JP2006022870A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロール剛性および減衰力の両面から車体のロールに応じた車両の乗り心地および操縦安定性を良好にし、かつ安価に構成したサスペンション装置を提供する。
【解決手段】 サスペンション装置は、振動吸収装置SAおよびスタビライザ装置で構成される。振動吸収装置SAは減衰力発生機構22を備える。減衰力発生機構22は、シリンダ10内にてピストンにより区画された上室R1からリザーバ室R3に向かう作動油の流れに対して減衰力を付与する。減衰力発生機構22は、ハウジング23内にて貫通孔24aを有するオリフィス形成部材24、クランク軸25(回転軸)および可動弁26を備える。クランク軸25は、レバー機構31のレバー36と一体回転するように組み付けられる。スタビライザバー30の端部が上下動したとき、可動弁26が変位して、貫通孔24aの開口面積を減少させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車体の振動を減衰させる車両用サスペンション装置に係り、特に車体のロールに応じて減衰力の大きさを調整可能な車両用サスペンション装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に記載されているように、作動油の封入されたシリンダ内に軸線方向に進退可能に侵入したピストンロッドと、このピストンロッドに固定されてシリンダ内に液密的かつ摺動可能に組み込まれたピストンとを備えた車両用サスペンション装置は知られている。また、このサスペンション装置は、アウタシェル、インナシェルおよび減衰力調整機構を備えている。アウタシェルは、シリンダの外周上に組み付けられており、作動油および気体の封入されたリザーバ室を形成している。インナシェルは、シリンダの外周面上に組み付けられており、リザーバ室との連通を遮断してシリンダ内の上室に連通した側室を形成している。減衰力調整機構は、アウタシェルとインナシェル間に介装されており、リザーバ室と側室とを連通するようにしている。この減衰力調整機構は、プランジャ、同プランジャの先端凸部に組み込まれたディスクバルブおよびディスクバルブが着座する弁座等からなる圧力制御弁を有している。圧力制御弁は、電気制御装置によるコイルへの通電によってディスクバルブの弁座に対する押圧力を変化させて開弁圧の大小を調整する。このサスペンション装置においては、圧力制御弁によって開弁圧が小さくされることにより、路面の細かい凹凸に起因した振動が吸収されて車両の乗り心地が向上される。また、圧力制御弁によって開弁圧が大きくされることにより、車両の姿勢変化が抑制されて操縦安定性が確保される。
特開2001−12534号公報
しかし、上記従来のサスペンション装置においては、減衰力調整機構が、電気制御装置によって作動を制御される圧力制御弁を備えている。このため、圧力制御弁を制御するために高価な電気制御装置が必要になるという問題がある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車両の乗り心地および操縦安定性を良好にした上で、減衰力発生機構を機能させ得る車両用サスペンション装置を安価に構成することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、作動油の封入されたシリンダと、前記シリンダ内に軸線方向に進退可能に侵入したピストンロッドと、前記シリンダ内に液密的かつ摺動可能に組み込まれ前記ピストンロッドに固定されて前記シリンダ内を上下室に区画するとともに同上下室を連通させる貫通孔を有するピストンと、前記シリンダの外周上に組み付けられて前記上室および下室のうちの少なくとも一方の室に連通するとともに作動油および気体の封入されたリザーバ室を形成するアウタシェルと、前記リザーバ室と前記一方の室との間に介装されて同リザーバ室と同一方の室間の作動油の流れに対して所定の油路抵抗を付与する減衰力調整機構とを備えた車両用サスペンション装置であって、前記減衰力調整機構を、前記アウタシェルに固定されたハウジングと、前記ハウジングに水平軸線回りに回転可能に組み付けられた回転軸と、前記回転軸の回転運動に応じて同回転軸の軸線と直交する方向に変位する可動弁と、前記リザーバ室と前記一方の室とを連通させるとともに前記可動弁の変位に応じて開口面積を変化させるオリフィスとで構成し、さらに前記ハウジングに水平軸線回りに回転可能に組み付けられてスタビライザバーの端部の上下動に応じて回転し、同回転により前記回転軸を回転させるレバーを設け、前記スタビライザバーの端部が上下動したとき前記可動弁を変位させて前記オリフィスの開口面積を減少させることにある。
車両が細かい凹凸のある路面を走行していて、車体の姿勢が水平に保たれているときは、スタビライザバーの端部が上下動しないので、可動弁体とオリフィスとが所定の大きな間隔に保たれる。このため、オリフィスの開口面積は最大であり、上室または下室からリザーバ室へ向かう作動油の流れに対して最小の油路抵抗が付与されるので、減衰力は小さくなる。これにより、車両が細かい凹凸のある路面を走行しているときは、車両の良好な乗り心地が確保される。一方、車体がロールすると、そのロール角に応じて、スタビライザバーの端部が上下動する。スタビライザバーの端部の上下動に応じて、レバーが回転し、同レバーの回転により回転軸が回転する。このため、可動弁が変位してオリフィスの開口面積を減少させ、前記作動油の流れに対して大きな油路抵抗が付与されるようになり、減衰力は大きくなる。これにより、車体がロールしているときは、ロールに伴う車両の姿勢変化が抑制されて操縦安定性が確保される。このように、上記サスペンション装置においては、スタビライザバーの端部の上下動に応じて減衰力調整機構におけるオリフィスの開口面積を変化させるようにしており、従来のサスペンション装置のような圧力制御弁の作動を制御するための電気制御装置は不要であるため、サスペンション装置を安価に構成することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記ハウジング外周面に固定されて水平方向に開口させたケース内にて前記レバーを前記回転軸に一体回転するように組み付け、前記ケースと前記レバー間に同レバーの回転に伴って弾性変形する弾性体を介装させ、かつ車体のロールに対する前記弾性体のばね定数を前記スタビライザバーのねじりのばね定数よりも小さく設定したことにある。この場合、例えば前記弾性体をゴムで構成するようにするとよい。ここで、弾性体のばね定数とは、弾性体の撓みに対する剛性をいう。
車体のロールが小さい場合、スタビライザバーの中間部には極小さな捩れが生じ、それに応じてスタビライザバーの両外側部は、それぞれ上下反対に変位する。レバーの回転に伴って弾性変形する弾性体の車体のロールに対するばね定数がスタビライザバーのねじりのばね定数よりも小さく設定されているので、この場合にはスタビライザバーの捩れが極小さく保たれたまま、レバーが弾性体を弾性変形させながら上または下方向に回転する。レバーの回転が規制された後は、車体のロール角が大きくなるに従ってばね定数の大きなスタビライザバーの両外側部が中間部の軸線回りに互いに反対方向に大きく捩られるようになる。したがって、車体のロール角が小さいとき、スタビライザ装置のばね定数は、車体のロールに対する弾性体のばね定数が極めて小さいために小さな値になり、ロール剛性は低く保たれる。この場合、スタビライザバーの端部の上下動の変位が小さく、レバーの回転角が小さな範囲においては、オリフィスの開口面積が十分に大きいので、減衰力は小さく保たれる。これにより、車体のロール角が小さいときは、ロール剛性が低く、かつ減衰力も小さいため、これら両面から車両の乗り心地を向上させることができる。一方、車体のロール角が大きいとき、スタビライザ装置のばね定数は、弾性体が弾性変形しきってばね定数の極めて大きなスタビライザバーが大きく捩られるために大きな値になり、ロール剛性は高くなる。この場合、スタビライザバーの端部の上下動の変位が大きく、レバーの回転角も最大であり、オリフィスの開口面積が最小になっているので、減衰力は大きくなる。これにより、車体のロール角が大きいときは、ロール剛性が高く、かつ減衰力も大きいため、これら両面から車両の操縦安定性を確保することができる。
この場合、弾性体としてゴムを用いると、レバーの回転に応じて同ゴムの車体のロールに対するばね定数は、初期に小さく、その弾性変形量が増大するに従って連続的に増大する非線形のばね特性を示すようになる。したがって、ゴムが弾性変形する状態からスタビライザバーが捩れる状態に至るまでのスタビライザ装置のばね定数を連続的なばね特性のものに設定することができる。これにより、乗員に与えるショック感等の違和感を低減することができ、車両の乗り心地を一層良好にすることが可能である。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る車両用サスペンション装置SPを車両のフロント側に適用した場合の全体概略図である。このサスペンション装置SPは、振動吸収装置SAおよびスタビライザ装置STで構成されている。最初に、振動吸収装置SAについて説明する。振動吸収装置SAは、車体BDとナックル、キャリア等の車輪側支持部材LAとの間に介装されていて、図2に示すように、円筒状のシリンダ10と、ほぼ円筒状のアウタシェル11とを備えている。
シリンダ10は、作動流体としての作動油で満たされており、その上端部内周面上には環状のロッドガイド12およびシール部材13が組み付けられている。シリンダ10内には、その上端面から、円柱状のピストンロッド14がシール部材13、およびロッドガイド12に組み付けられたブシュ12aを介して液密的に侵入および退出可能に挿入されている。
ピストンロッド14の上端部外周上には、アッパシート15が組み付けられている。アウタシェル11の中間部外周面には、ロアシート16が固定されており、アッパシート15とロアシート16との間にコイルスプリング17が設けられている。コイルスプリング17は、下端にてロアシート16に支持されて上端にてアッパシート15を介して車体BDを弾性的に支持している。
ピストンロッド14の下端部外周上には、環状のピストン18が同ロッド14と一体的に軸線方向に変位するように組み付けられている。ピストン18は、シリンダ10内にその内周面上を液密的かつ摺動可能に組み込まれたもので、シリンダ10内を上下室R1,R2に区画している。ピストン18には、上下室R1,R2を連通させるとともに作動油の流れに対して油路抵抗を付与するオリフィスとしての貫通孔18aが形成されている。ピストン18の上端面には、一方向性バルブ18bが図示を省略する固定部材により固定されている。一方向性バルブ18bは、上室R1から下室R2への作動油の流入を禁止して下室R2から上室R1への作動油の流入のみを許容する。
アウタシェル11は、下端部にて車輪側支持部材LAに取り付けられており、シリンダ10の外周面との間にリザ−バ室R3を形成している。アウタシェル11の下端部内周面上には、アウタシェル11の底壁上端面とシリンダ10の下端面とで挟持するように、円板状のベースバルブ19が組み付けられている。ベースバルブ19には、下室R2とリザーバ室R3とを連通させる狭い連通路19aが形成されている。ベースバルブ19の上端面には、一方向性バルブ19bが図示を省略する固定部材により固定されている。一方向性バルブ19bは、下室R2からリザーバ室R3への作動油の流入を禁止してリザーバ室R3から下室R2への作動油の流入のみを許容する。リザーバ室R3内には作動油および窒素、空気などの気体が封入されている。リザーバ室R3は、詳しくは後述するが、上室R1とリザーバ室R3間、下室R2とリザーバ室R3間で作動油を流入出させてピストンロッド14の進退に伴う上下室R1,R2内における作動油の体積変化を吸収する。
シリンダ10の外周面上には、ほぼ円筒状のインナシェル21が固定されている。インナシェル21は、シリンダ10の外周面との間に側室R4を形成している。側室R4は、インナシェル21によってリザーバ室R3との連通を遮断されるとともに、シリンダ10に形成された貫通孔10aを介して上室R1に連通している。
アウタシェル11およびインナシェル21には、減衰力発生機構22が組み付けられている。減衰力発生機構22は、図3に示すように、ハウジング23、オリフィス形成部材24、クランク軸25および可動弁26を備えている。ハウジング23は、ほぼ円筒状の側壁と、同側壁の一端面にて一体に形成された底壁とにより構成されていて、その開口端にてアウタシェル11の外周面に同アウタシェル11に形成した貫通孔11aを若干量だけ貫通した状態で固定されている。
オリフィス形成部材24は、ほぼ円柱状の部材であって、作動油の流れに対して油路抵抗を付与するオリフィスとしての段付きの貫通孔24aを有するものであり、一端部にてインナシェル21の外周面に同インナシェル21に形成した貫通孔21aを若干量だけ貫通した状態で固定されている。オリフィス形成部材24の外径は、ハウジング23の内径よりも所定量だけ小さく設定されている。オリフィス形成部材24の外周面とハウジング23の内周面との間には、環状の連通路23aが形成されている。
クランク軸25は、ハウジング23に水平軸線回りに回転可能に組み付けられており、その一端部がハウジング23に形成された貫通孔23aを介して外側へ突出して、同一端部にて後述するレバー36と一体回転するように接続されている。可動弁26は、ロッド27および弁体28を備えている。ロッド27は、その後端部にてクランク軸25のクランクピン25aに相対回転可能に接続され、その前端部にてピン28aを介して弁体28を相対回転可能に接続している。弁体28は、その先端面が円錐状に形成された略円柱状の部材であり、ロッド27との接続を許容するために後端部側にて所定深さの溝を有している。
弁体28は、クランク軸25の回転に伴うロッド27の変位に従ってガイド29により液密的かつ摺動可能に誘導されて貫通孔24aの軸線方向に沿って変位する。弁体28は、クランク軸25が中立位置にあるとき、貫通孔24aから所定の大きな間隔で隔てられている。この状態では、貫通孔24aの開口面積が最大であり、貫通孔24aを流れる作動油に対して最小の油路抵抗が付与される。一方、弁体28は、クランク軸25が中立位置から軸線回りに左右いずれの方向に回転しても貫通孔24aに接近し、クランク軸25の回転角が最大になったとき、貫通孔24aに最も接近する。この状態では、貫通孔24aの開口面積が最小であり、貫通孔24aを流れる作動油に対して最大の油路抵抗が付与されるようになっている。なお、ガイド29は、オリフィス形成部材24の端面およびハウジング23の内周面との間に連通路23aに連通した連通路23bを形成している。
ここで、上記のように構成した振動吸収装置SAの機能を簡単に説明しておく。車体BDが車輪側支持部材LAに対して上下動すると、ピストンロッド14およびピストン18がシリンダ10に対して上下動する。この場合、ピストンロッド14およびピストン18が上方向に変位するときには(振動吸収装置SAの伸長状態では)、上室R1内の作動油が、貫通孔10aを介して側室R4内に流れ込む。側室R4内の作動油は、減衰力発生機構22内の貫通孔24aおよび連通路23b,23aを介してリザーバ室R3に流れ込む。この場合、貫通孔24aおよび可動弁26が作動油の流れに対して油路抵抗として作用し、ピストンロッド14およびピストン18の上動に対して減衰力を付与する。ピストンロッド14のシリンダ10内からの退出に伴う作動油の体積変化は、連通路19aを介したリザーバ室R3から下室R2への作動油の流入により吸収される。
一方、ピストンロッド14およびピストン18が下方向に変位するときには(振動吸収装置SAの圧縮状態では)、下室R2内の作動油が、貫通孔18aおよび一方向性バルブ18bを介して上室R1内に流れ込む。この場合、貫通孔18aおよび一方向性バルブ18bが作動油の流れに対して油路抵抗として作用し、ピストンロッド14およびピストン18の下動に対して減衰力を付与する。ピストンロッド14のシリンダ10外からの侵入に伴う作動油の体積変化は、貫通孔10a、側室R4、減衰力発生機構22内の貫通孔24aおよび連通路23b,23aを介した上室R1からリザーバ室R3への作動油の流出により吸収される。
次に、図1に戻って、スタビライザ装置STについて説明する。スタビライザ装置STは、スタビライザバー30、左右一対のレバー機構31,31およびリンク32,32を備えている。スタビライザバー30は、断面円形の中実丸棒を略U字状に湾曲させて構成されている。スタビライザバー30は、その中間部30aを車両の横方向に延設させていて、同中間部30aの両端近傍にて支持部材としてのブッシュ33,33およびブラケット34,34を介してサスペンションメンバ等の車体BDの上面に略水平軸線回りに回転可能に組み付けられている。スタビライザバー30は、その外側部30b,30cを車両の前後方向に延設させていて、同外側部30b,30cの前端にてそれぞれリンク32,32を介してレバー機構31,31に接続されている。
レバー機構31,31は、左前輪Wlおよび右前輪Wrにそれぞれ対応して設けられている。これらのレバー機構31,31は同様に構成されているので、右前輪Wr側のレバー機構31についてのみ具体的に説明して、左前輪Wl側のレバー機構31についての詳しい説明を省略する。このレバー機構31は、図1および図3に示すように、ケース35、レバー36およびゴム37を備えている。ケース35は、断面方形状に形成されており、その左右両端面を水平方向に開口させている。ケース35は、側壁35aにて減衰力発生機構22のハウジング23外周面に固定されている。側壁35aには、クランク軸25の侵入を許容するために貫通孔23aと同一軸線上に貫通孔35a1が形成されている。
レバー36は、断面矩形の長尺状に構成されている。レバー36は、車両の左右方向における外側位置の外端部を含む所定長さの部分がケース35に収容されていて、その外端部にて貫通孔35a1を介してケース35内に侵入したクランク軸25に一体回転するように接続されている。また、レバー36は、車両の左右方向における内側位置の内端部をケース35外へ水平に突出させており、その内端部に組み付けられたボールジョイント38を介してリンク32の上端部に回転可能に接続されている。
ケース35とレバー36とは、弾性体としてのゴム37により加硫接着されている。ゴム37は、例えば、天然ゴムを主成分とするゴム材が用いられており、ケース35とレバー36間に充填されていて、その中央部にて貫通孔35a1と同一軸線上にクランク軸25の侵入を許容する貫通孔37aを有している。ゴム37は、レバー36の回転による弾性変形量が所定量よりも小さいときはレバー36の回転を許容し、レバー36の回転による弾性変形量が所定量よりも大きくなってレバー36とケース35間の距離が極小となったときにレバー36の回転を規制する程度に大きな硬さに設定されている。また、車体BDのロールに対して、ゴム37のばね定数は、スタビライザバー30のねじりのばね定数よりも十分に小さい所定の値に設定されている。なお、ゴム37はレバー36を車両の上下方向のみならず前後方向からも挟持しており、これによってレバー36の回転時における車両の前後方向へのがたつきが防止されている。
リンク32,32は、上述したように各上端部にてレバー36,36の内端部にそれぞれボールジョイント38,38を介して回転可能に接続されるとともに、各下端部にてスタビライザバー30の外側部30b,30cの前端部にそれぞれボールジョイント39,39を介して回転可能に接続されている。
次に、上記のように構成した実施形態の作動について説明する。まず、車両が細かい凹凸のある路面を走行していて、車体BDの姿勢が水平に保たれている場合について説明する。この場合、スタビライザバー30の各端部が上下動しないので、サスペンション装置SPの剛性は、ほぼコイルスプリング17のばね定数で規定されて低くなる。また、この状態では、レバー36は水平位置にあるため、クランク軸25が中立位置に保たれており、弁体28と貫通孔24aとが所定の大きな間隔に保たれている(図4(A)参照)。このため、貫通孔24aの開口面積は最大であり、上室R1からリザーバ室R3へ向かう作動油の流れに対して最小の油路抵抗が付与されるので、減衰力は小さくなる。これにより、車両が細かい凹凸のある路面を走行しているときは、車両の良好が乗り心地が確保される。
また、例えば、路面の凹凸等により左右車輪Wl,Wrが上下同相(上下同方向)に変位したときは、スタビライザバー30の各端部が上下同相に変位する。このとき、スタビライザバー30の中間部30aは、ブッシュ33,33から回転による若干の摩擦力を受けながらも、スタビライザバー30の各端部の上下動に追従して捩れを伴わずに軸線回りに回転する。このため、レバー36,36とリンク32,32とは、ボールジョイント38,38を介して相対回転を許容されるにすぎないので、レバー36,36は水平位置に保たれる。したがって、この場合も、上記と同様、剛性が低く、かつ減衰力も小さいため、車両の良好な乗り心地が確保される。
次に、車体BDがロールした場合について説明する。車体BDのロールが小さいとき、スタビライザバー30の中間部30aには極小さな捩れが生じ、それに応じてスタビライザバー30の外側部30b,30cは、それぞれ上下反対に変位する。車体BDのロールに対して、ゴム37,37のばね定数はスタビライザバー30のねじりのばね定数よりも小さく設定されているので、この場合にはスタビライザバー30の捩れが極小さく保たれたまま、レバー36,36がゴム37,37を弾性変形させながら上下反対方向に回転する。したがって、スタビライザ装置STのばね定数は、図5のA領域で示すように、ゴム37,37のばね定数が極めて小さいために小さな値になり、ロール剛性は低く保たれる。
このとき、スタビライザバー30の端部の上下動の変位が小さく、レバー36,36の回転角が小さな範囲においては、クランク軸25の回転角も小さいため、弁体28が貫通孔24aに対して十分に大きな間隔で隔てられている。このため、貫通孔24aの開口面積は十分に大きく、上室R1からリザーバ室R3へ向かう作動油の流れに対して小さな油路抵抗が付与されるので、減衰力は小さく保たれる。これにより、車体BDのロール角が小さいときは、ロール剛性が低く、かつ減衰力も小さいため、これら両面から車両の乗り心地を向上させることができる。
この状態から車体BDのロール角が大きくなるに従って、レバー36,36の回転角が大きくなり、クランク軸25の回転角も大きくなる。この場合、スタビライザバー30の捩れは未だ小さく保たれているので、スタビライザ装置STのばね定数は、車体BDのロールに対するゴム37,37のばね定数が極めて小さいために小さな値になり、上記と同様、ロール剛性は低く保たれる。また、クランク軸25の回転に伴い、弁体28が貫通孔24aに接近するに従って貫通孔24aの開口面積が徐々に小さくなり、上室R1からリザーバ室R3へ向かう作動油の流れに対する油路抵抗が徐々に大きくなる。したがって、この状態では、ロール角に応じて減衰力が次第に大きくなるが、ロール剛性が低いために、車両の良好な乗り心地が確保される。
車体BDのロール角が更に大きくなり、レバー36,36の回転に伴うゴム37,37の弾性変形量が所定量を超えると、ゴム37,37のばね定数は急激に増大する。このため、スタビライザ装置STのばね定数は、図5のB領域で示すように、急激に増大する。これにより、レバー36,36の回転が左右でそれぞれ規制されるとともに、クランク軸25の回転角が最大になる(図4(B),4(C)参照)。そして、レバー36,36の回転が規制された後は、車体BDのロール角が大きくなるに従ってスタビライザバー30の両外側部30b,30cが中間部10aの軸線回りに互いに反対方向に大きく捩られるようになる。この場合、スタビライザ装置STのばね定数は、図5のC領域で示すように、ゴム37,37が弾性変形しきってばね定数の極めて大きなスタビライザバー30が大きく捩られるために大きな値になり、ロール剛性は高くなる。
このとき、クランク軸25の回転角が最大であり、弁体28が貫通孔24aに対して極僅かな間隔で隔てられている。このため、貫通孔24aの開口面積は最小であり、上室R1からリザーバ室R3へ向かう作動油の流れに対して最大の油路抵抗が付与されるので、減衰力は大きくなる。これにより、車体BDのロール角が大きいときは、ロール剛性が高く、かつ減衰力も大きいため、これら両面から車両の操縦安定性を確保することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るサスペンション装置SPにおいては、スタビライザバー30の端部の上下動に応じて可動弁26を変位させて貫通孔24aの開口面積を変化させるようにしているため、サスペンション装置SPを安価に構成することができる。
また、レバー36,36の回転に応じてゴム37,37の車体BDのロールに対するばね定数は、初期に小さく、その弾性変形量が増大するに従って連続的に増大する非線形のばね特性を示す。したがって、ゴム37,37の弾性変形時におけるスタビライザ装置STのばね定数は、図5のAおよびB領域で示すように、非線形のばね特性を示すことになる。これにより、ゴム37,37が弾性変形する状態(図5のAおよびB領域)からスタビライザバー30が捩れる状態(図5のC領域)に至るまでのスタビライザ装置STのばね定数を連続的なばね特性のものに設定することができる。したがって、ばね定数の非連続的な変化に起因して乗員に与えるショック感等の違和感を低減することができ、乗り心地を一層良好にすることが可能である。
また、上記したレバー機構31,31においては、レバー36,36の全長を長くするだけで、ゴム37,37を弾性変形させるときのレバー36,36の内端部の変位量が大きくなる。すなわち、レバー36,36の全長を所定量だけ長くすることにより、ロール剛性が低く設定される車体BDのロール角の範囲(図5のA領域)を広くすることができる。これによれば、前記車体BDのロール角の範囲を広げても、レバー機構31,31を簡単に構成することができるので、配置スペース上の問題が生じることもなく、製造コストも安価になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、振動吸収装置SAの減衰力調整機構22を上室R1とリザーバ室R3との間に介装させるようにして、上室R1からリザーバ室R3に向かう作動油の流れに対して減衰力を付与するようにしたが、これに加えて減衰力調整機構を下室R2とリザーバ室R3との間にも介装させるようにして、下室R2からリザーバ室R3に向かう作動油の流れに対しても減衰力を付与するようにしてもよい。また、これに代えて減衰力調整機構を下室R2とリザーバ室R3との間にのみ介装させるようにして、下室R2からリザーバ室R3に向かう作動油の流れに対して減衰力を付与するようにしてもよい。これらの場合にも、上記実施形態を構成する振動吸収装置SAと同様に、減衰力を調整することができる。
また、上記実施形態においては、クランク軸25の回転運動に応じてクランク軸25の軸線と直交する方向に可動弁26を変位させるようにした。しかし、クランク軸25を用いるものに限らず、例えば直線状の回転軸およびカム等で構成されるカム機構の回転に応じて可動弁26を変位させるようにしても、上記と同様な効果が得られる。
また、上記実施形態においては、レバー機構31,31を構成する弾性体としてゴム37,37を用いたが、ゴム37,37に代えて、圧縮スプリングまたは引っ張りスプリングを用いてもよい。これによっても、レバー機構31,31を簡単に構成することができる。また、本発明に係る車両用サスペンション装置SPを車両のリヤ側に適用してもよい。
本発明の一実施形態に係る車両用サスペンション装置を示す斜視図である。 図1に示した振動吸収装置を示す縦断面図である。 図1に示した減衰力発生機構およびレバー機構を拡大して示す横断面図である。 (A)は、図1に示した減衰力調整機構およびレバー機構が中立位置にある状態を示し、(B)および(C)は、図1に示した減衰力調整機構およびレバー機構の作動例を示す説明図である。 図1に示したスタビライザ装置のばね定数と車体のロール角との関係を示す説明図である。
符号の説明
BD…車体、LA…車輪側支持部材、SP…サスペンション装置、SA…振動吸収装置、ST…スタビライザ装置、10…シリンダ、10a…貫通孔、11…アウタチューブ、14…ピストンロッド、18…ピストン、18a…貫通孔、R1…上室、R2…下室、R3…リザーバ室、R4…側室、22…減衰力調整機構、23…ハウジング、24…オリフィス形成部材、24a…貫通孔、25…クランク軸、26…可動弁、27…ロッド、28…弁体、30…スタビライザバー、31…レバー機構、32…リンク、35…ケース、36…レバー、37…ゴム

Claims (3)

  1. 作動油の封入されたシリンダと、前記シリンダ内に軸線方向に進退可能に侵入したピストンロッドと、前記シリンダ内に液密的かつ摺動可能に組み込まれ前記ピストンロッドに固定されて前記シリンダ内を上下室に区画するとともに同上下室を連通させる貫通孔を有するピストンと、前記シリンダの外周上に組み付けられて前記上室および下室のうちの少なくとも一方の室に連通するとともに作動油および気体の封入されたリザーバ室を形成するアウタシェルと、前記リザーバ室と前記一方の室との間に介装されて同リザーバ室と同一方の室間の作動油の流れに対して所定の油路抵抗を付与する減衰力調整機構とを備えた車両用サスペンション装置であって、
    前記減衰力調整機構を、
    前記アウタシェルに固定されたハウジングと、
    前記ハウジングに水平軸線回りに回転可能に組み付けられた回転軸と、
    前記回転軸の回転運動に応じて同回転軸の軸線と直交する方向に変位する可動弁と、
    前記リザーバ室と前記一方の室とを連通させるとともに前記可動弁の変位に応じて開口面積を変化させるオリフィスとで構成し、さらに
    前記ハウジングに水平軸線回りに回転可能に組み付けられてスタビライザバーの端部の上下動に応じて回転し、同回転により前記回転軸を回転させるレバーを設け、前記スタビライザバーの端部が上下動したとき前記可動弁を変位させて前記オリフィスの開口面積を減少させることを特徴とする車両用サスペンション装置。
  2. 請求項1に記載した車両用サスペンション装置において、
    前記ハウジング外周面に固定されて水平方向に開口させたケース内にて前記レバーを前記回転軸に一体回転するように組み付け、前記ケースと前記レバー間に同レバーの回転に伴って弾性変形する弾性体を介装させ、かつ車体のロールに対する前記弾性体のばね定数を前記スタビライザバーのねじりのばね定数よりも小さく設定した車両用サスペンション装置。
  3. 前記弾性体をゴムで構成した請求項2に記載の車両用サスペンション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009264515A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Hitachi Ltd シリンダ装置及びこれを用いたスタビライザ装置。

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