JP2006023847A - 自動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 1サンプリング時間以上の大きいむだ時間要素の存在する制御系においても効率よく制御パラメータを演算することができ、所望の制御性能を得ることが可能な自動制御方法を提供する。
【解決手段】 生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて閉ループで動作制御する自動制御方法において、制御対象の現時点における角度又は位置の目標値に対する差分に応じた差分信号を生成し、制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するとともに、演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて、上記生成した差分信号につき所定の演算処理を施すことにより制御信号を生成する。このとき、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該閉ループにおけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上述の制御パラメータを演算する。
【選択図】図1
【解決手段】 生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて閉ループで動作制御する自動制御方法において、制御対象の現時点における角度又は位置の目標値に対する差分に応じた差分信号を生成し、制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するとともに、演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて、上記生成した差分信号につき所定の演算処理を施すことにより制御信号を生成する。このとき、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該閉ループにおけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上述の制御パラメータを演算する。
【選択図】図1
Description
本発明は、制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成される自動制御装置及び方法、またこの自動制御装置に対して制御パラメータを供給するための制御パラメータ生成装置及び方法に関する。
従来より、比例動作、積分動作並びに微分動作の制御を組み合わせて制御対象を制御するPID制御装置が提案されている。
このPID制御装置を構成する制御系における制御パラメータ調整は、比例ゲインKp、微分ゲインKd、積分ゲインKi等を試行錯誤的に変更しつつ応答を評価することで行っていたが、かかる制御パラメータと応答との関係が明確でないため、その調整につき熟練が必要となり、またこれにつき多大な時間を費やさなければならないという問題点もあった。
更に、この試行錯誤による制御パラメータ調整では、制御系における性能の限界を識別することができない。即ち、調整を実行してみてある程度以上の性能が得られない場合には、より最適な制御パラメータを模索することなく、それが限界と判断せざるを得なかった。
このため、かかる問題点を解決すべく、従来においてPID制御を適用した制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1においては、制御パラメータの調整を容易に実行すべく、制御系の伝達関数の極、零点から変数変換により制御パラメータを算出する方法も開示されている。
図18は、この特許文献1において提案されている制御装置の構成を示している。この制御装置8は、減算器31,フィードフォワード(FF)制御演算部32,フィードバック(FB)制御演算部33,加算器34とを有する制御演算部98と、D/A変換器36と、変数変換部37と、変数設定部38と、最適極配置演算部39と、サンプラ104とからなる制御器300を有し、モータドライバ42を介してモータ41を制御し、その制御結果がエンコーダ200によって位置信号として検出されて、減算器31に負帰還される。
この制御装置8は、アクチュエータとしてモータを用いて産業用ロボットのアーム等の制御対象を制御する装置であって、サンプリング制御理論に基づくサンプリング制御を前提とし、目標指令に対するフィードフォワード制御、及び目標指令と実際の検出信号との偏差に対するフィードバック制御とを組み合わせた制御を行う。これらフィードバック制御とフィードフォワード制御に、上述した制御パラメータKp、Kd、Kiを用いている。フィードバック制御式とフィードフォワード制御式をそれぞれ式(72),式(73)に示す。
この制御装置8は、各制御パラメータKp、Kd、Kiに加え、0次フィードフォワードゲインα、1次(速度)フィードフォワードゲインβ等の制御パラメータの調整を容易に実行すべく、変数変換部37,変数設定部38,最適極配置演算部39を用いて制御系の伝達関数の極、零点から変数変換により制御パラメータを算出する。即ち、この制御装置8は、具体的には、図19に示すz座標系における極、零点の指令値a,b,c,f,gに応じて制御パラメータを算出する。算出した制御パラメータはFF制御演算部32並びにFB制御演算部33において実際の制御に使用される。
即ち、この制御装置8は、各制御パラメータKp,Kd,Ki,α,βを適切に設定することにより、比例動作、微分動作、積分動作に応じて制御対象をより良好に制御することができ、制御パラメータを決定するための最適極配置演算により試行錯誤によらず最適な制御パラメータを求めることが可能となる。
また、従来においては、例えば特許文献2に示すような適応制御型制御装置も提案されている。この従来の適応制御型制御装置では、最適極配置演算部39において、4重極を想定した極配置式、即ちzの5次式に基づいて演算を行うため、最適極配置のための演算量が、従来のような2重の繰り返し計算を行う場合と比較して少なくなることから、かかる最適極配置の算出をより簡便かつ迅速に行うことができる。また、性能の限界を把握した上で調整することができ、効率的な制御パラメータ調整を行うことが可能となる。
しかしながら、上述した制御パラメータの算出においては、1サンプリング時間の演算時間遅れのみを想定したものであるため、実際の制御系において1サンプリング時間より大きいむだ時間要素がある場合には、極零配置で指定した応答と実際の応答にずれが生じ、必ずしも正確に応答を指定することができない。また、性能の限界も制御パラメータから得られる限界より低くなることから、かかる限界をよく把握できない状態で調整を続行するため、制御パラメータの調整効率を向上させることができない。
特にディジタル化されたPID制御系においては、何らかの理由で1サンプリング時間より大きいむだ時間要素が存在することは珍しいことではなく、かかる制御パラメータの調整効率における改善の要請は、依然として大きかった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、1サンプリング時間よりも大きいむだ時間要素の存在する制御系においても効率よく制御パラメータを演算することができ、所望の制御性能を得ることが可能な自動制御装置及び方法、並びに制御パラメータを演算してこれを当該自動制御装置へ供給するための制御パラメータ生成装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて制御系を制御する自動制御装置及び方法並びに制御パラメータ生成装置及び方法を発明した。
即ち、本発明を適用した自動制御装置は、上述した課題を解決するために、生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成される自動制御装置において、制御対象の現時点における角度又は位置の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成手段と、制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するとともに、演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて、差分信号生成手段により生成された差分信号につき所定の演算処理を施すことにより制御信号を生成する制御演算手段とを備え、制御演算手段は、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、制御パラメータを演算する。
また、本発明を適用した自動制御方法は、上述した課題を解決するために、生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて閉ループで動作制御する自動制御方法において、制御対象の現時点における角度又は位置の目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成ステップと、制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するとともに、演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて、上記差分信号生成ステップにおいて生成した差分信号につき所定の演算処理を施すことにより制御信号を生成する制御演算ステップとを有し、制御演算ステップでは、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該閉ループにおけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、制御パラメータを演算する。
また、本発明を適用した制御パラメータ生成装置は、上述した課題を解決するために、生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成され、制御対象の現時点における角度又は位置の目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成手段と、差分信号生成手段により生成された差分信号につき、制御関数に基づいて所定の演算処理を施すことにより制御信号を生成する制御手段とを有する制御装置に対して、制御関数を構成する制御パラメータを供給するための制御パラメータ生成装置において、制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するパラメータ演算手段を備え、パラメータ演算手段は、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて制御パラメータを演算する。
また、本発明を適用した制御パラメータ生成方法は、上述した課題を解決するために、生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成され、制御対象の現時点における角度又は位置の目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成部と、差分信号生成部により生成された差分信号につき、制御関数に基づいて所定の演算処理を施すことにより制御信号を生成する制御部とを有する制御装置に対して上記制御関数を構成する制御パラメータを供給するための制御パラメータ生成方法において、制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するパラメータ演算ステップを有し、制御パラメータ演算ステップでは、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、制御パラメータを演算する。
本発明では、閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて制御系を制御する。これにより、むだ時間要素が大きい制御系において、制御できない極は増えるものの、制御パラメータの個数分だけは正確に極を指定することができ、閉ループ伝達関数の極位置で直接的に制御特性を指定し、極配置法で制御パラメータを求めることができる。このとき、サンプリング時間の整数倍に近似したむだ時間を含めた閉ループ伝達関数より導出される極配置式(演算式)に則って制御パラメータを算出することで、正確に極配置を実現することができ、所望の制御性能を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成される自動制御装置について、モータにかかる回転系を例に挙げて説明をする。ちなみに本発明は、
要旨を逸脱しない範囲で、モータ以外の回転系や直動系に適用可能であることは言うまでもない。
要旨を逸脱しない範囲で、モータ以外の回転系や直動系に適用可能であることは言うまでもない。
この自動制御装置1は、図1に示すように、所定の演算処理を実行することにより制御信号を出力する制御演算部10と、上記制御演算部10における制御関数に必要な制御パラメータを生成する制御パラメータ生成部18と、この制御パラメータ生成部18において生成する制御パラメータを実際に算出する制御パラメータ算出部20と、制御パラメータ算出部20に対して数値設定を行う極零配置入力部30と、制御パラメータ算出部20に接続される安定判別部40と、接続された安定判別部40における安定判別の結果を表示するための表示部111と、制御演算部10から出力されたディジタル制御信号をアナログ制御信号に変換するD/A変換回路50と、D/A変換回路50から出力されるディジタル制御信号に応じて駆動モータMに供給する電力を調整するモータドライバ60と、駆動モータMの回転角度を検出するエンコーダ70と、エンコーダ70により検出された回転角度を一定周期でサンプリングするサンプラ回路80とを備えている。
制御演算部10は、比例動作、微分動作及び積分動作を組み合わせたPID動作による制御信号を出力するものであって、フィードフォワード(FF)制御演算部11と、フィードバック(FB)制御演算部12と、第1の加算回路13と、第2の加算回路14とを備えている。
FF制御演算部11及びFB制御演算部12は、それぞれ図1に示すような制御関数を備えており、それぞれの制御関数の制御パラメータとして、比例ゲインKp、微分ゲインKd、積分ゲインKi、フィードフォワードゲインα、速度フィードフォワードゲインβの5つを有する。ちなみにTは、サンプラ回路80におけるサンプル周期を示すものである。
FF制御演算部11は、外部から入力された目標角度r及び図1中に示した制御関数により、駆動モータMの回転動作をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御データを生成し、このフィードフォワード制御データを第2の加算回路14に対して出力する。
第1の加算回路13は、サンプラ回路80から入力された駆動モータMの回転角度データと目標角度rとを加算し、その加算結果を角度誤差eとしてFB制御回路12に対して出力する。
FB制御演算部12は、第1の加算回路13により加算された角度誤差e及び図1に示した制御関数に基づいて、駆動モータMの回転動作をフィードバック制御するフィードバック制御データを生成し、この生成したフィードバック制御データを第2の加算回路14に対して出力する。
第2の加算回路14は、FF制御演算部11により生成されたフィードフォワード制御データ及びFB制御演算部12により生成されたフィードバック制御データを加算し、その加算結果を制御信号としてD/A変換回路50に対して出力する。
D/A変換回路50は、制御演算部10から出力されたディジタル形式の制御信号をアナログ形式の制御信号に変換し、このアナログ化された制御信号をモータドライバ60に対して出力する。
モータドライバ60は、このアナログ化された制御信号に基づいて駆動モータMに供給する電力を調節することにより、駆動モータMの回転動作を制御する。
エンコーダ70は、駆動モータMの回転角度yを検出する。サンプラ回路80は、エンコーダ70により検出された駆動モータMの回転角度yを一定周期Tでサンプリングし、回転角度データとして出力する。
制御パラメータ算出部20は、制御演算部10のそれぞれの制御関数に用いられる制御パラメータKp,Kd,Ki,α,βを極零配置入力部30により指定された数値に基づいて演算し、その演算結果を制御演算部10に対して出力する。
即ち、この制御パラメータ生成部18は、極零配置入力部30において閉ループ伝達関数における所望の極零配置を入力し、制御パラメータ算出部20において、上記極零配置を実現する制御パラメータを算出する。このとき、制御パラメータ算出時において算出される配置できない極のみ展開して得られる多項式の係数を用いて、安定判別部40にて安定判別を行い、かかる判別結果を表示部111へ表示する。安定であれば、その旨制御パラメータ算出部20へ通知し、かかる通知を受けた制御パラメータ算出部20は、算出した制御パラメータを制御演算部10へ転送することにより、サーボ制御が実行されることになる。
次に、本発明を適用した自動制御装置1における極零配置式の算出方法につき説明をする。ちなみに、この極零配置式の算出方法は、特開2000−322103号に開示されているものとほぼ同一である。
先ず、1サンプリング時間のむだ時間要素がある場合における極零配置式を求める。図2は、本発明を適用した自動制御装置1により構成される制御系をディジタル2自由度PID制御ブロック図で表している。この図2におけるブロック図において、制御パラメータ生成部18は省略してある。かかる場合において、先ず制御対象としての駆動モータMを0次ホルダと併せてz変換した離散系伝達関数P(z)は(1)式で表される。
ここで(1)式における定数P,A,Bについては、一次遅れ要素の時定数をT0、1次遅れ要素のゲインをK、サンプリング時間をTとして(2)〜(4)式に基づいて算出される。
また、図2に示す制御系の閉ループ伝達関数は、(5)式で表される。
この(5)式においては、分母が5次式であるため、極が5つ存在することになる。この分母式に関与する制御パラメータは、Kp,Kd,Kiの3つである。また、(5)式は分子が3次式であり零点が3つ存在する。但し、(5)式中の(Bz+A)により生ずる零点は制御パラメータによらず一定の位置にある。制御パラメータにより配置できる零点はGz(z)により生じる2つの零点で、関与する制御パラメータはKd,Ki,α,βの4つである。
ここで、極に関しては3つの制御パラメータで5つの極を配置するので、2つ配置できない極が生じる。零点に関しては4つの制御パラメータが関与しているが、このうちKd,Kiは極配置により決まるので、零点の配置のためだけに使える制御パラメータはα、βの2つとなる。ここで配置したい零点は2つなのでα、βにより自由に配置できることがわかる。
以上より、本発明を適用した自動制御装置1では、以下に説明するように極零配置を行う。即ち、極に関しては3つの極の位置を指定し、制御パラメータKp,Kd,Kiを取得する。また、零点に関しては2つの零点の位置を指定し、制御パラメータα、βを取得する。このとき、配置できない2つの極についての情報も出力されることから、安定判別部40は、これをもとに安定判別を行う。
かかる安定判別を行う場合においては、先ず極を配置する式を算出する。配置できる3つの極をp1,p2,p3とし、配置できない極をq1,q2としたとき、閉ループ伝達関数は(6)式で表される。
ここでp1,p2,p3は複素数でも良い。但し、1つの極が複素数である場合は残りの2極のうち一つは共役な複素数である必要がある。
また、(5)式と(6)式の分母式が等しくなるように作成した係数比較式は、以下の(7)式から(11)式で表される。
これより、Kp,Kd,Ki,Q1,Q2が算出されるよう、式を解くと、(12)〜(16)式の極配置式が得られる。
これにより、制御パラメータ算出部20は、(12)〜(16)式に基づいて、入力p1,p2,p3に対してKp,Kd,Ki,Q1,Q2を出力する演算手段として実現される。また安定判別部40は、(17)式の全ての根が単位円内にあるかどうかを安定判別する装置として実現される。
以上のように、配置できない極q1,q2を算出しなくても、これを展開して得られる多項式の係数Q1,Q2を算出することで、制御パラメータKp,Kd,Kiが算出されることが確認できる。また上記多項式である(17)式に、Juryの方法、又はSchur-Cohnの方法など、ディジタル制御系の安定判別法として一般的な手法を用いることにより、配置できない極q1,q2を算出することなく、安定判別を行うことができる。
次に零点を配置する式を求める。配置できる2つの零点をz1,z2とすると、(6)式に基づいて、Gz(z)は(18)式で表すことができる。
(18)式を展開し、各係数を比較することにより(19),(20)式が得られる。
(19),(20)式より、α,βを求めることにより、(21),(22)式が得られる。
以上のように、1サンプリング時間の演算時間遅れを有する制御系において、配置できない極q1,q2を展開して得られる多項式(17)の係数Q1,Q2を算出することにより、極及び零点の配置式を導出することが可能となる。
次に、上記自動制御装置1を構成する制御系が、2サンプリング時間以上のむだ時間要素をもつ場合につき説明する。
本発明を適用した自動制御装置1においては、制御対象の角度等を目標値へ向けて動作制御する際に、何らかの原因で1サンプリング時間以上の大きいむだ時間要素をもつ場合もある。かかる場合においても、以下のように、むだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似した閉ループ伝達関数について極零配置式を算出し、これを用いて制御パラメータ算出部20および安定判別部40を構成することで、より正確な極配置を実現することができる。
先ず、むだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似し、2サンプリング時間のむだ時間要素があるとした場合の極零配置式の算出について説明する。このときの制御系ブロック図を図3に示す。この図3においては、図2において示されているむだ時間要素が1/zから1/z2に変更されていることが分かる。この制御系の閉ループ伝達関数は(23)式により示される。
(23)式では分母が6次式なので、極が6つ存在する。制御パラメータは1サンプリング時間の演算時間遅れを持つ場合と同様に3つである。この3つの制御パラメータで6つの極を配置するので、配置できない極が3つ生じる。配置できる3つの極をp1,p2,p3とし、配置できない極の位置をq1,q2,q3として、閉ループ伝達関数を表現すると(24)式になる。
(23)式と(24)式の分母式が等しくなるように係数比較式を作成すると、(25)式〜(30)式になる。
これよりKp,Kd,Ki,Q1,Q2,Q3が算出されるように(25)〜(30)式を解くと、(31)〜(36)式の極零配置式が得られる。これより、制御パラメータ算出部20は、p1,p2,p3を入力することによりKp,Kd,Ki,Q1,Q2,Q3を算出する演算装置で実現される。また安定判別部40は、(37)式の全ての根が単位円内にあるかどうかを安定判別する手段として実現される。
以上のように、配置できない極q1,q2,q3を算出しなくても、これを展開して得られる多項式の係数Q1,Q2,Q3を算出することで、制御パラメータKp,Kd,Kiを演算することができる。また上記多項式である(37)式に対して、Juryの方法もしくはSchur-Cohnの方法等のように、ディジタル制御系の安定判別法として一般的な手法を用いることで、配置できない極q1,q2,q3を算出しなくても、安定判別を行うことができる。
零点については、(5)式と(23)式との比較において示されるように、1サンプリング時間のむだ時間要素がある場合と同じく、(21)〜(22)式より求めることができる。
図4は、本発明を適用した自動制御装置1における制御パラメータ算出部20の動作を示すフローチャートである。
先ず、ステップS11において、制御対象ゲインKと、制御対象時定数T0と、サンプリング時間Tとを設定する。次に、ステップS12へ移行し、上述したステップS11において設定した制御対象ゲインKと、制御対象時定数T0と、サンプリング時間Tを(2)〜(4)式に代入することによりP、A、Bを算出する。このステップS12の動作は、電源投入時のみに実行するようにしてもよい。
次に、ステップS13へ移行し、極位置p1,p2,p3を入力するとともに、零点位置z1,z2を入力する。次にステップS14に移行し、(31)式に基づいてQ1を算出する。次にステップS15へ移行し、ステップS14において求めたQ1を用いて(32)式よりQ2を算出する。次にステップS16へ移行し、(33)式よりQ3を算出する。
次にステップS17へ移行し、(34)式に基づきKpを算出する。次にステップS18へ移行し、(35)式よりKiを算出する。次にステップS19へ移行し、(36)式よりKdを算出する。次にステップS20へ移行し、式(21)によりαを算出する。次にステップS21へ移行し、式(22)によりβを算出する。
次にステップS22へ移行し、配置できない極q1,q2,q3の安定判別を行なうため、Q1,Q2,Q3の値を安定判別部40に転送し、(37)式の全ての根が単位円内に存在するかどうか、安定判別を行なう。具体的にはJuryの方法もしくはSchur-Cohnの方法など、ディジタル制御系の安定判別法として一般的な手法を用いることが考えられる。安定判別の結果が不安定だった場合は、ステップS23へ移行し、表示部111において不安定となることを表示して終了する。安定判別の結果が安定だった場合は、ステップS24へ移行して、その旨制御パラメータ算出部20に通知するとともに、制御パラメータ算出部20では算出したKp,Kd,Ki,α,βを制御器に出力し終了する。なお、ステップS23に移行した場合において、ユーザに対して上述した処理をリトライするか否か決定を促し、ユーザよりリトライする旨の意思表示がなされた場合には再び上述した処理を繰り返すようにしてもよい。
ここで、配置できない極q1,q2,q3の挙動について説明する。配置できない極は、むだ時間要素を想定しない閉ループ伝達関数において生じるものではなく、むだ時間要素に起因する。サーボ帯域が低い場合は制御系の時定数も大きく、むだ時間要素の影響は相対的に小さい。このためむだ時間要素に起因する、配置できない極q1,q2,q3も制御特性に大きく影響しない高周波領域、具体的にはz平面での0近辺に存在する。サーボ帯域を広げるにつれ、むだ時間要素の影響も相対的に大きくなり、ついには配置できない極q1,q2,q3のいずれかが不安定となる。これがディジタルサーボ制御系のサーボ帯域の限界と考えられる。以上より、サーボ帯域が低い場合は配置できない極q1,q2,q3は0近辺に存在し、制御特性には大きく影響しない。しかし、サーボ帯域を広くしていく場合は、配置できない極q1,q2,q3に注意する必要がある。あまりサーボ帯域を広くすると、配置できない極q1,q2,q3のいずれかが不安定となり、これが制御性能限界を支配することになるからである。
このように配置できない極q1,q2,q3の挙動を把握するためには、安定判別部40による安定判別が必要となることがわかる。
以上、2サンプリング時間のむだ時間要素をもつディジタル2自由度PID制御系での制御パラメータ算出部20の動作につき説明した。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、さらに3サンプリング時間以上でも、配置できない極の個数を増やすことで、同様に極零配置式を求めることができる。配置できない極に関しては具体的に極の位置は算出しなくても、係数がわかれば安定判別を行なうことができ、これにより効率的に制御パラメータの可否を判断することができる。
なお、本発明においては、極零位置を指定するときの冗長なパラメータを省くようにしてもよい。
通常、極位置p1,p2,p3を指定するときに、3つのパラメータで指定することになるが、すべて実数極の場合はp1=a,p2=b,p3=cのように3つの実数a、b、cを指定する。また、複素極がある場合も共役である必要があるので1組の共役複素極と1つの実数極となる。したがってp1=a+bj、p2=a−bj、p3=cのように3つの実数a、b、cを指定する。また、零点z1,z2を指定するときに、2つのパラメータで指定することになる。すなわち、すべて実数零点の場合はz1=f、z2=gのように2つの実数f、gを指定する。また、複素零点の場合も共役である必要があるので、z1=f+gj、z2=f−gjのように2つの実数f、gを指定する。以上、極零配置では極と零点であわせて5つのパラメータを指定することになる。
通常、極は重ねて配置する場合が多いが、一般的に実数極は振動性が低いため、オーバーシュートをきらう位置決め制御の場合、実数極を3つ配置することが多い。このとき最も応答の遅い極の影響が支配的になるので、外乱に対する応答をなるべく早くするには実数極を3つ重ねて配置する。また、応答を速くかつ整定波形をきれいにするために零点も極と重ねることが多い。したがって、p1=p2=p3=z1=z2=aのように配置することが多い。通常の入力で同じ数値を5つ入力するのは煩雑なので、1つの実数aのみを指定するようにする。このときの制御パラメータ算出部20及び安定判別部40の動作を図5に示す。この図5において、上述した図4に示すフローチャートと同一の動作ステップについては、同一のステップ番号を付してこれを引用することにより説明を省略する。
上述の如くステップS12において、(2)〜(4)式からP,A,Bが算出された後、ステップS31へ移行し、極位置及び零点位置aを入力する。次に、ステップS32へ移行しp1=p2=p3=z1=z2=aより、極位置p1,p2,p3及び零点位置z1,z2を生成し、ステップS14へ移行する。
以上は極および零点をすべて実数とする場合だが、別の配置も考えられる。例えばさらに外乱応答を早くするため極をバタワース型に配置し、零点を共役極を相殺するように配置することも考えられる。このときは2つのパラメータで指定することになるが、冗長なパラメータを省く趣旨は同様である。
以上のように、本発明を適用した自動制御装置1は、1サンプリング時間以上のむだ時間要素の存在するディジタル化されたPID制御系においても、その制御系に含まれるむだ時間要素の大きさをサンプリング時間の整数倍に近似して閉ループ伝達関数を算出し、制御パラメータに相当する個数の極のみ配置し、それ以外の配置できない極は展開して得られる多項式の係数を算出することで求めた極零配置式に基づいて制御パラメータを算出することができる。また、配置できない極のために制御系が不安定になるかどうかについても、多項式の係数に周知の安定判別法を適用することで判別することができる。
これにより、1サンプリング時間以上のむだ時間要素の存在する制御系に対しても、より正確に極配置を実現することができ、所望の制御性能を得ることができる。また、安定判別を行なえることでより正確に制御限界を把握でき、より効率的に制御パラメータ調整を行うことができる。
また、このとき配置できる極すべてを別々に指定するのではなく、極を重ねて配置する等して冗長な数値を省き、指定する数値を少なくして簡便に制御パラメータを求めることができる。
このように本発明に係る自動制御装置1は、より簡便に正確な制御特性を実現できる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、以下に説明する光ディスク記録再生装置におけるフォーカスサーボを制御するための自動制御装置2に適用することも可能である。ちなみに、この自動制御装置2は、要旨を逸脱しない範囲で、アクチュエータの形態や誤差信号の検出方式が異なる磁気ディスクのトラッキングサーボを制御するようにしてもよい。ちなみに、この自動制御装置2を用いて光ディスクにおけるトラッキングサーボを制御するようにしてもよいことは言うまでもない。
図6は、本発明を適用した自動制御装置2が配設される光ディスク記録再生装置3の構成を示している。
この光ディスク記録再生装置3は、光ディスク4に対してデータを書き込み、又は当該光ディスク4に記録されているデータを読み取るための記録再生素子31と、所定の演算処理を実行することにより制御信号を出力する制御演算部15と、上記制御演算部15における制御関数に必要な制御パラメータを生成する制御パラメータ生成部28とを備えている。
記録再生素子31は、回転操作される光ディスク4の各記録層に光ビームを合焦し、光ディスク4の記録面にて反射した戻り光を検出することにより、誤差信号を生成し、これを制御演算部15へ送信する。この記録再生装置31は、半導体の再結合発光を利用した半導体レーザ等により構成され、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源32と、光ディスク4からの戻り光を受光してこれを光電変換する受光部35と、このレーザ光源32から出射されたレーザ光を光ディスク4側へ導くとともに、当該光ディスク4を反射したレーザ光をそのまま透過させてこれを受光部35へと導く光分離部33と、光分離部33からのレーザ光を集光して光ディスク4の各記録層に合焦させるとともに、当該光ディスク4からの戻り光を平行光にするレンズ34とを備え、さらに自動制御装置2からの制御信号に応じて記録再生素子31を光ディスク4の記録面に対して近接離間させる電磁アクチュエータ36をも備えている。
自動制御装置2における制御演算部15は、受光部35において生成された誤差信号を検出することにより、フォーカスエラー信号を生成する誤差信号検出回路51と、誤差信号検出回路51において生成されたフォーカスエラー信号をA/D変換するためのAD変換部52と、AD変換部52においてディジタル化されたフォーカスエラー信号につき、制御パラメータ生成部28において生成された制御パラメータを用いて所定の制御を施すことにより制御信号を生成する制御演算回路53と、制御演算回路53において生成された制御信号をD/A変換するためのDA変換部54と、DA変換部54においてディジタル化された制御信号に基づいて電磁アクチュエータ36を駆動させるアクチュエータ駆動回路55とを備えている。
さらにこの自動制御装置2における制御パラメータ生成部28は、制御パラメータを実際に算出する制御パラメータ算出部41と、制御パラメータ算出部41に接続される安定判別部42と、接続された安定判別部42における安定判別の結果を表示するための表示部43と、制御パラメータ算出部41に対して数値設定を行う極位置入力部44とを備えている。
制御パラメータ算出部41は、制御演算回路41のそれぞれの制御関数に用いられる制御パラメータを極位置入力部44により指定された数値に基づいて演算し、その演算結果を制御演算回路53に対して出力する。
即ち、この制御パラメータ生成部28では、上記制御演算に必要な制御パラメータを生成する。具体的には、極位置入力部44において制御系閉ループ伝達関数における所望の極配置を入力し、制御パラメータ算出部41において、上記入力された極配置を実現する制御パラメータを算出する。制御パラメータ算出時に算出される配置できない極については、安定判別部42において安定判別を行い、その判別結果を表示部43に表示する。安定であればその旨制御パラメータ算出部41に通知し、制御パラメータを制御演算回路53へ転送することにより記録再生素子31のサーボ制御が可能となる。
上述した構成からなる自動制御装置2を構成する制御系をディジタル制御で実現するときの制御ブロック図を図7に示す。
図7中rは、記録再生素子31が本来あるべき位置を表す目標位置である。dは目標位置に加わるディスクの周ぶれ等の外乱である。またeは位置誤差を表す。この位置誤差eは外乱dに応じて変化した記録再生素子の目標位置r+dと制御対象の実際の位置yの差r+d−yに相当する。図7に示す制御系では、記録再生素子31に加わる外乱dや実際の位置yは直接検出できず、誤差信号検出回路51においてフォーカスエラー信号に対応した位置誤差e=r+d−yを検出してサーボ制御を行う。
位置誤差eはサンプリングされて制御演算部K(z)で制御演算が行なわれる。制御系の制御パラメータは低域強調の低域カットオフ離散化角周波数a、低域強調の高域カットオフ離散化角周波数d、位相進み離散化角周波数b、位相進み離散化角周波数c、及び制御器ゲインKpの5つである。この制御演算を経て1サンプリング時間後に演算結果が出力される。ちなみにこの制御演算部K(z)における演算時間遅れは図7中のむだ時間要素に相当する。出力された演算結果は0次ホルダを経て制御信号uとして出力される。0次ホルダは図6中のDA変換器54に相当する。制御信号uによりアクチュエータが駆動され記録再生素子の位置yが決まる。制御信号uから記録再生素子の位置yへの伝達関数は図7中の制御対象P(s)で表される。ちなみに、本実施の形態においては、制御対象P(s)は簡便のため2次積分要素で表す。
また、光ディスク記録再生装置3等に適用される電磁アクチュエータ36は正確には“1次積分+1次遅れ要素”或いは、“共振特性をもつ2次遅れ要素”で表される。しかし、いずれも約100Hz以下での違いであり、低周波は高ゲインで外乱抑圧効果が大きいため極配置にはほとんど影響しない。このため、本実施の形態においては、電磁アクチュエータ36を簡便のため狽Q次積分要素とした。
次に極配置式の算出について述べる。図7中の制御対象P(s)および0次ホルダをz変換してP(z)とし、全体を離散系で表すと図8となる。この制御系の閉ループ伝達関数は(38)式になる。
(38)式では分母が5次式なので、極が5つ存在する。制御パラメータは上述のように全部で5つ考えられるが、低域強調の低域カットオフ離散化角周波数aは制御性能とは別の要因に支配されるので、制御特性に関連する制御パラメータは実質的には4つである。4つの制御パラメータで5つの極を配置するので、1つ配置できない極が生じる。配置できる4つの極をp1,p2,p3,p4とし、配置できない極の位置をqとして、閉ループ伝達関数を表現すると(39)式になる。
(38)式と(39)式の分母が等しくなるように係数比較式を作成すると、(40)〜(44)式になる。
これよりb,c,d,Kp,qが算出されるよう、式を解くと、以下の(45)〜(51)式の極配置式が得られる。これより、制御パラメータ算出部41は、(45)〜(51)式に則り、入力p1,p2,p3,p4に対し、b,c,d,Kp,qを出力する演算装置で実現される。また安定判別部42は(52)式の真偽を判別する装置で実現される。
図9は、以上説明した制御パラメータ算出部41及び安定判別部42の動作を示すフローチャートである。
先ずステップS51において、最初に低域強調の低域カットオフ離散化角周波数a、制御対象ゲインGp、サンプリング時間Tを設定する。このステップS51における操作は電源投入時のみでもよい。
次に、ステップS52へ移行し、極位置p1,p2,p3,p4を入力する。次にステップS53へ移行し、(45)式よりqを算出する。次にステップS54へ移行し、qも用いて(46)式よりbを算出する。次にステップS55へ移行し、(47)式よりKpを算出する。次にステップS56へ移行して(48)式よりcdを算出し、更にステップS57へ移行して(49)式よりc+dを算出する。
次にステップS58へ移行し、(50)式、(51)式に基づいてc、dを求める。c、dが共役な複素数となる場合は実装時に1次フィルタの直列ではなく2次フィルタとして実現する必要がある。次にステップS59へ移行し、配置できない極qの値を安定判別部40に転送し、安定判別部40において(52)式に基づき安定判別を行なう。(52)式が成り立たない場合は不安定であり、ステップS60へ移行する。これに対して、(52)式が成り立つ場合には、ステップS61へ移行する。
ステップS61へ移行した場合には、制御系が安定である旨を制御パラメータ算出部41へ通知し、これを受けた制御パラメータ算出部41は、自ら算出したb,c,d,Kpを制御演算部15へ出力し、処理を終了する。
これに対してステップS60へ移行した場合には、制御系が不安定であることを表示部43へ表示し、次にステップS62へ移行して、上述した処理をリトライするか否かユーザに対して選択を促す。その結果、ユーザより上述した処理をリトライする旨の選択がなされた場合には、再びステップS62へ移行し、極位置p1,p2,p3,p4の入力を行う。また、ユーザより上述した処理をリトライしない旨の選択がなされた場合には、処理を終了する。
ここで、配置できない極qの挙動について説明する。配置できない極は、むだ時間要素を想定しない閉ループ伝達関数では生じるものではなく、むだ時間要素に起因する。サーボ帯域が低い場合は制御系の時定数も大きく、むだ時間要素の影響は相対的に小さい。このためむだ時間要素に起因する、配置できない極qも制御特性に大きく影響しない高周波領域、具体的にはz平面での0近辺に存在する。サーボ帯域を広げるにつれ、むだ時間要素の影響も相対的に大きくなり、ついには配置できない極qが不安定となる。これがディジタルサーボ制御系のサーボ帯域の限界と考えられる。以上より、サーボ帯域が低い場合は配置できない極qは0近辺に存在し、制御特性には大きく影響しない。しかし、サーボ帯域を広くしていく場合は、配置できない極qに注意する必要があることがわかる。
次に、極配置で制御パラメータを生成したときの制御特性につき、図8に示す制御系において、制御対象のGp=400000000、サンプリング時間2μs、低域強調の低域カットオフ離散化角周波数a=0.999937(5Hz相当)とした場合を例を挙げて説明をする。
従来の制御パラメータ決定法では、位相遅れ周波数を開ループゲイン周波数特性のゼロクロス周波数のほぼ3倍、位相進み周波数を同じくほぼ1/3倍とし、低域強調の高域カットオフ周波数は上記ゼロクロス周波数近辺の位相余裕に影響を与えない程度の周波数に設定する。上述の制御対象に対し、上記制御パラメータ決定法で制御パラメータを求めたときの図8の制御系の開ループ周波数特性を図10(a)、(b)に示す。上記制御パラメータ決定法に従ってゼロクロス周波数を6kHzとし、位相進み周波数を2kHz、位相遅れ周波数を18kHz、低域強調の高域カットオフ周波数を100Hzとし、これをサンプリング2μsとして離散化角周波数に直して、位相遅れ離散化角周波数b=0.79756、低域強調の高域カットオフ離散化角周波数c=0.998743、位相進み離散化角周波数d=0.975182とした。また、6kHzでゼロクロスするようゲインKpを調整し、Kp=9.706とした。
このときの閉ループ伝達関数の極は、0.998744、0.953173、0.927394±0.053766jとなる。また、配置できない極qに相当する極の位置は-0.009206となる。ほとんど0に近く、安定性には影響しない。また、図8中のdtにステップトルク外乱が入力されたときの位置誤差eの外乱応答シミュレーション結果を図11に示す。トルク外乱dtにより位置誤差eは大きくなるが、制御系の外乱抑圧特性により次第に小さくなり、最終的には一定値0.09に収束する。
ここで極配置に基づき、上記外乱応答特性をいかに改善すべきかを考慮する場合、一般に離散系では、極が0に近いほど応答が速い。また、複数の極が存在する場合は、最も1に近い(すなわち応答の遅い)極の影響が支配的である。上記性質を参考に、まず外乱入力に対する収束を速くする。最も応答の遅い極0.998744(100Hz相当)を0.996237(300Hz相当)に配置し、他の極はそのままとする。図9に示すフローチャートより制御パラメータを求めると、位相遅れ離散化角周波数b=0.794745、低域強調の高域カットオフ離散化角周波数c=0.996204、位相進み離散化角周波数d=0.976149、ゲインKp=10.024となる。配置できない極qの位置は上述の例に近く-0.009516となり、安定性には影響を及ぼさないことが分かる。
次に外乱応答シミュレーション結果を図12中の極配置Aとして示す。この図12においては、従来の制御パラメータでの外乱応答に比べ、外乱の収束が速くなっていることが示されている。また開ループ周波数特性を図13(a),(b)中の極配置Aとして示す。この図13においては、低域ゲインが大きくなっていることが確認される。
次に外乱応答のピークを小さくする。外乱応答の立ち上がり部分はインパルスに近く高い周波数成分が多いと考えられる。そこで最も応答の速い極0.927394±0.053766j(7.5kHz相当)をさらに速い位置0.857169±0.099723j(15kHz相当)に配置し、他の極は最初の配置のままとする。図9のフローチャートに従って制御パラメータを求めると、位相遅れ離散化角周波数b=0.63479、低域強調の高域カットオフ離散化角周波数c=0.998744、位相進み離散化角周波数d=0.968301、ゲインKp=28.889となる。配置できない極qの位置は-0.031528と、若干大きいもののほぼ0に近く安定性には影響しない。
また、かかる場合における外乱応答シミュレーション結果を図14中の極配置Bとして示す。この図14より外乱応答のピークが小さくなっていることが分かる。また開ループ周波数特性を図15(a),(b)中の極配置Bとして示す。この図15により、全体にゲインが大きくなっており、ゼロクロス周波数も高くなっている。
以上のように閉ループ特性に直結する閉ループ伝達関数の極位置を指定することで、直接的に制御特性を指定することができる。
以上の例は、図8の1サンプリング時間の演算時間遅れを持つ制御系での極配置例だが、実際には何らかの原因で1サンプリング時間以上のむだ時間要素を持つ場合がある。かかる場合においても、以下の如くむだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似した閉ループ伝達関数について極配置式を算出し、これを用いて制御パラメータ算出部41並びに安定判別部42を構成することで、より正確な極配置を実現することができる。
たとえば、むだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似し、3サンプリング時間のむだ時間要素があるとした場合の極配置式の算出について説明する。このときの制御系ブロック線図を図16に示す。図8と比較するとむだ時間要素が1/zから1/z3に変更されている。この制御系の閉ループ伝達関数は(53)式になる。
(53)式では、分母が7次式なので、極が7つ存在する。制御パラメータは1サンプリング時間の演算時間遅れを持つ場合と同様に、実質的には4つである。4つの制御パラメータで7つの極を配置するので、3つ配置できない極が生じる。配置できる4つの極をp1,p2,p3,p4とし、配置できない極の位置をq1,q2,q3として、閉ループ伝達関数を表現すると(54)式になる。
(53)式と(54)式の分母式が等しくなるように係数比較式を作成すると、以下の(55)〜(61)式になる。
これよりb,c,d,Kp,Q1,Q2,Q3が算出されるように式を解くと(62)〜(70)式の極配置式が得られる。これにより、制御パラメータ算出部28は、p1,p2,p3,p4を入力することでb,c,d,Kp,Q1,Q2,Q3を算出する演算装置で実現される。また安定判別部42は、以下に示す(71)式の全ての根が単位円内にあるかどうかを安定判別する手段として実現される。
図17は、制御パラメータ算出部41及び安定判別部42の動作を示すフローチャートである。
先ずステップS71において、最初に低域強調の低域カットオフ離散化角周波数a、制御対象ゲインGp、サンプリング時間Tを設定する。次にステップS72に移行し、極位置p1,p2,p3,p4を入力する。次にステップS73へ移行し、(62)式よりQ1を算出する。次にステップS74へ移行し、Q1も用いて(63)式よりQ2を算出する。次にステップS75へ移行し、(64)式よりQ3を算出する。次にステップS76へ移行し、(65)式よりbを算出する。次にステップS77へ移行し、(66)式よりKpを算出する。次にステップS78へ移行し、(67)式よりcdを算出し、さらにステップS79において(68)式よりc+dを算出する。
またステップS80へ移行し、(69)式、(70)式よりc、dを求める。c、dが共役な複素数となる場合は実装時に1次フィルタの直列ではなく2次フィルタとして実現する必要がある。次にステップS81へ移行し、配置できない極q1,q2,q3の安定判別を行なうためQ1,Q2,Q3の値を安定判別部42に転送し、(71)式の全ての根が単位円内に存在するかどうか、安定判別を行なう。具体的にはJuryの方法もしくはSchur-Cohnの方法など、ディジタル制御系の安定判別法として一般的な手法を用いてもよい。
ステップS81における安定判別の結果が不安定であった場合は、ステップS83へ移行して、表示部43で不安定となることを表示し、更にステップS84へ移行して、上述した処理をリトライするか否かユーザに選択を促す。その結果、上述した処理をリトライする旨がユーザより指示された場合には、再びステップS72へ移行しし、極位置を入力することになる。これに対して、リトライしない旨がユーザより指示された場合には、処理を終了する。
これに対してステップS81における安定判別の結果が安定であった場合には、その旨制御パラメータ算出部41に通知し、制御パラメータ算出部41では算出したb,c,d,Kpを制御演算部15に出力して終了する。
以上説明したように、自動制御装置2の如くむだ時間が大きい制御系でも、むだ時間要素の大きさをサンプリング時間の整数倍に近似して極配置式を算出することができる。これにより、1サンプリング時間のむだ時間を想定した場合と比較して、制御できない極は増えるものの、制御パラメータの個数分だけは正確に極を指定することができる。これにより、1サンプリング時間よりむだ時間の大きい制御系でも、閉ループ伝達関数の極位置で直接的に制御特性を指定し、極配置法で制御パラメータを求めることができる。このとき、サンプリング時間の整数倍に近似したむだ時間を含めた閉ループ伝達関数より導出される極配置式(演算式)に則って制御パラメータを算出することで、正確に極配置を実現することができ、所望の制御性能を得ることができる。また、制御パラメータ生成部28では安定判別部42を備え、上述の極配置式における指定できない極が単位円外に無いかどうかを判別し、単位円外に極が存在する場合はこれを表示して不安定な動作を防ぐことができ、より簡便かつ正確な制御特性を実現できる。
1 自動制御装置、10 制御演算部、18 制御パラメータ生成部、20 制御パラメータ算出部、30 極零配置入力部、40 安定判別部、50 D/A変換回路、60 モータドライバ、70 エンコーダ、80 サンプラ回路、111 表示部
Claims (18)
- 生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成される自動制御装置において、
上記制御対象の現時点における角度又は位置の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成手段と、
上記制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するとともに、演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて、上記差分信号生成手段により生成された差分信号につき所定の演算処理を施すことにより上記制御信号を生成する制御演算手段とを備え、
上記制御演算手段は、上記閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする自動制御装置。 - 上記制御演算手段は、当該自動制御装置におけるむだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似して上記閉ループ伝達関数を算出し、また上記制御パラメータの数に応じた上記閉ループ伝達関数の極を配置するとともに、それ以外の配置できない極については、多項式の係数を算出することとして求めた極配置式に基づいて上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項1記載の自動制御装置。 - 上記制御演算手段は、上記配置できない極について安定判別を行うとともに、その安定判別の結果をユーザに通知すること
を特徴とする請求項2記載の自動制御装置。 - ディスク状記録媒体に対してデータを書き込み、又は当該ディスク状記録媒体に記録されているデータを読み取るための上記制御対象としての記録再生素子と、
上記ディスク状記録媒体の記録面に対して上記記録再生素子を水平方向又は垂直方向へ駆動させるための駆動手段と、
上記記録再生素子が記録再生を行なうべき位置と実際の位置の差分に比例し、かつ上記差分信号に対応する誤差信号を検出する誤差信号を検出する誤差信号検出手段とをさらに備え、
上記制御演算手段は、上記駆動手段を動作制御するための制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項1記載の自動制御装置。 - 上記制御演算手段は、上記制御対象の角度又は位置を目標値へ向けてPID制御する閉ループで構成される当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項1記載の自動制御装置。 - 上記制御演算手段は、当該自動制御装置におけるむだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似して上記閉ループ伝達関数を算出し、また上記制御パラメータの数に応じた上記閉ループ伝達関数の極を配置するとともに、それ以外の配置できない極については、多項式の係数を算出することとして求めた極配置式に基づいて上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項5記載の自動制御装置。 - 上記制御演算手段は、上記配置できない極について安定判別を行うとともに、その安定判別の結果をユーザに通知すること
を特徴とする請求項6記載の自動制御装置。 - 着磁されたロータを上記制御演算手段により生成された上記制御信号に応じて回転させる電磁駆動手段をさらに備え、
上記差分信号生成手段は、上記制御対象としての上記ロータの現時点における回転角度の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成し、
上記制御演算手段は、上記電磁駆動手段を動作制御するための制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項5記載の自動制御装置。 - 生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて閉ループで動作制御する自動制御方法において、
上記制御対象の現時点における角度又は位置の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成ステップと、
上記制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するとともに、演算した制御パラメータを用いた制御関数に基づいて、上記差分信号生成ステップにおいて生成した差分信号につき所定の演算処理を施すことにより上記制御信号を生成する制御演算ステップとを有し、
上記制御演算ステップでは、上記閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該閉ループにおけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする自動制御方法。 - 上記制御演算ステップでは、当該閉ループにおけるむだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似して上記閉ループ伝達関数を算出し、また上記制御パラメータの数に応じた上記閉ループ伝達関数の極を配置するとともに、それ以外の配置できない極については、多項式の係数を算出することとして求めた極配置式に基づいて上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項9記載の自動制御方法。 - 上記制御演算ステップでは、上記配置できない極について安定判別を行うとともに、その安定判別の結果をユーザに通知すること
を特徴とする請求項10記載の自動制御方法。 - 上記差分信号生成ステップでは、ディスク状記録媒体に対してデータを書き込み、又は当該ディスク状記録媒体に記録されているデータを読み取るための上記制御対象としての記録再生素子の現時点における位置の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成し、
上記制御演算ステップでは、上記ディスク状記録媒体の記録面に対して上記記録再生素子を水平方向又は垂直方向へ駆動させるための駆動部を動作制御するための制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項9記載の自動制御方法。 - 上記制御演算ステップでは、上記制御対象の角度又は位置を目標値へ向けてPID制御する閉ループにおけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項9記載の自動制御方法。 - 上記制御演算ステップでは、当該閉ループにおけるむだ時間要素をサンプリング時間の整数倍に近似して上記閉ループ伝達関数を算出し、また上記制御パラメータの数に応じた上記閉ループ伝達関数の極を配置するとともに、それ以外の配置できない極については、多項式の係数を算出することとして求めた極配置式に基づいて上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項13記載の自動制御方法。 - 上記制御演算ステップでは、上記配置できない極について安定判別を行うとともに、その安定判別の結果をユーザに通知すること
を特徴とする請求項14記載の自動制御方法。 - 上記差分信号生成ステップでは、上記制御対象としての着磁されたロータの現時点における回転角度の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成し、
上記制御演算ステップは、上記ロータを回転させる電磁駆動部を動作制御するための制御パラメータを演算すること
を特徴とする請求項13記載の自動制御方法。 - 生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成され、上記制御対象の現時点における角度又は位置の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成手段と、上記差分信号生成手段により生成された差分信号につき、制御関数に基づいて所定の演算処理を施すことにより上記制御信号を生成する制御手段とを有する制御装置に対して、上記制御関数を構成する制御パラメータを供給するための制御パラメータ生成装置において、
上記制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するパラメータ演算手段を備え、
上記パラメータ演算手段は、上記閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該自動制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする制御パラメータ生成装置。 - 生成した制御信号に基づいて制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する閉ループで構成され、上記制御対象の現時点における角度又は位置の上記目標値に対する差分に応じた差分信号を生成する差分信号生成部と、上記差分信号生成部により生成された差分信号につき、制御関数に基づいて所定の演算処理を施すことにより上記制御信号を生成する制御部とを有する制御装置に対して、上記制御関数を構成する制御パラメータを供給するための制御パラメータ生成方法において、
上記制御対象を動作制御するための制御パラメータを演算するパラメータ演算ステップを有し、
上記パラメータ演算ステップでは、上記閉ループにおける閉ループ伝達関数の極から、当該制御装置におけるむだ時間要素を含む演算式に基づいて、上記制御パラメータを演算すること
を特徴とする制御パラメータ生成方法。
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JP2004199666A JP2006023847A (ja) | 2004-07-06 | 2004-07-06 | 自動制御装置 |
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JP2004199666A JP2006023847A (ja) | 2004-07-06 | 2004-07-06 | 自動制御装置 |
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JP (1) | JP2006023847A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103823364A (zh) * | 2014-02-28 | 2014-05-28 | 西安费斯达自动化工程有限公司 | 飞行器多回路模型簇复合根轨迹补偿鲁棒控制器设计方法 |
-
2004
- 2004-07-06 JP JP2004199666A patent/JP2006023847A/ja active Pending
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CN103823364A (zh) * | 2014-02-28 | 2014-05-28 | 西安费斯达自动化工程有限公司 | 飞行器多回路模型簇复合根轨迹补偿鲁棒控制器设计方法 |
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