JP5088209B2 - 情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置 - Google Patents

情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置に関し、特に、制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する制御系の制御パラメータの適切な値を、より容易に求めることができるようにした情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録再生装置に関する。
従来、記録媒体である光ディスクにデータを記録したり、光ディスクに記録されているデータを読み出したりする光ディスク記録再生装置において、光ピックアップのレーザ集光位置制御のためにサーボ制御が行われる。また、記録媒体を磁気ディスクとする磁気ディスク記録再生装置においても、磁気ヘッド位置制御のためにサーボ制御が行なわれる。これらのサーボ制御は、光ピックアップもしくは磁気ヘッドで検出される誤差信号にサーボ制御器による制御演算を施し、これを駆動信号として光ピックアップもしくは磁気ヘッド位置を電磁アクチュエータによって駆動することで実現される。
図1は、このような従来のサーボ制御器の制御モデルを示す図である。図1に示されるように、このサーボ制御器は、低域ブースタ1および位相進み遅れフィルタ2が直列に接続されている。
低域ブースタ1は、低域ゲインを上げて周ブレ、偏心などの位置外乱を抑圧する。低域ブースタ1は、図1に示されるように、定数as、定数cs、および定数Kpsを用いて以下の式(1)のように表わされる。
低域ブースタ=Kps×(s−cs)/(s−as) ・・・(1)
定数asは、低周波成分の強調特性の下限周波数を示す。定数csは、低周波成分の強調特性の上限周波数を示す。定数Kpsは、低域ブースタ1のゲインを示す。
また、位相進み遅れフィルタ2は、高域位相を制御して安定化をはかる。位相進み遅れフィルタ2は、図1に示されるように、定数bsおよび定数dsを用いて以下の式(2)のように表わされる。
位相進み遅れフィルタ=(s−ds)/(s−bs) ・・・(2)
定数bsは、高周波での位相遅れ周波数を示す。定数dsは、高周波での位相進み周波数を示す。
このようなサーボ制御器に対して例えば、具体的には次のような手順で、制御パラメータの調整が行われる。まず、位相進み遅れフィルタ2について、位相進み周波数(−ds/2π)がゼロクロス周波数fxの1/3倍に設定される。また、位相遅れ周波数(−bs/2π)が、高域位相を進ませてサーボ制御の安定化をはかるために、ゼロクロス周波数fxの3倍に設定される。さらに、低域ブースタ1について、低域ブースト周波数(−cs/2π)が、位置外乱を抑圧するために、高域位相に大きな影響を与えない程度に高く設定される。次に、開ループ周波数特性に基づき、ゼロクロス周波数が目標とするゼロクロス周波数fxに一致するようゲインKpsが設定される。これらの制御パラメータをもとに微調整が行われ、各制御パラメータの最終的な値が決定される。このとき、ゼロクロス周波数fxの値が大きいほどサーボ帯域は広く良好な特性が得られる。
図2は、このようなサーボ制御器の開ループ周波数特性の例を示すグラフである。零クロス周波数は、図2の矢印11に示されるように、開ループ周波数特性のゲインが0dBとなる周波数である。また、両矢印12が条件安定のゲイン余裕を示し、ゼロクロス周波数fx上の両矢印13が位相余裕を示す。
ところで、以上のようなサーボ制御器の制御パラメータの設定方法として、上述した以外にも例えば、制御器零点を複素数として低域ゲインを大きくする手法がある(例えば、特許文献1参照)。従来においては、低域ブースト周波数(−cs/2π)および位相進み遅れフィルタの位相進み周波数(−ds/2π)により決まる2つの制御器零点は、自動的に実数に設定されていたが、この特許文献1に記載の方法では、2つの制御器零点が共役な複素零点に設定可能とされ、さらに低域ゲインが高くされて位置外乱抑圧効果が高められていた。
また、サーボ制御器をディジタル制御システムで実現するときの制御器零点、制御器極および制御器ゲインを、極配置法より算出する方法があった(例えば、特許文献2参照)。この方法においては、制御系に含まれるむだ時間要素がサンプリング周波数の整数倍に近似するように設定され、その上で極配置式が導出されるので、ディジタル制御器でもより正確な極配置が可能になる。また、むだ時間要素がサンプリング周波数の整数倍でない場合に1次遅れ要素でむだ時間要素を近似して極配置を行う手法があった(例えば、特許文献3参照)。
さらに、2次フィルタ構成の制御器を対象にゼロクロス周波数fxから制御パラメータを簡便に決定する手法(例えば、特許文献4参照)があった。
これらの手法により、ゼロクロス周波数fxが同じであっても、低域ゲインが高く、より外乱に強い良好な制御を実現することができ、またこの制御パラメータを極配置演算により試行錯誤によらず算出することができる。
特開2006−012284号公報 特開2006−023847号公報 特開2006−331030号公報 特開2007−072898号公報
しかしながら、例えば、特許文献2や特許文献3に記載の方法では、ユーザは、まず制御系の閉ループ極を指定し、次に極配置演算に基づく制御パラメータ算出式を用いて制御パラメータを算出するのであるが、閉ループ極の考え方が前述のゼロクロス周波数fxほど一般になじみがなく、直観的に理解しにくい場合があった。さらにむだ時間要素の大きさに応じて異なる制御パラメータ算出式を用いる必要があり、何らかの方法でむだ時間要素を測定してどの式を用いるかを決定しなければならず、煩雑な作業を必要とする場合があった。
特許文献4に記載の方法では、2次フィルタ構成の制御器を対象にゼロクロス周波数fxから制御パラメータを簡便に決定することができるが、例えば従来制御との中間の低域ゲインをもつ制御器を求めるときのように、対応することができない場合があった。すなわち、特許文献4に記載の方法では、特許文献2に記載の極配置を行う方法で極を4つ重ねて配置したのに相当する、最も高い低域ゲインを実現する制御パラメータを得ることはできるものの、例えば、位相余裕は変えずに低域ゲインのみ少し落とすような制御パラメータ設計は、困難である場合があった。
本発明はこのような問題を解決するためのものであり、直観的にわかりやすい制御パラメータを用いつつ、むだ時間要素の大きさによらず共通のアルゴリズムで、所望の低域ゲインをより容易に実現することができるようにするものである。
本発明の一側面は、制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくする制御パラメータ算出手段と、前記制御系の低域強調を行う低域強調演算手段、および、前記制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算手段を備え、互いに並列に接続される前記低域強調演算手段および前記位相進み遅れ演算手段により、前記制御パラメータ算出手段により制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する制御演算手段とを備える情報処理装置である。
前記制御パラメータ算出手段は、低域ゲインを十分小さくして前記制御器ゲインを設定し、ゲイン余裕が許容範囲の下限になるまで前記低域ゲインを上げ、位相余裕が所定の閾値より大きくなるように前記ゼロクロス周波数を小さくし、再度ゼロクロス周波数が目標値に一致するように前記制御器ゲインを設定することができる。
前記ゲイン余裕の許容範囲の下限は、12dBであり、前記位相余裕の所定の閾値は、32°であるようにすることができる。
前記制御パラメータ算出手段は、前記ゼロクロス周波数、位相遅れ周波数比、および所定の係数を乗算することにより前記位相進み遅れ特性の零点および極を算出することができる。
前記位相進み周波数比の値の範囲は、0.43乃至0.48であり、前記位相遅れ周波数比の値の範囲は、3乃至16であるようにすることができる。
前記制御パラメータ算出手段は、前記低域強調演算手段のカットオフ周波数、並びに、前記位相進み遅れ特性の零点および極を、サンプリング周波数に応じて離散化することができる。
本発明の一側面は、また、情報処理装置の情報処理方法において、前記情報処理装置が、制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくし、互いに並列に接続される、前記制御系の低域強調を行う低域強調演算部および、前記制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算部により、前記制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する情報処理方法である。
本発明の一側面は、さらに、制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくする制御パラメータ算出手段、互いに並列に接続される、前記制御系の低域強調を行う低域強調演算部および、前記制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算部により、前記制御パラメータ算出手段により制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する制御演算手段として機能させるためのプログラムである。
本発明の他の側面は、ディスク状記録媒体に対してデータの書き込みまたは読み取りを行う記録再生素子と、前記ディスク状記録媒体の記録面に対して前記記録再生素子を水平方向又は垂直方向へ駆動させるための駆動手段と、前記記録再生素子が記録再生を行うべき位置と実際の位置の差分に比例する誤差信号を検出する誤差信号検出手段と、前記誤差信号検出手段により検出された誤差信号に対し、制御パラメータを用いて制御演算を行い、前記誤差信号の絶対値を低減させるための制御出力を算出する制御演算手段と、前記記録再生素子、前記駆動手段、前記誤差信号検出手段、および前記制御演算手段を含むサーボ制御系に要求されるサーボ性能を実現するための制御パラメータを算出する制御パラメータ算出手段を備え、前記制御パラメータ算出手段は、前記サーボ制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記サーボ制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を前記制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくし、前記制御演算手段は、互いに並列に接続される、前記サーボ制御系の低域強調を行う制御演算手段、および、前記サーボ制御系の位相進み遅れ特性を実現する制御演算手段により、前記制御パラメータ算出手段により制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する記録再生装置である。
本発明の一側面においては、制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から制御系の位相進み遅れ特性の零点および極が制御パラメータとして算出され、ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインが制御パラメータとして設定され、制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくし、互いに並列に接続される、制御系の低域強調を行う低域強調演算部、および、制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算部により、制御パラメータとして算出された位相進み遅れ特性の零点および極、並びに制御器ゲインを用いて、制御対象に対する制御出力が算出される。
本発明の他の側面においては、ディスク状記録媒体に対してデータの書き込みまたは読み取りを行う記録再生素子と、ディスク状記録媒体の記録面に対して記録再生素子を水平方向又は垂直方向へ駆動させるための駆動手段と、記録再生素子が記録再生を行うべき位置と実際の位置の差分に比例する誤差信号を検出する誤差信号検出手段と、誤差信号検出手段により検出された誤差信号に対し、制御パラメータを用いて制御演算を行い、誤差信号の絶対値を低減させるための制御出力を算出する制御演算手段と、記録再生素子、駆動手段、誤差信号検出手段、および制御演算手段を含むサーボ制御系に要求されるサーボ性能を実現するための制御パラメータを算出する制御パラメータ算出手段とが備えられ、制御パラメータ算出手段により、サーボ制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数からサーボ制御系の位相進み遅れ特性の零点および極が制御パラメータとして算出され、ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインが制御パラメータとして設定され、制御パラメータ決定後、低域ゲインが小さくされ、制御演算手段の、互いに並列に接続される、サーボ制御系の低域強調を行う制御演算手段、および、サーボ制御系の位相進み遅れ特性を実現する制御演算手段により、制御パラメータとして算出された位相進み遅れ特性の零点および極、並びに制御器ゲインを用いて、制御対象に対する制御出力が算出される。
本発明によれば、制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御するサーボ制御系の制御パラメータをより適切かつより容易に設定することができる。特に、直観的にわかりやすい制御パラメータを用いつつ、むだ時間要素の大きさによらず共通のアルゴリズムで、所望の低域ゲインをより容易に実現することができる。
図3は、本発明を適用した光ディスク記録再生装置の主な構成例を示すブロック図である。図3に示される光ディスク記録再生装置100は、所定の位置に装着された光ディスク107に対して、情報の読み出しや書き込みを行う装置である。光ディスク記録再生装置100は、システムコントローラ101、スピンドルモータ駆動回路102、スピンドルモータ103、サーボ制御部104、データプロセッサ105、および光学ヘッド部106を有している。
システムコントローラ101は、光ディスク記録再生装置100内の各部の動作を制御する制御部である。システムコントローラ101のCPU(Central Processing Unit)111は、ROM(Read Only Memory)112に記憶されているプログラム、またはRAM(Random Access Memory)113にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM113にはまた、CPU111が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
スピンドルモータ駆動回路102は、システムコントローラ101に制御されて、光ディスク107を回転させるためのスピンドルモータ103の回転駆動を制御する。サーボ制御部104は、システムコントローラ101に制御されて、光ピックアップ(光学ヘッド部106)の集光位置の制御を行う。データプロセッサ105は、システムコントローラ101に制御されて、光ディスク107より読み出された情報や光ディスク107に書き込む情報を処理対象とする情報処理を行う。光学ヘッド部106は、システムコントローラ101に制御されて、光ディスク107に対してレーザ光を照射し、情報を読み出したり書き込んだりする。
図4は、図3の光ディスク記録再生装置100の各構成のうち、ピックアップの位置制御に関する構成の詳細な例を示すブロック図である。図4に示されるように、光ディスク記録再生装置100は、記録再生素子121、制御部122、電磁アクチュエータ123Aおよび電磁アクチュエータ123B、並びに、制御パラメータ生成部124を有する。
記録再生素子121は、記録媒体である光ディスク107に対してデータの書き込みや読み出しを行う素子である。記録再生素子121は、回転操作される光ディスク107の各記録層にレーザ光を合焦させることによりデータの書き込みや読み出しを行う。そのため、制御部122は、電磁アクチュエータ123Aおよび電磁アクチュエータ123Bを用いて、記録再生素子121より出力されるレーザ光の集光位置を、光ディスク107の記録面に対して垂直方向および水平方向に制御する。
なお、以下においては、集光位置の光ディスク107の記録面に対して垂直方向の制御(フォーカスエラー制御)についてのみ説明する。集光位置の光ディスク107の記録面に対して水平方向の制御(トラッキングエラー制御)も、制御方向が異なるだけで、基本的にフォーカスエラー制御と同様であり、以下の説明を適用することができるので、その説明は省略する。
記録再生素子121は、レーザ光を光ディスク107に照射することにより、データの読み書きを行うとともに、光ディスク107の記録面にて反射した戻り光を検出することにより、誤差信号を生成し、これを制御部122に供給する。制御部122は、その誤差信号に基づいて、電磁アクチュエータ123Aおよび電磁アクチュエータ123Bを制御する。
記録再生素子121は、レーザ光源131、光分離部132、レンズ部133、および受光部134を有する。レーザ光源131は、所定の波長のレーザ光を光分離部132に向けて出射する。光分離部132は、レーザ光源131から出射されたレーザ光を屈折させて光ディスク107側(レンズ部133)へ導くとともに、光ディスク107において反射したレーザ光を透過させて受光部134へと導く。レンズ部133は、光分離部132からのレーザ光を集光して光ディスク107の各記録層に合焦させるとともに、光ディスク107からの戻り光を平行光にし、光分離部132に供給する。受光部134は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)等を用いた光電変換素子よりなる。受光部134は、光分離部132を介して供給される光ディスク107からの戻り光を受光してこれを光電変換し、得られた誤差信号を制御部122に供給する。
なお、図4において、レーザ光源131、光分離部132、レンズ部133、および受光部134をそれぞれ1つずつ示しているが、いずれも複数設けられるようにしてもよい。また、図4に示される各部の位置関係は一例であり、どのように配置されてもよい。もちろん、各部の形状や大きさも任意である。
制御部122は、誤差信号検出回路141、AD変換器142、制御演算回路143、DA変換器144、およびアクチュエータ駆動回路145を有する。誤差信号検出回路141は、受光部134において生成される誤差信号を検出することにより、フォーカスエラー信号を生成し、それをAD変換器142に供給する。AD変換器142は、誤差信号検出回路141において生成されるフォーカスエラー信号をA/D(Analog / Digital)変換し、ディジタル化されたフォーカスエラー信号(以下、ディジタルフォーカスエラー信号とも称する)を制御演算回路143に供給する。制御演算回路143は、AD変換部142より供給されるディジタルフォーカスエラー信号について、所定の制御演算を行い、フォーカスエラーが小さくなるように制御するディジタル信号の制御信号(以下、ディジタル制御信号と称する)を生成する。制御演算回路143は、制御パラメータ生成部124より供給される制御パラメータを用いてこの制御演算を行い、ディジタル制御信号を生成し、それをDA変換器144に供給する。DA変換部144は、制御演算回路143より供給されるディジタル制御信号をD/A(Digital / Analog)変換し、アナログ化された制御信号(以下、アナログ制御信号と称する)をアクチュエータ駆動回路145に供給する。アクチュエータ駆動回路145は、DA変換器144より供給されたアナログ制御信号に基づいて電磁アクチュエータ123Aおよび電磁アクチュエータ123Bを駆動させる。
電磁アクチュエータ123Aおよび電磁アクチュエータ123Bは、制御部122より供給される制御信号に応じて記録再生素子121を光ディスク107の記録面に対して近接離間させる。以下において、電磁アクチュエータ123Aおよび電磁アクチュエータ123Bを互いに区別して説明する必要が無い場合、これらをまとめて電磁アクチュエータ123と称する。
制御パラメータ生成部124は、制御部122における制御演算に必要な制御パラメータを生成する。制御パラメータ生成部124は、入力部151、制御パラメータ算出部152、および表示部153を有する。入力部151は、ユーザ等の光ディスク記録再生装置100の外部からの、パラメータや制御指示等の入力情報を受け付け、それを制御パラメータ算出部152に供給する。制御パラメータ算出部152は、入力部151より供給される入力情報に基づく等して制御パラメータの算出に関する処理を行う。例えば、制御パラメータ算出部152は、制御パラメータを算出したり、算出された制御パラメータを制御演算回路143に供給したり、制御演算回路143にサーボ制御系の開ループ周波数特性を算出させたり、表示部153に情報を表示させたりする。表示部153は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機ELディスプレイ(Organic ElectroLuminescence Display)、またはFED(Field Emission Display)等のディスプレイよりなり、制御パラメータ算出部152に制御されて情報を表示する。
例えば、制御パラメータ算出部152は、制御演算回路143のそれぞれの制御関数に用いられる制御パラメータを、入力部151を介して入力された、制御系開ループ伝達関数における所望のゼロクロス周波数fxに基づいて演算し、その演算結果を制御演算回路143に供給する。この制御パラメータが制御演算回路143へ転送されることにより、制御部122による記録再生素子121のサーボ制御が可能となる。
なお、記録再生素子121や電磁アクチュエータ123は、例えば図3の光学ヘッド部106に対応する。制御部122は、例えば図3のサーボ制御部104に対応する。制御パラメータ生成部124は、例えば図3のシステムコントローラ101やデータプロセッサ105等により構成される。
図5は、図4に示される制御部122による電磁アクチュエータ123を用いた記録再生素子121のフォーカスエラー制御の制御系を、ディジタル制御で実現するブロック図である。
図5において、refは、記録再生素子121が本来あるべき位置を表す目標位置を示す。disは目標位置に加わる光ディスク107の周ぶれ等の外乱を示す。またerrは目標位置に対する制御位置の位置誤差(つまり制御結果の誤差)を表す。この位置誤差errは外乱disに応じて変化した記録再生素子121の目標位置(ref+dis)と制御対象の実際の位置yの差(ref+dis−y)に相当する。つまり、この位置誤差errは、論理演算部161において、以下の式(3)のように算出される。
err=ref+dis−y ・・・(3)
なお、実際には、制御部122は、記録再生素子121に加わる外乱disや実際の位置yは直接検出することができない。そこで制御部122は、誤差信号検出回路141においてフォーカスエラー信号に対応する位置誤差errを検出してサーボ制御を行う。
図5において、位置誤差errはサンプリングされて制御器163(K(z))で制御演算が行なわれる。この制御演算を経て1サンプリング時間後に演算結果が出力される。ちなみにこの制御器163における演算時間遅れは、むだ時間要素164(1/z)により表される。むだ時間要素164より出力された演算結果は零次ホルダ165(Z.O.H)を経て制御信号uとして制御対象に出力される。零次ホルダ165は図4中のDA変換器144に相当する。制御信号uによりアクチュエータが駆動され記録再生素子の位置yが決まる。制御信号uから記録再生素子の位置yへの伝達関数は制御対象166(P(s))で表される。ちなみに、制御対象166(P(s))は簡便のため2次積分要素(Gp/s2)で表す。
まず、特許文献2において示される極配置式について説明する。この場合、制御器163は、図1に示されるように、低域ブースタ1と位相進み遅れフィルタ2の直列接続によりモデル化される。したがって、制御器163の制御パラメータは、低域ブーストカットオフ離散化角周波数a、低域ブースト離散化角周波数c、位相進み離散化角周波数d、位相遅れ離散化角周波数b、及び制御器ゲインKpの5つである。
図5の制御系に対する極配置式は以下の式(4)乃至式(10)で表される。ここで、p1、p2、p3、p4は配置したい4つの極の位置を表し、qは自動的に決まる「配置できない極」の位置を表す。また、低域ブーストカットオフ離散化角周波数aは、ディスク回転周波数などの要因からあらかじめ指定される。
Figure 0005088209
ただし、
1=−(p1+p2+p3+p4
2=p12+p13+p14+p23+p24+p34
3=−(p123+p124+p134+p234
4=p1234
これらの式は、図5に示されるように、制御系に1サンプリング時間遅れのむだ時間要素が存在する場合の極配置式だが、2サンプリング時間遅れのむだ時間要素が存在する場合、3サンプリング時間遅れのむだ時間が存在する場合についても、同様の考え方で極配置式を求めることができる。例えば、3サンプリング時間の遅れ時間要素が存在する場合の極配置式は、以下の式(11)乃至式(19)で表される。
Figure 0005088209
なお、特許文献2には、1サンプリング時間から2サンプリング時間の間のむだ時間要素を持つ場合に1次遅れ要素でむだ時間要素を近似して極配置を行う手法についても記述されている。特許文献2に記載されているように、これらの極配置式を用いて4つの極p1,p2,p3、およびp4を同じ位置に重ねて配置することで、外乱に強い制御系を実現する制御パラメータを算出することができる。
しかしながら、この場合、閉ループ極と制御系との関係が、一般にはなじみが薄く、わかりづらい場合がある。また、例えば1サンプリング時間遅れのむだ時間要素をもつ制御系の制御パラメータは、式(4)乃至式(10)に示される極配置式により求めることができる。これに対して、3サンプリング時間遅れのむだ時間要素を持つ制御系の制御パラメータは、式(11)乃至式(19)に示される極配置式により求めることができる。つまり、制御パラメータを求めるのに、むだ時間要素の大きさによって極配置式を選択する必要があるため煩雑である。同様に、特許文献3に記載されている手法で用いられる、非整数時間遅れに対する極配置式の場合でも、むだ時間要素が1サンプリング時間から2サンプリング時間の間の値をとるときと、2サンプリング時間から3サンプリング時間の間の値をとるときとでは互いに異なる極配置式を選択する必要があり煩雑である。そこで、本発明では、直感的にわかりやすく意味合いが明確で、むだ時間が異なる系に対しても同一のアルゴリズムで制御パラメータを決定できる簡便な手法を提案する。
具体的には、制御器が、低域ブースタと位相進み遅れフィルタの並列構成でモデル化され、ゼロクロス周波数fx等の直観的にわかりやすい制御パラメータを用いて調整が行われるようにする。
制御パラメータ生成部124は、開ループ周波数特性におけるゼロクロス周波数fxから位相進み遅れフィルタの制御パラメータの暫定値を決定し、次に開ループ周波数特性に基づき、ゼロクロス周波数が目標とするfxに一致するよう制御器ゲインKpを設定する。そして制御パラメータ生成部124は、ユーザに、条件安定のゲイン余裕が12dBとなるように低域ブースタのゲインを決定させ、さらに、位相余裕が32°以上となるよう位相遅れ周波数を変更させて全体の微調整を行わせる。このような手法を用いることにより、制御パラメータ生成部124は、ユーザにとって直感的にわかりやすい制御パラメータを用いてサーボ制御の設定を行うことができる。また、この手法を用いることにより、制御パラメータ生成部124は、むだ時間が異なる系に対しても同一のアルゴリズムで制御パラメータを決定することができる。そして、最終的に、制御パラメータ生成部124は、最も高い低域ゲインを実現する制御パラメータ(以下、高ゲインサーボパラメータと称する。また高ゲインサーボパラメータで実現される制御器を高ゲインサーボ制御器と称する)と同等の良好な値の制御パラメータを生成することができるようになる。さらに、制御パラメータ生成部124は、この手法を用いることにより、低域ブースタのゲインを下げることで位相余裕に大きな影響を与えずに簡便に所望の低域ゲインを実現することができ、例えば、高ゲインサーボ制御器と、高ゲインサーボパラメータ以外の制御パラメータで実現される一般的な制御器(以下、一般制御器と称する)との中間の低域ゲインを持たせる等、自由度の高いゲイン調整を行うことができる。
以下に、この手法のより具体的な内容について、特許文献2に記載の手法と比較しながら説明する。なお、以下においては、図4に示される制御系が、1サンプリング時間から2サンプリング時間の間のむだ時間要素をもつ場合について説明する。
まず、制御系のモデルについて説明する。図6は、図4に示される制御部122による電磁アクチュエータ123を用いた記録再生素子121のフォーカスエラー制御の制御系を、ディジタル制御で実現するブロック図である。図6に示される制御モデルは、図4に示される制御系が1サンプリング時間から2サンプリング時間の間のむだ時間要素をもつものとしてモデル化したものである。ちなみに、図5は、図4に示される制御系が1サンプリング時間のむだ時間要素をもつものとしてモデル化したものである。
図6に示されるモデルも図5に示されるモデルも基本的には同様であるが、図6に示されるモデルの場合、図5に示されるモデルのむだ時間要素164、零次ホルダ165、および制御対象166(P(s))の代わりに、むだ時間要素167および制御対象168(P(s))が設けられる。すなわち、図6に示されるモデルでは、図5の場合と比較して、零次ホルダ165が省略され、むだ時間要素と制御対象P(s)の関数が異なる。具体的には、むだ時間要素167は、以下の式(20)で表わされ、制御対象168は、以下の式(21)で表わされる。
むだ時間要素=0.65/(z−0.35) ・・・(20)
P(s)= (T2/2)×{(z+1)/(z−1)2}×Gp ・・・(21)
ただし、Gp=5.032×109,T=5×106
制御器163(K(z))の関数に使用される制御パラメータは、制御パラメータ生成部124おいて生成される。
このような制御モデルにおいて、制御器を直列接続される低域ブースタと位相進み遅れフィルタによりモデル化する特許文献2に記載の手法を用いて一般制御器と高ゲインサーボ制御器を求めたときのそれぞれの開ループ周波数特性を図7に示す。図7に示されるグラフにおいて、細い実線で示される曲線171および曲線181は、一般制御器の開ループ周波数特性を示し、太い実線で示される曲線172および曲線182は、高ゲインサーボ制御器の開ループ周波数特性を示す。
この一般制御器の各制御パラメータの値は、低域ブーストカットオフ周波数が5Hzであり、低域ブースト周波数が343Hzであり、位相進み周波数が1085Hzであり、位相遅れ周波数が35kHzであり、ゼロクロス周波数が6kHzである。このときの閉ループ極は0.9899、0.9530、0.8108±0.1825j、0.1182となり、1つだけ応答の遅い極0.9899が存在する。
これに対して、高ゲインサーボ制御器の場合、制御パラメータKp、b、c、dに対して4つの極を配置するよう極配置法が適用され、開ループ特性の高域ゲインが同等となるよう4つの極が0.8764とされている。図7に示されるように、一般制御器の場合と比較して、高ゲインサーボ制御器の方が、低域で高ゲインが実現されている。また、このとき各制御パラメータは、以下のようになる。
p=1.088
b=0.2086
c=0.9599+0.0288j
d=0.9599−0.0288j
以上のように、制御器を直列接続される低域ブースタと位相進み遅れフィルタによりモデル化する場合、高ゲインサーボ制御器は、制御パラメータに複素零点を持つことが確認される。
これに対して制御パラメータ生成部124は、制御器を、図8に示されるようにモデル化したときの制御パラメータを生成する。図8において、制御器のモデルは、並列に接続された低域ブースタ201と位相進み遅れフィルタ202、論理演算部203、並びに制御器ゲイン204により構成される。
低域ブースタ201は、低域ブースタ201の極となるカットオフ周波数(以下、低域カットオフ周波数と称する)aと低域ゲインKLを用いて、以下の式(22)のように表わされる。
低域ブースタ=KL/(z−a) ・・・(22)
位相進み遅れフィルタ202は、位相進み遅れフィルタ202の極(位相遅れ周波数b)と、零点(位相進み周波数e)を用いて、以下の式(23)のように表わされる。
位相進み遅れフィルタ=(z−e)/(z−b) ・・・(23)
図8に示されるように、低域ブースタ201と位相進み遅れフィルタ202は、互いの出力が論理演算部203において合成されるように並列に並べられ、さらに、制御器ゲイン204(Kpp)に直列に接続される。
このようなモデル化の制御パラメータにより一般制御器を求めた場合、図7のグラフにおいて、低域ブースタ201の周波数特性が細い破線173および細い破線183で示され、位相進み遅れフィルタ202の周波数特性が細い点線175および細い点線185により示される。また、同様に、高ゲインサーボ制御器を求めた場合、図7のグラフにおいて、低域ブースタ201の周波数特性が太い破線174および太い破線184で示され、位相進み遅れフィルタ202の周波数特性が太い点線176および太い点線186により示される。
この図7において、この場合の従来制御器と高ゲインサーボ制御器の周波数特性を比較すると、位相進み遅れフィルタ202はほぼ同等で低域ブースタ201のゲインが大きく異なることがわかる。すなわち、高域の位相特性をそのままに、振動的にならない程度まで低域ゲインを上げたものが並列構成における高ゲインサーボ制御器だといえる。したがって閉ループ極が振動的にならない低域ゲインの上限を求めれば、高ゲインサーボ制御器のパラメータを得ることができる。また、高ゲインサーボ制御器の低域ブースタのゲインを下げれば簡便に従来制御との中間の特性が得られる。
次に、このような制御モデルの制御パラメータを生成する制御パラメータ算出部152の構成について説明する。図9は、この場合の制御パラメータ算出部152の詳細な構成例を示すブロック図である。図9に示されるように、制御パラメータ算出部152は、入力受付部211、es算出部212、bs算出部213、abe算出部214、測定制御部215、Kpp決定部216、ゲイン余裕表示制御部217、位相余裕表示制御部218、およびパラメータ設定部219を有する。
入力受付部211は、入力部151を介して、外部より制御指示やパラメータの値等の入力を受け付ける。また、入力受付部211は、受け付けた制御指示をその指示に対応する処理部に供給する。さらに、入力受付部211は、受け付けたパラメータを保持し、適宜他の処理部に供給する。
s算出部212は、目標とするゼロクロス周波数fxおよび位相進み周波数比Arを入力受付部211から取得し、それらを用いて位相進み周波数esを算出し、abe算出部214に供給する。bs算出部213は、目標とするゼロクロス周波数fxおよび位相遅れ周波数比Brを入力受付部211から取得し、それらを用いて位相遅れ周波数bsを算出し、abe算出部214に供給する。abe算出部214は、入力受付部211より取得した低域カットオフ周波数as、bs算出部213より取得した位相遅れ周波数bs、および、es算出部212より取得した位相進み周波数esをディジタル化し、ディジタル制御パラメータa,b,eを算出する。abe算出部214は、算出した各ディジタル制御パラメータ(低域カットオフ周波数a、位相遅れ周波数b、および位相進み周波数e)を、測定制御部215に供給する。また、abe算出部214は、算出した各ディジタル制御パラメータを入力受付部211に供給して保持させる。
測定制御部215は、それらのディジタル制御パラメータ、並びに、入力受付部211より取得した低域ゲインKLおよび制御器ゲインKppを、制御コマンドとともに制御演算回路143に供給し、制御部122にこれらの制御パラメータを用いた制御系の周波数特性を測定させる。
pp決定部216は、制御部122により測定された周波数特性に基づいて、ゼロクロス周波数が、入力受付部211より取得した目標とするゼロクロス周波数fxと一致するように制御器ゲインKppを決定する。ゲイン余裕表示制御部217は、制御部122により測定された周波数特性に基づいて、ゲイン余裕に関する情報を表示部153に表示させる。位相余裕表示制御部218は、制御部122により測定された周波数特性に基づいて、位相余裕に関する情報を表示部153に表示させる。パラメータ設定部219は、例えば周波数特性が満足の行く結果となったときのように、制御パラメータの調整が終了すると、入力受付部211に保持されている各ディジタル制御パラメータ(低域カットオフ周波数a、位相遅れ周波数b、位相進み周波数e、制御器ゲインKpp、および低域ゲインKL)を制御演算回路143に供給し、正式な制御パラメータとして設定する。
制御部122は、このように決定された制御パラメータを用いてサーボ制御を行う。
次に、振動的にならない低域ゲインの上限、すなわち高ゲインサーボ制御器を実現する制御パラメータの決定法について説明する。制御系中のむだ時間要素が1サンプリング時間、2サンプリング時間、3サンプリング時間の場合について、制御パラメータ算出式からさまざまな極配置での制御パラメータKpp,KL,e、およびbを求めた。このときの結果を図10乃至図12の表に示す。また、各極位置でのゼロクロス周波数fxと位相余裕をグラフから読み取り、図13の表にまとめた。
まず、位相進み遅れフィルタの零点である位相進み周波数e、および、その位相進み周波数eより算出される位相進み周波数比Arについて説明する。図10乃至図12の表に示されるように算出されたeを連続系に直して位相進み周波数(−es/2π)を求め、図13の表に示すゼロクロス周波数fxに対する比を表示する。横軸を、サンプリング周波数で規格化した規格化ゼロクロス周波数fxとしたときの位相進み周波数比Arを以下の式(24)のように算出し、その結果を図14に示す。
r=(−es/2π)/fx ・・・(24)
図14のグラフに示されるように、位相進み周波数ほぼ一定であるが、規格化ゼロクロス周波数が大きくなるにつれ微増し、位相進み周波数比Arは、0.43乃至0.48の値をとる。一般制御器での位相進み周波数比Arの値である0.333に比べると大きいが、変化が少ないので、ここでは位相進み周波数比Arは一定値として考える。このとき、位相進み周波数比Arの値を0.43乃至0.48のどの値にしてもよいが、ここでは位相進み周波数比Ar=0.47とする。
次に、位相進み遅れフィルタの極である位相遅れ周波数b、および、その位相遅れ周波数bより算出される位相遅れ周波数比Brについて説明する。算出されたbを連続系に直して位相遅れ周波数(−bs/2π)を求め、規格化ゼロクロス周波数fxに対する位相遅れ周波数比Brを以下の式(25)のように算出し、その結果を図15に示す。
r=(−bs/2π)/fx ・・・(25)
図15のグラフに示されるように、規格化ゼロクロス周波数fxが小さいときは、位相遅れ周波数比Brの値は3程度だが、規格化ゼロクロス周波数fxが大きくなると、むだ時間による位相遅れを挽回するために位相遅れ周波数比Brも16程度まで大きくなる。そこで、位相遅れ周波数bの値は、位相余裕が十分取れるように、位相遅れ周波数比Brの値が3乃至16の範囲内に限定されるという条件下で、調整されるようにする。
なお、極葉位置においても位相遅れ周波数比Brの値が16を超える例がないことから、位相遅れ周波数比Brの値が16を超えても十分な位相余裕が得られない場合、条件に無理があって安定な極配置ができないものと考え、ゼロクロス周波数fxの値を小さくするように設定しなおしてから、再度制御パラメータを設定しなおすようにする。
次に位相余裕について説明する。図16に位相余裕の例を示す。図16のグラフに示されるように、規格化ゼロクロス周波数が大きくなるにつれ位相余裕は小さくなるが、どの場合でも32°以上は確保されている。さらにゼロクロス周波数を高くしようとすると、配置できない極が単位円外に出てしまうため発振してしまう。直接、位相余裕が原因で発振するわけではないが、ここでは32°をひとつの目処と考え、32°以上の位相余裕が確保できるかどうかを制御パラメータが妥当かどうかの基準にすることとする。
次に、条件安定のゲイン余裕について説明する。図17に条件安定のゲイン余裕の例を示す。図17のグラフに示されるように、条件安定のゲイン余裕もゼロクロス周波数を大きくすると次第に小さくなるが、いずれの場合でも12dB以上である。そこで、ここでは12dB以上のゲイン余裕が確保できるかどうかを制御パラメータが妥当かどうかの基準にすることとする。
以上より制御パラメータは、以下のような条件で決定する。
1)ゼロクロス周波数fxより位相進み周波数eを0.47fxとし、位相遅れ周波数bを3fxとする。
2)低域ゲインKLを十分小さくし、制御器ゲインKppは、ゼロクロス周波数が目標とするゼロクロス周波数fxとなるようにする。
3)ゲイン余裕が12dBとなるところまで低域ゲインKLを上げる。
4)位相余裕が32度以上あれば各制御パラメータの値を決定する。32度ない場合は位相遅れ周波数bsの値を大きくする。位相遅れ周波数bsを16より大きくしても位相余裕を32度以上にすることができない場合、ゼロクロス周波数fxの値を小さくする。
5)再度ゼロクロス周波数がfxとなるよう制御器ゲインKppの値を決める。
このようにして制御パラメータが決定されたのち、低域ゲインKLを小さくすれば、一般制御器と高ゲインサーボ制御器の中間の特性が得られる。
次に、以上のような制御パラメータの設定に関する処理の流れについて説明する。
最初に、図18のフローチャートを参照して、パラメータ設定処理の流れの例を説明する。入力部151を介して、例えばユーザ等の外部からの指示を受け付けると、制御パラメータ算出部152は、図18に示されるようなパラメータ算出処理を実行する。
パラメータ設定処理が開始されると、入力受付部211は、入力部151を制御し、ステップS1においてカットオフ周波数asの入力を受け付け、ステップS2において目標とするゼロクロス周波数fxの入力を受け付ける。
ステップS3において、es算出部212は、位相進み周波数比Arを入力受付部211より取得する等して、位相進み周波数比Arを決定し、その位相進み周波数比Arの値を用いて位相進み周波数esを算出する。例えば、es算出部212は、上述したように、位相進み周波数比Arの値を0.47に決定し、式(24)に基づいて、位相進み周波数esを以下の式(26)のように算出する。
s=−2πfx・Ar ・・・(26)
なお、es算出部212は、この位相進み周波数比Arを入力受付部211より取得するようにしてもよいし、es算出部212が予め記憶しているようにしてもよい。
ステップS4において、入力受付部211は、位相遅れ周波数比Brの入力を受け付ける。ステップS5において、bs算出部213は、式(25)に基づいて以下の式(27)のように、目標とするゼロクロス周波数fxと位相遅れ周波数比Brから位相遅れ周波数bsを算出する。
s=−2πfx・Br ・・・(27)
なお、この位相遅れ周波数比Brの値は、予め定められた所定の範囲内(例えば3乃至16)に制限される。
ステップS6において、abe算出部214は、ステップS1、ステップS3、およびステップS5の処理結果を用いてディジタル制御パラメータa,b,eを算出する。また、ステップS7において、入力受付部211は、制御器ゲインKppおよび低域ゲインKLを受け付ける。ステップS8において、測定制御部215は、制御部122に周波数特性を測定させる周波数特性測定制御処理を開始する。
周波数特性測定制御処理を開始すると、測定制御部215は、パラメータ設定処理を終了する。
次に、図19のフローチャートを参照して、周波数特性測定制御処理の流れの例を説明する。
周波数特性測定制御処理が開始されると、測定制御部215は、ステップS21において、パラメータ設定処理により算出されたパラメータを制御演算回路143に供給する。ステップS22において測定制御部215は、制御演算回路143を制御して、サーボをかけて開ループ周波数特性を測定させる。
測定が終了すると、Kpp決定部216は、ステップS23において、目標とするゼロクロス周波数fxを実現する制御器ゲインKppを決定する。ステップS24において、ゲイン余裕表示制御部217は、条件安定ゲイン余裕に関する情報を表示部153に表示させ、ユーザに低域ゲインKLの設定を促す。ステップS25において、ゲイン余裕表示制御部217は、低域ゲインKLが決定されたか否かを判定し、決定されたと判定した場合、処理をステップS26に進める。
位相余裕表示制御部218は、ステップS26において、位相余裕に関する情報を表示部153に表示させ、ステップS27において、位相余裕調整処理を開始させる。位相余裕調整処理を開始させると、位相余裕表示制御部218は、周波数特性測定制御処理を終了する。
また、ステップS25において、まだ低域ゲインKLの決定に至っていないと判定した場合、ゲイン余裕表示制御部217は、処理をステップS28に進める。ステップS28において、入力受付部211は、低域ゲインKLを受け付け、処理をステップS21に戻し、それ以降の処理を実行させる。
次に、図20のフローチャートを参照して、位相余裕調整処理の流れの例を説明する。位相余裕調整処理が開始されると、パラメータ設定部219は、ステップS41において、位相余裕が十分と判定されたか否かを判定する。十分でないと判定された場合、処理はステップS42に進められる。ステップS42において、パラメータ設定部219は、更新後の位相遅れ周波数比Brが所定の範囲内(例えば、3乃至16のいずれか)であるか否かを判定する。範囲内であると判定された場合、処理は、ステップS43に進められる。ステップS43において、パラメータ設定部219は、位相遅れ周波数比Brを受け付けるところから、すなわち、ステップS4から、図18のパラメータ設定処理を開始する。パラメータ設定処理を開始すると、パラメータ設定部219は、位相余裕調整処理を終了する。
また、ステップS42において、更新後の位相遅れ周波数比Brが所定の範囲外であると判定された場合、処理は、ステップS44に進められる。ステップS44において、ラメータ設定部219は、目標とするゼロクロス周波数fxを受け付けるところから、すなわち、ステップS2から、図18のパラメータ設定処理を開始する。パラメータ設定処理を開始すると、パラメータ設定部219は、位相余裕調整処理を終了する。
さらに、ステップS41において、位相余裕が十分と判定された場合、処理は、ステップS45に進められる。ステップS45において、パラメータ設定部219は、各パラメータを現在の値に決定する。ステップS45の処理を終了すると、パラメータ設定部219は、位相余裕調整処理を終了する。
つまり、制御パラメータ算出部152は、測定結果の周波数特性において、ゼロクロス周波数が目標値(目標とするゼロクロス周波数fx)と一致するように制御器ゲインKppを調整し、さらに、条件安定ゲイン余裕が12dBとなるようにユーザに低域ゲインKLを調整させる。条件安定ゲイン余裕が12dBとなったら、制御パラメータ算出部152は、位相余裕が所定の値(例えば32°)以上となるようにユーザに位相遅れ周波数比Brを調整させる(値を大きくさせる)。位相遅れ周波数比Brが所定の範囲の上限(例えば16)に達しても位相余裕が十分に確保されない(32°以上にならない)場合、目標とするゼロクロス周波数fxの値に無理があるため、制御パラメータ算出部152は、その目標とするゼロクロス周波数fxの値を小さくする。制御パラメータ算出部152は、以上のような調整に関する処理を、条件安定ゲイン余裕および位相余裕が十分に確保されるまで行う。
以上のように、本発明では、制御器122のモデルを、低域ブースタ201および位相進み遅れフィルタ202の並列構成で実現することで、ユーザは、ゼロクロス周波数fxなど直観的にわかりやすい制御パラメータを用いて調整を行うことができる。具体的には、開ループ周波数特性におけるゼロクロス周波数fxから位相進み遅れフィルタの制御パラメータの暫定値が決定され、次に開ループ周波数特性を見てゼロクロス周波数が目標とするfxに一致するよう制御器ゲインKppが設定される。さらに条件安定のゲイン余裕が12dBとなるよう低域ゲインKLが決定され、最後に位相余裕が32°以上となるよう位相遅れ周波数が変更され、全体の微調整が行われる。このようにすることにより、ユーザは、各制御パラメータを直感的に理解することができ、さらに、むだ時間が異なる系に対しても同一のアルゴリズムで制御パラメータを決定することができ、最終的に、特許文献2の手法を用いて決定される高ゲインサーボパラメータと同等の良好な制御パラメータを得ることができる。さらに一般制御器との中間の低域ゲインを持たせたい場合、ユーザは、低域ブースタ201のゲインを下げることで位相余裕に大きな影響を与えずに簡便に所望の低域ゲインを実現することができる。
なお、以上においては、ゲイン余裕表示制御部217や位相余裕表示制御部218が、ゲイン余裕や位相余裕に関する情報を表示部153に表示させることにより、ユーザに、所定のアルゴリズムに従って制御パラメータを調整させるように説明したが、このとき、ゲイン余裕や位相余裕に関する情報とともに、所定のアルゴリズムに従って制御パラメータを調整するように促す案内メッセージ等の情報を表示部153に表示させるようにしてもよい。
また、ユーザの代わりに制御パラメータ算出部152が、測定結果であるゲイン余裕や位相余裕に基づいて制御パラメータの調整を行うようにしてもよい。
図21は、その場合の制御パラメータ算出部152の構成例を示すブロック図である。図21に示されるように、この場合の制御パラメータ算出部152は、図9の場合と基本的に同様の構成を有するが、図9のゲイン余裕表示制御部217および位相余裕表示制御部218の代わりに、ゲイン余裕調整部317および位相余裕調整部318を有する。
ゲイン余裕調整部317は、上述したアルゴリズムに従って、制御部122において測定された周波数特性の、条件安定ゲイン余裕の値に応じて、低域ゲインKLを調整する。具体的には、ゲイン余裕調整部317は、条件安定ゲイン余裕が所定の値(例えば12dB)となるように低域ゲインKLを調整する。より具体的には、ゲイン余裕調整部317は、条件安定ゲイン余裕が12dBより大きい場合、低域ゲインKLを大きくし、条件安定ゲイン余裕が12dBより小さい場合、低域ゲインKLを小さくする。
位相余裕調整部318は、上述したアルゴリズムに従って、制御部122において測定された周波数特性の、位相余裕の値に応じて、位相遅れ周波数比Brを調整する。具体的には、位相余裕が十分に大きくなるまで(予め定められた所定の閾値以上になるまで)、位相遅れ周波数比Brを大きくする。より具体的には、位相余裕調整部318は、位相余裕が十分に大きくない場合、値が所定量大きくなるように位相遅れ周波数比Brを再設定し、それに基づいて各種制御パラメータを再設定させてから、再度周波数特性を測定させる。
なお、上述したように、上述したアルゴリズムにおいては、位相遅れ周波数比Brの値は所定の範囲内(例えば3以上16以下)に制限される。従って、位相遅れ周波数比Brの値がその範囲の上限(例えば16)より大きくなる場合、位相余裕調整部318は、値が所定量小さくなるように、目標とするゼロクロス周波数fxを再設定し、それに基づいた各種制御パラメータを再設定させてから、再度周波数特性を測定させる。
そして、条件安定ゲイン余裕および位相余裕の条件が満たされた場合、パラメータ設定部219は、各制御パラメータをそのときの値に設定する。
このようなパラメータ算出処理の流れの例を図22乃至図24のフローチャートを参照して説明する。このパラメータ算出処理のアルゴリズムは、図18乃至図20のフローチャートを参照して説明した各処理の場合と同様である。したがって、このパラメータ算出処理は、基本的に図18乃至図20のフローチャートを参照して説明した各処理の場合と同様に行われる。
パラメータ算出処理が開始されると、入力受付部211は、入力部151を制御し、図22のステップS101においてカットオフ周波数asの入力を受け付け、ステップS102において目標とするゼロクロス周波数fxの入力を受け付ける。ステップS103において、es算出部212は、位相進み周波数比Arを決定し、その位相進み周波数比Arの値を用いて位相進み周波数esを算出する。
ステップS104において、入力受付部211は、位相遅れ周波数比Brの入力を受け付ける。ステップS105において、bs算出部213は、目標とするゼロクロス周波数fxと位相遅れ周波数比Brを用いて位相遅れ周波数bsを算出する。ステップS106において、abe算出部214は、ステップS101、ステップS103、およびステップS105の処理結果を用いてディジタル制御パラメータa,b,eを算出する。また、ステップS107において、入力受付部211は、制御器ゲインKppおよび低域ゲインKLを受け付け、処理を図23のステップS121に進める。
図23のステップS121において、測定制御部215は、カットオフ周波数a、位相遅れ周波数b、位相進み周波数e、制御器ゲインKpp、および低域ゲインKL等の各種ディジタル制御パラメータを制御演算回路143に転送する。ステップS122において測定制御部215は、制御演算回路143を制御して、サーボをかけて開ループ周波数特性を測定させる。
測定が終了すると、Kpp決定部216は、ステップS123において、目標とするゼロクロス周波数fxを実現する制御器ゲインKppを決定する。ステップS124において、ゲイン余裕調整部317は、測定により得られた周波数特性の条件安定ゲイン余裕を算出する。ゲイン余裕調整部317は、ステップS125において、算出された条件安定ゲイン余裕が所定の値(例えば12dB)であるか否かを判定し、所定の値でないと判定した場合、処理をステップS126に進める。
ステップS126において、ゲイン余裕調整部317は、算出された条件安定ゲイン余裕がその所定の値(例えば12dB)より大きいか否かを判定する。条件安定ゲイン余裕が所定の値より大きいと判定された場合、ゲイン余裕調整部317は、低域ゲインKLの値を大きくし、ステップS121以降の処理を繰り返させ、開ループ周波数特性を再度測定させる。
また、ステップS126において、条件安定ゲイン余裕が所定の値より小さいと判定された場合、ゲイン余裕調整部317は、低域ゲインKLの値を小さくし、ステップS121以降の処理を繰り返させ、開ループ周波数特性を再度測定させる。
ステップS125において、条件安定ゲイン余裕が所定の値であると判定された場合、ゲイン余裕調整部317は、処理を図24のステップS141に進める。
図24のステップS141において、位相余裕調整部318は、測定により得られた周波数特性の位相余裕を算出する。位相余裕調整部318は、ステップS142において、算出された位相余裕を予め定められた所定の値(例えば32°)と比較し、その位相余裕が十分に大きいか否かを判定する。十分に大きいと判定した場合、位相余裕調整部318は、処理をステップS143に進める。ステップS143において、パラメータ設定部219は、各制御パラメータの値を現在の値に決定し、パラメータ算出処理を終了する。
また、ステップS142において、位相余裕が十分大きくないと判定した場合、位相余裕調整部318は、処理をステップS144に進める。ステップS144において、位相余裕調整部318は、位相遅れ周波数比Brを所定量大きくする。位相余裕調整部318は、ステップS145において、位相遅れ周波数比Brの値が所定の範囲(例えば3乃至16)内であるか否かを判定する。
ステップS145において、位相遅れ周波数比Brの値が所定の範囲(例えば3乃至16)内であると判定した場合、位相余裕調整部318は、処理を図22のステップS105に戻し、それ以降の処理を実行させる。つまり、位相余裕調整部318は、更新した位相遅れ周波数比Brを用いて位相遅れ周波数b(bs)も更新させ、再度、開ループ周波数特性を測定させる。
また、位相余裕調整部318は、図24のステップS145において、位相遅れ周波数比Brの値が所定の範囲(例えば3乃至16)外、すなわち、その範囲の上限(例えば16)より大きいと判定した場合、処理をステップS146に進める。ステップS146において、位相余裕調整部318は、目標とするゼロクロス周波数fxの値を所定量小さくする。ステップS146の処理を終了すると、位相余裕調整部318は、処理を図22のステップS103に戻し、それ以降の処理を実行させる。つまり、位相余裕調整部318は、更新した、目標とするゼロクロス周波数fxを用いて位相進み周波数e(es)や位相遅れ周波数b(bs)も更新させ、再度、開ループ周波数特性を測定させる。
つまり、制御パラメータ算出部152は、測定結果の周波数特性において、ゼロクロス周波数が目標値(目標とするゼロクロス周波数fx)と一致するように制御器ゲインKppを調整し、さらに、条件安定ゲイン余裕が12dBとなるように低域ゲインKLを調整する。条件安定ゲイン余裕が12dBとなったら、制御パラメータ算出部152は、位相余裕が所定の値(例えば32°)以上となるように位相遅れ周波数比Brを調整する(値を大きくさせる)。位相遅れ周波数比Brが所定の範囲の上限(例えば16)に達しても位相余裕が十分に確保されない(32°以上にならない)場合、制御パラメータ算出部152は、目標とするゼロクロス周波数fxの値に無理があるため、その目標とするゼロクロス周波数fxの値を小さくする。制御パラメータ算出部152は、以上のような調整に関する処理を、条件安定ゲイン余裕および位相余裕が十分に確保されるまで行う。
以上のように、この場合の制御パラメータ算出部152は、所定のアルゴリズムに従って、制御器122のモデルを低域ブースタ201および位相進み遅れフィルタ202の並列構成で実現する制御パラメータを適切に算出することができる。このようにすることにより、ユーザは、より容易に各制御パラメータの設定を適切に行うことができる。例えば、特許文献2の手法を用いて決定される高ゲインサーボパラメータと同等の良好な制御パラメータを得ることもできるし、位相余裕に大きな影響を与えずに簡便に所望の低域ゲインを実現することもできる。
なお、以上においては、本発明を、記録再生素子を光ディスクの記録面に対して垂直方向に制御するフォーカスエラー制御に適用する場合について説明したが、本発明は、記録再生素子を光ディスクの記録面に対して水平方向に制御するトラッキングエラー制御にも適用可能である。
また、以上においては本発明を適用する装置として、光ディスク記録再生装置について説明したが、本発明は、これに限らず、上述したフォーカスエラー制御と同等のサーボ制御が必要な装置、例えば、光ディスクに記録されているデータを読み出して再生し、光ディスクにデータの書き込みは行わない光ディスク再生装置や、光ディスクにデータの書き込みを行い、読み出しは行わない光ディスク記録装置であってもよい。また、記録媒体は、磁気ディスク、光磁気ディスク等、光ディスク以外であってもよい。
さらに、本発明は、上述したフォーカスエラー制御と同等のサーボ制御が必要なもの、すなわち、制御対象の角度又は位置を目標値へ向けて動作制御する制御系を用いるものであれば、どのような装置(制御系)にも適用可能であり、制御対象は記録再生素子(再生専用素子、記録専用素子も含む)以外であってもよい。また、制御対象を別体としてもよく、例えば図4の例において、制御部122および制御パラメータ生成部124を、外部の制御対象である記録再生素子121(電磁アクチュエータ123)を制御する1つの制御装置125としてもよい。もちろん、制御装置125に電磁アクチュエータ123を含めるようにしてもよい。
さらに、制御パラメータ生成部124を、外部の制御部122において使用される制御パラメータを生成する1つの装置(制御パラメータ生成装置)としてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図25に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
図25において、パーソナルコンピュータ400のCPU401は、ROM402に記憶されているプログラム、または記憶部413からRAM403にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM403にはまた、CPU401が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU401、ROM402、およびRAM403は、バス404を介して相互に接続されている。このバス404にはまた、入出力インタフェース410も接続されている。
入出力インタフェース410には、キーボード、マウスなどよりなる入力部411、CRTディスプレイやLCDなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部412、ハードディスクなどより構成される記憶部413、モデムなどより構成される通信部414が接続されている。通信部414は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース410にはまた、必要に応じてドライブ415が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア421が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部413にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図25に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア421により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM402や、記憶部413に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表わすものである。
なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
制御器のモデルの例を示す図である。 開ループ周波数特性の例を示す図である。 本発明を適用した光ディスク記録再生装置の構成例を示すブロック図である。 ピックアップの制御に関する構成の詳細な例を示すブロック図である。 図4の制御系を示すディジタル制御モデルの例を示すブロック図である。 図4の制御系を示すディジタル制御モデルの他の例を示すブロック図である。 開ループ周波数特性の例を示す図である。 本発明を適用した制御器のモデルの例を示す図である。 図4の制御パラメータ算出部の詳細な構成例を示すブロック図である。 極位置毎の制御パラメータの算出結果の例を示す図である。 極位置毎の制御パラメータの算出結果の、他の例を示す図である。 極位置毎の制御パラメータの算出結果の、さらに他の例を示す図である。 極位置毎のゼロクロス周波数および位相余裕の算出結果の例を示す図である。 規格化ゼロクロス周波数と位相進み周波数比の関係の例を示すグラフである。 規格化ゼロクロス周波数と位相遅れ周波数比の関係の例を示すグラフである。 規格化ゼロクロス周波数と位相余裕の関係の例を示すグラフである。 規格化ゼロクロス周波数と条件安定ゲイン余裕の関係の例を示すグラフである。 パラメータ設定処理の流れの例を説明するフローチャートである。 周波数特性測定制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。 位相余裕調整処理の流れの例を説明するフローチャートである。 図4の制御パラメータ算出部の、他の詳細な構成例を示すブロック図である。 パラメータ算出処理の流れの例を説明するフローチャートである。 パラメータ算出処理の流れの例を説明する、図22に続くフローチャートである。 パラメータ算出処理の流れの例を説明する、図23に続くフローチャートである。 本発明を適用したパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
100 光ディスク記録再生装置, 101 システムコントローラ, 104 サーボ制御部, 106 光学ヘッド部, 107 光ディスク, 121 記録再生素子, 122 制御部, 123 電磁アクチュエータ, 124 制御パラメータ生成部, 143 制御演算回路, 152 制御パラメータ算出部, 201 低域ブースタ, 202 位相進み遅れフィルタ, 204 制御器ゲイン, 211 入力受付部, 212 es算出部, 213 bs算出部, 214 abe算出部, 215 測定制御部, 216 Kpp決定部, 217 ゲイン余裕表示制御部, 218 位相余裕表示制御部, 219 パラメータ設定部, 317 ゲイン余裕調整部, 318 位相余裕調整部

Claims (9)

  1. 制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくする制御パラメータ算出手段と、
    前記制御系の低域強調を行う低域強調演算手段、および、前記制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算手段を備え、互いに並列に接続される前記低域強調演算手段および前記位相進み遅れ演算手段により、前記制御パラメータ算出手段により制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する制御演算手段
    を備える情報処理装置。
  2. 前記制御パラメータ算出手段は、低域ゲインを十分小さくして前記制御器ゲインを設定し、ゲイン余裕が許容範囲の下限になるまで前記低域ゲインを上げ、位相余裕が所定の閾値より大きくなるように前記ゼロクロス周波数を小さくし、再度ゼロクロス周波数が目標値に一致するように前記制御器ゲインを設定する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記ゲイン余裕の許容範囲の下限は、12dBであり、
    前記位相余裕の所定の閾値は、32°である
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記制御パラメータ算出手段は、前記ゼロクロス周波数、位相進み周波数比、および所定の係数を乗算することにより前記位相進み遅れ特性の零点および極を算出する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記位相進み周波数比の値の範囲は、0.43乃至0.48であり、
    前記位相遅れ周波数比の値の範囲は、3乃至16である
    請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記制御パラメータ算出手段は、前記低域強調演算手段のカットオフ周波数、並びに、前記位相進み遅れ特性の零点および極を、サンプリング周波数に応じて離散化する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 情報処理装置の情報処理方法において、
    前記情報処理装置が、
    制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくし、
    互いに並列に接続される、前記制御系の低域強調を行う低域強調演算部および、前記制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算部により、前記制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する
    情報処理方法。
  8. 情報を処理するためにコンピュータを、
    制御対象の角度又は位置を目標値に向けて動作制御する制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくする制御パラメータ算出手段、
    互いに並列に接続される、前記制御系の低域強調を行う低域強調演算部および、前記制御系の位相進み遅れ特性を実現する位相進み遅れ演算部により、前記制御パラメータ算出手段により制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する制御演算手段
    として機能させるためのプログラム。
  9. ディスク状記録媒体に対してデータの書き込みまたは読み取りを行う記録再生素子と、
    前記ディスク状記録媒体の記録面に対して前記記録再生素子を水平方向又は垂直方向へ駆動させるための駆動手段と、
    前記記録再生素子が記録再生を行うべき位置と実際の位置の差分に比例する誤差信号を検出する誤差信号検出手段と、
    前記誤差信号検出手段により検出された誤差信号に対し、制御パラメータを用いて制御演算を行い、前記誤差信号の絶対値を低減させるための制御出力を算出する制御演算手段と、
    前記記録再生素子、前記駆動手段、前記誤差信号検出手段、および前記制御演算手段を含むサーボ制御系に要求されるサーボ性能を実現するための制御パラメータを算出する制御パラメータ算出手段
    備え、
    前記制御パラメータ算出手段は、前記サーボ制御系の開ループ周波数特性のゼロクロス周波数から前記サーボ制御系の位相進み遅れ特性の零点および極を前記制御パラメータとして算出し、前記ゼロクロス周波数が目標値に一致するように制御器ゲインを前記制御パラメータとして設定し、前記制御パラメータ決定後、低域ゲインを小さくし、
    前記制御演算手段は、互いに並列に接続される、前記サーボ制御系の低域強調を行う制御演算手段、および、前記サーボ制御系の位相進み遅れ特性を実現する制御演算手段により、前記制御パラメータ算出手段により制御パラメータとして算出された前記位相進み遅れ特性の零点および極、並びに前記制御器ゲインを用いて、前記制御対象に対する制御出力を算出する
    記録再生装置。
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