JPH10222942A - 磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置 - Google Patents

磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置

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JPH10222942A
JPH10222942A JP9020371A JP2037197A JPH10222942A JP H10222942 A JPH10222942 A JP H10222942A JP 9020371 A JP9020371 A JP 9020371A JP 2037197 A JP2037197 A JP 2037197A JP H10222942 A JPH10222942 A JP H10222942A
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JP
Japan
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head
storage device
magnetic storage
gain
read
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JP9020371A
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English (en)
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Kazuhiko Takaishi
和彦 高石
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks
    • G11B5/59683Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks for magnetoresistive heads

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  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 MRヘッドを具備した磁気記憶装置において
ヘッドの位置決め精度を向上する。 【解決手段】 記憶媒体上に記憶されたバーストバター
ンがヘッド102により読み取られ、リードライト部8
12を介して復調部813で2つの三角波が復調され
る。ヘッド位置信号生成部90において生成された実際
のヘッド位置信号Phdが、目標位置生成部91で発生さ
れた目標位置と比較部92で比較される。その出力であ
る偏差ΔPは比例積分制御部930で制御演算され、そ
の出力はゲイン差補償部931においてヘッドの読み取
りゲイン差が補償される。直線性補償部932において
逆正弦波関数変換され直線性が補償される。補償後の信
号によりヘッドの位置がVCM104によって調整され
る。ゲイン差補償特性決定部94により磁気記憶装置動
作中にゲイン差補償特性を変更することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記憶装置用ヘッ
ド位置決め装置に係り、特にMR(磁気抵抗)ヘッドを
具備した磁気記憶装置においてヘッドの位置決め精度を
向上することの可能な磁気記憶装置用ヘッド位置決め装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、磁気記憶装置は計算機の外部記憶
装置として広く使用されているが、大容量化・小型化に
伴い記録媒体の高記録密度化が進んでいる。一般に磁気
記憶装置に使用される記憶媒体は、円周方向に複数のセ
クタ、半径方向に複数のトラックに分割されており、セ
クタ、トラックを特定してヘッドを記憶媒体の特定領域
に位置決めすることにより、その領域へのデータの書込
みあるいはその領域からのデータの読み取りが可能とな
る。
【0003】したがって、記憶媒体の所定位置にヘッド
を正しく位置決めするためのヘッド位置決めは、高記録
密度化を促進するうえで極めて重要である。図1はヘッ
ドの位置決め方法の1つである2位相サーボの機能線図
であって、記憶媒体100はスピンドルモータ101で
回転駆動され、ヘッド102によってデータの書込み・
読み出しがおこなわれる。ボイスコイルモータ(VC
M)104はヘッド102を記憶媒体100上の半径方
向に移動させるためのものである。
【0004】図2はヘッドを所定のトラックに位置決め
するために使用される、記憶媒体100のバーストパタ
ーン記憶領域に記録されたバーストパターンの説明図で
あって、PosA、PosB、PosCおよびPosDの4種類
のバースト信号が半径方向および円周方向に記憶されて
いる。図3は図2の(a)、(b)および(c)の3位
置における4種類のバーストパターンを読み取ったとき
のヘッド出力波形図であって、ヘッド102全体がバー
ストパターン記憶領域を通過するとき、例えば(a)位
置においてPosA信号を読み取るときは全振幅の信号が
出力される。ヘッド102の半分がバーストパターン記
憶領域を通過するとき、例えば(b)位置においてPos
A信号を読み取るときは半振幅の信号が出力される。さ
らに、ヘッド102がバーストパターンが記憶されてい
ない領域を通過するとき、例えば(c)位置においてP
osA信号を読み取るときは信号は出力されない。
【0005】PosA、PosB、PosCおよびPosDはリ
ードライト部115を介して復調部105に入力され、
(PosA−PosB)および(PosC−PosD)を算出す
ることによって、2トラックを1周期とし相互に90°
位相の異なる2つの三角波PosQおよびPosNに復調さ
れる。PosQおよびPosNは感度決定部106、位置検
出部107、速度検出部108およびヘッド位置信号生
成部109に送られる。
【0006】感度決定部106は、2つの三角波PosQ
およびPosNの振幅とトラック幅とを関係付けるゲイン
Gを決定する。例えば、ゲインGはPosQおよびPosN
の絶対値が等しくなる点にヘッドを位置決めし、PosQ
の絶対値とPosNの絶対値とが許容範囲内で一致してい
る点のPosQの絶対値から次式により決定することがで
きる。
【0007】G=0.25/|PosQ| 位置検出部107は、PosQおよびPosNとバーストパ
ターン記憶領域に記憶されているトラック番号とに基づ
いてヘッド102の実際の絶対位置を検出する。速度検
出部108はPosQまたはPosNとトラック番号とを合
成して生成されるヘッドの絶対位置の時間微分によりヘ
ッド102の移動速度を検出する。
【0008】ヘッド位置信号生成部109は、PosQお
よびPosNをそれぞれ周期方向に8区画に分割し、予め
定めたデコード表に従って要素を抽出し、抽出された要
素を合成することにより鋸歯状のヘッド位置信号Phdを
生成する。図4は三角波PosQ、PosN、ならびにヘッ
ド位置信号Phdの波形図であって、横軸はサーボトラッ
クライタ(以下STW)で読み取られたトラック幅を、
縦軸は磁気記憶装置の読み取りヘッド出力に基づき定め
られたトラック幅を表す。
【0009】位置検出部107で検出されたヘッド10
2の実際の絶対位置は目標速度生成部110に送られ、
アクセスすべき目標トラックとの差に応じて目標速度を
生成する。すなわち、差が大きいときは目標速度は大に
設定され、差が小さいときは目標速度は小さく設定され
る。速度制御部111は、目標速度生成部110で生成
された目標速度と速度検出部108で検出されたヘッド
102の実際の速度とに基づいて制御演算(例えば比例
積分制御演算)を実行しVCM駆動信号を出力する。
【0010】位置制御部112は、ポジション信号生成
部109で生成された実際のヘッド位置を表すヘッド位
置信号Phdに基づいてヘッド102を目標トラックのト
ラック中心に位置決めするためにVCM駆動信号を出力
する。切替部113は速度制御部111の出力と位置制
御部112の出力を切り替えるものであって、目標位置
と位置検出部107で検出されたヘッドの実際の位置と
の差が大きいときはヘッド102を目標位置に速やかに
近づけるためにヘッド位置は速度制御部111によって
制御され、目標トラックに到達したときはヘッド102
を目標トラック中心に正確に位置決めするためにヘッド
位置は位置制御部112によって制御される。なお、切
替部113から出力されるVCM駆動信号はパワーアン
プ116で増幅され、電流としてVCM104に供給さ
れる。
【0011】上記に説明した2位相サーボによりヘッド
102の位置決めを行うためには、三角波PosQ、Pos
Nの振幅が±0.5トラック幅となるようにヘッド出力
とトラック幅とを関係づける変換係数であるゲインGを
決定することが必要となる。また、位置検出部107に
おける位置検出はヘッド102が記録媒体100上を移
動している間に行われるため、トラック番号の読み誤り
により目標トラックに対して±1トラックの誤差が生じ
るおそれもある。
【0012】そこで本出願人は上記2つの課題を解決す
るために、トラック番号を読み誤った場合にも目標トラ
ックに正しく位置決めするとともに、ゲインを正確に決
定することのできる「位置信号復調方法及びポジション
感度決定方法」をすでに提案している(特開平8−19
5044公報参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高記録
密度でデータが記録された記録媒体100からデータを
読み出すためには、読み出しヘッドとして薄膜ヘッドの
ようなインダクティブヘッドに比較して数倍の読み出し
感度を有するMR(Magnetoresistive)ヘッドを使用す
ることが必要となるが、MRヘッドを使用した場合に
は、MRヘッドの中心側(内側)と円周側(外側)との
読み取り感度の差、すなわちMRヘッドの非直線性を補
正することが必要となる。
【0014】図5は記憶媒体に記憶されたバーストパタ
ーンをMRヘッドで読み取ったときのMRヘッド出力波
形図、図6は図5の波形を右上がり部(出力増加部分)
と右下がり(出力減少部分)との分けて重ね書きしたM
Rヘッド出力特性図であって、○印は実測値を、直線は
理想的な特性を表す。すなわち、図6から判明するよう
に、STWで読み取られたヘッド位置が負であるとき、
すなわちバーストパターンがMRヘッドの内側で読み取
られたときは、実測値は理想特性の外側にあり、読み取
りゲインは理想特性より高となる。
【0015】逆に、STWで読み取られた位置が正であ
るとき、すなわちバーストパターンがMRヘッドの外側
で読み取られたときは、実測値は理想特性の内側にあ
り、読み取りゲインは理想特性より低となる。図7はM
Rヘッドの読み取り特性(実際は図6の微分係数)を示
す読み取り特性図であって、MRヘッドの読み取り特性
は内側で高となり外側で低となることが明確に示されて
いる。
【0016】上記のような非直線性を有するMRヘッド
を具備する磁気記憶装置における位置決めにおいては、
MRヘッドは読み取り専用であり、書込みヘッドを別個
に具備するため、さらに以下の点を考慮することが必要
となる。すなわち、磁気記憶装置がデータ書込みモード
で使用される場合は、書込みヘッドをトラック中心に位
置決めする必要があるため、バーストパターンを読み取
るMRヘッドはトラック中心からオフセットして位置決
めすることが必要となる。
【0017】これに対して、磁気記憶装置がデータ読み
取りモードで使用される場合は、MRヘッドをトラック
中心に位置決めすればよい。なおヘッドが記憶媒体上を
円弧状に移動することによる誤差を補償するため、デー
タ書込みモードで使用される場合にMRヘッドをトラッ
ク中心に位置決めし、データ読み取りモードで使用され
る場合にMRヘッドをトラック中心からオフセットした
位置に位置決めする装置もある。
【0018】したがって、MRヘッドを使用する場合
は、MRヘッドをトラック中心だけでなくトラック中心
からオフセットした位置に正確に位置決めすることが必
要となるため、上記のMRヘッドの非直線性は位置決め
に対して悪影響を及ぼす。すなわち、MRヘッドを具備
する磁気記憶装置において正確にヘッドを位置決めする
ためには以下の3点が重要となる。
【0019】(1)ヘッドの非直線性に対する補正 (2)ヘッドの絶対位置のずれに対する補正 (3)ヘッドの出力とトラック幅とを対応付けるゲイン
の決定 なお、MRヘッドの有する非直線性方法は、例えば特開
平8−124136号公報に開示されているが、この方
法は磁気記憶装置製造時にMRヘッドで読み取られたヘ
ッド位置とSTWで読み取られたヘッド位置とに基づい
てMRヘッドの非直線性を補償するための変動率を算出
し記憶媒体に記録し、磁気記憶装置使用時にこの変動率
を読み取ることによりMRヘッドの非直線性を補償する
ものである。
【0020】従って、MRヘッドの非直線性の経時変化
に対応することはできない。また、ヘッドの絶対位置の
ズレの補正方法は、例えば特開平5−174510号公
報に開示されているが、これはズレを補正することによ
り記憶媒体の互換性を確保するためのものであり、ヘッ
ドの位置決め精度の向上を目的とするものではない。
【0021】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
って、MRヘッドを具備した磁気記憶装置においてヘッ
ドの位置決め精度を向上することの可能な磁気記憶装置
用ヘッド位置決め装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る磁気記
憶装置用ヘッド位置決め装置は、記憶媒体上に記録され
たバーストパターンをヘッドにより読み取ることにより
相互に90°位相が相違する2つの三角波を復調し復調
された2つの三角波からヘッド位置信号を合成するヘッ
ド位置信号合成手段と、ヘッド位置信号合成手段で合成
されたヘッド位置信号と目標ヘッド位置とに基づいてヘ
ッド位置制御信号を発生するヘッド位置制御手段と、ヘ
ッド位置制御手段で発生されたヘッド位置制御信号にヘ
ッド位置制御信号が正である場合と負である場合とで相
違する係数を乗じて補償ヘッド位置制御信号を発生する
ゲイン差補償手段と、ゲイン差補償手段で発生された補
償ヘッド位置制御信号に基づいてヘッドを記憶媒体上の
目標位置に位置決めするヘッド位置決め手段と、を具備
する。
【0023】第1の発明に係る磁気記憶装置用ヘッド位
置決め装置にあっては、MRヘッドのように内側と外側
で読み取り特性が相違するヘッドを具備する磁気記憶装
置において、ヘッド位置制御信号にヘッド位置制御信号
が正である場合と負である場合とで相違する係数を乗ず
ることによってヘッドの非直線性が補償される。第2の
発明に係る磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置は、ゲイ
ン差補償手段とヘッド位置決め手段との間に補償ヘッド
位置制御信号を逆正弦波関数変換する逆正弦波関数変換
手段をさらに具備する。
【0024】第2の発明に係る磁気記憶装置用ヘッド位
置決め装置にあっては、ゲイン差補償手段の出力を逆正
弦波関数変換することによってヘッドの読み取りの際の
直線性が改善される。第3の発明に係る磁気記憶装置用
ヘッド位置決め装置は、予め定められたタイミングごと
に目標ヘッド位置をヘッド出力が飽和しない振幅で正弦
波状に変動しそのときのヘッド出力の正負ピーク比もし
くは正負面積比が許容誤差範囲内で等しくなるようにゲ
イン差補償手段の補償特性を決定する補償特性決定手段
をさらに具備する。
【0025】第3の発明に係る磁気記憶装置用ヘッド位
置決め装置にあっては、磁気記憶装置の使用中の所定の
タイミングごとにゲイン差補償手段の補償特性が決定さ
れる。第4の発明に係る磁気記憶装置用ヘッド位置決め
装置は、ゲイン差補償手段のゲイン差補償特性がサーボ
トラックライタ(STW)を使用して測定されたヘッド
の読み取り特性に基づいて決定される。
【0026】第4の発明に係る磁気記憶装置用ヘッド位
置決め装置にあっては、磁気記憶装置の製造段階でゲイ
ン差補償手段のゲイン差補償特性が決定される。
【0027】
【発明の実施の形態】図8は本発明に係る磁気記憶装置
用ヘッド位置決め装置を具備する磁気記憶装置の構成図
であって、ハードディスク部80、制御部81およびホ
スト計算機82から構成される。ハードディスク部80
には、図1と同じく記憶媒体100を回転駆動するスピ
ンドルモータ101、記録媒体100にデータを書込
み、記録媒体100からデータを読み出すヘッド10
2、ヘッド102を記録媒体100の半径方向に移動す
るVCM104から構成される。
【0028】制御部81はマイクロコンピュータシステ
ムであって、バス810を中心に、VCM駆動部81
1、リード/ライト部812、復調部813、スピンド
ルモータ(SPM)駆動部814、MCU(マイクロコ
ントローラーユニット)815、リードオンリメモリ
(ROM)816、インターフェイス部817およびキ
ャッシュメモリとして使用されるランダムアクセスメモ
リ(RAM)818とから構成される。なお制御部81
はインターフェイス部817を介してホスト計算機82
と接続され、VCM駆動部811にはD/A変換器、パ
ワーアンプ116が含まれる。
【0029】図9は本発明に係る磁気記憶装置用ヘッド
位置決め装置の機能線図であって、ヘッドが目標トラッ
クに接近し速度制御から位置制御に切り替えられた後の
状態を示している。すなわちヘッド102によって読み
取られた2位相サーボ信号はリード/ライト部812を
介して復調部813に導かれ、復調部813において2
つの三角波PosNとPosQおよびトラック番号Track を
発生する。
【0030】ヘッド位置信号生成部90において2つの
三角波PosNとPosQとに基づいて生成されたヘッド1
02の位置信号Phdが生成される。本発明にかかる磁気
記憶装置用ヘッド位置決め装置の位置制御部93は、従
来の位置制御部112(図1)で使用されている比例積
分制御部932の前段にゲイン差補償部930と直線性
補償部931とを具備している。
【0031】すなわち、ヘッド位置信号Phdはゲイン差
補償部930でゲイン差補償され、直線性補償部931
で直線性補償された後、第1の比較部921でトラック
番号Track が加算され、ヘッドの絶対位置に変換され
る。そして第2の比較部922で目標位置発生部91で
生成された目標位置Ptgとの偏差ΔPが算出され、比例
積分制御部932に導かれる。
【0032】さらに本発明にかかる磁気記憶装置用ヘッ
ド位置決め装置は、磁気記憶装置の使用中に所定のタイ
ミングでゲイン差補償部930のゲイン差補償特性を変
更するためのゲイン差補償特性決定部94を含んでい
る。なお、図9の機能線図において一点鎖線で囲まれた
部分はストアードプログラムにより実現され、それ以外
の部分はハードワイヤード回路により実現されるものと
して以下に機能の詳細を説明するが、これは本発明を実
質的に限定するものではない。
【0033】ゲイン差補償部930はMRヘッドがデー
タを内側で読み取る場合と外側で読み取る場合の読み取
り特性の差を補償するためのものであって、図10にゲ
イン差補償特性を示す。図10において横軸はゲイン差
補償部930の入力、縦軸はゲイン差補償部930の出
力を表す。なお破線は補償を行わない場合の特性を示
す。入力が負の場合、すなわちヘッドを記憶媒体100
の内側に移動させる場合には、前述したようにMRヘッ
ドの内側の読み取りゲインが高いのでMRヘッドの出力
を低減するべくゲイン差補償部931の出力を低減す
る。逆に入力が正の場合、すなわちヘッドを記憶媒体1
00の外側に移動させる場合には、前述したようにMR
ヘッドの外側の読み取りゲインが低いのでMRヘッドの
出力を増加するべくゲイン差補償部930の出力を増加
する。
【0034】図11は、ゲイン差補償部930の補償特
性を、無補償の場合と比較してゲインを入力が負の場合
には10%低減し、入力が正の場合には10%増加する
ように設定してゲイン差を補償したときのMRヘッド出
力特性図である。このグラフから判明するようにゲイン
差補償を施すことにより、図6に示すMRヘッド出力特
性図と比較して±0.3トラック幅の範囲で直線性を改
善することが可能となる。
【0035】しかし±0.3トラックの外側において
は、MRヘッドの出力が飽和することを補償することは
できない。直線性補償部931はこの飽和特性を改善す
るためのものであって、入力信号xと出力信号yとは次
の関係を満たす。 y=sin-1x すなわち、図12は図11に示すMRヘッドの出力を正
弦波上へのプロット図であって、ゲイン差補償部930
で補償された信号によりMRヘッドを移動させたとき
は、MRヘッドが検出したPosNおよびPosQはほぼ正
弦波となることを示している。
【0036】したがって、直線性補償部931において
入力、すなわちゲイン差補償部930の出力を逆正弦波
関数によってさらに補償をすることにより、直線性を一
層改善することが可能となる。図13はゲイン差補償部
930の後段にさらに直線性補償部931を設けたとき
のMRヘッド出力特性図であって、図11と比較して一
層直線性が改善されている。
【0037】上記の説明はMRヘッド自体の出力特性が
正確に把握されていることを前提としているが、MRヘ
ッド自体の出力特性は磁気記録装置の製造段階において
STWを使用してバースト信号、トラック番号の書込み
を行うときに測定可能である。したがって、製造段階で
測定されたMRヘッド自体の出力特性を使用してゲイン
差補償部930および直線性補償部931の補償特性を
決定することが可能である。なお、MRヘッドのゲイン
差を補償するためにゲイン差補償部930を設けること
は必須であるが、直線性補償部931はより直線性を改
善する必要がある場合にのみ設ければよい。
【0038】ここで、MRヘッド自体の出力特性は経時
的に不変ではなく、経時的に変化するものであるため、
磁気記録装置の使用中にゲイン差補償部930の補償特
性を決定することができればMRヘッドの出力特性の経
時的変化も補償することが可能となる。図14は磁気記
録装置の使用中に補償特性を決定するための方法を見出
すために実施した第1のシミュレーション試験のブロッ
ク線図であって、位置比較部140において目標位置と
ヘッドの観測位置との偏差が算出される。偏差はコント
ローラ141によって制御演算がほどこされ、その出力
によってアクチュエータ(VCM)140を駆動する。
なお非直線特性143はMRヘッドの読み取りゲイン差
を表し、その出力はヘッドの観測位置としてフィードバ
ックされる。そして正弦波発生器144によってヘッド
の目標位置を正弦波状に変動させる。
【0039】図15は第1のシミュレーション試験結果
の一例であって、横軸は時間を、縦軸はヘッドの観測位
置を表す。この例によれば約5ミリ秒の過渡時間経過後
にはヘッドの観測位置も正弦波状の定常波形となる。図
16は非直線特性143のゲイン比(=正のゲインGp
/負のゲインGn )Gr をパラメータとしたときの正弦
波の周波数と観測位置のピーク比(=|正のピーク値/
負のピーク値|)Pr の関係を示す第1のシミュレーシ
ョン試験結果の説明図であって、周波数を適当に選択す
ればゲイン比とピーク比は1対1の関係を保って変化す
ること、すなわちゲイン比を調整することによりピーク
比を一義的に変更できることを示している。
【0040】図17は磁気記録装置の使用中に補償特性
を決定するための方法を見出すために実施した第2のシ
ミュレーション試験のブロック線図であって、非線形特
性143をSTWを使用して実測されたMRヘッド10
2の読み出し特性を使用している。図18は第2のシミ
ュレーション試験結果の説明図であって、パラメータは
正弦波の振幅であり、例えば0.20は正弦波の振幅が
0.20トラックp−pであることを表している。
【0041】この図からヘッドの目標位置を変動させる
周波数を1.5KHz付近に選択すれば正弦波の振幅と
ピーク比は1対1の関係を保って変化すること、すなわ
ち正弦波の振幅を変更することによりピーク比を一義的
に変更できることを示している。上記2つのシミュレー
ション試験から、適当なタイミングでヘッドを正弦波状
に変動させ、定常状態となったときにヘッド出力の正負
のピーク値の比が1.0となるようにゲイン比Gr を決
定することにより、ゲイン差補償部930の特性を決定
することが可能であることが示唆される。
【0042】図19は第1のゲイン差補償特性決定ルー
チンのフローチャートであって、所定のタイミング、例
えば磁気記録装置の電源が投入されとき、予め定められ
た一定時間が経過したとき、周囲温度が予め定めた所定
温度以上変化したとき、あるいはリードエラーまたはラ
イトエラーが予め定められた回数以上発生したときに実
行される。なお、このルーチンは図9の機能線図におけ
るゲイン差補償特性決定部94を構成する。
【0043】ステップ190において、例えば周波数が
1.5KHz、振幅が0.20トラックp−pの正弦波
の出力が開始される。ステップ191において過渡応答
を回避するために予め定められた一定期間、例えば5ミ
リ秒待機する。一定時間の待機が完了するとステップ1
92に進み、正ピークPp および負ピークPn を検出す
る。このピーク検出にはピーク検出回路により検出され
た1つのピークを使用することも可能であるが、一定期
間にピーク検出回路で検出される複数のピークを平均す
ることによりピークの検出精度を向上することも可能で
ある。
【0044】ステップ193で次式によりピーク比Pr
を算出する。 Pr =Pp /Pn ステップ194においてピーク比Pr が1.0と比較し
て所定誤差範囲内(例えば0.5%以内)であるかを判
定し、所定誤差範囲外であればステップ195でピーク
比Pr が1.0以上であるか否かを判定する。
【0045】そしてピーク比Pr が1.0以上であれば
ステップ196においてゲイン比Gr を予め定められた
所定量ΔG(例えば0.01)増加してステップ191
に戻る。逆にピーク比Pr が1.0以下であればステッ
プ197においてゲイン比Gr を所定量ΔG減少してス
テップ191に戻る。なお、ステップ194においてピ
ーク比Pr が1.0と比較して所定誤差範囲内にあれば
ステップ198で正弦波の発生を停止してこのルーチン
を終了する。
【0046】なお、上記実施例においてはピーク比に基
づいてゲイン比を決定しているが、振幅中心と正弦波と
で囲まれる正側面積と負側面積の比に基づいてゲイン比
を決定することも可能である。また上記実施例によれば
MRヘッドの出力特性が磁気記憶装置の製造段階で測定
されていない場合にもゲイン比を決定することが可能で
ある。
【0047】上記の第1のゲイン差補正特性決定ルーチ
ンによれば、ピーク比Pr が1.0に収束するまで繰り
返し演算を実行することが必要となるが、磁気記憶装置
の製造段階でMRヘッドの出力特性が測定されている場
合には、この測定結果をマップとしてROM818中に
記憶しておくことにより繰り返し演算を避けることがで
きる。
【0048】図20は第2のゲイン差補償特性決定ルー
チンのフローチャートであって、ステップ204までは
第1のゲイン差補償特性決定ルーチンと同一である。す
なわち、ステップ200において、例えば周波数が1.
5KHz、振幅が0.20トラックp−pの正弦波の出
力が開始される。ステップ201において過渡応答を回
避するために予め定められた一定期間、例えば5ミリ秒
待機する。一定時間の待機が完了するとステップ202
に進み、正ピークPp および負ピークPn を検出する。
【0049】ステップ203で次式によりピーク比Pr
を算出する。 Pr =Pp /Pn ステップ204においてピーク比Pr が1.0と比較し
て所定誤差範囲内(例えば0.5%以内)であるかを判
定し、所定誤差範囲外であればステップ205に進み、
現在のピーク比Praから現状のゲイン比Graを求める。
【0050】Gra = f(Pra) 図21はピーク比Pr とゲイン比Gr との関係図の一例
であって、図16図に基づいて作成されている。例えば
現在のピーク比Praが1.0と測定されたときは現状の
ゲイン比Graは1.26となる。次にステップ206に
おいて現状のゲイン比Graとピーク比Pr を1.0とす
るゲイン比Groとの差ΔGを求める。
【0051】ΔG=Gra−Gro 図21によれば、ピーク比Pr を1.0とするトータル
ゲイン比Groは1.01であるのでゲイン差ΔGは1.
26−1.01=0.25となる。すなわち、経時的変
化によりMRヘッドのゲイン比は0.25増加したもの
とみなすことができる。
【0052】そこで、ステップ207においてゲイン差
補償部931に設定されているゲイン比Grcをゲイン差
ΔG(=0.25)減少してこのルーチンを終了する。 Grc=Grc−ΔG さらにステップ208で正弦波の出力を停止してこのル
ーチンを終了する。なお、ステップ204でピーク比P
r が1.0と比較して所定誤差範囲内であると判定され
たときは直接ステップ208に進む。
【0053】上記によればMRヘッドのゲイン差を補正
するためのゲイン比を決定することは可能であるが、ゲ
イン自体を決定することはできない。ゲインGを決定す
るためには、デコード部90において2つの三角波Pos
QおよびPosNに基づいてヘッド位置信号Phdを正確に
生成することが必要となるが、デコードの際に以下の2
点に留意する必要がある。
【0054】1.MRヘッドの飽和特性の影響を排除す
るために、できるかぎり2つの三角波PosQおよびPos
Nの振幅中心に近い部分からヘッド位置信号Phdを生成
すること。 2.前述したようにトラック番号の読み取り値が1トラ
ックずれた場合にも正しいヘッド位置信号Phdを生成す
ること。
【0055】このために、2トラックを各トラックごと
に4領域、合計8領域に分割、すなわち2つの三角波P
osQおよびPosNの1周期を8つの領域に分割し、各領
域ごとに2つの三角波PosQおよびPosNの振幅中心に
近い部分を切り出し、即ちPosQおよびPosNの絶対値
の小さい方を切り出し、切り出した波形を合成すること
によってヘッド位置信号Phdを生成する。
【0056】
【表1】
【0057】表1はヘッド位置信号Phdを生成するため
のデコード表であって、三角波PosQが負から正に向か
って振幅中心を横切る点を原点、すなわち第1領域の始
点としている。そして、ヘッド位置信号Phdは第1領域
ではPosQ信号を−0.5トラック幅平行移動すること
によって生成され、第2領域ではPosN信号の符号を反
転させることにより生成される。なお表中の Trackは読
み取られたトラック番号を示している。さらにMRヘッ
ドの出力特性を補償するために、切り出した三角波Pos
QおよびPosNに正側ゲインGp および負側ゲインGn
を乗ずる。すなわちヘッド位置信号Phdの合成に使用す
る三角波の要素が直近のゼロクロス点の左側にあるとき
はバースト信号はMRヘッドの内側で読み取られるので
正側ゲインGp を乗ずる。逆にヘッド位置信号Phdの合
成に使用する三角波の要素が直近のゼロクロス点の右側
にあるときはバースト信号はMRヘッドの外側で読み取
られるので負側ゲインGn を乗ずる。なお、正側ゲイン
Gp および負側ゲインGn の決定方法については後述す
る。
【0058】上記の記述は読み取られたトラック番号が
正しいことを前提としているが、トラック番号が増加す
る方向にMRヘッドが移動している場合には1つ前のト
ラック番号を実際のトラック番号と誤認し、トラック番
号が減少する方向にMRヘッドが移動している場合には
1つ後のトラック番号を実際のトラック番号と誤認する
おそれがある。
【0059】しかし、目標トラック番号の奇偶と2つの
三角波PosQおよびPosNの符号との整合を検査するこ
とによってトラック番号の誤認を検出することが可能と
なる。例えば、目標トラック番号が偶数である場合にP
osQおよびPosNがともに正であることはあり得ず、目
標トラック番号が奇数である場合にPosQおよびPosN
がともに負であることもあり得ない。
【0060】そこで目標トラック番号が偶数である場合
に第1、第2領域においてPosQおよびPosNが共に正
であれば、あるいは目標トラック番号が奇数である場合
に第5、第6領域においてPosQおよびPosNが共に負
であれば、1つ前のトラック番号が誤って読み取られた
ものとして読み取られたトラック番号 Trackに "1"を
加算してヘッド位置信号Phdとする。
【0061】目標トラック番号が偶数である場合に第
3、第4領域においてPosNが負、PosQが正であれ
ば、あるいは目標トラック番号が奇数である場合に第
7、第8領域においてPosNが正、PosQが負であれ
ば、1つ後のトラック番号が誤って読み取られたものと
して読み取られたトラック番号 Trackから "1" を減算
してヘッド位置信号Phdとする。
【0062】
【表2】
【0063】表2はトラック番号が誤って読み取られた
場合のデコード表であって、表1のデコード値に対し
て、第1、2、5、6領域では読み取られたトラック番
号 Trackに "1" を加算してトラック番号とし、第3、
4、7、8領域では読み取られたトラック番号 Trackか
ら "1" を減算してトラック番号としている。以上は2
つの三角波PosQおよびPosNの振幅が±0.5トラッ
クp−p、周期が2トラックであることを前提としてい
るが、実際にはMRヘッドの出力とトラック幅とが上記
の関係となるようにゲインGを決定することが必要とな
る。
【0064】図22はゲイン決定方法の説明図であっ
て、トラック番号が奇数である場合を示す。横軸はトラ
ック中心(0)を基準とするトラック幅を、縦軸はヘッ
ドの出力を表す。また実線はPosQ信号を、一点鎖線は
PosN信号を、二点鎖線はPosN信号の反転信号を示
し、それぞれの太線はMRヘッドの出力を、細線は理想
出力を示している。
【0065】前述したようにMRヘッドは内側、外側で
読み取り感度が異なるため、MRヘッド出力に基づいて
復調された三角波PosQ、PosNおよび−(PosN)信
号は理想的な三角波からずれた波形となる。このずれの
影響を回避するために本発明においてはトラック中心か
ら正負方向に0.25トラックオフセットした2ヵ所の
位置近傍で感度を算出し、その平均値をゲインGとす
る。
【0066】図23はゲイン決定ルーチンのフローチャ
ートであって、230においてヘッド102をトラック
中心、すなわちPosNがゼロクロスする点に位置決めす
る。そしてステップ231において−0.25トラック
オフセットした後、ステップ232でMRヘッド出力か
ら復調された|PosQ|と|PosN|とが等しくなるよ
うにヘッド位置を調整する。そして|PosQ|と|Pos
N|とが許容誤差範囲内で等しくなったときにステップ
233で|PosQ|をR- として記憶する。
【0067】次にステップ234でヘッド102をトラ
ック中心から+0.25トラックオフセットした後、ス
テップ235でMRヘッド出力から復調された|PosQ
|と|PosN|とが等しくなるようにヘッド位置を調整
する。そして|PosQ|と|PosN|とが許容誤差範囲
内で等しくなったときにステップ236で|PosQ|を
+ として記憶する。最後にステップ237で次式によ
りゲインGを算出してこのルーチンを終了する。
【0068】G=(R- +R+ )/2 上記によって算出されたゲインGは前述の正側ゲインG
p と負側ゲインGn の平均値であるから、ステップ23
8においてゲインGおよびゲイン比Gr から正側ゲイン
Gp と負側ゲインGn はつぎのように算出される。 G=(Gp +Gn )/2 であり、前述のように Gr =Gp /Gn であるから、 Gp =2・G・Gr /(Gr +1) Gn =2・G/(Gr +1) これにより、表1および表2のデコード表に基づいてM
Rヘッド102を所定のトラックに位置決めする際の正
側ゲインGp および負側ゲインGn が決定される。
【0069】なお上記のゲイン決定ルーチンはヘッド位
置信号生成部90(図9)の一部を構成し、ゲイン差補
償特性を決定するときに同時に実行される。また、トラ
ック番号が偶数であるトラックにおいても同様の手法で
ゲインGを決定することも可能である。ヘッド位置信号
生成部90(図9)におけるヘッド位置信号生成ののア
ルゴリズムとして表1および表2の内容をそのまま使用
することも可能であるが、さらに論理を簡略化すること
もできる。
【0070】すなわち、表1および表2の論理をヘッド
位置信号Phdの合成に使用する信号がPosQ、PosNの
いづれであるかによって並び代えることにより、以下の
論理によって正側ゲインGp と負側ゲインGn とを選択
すればよいことが判明する。 1.ヘッド位置信号PhdをPosQから合成する場合に
は、PosQ*PosNが負のときは正側ゲインGp を使用
し、それ以外のときは負側ゲインGn を使用する。 2.ヘッド位置信号PhdをPosNから合成する場合に
は、PosQ*PosNが負のときは負側ゲインGn を使用
し、それ以外のときは正側ゲインGp を使用する。
【0071】
【表3】
【0072】表3は上記に基づき作成されたヘッド位置
信号生成ルーチンのプログラムリスト(C言語で記載さ
れている)、図24はヘッド位置信号生成ルーチンのフ
ローチャートであるが、以下フローチャートに基づいて
ヘッド位置信号Phdの生成方法を説明する。なおプログ
ラムリスト(表3)においてQ、NはそれぞれPosQ、
PosNをPositionはヘッド位置信号Phdを表す。
【0073】まず、ステップ2401においてPosNの
絶対値がPosQの絶対値以下であるか、すなわちPosN
がPosQ信号より振幅中心に近いかが判定される。ステ
ップ2401で肯定判定されたとき、すなわちPosN信
号に基づいてヘッド位置Phdが合成されるときは、ステ
ップ2402に進みPosQ*PosNが負であるかが判定
される。
【0074】ステップ2402で肯定判定されたとき、
すなわちPosQとPosNの符号が相違するときは、ステ
ップ2403でGainを正側ゲインGp に設定してステッ
プ2405に進む。逆にステップ2402で否定判定さ
れたとき、すなわちPosQとPosNの符号が同一である
ときは、ステップ2404でGainを負側ゲインGn に設
定してステップ2405に進む。
【0075】ステップ2405では次式によりPosNに
基づいてヘッド位置信号Phdを合成する。 Phd=sng (PosQ)*Gain*PosN+Track なおsng (・)は括弧内の変数の符号を抽出する関数で
あって、括弧内の変数が正なら+1、負なら−1とな
る。
【0076】ステップ2406においてsng (PosQ)
*even(Track )が正であるかを判定することにより、
トラック番号Track の読み誤りがないかを判定する。な
おeven(・)は括弧内の変数が偶数か奇数かを判定する
関数であって、偶数であれば+1、奇数なら−1とな
る。ステップ2406で肯定判定されたとき、すなわち
トラック番号Track の読み誤りがあったときには次式に
よりトラック番号を±1補正して正しいヘッド位置信号
Phdを合成してこのルーチンを終了する。
【0077】 Phd=Phd+sng (PosQ)*sng (PosN)*1.0 なお、1.0を乗ずるのは整数sng (PosQ)*sng
(PosN)を実数に変換するためである。なお、ステッ
プ2406で否定判定されたとき、すなわちトラック番
号の読み誤りがないときは直接このルーチンを終了す
る。
【0078】逆にステップ2401で否定判定されたと
き、すなわちPosNに基づいてヘッド位置信号Phdが合
成されるときは、ステップ2408に進みPosQ*Pos
Nが負であるかが判定される。ステップ2402で肯定
判定されたときは、ステップ2409でGainを負側ゲイ
ンGn に設定してステップ2411に進む。逆にステッ
プ2409で否定判定されたときは、ステップ2404
でGainを正側ゲインGp に設定してステップ2411に
進む。
【0079】そしてステップ2411で次式によりヘッ
ド位置信号Phdを合成してこのルーチンを終了する。 Phd=sng (PosN)*(Gain*PosQ+even(Track
)*0.5)+Track なお上記のヘッド位置信号生成ルーチンはヘッド位置生
成部90(図9)の一部を構成し、ヘッドの位置決めの
たびに実行される。
【0080】以上は磁気記憶装置からデータを読み出す
時にMRヘッドをトラック中心に位置決めする場合につ
いて説明した。しかし前述したようにMRヘッドは読み
取り専用であり、データを書き込むためにはMRヘッド
とは別体のインダクティブヘッドを使用する必要があ
る。したがってデータ書込み時にはインダクティブヘッ
ドをトラック中心に位置決めするためにMRヘッドをト
ラック中心からオフセットした位置に位置決めすること
が必要となる。
【0081】さらにVCMにより駆動されるヘッドの移
動軌跡が直線でなく円弧となることにより生じる位置決
め誤差を補償するために、データ書き込み時にMRヘッ
ドをトラック中心に、データ読み取り時にMRヘッドを
トラック中心からオフセットした位置に位置決めするこ
とも必要となる。そしてMRヘッドをトラック中心から
オフセットした位置に位置決めする場合には、目標位置
発生部91で生成される目標位置Ptgをオフセットする
ことにより本発明を適用することが可能であることは明
らかである。
【0082】以上本発明を上記実施例に基づき説明した
が、本発明は特許請求の範囲に記載した主旨内で実施例
を変更することができる。
【0083】
【発明の効果】第1の発明に係る磁気記憶装置のヘッド
位置決め装置によれば、MRヘッドのようにヘッドの内
側と外側で読み取りゲインの相違するヘッドを使用する
磁気記憶装置においても位置制御信号が正である場合と
負である場合とで相異なるゲインを乗ずることによりゲ
イン差が補償され、ヘッドの位置決め精度を向上するこ
とが可能となる。
【0084】第2の発明に係る磁気記憶装置のヘッド位
置決め装置によれば、補償後の位置制御信号を逆正弦波
関数変換することによりヘッドの出力特性の直線性をさ
らに改善することが可能となる。第3の発明に係る磁気
記憶装置のヘッド位置決め装置によれば、磁気記憶装置
の使用中の所定タイミングごとにゲイン差の補償特性を
変更することが可能となりヘッドの読み取り特性が経時
的に変化した場合にもヘッドの位置決め精度を維持する
ことが可能となる。
【0085】第4の発明に係る磁気記憶装置のヘッド位
置決め装置によれば、磁気記憶装置の製造段階でゲイン
差の補償特性を決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2位相サーボの機能線図である。
【図2】バーストパターンの説明図である。
【図3】バーストパターンの読み取ったときのヘッド出
力波形図である。
【図4】三角波ならびにヘッド位置信号の波形図であ
る。
【図5】MRヘッド出力波形図である。
【図6】MRヘッド出力特性図である。
【図7】MRヘッドの読み取り特性図である。
【図8】磁気記憶装置の構成図である。
【図9】ヘッド位置決め装置の機能線図である。
【図10】ゲイン差補償特性図である。
【図11】ゲイン差補償後のMRヘッド出力特性図であ
る。
【図12】正弦波上へのプロット図である。
【図13】直線性補償後のMRヘッド出力特性図であ
る。
【図14】第1のシミュレーション試験のブロック線図
である。
【図15】第1のシミュレーション試験結果に一例であ
る。
【図16】第1のシミュレーション試験結果の説明図で
ある。
【図17】第2のシミュレーション試験のブロック線図
である。
【図18】第2のシミュレーション試験結果の説明図で
ある。
【図19】第1のゲイン差補償特性決定ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図20】第2のゲイン差補償特性決定ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図21】ピーク比とゲイン比の関係図である。
【図22】ゲイン決定方法の説明図である。
【図23】ゲイン決定ルーチンのフローチャートであ
る。
【図24】ヘッド位置信号生成ルーチンのフローチャー
トである。
【符号の説明】
102…MRヘッド 104…VCM(ボイスコイルモータ) 106…パワーアンプ 812…リードライト部 813…復調部 90…ヘッド位置信号生成部 91…目標位置発生部 921…第1の比較部 922…第2の比較部 93…位置制御部 930…ゲイン差補償部 931…直線性補償部 932…比例積分制御部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記憶媒体上に情報を記録するとともに、
    該記憶媒体上に記録された情報を読み取るヘッドと、 記憶媒体上に記録されたバーストパターンを前記ヘッド
    により読み取ることにより相互に90°位相が相違する
    2つの三角波を復調し、該復調された2つの三角波から
    ヘッド位置信号を合成するヘッド位置信号合成手段と、 前記ヘッド位置信号合成手段で合成されたヘッド位置信
    号と目標ヘッド位置とに基づいてヘッド位置制御信号を
    発生するヘッド位置制御手段と、 前記ヘッド位置制御手段で発生されたヘッド位置制御信
    号に、ヘッド位置制御信号が正である場合と負である場
    合とで相違する係数を乗じて補償ヘッド位置制御信号を
    発生するゲイン差補償手段と、 前記ゲイン差補償手段で発生された補償ヘッド位置制御
    信号に基づいて前記ヘッドを記憶媒体上の目標位置に位
    置決めするヘッド位置決め手段と、を具備する磁気記憶
    装置用ヘッド位置決め装置。
  2. 【請求項2】 前記ヘッド位置信号合成手段が、 2つの三角波のうち振幅の絶対値の小さい1つの三角波
    を使用してヘッド位置信号を合成するものであり、 前記ゲイン差補償手段が、 前記ヘッド位置制御手段で発生されたヘッド位置制御信
    号に、2つの三角波の振幅の乗算値が負である場合と正
    である場合とで相違する係数を乗ずるものである請求項
    1に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記ゲイン差補償手段と前記ヘッド位置
    決め手段との間に補償ヘッド位置制御信号を逆正弦波関
    数変換する逆正弦波関数変換手段をさらに具備する請求
    項1又は2に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ヘッド位置信号合成手段が、 2つの三角波の一方のゼロクロス点の前後において2つ
    の三角波の振幅の絶対値が等しくなる2点における三角
    波の振幅の絶対値の平均値に基づいてヘッド出力をトラ
    ック幅に換算するゲインを算出するゲイン算出手段を含
    む請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気記憶装置
    用ヘッド位置決め装置。
  5. 【請求項5】 予め定められたタイミングごとに、目標
    ヘッド位置をヘッド出力が飽和しない振幅で正弦波状に
    変動し、そのときのヘッド出力の正負ピーク比もしくは
    正負面積比が許容誤差範囲内で等しくなるように前記ゲ
    イン差補償手段の補償特性を決定する補償特性決定手段
    をさらに具備する請求項1から4のいずれか1項に記載
    の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記補償特性決定手段が、 磁気記憶装置に電源が投入されるたびに補償特性が決定
    されるものである請求項5に記載の磁気記憶装置用ヘッ
    ド位置決め装置。
  7. 【請求項7】 前記補償特性決定手段が、 磁気記憶装置の動作時間が予め定められた基準時間が経
    過するたびに補償特性が決定されるものである請求項5
    に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置。
  8. 【請求項8】 前記補償特性決定手段が、 磁気記憶装置においてリードエラーが予め定められた基
    準回数以上発生するたびに補償特性が決定されるもので
    ある請求項5に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装
    置。
  9. 【請求項9】 前記補償特性決定手段が、 磁気記憶装置においてライトエラーが予め定められた基
    準回数以上発生するたびに補償特性が決定されるもので
    ある請求項5に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ゲイン差補償手段のゲイン差補償
    特性がサーボトラックライタ(STW)を使用して測定
    されたヘッドの読み取り特性に基づいて決定される請求
    項1又は2に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装
    置。
  11. 【請求項11】 前記ヘッドが、記憶媒体に情報を記録
    するライトヘッドと、該記憶媒体上に記録された情報を
    読み取るリードヘッドとを別個に具備する請求項1に記
    載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装置。
  12. 【請求項12】 前記リードヘッドがMRヘッドである
    請求項11に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め装
    置。
  13. 【請求項13】 前記ヘッド位置決め手段が、前記リー
    ドヘッドをトラック中心に、あるいはトラック中心から
    オフセットした位置に位置決めするものである請求項1
    1に記載の磁気記憶装置用ヘッド位置決め手段。
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