JP4359230B2 - シークサーボトルク補償方法および装置,トルク補正定数生成方法,プログラム - Google Patents

シークサーボトルク補償方法および装置,トルク補正定数生成方法,プログラム Download PDF

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Description

本発明は,ディスクドライブの制御方法および装置に係り,特に,ディスクドライブのサーボの設計に使われたモデリングトルク定数と実際のトルク定数との差を補償するためのシークサーボにおけるトルク変化の補償方法および装置に関する。
本発明と関連して公開された技術文献には特許文献1がある。特許文献1にはボイスコイルモータ(Voice Coil Motor:VCM)電流検出器と,VCM端子間の電圧検出器とによって電流および電圧を検出し,これに基づいてコイルの抵抗値およびトルク整数を算出してシークループ利得を補正する技術が提示されている。
一般的に,データ保存装置の一つであるハードディスクドライブ(Hard Disc Drive:HDD)は,磁気ヘッドによってディスクに/からデータを記録/再生し,コンピュータシステム運営に寄与する。このようなHDDは,次第に高容量化,高密度化および小型化し,かつ,ディスクの回転方向の密度であるBPI(Bit Per Inch)と半径方向の密度であるTPI(Track Per Inch)とが増大している。このようなことからさらに精巧なメカニズムが要求される。
HDDは,回転する単一または複数のディスクそれぞれの磁界を感知して磁化させることによって情報を記録し,また再生できる複数の磁気変換器を有している。この情報は,環状トラック内に位置した複数のセクター内に保存される。ディスクの各表面を横切ってトラック番号が配置される。ディスクに対して垂直的に類似したトラックの番号は,時にはシリンダと称す。したがって,各トラックはシリンダ番号によって定義されることもある。
各変換器は,典型的にヘッドジンバルアセンブリ(HGA:Head Gimbal Assembly)に編入されているスライダ内に統合される。さらに各HGAは,アクチュエータアームに付着されている。アクチュエータアームは,VCMを共に特定するマグネチックアセンブリに隣接するように位置したボイスコイルを有している。HDDは,典型的にVCMを励起させる電流を供給する駆動回路およびコントローラを含んでいる。励起されたVCMは,アクチュエータアームを回転させ,変換器をディスクの表面を横切って移動させる。
情報を記録または再生する時,HDDは,変換器を一つのシリンダから他のシリンダに移動させるためのシークルーチンを実行する可能性がある。シークルーチン中において,VCMは,所定の電流によって励起され,変換器をディスク表面の新たなシリンダ位置に移動させる。コントローラは,また,変換器が正確なシリンダ位置およびトラックの中央に移動していることを保証するサーボルーチンを実行する。
ところで,ディスクから/への情報の再生/記録に必要な時間を最小化させることにより,データの再生や記憶時間を短縮することができる。したがって,ドライブにより実行されるシークルーチンは,変換器を最短時間内に新たなシリンダ位置に移動させなければならない。さらに,変換器が,一度に新たなシリンダに隣接するような位置に移動し,速く情報を記録または再生可能にするため,HGAの安定時間も最小化しなければならない。
しかし,ディスクドライブのVCMのトルク定数は,ヘッドディスクアセンブリの組立て状態およびVCMの部品特性によって各々相違し,サーボ設計時に決定されたモデリングトルク定数と実際のHDDが実際に有するトルク定数とに差が生じる。このようなモデリングされた設計トルク定数と実際のトルク定数との間の差が比較的大きいと,サーボ性能に影響を及ぼし,精密なシークサーボが不能になるだけでなく,シーク時間が長くなるという問題点が発生する。
特開2002−367307号公報
本発明は,従来のディスクドライブが有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,ディスクドライブにおいてモデリングトルク定数と実際のトルク定数との差を最小化させるように補償することが可能な,新規かつ改良されたシークサーボトルク補償方法および装置,トルク補正定数生成方法,プログラムを提供することである。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償方法であって:ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,上記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め保存しておき,シークモードにおいて,上記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置毎にシーク制御ループの利得を補正することを特徴とする,シークサーボトルク補償方法が提供される。
また,ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償装置であって:所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡および設計位置軌跡を用いて,所定のシーク制御ループによって変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路と;ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行して求められたトルク補正定数のテーブルであるトルク補正定数テーブルを保存するメモリと;上記トルク補正定数テーブルを利用してテストシーク位置毎にトルク補正定数を設定するコントローラと;上記コントローラで設定されたトルク補正定数を利用して,上記シーク制御ループの利得を補正するトルク定数補償器と;を含むことを特徴とする,シークサーボトルク補償装置も提供される。
また,ディスクドライブの制御におけるシークサーボのトルクを補償するプログラムであって:コンピュータを,ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,上記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め記憶し,シークモードにおいて,上記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置毎にシーク制御ループの利得を補正するように機能させることを特徴とする,プログラムも提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償方法であって:ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置およびシーク方向毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,上記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め保存しておき,シークモードにおいて,上記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置かつシーク方向毎にシーク制御ループの利得を補正することを特徴とする,シークサーボトルク補償方法が提供される。
また,ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償装置であって:所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡および設計位置軌跡を用いて,所定のシーク制御ループによって変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路と;ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置およびシーク方向毎に所定のテストシークを実行して求められたトルク補正定数のテーブルであるトルク補正定数テーブルを保存するメモリと;上記トルク補正定数テーブルを利用してテストシーク位置およびシーク方向毎にトルク補正定数を設定するコントローラと;上記コントローラで設定されたトルク補正定数を利用して,上記シーク制御ループの利得を補正するトルク定数補償器と;を含むことを特徴とする,シークサーボトルク補償装置も提供される。
また,ディスクドライブの制御におけるシークサーボのトルクを補償するプログラムであって:コンピュータを,ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置およびシーク方向毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,上記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め記憶し,シークモードにおいて,上記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置かつシーク方向毎にシーク制御ループの利得を補正するように機能させることを特徴とする,プログラムも提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,ディスクドライブにおいて:ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,上記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行し,設計加速度軌跡に対する実際のシーク駆動電流軌跡の比率を演算してトルク補正定数を生成することを特徴とする,トルク補正定数生成方法が提供される。
上記トルク補正定数は,テストシーク位置毎に,または,テストシーク位置およびシーク方向毎に,設計加速度軌跡に対する実際のシーク駆動電流軌跡の比率を演算して決定するとしても良いし,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合,上記テストシーク位置毎に,または,テストシーク位置およびシーク方向毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定するとしても良い。
上記課題を解決するために,本発明の第4の観点によれば,ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償装置であって:特定の領域から他の領域に変換器を移動させるテストシークを実行しトルク補正定数を求め,上記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め保存しておき,シークモードにおいて,目標トラックに基づいて上記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を選択するコントローラと;上記トルク補正定数テーブルを保存するメモリ手段と;上記コントローラによって選択されたトルク補正定数を利用してシーク制御ループの利得を補償するトルク定数補償器と;所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡および設計位置軌跡を用いて,所定のシーク制御ループによって変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路と;を含むことを特徴とする,シークサーボトルク補償装置が提供される。
上記コントローラは,追加的にシーク方向も考慮してテストシークからトルク補正定数を決定し,シークモードでトルク補正定数を選択することができる。
上記コントローラは,デジタル信号プロセッサ,マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含むとしても良い。
また,変換器の実際位置および設計速度を決定する状態推定器と;サイン波形加速度軌跡および速度軌跡をそれぞれ積分して得た速度および位置軌跡を利用して設計位置,設計速度および設計加速度を計算するシーク軌跡生成器と;をさらに含むとしても良い。
設計位置から実際位置を減算する第1合算器と;実際位置と設計位置との差に位置利得を乗算して,位置補償値を生成させる位置制御利得補償器と;上記位置制御利得値と設計速度とを合算した後に実際速度を減算する第2合算器と;上記第2合算器の出力に速度利得を乗算して,速度補償値を生成させる速度制御利得補償器と;上記速度補償値に設計加速度を合算して,シーク駆動電流値を生成させる第3合算器と;をさらに含み,上記トルク定数補償器は,上記シーク駆動電流値に選択されたトルク補正定数を乗算してトルク補償されたシーク駆動電流値を生成させるとしても良い。
上記課題を解決するために,本発明の第5の観点によれば,ディスクドライブのトルク補正定数生成方法であって:与えられたトラック位置を決定する段階と;上記与えられたトラック位置にテストシーク長を合算してテスト目標トラック位置を計算する段階と;上記目標トラックをシークする段階と;上記目標トラックをシークする間にコントローラのバッファにシーク駆動電流の軌跡および設計加速度軌跡を保存する段階と;上記シーク駆動電流の軌跡および上記設計加速度軌跡それぞれに対する第1高調波サイン係数を計算する段階と;トルク補正定数を計算する段階と;上記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに保存する段階と;を含むことを特徴とする,トルク補正定数生成方法が提供される。
シーク駆動電流の軌跡に関する第1高調波サイン係数は,数式1
ここで,
Ts:サンプリング時間
:1次高調波周波数
N:シーク中にバッファに保存されるukの数
を利用して計算され,
上記トルク補正定数は,数式2
(ここで,Kt_calはトルク補正定数であり,a_sin_coef(1st)は設計加速度軌跡の1次高調波サイン係数である)
を利用して計算されるとしても良い。
上記課題を解決するために,本発明の第6の観点によれば,ディスクドライブの制御方法において:テストシークの位置およびシーク方向毎にトルク補正定数を求めてトルク補正定数テーブルに保存する段階と;シークモードに進入したか否かを判断する段階と;上記シークモードに進入していれば,変換器の現在位置を決定し,トルク補正定数テーブルから目標トラックに対応する領域に関するトルク補正定数を読出す段階と;上記現在トラック位置に対応するトルク補正定数が,上記トルク補正定数テーブルに存在すれば,上記トルク補正定数テーブルから該トルク補正定数を選択し,そうでなければ,トルク補正定数テーブル内における現在トラック位置に隣接した位置に対応したトルク補正定数を補間し,トルク補正定数を決定する段階と;上記決定されたトルク補正定数をトルク定数補償器に適用してシーク制御ループの利得を制御する段階と;を含むことを特徴とする,シークサーボトルク補償方法が提供される。
上記トルク補正定数テーブルが,シーク方向に関係なくシーク位置のみを考慮して決定されたトルク補正定数で設計されていた場合,現在のシーク位置に相応するトルク補正定数を読出し,上記トルク補正定数テーブルが,シーク方向とシーク位置とを共に考慮して決定されたトルク補正定数で設計されていた場合,現在のシーク位置およびシーク方向に相応するトルク補正定数を読出すように設計されるとしても良い。
以上説明したように本発明によれば,ディスクドライブのシークサーボ制御回路のモデリングトルク定数と実際のディスクドライブに現れるトルク定数との差を補正するためのトルク補正定数を,シーク位置およびシーク方向毎に算出し,これをシーク制御ループに反映することによって,シーク制御の精度を向上させ,これにより,シーク速度を高めることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず,本発明が適用されるHDDについて説明する。
図1は,本発明が適用されるHDD(以下,ドライブとも言う。)
10の構成を示す図面である。
ドライブ10は,スピンドルモータ14によって回転される少なくとも一つの磁気ディスク12を含んでいる。また,ドライブ10は,ディスク12の表面に隣接するように位置した変換器16も含んでいる。
上記変換器16は,それぞれのディスク12の磁界を感知して磁化させることにより回転するディスク12から/に情報を再生/記録できる。ここで,単一の変換器16として図示されて説明されていても,これは,ディスク12を磁化させるための記録用変換器とディスク12の磁界を感知するための分離された再生用変換器とを両方含むとすることができる。再生用変換器は,磁気抵抗(MR:Magneto−Resistive)素子より構成される。
また,上記変換器16は,スライダ20に統合されうる。スライダ20は,変換器16とディスク12の表面との間に空気軸受を生成させる構造になっている。さらに,スライダ20は,HGA 22に統合され,HGA 22は,ボイスコイル26を有するアクチュエータアーム24に付着されている。ボイスコイル26は,VCM 30を特定するマグネチックアセンブリ28に隣接するように位置している。ボイスコイル26に供給される電流は,軸受アセンブリ32に対してアクチュエータアーム24を回転させるトルクを発生させる。アクチュエータアーム24は,自己を回転し,ディスク12の表面を横切って変換器16を移動させる。
ディスク10で取り扱われる情報は,典型的に,ディスク12の環状トラック内に保存される。各トラック34は,一般的に複数のセクターを含んでいる。各セクターは,データフィールドと識別フィールドとを含んでいる。識別フィールドは,セクターおよびトラック(シリンダ)を識別するグレイコードにより構成されている。変換器16は,他のトラックにある情報を再生または記録するためにディスク12の表面を横切って移動する。
次いで,HDDの電気的なシステムの動作について説明する。
図2は,HDD 10を制御可能な電気システム40を示す図面である。電気システム40は,リード/ライト(R/W)チャンネル回路44およびプリアンプ回路46によって変換器16に結合されたコントローラ42を含んでいる。コントローラ42は,デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor),マイクロプロセッサ,マイクロコントローラ等であっても良い。コントローラ42は,ディスク12から/に情報を再生/記録するためにR/Wチャンネル44に制御信号を供給する。そして,上記情報は,典型的にR/Wチャンネルからホストインターフェース回路54に伝送される。ホストインターフェース回路54は,パーソナルコンピュータ(PC)のようなシステムに接続するための,ディスクドライブを許容するバッファメモリおよび制御回路を含んでいる。
コントローラ42は,ボイスコイル26に駆動電流を供給するVCM駆動回路48にも結合されている。コントローラ42は,VCMの励起および変換器16の動作を制御するために駆動回路48に制御信号を供給する。
コントローラ42は,内部にバッファメモリを含んでおり,再生専用メモリ(ROM:Read Only Memory)またはフレッシュメモリ素子のような不揮発性のメモリ素子(メモリ手段)50に結合されている。このメモリ素子50は,ソフトウェアルーチンを実行させるためにコントローラ42で使用される命令語およびデータを記憶している。ソフトウェアルーチンの一つとして,一つのトラックから他のトラックに変換器16を移動させるシークルーチンがある。シークルーチンは,変換器16を正確なトラックに移動させることを保証するためのサーボ制御ルーチンを含んでいる。一実施形態として,メモリ素子50には正弦波加速度軌跡を生成させるための数式が保存されている。
図3は,コントローラ42によって実行される本実施形態によるトラック探索サーボ制御システムを示す図面である。トラック探索サーボ制御システムは,変換器16がディスク12の目標トラックに正確に位置するように制御するシステムである。コントローラ42は,変換器16を現在のトラック位置から新たな目標トラックに移動させるシークルーチンを実行する。現在のトラックと目標トラックとの間に位置した1または2以上のトラックのグレイコードは,ディスク12を横切って動く変換器16で読出される。これは,変換器16がトラックを横切って目標速度および目標加速度で動作しているか否かを,コントローラ42が周期的に判断するために利用される。
トラック探索サーボ制御システムは,ソフトウェアおよびハードウェアにより構成された状態推定器62を含んでいる。上記状態推定器62は,変換器16が現在のトラックから移動するときの実際の距離および位置x(n)を決定しうる。この実際の位置x(n)は,変換器16の下に位置するトラックのグレイコードを読出すことによって決定できる。状態推定器62はまた,変換器16の実際速度v(n)も決定しうる。変換器16が新たなトラック位置に移動するとき,周期的にグレイコードがサンプリングされるので,コントローラ42は,変換器16の動作を正確に制御できる。
シーク軌跡生成器60は,変換器16がトラック34のグレイコードを読出す度に正弦波加速度軌跡および速度軌跡をそれぞれ積分して得た速度および位置軌跡から変換器16の設計位置x(n),設計速度v(n)および設計加速度a(n)を計算する。
第1合算器64は,設計位置x(n)から実際位置x(n)を減算する。そして,位置制御利得補償器66は,第1合算器64で演算された設計位置と実際位置との差に位置補正のための位置利得kを乗算した位置補正値を生成する。
次いで,第2合算器68は,位置制御利得補償器66で生成された位置補正値に設計速度v(n)を加算し,その後に実際速度v(n)を減算する。
続いて,速度制御利得補償器70は,第2合算器68で演算された値に速度補正のための速度利得kを乗算した速度補正値を生成する。
次いで,第3合算器72は,速度補正値と設計加速度a(n)とを合算してVCM駆動電流値uk(n)を生成する。VCM駆動電流値uk(n)は,シーク駆動電流値に該当する。
トルク定数補償器74では,シーク駆動電流値uk(n)にディスクドライブのトルク変化を考慮したトルク補正定数を乗算したトルク補正されたシーク駆動電流値を生成してVCMドライバ&アクチュエータ76に印加する。それにより,VCMドライバ&アクチュエータ76は,トルク補正されたシーク駆動電流値をアナログ電流信号に変換してボイスコイルに供給する。これにより,ボイスコイルに印加される電流軌跡は,加速度軌跡の形態を追従するということが分かる。
前述したように,トルク定数補償器74は,ディスクドライブでのトルク変化による位置毎に定まったトルク補正定数に,シーク駆動電流値uk(n)を乗算した結果を出力する。このようなトルク補正定数値によってシーク制御ループの利得値が変化する。
次いで,トルク補正定数を決定する方法について図4のフローチャートを参照して説明する。
サーボ制御の精度を高めるために,本実施形態のトルク補正定数は,ディスクの外周から内周までを複数の領域に分割し,分割された各領域の特定位置における所定トラック数のテストシークを実行して求める。
これにより,まず現在のトラックで領域別トルク補正定数を求めるためのトラック位置X(i)_calにシークを実行する(S410)。ここで,トラック位置X(i)_cal値は,ディスクの一定トラック間隔で設定しうる。
次いで,トラックX(i)_cal値にトルク補正定数を求めるための所定のテストシーク長を加算したテスト目標トラックTrack_tar値を算出し(S420),テスト目標トラックTrack_tar値に該当するトラックをシークする(S430)。
テスト目標トラックをシークしつつ,サーボサンプル毎にシーク駆動電流uk(n)軌跡および設計加速度a(n)軌跡値をコントローラ42内のバッファ(図示せず)に保存する(S440)。このときのシーク駆動電流uk(n)軌跡および設計加速度a(n)軌跡を図6に示す。かかる図6では,実線で設計加速度a(n)軌跡を表し,点線でシーク駆動電流uk(n)軌跡を表す。
テスト目標トラックのシークを完了した後に保存されたシーク駆動電流uk(n)軌跡および設計加速度軌跡a(n)の1次高調波sin係数をそれぞれ計算する(S450)。
設計加速度軌跡a(n)は,正弦波加速度軌跡を利用する場合に,加速度軌跡は純粋なsin関数であるので,シーク長が設定されれば,シーク軌跡生成器60で設計加速度軌跡に対するsin係数a_sin_coef(1st)は計算される。そして,シーク駆動電流軌跡uk(n)の1次高調波sin係数uk_sin_coef(1st)は,数式1から計算される。
ここで,
Ts:サンプリング時間
:1次高調波周波数
N:シーク中にバッファに保存されるukの数
である。
次いで,該当位置でのトルク補正定数Kt_cal値を数式2から求める(S460)。
複数の分割された領域それぞれの特定位置で求めたトルク補正定数値によって位置別トルク補正定数テーブルを設定し,設定されたトルク補正定数テーブルをメモリ50に保存する(S470)。
上記トルク補正定数テーブルは一実施形態である。これは,シーク方向には関係なく,ディスクでのシーク位置のみによってトルク補正定数を異に設定しうる。
しかし,トルク補正定数は,ディスクにおいて同じ位置であったとしてもシーク方向によって変わることもある。したがって,本発明の他の実施形態であって,テストシークモードを外周から内周方向にトラック番号を増加させつつ前述した方法によってトルク補正定数を求め,また内周から外周方向にトラック番号を減少させつつそれぞれトルク補正定数を求める。次いで,シーク位置およびシーク方向別に求めたトルク補正定数をトルク補正定数テーブルにシーク位置およびシーク方向情報と共に保存するように設計することもできる。
次いで,トルク補正定数テーブルを利用してトルクの変化によるシークループ利得を補正する方法について,図5のフローチャートを参照して説明する。
まず,コントローラ42は,シークモードに進入されるか否かを判断する(S510)。
シークモードに進入される場合に,コントローラ42は,変換器16が位置するトラック情報を検出して,現在トラックでシークする目標トラックに対応する位置領域のトルク補正定数kt_cal(i)値をトルク補正定数テーブルから読出す(S520)。
トルク補正定数テーブルがシーク方向を考慮せずにシーク位置にのみ対応してトルク補正定数を設定した場合には,シーク位置に対応するトルク補正定数をトルク補正定数テーブルから読出す。
ここで,トルク補正定数テーブルがシーク位置とシーク方向とを共に考慮して設計されている場合には,シーク位置およびシーク方向に対応するトルク補正定数をトルク補正定数テーブルから読出す。
次いで,現在位置でのシークサーボに適用するトルク補正定数kt_cal値を決定する(S530)。
現在のトラック位置でのトルク補正定数値は,現在トラック位置に対応するトルク補正定数値が存在する場合には,その値に決定し,そうでない場合には,隣接した位置のトルク補正定数値を補間して当該トラックでのトルク補正定数値を決定する。
このように決定されたトルク補正定数kt_calをトルク定数補償器74に適用してトルク補正定数kt_calによってシーク制御ループの利得を制御する(S540)。
本発明は,方法,装置,システムとして実行されうる。また,ソフトウェアとして実行される時,本発明の構成手段は必然的に必要な作業を実行するコードセグメントとなる。
プログラムまたはコードセグメントは,プロセッサで判読可能な媒体に保存され,または伝送媒体もしくは通信網において搬送波と結合されたコンピュータデータ信号により伝送されうる。プロセッサで判読可能な媒体は,情報を保存または伝送できるいかなる媒体も含んでいる。プロセッサ判読可能媒体の例としては,電子回路,半導体メモリ素子,ROM,フレッシュメモリ,EROM(Erasable ROM),フロッピー(登録商標)ディスク,光ディスク,ハードディスク,光フィーバ媒体,無線周波数(RF:Radio Frequency)網などがある。コンピュータデータ信号は,電子網チャンネル,光フィーバ,空気,電子界,RF網のような伝送媒体上に伝播されるいかなる信号も含まれる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお,本明細書のトルク変化の補償方法における各工程は,必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく,並列的あるいは個別に実行される処理(例えば,並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしても良い。
本発明は,多様な形態のデータ保存装置に適用され,特に,本発明をHDDに適用する場合に,HDDのシーク性能を向上させてデータアクセス時間を短縮させうる。
本実施形態が適用されるHDDの構成を示す平面図である。 本実施形態が適用されるHDDを制御する電気システムの回路図である。 本実施形態が適用されたHDDのサーボ制御システムの回路図である。 本実施形態によるディスクドライブでのトルク補正定数の生成方法のフローチャートである。 本実施形態によるシークサーボでのトルク変化の補償方法のフローチャートである。 本実施形態を説明するための設計加速度軌跡および実際のシーク駆動電流軌跡を示す図面である。
符号の説明
60 シーク軌跡生成器
62 状態推定器
64 第1合算器
66 位置制御利得補償器
68 第2合算器
70 速度制御利得補償器
72 第3合算器
74 トルク定数補償器
76 VCMドライバ&アクチュエータ

Claims (15)

  1. 所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡及び設計位置軌跡を利用して所定のシーク制御ループにより変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路を含むディスクドライブにおけるシークサーボトルク補償方法であって:
    ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,前記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,前記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め保存する段階と,
    シークモードにおいて,前記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置毎にシーク制御ループの利得を補正する段階と,
    を含み,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定することを特徴とする,シークサーボトルク補償方法。
  2. 所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡及び設計位置軌跡を利用して所定のシーク制御ループにより変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路を含むディスクドライブにおけるディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償方法であって:
    ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,前記テストシーク位置およびシーク方向毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,前記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め保存する段階と,
    シークモードにおいて,前記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置かつシーク方向毎にシーク制御ループの利得を補正する段階と,
    を含み,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置およびシーク方向毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定することを特徴とする,シークサーボトルク補償方法。
  3. ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償装置であって:
    所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡および設計位置軌跡を用いて,所定のシーク制御ループによって変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路と;
    ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,前記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行して求められたトルク補正定数のテーブルであるトルク補正定数テーブルを保存するメモリと;
    前記トルク補正定数テーブルを利用してテストシーク位置毎にトルク補正定数を設定するコントローラと;
    前記コントローラで設定されたトルク補正定数を利用して,前記シーク制御ループの利得を補正するトルク定数補償器と;
    を含み,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定することを特徴とする,シークサーボトルク補償装置。
  4. ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償装置であって:
    所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡および設計位置軌跡を用いて,所定のシーク制御ループによって変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路と;
    ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,前記テストシーク位置およびシーク方向毎に所定のテストシークを実行して求められたトルク補正定数のテーブルであるトルク補正定数テーブルを保存するメモリと;
    前記トルク補正定数テーブルを利用してテストシーク位置およびシーク方向毎にトルク補正定数を設定するコントローラと;
    前記コントローラで設定されたトルク補正定数を利用して,前記シーク制御ループの利得を補正するトルク定数補償器と;
    を含み,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置およびシーク方向毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定することを特徴とする,シークサーボトルク補償装置。
  5. 所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡及び設計位置軌跡を利用して所定のシーク制御ループにより変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路を含むディスクドライブの制御におけるシークサーボのトルクを補償するプログラムであって:
    コンピュータを,
    ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,前記テストシーク位置毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,前記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め記憶し,
    シークモードにおいて,前記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置毎にシーク制御ループの利得を補正し,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定するように機能させることを特徴とする,プログラム。
  6. 所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡及び設計位置軌跡を利用して所定のシーク制御ループにより変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路を含むディスクドライブの制御におけるシークサーボのトルクを補償するプログラムであって:
    コンピュータを,
    ディスクをテストシーク位置毎に複数に分割し,前記テストシーク位置およびシーク方向毎に所定のテストシークを実行しトルク補正定数を求め,前記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め記憶し,
    シークモードにおいて,前記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を利用して,シークを実行する位置かつシーク方向毎にシーク制御ループの利得を補正し,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置およびシーク方向毎に,設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定するように機能させることを特徴とする,プログラム。
  7. ディスクドライブの制御におけるシークサーボトルク補償装置であって:
    特定の領域から他の領域に変換器を移動させるテストシークを実行しトルク補正定数を求め,前記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに予め保存しておき,シークモードにおいて,目標トラックに基づいて前記トルク補正定数テーブルに保存されたトルク補正定数を選択するコントローラと;
    前記トルク補正定数テーブルを保存するメモリ手段と;
    前記コントローラによって選択されたトルク補正定数を利用してシーク制御ループの利得を補償するトルク定数補償器と;
    所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡および設計位置軌跡を用いて,所定のシーク制御ループによって変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路と;
    を含み,
    前記トルク補正定数は,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記テストシーク位置毎に,前記設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算して決定することを特徴とする,シークサーボトルク補償装置。
  8. 前記コントローラは,追加的にシーク方向も考慮してテストシークからトルク補正定数を決定し,シークモードでトルク補正定数を選択することを特徴とする,請求項に記載のシークサーボトルク補償装置。
  9. 前記コントローラは,デジタル信号プロセッサ,マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含むことを特徴とする,請求項に記載のシークサーボトルク補償装置。
  10. 変換器の実際位置および設計速度を決定する状態推定器と;
    サイン波形加速度軌跡および速度軌跡をそれぞれ積分して得た速度および位置軌跡を利用して設計位置,設計速度および設計加速度を計算するシーク軌跡生成器と;
    をさらに含むことを特徴とする,請求項に記載のシークサーボトルク補償装置。
  11. 設計位置から実際位置を減算する第1合算器と;
    実際位置と設計位置との差に位置利得を乗算して,位置補償値を生成させる位置制御利得補償器と;
    前記位置制御利得値と設計速度とを合算した後に実際速度を減算する第2合算器と;
    前記第2合算器の出力に速度利得を乗算して,速度補償値を生成させる速度制御利得補償器と;
    前記速度補償値に設計加速度を合算して,シーク駆動電流値を生成させる第3合算器と;
    をさらに含み,
    前記トルク定数補償器は,前記シーク駆動電流値に選択されたトルク補正定数を乗算してトルク補償されたシーク駆動電流値を生成させることを特徴とする,請求項10に記載のシークサーボトルク補償装置。
  12. 所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡及び設計位置軌跡を利用して所定のシーク制御ループにより変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路を含むディスクドライブのトルク補正定数生成方法であって:
    与えられたトラック位置を決定する段階と;
    前記与えられたトラック位置にテストシーク長を合算して目標トラック位置を計算する段階と;
    前記目標トラックをシークする段階と;
    前記目標トラックをシークする間にコントローラのバッファにシーク駆動電流の軌跡および設計加速度軌跡を保存する段階と;
    前記シーク駆動電流の軌跡および前記設計加速度軌跡それぞれに対する第1高調波サイン係数を計算する段階と;
    テストシーク位置毎に,設計加速度軌跡の第1高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の第1高調波のサイン係数の比率を演算してトルク補正定数を決定する段階と;
    前記トルク補正定数をトルク補正定数テーブルに保存する段階と;
    を含むことを特徴とする,トルク補正定数生成方法。
  13. シーク駆動電流の軌跡に関する第1高調波サイン係数は,数式1
    ここで,
    Ts:サンプリング時間
    :1次高調波周波数
    N:シーク中にバッファに保存されるukの数
    を利用して計算され,
    前記トルク補正定数は,数式2
    (ここで,Kt_calはトルク補正定数であり,a_sin_coef(1st)は設計加速度軌跡の1次高調波サイン係数である)
    を利用して計算されることを特徴とする,請求項12に記載のトルク補正定数生成方法。
  14. 所定の設計加速度軌跡,設計速度軌跡及び設計位置軌跡を利用して所定のシーク制御ループにより変換器を目標トラックに移動させるためのシーク駆動電流を生成するシークサーボ制御回路を含むディスクドライブの制御方法において:
    テストシーク位置毎に,正弦波加速度軌跡を利用してシーク制御を実行する場合、前記前記設計加速度軌跡の1次高調波のサイン係数に対する,前記シークサーボ制御回路で生成される実際のシーク駆動電流軌跡の1次高調波のサイン係数の比率を演算してトルク補正定数を求めてトルク補正定数テーブルに保存する段階と;
    シークモードに進入したか否かを判断する段階と;
    前記シークモードに進入していれば,変換器の現在位置を決定し,トルク補正定数テーブルから目標トラックに対応する領域に関するトルク補正定数を読出す段階と;
    前記現在トラック位置に対応するトルク補正定数が,前記トルク補正定数テーブルに存在すれば,前記トルク補正定数テーブルから該トルク補正定数を選択し,そうでなければ,トルク補正定数テーブル内における現在トラック位置に隣接した位置に対応したトルク補正定数を補間し,トルク補正定数を決定する段階と;
    前記決定されたトルク補正定数をトルク定数補償器に適用してシーク制御ループの利得を制御する段階と;
    を含むことを特徴とする,シークサーボトルク補償方法。
  15. 前記トルク補正定数テーブルが,シーク方向に関係なくシーク位置のみを考慮して決定されたトルク補正定数で設計されていた場合,現在のシーク位置に相応するトルク補正定数を読出し,
    前記トルク補正定数テーブルが,シーク方向とシーク位置とを共に考慮して決定されたトルク補正定数で設計されていた場合,現在のシーク位置およびシーク方向に相応するトルク補正定数を読出すように設計されることを特徴とする,請求項14に記載のシークサーボトルク補償方法。
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