JP3119716B2 - セクタサーボ制御方式のディスク装置 - Google Patents

セクタサーボ制御方式のディスク装置

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JP3119716B2 JP04080965A JP8096592A JP3119716B2 JP 3119716 B2 JP3119716 B2 JP 3119716B2 JP 04080965 A JP04080965 A JP 04080965A JP 8096592 A JP8096592 A JP 8096592A JP 3119716 B2 JP3119716 B2 JP 3119716B2
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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセクタサーボ制御方式の
ディスク装置に関し、特に、ディスクの上下面に設けら
れ、同時に記録、再生が行われるトラック上に、それぞ
れ回転方向に位相をずらしたサーボ位置信号領域が設け
られ、ヘッドから再生されるサーボ位置誤差信号をサン
プリングしてヘッド位置決め制御に利用する、セクタサ
ーボ方式を採用した磁気ディスク装置の性能向上に関す
る。
【0002】従来、小型磁気ディスク装置においては、
データディスク面をいくつかのセクタに分離し、それら
のセクタ毎のデータトラックの一部にサーボ位置情報を
書き込んでおき、再生されるサーボ位置情報を基にヘッ
ド位置決めを行う、いわゆるセクタサーボ方式がよく採
用されている。このセクタサーボ方式においては、1つ
のセクタ内のサーボ情報を多くして位置決め精度を上げ
ようとすると、データを書き込む領域が少なくなり、デ
ータの記録密度が低下してしまう。よって、位置決め精
度を上げながらデータの記録密度も落とさないようにす
ることが望まれている。
【0003】
【従来の技術】従来、小型磁気ディスク装置におけるセ
クタサーボ方式においては、ディスク一面にサーボ情報
を書いておくサーボ面サーボ方式に比して、サーボ位置
情報が不連続にしか得られない。そして、サーボ位置情
報の周期は、ディスクに書かれたセクタ数とディスクの
回転数によって決まってしまう。従って、この欠点を回
避するためにディスクの上面と下面で、セクタをディス
ク回転方向にずらして設定することにより、ヘッド位置
決め制御回路が制御に上下のヘッドを切替えて周波数の
高いサーボ情報を得る方式が提案されている。
【0004】例えば、ディスクの上面のセクタと下面の
セクタを半周期ずらして設定すれば、2倍の周期でサー
ボ位置情報を読み出すことが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上下ヘッドの信号を用いる制御においては、サーマ
ルオフトラック等の影響で、上下ヘッドから得られるサ
ーボ信号に相対的なオフセットが生じた場合、安定した
制御結果が得られないため、それらのオフセットを相殺
するための補正が必要となるという問題点がある。
【0006】これを解消する方法として、予めディスク
1回転分のセクタサーボ信号の平均値をテーブルに記憶
しておく方法が考えられる。ところが、この方法では、
オフセットの時間的変化を補償するためには、これらの
テーブル値を定期的に更新する必要があり、制御が煩雑
となる欠点を有する。そこで、本発明は、セクタサーボ
方式の磁気ディスク装置において、予めディスク1回転
分のセクタサーボ信号の平均値をテーブルに記憶してお
くことなく、サンプル周波数を上げてヘッド位置決め制
御を可能とし、一層安定したヘッドの位置決め制御がで
き、ひいては装置の信頼性を向上させることができるセ
クタサーボ制御方式のディスク装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明のセクタサーボ制御方式のディスク装置の構成が図1
に示される。図1に示すように本発明は、ディスクDの
上下面に設けられ、同時に記録、再生が行われるトラッ
クT上に、それぞれ回転方向に位相をずらしたサーボ位
置信号領域Sを設け、ヘッドHから再生されるサーボ位
置誤差信号をサンプリングしてヘッド位置決め制御に利
用する、セクタサーボ制御方式のディスク装置におい
て、上下各ヘッドHから復調されるサーボ位置誤差信号
からそれぞれの低周波成分を生成する低周波成分生成手
段1と、上下各ヘッドHから復調されるサーボ位置誤差
信号の合成信号から高周波成分を生成する高周波成分生
成手段2と、低周波成分と高周波成分の合成信号により
ヘッドHのアクチュエータを制御するヘッド位置決め制
御手段3とを設けて構成する。
【0008】
【作用】本発明のセクタサーボ制御方式のディスク装置
によれば、低周波成分生成手段1によって上下各ヘッド
Hから復調されるサーボ位置誤差信号からそれぞれの低
周波成分が生成され、高周波成分生成手段2によって上
下各ヘッドHから復調されるサーボ位置誤差信号の合成
信号から高周波成分が生成される。そして、ヘッド位置
決め制御手段3によって低周波成分と高周波成分の合成
信号によりヘッドHのアクチュエータが制御される。
【0009】このとき、低周波成分生成手段1が、上下
ヘッドHからサンプリングされるサーボ位置誤差信号そ
れぞれに対して、各サンプリング周期において重み関数
幅が一周のセクタ数より小さい移動平均演算処理を行っ
てサーボ位置誤差信号の低周波成分を生成し、高周波成
分生成手段2が、上下ヘッドHからサンプリングされる
サーボ位置誤差信号から、移動平均値を減算した値、或
いはローパスフィルタ出力値を減算した値を位置誤差信
号の高周波数成分として生成し、ヘッド位置決め制御手
段3が、低周波成分から各ヘッド位置決めのオフトラッ
ク補償を行い、高周波成分から位置決め制御演算を行う
ようにしても良い。
【0010】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図2は本発明のセクタサーボ制御方式のデ
ィスク装置の一実施例の全体構成を示すものである。図
において20はディスク、21はディスクの上面に設け
られた上ヘッド、22は下ヘッド、23,24はセクタ
分離回路、25,26はサーボ復調回路、27はヘッド
位置決め制御回路、28は選択回路、29は読出/書込
(R/W)回路を示している。この実施例のセクタサー
ボ制御方式のディスク装置では、上ヘッド21、下ヘッ
ド22のそれぞれに専用のサーボ信号復調回路25,2
6を設け、各セクタの一部に書かれているサーボ信号を
セクタ分離回路23,24を通して上下ヘッド別々に復
調し、サーボ信号復調回路25,26の出力をヘッド位
置決め制御回路27に入力してヘッドの位置決めを行
う。
【0011】一方、データ信号はセクタ分離回路23に
おいて分離されてヘッド選択回路28に入力され、各セ
クタのデータ部に書かれたデータがR/W回路29に入
力される。データの書き込み時には、逆に、R/W回路
29からのデータ信号がヘッド選択回路28によって上
下ヘッドに振り分けられ、セクタ分離回路23,24を
通じて上ヘッド21、或いは下ヘッド22に入力されて
ディスク20に書き込まれる。
【0012】図3は図2中のヘッド位置決め制御回路2
7の詳細な構成を示すものであり、図2と同じ構成要素
には同じ符号を付してある。図2に示した構成要素以外
の構成要素としては、移動平均回路31,32、減算器
33,34、オフセット補償回路35,36、選択回路
37,38、および位相補償回路39がある。40はパ
ワーアンプ、41はボイスコイルモータ(VCM)であ
る。
【0013】上下ヘッド21,22によって再生され、
サーボ復調回路25,26で復調されるサーボ位置信号
は、それぞれ移動平均回路31,32によって平均さ
れ、低周波成分が決定される。ここで、上下ヘッド2
1,22のそれぞれのオフセット量は異なるため、各ヘ
ッドの低周波成分を用いて個別にオフセット補償する必
要がある。この場合は直流オフセット補償が主になるた
めサンプリング周波数の低下の影響は少ない。そこで、
移動平均回路31,32によって得られた低周波成分は
オフセット補償回路35,36に入力された後に、選択
回路37,38を通って加算される。
【0014】一方、移動平均回路31,32の出力は減
算器33,34にそれぞれ入力され、ここで、サーボ復
調回路25,26から復調されたサーボ位置信号から減
算され、高周波成分が得られる。減算器33,34から
のサーボ信号高周波成分(上下セクタの回転方向の位相
がずれているため、入力タイミングは同一でない)は、
加算されて位相補償回路39に入力される。従って、位
相補償回路39では、上下ヘッド21,22からのサン
プリング入力が得られるため、単一ヘッド信号入力に比
べ、倍のサンプル周波数が得られることになり、サーボ
帯域を高く設定することができる。この位相補償回路3
9の出力は、選択回路37,38の出力と加算される。
【0015】オフセット補償が加えられた位相補償回路
39の出力は、パワーアンプ40を通してボイスコイル
モータ41を駆動し、それによって上下ヘッド21,2
2を含むアクチュエータが位置決めされる。移動平均回
路31,32における移動平均演算は、例えば、Σをn
=0〜N−1の数(但し、Nは重み関数の幅)として、
以下の式によって行う。
【0016】y(i)=(1/N)Σx(i−n) すなわち、上式では過去N回のサンプリング位置信号x
(i)の平均が、移動平均値y(i)として各サンプリ
ング点で求められる。ここで重み関数の幅Nは2からデ
ィスク一周のセクタ数までの間から選択されるが、Nの
値が大きいと、それだけサンプリング位置信号の高周波
カットのフィルタ効果が強まる。
【0017】次に、図4および図5を用いて図3の回路
の具体的な動作を、各点A〜Kの波形を用いて説明す
る。図4(a) は点Aにおける上ヘッド21のサーボ信号
を示すものであり、図4(b) は点Eにおける下ヘッド2
2のサーボ信号を示すものである。これらの図に示すよ
うに、上下ヘッド21,22からのサーボ信号の再生値
はディスクのオフセット量によってばらつく。ところ
が、これらのサーボ信号の再生値は移動平均回路31,
32によって平均されると、図4(c) ,(d) に示すよう
に直流オフセット成分、すなわち、オフセット量の低周
波成分が決定される。このように、サーボ復調回路2
5,26で復調されるサーボ位置信号は、それぞれのそ
れぞれのオフセット量は異なるため、移動平均回路3
1,32によって得られた低周波成分は、オフセット補
償回路35,26に入力されてオフセット補償値が求め
られる。図5(a) は点Dにおけるこのオフセット補償
値、図5(b)は点Hにおけるオフセット補償値を示して
いる。
【0018】一方、図4(e) および(f) は、点Cおよび
点Gにおける上下ヘッドからのサーボ信号の高周波成分
を示すものであり、それぞれ図4(a) ,(b) に示したサ
ーボ信号から、図4(c) ,(d) に示した直流成分を減算
したものである。この直流成分は合成されるので、点K
における合成高周波成分は図4(g) に示すようになる。
ここで得られる合成高周波成分は、上下セクタの回転方
向の位相がずれているため、どちらか一方からの高周波
成分に対して情報量が2倍になっている。従って、この
合成高周波成分を入力とする位相補償回路39の出力で
ある点Iにおける位相補償信号は、単一ヘッド信号入力
に比べ、倍のサンプル周波数が得られることになり、サ
ーボ帯域を高く設定することができる。この位相補償回
路39の出力に対して、オフセット補償回路35,36
の出力は、選択回路37,38によって選択的に合成さ
れる。従って、点Jにおける上ヘッド選択時のパワーア
ンプ40の駆動値は図5(d) に示すようになり、点Jに
おける下ヘッド選択時のパワーアンプ40の駆動値は図
5(e) に示すようになる。
【0019】このように、前述の実施例によれば、ディ
スク上面と下面でサンプリングされたサーボ位置信号に
対して、それぞれ常に移動平均演算処理を施し、その結
果をサーボ位置信号の低周波数成分として各ヘッドの位
置決めの際のオフトラック補償に用い、また、サンプリ
ングされたサーボ位置信号から前述の移動平均値を引い
た値を位置誤差信号の高周波数成分として、位置決め制
御演算を行う。この結果、上下ヘッドの相対的なオフセ
ットを相殺することができ、かつ、サンプリング周波数
を上げた高いサーボ帯域を持つ制御が可能となる。
【0020】なお、上ヘッド21及び下ヘッド22に対
して、上下ヘッドから得られるサーボ位置信号を両方と
も、トラッキング制御及びシーク制御に利用することに
より、サーボ周波数帯域を上げることもできる。また、
前述の実施例では、サーボ信号の低周波数成分を得るた
め移動平均処理を行っているが、ローパスフィルタを用
いても同様の効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セクタサーボ方式の磁気ディスク装置において、サンプ
ル周波数を上げたヘッド位置決め制御が可能となるた
め、従来よりも安定した制御が可能となり、ひいては装
置の信頼性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセクタサーボ制御方式のディスク装置
の構成を示す原理構成図である。
【図2】本発明のセクタサーボ制御方式のディスク装置
の一実施例の構成を示す全体図である。
【図3】図2の位置決め制御回路の構成を示すブロック
回路図である。
【図4】図3の点Aから点Kの波形を示す波形図であ
る。
【図5】図3の点D,H,I,Jの波形を示す波形図で
ある。
【符号の説明】
1…低周波成分生成手段 2…高周波成分生成手段 3…ヘッド位置決め制御手段 A…アクチュエータ D…ディスク H…ヘッド S…サーボ領域 T…トラック 20…ディスク 21…上ヘッド 22…下ヘッド 25,26…サーボ復調回路 27…ヘッド位置決め制御回路 31,32…移動平均回路 33,34…減算器 35,36…オフセット補償回路 37,38…位相補償回路 39…位相補償回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 21/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク(D)の上下面に設けられ、同
    時に記録、再生が行われるトラック(T)上に、それぞ
    れ回転方向に位相をずらしたサーボ位置信号領域(S)
    を設け、ヘッド(H)から再生されるサーボ位置誤差信
    号をサンプリングしてヘッド位置決め制御に利用する、
    セクタサーボ制御方式のディスク装置であって、 上下各ヘッド(H)から復調されるサーボ位置誤差信号
    からそれぞれの低周波成分を生成する低周波成分生成手
    段(1)と、 上下各ヘッド(H)から復調されるサーボ位置誤差信号
    の合成信号から高周波成分を生成する高周波成分生成手
    段(2)と、 前記低周波成分と高周波成分の合成信号により前記ヘッ
    ド(H)のアクチュエータ(A)を制御するヘッド位置
    決め制御手段(3)と、 を備えることを特徴とするセクタサーボ制御方式のディ
    スク装置。
  2. 【請求項2】 前記低周波成分生成手段(1)が、上下
    ヘッド(H)からサンプリングされるサーボ位置誤差信
    号それぞれに対して、各サンプリング周期において重み
    関数幅が一周のセクタ数より小さい移動平均演算処理を
    行ってサーボ位置誤差信号の低周波成分を生成し、 前記高周波成分生成手段(2)が、上下ヘッド(H)か
    らサンプリングされるサーボ位置誤差信号から、前記移
    動平均値を減算した値を位置誤差信号の高周波数成分と
    して生成し、 前記ヘッド位置決め制御手段(3)が、前記低周波成分
    から各ヘッド位置決めのオフトラック補償を行い、前記
    高周波成分から位置決め制御演算を行うことを特徴とす
    る請求項1に記載のセクタサーボ制御方式のディスク装
    置。
  3. 【請求項3】 前記低周波成分生成手段(1)が、上下
    ヘッド(H)からサンプリングされるサーボ位置誤差信
    号それぞれに対して、ローパスフィルタ演算処理を行っ
    てサーボ位置誤差信号の低周波成分を生成し、 前記高周波成分生成手段(2)が、上下ヘッド(H)か
    らサンプリングされるサーボ位置誤差信号から、前記ロ
    ーパスフィルタ出力値を減算した値を位置誤差信号の高
    周波数成分として生成し、 前記ヘッド位置決め制御手段(3)が、前記低周波成分
    から各ヘッド位置決めのオフトラック補償を行い、前記
    高周波成分から位置決め制御演算を行うことを特徴とす
    る請求項1に記載のセクタサーボ制御方式のディスク装
    置。
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