JP2006023558A - 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気光学装置の製造時において基板の反りや撓みを防止する。
【解決手段】 基板と、該基板上の画像表示領域における各画素に形成されており表示素子を夫々含む複数の画素部と、基板上の画像表示領域に形成されており複数の画素部に接続された複数の配線とを備えており、画素部及び配線の少なくとも一部を構成する膜は、形状記憶機能を有する形状記憶膜からなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば液晶装置や、有機EL(Electro-Luminescence)装置、無機EL装置に代表される発光装置等の電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を備えてなる例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置では、基板上の画像表示領域に、画素部や各種配線が作り込まれた積層構造が形成される。また、基板上の画像表示領域の周辺に位置する周辺領域に、配線や回路素子が積層構造に作り込まれることによって、各画素部を駆動するための駆動回路が形成されたりする。
このような電気光学装置において、画素部の層構造が複雑化したり、電気光学装置としてトップエミッション型の有機EL装置を製造する場合、基板上には、比較的厚膜な積層構造が形成されることがある。このように厚膜な積層構造を基板上に形成すると、電気光学装置の製造時、基板に反りや撓みが発生する恐れがある。また、積層構造が厚膜化すると、電気光学装置の薄型化を実現するために、基板が薄型化することにより、電気光学装置の製造時、より基板の反りや撓みが発生しやすい状況となる。その結果、積層構造に形成された各種膜の膜剥がれが生じたり、アライメント精度が低下したり、基板が破壊する等の不具合が生じて、電気光学装置の製造工程における歩留まりが低下し、更には製造コストが増加する恐れがある。また、このような製造工程を経て製造された電気光学装置の信頼性も低下し、表示性能も劣化する。
そこで、特許文献1によれば、電気光学装置として液晶装置の製造時における、基板の反りや撓みを防止するために、基板の表面に表面処理膜が形成される。また、特許文献2によれば、フレキシブルな液晶装置において、収納時には液晶装置を丸めて収納すると共に、使用時には、フレキシブル基板の表面を平坦化させることにより、歪みの無い表示画像を得るために、フレキシブル基板に形状記憶合金層が形成される。加えて、このような形状記憶合金の電気光学装置への適用例が、特許文献3及び特許文献4に開示されている。特許文献3によれば、プラズマディスプレイにおいて、プラズマにゲスト物質を供給するゲッタ物質を、形状記憶合金により形成されたカプセル中に格納する。また、特許文献4によれば、有機EL装置において、封止キャップが形状記憶合金により形成される。
特開平2−14号公報 特開平11−109880号公報 特表2002−517893号公報 特開2001−118680号公報
しかしながら、特許文献1によれば、比較的層構造が単純であると共に厚膜とならない積層構造を有するために、製造工程が簡易な、例えばパッシブ駆動方式の液晶装置の製造時に、基板の反りや撓みを防止することは可能であるが、前述したように層構造が複雑となり厚膜となる積層構造を有するために、製造工程が複雑となる、例えばアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置の製造時に、基板の反りや撓みを防止するには不十分である。
また、特許文献2によれば、適用対象がフレキシブルな液晶装置に限定されるものであって、ガラス基板や樹脂基板など可撓性の比較的低い基板を有する電気光学装置に適用されるものではない。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、基板の反りや撓みを防止することが可能な電気光学装置及びその製造方法、並びに各種電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板と、該基板上の画像表示領域における各画素に形成されており表示素子を夫々含む複数の画素部と、前記基板上の前記画像表示領域に形成されており前記画素部に接続された配線とを備えており、前記画素部及び前記配線の少なくとも一部を構成する膜は、形状記憶機能を有する形状記憶膜からなる。
本発明において、「電気光学装置」には、各画素において、表示素子として、液晶層を有する液晶素子によって画像表示が行われる液晶装置に加え、有機EL
を有する有機EL素子や、無機EL層を有する無機EL素子等の発光素子によって画像表示が行われる発光装置が含まれる。特に、有機EL装置では、トップエミッション型であってもよいし、ボトムエミッション型であってもよい。
本発明の電気光学装置によれば、基板は、例えば、ガラス基板や透明な樹脂基板を用いて形成されている。また、基板上には、複数の画素部及び複数の配線が作り込まれた積層構造が形成される。各画素部には、表示素子に加え、表示素子を駆動するための駆動素子として、画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、“TFT”と称する)等が形成されてもよい。更に、各配線は、例えば、データ線や走査線、又は電源供給線として画像表示領域に配線されている。
このように形成された画素部及び配線の少なくとも一部は、形状記憶機能を有する形状記憶膜によって形成されている。より具体的には、表示素子や駆動素子又は配線の少なくとも一部を形成する導電膜、半導体膜又は誘電体膜等に加え、層間絶縁膜並びに保護膜等の各種膜のうちのいずれかが、形状記憶機能を有する。ここでいう「形状記憶機能」とは、変形を加えても、変態温度以上に加熱されると所定形状となる機能を意味する。例えば形状記憶膜は、ニチノール系(Ni−Ti)合金、又はベータロイ系(Cu−Zn−Al)合金等の材料により形成される。このような形状記憶膜は、層間絶縁膜や遮光膜として、基板上の画像表示領域にベタに形成される。或いは、形状記憶膜は、導電膜や誘電体膜、反射膜、散乱膜等として、基板の画像表示領域に所定パターンで形成されてもよい。更には、複数の形状記憶膜が少なくとも部分的に異なる層に形成されてもよい。
本発明では、形状記憶膜は、変態温度以上で、形状記憶膜の表面が基板面に対して平坦となるように形成される。より具体的には、電気光学装置の製造工程において、アライメント精度について高精度が要求される工程や、膜剥がれが生じる恐れのある工程、又は基板破壊が生じる恐れのある基板の搬送工程において、その表面が平坦となるように形状記憶膜は形成される。形状記憶膜の変態温度は、例えば形状記憶膜の材料を変えることによって調整することができる。形状記憶膜がニチノール系合金により形成される場合、Ni(ニッケル)及びTi(チタン)の組成比を変化させることによって変態温度を調整する。このように変態温度を調整することにより、前述の各種工程で、基板上に形成された形状記憶膜の表面が平坦となるようにすることが可能となる。その結果、基板上に各画素部や各配線が作り込まれた積層構造が厚膜となる場合も、前述の各種工程において、基板面内に局所的に応力が発生するのを防止することが可能となり、基板に反りや撓みが生じるのを防止することができる。ここで、形状記憶膜を、基板上にベタに形成したり、複数の形状記憶膜を少なくとも部分的に異なる層に形成することによって、より効果的に基板に反りや撓みが発生するのを防止することができる。
よって、電気光学装置の製造時において、アライメント精度を向上させると共に、膜剥がれや基板破壊が発生するのを防止することが可能となり、各画素部や各配線の信頼性を高めることができる。例えば、有機EL素子に含まれる有機EL層や正孔輸送層、又は各画素部に形成された反射膜や散乱膜は、膜剥がれし易い材料によって形成されている。このような膜とは別に形状記憶膜を形成するか、当該膜そのものを形状記憶膜によって形成することにより、膜剥がれを防止して、各画素部の信頼性を高めることが可能となる。
従って、本発明の電気光学装置によれば信頼性や表示性能を向上させることが可能となる。また、基板を薄型化することにより、当該電気光学装置を薄型化することができる。従って、当該電気光学装置を用いることにより大型のディスプレイを薄型化することが可能となる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記画素部には、前記表示素子をスイッチング制御するための画素スイッチング用の薄膜トランジスタが形成されており、前記形状記憶膜は遮光性を有し、前記基板上において、前記薄膜トランジスタの半導体膜と重畳的に且つ異なる層に形成されている。
この態様によれば、形状記憶膜は薄膜トランジスタの遮光膜として形成されるため、電気光学装置の駆動時に、薄膜トランジスタの光リーク電流を防止することにより、表示性能を向上させることが可能となる。この場合、形状記憶膜は、基板上の画像表示領域にベタで形成されてもよいし、画素部毎に開口領域を規定するようなパターンとして形成されてもよい。このように形状記憶膜を形成することにより、電気光学装置の製造時、基板に反りや撓みが発生するのを防止することが可能となる。
この、各画素部に薄膜トランジスタが形成される態様では、前記形状記憶膜は、前記基板上において、前記半導体膜より下層側に形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、電気光学装置の製造時、基板上において、形状記憶膜より上層側に形成される半導体膜や導電膜、層間絶縁膜等の各種膜の膜剥がれを防止すると共に、アライメント精度を向上させることにより、各画素部や各配線の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素部には、反射膜又は半透過反射膜が形成されている。
この態様によれば、電気光学装置を反射型または半透過反射型として構成することが可能となる。また、形状記憶膜が上述したような薄膜トランジスタの遮光膜として形成される場合も、各画素部に反射膜が形成されることにより、基板上の画像表示領域に形状記憶膜をベタに形成することが可能となる。これにより、基板の反りや撓みが発生するのをより効果的に防止することが可能となる。更には、より確実に光リーク電流の発生を防止することができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記表示素子は有機EL層を有すると共に、前記複数の配線は、前記表示素子に電流を供給する電源供給線を含み、該電源供給線は前記形状記憶膜によって形成されている。
この態様によれば、表示素子は有機EL素子として形成されると共に、複数の配線には有機EL素子に電流を供給する電源供給線が含まれる。電源供給線における電流値は比較的大きな値となるため、その低抵抗化に鑑みて、電源供給線は比較的幅の広い配線となる。よって、基板面上に平面的に見て、画像表示領域における電源供給線の配線に要する面積は相対的に大きくなる。従って、電気光学装置の製造時における基板の反りや撓みを防止することが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記基板上における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域に形成されており、少なくとも部分的に前記形状記憶膜からなる配線又は回路を更に備える。
この態様によれば、基板上の画像表示領域及び周辺領域の両方に渡って、電気光学装置の製造時、基板の反りや撓みが発生するのを防止することが可能となる。よって、画像表示領域に形成された各画素部や各配線に加えて、周辺領域に形成された配線や回路等の信頼性を高めることができる。その結果、電気光学装置の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、信頼性及び表示性能を向上させることが可能なテレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)等を実現することも可能である。
本発明の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、基板上の画像表示領域における各画素に表示素子を夫々含む複数の画素部を形成する第1工程と、前記基板上の前記画像表示領域に前記画素部に接続して配線を形成する第2工程とを備えており、前記第1工程又は前記第2工程は、前記画素部及び前記配線の少なくとも一部を構成する膜を、形状記憶機能を有する形状記憶膜によって形成する第3工程を含む。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、本発明の電気光学装置と同様、電気光学装置の製造時、基板の反りや撓みが生じるのを防止することができる。よって、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、アライメント精度を向上させると共に、膜剥がれや基板破壊が発生するのを防止することが可能となるため、歩留まりを向上させると共に、電気光学装置の製造コストが増加するのを防止することが可能となる。
本発明の電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記第3工程において、前記形状記憶膜をニチノール系合金を含む材料により形成する。
この態様によれば、ニチノール系合金におけるNi(ニッケル)及びTi(チタン)の組成比を僅かに変化させただけで、形状記憶膜の変態温度を変化させるができる。よって、形状記憶膜の変態温度を、電気光学装置の製造工程における各種工程に対応させて、比較的広範囲に制御することが可能となる。また、形状記憶膜を、導電性や遮光性を有する膜として、スパッタ法等のドライプロセスによって容易に形成することができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
<1:第1実施形態>
先ず、本発明の電気光学装置に係る第1実施形態について、図1から図4を参照して説明する。第1実施形態は、本発明の電気光学装置を反射型液晶装置に適用したものである。
<1−1:電気光学装置の全体構成>
本発明の電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置1を例にとる。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置1では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、後述するように、散乱膜が形成されると共に、画素部毎に反射膜が形成されている。また、これら散乱膜及び
反射膜に加え、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。尚、図2中、TFTアレイ基板10上に形成された各種構成要素のうち散乱膜や反射膜等の一部の構成要素の図示は省略してある。
他方、対向基板20上には、対向電極21の他、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタ、並びに、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクス23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。図2中、対向基板20上に形成された各種構成要素についても、カラーフィルタ等の一部の構成要素の図示は省略してある。
また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置1の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
<1−2:画素部における構成>
以下では、本実施形態における電気光学装置1の画素部における構成について、図3及び図4を参照して説明する。ここに図3は、電気光学装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。また、図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の任意の画素部の構成を示す断面図である。なお、図4においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図3において、本実施形態における電気光学装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aaが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aaにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
液晶素子は、画素電極9a、対向電極21、並びに液晶層50を含む。液晶素子において、画素電極9aを介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶層50では、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
次に、図4を参照して、任意の画素部におけるTFTアレイ基板10側の構成についてより詳細に説明する。
図4において、TFTアレイ基板10は、ガラス基板や透明な樹脂基板等の可撓性の極めて低い透明基板を用いて構成されている。そして、TFTアレイ基板10上に、形状記憶膜12が、TFT30の遮光膜として形成されている。形状記憶膜は、例えばニチノール系合金、ベータロイ系(Cu−Zn−Al)合金等の形状記憶合金を材料として、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aにベタに形成されている。よって、電気光学装置1の駆動時において、形状記憶膜12によって、TFT30の半導体膜3へ進入する光が遮光されるため、電気光学装置1の駆動時にTFT30において光リーク電流が発生するのを防止することが可能となる。
形状記憶膜12上に、例えばシリコン酸化膜(SiO)が下地絶縁膜14として形成されており、該下地絶縁膜14上に、TFT30が形成されている。また、図4には図示しないが、下地絶縁膜14上には、蓄積容量70が形成されている。
図4において、TFT30は、下地絶縁膜14上に、例えばアモルファスシリコン又はポリシリコンにより形成される半導体膜3、該半導体膜3を埋め込んで形成されたゲート絶縁膜2、更には該ゲート絶縁膜2上に、半導体膜3に対応して、例えばAl(アルミニウム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Cu(銅)等のうち少なくとも一つを含む金属材料により形成されたゲート電極3aaを含む。ここに、ゲート電極3aaと好ましくは同一の導電膜によって走査線11aが形成される。
図4において、ゲート電極3aaを埋め込んで、層間絶縁膜41が形成されている。層間絶縁膜41及びゲート絶縁膜2は、例えばシリコン酸化膜(SiO2)又はシリコン窒化膜(SiN)により形成される。
層間絶縁膜41には、層間絶縁膜41の表面から、層間絶縁膜41及びゲート絶縁膜2を貫通して半導体膜3の表面に至るコンタクトホール501及び502が形成されている。そして、コンタクトホール501及び502に、好ましくはアルミニウム(Al)を主成分とする導電性材料を埋め込んで、層間絶縁膜41上にTFT30のソースに電気的に接続するデータ線6aが形成されていると共に、ドレイン電極42が形成されている。
層間絶縁膜41上には、データ線6a及びドレイン電極42を埋め込んで、保護膜45として、例えばシリコン酸化膜(SiO2)又はシリコン窒化膜(SiN)が形成されている。そして保護膜45上には、例えば樹脂材料を用いて構成される散乱膜80、並びに該散乱膜80上に例えばアルミニウム(Al)又は銀(Ag)を主成分とする材料により反射膜85が形成されている。また、反射膜85の表面から、散乱膜80及び保護膜45を貫通してドレイン電極42の表面に至るコンタクトホール505が開孔されている。該コンタクトホール505に、例えばITO(Indium Tin Oxide)を用いて構成される透明性の導電性材料を埋め込んで、画素部の開口領域に対応する領域に画素電極9aが形成されている。
次に、上述したような電気光学装置1の製造方法について、図4を参照して説明する。尚、以下においては、図4に示すTFTアレイ基板10上の各構成要素に係る製造工程についてのみ説明することとし、図1及び図2に示す他の構成要素に係る製造工程の説明に関しては省略することとする。
先ず、TFTアレイ基板10上に、例えばベータロイ系(Cu−Zn−Al)合金を用いて例えばスパッタ法により形状記憶膜12を形成する。そして、TFTアレイ基板10に反りや撓みが生じていない状態で、成膜された形状記憶膜12を変態温度以上に加熱することで、形状を記憶させる。これにより、形状記憶膜12は、変態温度以上で、冷却温度によらずその表面が基板面に対して平坦となるように形成される。ここで、ニチノール系合金は、Ni(ニッケル)及びTi(チタン)の組成比を僅かに変化させるだけで、変態温度を変化させることができる。よって、形状記憶膜12をニチノール系合金により形成することで、変態温度を比較的広範囲に制御することが可能となる。
その後、形状記憶膜12上に、下地絶縁膜14を例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成し、続いて、通常のアモルファスシリコン技術によりTFT30を形成し、層間絶縁膜41や保護膜45、データ線6a等を形成した後、散乱膜80及び反射膜85を形成し、画素電極9aを形成する。
ここで、散乱膜80や反射膜85は、比較的剥がれやすい膜として形成される恐れがある。本実施形態では、形状記憶膜12の変態温度は、電気光学装置1の製造工程において、上述の散乱膜80や反射膜85等が膜剥がれする恐れのある工程や、アライメント精度について高精度が要求される工程、又は基板破壊が生じる恐れのある基板の搬送工程に対応して、調整される。これにより、前述の各種工程において、TFTアレイ基板10上に形成された形状記憶膜12の表面が平坦となるようにすることが可能となる。その結果、TFTアレイ基板10上に各画素部や各配線が作り込まれた積層構造が厚膜となる場合も、前述の各種工程において、TFTアレイ基板10の基板面内に局所的に応力が発生するのを防止することが可能となり、TFTアレイ基板10に反りや撓みが生じるのを防止することができる。よって、電気光学装置1の製造時において、アライメント精度を向上させると共に、膜剥がれや基板破壊が発生するのを防止することが可能となる。
従って、電気光学装置1の製造工程において、歩留まりを向上させると共に、電気光学装置1の製造コストが増加するのを防止することが可能となる。また、各画素部や各配線の信頼性を高めることにより、電気光学装置1の信頼性や表示性能を向上させることが可能となる。よって、TFTアレイ基板10を薄型化することにより、電気光学装置1を薄型化することが可能となり、電気光学装置1を用いることにより大型のディスプレイを薄型化することができる。
尚、本実施形態では、各画素部において、反射膜85を半透過反射膜として設けることにより、電気光学装置1を半透過反射型として構成してもよい。この場合、例えば図4の構成において、反射膜85に光透過用のスリットやホールを設けることで半透過反射膜としてもよいし、反射膜85に代えて半透明の反射膜を形成してもよい。更に、反射膜85を画素毎に画素電極9aよりも平面形状が小さくなるように形成してもよい。他方、反射膜85を設けないことによって、電気光学装置1を透過型として構成してもよい。この場合、各画素部において、形状記憶膜12は開口領域を規定するパターンとして形成される。
また、形状記憶膜12をTFT30の遮光膜とするのに加えて又は代えて、データ線6aやドレイン電極42、又は層間絶縁膜41等を形状記憶機能を有する膜として形成するようにしてもよい。
更に、形状記憶膜12が、TFTアレイ基板10上において、画像表示領域10aから周辺領域に延びて形成されてもよい。或いは、周辺領域において、データ線駆動回路101や走査線駆動回路104並びに配線105が少なくとも部分的に形状記憶膜12によって形成されるようにしてもよい。このように構成すれば、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10a及び周辺領域の両方に渡って、電気光学装置1の製造時、TFTアレイ基板10の反りや撓みが発生するのを防止することが可能となる。よって、図1から図4を参照して説明した画像表示領域10aに形成された各種構成要素に加えて、周辺領域に形成されたデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104並びに配線105等の信頼性を高めることができる。その結果、電気光学装置1の信頼性を向上させることが可能となる。
<2;第2実施形態>
次に、本発明の電気光学装置に係る第2実施形態について、図5から図7を参照して説明する。第2実施形態は、本発明の電気光学装置を有機EL装置に適用したものである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ詳細に説明する。尚、図5から図7において、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
<2−1;有機EL装置の全体構成>
先ず、図5を参照して有機EL装置の全体構成について説明する。図5は、素子基板を封止基板の側から見た有機EL装置の概略的な平面図である。ここでは、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス駆動方式の有機EL装置を例にとる。
図5において、素子基板710上の画像表示領域710aには、画素駆動用信号線が配線されると共に、画素駆動用信号線に夫々電気的に接続される複数の画素部が所定パターンで配列されて形成されている。複数の画素部は夫々有機EL素子を含んでいる。尚、図5中、画像表示領域710aにおける画素駆動用信号線や画素部の具体的な構成については図示を省略し、その詳細については後述する。
また、画像表示領域710aの周辺に位置する周辺領域において、画像表示領域710aを挟んで対向する素子基板710の2辺に沿って、Y側駆動回路部132が設けられると共に、この2辺に隣接する一辺に沿ってX側駆動回路部152が設けられている。複数の画素駆動用信号線は、画像表示領域710aから周辺領域に延びて配線され、Y側駆動回路部132及びX側駆動回路部152に電気的に接続される。更に、周辺領域において、X側駆動回路部152が設けられた素子基板710の一辺に沿って、複数の外部回路接続端子102が設けられている。
Y側駆動回路部132には、走査線駆動回路が設けられると共に、例えば画素駆動用信号線と走査線駆動回路内の回路素子等とを電気的に接続するための配線や、外部回路接続端子102に電気的に接続される配線等が設けられる。また、X側駆動回路部152には、データ線駆動回路が設けられると共に、例えば画素駆動用信号線とデータ線駆動回路内の回路素子等とを電気的に接続するための配線や、外部回路接続端子102に電気的に接続される配線等が設けられる。更に、Y側駆動回路部132に設けられる配線がX側駆動回路部152内に延びて形成されると共に、X側駆動回路部152に設けられる配線がY側駆動回路部132内に延びて形成されることもある。
加えて、本実施形態では、周辺領域に陰極配線が形成されている。図5には、陰極配線の詳細な構成については図示を省略するが、陰極配線は有機EL素子の陰極と電気的に接続されると共に、X側駆動回路部152及びY側駆動回路部132を介して、外部回路接続端子102と電気的に接続される。尚、陰極は、図1には図示しない、素子基板710と対向するように配置された封止基板上に、画像表示領域710aに形成された複数の有機EL素子に共通に、且つ画像表示領域710aから周辺領域に延在されてベタに形成されている。
<2−2;画像表示領域の構成>
次に、図5に加え、図6及び図7を参照して、有機EL装置の画像表示領域710aにおける画素部の構成について具体的に説明する。図6は、有機EL装置の全体構成を示すブロック図であり、図7は、データ線、走査線、陽極や発光層等が形成された、画像表示領域710aにおける任意の画素部の断面図である。なお、図7においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
先ず、図6を参照して、有機EL装置の画像表示領域710aの電気的な構成について説明する。
有機EL装置における画像表示領域710aには、画素駆動用信号線である、縦横に配線されたデータ線6a及び走査線11aが設けられており、それらの交点に対応する各画素部はマトリクス状に配列される。更に、画像表示領域710aには各データ線6aに対して配列された画素部に対応する電源供給線117が設けられている。電源供給線117も画素駆動用信号線に相当する。
図5を参照して説明したように、周辺領域には、走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101が設けられている。走査線駆動回路104は複数の走査線11aに走査信号を順次供給し、データ線駆動回路101は、複数のデータ線6aに夫々画像信号を供給する。尚、2種の走査線駆動回路104の動作と、データ線駆動回路101の動作とは、同期信号160によって相互に同期が図られる。
ここで、図7中、各画素部には、有機EL素子72が設けられると共に、例えばTFTを用いて構成されるスイッチング用トランジスタ76及び駆動用トランジスタ74、並びに保持容量78が設けられている。
スイッチング用トランジスタ76のゲート電極には走査線11aが電気的に接続されており、スイッチング用トランジスタ76のソース電極にはデータ線6aが電気的に接続され、スイッチング用トランジスタ76のドレイン電極には駆動用トランジスタ74のゲート電極が電気的に接続されている。また、駆動用トランジスタ74のソース電極には、電源供給線117が電気的に接続されており、駆動用トランジスタ74のドレイン電極には有機EL素子72の陽極が電気的に接続されている。
尚、図6に例示した画素回路の構成の他にも、電流プログラム方式の画素回路、電圧プログラム型の画素回路、電圧比較方式の画素回路、サブフレーム方式の画素回路等の各種方式の画素回路を採用することが可能となる。
次に、図7を参照して、画像表示領域710aにおける画素部の構成について更に詳細に説明する。
素子基板710は、例えば透明な樹脂基板やガラス基板等を用いて構成される。そして、素子基板710上には、駆動用トランジスタ74の半導体膜3が形成されている。また、半導体膜3上には、半導体膜3を埋め込んで、駆動用トランジスタ74のゲート絶縁膜2が形成されている。更には、ゲート絶縁膜2上に、駆動用トランジスタ74のゲート電極3aが形成されている。ここに、ゲート電極3aと好ましくは同一の導電膜によって走査線11aが形成される。ゲート電極3a及び走査線11aは、Al(アルミニウム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、銅(Cu)等のうち少なくとも一つを含む金属材料を用いて形成されている。
また、駆動用トランジスタ74のゲート電極3aを埋め込んで、ゲート絶縁膜2上には層間絶縁膜41が形成されている。層間絶縁膜41上には、例えばアルミニウム(Al)を主成分とする導電材料から構成される、データ線6a及び駆動用トランジスタ74のドレイン電極43が形成されている。
また、層間絶縁膜41上にはデータ線6a等と同一層に電源供給線117が、例えばニチノール系合金等の形状記憶合金を材料とした形状記憶膜により形成される。層間絶縁膜41には、層間絶縁膜41の表面から層間絶縁膜41及びゲート絶縁膜2を貫通して、駆動用トランジスタ74の半導体膜3に至るコンタクトホール511及び512が形成されている。図7に示すように、電源供給線117及びドレイン電極43を構成する導電膜は、コンタクトホール511及び512の各々の内壁に沿って半導体膜3の表面に至るように連続的に形成されている。
層間絶縁膜41上には、電源供給線117、ドレイン電極43、及びデータ線6aを埋め込んで、保護膜45として例えばシリコン窒化膜(SiN)が形成されている。保護膜45上には、発光材料保持膜47より親水性の高い膜として、例えばシリコン酸化膜(SiO2)よりなる親水膜46が形成され、更に親水膜46上に発光材料保持膜47が形成されている。親水膜46及び発光材料保持膜47によって、画素部における開口領域が形成されている。開口領域には保護膜45上に陽極34が形成されている。陽極34は、透明性導電材料としてITOを用いて、開口領域から延びてドレイン電極43の一部と重畳するように形成されている。また、開口領域において、陽極34上には有機EL層50が形成されている。有機EL素子72は、陽極34及び陰極49と、陽極34及び陰極49間に挟持される有機EL層50を含む。尚、図7には封止基板について図示を省略してある。陰極49は、例えばアルミニウム(Al)を含む金属材料を用いて形成されるか、又はカルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)等のうち少なくとも一つを含む金属材料を用いて形成された導電膜の積層膜として形成されている。
有機EL装置の駆動時、走査線11aを介して走査信号が供給されることにより、スイッチング用トランジスタ76がオン状態になる。スイッチング用トランジスタ76がオン状態となると、データ線6aより画像信号が保持容量78に書き込まれる。この保持容量78に書き込まれた画像信号の電流に応じて、駆動用トランジスタ74の電気的な導通状態が決まる。そして、駆動用トランジスタ74のチャネルを介して電源供給線117より、保持容量78に書き込まれた画像信号に応じた電流が有機EL素子72の陽極34に供給されると、供給された電流に応じて有機EL層50が発光する。そして、有機EL膜50を介して陰極49に印加された電流は、陰極49から陰極配線及び外部回路接続端子102を介して当該有機EL装置外へと流れる。本実施形態では、図7中、矢印Xで示すように、有機EL素子72からの発光を素子基板710側から表示光として出射させるボトムエミッション型として、有機EL装置は構成されている。尚、本実施形態では、有機EL装置を封止基板側から表示光として有機EL素子72の発光を出射させるトップエミッション型として構成してもよい。
電源供給線117は、データ線6aに対応する複数の有機EL素子72に共通に設けられているため、有機EL装置の駆動時、電源供給線117における電流値は比較的大きな値となる。よって、その低抵抗化に鑑みて、電源供給線117は比較的幅の広い配線として形成されている。このため、素子基板710の基板面上に平面的に見て、画像表示領域710aにおける電源供給線117の配線に要する面積は相対的に大きくなる。
ここで、有機EL装置の製造時、各画素部において、有機EL層50は、蒸着方法やスピンコート法、インクジェット法などにより成膜されるが、この際、有機EL層50が剥がれる恐れがある。よって、電源供給線117を形成する形状記憶膜の変態温度を調整することにより、例えば有機EL層50の成膜工程において、電源供給線117の表面が平坦となるようにする。その結果、このように膜剥がれする恐れのある工程に加えて又は代えて、アライメント精度について高精度が要求される工程等においても、素子基板710に反りや撓みが生じるのを防止することができる。
<3;電子機器>
次に、上述した電気光学装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
<3−1:プロジェクタ>
まず、電気光学装置として液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図8は、プロジェクタの構成例を示す平面配置図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。これら3つのライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gは夫々液晶装置を含む液晶モジュールを用いて構成されている。
ライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gにおいて液晶装置は、外部回路として設けられた画像信号供給回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶装置によって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各ライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、ライトバルブ1110Gによる表示像は、ライトバルブ1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、ライトバルブ1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
<3−2:モバイル型コンピュータ>
次に、電気光学装置若しくは自発光装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図9は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、表示ユニット1206とから構成されている。この表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置や有機EL装置を用いることにより構成されている。
<3−3;携帯電話>
さらに、電気光学装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図10は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、液晶装置若しくは有機EL装置を備えるものである。反射型の液晶装置にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図8から図10を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を備える電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
電気光学装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H’断面図である。 電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素部における各種素子、配線等の等価回路である。 TFTアレイ基板の任意の画素部の断面図である。 有機EL装置の概略的な平面図である。 有機EL装置の全体構成を示すブロック図である。 有機EL装置における任意の画素部の断面図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1…電気光学装置、6a…データ線、10…TFTアレイ基板、10a、710a…画像表示領域、11a…走査線、12…形状記憶膜、117…電源供給線、710…素子基板

Claims (9)

  1. 基板と、
    該基板上の画像表示領域における各画素に形成されており表示素子を夫々含む複数の画素部と、
    前記基板上の前記画像表示領域に形成されており前記画素部に接続された配線と
    を備えており、
    前記画素部及び前記配線の少なくとも一部を構成する膜は、形状記憶機能を有する形状記憶膜からなることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画素部には、前記表示素子をスイッチング制御するための画素スイッチング用の薄膜トランジスタが形成されており、
    前記形状記憶膜は遮光性を有し、前記基板上において、前記薄膜トランジスタの半導体膜と重畳的に且つ異なる層に形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記形状記憶膜は、前記基板上において、前記半導体膜より下層側に形成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記画素部には、反射膜又は半透過反射膜が形成されていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記表示素子は有機EL層を有すると共に、前記複数の配線は、前記表示素子に電流を供給する電源供給線を含み、
    該電源供給線は前記形状記憶膜によって形成されていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記基板上における前記画像表示領域の周辺に位置する周辺領域に形成されており、少なくとも部分的に前記形状記憶膜からなる配線又は回路を更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備することを特徴とする電子機器。
  8. 基板上の画像表示領域における各画素に表示素子を夫々含む複数の画素部を形成する第1工程と、
    前記基板上の前記画像表示領域に前記画素部に接続して配線を形成する第2工程と
    を備えており、
    前記第1工程又は前記第2工程は、前記画素部及び前記配線の少なくとも一部を構成する膜を、形状記憶機能を有する形状記憶膜によって形成する第3工程を含むこと
    を特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 前記第3工程において、前記形状記憶膜をニチノール系合金を含む材料により形成すること
    を特徴とする請求項8に記載の電気光学装置の製造方法。
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