JP2008041154A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ビームの収差による悪影響の無い安定した層間ジャンプが可能なフォーカシング制御を実行できる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ(12)の光検出器(17)から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器(22)またはオフセット補正器(122)を設け、バランス補正器(22)またはオフセット補正器(122)の出力を処理してフォーカシング位置と光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号(FE)を生成し、これに基づいてフォーカスバランスもしくはフォーカスオフセットを補正することにより、安定に目的とする層へフォーカスジャンプを行うようタイミング制御器(26)が運転する。
【選択図】図1
【解決手段】光ピックアップ(12)の光検出器(17)から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器(22)またはオフセット補正器(122)を設け、バランス補正器(22)またはオフセット補正器(122)の出力を処理してフォーカシング位置と光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号(FE)を生成し、これに基づいてフォーカスバランスもしくはフォーカスオフセットを補正することにより、安定に目的とする層へフォーカスジャンプを行うようタイミング制御器(26)が運転する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の記録層を有する光ディスクに照射される光ビームのフォーカシング制御を実行する制御装置などに関する。
近年の情報通信技術の進展に伴い、高密度・大容量の情報記録媒体の研究開発が活発に進められている。このような記録媒体としては、光学式記録媒体、磁気記録媒体などがある。
例えば、光学式記録媒体としては、CD(Compact disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクが知られている。また、次世代大容量光ディスクとして、青紫色レーザを光源に用いた光ディスク、例えばブルーレイディスク(Blu−ray Disc)の研究開発が精力的に進められている。かかる光ディスクにおいて、複数の記録層を同一記録面(サイド)に設けることにより(多層光ディスク)、1記録面当たりの記録容量を増大させ、光ディスクのさらなる大容量化を図ることが可能である。
かかる多層光ディスクは、複数の記録層を積層した構造を有している。例えば、4つの記録層を有する4層Blu−rayを例に以下に説明する。これらの記録層は、スペーサ層(又はカバー層)によって比較的小さな間隔で隔てられた4つの記録層が形成されている。これらの記録層は、記録面のディスク表面に遠い層(すなわち、光ピックアップに遠い層)から順に第1記録層(以下、単に第1層と称する)又はレイヤ0(Layer0:L0)、第4記録層(以下、単に第4層と称する)又はレイヤ3(Layer1:L3)と呼ばれる。
このような高密度・大容量光ディスクの開発の進展に伴い、より高精度で高性能な光ピックアップ装置の開発が望まれている。
上記した複数の記録層を有する光ディスクの記録又は再生時においては、いずれかの記録層にレーザ光ビームをフォーカシングし、その記録層に信号を記録又はその記録層から信号を再生する。また、記録又は再生時において、照射光ビームのフォーカシング位置をある記録層から他の記録層へ変更する場合があり、このように記録又は読み取りを行うための照射光ビームのフォーカシング位置(記録読取点位置)を記録層間で移送することを、一般に層間ジャンプ又はフォーカスジャンプと称する。上記したように、光ビームの短波長化、および対物レンズの高NA(Numerical Aperture)化に対応でき、より高精度で安定度の高い光ピックアップ装置や光ピックアップ制御装置の開発が望まれている。
上記した複数の記録層を有する光ディスクの記録又は再生時においては、いずれかの記録層にレーザ光ビームをフォーカシングし、その記録層に信号を記録又はその記録層から信号を再生する。また、記録又は再生時において、照射光ビームのフォーカシング位置をある記録層から他の記録層へ変更する場合があり、このように記録又は読み取りを行うための照射光ビームのフォーカシング位置(記録読取点位置)を記録層間で移送することを、一般に層間ジャンプ又はフォーカスジャンプと称する。上記したように、光ビームの短波長化、および対物レンズの高NA(Numerical Aperture)化に対応でき、より高精度で安定度の高い光ピックアップ装置や光ピックアップ制御装置の開発が望まれている。
従来のフォーカスジャンプを行うピックアップ装置には、フォーカスジャンプの際にフォーカスエラー信号レベルに基づき、加速、減速パルスの発生、終了タイミングを変更する手段を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、フォーカスジャンプ前に、目標層の球面収差が最小になるように収差補正を行い、その後フォーカスジャンプする手段を有するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、層間ジャンプの際には光ビームに収差が発生する。かかる収差はフォーカスエラー信号のバランスに変動を生じさせるため、フォーカスサーボ制御が不安定になるという悪影響を与える。また、球面収差については1/波長(λ)、NAの4乗、層間距離に応じて増減するので、ブルーレイディスクのような高NAで、しかも層数が多くなるほどその影響が大きくなる。また、液晶位相シフタまたはエキスパンダレンズまたはコリメータレンズアクチュエータ駆動方式などの収差補正手段を用いた場合には、フォーカスジャンプに要する時間が数msecであるのに対して収差補正に要する時間は数百msecと非常に長くかかるため問題が生じる。すなわち、フォーカスジャンプと同時に収差補正手段を動かして目的層での収差を補正しようとした場合、ジャンプで到達した先の記録層にフォーカシング位置が移送されてもまだ、収差補正手段はほとんど動いておらず、従って大きな残留収差が残っており、フォーカスエラーのゲインの減少やバランス崩れのため、タイミングずれが発生しやすいばかりでなく、外乱に弱く、最悪の場合にはフォーカス引き込みができないなど、種々の問題が生じる。また、フォーカスジャンプ前にあらかじめ収差補正手段を動かして目的層での収差が補正されるように調整しようとした場合、現在フォーカスサーボ制御を行っている層で大きな残留収差が発生するために、フォーカスエラーのゲインの減少やバランス崩れのため、外乱に弱く、最悪の場合にはフォーカスサーボの制御ができなくなってしまうなど、種々の問題が生じる。
従って、このような悪影響の無い安定した層間ジャンプが可能で高性能なフォーカシング制御装置の開発が重要である。
特開2001−84599号
特開2003−77142号
特開2004−342221号
本発明は、上述した点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、光ビームの収差による悪影響の無い安定した層間ジャンプが可能で高性能なフォーカシング制御装置を提供することにある。
本発明の第1の光ディスク装置は、複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、前記光検出器から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器と、前記バランス補正器の補正量を制御するバランス制御器と、前記バランス補正器の出力信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、バランス補正された前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記バランス補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングと一致しかつ前記バランス補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了タイミングと一致するように前記バランス補正器のバランス補正量を調整するタイミング制御器とを有することを特徴とする。
本発明の第2の光ディスク装置は、複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、前記光検出器から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器と、前記バランス補正器の補正量を制御するバランス制御器と、前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、バランス補正された前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記バランス補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより早くかつ前記バランス補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了前になるように前記バランス補正器のバランス補正量を調整するタイミング制御器とを有することを特徴とする。
本発明の第3の光ディスク装置は、複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、前記光検出器から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器と、前記バランス補正器の補正量を制御するバランス制御器と、前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、バランス補正された前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記バランス補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより遅くかつ前記バランス補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了後になるように前記バランス補正器のバランス補正量を調整するタイミング制御器とを有することを特徴とする。
本発明の第4の光ディスク装置は、複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップのフォーカシング制御装置であって前記光検出器から出力される信号のオフセット量を変更するオフセット補正器と、前記オフセット補正器の補正量を制御するオフセット制御器と、前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、オフセット補正されたフォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記オフセット補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングと一致しかつ前記オフセット補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了タイミングと一致するように前記オフセット補正器のオフセット補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする。
を有することを特徴とする。
本発明の第5の光ディスク装置は、複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、前記光検出器から出力される信号のオフセット量を変更するオフセット補正器と、前記オフセット補正器の補正量を制御するオフセット制御器と、前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、オフセット補正されたフォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記オフセット補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより早くかつ前記オフセット補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了前になるように前記オフセット補正器のオフセット補正量を調整するタイミング制御器とを有することを特徴とする。
本発明の第6の光ディスク装置は、複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、前記光検出器から出力される信号のオフセット量を変更するオフセット補正器と、前記オフセット補正器の補正量を制御するオフセット制御器と、前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、オフセット補正されたフォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記オフセット補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより遅くかつ前記オフセット補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了後になるように前記オフセット補正器のオフセット補正量を調整するタイミング制御器とを有することを特徴とする。
本発明の第1〜第6の光ディスク装置によれば、NAの大きな対物レンズを用いて高密度の層からなる光ディスクに対してフォーカスジャンプ処理を行う場合に、発生した収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れ、もしくはフォーカスエラー信号にオフセットが発生しサーボが外れてしまうような状況でも、フォーカスバランスもしくはフォーカスオフセットを補正することにより、安定に目的とする層へフォーカスジャンプを行うことができる。
また、新規の回路を追加することなく既存の回路を利用することができるため、無駄なコストアップをせずに、システムの実現が可能となる。
以下、本発明の光ディスク装置を各実施の形態に基づいて説明する。
なお、同様もしくは等価な構成ものには同一の符号を付けて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置10を示す。
なお、同様もしくは等価な構成ものには同一の符号を付けて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置10を示す。
このフォーカシング制御装置10は、光ディスク11への記録または光ディスク11からの読み取りに用いられる光ビームのフォーカシング位置の制御を実行する。フォーカシング制御装置10の構成について以下に詳細に説明する。
光ピックアップ12は、光ビーム(LB)を発するレーザ光源(図示しない)および対物レンズ13を有する。レーザ光源からの光ビームは対物レンズ13により光ディスク11の記録層にフォーカシングされる。光ピックアップ12には対物レンズ13を駆動するフォーカスアクチュエータ14が設けられている。また、光ピックアップ12には、光ビームの収差を補正する収差補正デバイス15、および光検出器17が設けられている。光ディスク11で反射された反射光ビームは対物レンズ13により集光され、光検出器17によって受光される。
なお、光ピックアップ12には、対物レンズ13を光ディスク11の半径方向に駆動するトラッキングアクチュエータ(図示しない)が設けられている。また、光ディスク装置には光ピックアップ12を光ディスクの半径方向に駆動するトラバースモータ(図示しない)が設けられている。
フォーカスアクチュエータ14、トラッキングアクチュエータ、トラバースモータ、および収差補正デバイス15は、後述する中央演算処理装置(CPU)25の制御の下、ドライバー回路18によって駆動される。
収差補正デバイス15は、光ディスク11の表面から記録層までのカバー層の厚さや記録層間のスペーサ層の厚さの変動によって発生する収差を補正する。収差補正デバイス15としては、例えば、液晶位相シフタ、ビームエキスパンダ、コリメータレンズアクチュエータ駆動方式などを用いることができる。ビームエキスパンダを用いる場合には、ステッピングモータなどのアクチュエータでビームエキスパンダを駆動することにより収差補正を行うことができる。また、液晶素子を用いる場合には、アナログ駆動信号又はPWM(Pulse Width Modulation)信号などによって液晶の収差補正量を調整することができる。この実施の形態においては、収差補正デバイス15としてビームエキスパンダを用いた場合を例に説明する。
光検出器17は、例えば、複数の受光部を有する受光素子を備えている。例えば、4分割受光素子が用いられる。すなわち、光検出器17としての4分割受光素子は、上記光ディスク11の記録トラックに沿った方向(タンジェンシャル方向)と、記録トラックに直交する方向(ラジアル方向)とによって4分割された4つの受光部(図15のA,B,C,D)を有する。光ディスク11から反射された反射光はこれら4つの受光部の各々によって受光され、夫々が個別に電気信号に変換されて出力される。
光電変換により得られた各光検出信号はバランス補正器22に供給される。バランス補正器22では、光学的もしくは電気的もしくは両方の要因によって発生する信号のアンバランス量が補正される。バランス補正器22でバランス補正された信号は誤差信号生成器21に供給される。
バランス補正器22は、図15によって示される光検出器17からの出力信号“A+D”を増幅する増幅器30と、光検出器17からの出力信号“B+C”を増幅する増幅器31から構成されている。また、バランス補正器22は、バランス制御器27からのバランス補正信号によってそのバランスを調整できるように構成されている。
なお、バランス制御器27にはテーブル算出器27aが設けられている。テーブル算出器27aは、予め設定されたバランステーブル、及び/又はバランス補正値算出部が設けられていてもよい。ここでバランステーブルは、一定時間毎にどれくらいのバランス量を変化させるかと言う値が予めテーブルとして記録されている。また、バランス補正値算出部とは、一定時間ごとのバランス変化量を計算によって算出する。
バランス補正器の動作を図15と図16を用いて説明する。
光ビーム(LB)の焦点を光ディスク11の記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合、図15の光検出器17の出力信号“A+D”は、図16のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。同様に図15の光検出器17の出力信号“B+C”は、図16のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。バランス制御器27によって制御されるバランス補正器22の増幅器30の増幅度が1の場合、増幅器30を通った信号Fbadは信号“A+D”と同じレベルで変化していく。同様に、バランス補正器22の増幅器31の増幅度が1の場合、増幅器31を通った信号Fbbcは信号“B+C”と同じレベルで変化していく。
光ビーム(LB)の焦点を光ディスク11の記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合、図15の光検出器17の出力信号“A+D”は、図16のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。同様に図15の光検出器17の出力信号“B+C”は、図16のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。バランス制御器27によって制御されるバランス補正器22の増幅器30の増幅度が1の場合、増幅器30を通った信号Fbadは信号“A+D”と同じレベルで変化していく。同様に、バランス補正器22の増幅器31の増幅度が1の場合、増幅器31を通った信号Fbbcは信号“B+C”と同じレベルで変化していく。
バランス補正器22によって加工された信号は、誤差信号生成器21に入力される。誤差信号生成器21では、バランス補正器22からの信号Fbbcの極性を反転させた信号(−Fbbc)と信号(Fbad)を加算し、フォーカスエラー信号(FE)を生成する。パターンAでは、“A+D”の信号レベルと“B+C”の信号レベルを同じと仮定して波形を描いている。この場合、フォーカスエラー信号(FE)は基準レベルに対し上下均等にダイナミックレンジが確保されることとなる。
もし、図15の光検出器17の出力信号“A+D”および出力信号“B+C”の信号レベルが、図16のパターンBの信号“A+D”と信号“B+C”の様にアンバランスになっており、しかもバランス制御器27によって制御されるバランス補正器22の増幅器30、増幅器31の増幅度が1であり、フォーカスエラー信号(FE)の振幅がパターンAで示されるフォーカスエラー信号(FE)の振幅と同等である場合を考える。信号“A+D”は信号“B+C”の4倍のレベルであったとすると、図16のパターンBに示されるようにフォーカスエラー信号(FE)のバランスが崩れてしまう。その結果、パターンAの場合のフォーカスエラー信号(FE)に比べてフォーカスエラー信号(FE)の基準レベルより下側のダイナミックレンジが半分となり不足してしまう。外乱により制御が乱された場合、パターンBではパターンAの半分の外乱量に対しフォーカスエラー信号(FE)のダイナミックレンジを越えてしまう。その結果、サーボの制御範囲を越えコントロールできなくなってしまう。
パターンCは、パターンBと同様に信号“A+D”と信号“B+C”の信号レベルがアンバランスになっている。この状態で、バランス制御器27からの信号によりバランス補正器22の増幅度を調整して、Fbadの信号とFbbcの信号が均等になるようにした場合、誤差信号生成器21から出力されるフォーカスエラー信号(FE)は、上下均等にパターンAと同等のダイナミックレンジが確保できるようになり、安定したサーボ制御を行うことが可能となる。
従来のフォーカスジャンプを行うピックアップ装置には、目標層へジャンプした時に、収差の影響でサーボ外れを起こさないようにするために、フォーカスジャンプが完了する前(目標層へのフォーカスオン前)までにフォーカスエラー信号の増幅度を変更して、ゲインを上げる手段を有するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法について、図19および図20を用いて説明する。
図20は、特許文献3で示されるフォーカスエラー信号のゲインを上げる手段を有するフォーカスジャンプ実施方法のブロック図の一部である。また図19は、フォーカスエラー信号のゲインを上げる手段の仕組みを表した図である。
光ビーム(LB)の焦点をディスクの記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合、図20の光検出器17の出力信号“A+D”は、図19に示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。同様に図20の光検出器17の出力信号“B+C”は、図19に示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。信号“A+D”および信号“B+C”は、誤差信号生成器21に入力される。誤差信号生成器21では、信号“B+C”の極性反転させた信号−“B+C”と信号“A+D”を加算し、フォーカスエラー信号(FE)を生成する。ゲイン設定部227によって制御される利得可変増幅器222は、入力されたフォーカスエラー信号(FE)のゲインを増幅し、信号FEgとして出力する。
例えば、図19において信号FEgのゲインをフォーカスエラー信号(FE)のゲインの2倍に設定したい場合、フォーカスエラー信号(FE)のゲインa2/a1に対しFEg信号のゲインa4/a3が2倍になるように、利得可変増幅器222の増幅度を設定することとなる。
しかしながらこの方法の場合、ゲインの過不足を十分に補うことができない。図21は、光ビーム(LB)の焦点をディスクの記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合のフォーカスエラー信号(FE)の波形を示している。球面収差が全くない状態でのFE波形は太い点線で示されるFEsa1、球面収差が発生した場合のFE波形は太い実線で示されるFEsa2、従来例(特許文献3)で示される方法で補正を行った場合のFE波形は細い点線で示されるFEsa3、本発明で示される方法で補正を行った場合のFE波形は一点鎖線で示されるFEsa4で表されている。球面収差が発生した場合、FEsa2に見られるように、FE基準レベルに対する上下の振幅が非対象となりFE信号のバランスが崩れるだけではなく、y1/x1、y2/x2で表されるように基準レベルに対する上下のゲイン(傾き)も異なり、y1/x1≠y2/x2となる。よって、もし、従来例(特許文献3)で示される方法で補正しようとした場合、基準レベルに対する上下のゲインは一律に増幅されてしまう。よって、FEsa3に示されるように基準レベルから下側のゲイン(y1/x1)をFEsa1と同等に補正しようとした場合は、基準レベルから上側のゲイン(y2/x2)が大きくなりすぎてしまい、外乱に対しサーボ制御が敏感に反応したり発振する不具合が発生してしまう。また、基準レベルから上側のゲイン(y2/x2)をFEsa1と同等に補正しようとした場合は、基準レベルから下側のゲイン(y1/x1)が小さくなりすぎてしまい、外乱に対しゲイン不足によりサーボ外れが発生してしまう。
本発明による方法を用いれば、基準レベルより上の信号のゲインと、下の信号のゲインをそれぞれ独立に設定できるため、FEsa4のように上下のゲイン差を最小限に抑えることができ、安定したサーボ制御および、フォーカスジャンプが可能となる。
図15の誤差信号生成器21は、フォーカスエラー信号(FE)およびトラッキングエラー信号(TE)を生成する。すなわち、フォーカスエラー信号(FE)およびトラッキングエラー信号(TE)は、光ディスク上の記録読取目標位置および光ピックアップの記録読取点位置間の誤差を表している。
フォーカスエラー信号FEは、例えば非点収差法によって生成される。すなわち、光学系の非点収差によって生じる対物レンズの焦点位置からのずれとして生成される。また、トラッキングエラー信号TEは、例えばDPD(Differential Phase Detection)法によって生成される。すなわち、トラッキングエラー信号TEは、上記4分割受光素子の対角位置の受光部による受光信号の位相差から生成される。
バランス補正器22によってバランスの補正がなされたフォーカスエラー信号FEは、位相補償器23に供給される。フォーカスエラー信号(FE)は、位相補償器23によって位相補償される。位相補償器23による位相補償後の信号は、フォーカスサーボループをオープン状態およびクローズ状態間で切り換えるループスイッチ24に供給される。
フォーカスエラー信号(FE)は、タイミング制御器26にも供給される。タイミング制御器26は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、フォーカスジャンプ、サーボループ切り換え、バランス変更、収差補正駆動などに関する種々のタイミング信号を生成し、タイミング調整を実行する。なお、タイミング制御器26には、フォーカスエラー信号(FE)の変化の解析やゼロクロス点の検出、検出値と所定値との比較を行うコンパレータ機能、および、計時を行うタイマ(図示しない)が設けられている。また、タイミング制御器26は、装置全体の制御を司るCPU25の制御の下で動作する。
一方、CPU25から発せられる、記録又は読み取りのためにアクセスする記録層の切り換え指令信号(Trig)に応答して、タイミング制御器26において生成されたタイミング信号がジャンプ信号生成器28に供給される。ジャンプ信号生成器28は、フォーカシング位置変更の加速および減速を指令する加速信号、減速信号を含むフォーカシング位置変更の駆動信号(Fdrv)を生成してループスイッチ24に供給する。
ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に基づいて、位相補償器23からの位相補償後の信号および駆動信号(Fdrv)を切り換えてドライバー回路18に供給する。
タイミング制御器26は、CPU25の制御の下、バランス補正器22のバランスを変更、調整するためのバランス変更信号(Ecnt)、例えば後述する収差補正カウント値を含む信号をバランス制御器27に供給する。また、タイミング制御器26は、収差補正のタイミング信号を収差補正駆動信号生成器29に供給する。収差補正駆動信号生成器29は、タイミング制御器26からのタイミング信号に応答して収差補正駆動信号(Edrv)を生成し、ドライバー回路18に供給する。
以下に、図2に示すフローチャートおよび図3に示すタイミングチャートを参照してフォーカシング制御装置10の動作について詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、4つの記録層を有する4層光ディスクを例に説明する。すなわち、光ディスク11は、第1記録層(L0層)から第4記録層(L3層)を有している。
まず、記録層の切り換え指令(Trig)がCPU25から発せられると(ステップS11)、L3層へフォーカスジャンプを行う準備のため、ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が駆動されL3層に対する球面収差補正が実行される(ステップS12)と共に、Fbalaに示されるようなタイミング(t11)で、L0層で発生する球面収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れを補うためのバランス補正が開始される。なお、ビームエキスパンダ15を駆動するステッピングモータのパルスカウント値(Ecnt)がバランス制御器27に供給される。
フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前に、あらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15のみを駆動し調節した場合、L0層での収差が大きくなりそのためフォーカスエラーのバランス崩れやオフセットの増大もしくはその両方の影響によりサーボが不安定になり制御できなくなってしまう。つまり、バランス補正(バランス調整)を行わない場合の誤差信号生成器21からのフォーカスエラー信号(FEb)は、球面収差の影響にて、バランス崩れが発生する。この時点(FE1)では、まだフォーカスサーボをクローズしているタイミングであるため、フォーカスエラー信号(FEb)のバランス崩れにより外乱に弱くなるばかりでなく、最悪の場合にはフォーカスサーボ制御ができないなど種々の問題が生じる。
一方、フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15を駆動し調節すると共に、現在層および目的層においてバランス崩れが生じないようにバランス補正を行った場合のフォーカスエラー信号は、FEで示されるようにフォーカスエラー信号のバランスがとれ、安定したサーボ制御が行えるようになる。
次に、収差補正が終了したか否かとフォーカスバランスが所定量まで補正されたが判別される(ステップS13)。収差補正が終了しかつ、フォーカスバランスが所定量まで補正されたと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、バランス補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了する時点で終了し、その時点でバランス補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように変更するのが好ましい。
前記ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が所定量まで駆動され、かつ前記フォーカスバランスが所定量まで補正された(ステップS13)後に、タイミング制御器26からフォーカスサーボループをオープンとすることを指定する信号(Fopen)が発せられる。ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に応答してフォーカスサーボループをオープン状態に切り換える(ステップS14)。
より詳細には、サーボループをオープン状態に切り換えた(ステップS14)後、L0層からL3層へのフォーカスジャンプを開始する(ステップS15)。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、バランス補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、バランス補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
次に、前記フォーカスバランスの補正を開始する(ステップS16)。フォーカスバランスの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御される(ステップS17)。
次に、フォーカスジャンプが終了したか否かが判別される(ステップS18)。かかる判別は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、タイミング制御器26によってなされる。フォーカスジャンプが終了したと判別された場合には、すなわちタイミング制御器26からの信号(Fopen)の立ち下がりエッジに応答して、ループスイッチ24は、フォーカスサーボループをクローズ状態に切り換える(ステップS19)。
この実施の形態においては、バランス補正器22によりフォーカスエラー信号(FE)のバランスを補正し、バランス補正を行った後のフォーカスエラー信号(FE)を用いてフォーカシング位置制御を行っている。図3に模式的に示すように、フォーカスジャンプを開始してからフォーカスジャンプを終了するまで、バランス補正値(Fbala)を変更している。つまり、バランスは比較的急激に変更される。バランス補正(Fbala)は、予め設定され、バランス制御器27内に設けられたテーブル算出器27aのバランステーブルに従って実行される。なお、バランステーブルには、一定時間毎にどれくらいのバランス量を変化させるかという値が予めテーブルとして記録されている。または、現在値と目標値の2点間を線形補完した値を用いてバランス補正を行ってもよい。具体的には、一定時間毎のバランス変化量を計算によって算出して補正する。
この実施の形態においては、記録層切り換え処理の開始(Trig)とともにバランス補正および収差補正をそれぞれt11,t12で同時に開始している。また、L3層に対するバランスの変更は、フォーカスジャンプの開始から終了までの間に行われる。すなわち、フォーカスジャンプに要する時間と同等以下の短い期間にバランスの変更を終了させている。
この実施の形態によれば、層間ジャンプ前に残留収差が存在していても、バランス補正によってサーボ信号のバランスを適切に保つことができる。また、フォーカスジャンプが終了して目標の層に到達するまでに目標層における最適なバランス値に収束できるため、外乱に強く、安定な層間ジャンプを実行することができる。また、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能である。
なお、L0層からL3層へのフォーカスジャンプの場合について説明したが、L3層からL0層へのフォーカスジャンプの場合でも同様である。また、4層光ディスクを例に説明したが、それ以外の複数の記録層を有する光ディスクの場合にも適用可能である。すなわち、複数の記録層のうち、いずれかの記録層から他の記録層のいずれかにジャンプする場合に適用可能である。
なお、この実施の形態において、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t14に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点t16においてバランス補正器22のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成し、フォーカスバランスの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御されることとしているが、更にフォーカスジャンプの精度を向上させるために、タイミング制御器26を、収差補正値の変更終了t14に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される(図3のタイミングFE2)前までにバランス補正器22のバランス補正量が目標層に対する所定量に達する(t15)よう構成してもよい。
即ち、図3に模式的に示すように、フォーカスジャンプ開始後FE2で示すところの目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値Fbalbのように目標層に適した値に収束させるよう制御する。
フォーカスジャンプブレーキPDは、目標とする層に対するFE信号のレベルが所定量を超えたと判断されたときに出力されるようタイミングを制御される方式が考案されている。このような場合、収差による影響で、FE信号のバランスが崩れていた場合、フォーカスジャンプブレーキPDを出力するタイミングが本来のタイミングとずれてしまい、フォーカスジャンプが不安定になってしまう。
そこで上記のように、フォーカスジャンプをより安定に行うために、フォーカスバランスの補正を目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値をFbalbのように目標層に適した値に収束させるよう制御することで、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能になる。
なお、図3に記載のFposは、レーザービームの焦点位置がディスク面と垂直方向の軸のどこに位置するかを示している。また、Eposは、球面収差補正装置の補正量がディスク面と垂直方向の軸のどこに調整されているかを示している。図1のEdrvは収差補正駆動信号生成器29から出力される信号である。
(実施の形態2)
図4と図5は本発明の実施の形態2の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置10を示す。なお、フォーカシング制御装置10のブロック図の記載は図1に示した実施の形態1の場合と同様である。
図4と図5は本発明の実施の形態2の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置10を示す。なお、フォーカシング制御装置10のブロック図の記載は図1に示した実施の形態1の場合と同様である。
ここでは、図2と図3に代わる図4に示すフローチャートおよび図5に示すタイミングチャートを参照してフォーカシング制御装置10の動作を詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、4つの記録層を有する4層光ディスクを例に説明する。すなわち、光ディスク11は、第1記録層(L0層)から第4記録層(L3層)を有している。
まず、記録層の切り換え指令(Trig)がCPU25から発せられると(ステップS111)、Fbalaに示されるようなタイミングで、バランス補正を開始する。このバランス補正は、後に動作するビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15によってL0層で発生する球面収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れを補うためにあらかじめ行う。
次に、バランス補正が所定値(Ecnt3)に達したか否かが判別される(ステップS120)。前記所定値(Ecnt3)は、サーボが外れない程度の量としてあらかじめ決定されたFbalの変更量を使用する。
バランス補正が前記所定値(Ecnt3)に達したのを確認した(ステップS121)後、ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が駆動されL3層に対する球面収差補正が実行される(ステップS112)。なお、ビームエキスパンダ15を駆動するステッピングモータのパルスカウント値(Ecnt)がバランス制御器27に供給される。
フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15のみを駆動し調節した場合、L0層での収差が大きくなりそのためフォーカスエラーのバランス崩れやオフセットの増大もしくはその両方の影響によりサーボが不安定になり制御できなくなってしまう。つまり、バランス補正(バランス調整)を行わない場合の誤差信号生成器21からのフォーカスエラー信号(FEb)は、球面収差の影響にて、バランス崩れが発生する。この時点(FE1)では、まだフォーカスサーボをクローズしているタイミングであるため、フォーカスエラー信号(FEb)のバランス崩れにより外乱に弱くなるばかりでなく、最悪の場合にはフォーカスサーボ制御ができないなど種々の問題が生じる。
一方、フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15を駆動し調節すると共に、現在層および目的層においてバランス崩れが生じないようにバランス補正を行った場合のフォーカスエラー信号は、FEで示されるようにフォーカスエラー信号のバランスがとれ、安定したサーボ制御が行えるようになる。
次に、バランス補正が終了したか否かが判別される(ステップS122)。バランス補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。
次に、収差補正が終了したか否かが判別される(ステップS113)。収差補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、バランス補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了する前までに終了し、その時点でバランス補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
次に、収差補正が終了したか否かが判別される(ステップS113)。収差補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、バランス補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了する前までに終了し、その時点でバランス補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
前記ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が所定量まで駆動された(ステップS113)後に、タイミング制御器26からフォーカスサーボループをオープンとすることを指定する信号(Fopen)が発せられる。ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に応答してフォーカスサーボループをオープン状態に切り換える(ステップS114)。
より詳細には、サーボループをオープン状態に切り換えた(ステップS114)後、L0層からL3層へのフォーカスジャンプを開始する(ステップS115)。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、バランス補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、バランス補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
次に、前記フォーカスバランスの補正を開始する(ステップS116)。フォーカスバランスの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御される(ステップS117)。
次に、フォーカスジャンプが終了したか否かが判別される(ステップS118)。かかる判別は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、タイミング制御器26によってなされる。フォーカスジャンプが終了したと判別された場合には、すなわちタイミング制御器26からの信号(Fopen)の立ち下がりエッジに応答して、ループスイッチ24は、フォーカスサーボループをクローズ状態に切り換える(ステップS119)。
この実施の形態においては、バランス補正器22によりフォーカスエラー信号(FE)のバランスを補正し、バランス補正を行った後のフォーカスエラー信号(FE)を用いてフォーカシング位置制御を行っている。図5に模式的に示すように、フォーカスジャンプを開始してからフォーカスジャンプを終了するまで、バランス補正値(Fbala)を変更している。つまり、バランスは比較的急激に変更される。バランス補正値(Fbala)は、予め設定され、バランス制御器27内に設けられたバランステーブルに従って実行される。または、現在値と目標値の2点間を線形補完した値を用いてバランス補正を行ってもよい。
この実施の形態においては、記録層切り換え処理の開始(Trig)とともにバランス補正をt11で同時に開始し、その後に収差補正をt12で開始している。また、L3層に対するバランスの変更は、収差補正の開始後からフォーカスジャンプ終了までの間に行われるが、フォーカスジャンプに要する時間とほぼ同等の短い期間にバランスの変更を終了させている。
この実施の形態によれば、層間ジャンプ前に残留収差が存在していても、バランス補正によってサーボ信号のバランスを適切に保つことができる。また、フォーカスジャンプが終了して目標の層に到達するまでに目標層における最適なバランス値に収束できるため、外乱に強く、安定な層間ジャンプを実行することができる。また、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能である。
L0層からL3層へのフォーカスジャンプの場合について説明したが、L3層からL0層へのフォーカスジャンプの場合でも同様である。また、4層光ディスクを例に説明したが、それ以外の複数の記録層を有する光ディスクの場合にも適用可能である。すなわち、複数の記録層のうち、いずれかの記録層から他の記録層のいずれかにジャンプする場合にも適用可能である。
なお、この実施の形態において、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t14に応答してフォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点t16においてバランス補正器22のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成し、フォーカスバランスの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御されることとしているが、更にフォーカスジャンプの精度を向上させるために、タイミング制御器26を、収差補正値の変更終了t14に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される(図5のタイミングFE2)前までにバランス補正器22のバランス補正量が目標層に対する所定量に達する(t15)よう構成してもよい。
即ち、図5に模式的に示すように、フォーカスジャンプ開始後FE2で示すところの目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値Fbalbのように目標層に適した値に収束させるよう制御する。
フォーカスジャンプブレーキPDは、目標とする層に対するFE信号のレベルが所定量を超えたと判断されたときに出力されるようタイミングを制御される方式が考案されている。このような場合、収差による影響で、FE信号のバランスが崩れていた場合、フォーカスジャンプブレーキPDを出力するタイミングが本来のタイミングとずれてしまい、フォーカスジャンプが不安定になってしまう。
そこで上記のように、フォーカスジャンプをより安定に行うために、フォーカスバランスの補正を目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値をFbalbのように目標層に適した値に収束させるよう制御することで、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能になる。
(実施の形態3)
図6と図7は本発明の実施の形態3の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置10を示す。なお、フォーカシング制御装置10のブロック図の記載は図1に示した実施の形態1の場合と同様である。
図6と図7は本発明の実施の形態3の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置10を示す。なお、フォーカシング制御装置10のブロック図の記載は図1に示した実施の形態1の場合と同様である。
ここでは、図2と図3に代わる図6に示すフローチャートおよび図7に示すタイミングチャートを参照してフォーカシング制御装置10の動作を詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、4つの記録層を有する4層光ディスクを例に説明する。すなわち、光ディスク11は、第1記録層(L0層)から第4記録層(L3層)を有している。
まず、記録層の切り換え指令(Trig)がCPU25から発せられると(ステップS211)、収差補正を開始する(ステップS212)。
次に、収差補正が所定値(Ecnt5)に達したか否かが判別される(ステップS221)。前記所定値(Ecnt5)は、サーボが外れない程度の量としてあらかじめ決定された収差補正の変更量を使用する。
次に、収差補正が所定値(Ecnt5)に達したか否かが判別される(ステップS221)。前記所定値(Ecnt5)は、サーボが外れない程度の量としてあらかじめ決定された収差補正の変更量を使用する。
なお、ビームエキスパンダ15を駆動するステッピングモータのパルスカウント値(Ecnt)がバランス制御器27に供給される。収差補正が前記所定値(Ecnt5)に達したのを確認した(ステップS221)後、Fbalaに示されるようなタイミングで、バランス補正を開始する(ステップS220)。このバランス補正は、動作しているビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15によってL0層で発生する球面収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れを補うために行う。
フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15のみを駆動し調節した場合、L0層での収差が大きくなりそのためフォーカスエラーのバランス崩れやオフセットの増大もしくはその両方の影響によりサーボが不安定になり制御できなくなってしまう。つまり、バランス補正(バランス調整)を行わない場合の誤差信号生成器21からのフォーカスエラー信号(FEb)は、球面収差の影響にて、バランス崩れが発生する。この時点(FE1)では、まだフォーカスサーボをクローズしているタイミングであるため、フォーカスエラー信号(FEb)のバランス崩れにより外乱に弱くなるばかりでなく、最悪の場合にはフォーカスサーボ制御ができないなど種々の問題が生じる。
一方、フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15を駆動し調節すると共に、現在層および目的層においてバランス崩れが生じないようにバランス補正を行った場合のフォーカスエラー信号は、FEで示されるようにフォーカスエラー信号のバランスがとれ、安定したサーボ制御が行えるようになる。
次に、収差補正が終了したか否かが判別される(ステップS213)。収差補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。
次に、ジャンプ前バランス補正が終了したか否かが判別される(ステップS222)。バランス補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、バランス補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了した後に終了し、その時点でバランス補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
次に、ジャンプ前バランス補正が終了したか否かが判別される(ステップS222)。バランス補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、バランス補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了した後に終了し、その時点でバランス補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
前記バランスが所定量まで補正された(ステップS222)後に、タイミング制御器26からフォーカスサーボループをオープンとすることを指定する信号(Fopen)が発せられる。ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に応答してフォーカスサーボループをオープン状態に切り換える(ステップS214)。
より詳細には、サーボループをオープン状態に切り換えた(ステップS214)後、L0層からL3層へのフォーカスジャンプを開始する(ステップS215)。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、バランス補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、バランス補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
次に、前記フォーカスバランスの補正を開始する(ステップS216)。フォーカスバランスの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御される(ステップS217)。
次に、フォーカスジャンプが終了したか否かが判別される(ステップS218)。かかる判別は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、タイミング制御器26によってなされる。フォーカスジャンプが終了したと判別された場合には、すなわちタイミング制御器26からの信号(Fopen)の立ち下がりエッジに応答して、ループスイッチ24は、フォーカスサーボループをクローズ状態に切り換える(ステップS219)。
この実施の形態においては、バランス補正器22によりフォーカスエラー信号(FE)のバランスを補正し、バランス補正を行った後のフォーカスエラー信号(FE)を用いてフォーカシング位置制御を行っている。図7に模式的に示すように、フォーカスジャンプを開始してからフォーカスジャンプを終了するまで、バランス補正値(Fbala)を変更している。つまり、バランスは比較的急激に変更される。バランス補正(Fbala)は、予め設定され、バランス制御器27内に設けられたバランステーブルに従って実行される。または、現在値と目標値の2点間を線形補完した値を用いてバランス補正を行ってもよい。
この実施の形態においては、記録層切り換え処理の開始(Trig)とともに収差補正をt12で開始し、その後バランス補正をt11で開始している。また、L3層に対するバランスの変更は、フォーカスジャンプの開始から終了までの間に行われるが、フォーカスジャンプに要する時間と同等以下の短い期間にバランスの変更を終了させている。
この実施の形態によれば、層間ジャンプ前に残留収差が存在していても、バランス補正によってサーボ信号のバランスを適切に保つことができる。また、フォーカスジャンプが終了して目標の層に到達するまでに目標層における最適なバランス値に収束できるため、外乱に強く、安定な層間ジャンプを実行することができる。また、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能である。
L0層からL3層へのフォーカスジャンプの場合について説明したが、L3層からL0層へのフォーカスジャンプの場合でも同様である。また、4層光ディスクを例に説明したが、それ以外の複数の記録層を有する光ディスクの場合にも適用可能である。すなわち、複数の記録層のうち、いずれかの記録層から他の記録層のいずれかにジャンプする場合にも適用可能である。
なお、この実施の形態において、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t14に応答してフォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点t16においてバランス補正器22のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成し、フォーカスバランスの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御されることとしているが、更にフォーカスジャンプの精度を向上させるために、タイミング制御器26を、収差補正値の変更終了t14に応答してフォーカスジャンプを開始させると共に、フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される(図7のタイミングFE2)前までにバランス補正器22のバランス補正量が目標層に対する所定量に達する(t15)よう構成してもよい。
即ち、図7に模式的に示すように、フォーカスジャンプ開始後FE2で示すところの目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値Fbalbのように目標層に適した値に収束させるよう制御する。
フォーカスジャンプブレーキPDは、目標とする層に対するFE信号のレベルが所定量を超えたと判断されたときに出力されるようタイミングを制御される方式が考案されている。このような場合、収差による影響で、FE信号のバランスが崩れていた場合、フォーカスジャンプブレーキPDを出力するタイミングが本来のタイミングとずれてしまい、フォーカスジャンプが不安定になってしまう。
そこで上記のように、フォーカスジャンプをより安定に行うために、フォーカスバランスの補正を目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値をFbalbのように目標層に適した値に収束させるよう制御することで、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能になる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置111を示す。実施の形態1ではバランス補正器22を光ピックアップ12の後段に設けて目的とする層へ安定にフォーカスジャンプできるように構成したが、この実施の形態4ではバランス補正器22に代わってオフセット補正器122を光ピックアップ12の後段に設けて安定にフォーカスジャンプできるように構成している点が異なっている。
図8は、本発明の実施の形態4の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置111を示す。実施の形態1ではバランス補正器22を光ピックアップ12の後段に設けて目的とする層へ安定にフォーカスジャンプできるように構成したが、この実施の形態4ではバランス補正器22に代わってオフセット補正器122を光ピックアップ12の後段に設けて安定にフォーカスジャンプできるように構成している点が異なっている。
このフォーカシング制御装置111は、光ディスク11への記録又は光ディスク11からの読み取りに用いられる光ビームのフォーカシング位置の制御を実行する。フォーカシング制御装置111の構成について以下に詳細に説明する。
光ピックアップ12は、光ビーム(LB)を発するレーザ光源(図示しない)および対物レンズ13を有する。レーザ光源からの光ビームは対物レンズ13により光ディスク11の記録層にフォーカシングされる。光ピックアップ12には対物レンズ13を駆動するフォーカスアクチュエータ14が設けられている。また、光ピックアップ12には、光ビームの収差を補正する収差補正デバイス15、および光検出器17が設けられている。光ディスク11で反射された反射光ビームは対物レンズ13により集光され、光検出器17によって受光される。
なお、光ピックアップ12には、対物レンズを光ディスクの半径方向に駆動するトラッキングアクチュエータ(図示しない)が設けられている。また、光ピックアップ12を光ディスクの半径方向に駆動するトラバースモータ(図示しない)が設けられている。
上記したフォーカスアクチュエータ14、トラッキングアクチュエータ、トラバースモータ、および収差補正デバイス15は、後述する中央演算処理装置(CPU)25の制御の下、ドライバー回路18によって駆動される。
収差補正デバイス15は、光ディスク11の表面から記録層までのカバー層の厚さや記録層間のスペーサ層の厚さの変動によって発生する収差を補正する。収差補正デバイス15としては、例えば、液晶位相シフタ、ビームエキスパンダ、コリメータレンズアクチュエータ駆動方式などを用いることができる。ビームエキスパンダを用いる場合には、ステッピングモータなどのアクチュエータでビームエキスパンダを駆動することにより収差補正を行うことができる。また、液晶素子を用いる場合には、アナログ駆動信号又はPWM(Pulse Width Modulation)信号などによって液晶の収差補正量を調整することができる。この実施の形態においては、収差補正デバイス15としてビームエキスパンダを用いた場合を例に説明する。
光検出器17は、例えば、複数の受光部を有する受光素子を備えている。例えば、4分割受光素子が用いられる。すなわち、光検出器17としての4分割受光素子は、上記光ディスク11の記録トラックに沿った方向(タンジェンシャル方向)と、記録トラックに直交する方向(ラジアル方向)とによって4分割された4つの受光部(図17のA,B,C,D)を有する。光ディスク11から反射された反射光はこれら4つの受光部の各々によって受光され、夫々が個別に電気信号に変換されて出力される。
光電変換により得られた各光検出信号としてオフセット補正器122に供給され、ここで光学的もしくは電気的もしくは両方の要因によって発生する信号のオフセットずれ量が補正される。オフセット補正器122でオフセット補正された信号は誤差信号生成器21に供給される。
オフセット補正器122は、図17によって示される光検出器17からの出力信号“A+D”にオフセットを加算する加算器32と光検出器17からの出力信号“B+C”にオフセットを加算する加算器33から構成されている。また、オフセット補正器122は、オフセット制御器127からのオフセット補正信号によってそのオフセットを調整することができるように構成されている。
なお、オフセット制御器127には、予め設定されたオフセットテーブル127a、及び/又はオフセット補正値算出部が設けられていてもよい。バランス制御器127にはテーブル算出器127aが設けられている。テーブル算出器127aは、予め設定されたオフセットテーブル、及び/又はオフセット補正値算出部が設けられていてもよい。ここでオフセットテーブルは、一定時間毎にどれくらいのオフセット量を変化させるかと言う値が予めテーブルとして記録されている。また、オフセット補正値算出部とは、一定時間ごとのオフセット変化量を計算によって算出する。
オフセット補正器122の動作を図17と図18を用いて説明する。
光ビーム(LB)の焦点を光ディスク11の記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合、図17の光検出器17の出力信号“A+D”は、図18のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。同様に図17の光検出器17の出力信号“B+C”は、図18のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。オフセット制御器127によって制御されるオフセット補正器122の加算器32の加算量が“0”の場合、加算器を通った信号Foadは信号“A+D”と同じレベルで変化していく。同様に、オフセット補正器122の加算器33の加算量が“0”の場合、加算器を通った信号Fobcは信号“B+C”と同じレベルで変化していく。オフセット補正器122によって加工された信号は、誤差信号生成器21に入力される。誤差信号生成器21では、オフセット補正器122からの信号Fobcの極性を反転させた信号(−Fobc)と信号Foadを加算し、フォーカスエラー信号(FE)を生成する。パターンAでは、“A+D”の信号レベルと“B+C”の信号レベルを同じと仮定して波形を描いている。この場合フォーカスエラー信号(FE)は基準レベルに対し上下均等にダイナミックレンジが確保されることとなる。
光ビーム(LB)の焦点を光ディスク11の記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合、図17の光検出器17の出力信号“A+D”は、図18のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。同様に図17の光検出器17の出力信号“B+C”は、図18のパターンAに示されるように記録面に対する合焦点f0付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。オフセット制御器127によって制御されるオフセット補正器122の加算器32の加算量が“0”の場合、加算器を通った信号Foadは信号“A+D”と同じレベルで変化していく。同様に、オフセット補正器122の加算器33の加算量が“0”の場合、加算器を通った信号Fobcは信号“B+C”と同じレベルで変化していく。オフセット補正器122によって加工された信号は、誤差信号生成器21に入力される。誤差信号生成器21では、オフセット補正器122からの信号Fobcの極性を反転させた信号(−Fobc)と信号Foadを加算し、フォーカスエラー信号(FE)を生成する。パターンAでは、“A+D”の信号レベルと“B+C”の信号レベルを同じと仮定して波形を描いている。この場合フォーカスエラー信号(FE)は基準レベルに対し上下均等にダイナミックレンジが確保されることとなる。
もし、図17の光検出器17の出力信号“A+D”および出力信号“B+C”の信号レベルが、図18のパターンBの信号“A+D”と信号“B+C”の様にオフセットが発生した状態になっており、しかもオフセット制御器127によって制御されるオフセット補正器122の加算器32,33の加算量が“0”であり、フォーカスエラー信号(FE)の振幅がパターンAで示されるフォーカスエラー信号(FE)の振幅と同等である場合を考える。信号“A+D”、信号“B+C”共に図のようにオフセットが発生していたとすると、図18のパターンBに示されるようにフォーカスエラー信号(FE)のオフセットが崩れてしまう。その結果、パターンAの場合のフォーカスエラー信号(FE)に比べてフォーカスエラー信号(FE)の基準レベルより下側のダイナミックレンジが不足してしまう。外乱により制御が乱された場合、パターンBではパターンAの半分以下の外乱量に対しフォーカスエラー信号(FE)のダイナミックレンジを越えてしまう。その結果、サーボの制御範囲を越えコントロールできなくなってしまう。
パターンCは、パターンBと同様に信号“A+D”と信号“B+C”の信号にオフセットが発生した状態になっている。この状態で、オフセット制御器127からの信号によりオフセット補正器122の加算量を調整して、Foadの信号とFobc信号のオフセットがキャンセルされるようにした場合、誤差信号生成器21から出力されるフォーカスエラー信号(FE)は、上下均等にパターンAと同等のダイナミックレンジが確保できるようになり、安定したサーボ制御を行うことが可能となる。
従来のフォーカスジャンプを行うピックアップ装置には、目標層へジャンプした時に、収差の影響でサーボ外れを起こさないようにするために、フォーカスジャンプが完了する前(目標層へのフォーカスオン前)までにフォーカスエラー信号の増幅度を変更して、ゲインを上げる手段を有するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法について、図19および図20を用いて説明する。
図20は、特許文献3で示されるフォーカスエラー信号のゲインを上げる手段を有するフォーカスジャンプ実施方法のブロック図の一部である。また図19は、フォーカスエラー信号のゲインを上げる手段の仕組みを表した図である。
光ビーム(LB)の焦点をディスクの記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合、図20の光検出器17の出力信号“A+D”は、図19に示されるように記録面に対する合焦点付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。同様に図20の光検出器17の出力信号“B+C”は、図19に示されるように記録面に対する合焦点付近で信号レベルが高くなり、更に近づくと下がっていく。信号“A+D”および信号“B+C”は、誤差信号生成器21に入力される。誤差信号生成器21では、信号“B+C”の極性反転させた信号−“B+C”と信号“A+D”)を加算し、フォーカスエラー信号(FE)を生成する。ゲイン設定部227によって制御される利得可変増幅器222は、入力されたフォーカスエラー信号(FE)のゲインを増幅し、FEg信号として出力する。
例えば、図19においてFEg信号のゲインをフォーカスエラー信号(FE)のゲインの2倍に設定したい場合、フォーカスエラー信号(FE)のゲインa2/a1に対しFEg信号のゲインa4/a3が2倍になるように、利得可変増幅器222の増幅度を設定することとなる。
しかしながらこの方法の場合、ゲインの過不足を十分に補うことができない。図22は、光ビーム(LB)の焦点をディスクの記録面に対して垂直方向の軸上に沿って、離れている場所から徐々に記録面に移動させた場合のフォーカスエラー信号(FE)の波形を示している。球面収差が全くない状態でのFE波形は太い点線で示されるFEsa1、球面収差が発生した場合のFE波形は太い実線で示されるFEsa2、従来例(特許文献3)で示される方法で補正を行った場合のFE波形は細い点線で示されるFEsa3、本発明で示される方法で補正を行った場合のFE波形は一点鎖線で示されるFEsa5で表されている。球面収差が発生した場合、FEsa2に見られるように、FE基準レベルに対する上下の振幅が非対象となりFE信号のバランスが崩れるだけではなく、y1/x1、y2/x2で表されるように基準レベルに対する上下のゲイン(傾き)も異なり、y1/x1≠y2/x2となる。よって、もし、従来例(特許文献3)で示される方法で補正しようとした場合、基準レベルに対する上下のゲインは一律に増幅されてしまう。よって、FEsa3に示されるように基準レベルから下側のゲイン(y1/x1)をFEsa1と同等に補正しようとした場合は、基準レベルから上側のゲイン(y2/x2)が大きくなりすぎてしまい、外乱に対しサーボ制御が敏感に反応したり発振する不具合が発生してしまう。また、基準レベルから上側のゲイン(y2/x2)をFEsa1と同等に補正しようとした場合は、基準レベルから下側のゲイン(y1/x1)が小さくなりすぎてしまい、外乱に対しゲイン不足によりサーボ外れが発生してしまう。
本発明による方法を用いれば、FE信号にオフセットを加算することにより、FE波形を上下方向にシフトさせ、FE信号の傾きが上下同等になる部分を選択的に使用できるようになる。こうすることにより、基準レベルより上の信号のゲインと、下の信号のゲインが同等になる様調整できるため、FEsa5のように上下のゲイン差を最小限に抑えることができ、安定したサーボ制御および、フォーカスジャンプが可能となる。
図17の誤差信号生成器21は、フォーカスエラー信号(FE)およびトラッキングエラー信号(TE)を生成する。すなわち、フォーカスエラー信号(FE)およびトラッキングエラー信号(TE)は、光ディスク上の記録読取目標位置および光ピックアップの記録読取点位置間の誤差を表している。
フォーカスエラー信号FEは、例えば非点収差法によって生成される。すなわち、光学系の非点収差によって生じる対物レンズの焦点位置からのずれとして生成される。また、トラッキングエラー信号TEは、例えばDPD(Differential Phase Detection)法によって生成される。すなわち、トラッキングエラー信号TEは、上記4分割受光素子の対角位置の受光部による受光信号の位相差から生成される。
オフセット補正器122によってオフセットの補正がなされたフォーカスエラー信号FEは、位相補償器23に供給される。フォーカスエラー信号(FE)は、位相補償器23によって位相補償される。位相補償器23による位相補償後の信号は、フォーカスサーボループをオープン状態およびクローズ状態間で切り換えるループスイッチ24に供給される。
フォーカスエラー信号(FE)は、タイミング制御器26にも供給される。タイミング制御器26は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、フォーカスジャンプ、サーボループ切り換え、オフセット変更、収差補正駆動などに関する種々のタイミング信号を生成し、タイミング調整を実行する。なお、タイミング制御器26には、フォーカスエラー信号(FE)の変化の解析やゼロクロス点の検出、検出値と所定値との比較を行うコンパレータ機能、および、計時を行うタイマ(図示しない)が設けられている。また、タイミング制御器26は、装置全体の制御を司るCPU25の制御の下で動作する。
一方、CPU25から発せられる、記録または読み取りのためにアクセスする記録層の切り換え指令信号(Trig)に応答してタイミング制御器26において生成されたタイミング信号がジャンプ信号生成器28に供給される。ジャンプ信号生成器28は、フォーカシング位置変更の加速および減速を指令する加速信号、減速信号を含むフォーカシング位置変更の駆動信号(Fdrv)を生成してループスイッチ24に供給する。
ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に基づいて、位相補償器23からの位相補償後の信号および駆動信号(Fdrv)を切り換えてドライバー回路18に供給する。
タイミング制御器26は、CPU25の制御の下、オフセット補正器122のオフセットを変更、調整するためのオフセット変更信号(Ecnt)、例えば後述する収差補正カウント値を含む信号をオフセット制御器127に供給する。また、タイミング制御器26は、収差補正のタイミング信号を収差補正駆動信号生成器29に供給する。収差補正駆動信号生成器29は、タイミング制御器26からのタイミング信号に応答して収差補正駆動信号(Edrv)を生成し、ドライバー回路18に供給する。
以下に、図9に示すフローチャートおよび図10に示すタイミングチャートを参照してフォーカシング制御装置111の動作について詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、4つの記録層を有する4層光ディスクを例に説明する。すなわち、光ディスク11は、第1記録層(L0層)から第4記録層(L3層)を有している。
まず、記録層の切り換え指令(Trig)がCPU25から発せられると(ステップS311)、L3層へフォーカスジャンプを行う準備のため、ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が駆動されL3層に対する球面収差補正が実行される(ステップS312)と共に、Fofsaに示されるようなタイミング(t11)で、L0層で発生する球面収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れを補うためのオフセット補正が開始される。なお、ビームエキスパンダ15を駆動するステッピングモータのパルスカウント値(Ecnt)がオフセット制御器127に供給される。
フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15のみを駆動し調節した場合、L0層での収差が大きくなりそのためフォーカスエラーのバランス崩れやオフセットの増大もしくはその両方の影響によりサーボが不安定になり制御できなくなってしまう。つまり、オフセット補正(オフセット調整)を行わない場合の誤差信号生成器21からのフォーカスエラー信号(FEo)は、球面収差の影響にて、バランス崩れが発生する。この時点(FE11)では、まだフォーカスサーボをクローズしているタイミングであるため、フォーカスエラー信号(FEo)のバランス崩れにより外乱に弱くなるばかりでなく、最悪の場合にはフォーカスサーボ制御ができないなど種々の問題が生じる。
一方、フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15を駆動し調節すると共に、現在層および目的層においてバランス崩れが生じないようにオフセット補正を行った場合のフォーカスエラー信号は、FEで示されるようにフォーカスエラー信号のバランスがとれ、安定したサーボ制御が行えるようになる。
次に、収差補正が終了したか否かとフォーカスオフセットが所定量まで補正されたが判別される(ステップS313)。収差補正が終了しかつ、フォーカスオフセットが所定量まで補正されたと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、オフセット補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了する時点で終了し、その時点でオフセット補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように変更するのが好ましい。
前記ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が所定量まで駆動され、かつ前記フォーカスオフセットが所定量まで補正された(ステップS313)後に、タイミング制御器26からフォーカスサーボループをオープンとすることを指定する信号(Fopen)が発せられる。ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に応答してフォーカスサーボループをオープン状態に切り換える(ステップS314)。
より詳細には、サーボループをオープン状態に切り換えた(ステップS314)後、L0層からL3層へのフォーカスジャンプを開始する(ステップS315)。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、オフセット補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、オフセット補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
次に、前記フォーカスオフセットの補正を開始する(ステップS316)。フォーカスオフセットの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御される(ステップS317)。
次に、フォーカスジャンプが終了したか否かが判別される(ステップS318)。かかる判別は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、タイミング制御器26によってなされる。フォーカスジャンプが終了したと判別された場合には、すなわちタイミング制御器26からの信号(Fopen)の立ち下がりエッジに応答して、ループスイッチ24は、フォーカスサーボループをクローズ状態に切り換える(ステップS319)。
この実施の形態においては、オフセット補正器122によりフォーカスエラー信号(FE)のオフセットを補正し、オフセット補正を行った後のフォーカスエラー信号(FE)を用いてフォーカシング位置制御を行っている。図10に模式的に示すように、フォーカスジャンプを開始してからフォーカスジャンプを終了するまで、オフセット補正値(Fofsa)を変更している。つまり、オフセットは比較的急激に変更される。オフセット補正(Fofsa)は、予め設定され、オフセット制御器127内に設けられたオフセットテーブルに従って実行される。または、現在値と目標値の2点間を線形補完した値を用いてオフセット補正を行ってもよい。
上記したように、この実施の形態においては、記録層切り換え処理の開始(Trig)とともにオフセット補正および収差補正をそれぞれt21,t22で同時に開始している。また、L3層に対するオフセットの変更は、フォーカスジャンプの開始から終了までの間に行われる。すなわち、フォーカスジャンプに要する時間と同等以下の短い期間にオフセットの変更を終了させている。
この実施の形態によれば、層間ジャンプ前に残留収差が存在していても、オフセット補正によってサーボ信号のオフセットを適切に保つことができる。また、フォーカスジャンプが終了して目標の層に到達するまでに目標層における最適なオフセット値に収束できるため、外乱に強く、安定な層間ジャンプを実行することができる。また、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能である。
L0層からL3層へのフォーカスジャンプの場合について説明したが、L3層からL0層へのフォーカスジャンプの場合でも同様である。また、4層光ディスクを例に説明したが、それ以外の複数の記録層を有する光ディスクの場合にも適用可能である。すなわち、複数の記録層のうち、いずれかの記録層から他の記録層のいずれかにジャンプする場合にも適用可能である。
なお、この実施の形態において、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t24に応答してフォーカスジャンプを開始させると共に、フォーカスジャンプの終了時点t26においてオフセット補正器122のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成し、フォーカスオフセットの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御されることとしているが、更にフォーカスジャンプの精度を向上させるために、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t24に応答してフォーカスジャンプを開始(PA)させると共に、フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される(図10のタイミングFE12)前までにオフセット補正器122のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達する(t25)よう構成してもよい。
即ち、図10に模式的に示すように、フォーカスジャンプ開始後FE12で示すところの目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値をFofsbのように目標層に適した値に収束させるよう制御する。
フォーカスジャンプブレーキPDは、目標とする層に対するFE信号のレベルが所定量を超えたと判断されたときに出力されるようタイミングを制御される方式が考案されている。このような場合、収差による影響で、FE信号のバランスが崩れていた場合、フォーカスジャンプブレーキPDを出力するタイミングが本来のタイミングとずれてしまい、フォーカスジャンプが不安定になってしまう。
そこで上記のように、フォーカスジャンプをより安定に行うために、フォーカスオフセットの補正を目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、オフセット補正値をFofsbのように目標層に適した値に収束させるよう制御することで、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能になる。
(実施の形態5)
図11と図12は本発明の実施の形態5の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置111を詳細に説明する。なお、フォーカシング制御装置111の構成は実施の形態4の場合と同様である。
図11と図12は本発明の実施の形態5の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置111を詳細に説明する。なお、フォーカシング制御装置111の構成は実施の形態4の場合と同様である。
ここでは、図9と図10に代わる図11に示すフローチャートおよび図12に示すタイミングチャートを参照してフォーカシング制御装置111の動作を詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、4つの記録層を有する4層光ディスクを例に説明する。すなわち、光ディスク11は、第1記録層(L0層)から第4記録層(L3層)を有している。
まず、記録層の切り換え指令(Trig)がCPU25から発せられると(ステップS411)、オフセット補正を開始する。このオフセット補正は、後に動作するビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15によってL0層で発生する球面収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れを補うためにFofsaに示されるようなタイミングで、あらかじめ行う。
次に、オフセット補正が所定値(Ecnt13)に達したか否かが判別される(ステップS420)。前記所定値(Ecnt13)は、サーボが外れない程度の量としてあらかじめ決定されたFofsの変更量を使用する。
オフセット補正が前記所定値(Ecnt13)に達したのを確認した(ステップS421)後、ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が駆動されL3層に対する球面収差補正が実行される(ステップS412)。なお、ビームエキスパンダ15を駆動するステッピングモータのパルスカウント値(Ecnt)がオフセット制御器127に供給される。
フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15のみを駆動し調節した場合、L0層での収差が大きくなりそのためフォーカスエラーのバランス崩れやオフセットの増大もしくはその両方の影響によりサーボが不安定になり制御できなくなってしまう。つまり、オフセット補正(オフセット調整)を行わない場合の誤差信号生成器21からのフォーカスエラー信号(FEo)は、球面収差の影響にて、バランス崩れが発生する。この時点(FE11)では、まだフォーカスサーボをクローズしているタイミングであるため、フォーカスエラー信号(FEo)のバランス崩れにより外乱に弱くなるばかりでなく、最悪の場合にはフォーカスサーボ制御ができないなど種々の問題が生じる。
一方、フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15を駆動し調節すると共に、現在層および目的層においてバランス崩れが生じないようにオフセット補正を行った場合のフォーカスエラー信号は、FEで示されるようにフォーカスエラー信号のバランスがとれ、安定したサーボ制御が行えるようになる。
次に、オフセット補正が終了したか否かが判別される(ステップS422)。オフセット補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。
次に、収差補正が終了したか否かが判別される(ステップS413)。収差補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、オフセット補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了する前までに終了し、その時点でオフセット補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
次に、収差補正が終了したか否かが判別される(ステップS413)。収差補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、オフセット補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了する前までに終了し、その時点でオフセット補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
前記ビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15が所定量まで駆動された(ステップS413)後に、タイミング制御器26からフォーカスサーボループをオープンとすることを指定する信号(Fopen)が発せられる。ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に応答してフォーカスサーボループをオープン状態に切り換える(ステップS414)。
より詳細には、サーボループをオープン状態に切り換えた(ステップS414)後、L0層からL3層へのフォーカスジャンプを開始する(ステップS415)。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、オフセット補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、オフセット補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
次に、前記フォーカスオフセットの補正を開始する(ステップS416)。フォーカスオフセットの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御される(ステップS417)。
次に、フォーカスジャンプが終了したか否かが判別される(ステップS418)。かかる判別は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、タイミング制御器26によってなされる。フォーカスジャンプが終了したと判別された場合には、すなわちタイミング制御器26からの信号(Fopen)の立ち下がりエッジに応答して、ループスイッチ24は、フォーカスサーボループをクローズ状態に切り換える(ステップS419)。
この実施の形態においては、オフセット補正器122によりフォーカスエラー信号(FE)のオフセットを補正し、オフセット補正を行った後のフォーカスエラー信号(FE)を用いてフォーカシング位置制御を行っている。図12に模式的に示すように、フォーカスジャンプを開始してからフォーカスジャンプをt26で終了するまで、オフセット補正値(Fofsa)を変更している。つまり、オフセットは比較的急激に変更される。オフセット補正(Fofsa)は、予め設定され、オフセット制御器127内に設けられたオフセットテーブルに従って実行される。または、現在値と目標値の2点間を線形補完した値を用いてオフセット補正を行ってもよい。
上記したように、この実施の形態においては、記録層切り換え処理の開始とともにオフセット補正を開始し、その後収差補正を開始している。また、L3層に対するオフセットの変更は、収差補正の開始後からフォーカスジャンプ終了までの間に行われるが、フォーカスジャンプに要する時間とほぼ同等の短い期間にオフセットの変更を終了させている。
この実施の形態によれば、層間ジャンプ前に残留収差が存在していても、オフセット補正によってサーボ信号のオフセットを適切に保つことができる。また、フォーカスジャンプが終了して目標の層に到達するまでに目標層における最適なオフセット値に収束できるため、外乱に強く、安定な層間ジャンプを実行することができる。また、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能である。
L0層からL3層へのフォーカスジャンプの場合について説明したが、L3層からL0層へのフォーカスジャンプの場合でも同様である。また、4層光ディスクを例に説明したが、それ以外の複数の記録層を有する光ディスクの場合にも適用可能である。すなわち、複数の記録層のうち、いずれかの記録層から他の記録層のいずれかにジャンプする場合にも適用可能である。
なお、この実施の形態において、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t24に応答してフォーカスジャンプを開始させると共に、フォーカスジャンプの終了時点t26においてオフセット補正器122のオフセット補正量Fofsaが目標層に対する所定量に達するよう構成し、フォーカスオフセットの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御されることとしているが、更にフォーカスジャンプの精度を向上させるために、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t24に応答してフォーカスジャンプを開始(PA)させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される(図12のタイミングFE12)前までにオフセット補正器122のオフセット補正量Fofsbが目標層に対する所定量に達する(t25)よう構成してもよい。
即ち、図12に模式的に示すように、フォーカスジャンプ開始後FE12で示すところの目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値をFofsbのように目標層に適した値に収束させるよう制御する。フォーカスジャンプブレーキPDは、目標とする層に対するFE信号のレベルが所定量を超えたと判断されたときに出力されるようタイミングを制御される方式が考案されている。このような場合、収差による影響で、FE信号のバランスが崩れていた場合、フォーカスジャンプブレーキPDを出力するタイミングが本来のタイミングとずれてしまい、フォーカスジャンプが不安定になってしまう。
そこで上記のように、フォーカスジャンプをより安定に行うために、フォーカスオフセットの補正を目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、オフセット補正値をFofsbのように目標層に適した値に収束させるよう制御することで、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能になる。
(実施の形態6)
図13と図14は本発明の実施の形態6の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置111を詳細に説明する。なお、フォーカシング制御装置111の構成は実施の形態4の場合と同様である。
図13と図14は本発明の実施の形態6の光ディスク装置におけるフォーカシング制御装置111を詳細に説明する。なお、フォーカシング制御装置111の構成は実施の形態4の場合と同様である。
ここでは、図9と図10に代わる図13に示すフローチャートおよび図14に示すタイミングチャートを参照してフォーカシング制御装置111の動作を詳細に説明する。なお、この実施の形態においては、4つの記録層を有する4層光ディスクを例に説明する。すなわち、光ディスク11は、第1記録層(L0層)から第4記録層(L3層)を有している。
まず、記録層の切り換え指令(Trig)がCPU25から発せられると(ステップS511)、収差補正を開始する(ステップS512)。次に、収差補正が所定値(Ecnt15)に達したか否かが判別される(ステップS521)。前記所定値(Ecnt15)は、サーボが外れない程度の量としてあらかじめ決定された収差補正の変更量を使用する。なお、ビームエキスパンダ15を駆動するステッピングモータのパルスカウント値(Ecnt)がオフセット制御器127に供給される。収差補正が前記所定値(Ecnt15)に達したのを確認した(ステップS521)後、Fofsaに示されるようなタイミングで、オフセット補正を開始する(ステップS520)。このオフセット補正は、動作しているビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15によってL0層で発生する球面収差によるフォーカスエラー信号のバランス崩れを補うために行う。
フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15のみを駆動し調節した場合、L0層での収差が大きくなりそのためフォーカスエラーのバランス崩れやオフセットの増大もしくはその両方の影響によりサーボが不安定になり制御できなくなってしまう。つまり、オフセット補正(オフセット調整)を行わない場合の誤差信号生成器21からのフォーカスエラー信号(FEo)は、球面収差の影響にて、バランス崩れが発生する。この時点(FE11)では、まだフォーカスサーボをクローズしているタイミングであるため、フォーカスエラー信号(FEo)のバランス崩れにより外乱に弱くなるばかりでなく、最悪の場合にはフォーカスサーボ制御ができないなど種々の問題が生じる。
一方、フォーカスジャンプ後にL3層での収差が最小になるように、フォーカスジャンプを行う前にあらかじめL0層にてビームエキスパンダ(収差補正デバイス)15を駆動し調節すると共に、現在層および目的層においてバランス崩れが生じないようにオフセット補正を行った場合のフォーカスエラー信号は、FEで示されるようにフォーカスエラー信号のバランスがとれ、安定したサーボ制御が行えるようになる。
次に、収差補正が終了したか否かが判別される(ステップS513)。収差補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。
次に、ジャンプ前オフセット補正が終了したか否かが判別される(ステップS522)。オフセット補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、オフセット補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了した後に終了し、その時点でオフセット補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
次に、ジャンプ前オフセット補正が終了したか否かが判別される(ステップS522)。オフセット補正が終了したと判別された場合には本ルーチンを抜ける。収差補正が終了した時点において、収差補正はジャンプ先の記録層(L3層)の最適値(L3(optimal))に調整されている。なお、オフセット補正は、ビームエキスパンダ15の駆動が終了した後に終了し、その時点でオフセット補正値がフォーカスサーボが不安定とならない所定の値となるように設定されるのが好ましい。
前記オフセットが所定量まで補正された(ステップS522)後に、タイミング制御器26からフォーカスサーボループをオープンとすることを指定する信号(Fopen)が発せられる。ループスイッチ24は、タイミング制御器26からのループ選択信号(Fopen)に応答してフォーカスサーボループをオープン状態に切り換える(ステップS514)。
より詳細には、サーボループをオープン状態に切り換えた(ステップS514)後、L0層からL3層へのフォーカスジャンプを開始する(ステップS515)。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、オフセット補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、オフセット補正後のフォーカスエラー信号(FE)に基づいて生成される。また、前述のように、フォーカスジャンプの駆動信号(Fdrv)は、フォーカシング位置を加速駆動する加速信号パルス(PA)および減速駆動する減速信号パルス(PD)を含んでいる。
次に、前記フォーカスオフセットの補正を開始する(ステップS516)。フォーカスオフセットの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御される(ステップS517)。
次に、フォーカスジャンプが終了したか否かが判別される(ステップS518)。かかる判別は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、タイミング制御器26によってなされる。フォーカスジャンプが終了したと判別された場合には、すなわちタイミング制御器26からの信号(Fopen)の立ち下がりエッジに応答して、ループスイッチ24は、フォーカスサーボループをクローズ状態に切り換える(ステップS519)。
この実施の形態においては、オフセット補正器122によりフォーカスエラー信号(FE)のオフセットを補正し、オフセット補正を行った後のフォーカスエラー信号(FE)を用いてフォーカシング位置制御を行っている。図14に模式的に示すように、フォーカスジャンプを開始してからフォーカスジャンプを終了t26するまで、オフセット補正値(Fofsa)を変更している。つまり、オフセットは比較的急激に変更される。オフセット補正(Fofsa)は、予め設定され、オフセット制御器127内に設けられたオフセットテーブルに従って実行される。または、現在値と目標値の2点間を線形補完した値を用いてオフセット補正を行ってもよい。
上記したように、この実施の形態においては、記録層切り換え処理の開始とともに収差補正を開始し、その後オフセット補正を開始している。また、L3層に対するオフセットの変更は、フォーカスジャンプの開始から終了までの間に行われるが、フォーカスジャンプに要する時間と同等以下の短い期間にオフセットの変更を終了させている。
この実施の形態によれば、層間ジャンプ前に残留収差が存在していても、オフセット補正によってサーボ信号のオフセットを適切に保つことができる。また、フォーカスジャンプが終了して目標の層に到達するまでに目標層における最適なオフセット値に収束できるため、外乱に強く、安定な層間ジャンプを実行することができる。また、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能である。
L0層からL3層へのフォーカスジャンプの場合について説明したが、L3層からL0層へのフォーカスジャンプの場合でも同様である。また、4層光ディスクを例に説明したが、それ以外の複数の記録層を有する光ディスクの場合にも適用可能である。すなわち、複数の記録層のうち、いずれかの記録層から他の記録層のいずれかにジャンプする場合にも適用可能である。
なお、この実施の形態において、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t24に応答してフォーカスジャンプを開始させると共に、フォーカスジャンプの終了時点t26においてオフセット補正器122のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成し、フォーカスオフセットの補正は、フォーカスジャンプが終了し、フォーカスサーボがクローズされるまでに、L3層での最適値になるように制御されることとしているが、更にフォーカスジャンプの精度を向上させるために、タイミング制御器26は、収差補正値の変更終了t24に応答して前記フォーカスジャンプを開始(PA)させると共に、フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される(図14のタイミングFE12)前までに前記オフセット補正器122のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達する(t25)よう構成してもよい。
即ち、図14に模式的に示すように、フォーカスジャンプ開始後FE12で示すところの目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、バランス補正値をFofsbのように目標層に適した値に収束させるよう制御する。フォーカスジャンプブレーキPDは、目標とする層に対するFE信号のレベルが所定量を超えたと判断されたときに出力されるようタイミングを制御される方式が考案されている。このような場合、収差による影響で、FE信号のバランスが崩れていた場合、フォーカスジャンプブレーキPDを出力するタイミングが本来のタイミングとずれてしまい、フォーカスジャンプが不安定になってしまう。よって、フォーカスジャンプをより安定に行うために、フォーカスオフセットの補正を目標層によるFE信号の変化が見られるまでに、オフセット補正値をFofsbのように目標層に適した値に収束させるよう制御することで、安定で高精度なフォーカスサーボを実行することが可能になる。
なお、上記の各実施の形態では、収差補正デバイスとしてビームエキスパンダを用いた場合を例に説明したが、液晶収差補正素子などの他の収差補正デバイスを用いることができる。例えば、液晶素子を用いる場合には、ステップ状に駆動信号を液晶素子に印加し、タイマの計時に従ってバランス若しくはオフセット若しくはその両方の補正量を確定すればよい。また、液晶素子の応答速度の温度依存性を考慮して補正するようにしてもよい。
ブルーレイディスク(Blu−ray Disc)などの複数の記録層を有する光ディスクにアクセスする場合に、光ビームの短波長化、および対物レンズの高NA化に光ピックアップを使用した場合であっても、安定した層間ジャンプを実現できるので、この光ディスク装置を搭載した各種の処理装置の高性能化に寄与できる。
10,111 フォーカシング制御装置
11 光ディスク
12 光ピックアップ
14 フォーカスアクチュエータ
15 収差補正デバイス
17 光検出器
18 ドライバー回路
21 誤差信号生成器
22 バランス補正器
23 位相補償器
24 ループスイッチ
25 CPU(処理装置)
26 タイミング制御器
27 バランス制御器
28 ジャンプ信号生成器
29 収差補正駆動信号生成器
122 オフセット補正器
127 オフセット制御器
11 光ディスク
12 光ピックアップ
14 フォーカスアクチュエータ
15 収差補正デバイス
17 光検出器
18 ドライバー回路
21 誤差信号生成器
22 バランス補正器
23 位相補償器
24 ループスイッチ
25 CPU(処理装置)
26 タイミング制御器
27 バランス制御器
28 ジャンプ信号生成器
29 収差補正駆動信号生成器
122 オフセット補正器
127 オフセット制御器
Claims (19)
- 複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、
前記光検出器から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器と、
前記バランス補正器の補正量を制御するバランス制御器と、
前記バランス補正器の出力信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、
バランス補正された前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、
目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、
前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、
前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、
前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、
前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記バランス補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングと一致しかつ前記バランス補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了タイミングと一致するように前記バランス補正器のバランス補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点において前記バランス補正器のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項1記載の光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される前までに前記バランス補正器のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項1記載の光ディスク装置。 - 複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、
前記光検出器から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器と、
前記バランス補正器の補正量を制御するバランス制御器と、
前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、
バランス補正された前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、
目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、
前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、
前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、
前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、
前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記バランス補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより早くかつ前記バランス補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了前になるように前記バランス補正器のバランス補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点において前記バランス補正器のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項4記載の光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される前までに前記バランス補正器のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項4記載の光ディスク装置。 - 複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、
前記光検出器から出力される信号のバランス量を変更するバランス補正器と、
前記バランス補正器の補正量を制御するバランス制御器と、
前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、
バランス補正された前記フォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、
目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、
前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、
前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、
前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、
前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記バランス補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより遅くかつ前記バランス補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了後になるように前記バランス補正器のバランス補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点において前記バランス補正器のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項7記載の光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される前までに前記バランス補正器のバランス補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項7記載の光ディスク装置。 - 複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、
前記光検出器から出力される信号のオフセット量を変更するオフセット補正器と、
前記オフセット補正器の補正量を制御するオフセット制御器と、
前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、
オフセット補正されたフォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、
目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、
前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、
前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、
前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、
前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記オフセット補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングと一致しかつ前記オフセット補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了タイミングと一致するように前記オフセット補正器のオフセット補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点において前記オフセット補正器のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項10記載の光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される前までに前記オフセット補正器のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項10記載の光ディスク装置。 - 複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、
前記光検出器から出力される信号のオフセット量を変更するオフセット補正器と、
前記オフセット補正器の補正量を制御するオフセット制御器と、
前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、
オフセット補正されたフォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、
目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、
前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、
前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、
前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、
前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記オフセット補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより早くかつ前記オフセット補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了前になるように前記オフセット補正器のオフセット補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点において前記オフセット補正器のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項13記載の光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される前までに前記オフセット補正器のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項13記載の光ディスク装置。 - 複数の記録層を有する光ディスクの記録層に光ビームを合焦させる対物レンズ、前記記録層からの反射光ビームの収差を補正する収差補正ユニット、および前記反射光ビームを受光する光検出器を含む光ピックアップを有した光ディスク装置であって、
前記光検出器から出力される信号のオフセット量を変更するオフセット補正器と、
前記オフセット補正器の補正量を制御するオフセット制御器と、
前記光ビームのフォーカシング位置と前記光ディスクのフォーカシング目標位置間の誤差を表すフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成器と、
オフセット補正されたフォーカスエラー信号に基づいて前記光ビームのフォーカシング位置のサーボ制御を行うための位相補償器と、
目的の層にフォーカスジャンプを行うための制御信号を出力するジャンプ信号生成器と、
前記光ディスクの一つの記録層から他の記録層への記録読取層の変更を指令する層変更指令を生成する処理装置と、
前記層変更指令に応答して前記収差補正ユニットの収差補正量を前記他の記録層に適合した収差補正値に変更する収差補正駆動信号生成器と、
前記対物レンズを駆動すると共に収差補正ユニットを駆動するためのドライバー回路と、
前記誤差信号生成器の出力のフォーカスエラー信号と前記処理装置の出力を入力として、前記ジャンプ信号生成器の加速および減速パルスの出力タイミングを制御したり、前記位相補償器の出力と前記ジャンプ信号生成器の出力を切り換えたり、前記収差補正駆動信号生成器の出力タイミングを制御したり、前記オフセット補正器の補正開始が前記収差補正駆動信号生成器の開始タイミングより遅くかつ前記オフセット補正器の補正量が所定量に達するタイミングが前記収差補正駆動信号生成器の終了後になるように前記オフセット補正器のオフセット補正量を調整するタイミング制御器と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの終了時点において前記オフセット補正器のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項16記載の光ディスク装置。 - 前記タイミング制御器は、
前記収差補正値の変更終了に応答して前記フォーカスジャンプを開始させると共に、前記フォーカスジャンプの目標層に対するフォーカスエラー信号のS波形が観測される前までに前記オフセット補正器のオフセット補正量が目標層に対する所定量に達するよう構成したことを特徴とする
請求項16記載の光ディスク装置。 - 前記収差補正ユニットは、
液晶位相シフタまたはエキスパンダレンズまたはコリメータレンズアクチュエータ駆動方式である、
請求項1,4,7,10,13,16の何れかに記載の光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006212684A JP2008041154A (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | 光ディスク装置 |
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JP2006212684A JP2008041154A (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | 光ディスク装置 |
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JP2006212684A Pending JP2008041154A (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | 光ディスク装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010108530A (ja) * | 2008-10-28 | 2010-05-13 | Sanyo Electric Co Ltd | 光ディスク装置 |
JP2011165291A (ja) * | 2010-02-15 | 2011-08-25 | Hitachi Consumer Electronics Co Ltd | 光ディスク装置およびその制御方法 |
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2006
- 2006-08-04 JP JP2006212684A patent/JP2008041154A/ja active Pending
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