JP2006025656A - 薬剤担持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通気性と薬剤保持機能とを兼用することによって、良好な揮散性、及び薬剤液の漏洩を防止することによって、安定した使用状態を実現し、しかも構造がシンプルな薬剤担持体の構成の提供。
【解決手段】 三次元方向にメッシュ状を形成している通気層3の下側面、又は上下両側面に、毛管現象によって薬剤液を保持できる程度の隙間を有する薬剤保持層2を設けると共に、通気層3におけるメッシュ状の隙間の程度が、薬剤保持層2における隙間の程度よりも大きい状態としたうえで、通気層3と薬剤保持層2とを接合させたことによる構造体を回転駆動の対象とすることによって、前記のような課題を達成することができる薬剤担持体1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転可能な三次元のメッシュ状態による構造を有している薬剤担持体に関するものである。
本出願人の出願である特開2001−247406号公報においては、粒状の薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、その遠心力とファンによる風力によって薬剤を効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法が提唱されている。当該方法による構成は、揮散性能や害虫防除効果に優れ極めて有用性の高いものであるが、薬剤含浸体を収納する回転体としてのカートリッジを必要とし、特に洋服タンスやクローゼットなどの衣料防虫用途として構造がシンプルとは言えないという難点があった。
このような状態を考慮し、出願人は、回転に際し、通気が可能である空隙を有している板状体に薬剤を含浸させ、単数又は複数の当該板状体によって形成された回転体に対する回転駆動装置を設けたことによる薬剤揮散装置による構成を先願として既に御庁に出願している(特願2003−102369号出願、及び当該出願を基礎とする特許法第41条第1項の優先主張に基づく特願2004−095479号出願)。
上記先願発明は、特開2001−247406号発明に比し、簡単な構成であり、かつ簡便な使用ができるという点において優れている。
上記先願発明における回転の対象物である板状体においては、三次元方向にメッシュ状態を形成している構成をも包摂しており、このような構成の板状体は、通気性に優れている。
但し、前記板状体においては、一方では通気性に優れていることが要求されるだけでなく、他方では、薬剤が側面から漏洩し、揮散装置が設置されている洋服タンスやクローゼットなどの衣類に付着することを防止するという薬剤保持機能においても優れていることが要求されている。
しかるに、前記先願発明においては、後者の薬剤保持機能を配慮するような構成は、特に採用されている訳ではない。
特開平11−92303号公報 特開2001−200239号公報 特開2001−247406号公報
本発明は、三次元のメッシュ状態による板状体の構造を有し、かつ回転駆動の対象である薬剤担持体において、通風機能と薬剤保持機能とを兼用した構成を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)三次元方向にメッシュ状を形成している通気層の下側面、又は上下両側面に、毛管現象によって薬剤液を保持できる程度の隙間を有する薬剤保持層を設けると共に、通気層におけるメッシュ状の隙間の程度が、薬剤保持層における隙間の程度よりも大きい状態としたうえで、通気層と薬剤保持層とを接合させたことによる構造体であって、かつ回転駆動の対象であることによる薬剤担持体、
(2)−(1)製編されたプレーン組織によって薬剤保持層を形成していることを特徴とする前記(1)の薬剤担持体、
(2)−(2)製織された布組織によって、薬剤保持層を形成していることを特徴とする前記(1)の薬剤担持体、
(3)通気層、及び薬剤保持層の双方を、不織布によって形成したことを特徴とする前記(1)の薬剤担持体、
(4)薬剤担持体の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠によって囲み、かつ中心位置にある軸受が、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケースによって収納されたことを特徴とする前記(1)の薬剤担持体、
からなる。
本発明の薬剤担持体は、薬剤の保持機能と通気性とを兼用しており、高い揮散効率を達成するだけでなく、薬剤液による漏洩を防止した状態にて、安全な使用とを実現し得る点において、極めて有用である。
しかも、構造がシンプルであるため、製造コストにおいても、極めて有利である。
本発明の薬剤担持体は、図1に示すように、
三次元のメッシュ状態による通気層3

毛管現象によって薬剤液を保持し得る薬剤保持層2
による基本構成を有している。
前記通気層3は、三次元のメッシュ状体を構成している隙間によって通気性に寄与しており、他方、前記薬剤保持層2は、薬剤液が有している表面張力を利用し、所定の厚みを持った隙間を介して毛管現象によって薬剤液を保持し、側面からの漏洩を防止している。
但し、薬剤保持層2は、前記のような薬剤液の保持に寄与しているだけでなく、自ら隙間を有していることを原因として、通気性にも一定の寄与を行うことができる。
前記(1)記載のように、通気層3の隙間は、薬剤保持層2の隙間よりも大きい状態に設定されているが、その根拠は通気層3においては、専ら回転に伴って生ずる通風状態によって三次元のメッシュ状態に含浸されている薬剤液を放散することが要求されるも、薬剤液の保持機能が何ら要求されていない点にある。
薬剤保持層2として採用されている典型的な実施形態は、前記(2)−(1)のような製編されたプレーン組織、又は前記(2)−(2)のような製織された布状組織であるが、後者の場合には、メッシュ状の通気層3の素材と、布状組織の薬剤保持層2の素材が独立した状態となり、通気層3と薬剤保持層2とを接合するために接着剤などの使用を必要とするのに対し、前者のプレーン組織の場合には、メッシュ状態を構成する素材と、プレーン組織を構成する素材とを連続状態とすることが可能であり、通気層3と薬剤保持層2との一体形成において優れている。
プレーン組織又は布状組織による薬剤保持層2としては、繊度を80dtexから550dtexとするマルチフィラメント糸(生糸)、仮撚加工糸、タスラン糸等の各種加工糸、紡績糸、スパンライク糸等が毛管現象を介した薬剤液の保持に好適である。
無論、繊度はラッシェル機のゲージによるが、ゲージが粗くなる(小さいゲージになる)に従い、大きい繊度の糸を使用でき、例えば14ゲージの場合、165dtexから550dtexの繊度の構成糸が適当である。
編みの密度は、プレーン組織の構成糸の繊度によるが、ラッシェル機のゲージとの兼ね合いで条件を選択でき、18コースから45コース/inが適当である。
前記のような各糸の原料となる素材としては、薬剤の安定性に影響のないもので、揮散が一定で持続性が良好なものが好ましく、例えば、天然繊維の木綿、麻、羊毛、絹等、またレーヨン等の半合成繊維、合成繊維のポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド等、無機繊維のガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等が使用可能である。
特に、薬剤の取り込みの恐れのない、薬剤非吸着性のポリエステル及び/又はナイロンが好ましい。
前記(2)−(1)、及び前記(2)−(2)の実施形態における通気層3としては、立体構造の状態を保持するうえで、モノフィラメントが好ましく、繊度は20dtexから400dtex、好ましくは100dtexから330dtexが適当である。20dtex未満であると形態の保持性が不良になり、400dtexを超えると製編性が不良になる。
厚みは2mmから10mm程度が好ましく、2mm未満では通気層3による所望の攪拌効果が困難となり、10mmを超えた場合には、立体構造を安定して保持することが困難となる。
モノフィラメントの材質は、合成繊維材料が使用可能であり、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、アラミド等が使用可能である。前述のプレーン組織の構成糸と同様、薬剤非吸着性のポリエステルやナイロンが使いやすい。
メッシュのサイズとしては、4から20コースのリピートが適当で、好ましくは6から16コースである。メッシュサイズが4未満であると、特に薬剤担持体1を回転させ遠心力ならびに回転風力に基づき薬剤揮散を行う方式では、薬剤担持体1自体の気流の攪拌効果が小さい。一方、20コースを越えると、空気通過抵抗が大きくなりやはり揮散性能が低下してくる。
前記(3)記載のように、本発明の通気層3、及び薬剤保持層2を不織布によって形成することができるのである。
通気層3を形成する不織布は、構成主体繊維が繊度3dtexから40dtex、繊維長15mmから102mmの短繊維をカーデイングにより、またはエアーレイドにより、ウエッブを作製し、それを積層して形成する。繊維間を結合する方法は、通常の生産方式が適用可能である。即ち、接着樹脂をスプレー法にて不織布に付与し、熱処理を施す方法、或いは、ポリエチレン、ポリプロピレン、低融点のポリエステル繊維等のバインダー繊維を主体繊維に混合し、不織布を形成後、熱処理を行って、一体化させる方法、あるいは、カードウエッブを積層した後、ニードルパンチングを行う方法等が可能である。
通気層3の不織布の嵩密度は、0.01g/mから0.07g/m,厚さ2mmから10mmが適当である。嵩密度は、0.01g/mより低下すると、形態保持性が不十分であり、0.07g/mより大きくなると通気性が不十分となる。
薬剤保持層2を形成する不織布は、構成主体繊維が0.5dtexから10dtex,通気層3の場合よりも、薬液保持のため嵩密度を高く設定しており、かつ通常のフェルト製造工程が適用可能である。
嵩密度は、0.1g/mから0.3g/m,厚み0.5mmから5mmが適当である。
嵩密度は、0.1g/mより小さいと、保持性が不十分で、0.3g/mより大きくなると、揮散性が低下する。
通気層3と薬剤保持層2とは、ホットメルト、バインダー、パウダー樹脂等により、接着し、あるいは、ニードリングにより一体化することが出来る。
薬剤保持層2は、前記(1)のように、通気層3の下側面又は上側面に設けるが(尚、上下の基準は、薬剤担持体1の回転時の状態を基準としている。)、薬剤液の漏洩は、通常下方側に向かうことを考慮するならば、薬剤保持層2は、下側面に設ければ、十分である。
但し、上側面において通気層3に含浸した薬剤液が、他の物(洋服タンス、クローゼットなどに配置した衣料など)に付着し易い場合には、薬剤保持層2を上下両側面に設けると良い。
薬剤担持体1の形状は特に限定されず、円盤状、ドーナツ状、歯車状、扇風機状など、目的に応じて適宜決定すればよい。本発明は小型の薬剤揮散装置に適用される薬剤担持体1を意図しているため、例えば、円盤状であれば、外径3〜5cm程度による規格が使用上便宜である。
前記(4)のように、本発明の担持体を、保護ケースによって収納した場合には、当該保護ケースを介して、回転駆動装置の回転軸との係合を円滑に実現することができる。
本発明で用いる薬剤としては、揮散性を有する殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤などがあげられる。
殺虫剤のなかでは、常温揮散性ピレスロイド系薬剤が好適で、このような薬剤としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Aと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Dと称す)などのフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物があげられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。なお、化合物中に不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体が存在する場合は、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
薬剤担持体1において保持する薬剤量は、薬剤の種類、有効期間、及び薬剤担持体1の大きさ等にもよるが、例えば前記[0036]で記載の常温揮散性ピレスロイド系薬剤の場合には、20〜400mg程度に設定するのが適当である。
薬剤を保持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種手段を採用することができる。更に、薬剤に安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合することも可能である。
以下、実施例に従って説明する。
実施例は、前記(4)の実施形態に基づき、図2に示すように、薬剤担持体1の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠41によって囲み、かつ中心位置において、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケース4によって薬剤担持体1が収納されていることを特徴としている。
実施例においては、薬剤担持体1が、保護ケース4によって上下両側及び周囲から囲まれた状態にて収納され、かつ保護ケース4が、回転駆動装置の回転軸と嵌合することから、回転時には、保護ケース4と薬剤担持体1とは、一体となって回転することになる。
保護ケース4を採用することは、薬剤担持体1が変形し易い形状であって、単独では、回転駆動装置の回転軸の支持によって、安定した回転が得られない場合に好都合であると共に、薬剤に手指が触れるのを防止するという機能を発揮することができる。
実施例における保持枠41の形状や数は特に限定されている訳ではないが、通気層3による攪拌効果や設計上の便宜をも考慮し、例えは上下両側には板状、また周囲には断面が三角形又は四角形状のものを複数個設けるのが適当である。
薬剤担持体1を保護ケース4に収納するにあたっては、薬剤を保持させた後収納することも当然可能であるが、薬剤保持前の担持体をケースに入れ蓋部材を外した状態で薬剤を分注し、蓋部材を閉める方法が製造上便宜である。
このような薬剤担持体1を保護ケース4に収納した実施例に即した実験結果を、以下のとおり説明する。
実験例1
22ゲージのダブルラッシェル機を使用して、110dtexのポリエステル加工糸にてコース42本/インチ、ウエール22本/インチのプレーン組織を両面に編成し、メッシュ状態による通気層3として165dtexのポリエステルモノフィラメントを使用して、厚み6mmの立体構造編地を作製した。
薬剤担持体1は、この立体構造編地を外径4.0cmの円盤状に製編したもので、薬剤保持層2と通気層3から構成される。そして、薬剤担持体1は、ポリカーボネート製の保護ケース4(外径4.5cm、厚さ8mm)に収納され、保護ケース4は周囲の保持枠41において略三角形状の断面を採用した。
このような薬剤担持体1において、化合物C[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]40mgをケロシン60mgに溶解した薬液を、前記薬剤担持体1に保持させ、保護ケース4に収納後、1200rpmの回転速度にて、120時間作動させた。
上記作動において、薬剤担持体1から薬剤が飛散することはなく、約120時間にわたり蚊の防除に有効であった。
実験例1の比較として、薬剤保持層2を編成せず通気層3のみで構成した薬剤担持体1[比較例a]及び通気層の3を編成せず薬剤保持層2のみで構成した薬剤担持体[比較例b]を調製し、同様に作動させた。
その結果、比較例aは薬剤保持能が不足し、一方比較例bの場合、薬剤の放散効果が劣り好ましくなかった。
実験例2
14ゲージのダブルラッシェル機を使用して、片面に280dtexのポリエステルフィラメント糸にて、コース18本/インチ、ウエール14本/インチのプレーン組織を編成し、反対面につなぎ糸として245dtexのナイロンモノフィラメントを使用して、メッシュサイズ8コースのリピートにてメッシュ組織を編成し、ダブルラッシェル機による厚み5mmの立体構造編地を作製した。
実験例1で用いた薬剤の替わりに、化合物A[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート]70mgを使用し、前述の立体構造編地を外径4.5cmの円盤状に製編し、240時間用の薬剤担持体1を調製した。
この薬剤担持体1を実験例1の保護ケース4に収納し、1400rpmの回転速度にて犬小屋内に吊り下げ、1日あたり8時間作動させ、当該作動を約30日間継続した。
このような作動の継続において、薬剤担持体1は、蚊、ユスリカなどの害虫に対して安定した殺虫効力を発揮し、犬は害虫に悩まされることはなかった。
実験例3
主体繊維としてのポリエステルの繊度11dtex、繊維長76mmの短繊維に、融点110℃の芯鞘構造の低融点ポリエステルバインダーを20%混綿し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、目付150g/m3の不織布を作製した。
次いで、該不織布をネットに挟んで、180℃で2分間熱処理し、厚み8mm、嵩密度0.019g/mの通気層3を形成する不織布を得た。
更に、主体繊維として、ポリエステル2.2dtex,繊維長51mmの短繊維をカードを通し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、次いで、ニードルパンチングを行って、目付400g/m3,厚み3mm、嵩密度0.13g/mの薬剤保持層2を形成する不織布を得た。
この不織布に、ホットメルト樹脂を10g/m2付与し、その上に通気層3となる上記不織布を重ね、170℃で2分間熱処理を行い、外径5.0cmの円盤状で、通気層3と薬剤保持層2とからなる不織布の薬剤担持体1を作製した。
実験例1で用いた薬剤の替わりに、化合物B[4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]50mgを使用し、この薬剤担持体1を実験例1の保護ケース4に収納した。1200rpmの回転速度にて作動させたところ、実験例1と同様、優れた薬剤保持性と薬剤放散性を示した。
本発明の薬剤担持体は、薬剤を効率的に揮散、放出させるので、有効成分を適宜選択したうえで、例えば芳香、消臭、抗菌用途など、害虫防除以外の分野でも実用化が可能である。
本発明の薬剤担持体の状態を示しており、(a)は斜視図であり、(b)は当該斜視図に対応する断面図である。 薬剤担持体が収納される保護ケースにつき、蓋部分と薬剤担持体保持部分とに分解した斜視図である。
符号の説明
1 薬剤担持体
2 薬剤保持層
3 通気層
4 保護ケース
41 保持枠

Claims (10)

  1. 三次元方向にメッシュ状を形成している通気層の下側面、又は上下両側面に、毛管現象によって薬剤液を保持できる程度の隙間を有する薬剤保持層を設けると共に、通気層におけるメッシュ状の隙間の程度が、薬剤保持層における隙間の程度よりも大きい状態としたうえで、通気層と薬剤保持層とを接合させたことによる構造体であって、かつ回転駆動の対象であることによる薬剤担持体。
  2. 製編されたプレーン組織によって薬剤保持層を形成していることを特徴とする請求項1記載の薬剤担持体。
  3. メッシュ状を形成している通気層の素材が、プレーン組織を形成する素材と連続した状態にて接続されていることを特徴とする請求項2記載の薬剤担持体。
  4. 製織された布組織によって、薬剤保持層を形成していることを特徴とする請求項1記載の薬剤担持体。
  5. 薬剤保持層における繊度が80dtexから550dtexのマルチフィラメント糸、仮撚加工糸、タスラン糸、紡績糸、スパンライク糸であることを特徴とする請求項2、4記載の薬剤担持体。
  6. 通気層の繊度が、110dtexから400dtexのモノフィラメント糸であることを特徴とする請求項2、4記載の薬剤担持体。
  7. 通気層、及び薬剤保持層の双方を、不織布によって形成したことを特徴とする請求項1記載の薬剤担持体。
  8. 通気層の嵩密度0.01g/mから0.07g/mの範囲内にあり、薬剤保持層の嵩密度が0.1g/mから0.3g/mの範囲内にある不織布を採用したことを特徴とする請求項7記載の薬剤担持体。
  9. 薬剤担持体の厚みが2mmから10mmであることを特徴とする請求項1記載の薬剤担持体。
  10. 薬剤担持体の上下両側面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠によって囲み、かつ中心位置にある軸受が、回転駆動装置の回転軸と嵌合し得る保護ケースによって収納されたことを特徴とする請求項1記載の薬剤担持体。
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