JP2006022256A - 両面粘着シートおよびその製造方法、積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の両面粘着シート1は、貫通孔のない第1の剥離シート10上に、粘着剤層20と第2の剥離シート30とが順次設けられ、粘着剤層20の第2の剥離シート30側表面31には、複数の凹部と、凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とが形成されている。
【選択図】 図1
Description
両面粘着シートにおいては、一方の剥離シートのみを剥がせるように第1の剥離シートと第2の剥離シートとの剥離力が異なっていることが求められる。第1の剥離シートと第2の剥離シートとの剥離力に差をつけるためには、第1の剥離シート上に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成し、その粘着剤層の上に第2の剥離シートを積層して製造することが行われている。しかし、この製造方法によっても、第2の剥離シートのみを確実に剥がせる程に、2つの剥離シートの剥離力に差をつけることは困難であった。
ここで、支持体としては、安価で粘着剤を含浸させやすく、適度な柔軟性を有することから、不織布が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、一方の剥離シートが剥離され、これにより露出した粘着剤層を壁紙基材等の基材に貼着した積層体には、しわのない良好な外観が求められる。しかし、従来の両面粘着シートを用いた場合には、しわを発生させずに基材を貼着することが難しかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、少ない粘着剤量で、2つの剥離シートの間で格段に剥離力に差があり、しかも、しわを発生させずに基材を貼着できる両面粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、しわの発生が防止された積層体を提供することを目的とする。
本発明の両面粘着シートにおいては、粘着剤層の第1の剥離シート側表面に凹部または凸部が形成されていることが好ましい。
また、本発明の両面粘着シートにおいては、第2の剥離シートの粘着剤層側表面には、粘着剤層の凹部に対応した環状の凸部が設けられ、凸部の内側には貫通孔が形成されていることが好ましい。
本発明の両面粘着シートの製造方法は、第1の剥離シートに粘着剤を塗工して粘着剤層を設ける第1の工程と、粘着剤層に第2の剥離シートを貼着する第2の工程とを有し、
第1の剥離シートとして、貫通孔が形成されていないものを用い、第2の剥離シートとして、環状の凸部が粘着剤層側表面に設けられ、凸部の内側に貫通孔が形成されたものを用いることを特徴とする。
本発明の積層体は、上述した両面粘着シートから第2の剥離シートを剥離し、これにより露出した粘着剤層に基材が貼着されていることを特徴とする。
本発明の積層体としては、基材が壁紙基材であってもよい。
本発明の積層体は、しわ発生が防止されており、外観が良好である。
本発明の両面粘着シートの一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態例の両面粘着シートを示す。この両面粘着シート1は、貫通孔が形成されていない第1の剥離シート10上に、粘着剤層20と第2の剥離シート30とが順次設けられて構成されている。
図2に、粘着剤層20における第1の剥離シート10側表面を拡大した図を示す。この図に示すように、両面粘着シート1における粘着剤層20の第1の剥離シート10側表面には、複数の凸部21,21・・・が形成されている。
また、粘着剤層20の第2の剥離シート30側表面には、図3、図4に示すように、複数の円環状の凹部22と、凹部22の外縁に隣接する円環状の外縁凸部23とが形成されている。凹部22の内側には、凹部22の底部22aよりも高さが高く、外縁凸部23の頂部23aよりも高さが低い微小凸部24が形成されている。
よって、粘着剤層3の、第2の剥離シート30側表面は、凹部22と外縁凸部23と微小凸部24とからなる複数の円形部と、それ以外の平坦な部分(平坦部25)とから構成されている。
ここで、「円形部の大きさ」とは、外縁が外縁凸部23によって、または外縁凸部23および凹部22によって形成される円形部の最大径を意味し、例えば本実施形態のように外縁凸部23が凹部22の外縁の全体にわたって形成されている場合には、外縁凸部23の外縁と平坦部25との交点によって形成される環26の最大径である。また、粘着剤層20における各円形部の間隔、すなわち各円形部の外縁間の最小距離は、本発明の効果のためには、200〜600μmが好ましく、300〜500μmがより好ましい。
また、粘着剤層20における各円形部の個数は、5個/cm2以上が好ましく、5〜10000個/cm2がより好ましい。
ここで、「外縁凸部23の高さ」とは、外縁凸部23の頂部23aから、平坦部25により構成される平面に下ろした垂線の長さ、すなわち図4におけるy−z間の長さを意味する。
アクリル系粘着剤としては、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型等があり、本発明においては、いずれの型のものも使用できる。これらの中でも、安全面、品質面、コスト面からエマルジョン型アクリル系粘着剤が好ましい。
さらに、粘着剤層20には、粘着力の引張り速度依存性を変えたり、オレフィン系樹脂に対する接着性を向上させるために、タッキファイヤーを含有させることもできる。タッキファイヤーとしては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられるが、ポリオレフィンに対する接着性が良好なため、ロジン系樹脂が好ましい。ロジン系樹脂としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル等が挙げられる。
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲で、洗浄水に対する濡れ(なじみ)を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。
第1の剥離シート10の粘着剤層20側表面11は平坦であってもよいが、凹部や凸部や溝が形成されていることが好ましい。この場合、凹部や凸部の形状に特に制限はなく、例えば、円形状や線状とすることができる。本実施形態では、粘着剤層20側表面11に凹部12が形成されている例を示して説明する。第1の剥離シート10に凹部12が形成されている場合には、後述するように、粘着剤層20に凸部21を形成できる。
凹部12は、開口径が50〜1000μmであることが好ましく、深さが10〜60μmであることが好ましい。このような凹部12が形成されていれば、粘着剤層20の第1の剥離シート10側表面11に、仮貼着を可能にする凸部21を形成できる。
第1の剥離シート10における凹部12の形成方法としては、例えば、平滑な剥離シートの剥離面に、エンボスが形成されたロールを押し当てるエンボス加工法が挙げられる。
また、剥離面を形成する剥離剤としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、中でも、剥離性に優れることから、シリコーン樹脂が好ましい。これら剥離剤は、エマルジョンや溶剤型または無溶剤型として使用される。
第1の剥離シート10の厚さは、強度やコスト等を考慮すると、10〜150μmであることが好ましい。
第1の剥離シート10の剥離力を調整するためには、凹部12の数、深さ、開口径の大きさ、粘着剤の種類を適宜選択すればよい。
第2の剥離シート30は、図5に示すように、粘着剤層側表面31に、粘着剤層の凹部に対応した環状の凸部32が設けられ、凸部32の内側には貫通孔33が形成されていることが好ましい。
このような凸部32が形成されていることで、後述する製造方法において、粘着剤層に表面構造を形成する際、第2の剥離シート30の凸部32により押しのけられた粘着剤層20の一部が貫通孔33内に移動して微小凸部24が形成される。
また、凸部32の個数としては、5個/cm2以上が好ましく、5〜10000個/cm2がより好ましい。
また、凸部32の高さとしては、粘着剤層の外縁凸部の高さ以上であればよく、例えば外縁凸部の高さ+0〜50μmの範囲内であることが好ましい。
第2の剥離シート30の剥離力を調整するためには、凸部32の数、高さ、貫通孔の径の大きさ、粘着剤の種類を適宜選択すればよい。
次に、上述した両面粘着シートの製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法においては、図6に示す製造装置により両面粘着シートを製造する。この製造装置2は、第1の剥離シート10を繰り出す第1の繰り出しロール40と、第1の剥離シート10に粘着剤51を塗工する塗工機50と、塗工した粘着剤51を乾燥する乾燥機60と、第2の剥離シート30を繰り出す第2の繰り出しロール70と、第1の剥離シート10上に設けられた粘着剤層20に第2の剥離シート30を貼着する貼着機80と、得られた両面粘着シート1を巻き取る巻き取りロール90とを具備して構成されている。
乾燥機60としては、一般的に使用される熱風乾燥機、赤外線乾燥機、真空乾燥機などを用いることができる。
貼着機80としては、金属ロールとゴムロールとを備えたニップ方式貼着機、ギャップ式カレンダーなどを用いることができる。
続いて、第1の剥離シート10上に塗工した粘着剤を乾燥機60にて乾燥して粘着剤層20を設ける(図7参照)。
そして、得られた両面粘着シート1を巻き取りロール90により巻き取る。
この製造方法では、第1の剥離シート10の表面11に液状の粘着剤を塗工した際に、粘着剤の一部が第1の剥離シート10の凹部12,12・・・内部に流れ込む。そして、その状態のまま乾燥した結果、図2に示すように、粘着剤層20の表面に凸部21,21・・・を形成することができる。このような構造を有する両面粘着シート1では、粘着剤層20の凸部21がアンカー効果を発揮するため、第1の剥離シート10と粘着剤層20との密着力が高くなる。
さらに、第1の工程にて、粘着剤層20の第1の剥離シート10側表面に凸部21,21・・・が形成された結果、その凸部21,21・・・が形成された面と被着体とを接触させた際、それらの間に隙間が形成される。したがって、粘着剤層20に被着体を弱く貼着させた仮貼着状態にて、粘着剤層20と被着体との間の空気の除去できる。そして、空気を除去した後、強く貼着することで、気泡の形成が抑制されて、しわ発生を防止できる。
また、本実施形態においては、外縁凸部として、全体の高さが均一な円環状のものを示したが、本発明では、例えば、外縁凸部の頂部の高さが部分的に異なっていてもよい。その場合、「外縁凸部の高さ」は、外縁凸部の最大の高さを意味する。
図10に、本実施形態の積層体を示す。本実施形態の積層体100は、上述した両面粘着シート1から第2の剥離シートを剥離し、これにより露出した粘着剤層20に基材110が貼着されたものである。ここで、基材110としては、例えば、ポスター、ステッカー、自動車内装材、ボード、壁紙基材、電機材料部材などが挙げられる。
両面粘着シート1から第2の剥離シートが剥離されて露出した粘着剤層20の表面27には、図3に示すように、凹部22と外縁凸部23とが形成されているから、両面粘着シート1の粘着剤層20を基材110に貼着する際には、位置決めのための仮貼着が可能である上に、仮貼着状態にてエアー抜きをすることができる。したがって、この積層体100では、粘着剤層20と基材110との間に気泡が入りにくくなっており、しわの発生が防止されている。
粘着剤層20の第1の剥離シートが接していた表面28に凸部または凹部が形成されている場合、粘着剤層20の表面27を基材に貼着するときと同様に、粘着剤層20の表面28に被着体を貼着する際に仮貼着が可能である上に、仮貼着状態にてエアー抜きをすることができる。したがって、粘着剤層20と被着体120との間に気泡が入りにくくなっており、しわの発生が防止される。
10 第1の剥離シート
20 粘着剤層
22 凹部
23 外縁凸部
30 第2の剥離シート
32 凸部
33 貫通孔
Claims (6)
- 貫通孔のない第1の剥離シート上に、粘着剤層と第2の剥離シートとが順次設けられ、粘着剤層の第2の剥離シート側表面には、複数の凹部と、凹部の外縁の少なくとも一部に隣接する外縁凸部とが形成されていることを特徴とする両面粘着シート。
- 粘着剤層の第1の剥離シート側表面に凹部または凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の両面粘着シート。
- 第2の剥離シートの粘着剤層側表面には、粘着剤層の凹部に対応した環状の凸部が設けられ、凸部の内側には貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の両面粘着シート。
- 第1の剥離シートに粘着剤を塗工して粘着剤層を設ける第1の工程と、粘着剤層に第2の剥離シートを貼着する第2の工程とを有し、
第1の剥離シートとして、貫通孔が形成されていないものを用い、第2の剥離シートとして、環状の凸部が粘着剤層側表面に設けられ、凸部の内側に貫通孔が形成されたものを用いることを特徴とする両面粘着シートの製造方法。 - 請求項1または2に記載の両面粘着シートから第2の剥離シートが剥離され、これにより露出した粘着剤層に基材が貼着されていることを特徴とする積層体。
- 基材が壁紙基材であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
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