JP2001126421A - ディスクドライブ装置およびディスクドライブ装置のヘッド位置決め制御方法 - Google Patents

ディスクドライブ装置およびディスクドライブ装置のヘッド位置決め制御方法

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JP2001126421A
JP2001126421A JP30983799A JP30983799A JP2001126421A JP 2001126421 A JP2001126421 A JP 2001126421A JP 30983799 A JP30983799 A JP 30983799A JP 30983799 A JP30983799 A JP 30983799A JP 2001126421 A JP2001126421 A JP 2001126421A
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JP30983799A
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Yoshikazu Oonuki
善数 大貫
Hideaki Ishioka
秀昭 石岡
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サーボ制御系に入力される記録媒体の回転に同
期した周期的な外乱を十分抑制でき、かつ、サーボ制御
系の安定性を同時に確保できるディスクドライブ装置お
よびディスクドライブ装置のヘッド位置決め制御方法を
提供する。 【解決手段】位置誤差信号PESにフィルター44の出
力信号44sを加算し、遅延記憶素子43に順次記憶す
る。遅延記憶素子43は、記憶した信号42sを一回転
周期分だけ遅延させ、フィルター44に出力し、得られ
た信号44sに乗算器45でゲインKrを乗じて得た補
正指令Mrを遅延していない位置誤差信号PESとを加
算して新たな内部状態信号42sとして遅延記憶素子4
3に順次入力するとともに、補正指令Mrを遅延してい
ない位置誤差信号PESにフィードフォワード的に加算
して操作量46sとする。操作量を補償して磁気ヘッド
4a〜4dのトラッキング方向の位置決め制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装
置、光磁気ディスク装置、光ディスク装置等のディスク
ドライブ装置と、ディスクドライブ装置のヘッド位置決
め制御方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置では、記録媒体として
の磁気ディスクに対して情報を記録し、あるいは、磁気
ディスクから情報を再生する磁気ヘッドが搭載されたス
ライダを回転する磁気ディスク内の目標位置に追従させ
るトラッキングサーボ制御が必要である。従来の媒体固
定型の磁気ディスク装置においては、装置が組み上がっ
た後で、記録媒体としての磁気ディスクにトラッキング
サーボ情報を書き込んでいた。このように、磁気ディス
クを回転させるスピンドルモータに磁気ディスクを固定
した状態で、磁気ディスクにトラッキングサーボ情報を
書き込んだ場合には、トラッキングサーボ系に入力され
る磁気ディスクの回転に同期した外乱である回転周期外
乱(Repeatable Runout )はあまり大きくなく、トラッ
キングサーボ系をPID補償器、H∞補償器等を用いた
閉ループ系で構成して十分な制御帯域をとることによ
り、回転周期外乱成分を抑圧することができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気デ
ィスクを磁気ディスク装置に対して交換可能な媒体交換
可能型の磁気ディスク装置では、磁気ディスクを入れ替
える度に、磁気ディスクとスピンドルモータの回転軸と
の偏心量が変化しやすいため、これに応じて回転周期外
乱の1次成分が変わやすい。また、磁気ディスクにトラ
ッキングサーボ情報を書き込んだ際のスピンドルモータ
の回転精度等に依存して、2次以上の回転周期外乱成分
も、媒体固定型の磁気ディスク装置と比較して、大きく
なるケースが多い。
【0004】さらに、磁気ディスクの記録密度向上、磁
気ディスク装置の小型化等のため、トラックピッチの狭
小化が進んでおり、このトラックピッチの狭小化に応じ
て磁気ヘッドの位置決め精度への要求がより厳しくなっ
ている。すなわち、トラックピッチの狭小化に応じて、
回転周期外乱が相対的に大きくなっている。このため、
たとえば、PID補償器を用いた閉ループ系のループゲ
インを上げて制御帯域を広げても、回転周期外乱成分の
十分な除去が困難になってきており、また、2次以上の
回転周期外乱成分の抑制も十分に得られない。さらに、
閉ループ系の安定性を確保するためには、制御帯域の拡
大化にも限界がある。
【0005】本発明は、上述の問題に鑑みて成されたも
のであって、たとえば、磁気ディスク等のディスク状の
記録媒体に対して磁気ヘッド等の記録再生手段を目標位
置に追従させるサーボ制御系を備えたディスクドライブ
装置において、サーボ制御系に入力される記録媒体の回
転に同期した周期的な外乱を十分抑制でき、かつ、サー
ボ制御系の安定性を同時に確保できるディスクドライブ
装置およびディスクドライブ装置のヘッド位置決め制御
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のディスクドライ
ブ装置は、ディスク状の回転記録媒体を回転駆動する駆
動手段と、前記記録媒体の記録面に対向して配置され、
前記記録媒体の記録面に記録されたデータの再生または
前記記録面へのデータの記録の少なくとも一方を行う記
録/再生手段と、前記記録/再生手段を前記記録面に対
して移動させるアクチュエータと、入力される操作量に
応じて前記アクチュエータを駆動し、前記記録/再生手
段の前記記録面に対する位置を制御する位置制御手段
と、回転する前記記録面に対する前記記録/再生手段の
目標位置からの位置誤差を検出して出力する位置誤差検
出手段と、入力される内部状態信号を順次記憶し、前記
記録媒体の回転周期分遅延させて出力する遅延記憶手段
と、前記遅延記憶手段の出力信号と遅延していない前記
位置誤差出力とを加算して新たな内部状態信号として前
記遅延記憶手段に出力する第1の加算器と、前記遅延記
憶手段の出力信号と遅延していない前記位置誤差出力と
を加算して前記操作量として前記位置制御手段に出力す
る第2の加算器と、前記第1の加算器に入力される前記
位置誤差出力または前記第2の加算器に入力される前記
遅延記憶手段の出力信号の少なくとも一方に、所定のゲ
インを乗じる乗算器とを有する。
【0007】本発明のディスクドライブ装置では、検出
された位置誤差出力は、第1の加算器に入力され、第1
の加算器では位置誤差出力と遅延記憶手段の出力信号で
ある遅延した内部状態信号とが加算されて新たな内部状
態信号として遅延記憶手段に入力される。すなわち、遅
延記憶手段に記憶されて内部状態信号は、フィードバッ
クされる。また、遅延記憶手段からの出力信号は、第2
の加算器において遅延していない位置誤差出力にフィー
ドフォワード的に加算されて位置制御手段に出力され
る。さらに、第1の加算器に入力される位置誤差出力ま
たは第2の加算器に入力される遅延記憶手段の出力信号
の少なくとも一方には所定のゲインが乗算される。この
ように構成される位置誤差検出手段から第2の加算器の
出力までの伝達関数の特性は、ゲインがゼロに近い値の
場合には、位置誤差出力が一定の値に収束した定常状態
での位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分に対する抑
圧性能に優れる特性となり、ゲインが1に近づくにつれ
て位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分を一定の値に
収束させる収束速度が相対的に速い特性の伝達関数とな
る。
【0008】また、本発明のディスクドライブ装置は、
ディスク状の回転記録媒体を回転駆動する駆動手段と、
前記記録媒体の記録面に対向して配置され、前記記録媒
体の記録面に記録されたデータの再生または前記記録面
へのデータの記録の少なくとも一方を行う記録/再生手
段と、前記記録/再生手段を前記記録面に対して移動さ
せるアクチュエータと、入力される操作量に応じて前記
アクチュエータを駆動し、前記記録/再生手段の前記記
録面に対する位置を制御する位置制御手段と、回転する
前記記録面に対する前記記録/再生手段の目標位置から
の位置誤差を検出する位置誤差検出手段と、前記位置誤
差出力に含まれる周期的外乱成分を抑制する補正指令を
生成する異なる特性の複数の学習制御手段と、前記各学
習制御手段で生成されたいずれかの補正指令と前記位置
誤差出力とを加算して前記操作量として前記位置制御手
段に出力する第1の加算手段と、前記各学習制御手段で
生成される補正指令を切換信号に応じて選択して前記第
1の加算手段に出力する切換手段とを有する。
【0009】好適には、前記複数の学習制御手段は、前
記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分を一定の値に
収束させる収束速度が相対的に速い第1の学習制御手段
と、前記位置誤差出力が一定の値に収束した定常状態で
の安定性能が相対的に高い第2の学習制御手段とを有す
る。
【0010】本発明のヘッド位置決め制御方法は、ディ
スク状の回転記録媒体に記録されたデータの再生または
前記回転記録媒体へのデータの記録の少なくとも一方を
行うヘッドを回転する前記回転記録媒体の目標位置に追
従させるディスクドライブ装置のヘッド位置決め制御方
法であって、回転する前記回転記録媒体の記録面に対す
る前記ヘッドの目標位置からの位置誤差を検出するステ
ップと、入力される内部状態信号を記憶手段に順次記憶
し、前記記録媒体の回転周期分遅延させて前記記憶手段
から出力するステップと、前記記憶手段から出力された
一または複数の前記内部状態信号を低域通過フィルター
に通して、得られた結果信号と遅延していない前記位置
誤差出力とを加算して新たな内部状態信号として前記記
憶手段に順次入力するステップと、前記結果信号を遅延
していない前記位置誤差出力にフィードフォワード的に
加算して操作量とするステップと、前記操作量を補償し
て前記ヘッドの位置決め制御を行うステップとを有す
る。
【0011】また、本発明のヘッド位置決め制御方法
は、ディスク状の回転記録媒体に記録されたデータの再
生または前記回転記録媒体へのデータの記録の少なくと
も一方を行うヘッドを回転する前記回転記録媒体の目標
位置に追従させるディスクドライブ装置のヘッド位置決
め制御方法であって、回転する前記記録面に対する前記
記録/再生手段の目標位置からの位置誤差を検出するス
テップと、前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分
を一定の値に収束させる収束速度が相対的に速い第1の
学習制御手段および前記位置誤差出力が一定の値に収束
した定常状態での前記位置誤差出力に含まれる周期的外
乱成分に対する抑圧性能が相対的に高い第2の学習制御
手段により前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分
を抑制する補正指令を生成するステップと、前記第1お
よび第2の学習制御手段で生成した補正指令を選択的に
前記位置誤差出力に加算して操作量として出力するステ
ップと、前記操作量を補償して前記ヘッドの位置決め制
御を行うステップとを有する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。第1実施形態 図1は、本発明の第1の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置のトラッキングサーボ系の構成図である。図1に
おいて、ディスクドライブ装置1は、複数の磁気ディス
クD1,D2と、磁気ディスクD1,D2を共通的に回
転させるスピンドルモータ3と、磁気ディスクD1,D
2の各面にそれぞれ対向配置された磁気ヘッド4a〜4
dと、磁気ヘッド4a〜4dを磁気ディスクD1,D2
のトラッキング方向に移動させるアクチュエータ4と、
磁気ヘッド3から再生されたサーボ情報を含む再生信号
を増幅する増幅器5と、増幅器5から出力されたアナロ
グ信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ6
と、A/Dコンバータ6から出力されるディジタル信号
に含まれるサーボ情報から磁気ヘッド4a〜4dのうち
再生中の磁気ヘッドと磁気ディスクD1およびD2の目
標のトラックとの位置誤差を示す位置誤差信号PESを
生成する位置誤差信号生成器7と、加算器8と、本発明
の学習制御手段としての繰り返し制御器31と、トラッ
キング制御器9と、トラッキング制御器9から出力され
たディジタル信号9sをアナログ信号に変換するD/A
コンバータ10と、D/Aコンバータ10から出力され
た信号に応じた駆動電流をアクチュエータ4に供給する
ドライバ11とを有する。なお、磁気ディスクD1,D
2は本発明の回転記録媒体、スピンドルモータ3は本発
明の駆動手段、磁気ヘッド3は本発明の記録/再生手段
およびヘッド、位置誤差信号生成器7は本発明の位置誤
差検出手段、トラッキング制御器9、D/Aコンバータ
10およびドライバ11は本発明の位置制御手段、繰り
返し制御器31は本発明の学習制御手段、加算器8は本
発明の第1の加算手段のそれぞれ一具体例に対応してい
る。
【0013】磁気ディスクD1、D2には、あらかじめ
サーボ情報が記録あるいは刻印されている。上記サーボ
情報は、たとえば、磁気ディスクの中心から放射状に広
がる複数のサーボ領域を持ち、データ領域を一般的には
等角度に分割し、そのデータ領域とデータ領域の間にサ
ーボ情報を埋め込む、いわゆるデータ面サーボ方式のも
のや、あるいは、複数枚のディスクを持つ大容量型の磁
気ディスク装置の場合には、そのうちの1枚のディスク
の片面をサーボ情報専用の面とし、一面にサーボ情報を
埋め込む、いわゆるサーボ面サーボ方式のもの等がある
が、一般に、連続的、あるいは、間欠的に磁気ヘッド4
a〜4dの位置情報が得られるものであればよい。ま
た、磁気ディスクD1、D2に形成するトラックの形状
についても、同心円状に限定するものではなく、スパイ
ラル状でもよい。また、磁気ヘッド4a〜4dを駆動す
るアクチュエータ4は、たとえば、いわゆるボイスコイ
ルモータ(Voice Coil Motor)を用いる。さらに、磁気
ディスクD1、D2は、スピンドルモータ3に対して交
換可能になっていても、スピンドルモータ3に対して常
に固定されて使用されるものであってもよい。
【0014】磁気ヘッド4a〜4dのいずれかから再生
されたサーボ情報は、増幅器5により増幅され、A/D
コンバータ6によりディジタル化された後に、位置誤差
信号生成器7に入力される。位置誤差信号生成器7は、
入力された信号から位置誤差信号PESを生成する。こ
の位置誤差信号PESは、トラッキング制御器9に入力
され、トラッキング制御器9は位置誤差信号PESを補
償して、アクチュエータ4への駆動出力を演算し、D/
Aコンバータ10に出力する。D/Aコンバータ10で
アナログ化された駆動出力は、ドライバ11によって駆
動電流に変換され、アクチュエータ4が駆動される。
【0015】ここで、繰り返し制御器31を用いない構
成では、たとえば、スピンドルモータ3以外のスピンド
ルモータに磁気ディスクD1、D2が装着された状態で
磁気ディスクD1、D2にサーボ情報が書き込まれる
と、これら磁気ディスクD1、D2をスピンドルモータ
3に装着すると、スピンドルモータ3の回転軸と磁気デ
ィスクD1、D2の回転中心がそれぞれ偏心し、磁気デ
ィスクD1、D2の記録/再生時には、位置誤差信号生
成器7から出力される位置誤差信号PESにこの偏心に
起因する回転に同期した周期的外乱およびこの周期的外
乱の高次成分が含まれることになる。繰り返し制御器3
1は、上記位置誤差出力PESに含まれる周期的外乱成
分を抑制する補正指令Mrを生成し、加算器8に出力す
る。加算器8は、位置誤差信号生成器7から出力された
位置誤差信号PESに補正指令Mrを加算して出力信号
8sを操作量としてトラッキング制御器9に出力する。
【0016】ここで、繰り返し制御器31の構成につい
て説明する。繰り返し制御器31は、切換スイッチ32
と、乗算器33,34と、遅延記憶素子35と、低域通
過型のフィルター36と、切換信号生成器37とを有す
る。なお、切換スイッチ32および切換信号生成器37
は本発明の切換手段の一具体例に対応しており、乗算器
33,34は本発明の第1および第2の乗算器の一具体
例に対応しており、フィルター36は本発明の低域通過
フィルターの一具体例に対応しており、遅延記憶素子3
5は本発明の遅延記憶手段の一具体例に対応している。
また、乗算器33、遅延記憶素子35およびフィルター
36によって本発明の第1の学習制御手段が構成されて
おり、乗算器34、遅延記憶素子35およびフィルター
36によって本発明の第2の学習制御手段が構成されて
いる。
【0017】切換スイッチ32は、固定接点32cに加
算器8からの出力信号8sが入力され、可動接点32d
が固定接点32aまたは32bに接続されることによっ
て、出力信号8sを乗算器33,34のいずれか一方に
出力する。可動接点32dと固定接点32aまたは32
bとの接続の切換は、切換信号生成器37からの切換信
号37sの入力に応じて行われる。
【0018】切換スイッチ32は、乗算器33,34へ
の加算器8からの出力信号8sの入力の選択的な切り換
えによって、乗算器33、遅延記憶素子35およびフィ
ルター36、あるいは、乗算器34、遅延記憶素子35
およびフィルター36を通じて生成される補正指令Mr
を切換信号37sに応じて選択して加算器8に出力する
ように機能する。
【0019】切換信号生成器37は、位置誤差信号生成
器7から位置誤差信号PESが入力され、位置誤差信号
PESの大きさに基づいて切換信号37sを切換スイッ
チ32に出力する。
【0020】乗算器33,34は、所定のゲインをそれ
ぞれ有しており、入力された加算器8からの出力信号8
sにゲインを乗じて遅延記憶素子35に出力する。乗算
器33,34のゲインは、0〜1のいずれかの値に設定
され、また、乗算器33のゲインは乗算器34のゲイン
よりも大きい。具体的には、乗算器33のゲインKr1
は0.5〜1のいずれかの値に設定され、乗算器33の
ゲインKr2 は0〜0.5のいずれかの値に設定され
る。
【0021】遅延記憶素子35は、乗算器33,34の
いずれかから順次出力される信号を記憶し、Nサンプル
遅延させたのちにフィルター36に出力する。ここで、
Nは、磁気ディスクD1またはD2の一回転あたりのサ
ンプル数であり、通常は磁気ディスク1周当たりのサー
ボセクター数である。すなわち、遅延記憶素子35は、
乗算器33,34のいずれかから順次出力される信号を
記憶し、磁気ディスクD1またはD2の一回転周期分だ
け時間的に遅延させてフィルター36に出力する。遅延
記憶素子35は、具体的には、少なくとも、過去N個の
データを記憶するメモリー、少なくともN段のFIFO
バッファ、シフトレジスタ等から構成できる。
【0022】フィルター36は、所定の周波数特性を持
つ低域通過型のディジタルフィルターである。フィルタ
ー36の伝達関数q(z, z -1)は、たとえば、次式
(1)で示すようなFIRフィルターで構成される。
【0023】
【数1】
【0024】式(1)からわかるように、フィルター3
6のタップ数は2m+1である。フィルター36が演算
を行うためには、遅延記憶素子35から出力されたデー
タ35sが2m+1個必要となる。さらに、式(1)か
らわかるように、Nサンプリング遅延した遅延記憶素子
35から出力されたデータ35sを基準として、mサン
プリング未来および過去のデータが必要になる。したが
って、式(1),(2)より、実際には、遅延記憶素子
35は、少なくともN+m個のデータを記憶可能である
必要がある。また、フィルター36の演算結果は、補正
指令Mrとして加算器8に出力される。
【0025】ここで、上記乗算器33または34、遅延
記憶素子35およびフィルター36によってそれぞれ構
成される繰り返し制御器の加算器8の入力から出力まで
の伝達関数C1 (z)は、乗算器33または34のゲイ
ンをKrとすると、次式(2)で表される。
【0026】
【数2】
【0027】図2は、伝達関数C1 (z)の周波数特性
を示すボード線図であり、(a)はゲインをKrを0.
1、(b)はKrを0.9に設定した場合の周波数特性
である。なお、説明の簡単化のために、磁気ディスクの
1回転当たりのサンプリング数N=10、フィルタ36
の伝達関数q(z, z -1)=1とし、繰り返し制御サンプ
リング周波数を10kHzと設定した。
【0028】図2(a)からわかるように、ゲインをK
rを0.1を小さく設定すると、ゲイン特性101のピ
ークが小さくなり、位相特性102の反転も小さくな
る。一方、図2(b)からわかるように、ゲインKrを
大きく設定すると、ゲイン特性103のピークが大きく
なり、位相特性104の反転も大きくなる。なお、図2
において、1kHzに存在するゲイン特性のピークが磁
気ディスクの偏心起因して発生する回転に同期した外乱
の周波数に対応しており、さらに高周波帯域に存在する
ゲイン特性の各ピークが高次の周期的外乱に対応してい
る。したがって、ゲイン特性のピーク値が大きいほど、
周期的外乱の抑制効果は高い。
【0029】図2(a)および図2(b)を比較する
と、ゲインKrが小さい場合には、回転に同期した外乱
周波数でのゲイン特性101のピークが小さいが、回転
に同期した外乱周波数以外の周波数でゲインが0dBよ
り低下したり上昇したりすることが殆どない。ゲインK
rを大きく設定すると、回転に同期した外乱周波数での
ゲインは上昇するが、それ以外の周波数でもゲインが0
dBより低下したり上昇したりする。このため、ゲイン
Krを大きく設定した状態で、繰り返し制御を行うと、
学習の収束性、すなわち、位置誤差信号PESに含まれ
る磁気ディスクの回転に同期した外乱成分は速やかに一
定の値まで抑圧されるが、磁気ディスクの回転に同期し
た外乱成分が一定の値に抑圧された後の定常状態におい
て、上記した回転に同期した外乱周波数以外の周波数で
のゲインの変化によって、磁気ディスクの回転に同期し
た外乱成分以外の外乱が位置誤差信号PESに加算され
てしまう。逆に、ゲインKrを小さく設定した状態で
は、学習の収束性は遅くなるが、定常状態において回転
に同期した外乱成分以外の外乱が位置誤差信号PESに
加算されることが少ない。
【0030】上記のことから、本実施形態では、乗算器
33、遅延記憶素子35およびフィルター36によって
構成される繰り返し制御器の乗算器33のゲインKr1
を大きな値に設定し、この繰り返し制御器を学習収束性
に優れたもの、すなわち、位置誤差信号PESに含まれ
る周期的外乱成分を一定の値に収束させる収束速度が相
対的に速いものとする。さらに、乗算器34、遅延記憶
素子35およびフィルター36によって構成される繰り
返し制御器の乗算器34のゲインKr2 を小さな値に設
定し、この繰り返し制御器を定常時の安定性能に優れた
ものとする。
【0031】次に、上記構成のディスクドライブ装置に
おける記録再生時の動作について説明する。まず、磁気
ディスクD1、D2を回転させて、磁気ヘッド4a〜4
dのいずれかによって記録または再生動作を行い、磁気
ディスクD1、D2に書き込まれたサーボ情報を再生す
ることにより、再生または記録している磁気ヘッドを磁
気ディスクの所望のトラックに追従させるトラッキング
サーボをかける。
【0032】位置誤差信号生成器7は、回転する磁気デ
ィスクの記録面に対する再生、記録中の磁気ヘッドの目
標トラックからの位置誤差を検出する。繰り返し制御部
31の切換信号生成器37は、繰り返し制御部31での
繰り返し制御を開始した時点では、位置誤差信号PES
に含まれる周期的外乱成分は大きいので、ゲインの大き
い乗算器33を選択する切換信号37sを出力する。
【0033】繰り返し制御部31では、加算器8の出力
信号8sを少なくともN+m個サンプリングするまで、
すなわち、少なくとも磁気ディスクの一回転分+m個の
位置誤差信号PESをサンプリングするまでは、補正指
令Mrを出力しない。そして、少なくともN+m個サン
プリングのデータをサンプリングした時点から、乗算器
33、遅延記憶素子35およびフィルター36によって
構成される繰り返し制御器で生成された補正指令Mrを
加算器8に出力する。
【0034】加算器8は、補正指令Mrと遅延していな
い位置誤差信号PESとを加算して操作量としてトラッ
キング制御器9に出力する。トラッキング制御器9は、
この操作量をたとえば、PID補償器等によって補償し
てD/Aコンバータ10に出力し、ドライバ11、アク
チュエータ4によって磁気ヘッドのトラッキング方向の
位置決め制御を行う。
【0035】この結果、乗算器33、遅延記憶素子35
およびフィルター36によって構成される繰り返し制御
器は、上述したように、学習収束性能が高いため、位置
誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分は速やかに抑
制され、一定の値に収束する。
【0036】この状態で、切換信号生成器37は、位置
誤差信号PESの大きさが一定の値よりも小さい値に収
束したと判断すると、繰り返し制御部31の乗算器34
を選択する切換信号37sを出力する。乗算器34に切
り換えられると、加算器8の出力信号8sは乗算器34
に入力され、遅延記憶素子35、フィルタ36を通じて
補正指令Mrが生成され、加算器8に出力される。乗算
器34、遅延記憶素子35およびフィルター36によっ
て構成される繰り返し制御器は、定常時の安定性能に優
れているため、補正指令Mrには周期的外乱成分の周波
数以外の外乱が少なく、磁気ヘッドのトラッキング方向
の安定した位置決め制御が行われる。
【0037】また、乗算器33と乗算器34との切り換
えの際には、乗算器33および乗算器34は、遅延記憶
素子35およびフィルター36の前段に設けられている
ため、遅延記憶素子35およびフィルター36は乗算器
33から出力されたデータを保持しているため、乗算器
33から乗算器34への切り換えによる補正指令Mrの
値の急激な変化は発生しない。
【0038】たとえば、磁気ディスクD1の磁気ヘッド
4aによる再生、記録が終了し、続けて、磁気ディスク
D1の記録面を変更して磁気ヘッド4bにより記録、再
生する場合には、磁気ディスクD1の各記録面のサーボ
情報は、それぞれ独立に書き込まれているため、位置誤
差信号PESに含まれる周期的外乱成分の値は再度大き
くなる。このため、切換信号生成器37は、再生、記録
する磁気ヘッドを4aから4bに変更したことを示す変
更信号を図示しない制御部から受けて、学習収束性の速
い繰り返し制御器の乗算器33を選択する切換信号37
sを切換スイッチ32に出力する構成とすることも可能
である。この場合にも、切換信号生成器37は、位置誤
差信号PESに含まれる周期的外乱成分の値が一定の値
に収束したら、安定性の高い繰り返し制御器の乗算器3
4を選択する切換信号37sを切換スイッチ32に出力
する。
【0039】また、たとえば、磁気ディスクD1の磁気
ヘッド4bによる記録または再生が終了し、続けて、磁
気ディスクD2を磁気ヘッド4cにより記録または再生
する場合には、磁気ディスクD1と磁気ディスクD2の
スピンドルモータ2に対する偏心量が異なり、かつ、各
記録面のサーボ情報は、それぞれ独立に書き込まれてい
るため、位置誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分
の値は記録面を変更する場合よりもさらに大きくなる場
合がある。このような場合にも、切換信号生成器37
は、再生、記録する磁気ヘッドを4bから4cに変更し
たことを示す変更信号を図示しない制御部から受けて、
学習収束性の速い繰り返し制御器の乗算器33を選択す
る切換信号37sを切換スイッチ32に出力する構成と
し、切換信号生成器37は、位置誤差信号PESに含ま
れる周期的外乱成分の値が一定の値に収束したら、安定
性の高い繰り返し制御器の乗算器34を選択する切換信
号37sを切換スイッチ32に出力する。このような構
成とすることにより、速やかに位置誤差信号PESに含
まれる周期的外乱成分を除去することができる。
【0040】さらに、たとえば、乗算器34、遅延記憶
素子35およびフィルター36によって構成される定常
安定性の高い繰り返し制御器によって学習制御を定常的
に行っている最中に、ディスクドライブ装置に衝撃等が
印加されて位置誤差信号PESに周期的でない外乱が加
わると、この周期的でない外乱成分の作用によって位置
誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分の値も大きく
なる場合もある。このような場合には、切換信号生成器
37は、位置誤差信号PESの履歴、すなわち時間的変
化から判断して衝撃等が印加されたと判断し、乗算器3
3を選択する切換信号37sを切換スイッチ32に出力
し、位置誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分の値
が一定の値に収束したら、安定性の高い繰り返し制御器
の乗算器34を選択する切換信号37sを切換スイッチ
32に出力する構成としてもよい。
【0041】以上のように、本実施形態によれば、高速
な学習により速やかに回転周期外乱を収束させることが
でき、かつ、トラッキングサーボ系の定常的な位置決め
安定性を向上させることができる。
【0042】第2実施形態 図3は、本発明の第2の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置にトラッキングサーボ系の構成図ある。図3に示
すディスクドライブ装置101は、上述した第1の実施
形態に係るディスクドライブ装置1と繰り返し制御部の
構成以外は同一の構成であり、同じ構成部分については
同じ符号を付している。なお、本実施形態では、磁気ヘ
ッド4a〜4dが本発明の記録/再生手段の一具体例に
対応している。上述した第1の実施形態では、繰り返し
制御部31で生成した補正指令Mrをを加算器8で位置
誤差信号PESに加算し、加算器8の出力信号8sを繰
り返し制御部31の入力とする、いわゆるフィードバッ
ク型の構成とした。本実施形態では、位置誤差信号PE
Sを繰り返し制御部41の入力とし、繰り返し制御部4
1の生成した補正指令Mrを加算器46で位置誤差信号
PESを加算する、いわゆるフィードフォワード型の構
成となっている。
【0043】繰り返し制御部41は、加算器42と、遅
延記憶素子43と、フィルタ44と、乗算器45とを有
している。
【0044】遅延記憶素子43は、加算器42から出力
される内部状態信号42sを順次記憶し、磁気ディスク
D1,D2の一回転周期分だけ遅延させて出力する。こ
の遅延記憶素子43は、上述した第1の実施形態の遅延
記憶素子35と同一の構成である。なお、遅延記憶素子
43は本発明の遅延記憶手段の一具体例に対応してい
る。
【0045】加算器42は、フィルター44の出力信号
44sと遅延していない位置誤差信号PESとを加算し
て新たな内部状態信号42sとして遅延記憶素子43に
出力する。なお、加算器42は本発明の第1の加算手段
の一具体例に対応している。
【0046】フィルター44は、低域通過フィルターか
らなり、遅延記憶素子43から出力された一または複数
の出力信号43sに対して所定のフィルタ演算を施して
乗算器45および加算器42に出力する。フィルター4
4は、たとえば、上記の(1)式で示したようなFIR
フィルターで構成される。
【0047】乗算器45は、フィルター44の出力信号
44sに所定のゲインKrを乗じて補正指令Mrとして
加算器46に出力する。なお、乗算器45のゲインKr
は、0〜1のいずれかの値をとる。
【0048】加算器46は、乗算器45から出力される
補正指令Mrと遅延していない位置誤差信号PESとを
加算して操作量としてトラッキング制御器9に出力す
る。
【0049】上記構成の繰り返し制御部41において
は、位置誤差信号生成回路7で生成された入力としての
位置誤差信号PESは、加算器42に入力され、加算器
42では、位置誤差信号PESにフィルター44の出力
信号44sを加算し、内部状態信号42sとして遅延記
憶素子43に順次記憶する。遅延記憶素子43は、記憶
した内部状態信号42sを磁気ディスクの一回転周期分
だけ遅延させ、すなわち、Nサンプル遅延させたのちに
フィルター44に出力する。次いで、遅延記憶素子43
から出力された内部状態信号43sをフィルター44に
通して、得られた信号44sに乗算器45でゲインKr
を乗じ、得られた補正指令Mrを遅延していない位置誤
差信号PESとを加算して新たな内部状態信号42sと
して遅延記憶素子43に順次入力する。さらに、加算器
46では、得られた補正指令Mrを遅延していない位置
誤差信号PESにフィードフォワード的に加算して操作
量46sとする。
【0050】このようにして得られた操作量46sは、
トラッキング制御器9に入力され、トラッキング制御器
9では操作量を補償して磁気ヘッド4a〜4dのうち再
生、記録中のもののトラッキング方向の位置決め制御を
行う。
【0051】ここで、トラッキングサーボ系における、
入力としての位置誤差信号PESから加算器46の出力
への伝達関数C2 (z)は、次式(3)で表される。
【0052】
【数3】
【0053】図4(a)は、乗算器45のゲインKrを
0.1に設定したときの伝達関数C2 (z)の周波数特
性を示すボード線図であり、図4(b)は、第1の実施
形態において説明した伝達関数C1 (z)のゲインKr
を0.1としたときの周波数特性を示すボード線図であ
る。なお、説明の簡単化のために、磁気ディスクの1回
転当たりのサンプリング数N=10、フィルタ36の伝
達関数q(z, z -1)=1、フィルター44の伝達関数q
0 (z, z -1)=1とし、繰り返し制御サンプリング周波
数を10kHzと設定している。また、図5(a)は、
図4(a)と全く同じ条件での伝達関数C2 (z)の周
波数特性を示すボード線図であり、図5(b)は伝達関
数C2 (z)のゲインKrを0.9としたときの周波数
特性を示すボード線図である。
【0054】図4から判るように、本実施形態のフィー
ドフォワード型の繰り返し制御器の伝達関数C2 (z)
の周波数特性においては、ゲインKrが小さく設定され
ていても、ゲイン特性105の回転周期外乱に対応する
周波数におけるピークは、フィードバック型の繰り返し
制御器の伝達関数C1 (z)のゲインよりも大きな値が
得られることが判る。すなわち、伝達関数C2 (z)に
よれば、ゲインKrが小さく設定されていても、非常に
高い回転周期外乱の抑圧性能が得られることが判る。
【0055】この理由としては、式(3)から判るよう
に、伝達関数C2 (z)はゲインKrを小さく(0に近
づけて)設定すると、伝達関数C2 (z)の零点と極の
位置が非常に接近するため、位相特性106から判るよ
うに、位相特性106の位相の反転する反転周波数領域
108も狭くなる。このため、ゲイン特性105に回転
周期外乱の周波数を抑制する周波数での急峻なピークが
得られると考えられる。一方、伝達関数C1 (z)で
は、式(2)からわかるように、原点以外の零点が存在
しないため、上記のようなことが発生せず、ゲインKr
を小さく設定すると回転周期外乱の抑制性能が低下す
る。
【0056】さらに、伝達関数C2 (z)のゲインKr
を小さく設定すると、ゲイン特性105は非常にシャー
プな特性となる。また、伝達関数C2 (z)のゲインK
rを大きく設定した場合と比較して、ゲイン特性105
は、回転周期外乱の周波数以外の周波数でゲインが0d
Bから低下したり上昇したりすることがほとんどない。
このため、伝達関数C2 (z)のゲインKrを充分小さ
く設定しても、位置誤差信号PESに含まれる磁気ディ
スクの回転同期外乱の抑圧度を確保できると同時に、回
転同期周波数以外の周波数域においてもトラッキングサ
ーボ特性の悪化もほとんどなく、良好な定常位置決め特
性が得られることがわかる。
【0057】一方、図5(b)に示すように、伝達関数
2 (z)はゲインKrを大きく(1に近づけて)設定
すると、ゲイン特性109のピーク周波数領域111が
広くなり、位相特性110の反転周波数領域112も広
くなる。位相の反転については、ゲインKrを大きく設
定すると、位相が大きく反転し、かつゲイン特性109
がブロードになる。伝達関数C2 (z)のKrを大きく
設定すると、小さく設定した場合に比べて格段に学習の
収束が早くなる。しかしながら、ゲインKrを大きく設
定すると、回転に同期した外乱周波数でのゲインは上昇
するが、それ以外の周波数でもゲインが0dBより低下
したり上昇したりし、トラッキングサーボ系の定常状態
での安定性能が低下する。
【0058】以上のように、本実施形態によれば、伝達
関数C2 (z)のゲインKrを小さく設定しても、回転
同期周波数以外の周波数域においてトラッキングサーボ
特性を安定化させる、すなわち、位置誤差信号PESに
含まれる磁気ディスクの回転同期外乱を一定の値に収束
させた後の定常状態でのトラッキングサーボ特性を安定
化できるとともに、位置誤差信号PESに含まれる磁気
ディスクの回転同期外乱の抑圧度を確保できる。さら
に、本実施形態によれば、伝達関数C2 (z)のKrを
大きく設定すると、小さく設定した場合に比べて格段に
速い学習収束速度を得られる。これらのことから、伝達
関数C2 (z)のゲインKrを調整する際に、ゲインK
rの低下によって、位置誤差信号PESに含まれる磁気
ディスクの回転同期外乱の抑圧性能の低下を考慮する必
要がなく、伝達関数C2 (z)のゲインKrをトラッキ
ングサーボ系の学習収束後の定常的な安定性と学習の収
束速度とのトレードオフによって決定することができ、
特性のよい繰り返し制御補償器が得られる。
【0059】第3実施形態 図6は、本発明の第3の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置のトラッキングサーボ系の構成図である。図6に
示すディスクドライブ装置201は、上述した第1およ
び第2の実施形態に係るディスクドライブ装置1、10
1と繰り返し制御部の構成以外は同一の構成であり、同
じ構成部分については同じ符号を付している。また、本
実施形態に係る繰り返し制御部51は、第2の実施形態
において説明したと同様のフィードフォワード型の構成
の繰り返し制御器を備え、さらに、第1の実施形態で説
明したと同様に、繰り返し制御器で生成した補正指令を
切換信号に応じて選択して第1の加算手段としての加算
器59にに出力する切換手段を備えている。
【0060】繰り返し制御部51は、切換スイッチ52
と、2つの乗算器53、54と、加算器55と、遅延記
憶素子56と、フィルター57と、切換信号生成器58
とを備えている。
【0061】切換スイッチ32は、上記した固定接点3
2cと同じ構成であり、入力される位置誤差信号PES
を、乗算器53,54のいずれか一方に出力する。切換
スイッチ32の接続の切換は、切換信号生成器58から
の切換信号58sの入力に応じて行われる。
【0062】乗算器53は、切換スイッチ32から出力
される位置誤差信号PESに所定のゲインKr1 を乗じ
て加算器55に出力する。なお、乗算器53のゲインK
1は、0.5〜1のいずれかの値をとる。乗算器54
は、切換スイッチ32から出力される位置誤差信号PE
Sに所定のゲインKr2 を乗じて加算器55に出力す
る。なお、乗算器45のゲインKrは、0〜0.5のい
ずれかの値をとり、乗算器53のゲインKr1 よりも小
さい値に設定される。
【0063】遅延記憶素子56は、加算器55から出力
される内部状態信号55sを順次記憶し、磁気ディスク
D1,D2の一回転周期分だけ遅延させて出力する。こ
の遅延記憶素子56は、上述した第1および第2の実施
形態の遅延記憶素子と同一の構成である。
【0064】加算器55は、フィルター57の出力する
補正指令Mrと乗算器53または54の出力信号とを加
算して新たな内部状態信号55sとして遅延記憶素56
に出力する。
【0065】フィルター57は、低域通過フィルターか
らなり、遅延記憶素子56から出力された一または複数
の出力信号56sに対して所定のフィルタ演算を施して
加算器55および加算器59に出力する。フィルター5
7は、たとえば、上記の(1)式で示したようなFIR
フィルターで構成される。
【0066】加算器59は、位置誤差信号PESにフィ
ルター57からの補正指令Mrをフィードフォワード的
に加算し、操作量59Sとしてトラッキング制御器9に
出力する。
【0067】上記構成の繰り返し制御部51では、第2
の実施形態で説明したように、入力としての位置誤差信
号PESから加算器46の出力への伝達関数は、上記の
(3)式で表される伝達関数C2 (z)となる。また、
繰り返し制御部51の伝達関数C2 (z)は異なるゲイ
ンKr1 ,Kr2 についてそれぞれ存在する。
【0068】第2の実施形態で説明したように、伝達関
数C2 (z)は、ゲインKrを小さく設定しても、回転
同期周波数以外の周波数域においてトラッキングサーボ
特性を安定化させる、すなわち、位置誤差信号PESに
含まれる磁気ディスクの回転同期外乱を一定の値に収束
させた後の定常状態でのトラッキングサーボ特性を安定
化できるとともに、位置誤差信号PESに含まれる磁気
ディスクの回転同期外乱の抑圧度を確保できる。一方、
伝達関数C2 (z)のKrを大きく設定すると、小さく
設定した場合に比べて格段に速い学習収束性能を得られ
るが、回転に同期した外乱周波数でのゲインは上昇する
が、それ以外の周波数でもゲインが0dBより低下した
り上昇したりし、トラッキングサーボ系の定常状態での
安定性能が低下する。
【0069】このことから、学習開始時には伝達関数C
2 (z)のKrを充分大きな値に設定し、位置誤差信号
に含まれる回転同期外乱が一定の大きさまで抑制された
定常時にはKrを小さく設定することにより、高速な学
習と良好な定常位置決め特性を実現できる。したがっ
て、本実施形態では、乗算器53のゲインKr1 を充分
大きな値に設定し、乗算器54のゲインKr2 を小さな
値に設定し、使用する乗算器53または乗算器54を、
上述した第1の実施形態の場合と同様に、切換信号生成
器58からの切換信号58sに応じて切換スイッチ52
で切り換える。
【0070】切換信号生成器37は、繰り返し制御部5
1での繰り返し制御を開始した時点では、位置誤差信号
PESに含まれる周期的外乱成分は大きいので、ゲイン
の大きい乗算器53を選択する切換信号58sを出力す
る。乗算器53が選択されると、乗算器54を選択した
場合に比べて格段に速い学習収束性能を得られるので、
位置誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分は速やか
に抑圧され、一定の値に収束する。
【0071】切換信号生成器58は、位置誤差信号PE
Sの大きさが一定の値よりも小さい値に収束したと判断
すると、繰り返し制御部51の乗算器54を選択する切
換信号58sを出力する。位置誤差信号PESが入力さ
れる乗算器が乗算器54に切り換えられると、位置誤差
信号PESに含まれる磁気ディスクの回転同期外乱の抑
圧度を確保できるとともに、回転同期周波数以外の周波
数域においてもトラッキングサーボ特性の悪化もほとん
どなく、良好な定常位置決め特性が得られる。
【0072】また、乗算器53と乗算器54との切り換
えの際には、乗算器53および乗算器54は、遅延記憶
素子56およびフィルター57の前段に設けられ、遅延
記憶素子56およびフィルター57は共通して使用さ
れ、遅延記憶素子56およびフィルター57は乗算器5
3あるいは54から出力されたデータを保持しているた
め、切り換えによる補正指令Mrの値の急激な変化は発
生しない。
【0073】第1の実施形態と同様に、たとえば、磁気
ディスクD1の磁気ヘッド4aによる再生、記録が終了
し、続けて、磁気ディスクD1の記録面を変更して磁気
ヘッド4bにより記録、再生する場合には、磁気ディス
クD1の各記録面のサーボ情報は、それぞれ独立に書き
込まれているため、位置誤差信号PESに含まれる周期
的外乱成分の値は再度大きくなる。このため、切換信号
生成器58は、再生、記録する磁気ヘッドを4aから4
bに変更したことを示す変更信号を図示しない制御部か
ら受けて、乗算器53を選択する切換信号58sを切換
スイッチ52に出力する構成とすることも可能である。
この場合にも、切換信号生成器58は、位置誤差信号P
ESに含まれる周期的外乱成分の値が一定の値に収束し
たら、乗算器54を選択する切換信号58sを切換スイ
ッチ52に出力する。
【0074】また、たとえば、磁気ディスクD1の磁気
ヘッド4bによる再生、記録が終了し、続けて、磁気デ
ィスクD2を磁気ヘッド4cにより記録、再生する場合
には、磁気ディスクD1と磁気ディスクD2のスピンド
ルモータ2に対する偏心量が異なり、かつ、各記録面の
サーボ情報は、それぞれ独立に書き込まれているため、
位置誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分の値は記
録面を変更する場合よりもさらに大きくなる場合があ
る。このような場合にも、切換信号生成器58は、再
生、記録する磁気ヘッドを4bから4cに変更したこと
を示す変更信号を図示しない制御部から受けて、乗算器
53を選択する切換信号58sを切換スイッチ52に出
力する構成とし、切換信号生成器58は、位置誤差信号
PESに含まれる周期的外乱成分の値が一定の値に収束
したら、乗算器54を選択する切換信号58sを切換ス
イッチ52に出力する。このような構成とすることによ
り、速やかに位置誤差信号PESに含まれる周期的外乱
成分を除去することができ、かつ、定常状態での安定し
たトラッキングサーボ特性が得られる。
【0075】さらに、ゲインKr2 の値が小さい乗算器
54を使用して学習制御を定常的に行っている最中に、
ディスクドライブ装置に衝撃等が印加されて位置誤差信
号PESに周期的でない外乱が加わると、この周期的で
ない外乱成分の作用によって位置誤差信号PESに含ま
れる周期的外乱成分の値も大きくなる場合もある。この
ような場合には、切換信号生成器58は、位置誤差信号
PESの履歴、すなわち時間的変化から判断して衝撃等
が印加されたと判断し、ゲインKr1 の値が大きい乗算
器53を選択する切換信号58sを切換スイッチ52に
出力し、位置誤差信号PESに含まれる周期的外乱成分
の値が一定の値に収束したら、ゲインの小さい乗算器5
4を選択する切換信号58sを切換スイッチ52に出力
する構成としてもよい。
【0076】以上のように、本実施形態によれば、第1
の実施形態と同様に、高速な学習により速やかに回転周
期外乱を収束させることができ、かつ、トラッキングサ
ーボ系の定常的な位置決め安定性を向上させることがで
きるとともに、定常時に位置誤差信号PESに含まれる
磁気ディスクの回転同期外乱の抑圧性能を確保できる。
【0077】第4実施形態 図7は、本発明の第4の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置のトラッキングサーボ系の構成図である。図7に
示すディスクドライブ装置301は、上述した第1〜第
3の実施形態に係るディスクドライブ装置1、101、
201と繰り返し制御部の構成以外は同一の構成であ
り、同じ構成部分については同じ符号を付している。ま
た、本実施形態に係る繰り返し制御部61は、上述した
第2の実施形態において説明したと同様のフィードフォ
ワード型の構成の繰り返し制御器を複数備え、さらに、
第1の実施形態で説明したと同様に、各繰り返し制御器
で生成した補正指令を切換信号に応じて選択して第1の
加算手段としての加算器72に出力する切換手段を備え
ている。
【0078】本実施形態に係る繰り返し制御部61は、
2つの乗算器62,63と、2つの加算器64,65
と、2つの遅延記憶素子66,67と、2つのフィルタ
ー68,69と、切換スイッチ70と、切換信号71と
を有する。
【0079】切換スイッチ32は、上記した固定接点3
2cと同じ構成であり、入力される位置誤差信号PES
を、乗算器53,54のいずれか一方に出力する。切換
スイッチ32の接続の切換は、切換信号生成器58から
の切換信号58sの入力に応じて行われる。
【0080】乗算器62は、位置誤差信号PESに所定
のゲインKr1 を乗じて加算器64に出力する。乗算器
63は、位置誤差信号PESに所定のゲインKr2 を乗
じて加算器65に出力する。なお、乗算器62のゲイン
Kr1 は、乗算器63のゲインKr2 よりも大きい値に
設定される。好適には、ゲインKr1 は0.5以上、ゲ
インKr2 は0.5以下に設定される。
【0081】加算器64は、フィルター68の出力する
補正指令Mrと乗算器62の出力信号62sとを加算し
て内部状態信号64sとして遅延記憶素子66に出力す
る。加算器65は、フィルター69の出力する補正指令
Mrと乗算器63の出力信号63sとを加算して内部状
態信号65sとして遅延記憶素子67に出力する。
【0082】遅延記憶素子66は、加算器64から出力
される内部状態信号64sを順次記憶し、磁気ディスク
D1,D2の一回転周期分だけ遅延させて出力する。遅
延記憶素子67は、加算器65から出力される内部状態
信号65sを順次記憶し、磁気ディスクD1,D2の一
回転周期分だけ遅延させて出力する。遅延記憶素子6
6,67は、上述した第1〜第3の実施形態の遅延記憶
素子と同一の構成である。
【0083】フィルター68は、伝達関数q1 (z,z
-1)をもつ低域通過フィルターからなり、遅延記憶素子
66から出力された一または複数の出力信号66sに対
して所定のフィルタ演算を施し、演算結果を補正指令M
rとして加算器64および切換スイッチ70に出力す
る。フィルター69は、伝達関数q2 (z,z-1)をも
つ低域通過フィルターからなり、遅延記憶素子67から
出力された一または複数の出力信号67sに対して所定
のフィルタ演算を施し、演算結果を補正指令Mrとして
加算器65および切換スイッチ70に出力する。フィル
ター68,69は、たとえば、上記の(1)式で示した
ようなFIRフィルターで構成される。また、フィルタ
ー68,69は低域通過フィルターであるが、フィルタ
ー68よりもフィルター69のほうが高周波帯域まで通
過させるフィルターとなっている。
【0084】切換スイッチ70は、フィルター68,6
9から出力される補正指令Mrを、切換信号生成器71
からの選択的に加算器72に出力する。なお、切換信号
生成器71の構成は、上述した各実施形態の切換信号生
成器と同様である。
【0085】加算器72は、位置誤差信号PESに切換
スイッチ70から出力される補正指令Mrをフィードフ
ォワード的に加算し、操作量72sとしてトラッキング
制御器9に出力する。
【0086】ここで、上記のフィルター68,69の伝
達関数q1 (z,z-1)、q2 (z,z-1)および乗算
器62,63のゲインKr1 ,Kr2 の具体例を次式
(4)〜(7)に示す。
【0087】
【数4】
【0088】
【数5】
【0089】
【数6】
【0090】
【数7】
【0091】図8(a)はフィルタ68の伝達関数q1
(z,z-1)、図8(b)はフィルタ69の伝達関数q
2 (z,z-1)の周波数特性を示すボード線図である。
なお、繰り返し制御サンプリング数N=224とし、磁
気ディスクの回転数は4500rpm(75Hz)とし
た。図8(a)に示すように、フィルタ68の伝達関数
1 (z,z-1)のゲイン特性113は1kHz手前か
ら強く減衰するゲイン特性である。また、図8(b)に
示すように、フィルタ69の伝達関数q2 (z,z-1
のゲイン特性114は数kHzあたりまで通過性を持つ
ゲイン特性であることがわかる。
【0092】次に、フィルタ68,69について、位置
誤差信号PESから加算器72の出力信号72sへの伝
達関数C2 (z)の周波数特性を示すボード線図を図9
に示す。なお、これら伝達関数C2 (z)は、上記の
(3)式で表される。図9(a)はフィルタ68を用い
た場合の伝達関数C2 (z)の周波数特性を示すボード
線図であり、図9(b)はフィルタ69を用いた場合の
伝達関数C2(z)の周波数特性を示すボード線図であ
る。
【0093】図9(a)からわかるように、フィルタ6
8を用いた場合のゲイン特性115および位相特性11
6は、伝達関数q1 (z,z-1)の特性により減衰が早
い。フィルタ68を用いた場合のゲイン特性117およ
び位相特性118は、伝達関数q2 (z,z-1)の特性
により比較的高周波数帯域まで減衰しない。
【0094】上記構成の繰り返し制御部61では、フィ
ルター68,69から出力される補正指令Mrは、切換
信号生成器71から出力される切換信号71sによって
切り換えられる切換スイッチ70によって選択されて、
加算器72に出力される。切り替え信号生成器71は、
たとえば、磁気ヘッド4a〜4dの目標位置からある程
度はずれた位置にいるときはフィルター68から出力さ
れる補正指令Mrを選択し、目標位置近傍に配置される
定常状態のときはフィルター69から出力される補正指
令Mrを選択する切換信号71sを出力する。
【0095】フィルタ68またはフィルタ69の補正指
令Mrのいずれが選択されていても、入力信号である位
置誤差信号PESは乗算器62,63でそれぞれゲイン
倍され、加算器64,65にそれぞれ出力される。加算
器64,65で、フィルタ68,フィルタ69の出力信
号とそれぞれ加算され、遅延記憶素子66,67に出力
される。遅延記憶素子66,67の出力信号は、それぞ
れフィルタ68,69を通って、切換スイッチ70に出
力されるとともに、加算器64,65にそれぞれ出力さ
れる。切換スイッチ70で選択されたフィルタ68また
はフィルタ69の補正指令Mrは、加算器72に出力さ
れ、位置誤差信号PESと加算され、操作量72sとし
てトラッキング制御器9に出力される。操作量72sは
補償されてD/Aコンバータ11に出力され、ドライバ
12およびアクチュエータ4によって磁気ヘッド4a〜
4dのトラッキング方向の位置決め制御が行われる。
【0096】なお、図7の構成においては、乗算器6
2,63を繰り返し制御器の入力側に配置したが、当
然、出力側に配置することも可能である。ただし、フィ
ルタ68またはフィルタ69の切換時の演算の簡便性等
を考慮すると、出力側に乗算器を配置した場合、例え
ば、ゲインをKr1 からKr2 に切り換えるときに、遅
延記憶素子67の中身にKr1 /Kr2 を掛ける必要が
あり、図7の構成のほうが切換時の演算が簡単である。
【0097】ここで、図10にフィルタ68およびフィ
ルタ69をそれぞれ用いた場合の学習収束特性を示す。
図10(a)がフィルタ68を用いた場合の学習収束特
性を示しており、図10(b)がフィルタ68を用いた
場合の学習収束特性を示している。なお、図10の横軸
は時間であって図10(a),(b)は同じ時間軸を用
いており、縦軸は無次元化した位置誤差信号PESの大
きさである。図10(a)に示すように、フィルタ68
を用いた場合の学習収束特性119は、ほぼ磁気ディス
クが2回転する間に収束しているが、図10(b)に示
すように、フィルタ69を用いた場合には、学習収束特
性120は、ディスクが数十周してもまだ学習が収束し
ていない。このことから、フィルタ68を用いたほうが
学習収束特性は格段に優れていることがわかる。
【0098】図11は、フィルタ68およびフィルタ6
9をそれぞれ用いた場合のトラッキングサーボ系の開ル
ープ特性(一巡伝達関数の周波数特性)を示すボード線
図であり、(a)がフィルタ68を用いた場合であり、
(b)がフィルタ69を用いた場合である。図11
(a)からわかるように、フィルタ68を用いた場合、
ゲイン特性121のピーク周波数領域が広くなり、位相
特性122の反転する周波数領域も広くなる。一方、フ
ィルタ69を用いた場合、ゲイン特性123のピーク周
波数領域が狭くなり、位相特性124の反転周波数領域
も狭くなる。
【0099】さらに、図12は定常時における位置誤差
信号PESのパワースペクトルを示すグラフであって、
図12(a)は、上記構成の繰り返し制御部61による
位置誤差信号PESの繰り返し制御補償を行わない場合
であり、図12(b)はフィルタ68を用いた場合であ
り、図12(c)はフィルタ69を用いた場合であり、
図12(a)〜(c)は同じ周波数軸を用いている。図
12から判るように、繰り返し制御を用いない場合のス
ペクトル125から、基本トラッキング制御器だけでは
ある程度高次まで回転同期外乱の取り残しがあることが
わかる。また、フィルタ68を用いた場合のスペクトル
126は、図11(a)に示したゲイン特性121から
も予想されるとおり、回転同期外乱は高次まで除去され
ているが、ベースラインノイズを励起してしまう周波数
領域、すなわち、1kHz程度以下の低周波数領域で回
転同期外乱周波数以外の周波数成分の外乱を励起してお
り、定常時には良好なサーボ特性ではない。
【0100】一方、フィルタ69を用いた場合のスペク
トル127は、図11(b)に示したゲイン特性123
からも予想されるとおり、回転同期外乱周波数成分のみ
が高次まで除去されており、ベースラインノイズの励起
等は見られず、良好な定常サーボ特性が得られている。
【0101】上記のことから、フィルタ68を用いた繰
り返し制御器は学習収束特性が非常に速いが、定常サー
ボ特性が相対的に悪いことが判る。一方、フィルタ69
を用いた繰り返し制御器は、学習収束特性が非常に遅い
が、良好な定常サーボ特性が得られることがわかる。
【0102】したがって、切換信号生成器71および切
換スイッチ70によって、フィルタ68とフィルタ69
から加算器72に出力される補正指令を適切に切り換え
ることにより、高速な学習と、トラッキング制御系の安
定性と、高い外乱抑圧性能をもつ回転同期外乱を抑圧す
る補償器を得ることができる。
【0103】ここで、図13(a)は上記構成の繰り返
し制御部61をトラッキングサーボ系に適用したとき
の、位置誤差信号PESの波形128を示すグラフであ
り、図13(b)は繰り返し制御部61で生成される補
正指令Mrの波形129を示すグラフであり、図13
(c)は切換信号生成器71の切換信号71sの波形1
30を示すグラフであり、図13(a)〜(c)は、同
じ時間軸を用いている。
【0104】図13(a)に示すように、フィルタ68
が選択されて磁気ディスク1回転の間は遅延記憶素子6
6へのデータの格納のみが行われ、その後制御出力、す
なわち、操作量72sの出力が開始される。磁気ディス
クの2回転目後半には学習が収束し、フィルタ69に切
り替わり、良好な定常位置決め性能が得られていること
がわかる。
【0105】以上のように、本実施形態によれば、2つ
のフィードフォワード型の繰り返し制御器を構成し、か
つ、これらフィードフォワード型の繰り返し制御器の乗
算器62,63のゲインKr1 ,Kr2 の大きさを変え
るだけでなく、フィルター68,69の周波数特性をそ
れぞれ変えることで、さらに、学習収束性能が高く、定
常位置決め性能に優れ、かつ、定常時に高周波の回転外
乱成分の抑圧性能の高いトラッキングサーボ系とするこ
とができる。
【0106】変形例 図14は、上述した第4の実施形態の繰り返し制御部の
変形例である。図14において、繰り返し制御部81
は、切換スイッチ82と、ゲインKr1’,ゲインKr
2 ’の乗算器83,84と、加算器85と、遅延記憶素
子86と、伝達関数q1 (z,z-1),q2 (z,
-1)をもつ低域通過フィルター87,88と、切換ス
イッチ89と、ゲインKr3 の乗算器90と、切換信号
生成器91とを有する。これらの構成要素は、第4の実
施形態の構成要素と同一の構成である。また、切換スイ
ッチ82、89は、切換信号生成器91からの切換信号
91sに応じて同時に動作する。このような構成とする
ことで、第4の実施形態の繰り返し制御部61と同じ機
能を実現できるとともに、遅延記憶素子85を2つの乗
算器83,84と低域通過フィルター87,88とで共
用することで、メモリーの節約も可能である。
【0107】また、ゲインKr1 ’,ゲインKr2
は、第4の実施形態のゲインKr1 ,ゲインKr2 に対
して次式(8)、(9)の関係となる。
【0108】
【数8】
【0109】
【数9】
【0110】以上、種々の実施形態を挙げて、本発明の
ディスクドライブ装置およびヘッドヘッド位置決め制御
方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に
限定されない。上述した実施形態は、磁気ディスクを駆
動するディスクドライブ装置に定期用した場合について
説明したが、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、
フロッピーディスク等の種々の回転記録媒体におけるヘ
ッドまたはピックアップのトラッキングサーボ系に適用
可能である。さらに、上述した実施形態は、本発明をト
ラッキングサーボ系に適用した場合について説明した
が、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク等における
フォーカスサーボ系への適用も可能である。この場合に
は、ディスクの偏心ではなく、ディスクの反り等に起因
する回転周期外乱の抑制が可能となる。
【0111】
【発明の効果】本発明に係るディスクドライブ装置およ
びディスクドライブ装置のヘッド位置決め制御方法によ
れば、学習収束性が速く、サーボ制御系に入力される記
録媒体の回転に同期した周期的な外乱を十分抑制でき、
かつ、サーボ制御系の安定性を同時に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置の構成図である。
【図2】繰り返し制御部31の周波数特性を示すボード
線図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置の構成図である。
【図4】(a)は乗算器45のゲインKrを0.1に設
定したときの伝達関数C2 (z)の周波数特性を示すボ
ード線図であり、(b)は第1の実施形態において説明
した伝達関数C1 (z)のゲインKrを0.1としたと
きの周波数特性を示すボード線図である。
【図5】(a)は、図4(a)と全く同じ条件での伝達
関数C2 (z)の周波数特性を示すボード線図であり、
(b)は伝達関数C2 (z)のゲインKrを0.9とし
たときの周波数特性を示すボード線図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置の構成図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るディスクドライ
ブ装置の構成図である。
【図8】(a)はフィルタ68の伝達関数q1 (z,z
-1)、(b)はフィルタ69の伝達関数q2 (z,
-1)の周波数特性を示すボード線図である。
【図9】(a)はフィルタ68を用いた場合の伝達関数
2 (z)の周波数特性を示すボード線図であり、
(b)はフィルタ69を用いた場合の伝達関数C
2 (z)の周波数特性を示すボード線図である。
【図10】フィルタ68およびフィルタ69をそれぞれ
用いた場合の学習収束特性を示すグラフである。
【図11】フィルタ68およびフィルタ69をそれぞれ
用いた場合のトラッキングサーボ系の開ループ特性(一
巡伝達関数の周波数特性)を示すボード線図であり、
(a)がフィルタ68を用いた場合であり、(b)がフ
ィルタ69を用いた場合である。
【図12】図12は定常時における位置誤差信号PES
のパワースペクトルを示すグラフであって、(a)は繰
り返し制御部61による位置誤差信号PESの繰り返し
制御補償を行わない場合であり、(b)はフィルタ68
を用いた場合であり、(c)はフィルタ69を用いた場
合である。
【図13】(a)は上記構成の繰り返し制御部61をト
ラッキングサーボ系に適用したときの、位置誤差信号P
ESの波形128を示すグラフであり、(b)は繰り返
し制御部61で生成される補正指令Mrの波形129を
示すグラフであり、(c)は切換信号生成器71の切換
信号71sの波形130を示すグラフである。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るディスクドラ
イブ装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1,101,201,301,401…ディスクドライ
ブ装置、3…スピンドルモータ、4…アクチュエータ、
4a〜4d…磁気ヘッド、5…増幅器、6…A/Dコン
バータ、7…位置誤差信号生成器、8…加算器、9…ト
ラッキング制御器、10…D/Aコンバータ、11…ド
ライバ、31,41,51,61,81…繰り返し制御
部、32…切換スイッチ、33,34…乗算器、35…
遅延記憶素子、36…フィルタ、PES…位置誤差信
号、Mr…補正指令、D1,D2…磁気ディスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05D 3/12 305 G05D 3/12 305V Fターム(参考) 5D096 AA01 CC01 DD01 DD02 EE01 EE14 FF01 GG06 HH18 KK01 5H004 GA40 GB20 HA07 HB07 JA12 KB33 KD61 LB04 LB05 MA12 5H303 AA22 BB02 BB07 BB14 CC01 DD01 EE03 EE07 FF04 HH02 HH07 KK01 KK07 KK22 KK27 KK35 MM05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク状の回転記録媒体を回転駆動する
    駆動手段と、 前記記録媒体の記録面に対向して配置され、前記記録媒
    体の記録面に記録されたデータの再生または前記記録面
    へのデータの記録の少なくとも一方を行う記録/再生手
    段と、 前記記録/再生手段を前記記録面に対して移動させるア
    クチュエータと、 入力される操作量に応じて前記アクチュエータを駆動
    し、前記記録/再生手段の前記記録面に対する位置を制
    御する位置制御手段と、 回転する前記記録面に対する前記記録/再生手段の目標
    位置からの位置誤差を検出して出力する位置誤差検出手
    段と、 入力される内部状態信号を順次記憶し、前記記録媒体の
    回転周期分遅延させて出力する遅延記憶手段と、 前記遅延記憶手段の出力信号と遅延していない前記位置
    誤差出力とを加算して新たな内部状態信号として前記遅
    延記憶手段に出力する第1の加算器と、 前記遅延記憶手段の出力信号と遅延していない前記位置
    誤差出力とを加算して前記操作量として前記位置制御手
    段に出力する第2の加算器と、 前記第1の加算器に入力される前記位置誤差出力または
    前記第2の加算器に入力される前記遅延記憶手段の出力
    信号の少なくとも一方に所定のゲインを乗じる乗算器と
    を有するディスクドライブ装置。
  2. 【請求項2】前記遅延記憶手段から出力された一または
    複数の出力信号に対して所定のフィルタ演算を施して前
    記第1および第2の加算器に出力する低域通過フィルタ
    ーをさらに有する請求項1に記載のディスクドライブ装
    置。
  3. 【請求項3】前記乗算器のゲインは、0〜1のいずれか
    である請求項1に記載のディスクドライブ装置。
  4. 【請求項4】前記低域通過フィルターは、FIRフィル
    ターで構成される請求項2に記載のディスクドライブ装
    置。
  5. 【請求項5】前記乗算器は、異なるゲインを持つ複数の
    乗算器からなり、 使用する乗算器を選択的に切り換えるゲイン切換手段を
    さらに有する請求項1に記載のディスクドライブ装置。
  6. 【請求項6】前記ゲイン切換手段は、前記位置誤差出力
    の大きさに応じて前記使用する乗算器を切り換える請求
    項5に記載のディスクドライブ装置。
  7. 【請求項7】相対的にゲインの大きい第1の乗算器と、
    相対的にゲインの小さい第2の乗算器とを有し、 前記ゲイン切換手段は、前記位置誤差出力が所定の値よ
    りも大きい場合には、第1の乗算器を選択し、前記位置
    誤差出力が所定の値よりも小さい場合には、第2の乗算
    器を選択する請求項6に記載のディスクドライブ装置。
  8. 【請求項8】前記記録媒体の異なる記録面、および/ま
    たは、前記駆動手段によって共通的に回転する複数の前
    記記録媒体に対して対向配置される複数の前記記録/再
    生手段と、 前記複数の前記記録/再生手段を共通的に移動させるア
    クチュエータと、を備え、 前記ゲイン切換手段は、前記記録/再生手段によって記
    録または再生を行う記録媒体または記録面の変更時に、
    前記第1の乗算器を選択し、前記位置誤差出力が所定の
    値に収束したら前記第2の乗算器を選択する請求項7に
    記載のディスクドライブ装置。
  9. 【請求項9】前記駆動手段に対して前記記録媒体を交換
    可能となっている請求項1に記載のディスクドライブ装
    置。
  10. 【請求項10】ディスク状の回転記録媒体を回転駆動す
    る駆動手段と、 前記記録媒体の記録面に対向して配置され、前記記録媒
    体の記録面に記録されたデータの再生または前記記録面
    へのデータの記録の少なくとも一方を行う記録/再生手
    段と、 前記記録/再生手段を前記記録面に対して移動させるア
    クチュエータと、 入力される操作量に応じて前記アクチュエータを駆動
    し、前記記録/再生手段の前記記録面に対する位置を制
    御する位置制御手段と、 回転する前記記録面に対する前記記録/再生手段の目標
    位置からの位置誤差を検出する位置誤差検出手段と、 前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分を抑制する
    補正指令を生成する異なる特性の複数の学習制御手段
    と、 前記各学習制御手段で生成されたいずれかの補正指令と
    前記位置誤差出力とを加算して前記操作量として前記位
    置制御手段に出力する第1の加算手段と前記各学習制御
    手段で生成される補正指令を切換信号に応じて選択して
    前記第1の加算手段に出力する切換手段とを有するディ
    スクドライブ装置。
  11. 【請求項11】前記複数の学習制御手段は、前記位置誤
    差出力に含まれる周期的外乱成分を一定の値に収束させ
    る収束速度が相対的に速い第1の学習制御手段と、 前記位置誤差出力が一定の値に収束した定常状態での安
    定性能が相対的に高い第2の学習制御手段とを有する請
    求項10に記載のディスクドライブ装置。
  12. 【請求項12】第2の学習制御手段は、前記位置誤差出
    力が一定の値に収束した定常状態での安定性能が相対的
    に高く、かつ、前記位置誤差出力が一定の値に収束した
    定常状態での前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成
    分に対する抑圧性能が相対的に高い請求項11に記載の
    ディスクドライブ装置。
  13. 【請求項13】前記切換手段は、前記位置誤差出力の大
    きさに応じて前記第1の加算手段に補正指令を出力する
    前記学習制御手段を選択する請求項11に記載のディス
    クドライブ装置。
  14. 【請求項14】前記記録媒体の異なる記録面、および/
    または、前記駆動手段によって共通的に回転する複数の
    前記記録媒体に対して対向配置される複数のヘッドと、 前記複数のヘッドを共通的に移動させるアクチュエータ
    と、を備え、 前記切換手段は、前記ヘッドによって記録または再生を
    行う記録媒体または記録面の変更時毎に、前記第1の学
    習制御手段を選択し、前記位置誤差出力が所定の値に収
    束したら前記第1の学習制御手段を選択する請求項11
    に記載のディスクドライブ装置。
  15. 【請求項15】前記第1および第2の学習制御手段は、 入力される内部状態信号を順次記憶し、前記記録媒体の
    回転周期分遅延させて出力する遅延記憶手段と、 前記遅延記憶手段から出力された一または複数の出力信
    号に対して所定のフィルタ演算を施して前記第1の加算
    手段に出力する低域通過フィルターと、 前記低域通過フィルターの出力信号と遅延していない前
    記位置誤差出力とを加算して新たな内部状態信号として
    前記遅延記憶手段に出力する第2の加算手段と、 前記第1の加算手段に入力される前記位置誤差出力また
    は前記第2の加算手段に入力される前記低域通過フィル
    ターの出力信号の少なくとも一方に、所定のゲインを乗
    じる乗算器とを有する請求項12に記載のディスクドラ
    イブ装置。
  16. 【請求項16】前記第1および第2の学習制御手段の有
    する低域通過フィルターは、それぞれ周波数特性が異な
    る請求項15に記載のディスクドライブ装置。
  17. 【請求項17】前記第2の学習制御手段の低域通過フィ
    ルターは、前記第1の学習制御手段の低域通過フィルタ
    ーの通過帯域よりも高い周波数の通過帯域を有する請求
    項16に記載のディスクドライブ装置。
  18. 【請求項18】前記乗算器は、相対的にゲインの大きい
    第1の乗算器と、相対的にゲインの小さい第2の乗算器
    とからなり、前記第1および第2の乗算器を選択的に切
    り換えて前記加算器に出力するゲイン切換手段をさらに
    有する請求項12に記載のディスクドライブ装置。
  19. 【請求項19】前記低域通過フィルターは、FIRフィ
    ルターで構成される請求項15に記載のディスクドライ
    ブ装置。
  20. 【請求項20】前記駆動手段に対して前記記録媒体を交
    換可能となっている請求項10に記載のディスクドライ
    ブ装置。
  21. 【請求項21】ディスク状の回転記録媒体に記録された
    データの再生または前記回転記録媒体へのデータの記録
    の少なくとも一方を行うヘッドを回転する前記回転記録
    媒体の目標位置に追従させるディスクドライブ装置のヘ
    ッド位置決め制御方法であって、 回転する前記回転記録媒体の記録面に対する前記ヘッド
    の目標位置からの位置誤差を検出するステップと、 入力される内部状態信号を記憶手段に順次記憶し、前記
    記録媒体の回転周期分遅延させて前記記憶手段から出力
    するステップと、 前記記憶手段から出力された一または複数の前記内部状
    態信号を低域通過フィルターに通して、得られた結果信
    号と遅延していない前記位置誤差出力とを加算して新た
    な内部状態信号として前記記憶手段に順次入力するステ
    ップと、 前記結果信号を遅延していない前記位置誤差出力にフィ
    ードフォワード的に加算して操作量とするステップと、 前記操作量を補償して前記ヘッドの位置決め制御を行う
    ステップとを有するディスクドライブ装置のヘッド位置
    決め制御方法。
  22. 【請求項22】前記位置誤差出力にフィードフォワード
    的に加算する前記結果信号に0〜1のいずれかの値をと
    るゲインを乗算して当該位置誤差出力に加算する請求項
    21に記載のディスクドライブ装置のヘッド位置決め制
    御方法。
  23. 【請求項23】ディスク状の回転記録媒体に記録された
    データの再生または前記回転記録媒体へのデータの記録
    の少なくとも一方を行うヘッドを回転する前記回転記録
    媒体の目標位置に追従させるディスクドライブ装置のヘ
    ッド位置決め制御方法であって、 回転する前記記録面に対する前記ヘッドの目標位置から
    の位置誤差を検出するステップと、 前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分を一定の値
    に収束させる収束速度が相対的に速い第1の学習制御手
    段および前記位置誤差出力が一定の値に収束した定常状
    態での前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分に対
    する抑圧性能が相対的に高い第2の学習制御手段により
    前記位置誤差出力に含まれる周期的外乱成分を抑制する
    補正指令を生成するステップと、 前記第1および第2の学習制御手段で生成した補正指令
    を選択的に前記位置誤差出力に加算して操作量として出
    力するステップと、 前記操作量を補償して前記ヘッドの位置決め制御を行う
    ステップとを有するディスクドライブ装置のヘッド位置
    決め制御方法。
  24. 【請求項24】前記補正指令を選択的に前記位置誤差出
    力に加算するステップは、前記位置誤差出力の大きさが
    所定の値よりも大きい場合は、前記第1の学習制御手段
    からの補正指令を選択して前記位置誤差出力に加算し、
    前記位置誤差出力の大きさが所定の値以下に収束したら
    前記第2の学習制御手段からの補正指令を選択して前記
    位置誤差出力に加算する請求項23に記載のディスクド
    ライブ装置のヘッド位置決め制御方法。
  25. 【請求項25】前記ディスクドライブ装置は、前記記録
    媒体の異なる記録面、および/または、前記駆動手段に
    よって共通的に回転する複数の前記記録媒体に対して対
    向配置される複数のヘッドと、 前記複数のヘッドを共通的に移動させるアクチュエータ
    と、を備え、 前記補正指令を選択的に前記位置誤差出力に加算するス
    テップは、前記ヘッドによって記録または再生を行う記
    録媒体または記録面の変更時毎に、前記第1の学習制御
    手段からの補正指令を選択して前記位置誤差出力に加算
    し、前記位置誤差出力が所定の値に収束したら前記第2
    の学習制御手段からの補正指令を選択して前記位置誤差
    出力に加算する請求項24に記載のディスクドライブ装
    置のヘッド位置決め制御方法。
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