシャフトの外周における軌道溝の開口縁は面取り部とされているのが好ましい。これにより、その軌道溝の開口縁との接触による支持体の磨耗を抑制し、スクリューシャフトのがたつきによる伝達効率低下を防止できる。その面取り部は凸曲面でも平坦面でもよい。
【0016】
前記スクリューシャフトの外周における軌道溝のスクリューシャフト軸方向における寸法は、その軌道溝の間の部分のスクリューシャフト軸方向における寸法よりも小さくされているのが好ましい。これにより、支持体の内周面にスクリューシャフトの外周面から作用する面圧を低減し、支持体の磨耗を抑制し、スクリューシャフトのがたつきによる伝達効率低下を防止できる。
【0017】
なお、駆動ギヤと従動ギヤとの間のバックラッシュ調節のための構成が必須でなく、路面反力によるラックの撓みを防止する構成のみが必要である場合、車両のステアリング装置は次のような構成とすることができる。
すなわち、操舵により回転するピニオンと、そのピニオンに噛み合うラックと、そのラックに一体化されるスクリューシャフトと、そのスクリューシャフトに転動体を介してねじ合わされる回転筒と、その回転筒を駆動するモータと、その回転筒を回転可能に支持するラックハウジングと、そのラックをピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材とを備え、そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する車両のステアリング装置において、前記スクリューシャフトの移動範囲に配置されると共に、そのスクリューシャフトの外周を支持可能な支持体が設けられ、その支持体と前記ラック支持部材との間に前記転動体の全体が配置され、前記ラックに路面側から作用する負荷を、その支持体と前記ラック支持部材とにより受ける。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1、図2に示すラックピニオン式電動パワーステアリング装置1は、入力シャフト2に連結されるステアリングホイールHの操舵により回転するピニオン3と、そのピニオン3に噛み合うラック4とを備え、そのラック4の両端に車輪(図示省略)が連結される。そのピニオン3の回転によるラック4の動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する。
【0019】
そのピニオン3とラック4を覆うラックハウジング30が設けられる。そのラックハウジング30内に、ステアリングホイールHの操舵によってピニオン3に伝達される操舵トルクを検出するトルクセンサ7が設けられる。そのトルクセンサ7は公知のものを採用できる。そのピニオン3との噛み合い位置においてラック4はラック支持部材9により支持されている。そのラック支持部材9は、本実施形態では公知の構成を有し、ラックハウジング30にラック4の径方向に移動可能に挿入され、バネ8によりラック4に押し付けられ、ラック4における歯と反対側をラック軸方向視で円弧に沿う面により支持する。
【0020】
図3に示すように、そのラック4にスクリューシャフト11が一体化されている。本実施形態では、ラック4における中央よりも一端側に近接する領域がスクリューシャフト11とされている。そのスクリューシャフト11にボール(転動体)12を介してボールナット(回転筒)13がねじ合わされている。
【0021】
そのボールナット13に同行回転するように従動ギヤ21が一体化されている。本実施形態では、その従動ギヤ21はベベルギヤとされ、ボールナット13の外周に嵌め合わされ、ボールナット13の外周の段差とボールナット13にねじ合わされるナット14とにより挟み込まれることでボールナット13に一体化されている。
【0022】
その従動ギヤ21に噛み合う駆動ギヤ22が駆動シャフト23に一体的に設けられている。その駆動ギヤ22は、駆動シャフト23を支持するボールベアリング24、25を介してギヤハウジング26により回転可能により支持されている。その駆動ギヤ22を駆動する操舵補助力発生用モータ27がギヤハウジング26に取り付けられ、そのモータ27の出力シャフトは駆動シャフト23にカップリング27aを介して連結される。
【0023】
上記トルクセンサ7とモータ27に接続される車載制御装置(図示省略)が、そのトルクセンサ7により検出される操舵トルクに応じてモータ27を駆動する。これにより、モータ27の出力は駆動ギヤ22、従動ギヤ21を介してボールナット13に伝達され、ボールナット13の回転力がボール12、スクリューシャフト11を介してラック4に操舵補助力として伝達される。なお、そのモータ27の制御方法は特に限定されるものではなく、例えば車速等の操舵トルク以外の変量に応じて操舵補助力を変化させるようにしてもよい。
【0024】
そのボールナット13はラックハウジング30により回転可能に支持されている。そのラックハウジング30は、ボールナット13の一端側を支持する第1ハウジング31と他端側を支持する第2ハウジング32とを連結することで構成され、車体に取り付けられる。その第2ハウジング32と上記ギヤハウジング26とが一体的に成形されている。本実施形態では、ボールナット13の一端は第1ハウジング31の内周31aにより第1ボールベアリング33を介して支持され、ボールナット13の他端は第2ハウジング32の内周32aにより第2ボールベアリング34を介して支持されている。
【0025】
その第1ボールベアリング33の内輪はボールナット13と一体化される。その第1ボールベアリング33の外輪は、軸方向に並列する2部材33a、33bにより構成され、第1ハウジング31の内周にねじ合わされる環状のネジ部材37と第1ハウジング31の内周段差との間に挟まれる。これにより、従動ギヤ21はボールナット13を介してラックハウジング30により回転可能に支持されることになる。
【0026】
その第2ボールベアリング34の外周と第2ハウジング32の内周との間にゴム等の環状の弾性部材36が配置されている。これによりボールナット13は、スクリューシャフト11の径方向に弾性変形可能な弾性部材36を介して第2ハウジング32により支持されている。その弾性部材36の弾性変形量は例えば0.1〜0.2mm程度とされ、駆動ギヤ22と従動ギヤ21との間のバックラッシュ調節量よりも大きくされるのが好ましい。
【0027】
その第1ハウジング31と第2ハウジング32との相対位置は、スクリューシャフト11の径方向に変更可能とされている。本実施形態では、図3、図4に示すように、第1ハウジング31の内周31a、外周31b、第2ハウジング32の内周32aは円筒面に沿う部分を有する。その第1ハウジング31の内周31aに上記ボールベアリング33の外輪33a、33bが微小な隙間を介してインロー嵌合される。その第1ハウジング31の外周31bに第2ハウジング32の内周32aが周方向に相対回転可能に微小な隙間を介してインロー嵌合される。上記のようにボールナット13は弾性部材36を介して第2ハウジング32により支持されているので、ボールナット13の第2ハウジング32に対する径方向相対変位許容量は第1ハウジング31に対する径方向相対変位許容量よりも大きくされている。その第1ハウジング31の内周31aが沿う円筒面の軸心Oaと、その第1ハウジング31の外周31bと第2ハウジング32の内周32aとが沿う円筒面の軸心Obとは図4においてEだけ偏心する。これにより、第1ハウジング31の外周31bと第2ハウジング32の内周32aとが周方向に相対回転することで、第1ハウジング31と第2ハウジング32との相対位置はスクリューシャフト11の径方向に変化する。その第1ハウジング31と第2ハウジング32との相対位置の変化により、例えば図4において従動ギヤ21が駆動ギヤ22に対して一点鎖線で示す位置から二点鎖線で示す位置に図中δだけ相対変位し、これにより駆動ギヤ22と従動ギヤ21との間のバックラッシュが調節される。
【0028】
その第1ハウジング31と第2ハウジング32とを連結するため、第1ハウジング31における第2ハウジング32の端面との対向壁に形成されるボルト通孔31cに挿通されるボルト35が、その第2ハウジング32の端面において開口するネジ孔32cにねじ合わされる。そのボルト通孔31cは、第1ハウジング31の外周31bが沿う円筒面の周方向を長径方向とする長孔とされ、両ハウジング31、32が相対回転可能なようにその長径方向にボルト35に対して相対移動可能とされている。
【0029】
そのスクリューシャフト11の移動範囲に、そのスクリューシャフト11の外周を支持可能な支持体が設けられている。本実施形態では、その支持体は円筒状のブッシュ40とされ、第1ハウジング31の内周に嵌め合わされることでラックハウジング30により支持される。そのブッシュ40は、例えば鋼板の表面をポリ四フッ化エチレンや銅化合物等によりコーティングすることで形成され、割りを有するものとされる。このブッシュ40の内周によりスクリューシャフト11の外周が支持される。本実施形態では、車両の直進状態においてブッシュ40はスクリューシャフト11の一端とラック4との境界領域近傍に配置される。なお、ブッシュ40はスクリューシャフト11を常に支持する位置に配置されてもよいし、左右一方への操舵時のみ支持する位置に配置されてもよい。そのブッシュ40とラック支持部材9との間に上記ボール12の全体が配置される。これにより、ラック4に路面側から車輪を介して作用する負荷をブッシュ40とラック支持部材9とにより受け、スクリューシャフト11の撓みを抑制可能である。そのブッシュ40の内径とスクリューシャフト11の外径との差は例えば0.05mm程度とされる。
【0030】
図5に示すように、スクリューシャフト11における螺旋状の軌道溝11aの開口縁との接触によるブッシュ40の磨耗を抑制するため、その軌道溝11aの開口縁は面取り部11a′とされている。本実施形態では、その面取り部11a′は平坦面とされている。スクリューシャフト11の軸方向に対して面取り部11a′がなす角度αは30°以下であるのが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、第1ハウジング31と第2ハウジング32との相対位置を変更するだけで、駆動ギヤ22と従動ギヤ21との間のバックラッシュを調節できる。また、そのバックラッシュ調節の際に駆動ギヤ22は従動ギヤ21に対して回転径方向に移動するので、ベベルギヤである駆動ギヤ22と従動ギヤ21の両回転軸がなす角度を小さくしても噛み合い位置を適正位置に維持でき、スペースの制限された車体内での操舵装置のレイアウトを行う上で好ましい。その第1ハウジング31と第2ハウジング32との相対位置を変更する際に、ラックハウジング30とラック4との径方向相対位置の変動を、弾性部材36の弾性変形により吸収できるので、ボールナット13と従動ギヤ21のラックハウジング30に対するガタをなくせる。また、その弾性部材36により、路面から車輪に作用する反力によるラック4の振動を減衰できる。
【0032】
さらに上記構成によれば、路面側から車輪を介してラック4に作用する負荷を、ラック4を支持するブッシュ40とラック支持部材9とにより受けるので、そのブッシュ40とラック支持部材9との間においてラック4が撓むのを防止できる。そのブッシュ40とラック支持部材9との間にボール12の全体が配置されるので、スクリューシャフト11の撓みを低減し、ボール12とスクリューシャフト11との間およびボール12とボールナット13との間の摩擦の増大を阻止できる。また、そのブッシュ40はスクリューシャフト11の移動範囲に配置され、そのスクリューシャフト11の外周を支持可能であるので、スクリューシャフト11をボール12の全体よりもラック支持部材9から離れたラック4の端部近傍に配置できる。これにより、ステアリング装置1を構成するモータ27のレイアウトの自由度を向上できる。そのブッシュ40をラックハウジング30により支持することで、スクリューシャフト11のラック支持部材9からの距離がより大きくなっても、ブッシュ40によりスクリューシャフト11の外周を支持し、スクリューシャフト11の撓みを低減できる。さらに、スクリューシャフト11の外周における軌道溝11aの開口縁は面取り部11a′とされているので、その開口縁との接触によるブッシュ40の磨耗を抑制し、スクリューシャフト11のがたつきによる伝達効率低下を防止できる。
【0033】
図6は本発明の第1変形例を示し、第1ハウジング31と第2ハウジング32の相対位置を上記実施形態とは異なる構成により変更する。すなわち、第1ハウジング31の外周31bは円筒面に沿い、第2ハウジング32の内周32a′は端面視長円形の筒体外周面に沿う。その第1ハウジング31の外周31bが沿う円筒面の端面の径と、第2ハウジング32の内周32a′が沿う筒体の端面の長円の短径との差は微小とされる。その長円の長径方向は駆動ギヤ22の回転軸22Oと従動ギヤ21の回転軸21Oとを含む面に沿う。その第1ハウジング31の外周31bに第2ハウジング32の内周32a′が相対移動可能に嵌め合わされる。これにより、その第1ハウジング31と第2ハウジング32の相対移動方向は、スクリューシャフト11の径方向であって、駆動ギヤ22の回転軸22Oと従動ギヤ21の回転軸21Oとを含む面に沿う。その相対移動による第1ハウジング31と第2ハウジング32との相対位置の変化により、例えば図6において従動ギヤ21が駆動ギヤ22に対して一点鎖線で示す位置から二点鎖線で示す位置との間で相対変位し、これにより駆動ギヤ22と従動ギヤ21との間のバックラッシュが調節される。また、第1ハウジング31と第2ハウジング32とを連結するため、第1ハウジング31における第2ハウジング32の端面との対向壁に形成されるボルト通孔31c′に挿通されるボルト35が、その第2ハウジング32の端面において開口するネジ孔32cにねじ合わされる。そのボルト通孔31c′は、両ハウジング31、32の相対移動方向を長径方向とする長孔とされ、両ハウジング31、32が相対移動可能なようにその長径方向にボルト35に対して相対移動可能とされている。他は上記実施形態と同様とされる。
【0034】
図7は本発明の第2変形例を示し、上記実施形態との相違はブッシュ40がボールナット13の内周に取り付けられている点にある。他は上記実施形態と同様とされる。これにより、ブッシュ40はスクリューシャフト11に対して相対回転するので、偏って磨耗するのが防止され、また、スクリューシャフト11のボール用軌道溝11aの開口縁との接触による偏磨耗も抑制され、長寿命化を図れる。
【0035】
図8は本発明の第3変形例を示す。上記実施形態および各変形例との相違は、スクリューシャフト11の外周における軌道溝11aの開口縁の面取り部11a′が凸曲面とされ、また、その軌道溝11aのスクリューシャフト軸方向における寸法L1が、その軌道溝11aの間の部分のスクリューシャフト軸方向における寸法L2よりも小さくされている点にある。なお、軌道溝11aの開口縁に面取り部11a′が形成される場合には、図において破線で示すように面取り部11a′が形成されなかったものとして寸法L1、L2を測定する。これにより、ブッシュ40の内周面にスクリューシャフト11の外周面から作用する面圧を低減し、ブッシュ40の磨耗を抑制し、スクリューシャフト11のがたつきによる伝達効率低下を防止できる。他は上記実施形態と同様で同様部分は同一符号で示される。
【0036】
図9は本発明の第4変形例を示す。上記実施形態および各変形例との相違は、支持体としてブッシュ40に代えて転がり軸受であるニードルベアリング240が用いられている。また、ボール12とボールナット13に代えて、スクリューシャフト11の軸方向に並列する複数(本実施形態では4つ)のボールベアリング212と、それらボールベアリング212を覆う筒体213が用いられている。その筒体213は第1、第2部材213a、213bをネジ213cを介して連結することで構成されている。従動ギヤ21は筒体213の第1部材213aの外周に嵌め合わされ、第1部材213aの外周の段差と第2部材213bとにより挟み込まれることで筒体213に一体化されている。そのニードルベアリング240は筒体213の内周に嵌め合わされることで筒体213により支持されている。各ボールベアリング212を構成するボール212aが本発明の転動体とされ、そのボール212aを介して筒体213はスクリューシャフト11にねじ合わされている。すなわち、各ボールベアリング212を構成する外輪212bは筒体213に同行回転するように一体化されている。各ボールベアリング212の内輪212cの内周にスクリューシャフト11における螺旋状の軌道溝11aに当接可能な環状突部212c′が形成されている。各ボールベアリング212の回転軸はスクリューシャフト11の軸心に対して軌道溝11aのリード角と等しい角度だけ傾斜するものとされ、その傾斜方向は中央側の2つのボールベアリング212と両端側の2つのボールベアリング212とで互いに逆とされている。また、各ボールベアリング212の回転中心はスクリューシャフト11の軸心に対して偏心する。各ボールベアリング212は環状突部212c′を介して軌道溝11aの内面に一位置において接するものとされ、中央側の2つのボールベアリング212の当接位置と両端側の2つのボールベアリング212の当接位置とは回転周方向において互いから180°離れている。これにより、筒体213がモータ27により回転駆動されることで、ボールベアリング212を介してスクリューシャフト11に軸方向力が作用する。このようなボールベアリングを利用したラックの送り機構は、例えば特開2000−352450号公報に開示されたような公知のものを用いることができる。この第4変形例によれば、ニードルベアリング240はスクリューシャフト11に対して相対回転するので偏って磨耗するのが防止され、また、スクリューシャフト11の軌道溝11aの開口縁との接触による磨耗も抑制され、長寿命化を図れる。さらに、支持体として転がり軸受であるニードルベアリング240を用いることでスクリューシャフト11と筒体213とが円滑に相対回転し、伝達効率を向上することができる。他は上記実施形態と同様で同様部分は同一符号で示される。
【0037】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されない。例えば、弾性部材36をなくし、ボールベアリング34の外周と第2ハウジング32の内周との間に、駆動ギヤ22と従動ギヤ21との間のバックラッシュ調節量に対応する隙間を設けてもよく、この場合、その隙間はボールベアリング34の外径と第2ハウジング32の内径との差が例えば0.1〜0.2mm程度となるように定める。また、駆動ギヤ22と従動ギヤ21の種類は特にベベルギヤに限定されない。また、実施形態や第1〜第3変形例においてブッシュ40に代えて転がり軸受けを用い、第4変形例においてニードルベアリング240に代えてブッシュを用い、実施形態や第1、第3変形例においてブッシュ40をボールナット13により支持し、第2変形例においてブッシュ40をラックハウジング30により支持し、第4実施形態においてニードルベアリング240をラックハウジング30により支持してもよい。さらに、本発明を適用するステアリング装置はパワーステアリング装置に限定されず、例えば車両を路面の誘導標識に沿って無人運転するためにモータ出力のみでラックを駆動する自動操舵装置や、車輪に機械的に連結されていないステアリングホイールの操舵に応じて駆動されるモータの出力のみでラックを駆動するステアバイワイヤシステムを採用した操舵装置にも適用できる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、ラックに一体化されるスクリューシャフトにねじ合わされる回転筒を、モータによりギヤを介して回転駆動することでラックに軸方向力を付与し、そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する車両のステアリング装置において、そのギヤのバックラッシュ調節のための部品点数、組み立て工数を低減し、コスト削減を図り、音の発生や操舵フィーリングの低下を防止でき、さらに操舵補助力発生用モータの出力のラックへの伝達効率低下を防止できるステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の正面図
【図2】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の縦断面図
【図3】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【図4】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における第1ハウジングと第2ハウジングの作用説明図
【図5】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における部分拡大図
【図6】本発明の第1変形例の電動パワーステアリング装置における第1ハウジングと第2ハウジングの作用説明用図
【図7】本発明の第2変形例の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【図8】本発明の第3変形例の電動パワーステアリング装置における部分拡大図
【図9】本発明の第4変形例の電動パワーステアリング装置における部分拡大図
【図10】従来の電動パワーステアリング装置の部分断面図
【符号の説明】
3 ピニオン
4 ラック
9 ラック支持部材
11 スクリューシャフト
12 ボール(転動体)
13 ボールナット(回転筒)
21 従動ギヤ
22 駆動ギヤ
26 ギヤハウジング
27 操舵補助力発生用モータ
30 ラックハウジング
31 第1ハウジング
32 第2ハウジング
36 弾性部材
40 ブッシュ(支持体)

Claims (8)

  1. 操舵により回転するピニオンと、
    そのピニオンに噛み合うラックと、
    そのラックに一体化されるスクリューシャフトと、
    そのスクリューシャフトに転動体を介してねじ合わされる回転筒と、
    その回転筒に同行回転するように一体化される従動ギヤと、
    その従動ギヤに噛み合う駆動ギヤと、
    その駆動ギヤを駆動するモータと、
    その回転筒を回転可能に支持するラックハウジングと、
    その駆動ギヤを回転可能に支持するギヤハウジングとを備え、
    そのラックハウジングは、回転筒の一端側を支持する第1ハウジングと他端側を支持する第2ハウジングとを連結することで構成され、
    そのギヤハウジングは、その第1ハウジングと第2ハウジングの中の一方と一体的に成形され、
    そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する車両のステアリング装置であって、
    その回転筒の第1ハウジングと第2ハウジングの中の一方に対する径方向相対変位許容量は他方に対する径方向相対変位許容量よりも大きくされ、
    その第1ハウジングと第2ハウジングとの相対位置は、そのスクリューシャフトの径方向に変更可能とされ、
    その第1ハウジングと第2ハウジングとの相対位置の変更により、その駆動ギヤと従動ギヤとの間のバックラッシュが調節されることを特徴とする車両のステアリング装置。
  2. その回転筒は、そのスクリューシャフトの径方向に弾性変形可能な弾性部材を介して、その第1ハウジングと第2ハウジングの中の一方により支持されている請求項1に記載の車両のステアリング装置。
  3. そのスクリューシャフトの移動範囲に配置されると共に、そのスクリューシャフトの外周を支持可能な支持体と、
    そのラックをピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材とを備え、
    その支持体とラック支持部材との間に前記転動体の全体が配置され、
    前記ラックに路面側から作用する負荷を、その支持体とラック支持部材とにより受ける請求項1または2に記載の車両のステアリング装置。
  4. 前記支持体は前記ラックハウジングにより支持される請求項3に記載の車両のステアリング装置。
  5. 前記支持体は前記回転筒により支持される請求項3に記載の車両のステアリング装置。
  6. 前記支持体として転がり軸受が用いられる請求項5に記載の車両のステアリング装置。
  7. 前記スクリューシャフトの外周における螺旋状の軌道溝の開口縁は面取り部とされている請求項3〜6の中の何れかに記載の車両のステアリング装置。
  8. 前記スクリューシャフトの外周における軌道溝のスクリューシャフト軸方向における寸法は、その軌道溝の間の部分のスクリューシャフト軸方向における寸法よりも小さくされている請求項3〜7の中の何れかに記載の車両のステアリング装置。
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