JP2006021742A - 車輌のロール運動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンチロールモーメント増減装置が異常である場合にはショックアブソーバの減衰係数を適宜に制御することにより、車輌の乗り心地性を過剰に悪化することなく過渡旋回時の車輌のロールの増大及びこれに伴う車輌の操縦安定性の低下を抑制する。
【解決手段】アンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するアンチロールモーメント増減装置として機能するアクティブスタビライザ装置16、18を有する車輌のロール運動制御装置であって、発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生できない異常がアンチロールモーメント増減装置に生じたことを判定し(S20、60、70、75、80)、アンチロールモーメント増減装置が異常である状況の過渡旋回時にはアンチロールモーメント増減装置が正常であるときに比してショックアブソーバの減衰係数を高くする(S90〜110、S120〜140、S150〜170)。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌のロール運動制御装置に係り、更に詳細には車輌にロールモーメントが作用するときにはアンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するアンチロールモーメント増減装置を有する車輌のロール運動制御装置に係る。
自動車等の車輌のロール運動制御装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、二分割のスタビライザと、該スタビライザのトーションバーを相対回転させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置とを有するアクティブスタビライザ装置であって、車輌の旋回時の如く車輌に高いロールモーメントが作用する状況に於いてはアクチュエータによって二つのトーションバーを相対回転させ、車輌に付与されるアンチロールモーメントを増大させるよう構成されたアクティブスタビライザ装置が従来より知られている。
かかるアクティブスタビライザ装置によれば、車輌に高いロールモーメントが作用する状況に於いて車輌に付与されるアンチロールモーメントを増大させることができるので、スタビライザが通常のスタビライザである場合に比して、車輌の直進走行時の乗り心地性を悪化することなく旋回時の車輌のロールを低減し、車輌の操縦安定性を向上させることができる。
特開平9−123728号公報
しかし上述の如き従来のロール運動制御装置に於いては、アクチュエータの故障等により発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常がアクティブスタビライザ装置に発生すると、アクティブスタビライザ装置が正常な状況に比して旋回時等に於ける車輌のロールが大きくなり、車輌の操縦安定性が低下する。
本発明は、車輌にロールモーメントが作用するときにはアンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するアンチロールモーメント増減装置を有する従来のロール運動制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、アンチロールモーメントを十分に増大させることができない異常がアンチロールモーメント増減装置に生じたときにはショックアブソーバの減衰係数を適宜に制御することにより、車輌の乗り心地性を過剰に悪化することなく過渡旋回時の車輌のロールの増大及びこれに伴う車輌の操縦安定性の低下を抑制することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌にロールモーメントが作用するときにはアンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するアンチロールモーメント増減装置を有する車輌のロール運動制御装置であって、発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常が前記アンチロールモーメント増減装置に生じたことを判定する異常判定手段と、前記アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前記アンチロールモーメント増減装置が正常であるときに比してショックアブソーバの減衰係数を高くする減衰係数制御手段とを有することを特徴とする車輌のロール運動制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記減衰係数制御手段は車輌の旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記アンチロールモーメント増減装置は前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなり、前記減衰係数制御手段は前記前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前輪のショックアブソーバの減衰係数を高くし、前記後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには後輪のショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前記前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときの前輪のショックアブソーバの減衰係数は前記後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときの後輪のショックアブソーバの減衰係数よりも高いよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於いて、前記アンチロールモーメント増減装置は前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなり、前記減衰係数制御手段は前記前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常になったときには、前記後輪側アンチロールモーメント増減装置の作動を停止すると共に、前輪のショックアブソーバの減衰係数を高くし、しかる後後輪のショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項5の構成に於いて、前輪のショックアブソーバの減衰係数は後輪のショックアブソーバの減衰係数よりも高いよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至6の構成に於いて、前記アンチロールモーメント増減装置は前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなり、前記減衰係数制御手段は前記前輪側アンチロールモーメント増減装置及び前記後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前輪のショックアブソーバの減衰係数が後輪のショックアブソーバの減衰係数以上であるよう前輪及び後輪のショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至7の構成に於いて、前記アンチロールモーメント増減装置は二分割のスタビライザと該スタビライザのトーションバーを相対回転させるアクチュエータとを有するアクティブスタビライザを含み、前記アクチュエータの目標回転角度と実際の回転角度との偏差の大きさが基準値以上であるときに前記アンチロールモーメント増減装置が異常であると判定するよう構成される(請求項8の構成)。
上記請求項1の構成によれば、発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常がアンチロールモーメント増減装置に生じているときにはアンチロールモーメント増減装置が正常であるときに比してショックアブソーバの減衰係数が高くされるので、車輌の旋回時の如く車輌にロールモーメントが作用し車輌がロールすることに抗する減衰力を増大させることができ、これによりアンチロールモーメント増減装置が異常である状況にて車輌が旋回する際に於ける過渡旋回時の車輌のロールの増大及びこれに伴う車輌の操縦安定性の低下を効果的に抑制することができる。
上記請求項2の構成によれば、減衰係数制御手段は車輌の旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数が高くされるので、車輌の非旋回時にもショックアブソーバの減衰係数が高くされることに起因して車輌の非旋回時に於ける車輌の乗り心地性が悪化することを確実に防止することができる。
また上記請求項3の構成によれば、前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされ、後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには後輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされるので、前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときに於ける過渡旋回時の前輪のロール剛性の低下を確実に低減し、後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときに前後輪のロール剛性比が前輪寄りになりすぎて車輌のステア特性が過大なアンダーステア特性になることを抑制することができる。
また上記請求項4の構成によれば、前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときの前輪のショックアブソーバの減衰係数は後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときの後輪のショックアブソーバの減衰係数よりも高いので、前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときに於ける過渡旋回時の車輌のロールの増大及びこれに伴う車輌の操縦安定性の低下を効果的に抑制することができると共に、後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときに於ける過渡旋回時のロール剛性を確実に前輪寄りして車輌の良好な操縦安定性を確保することができる。
また上記請求項5の構成によれば、前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常になったときには、後輪側アンチロールモーメント増減装置の作動が停止されると共に、前輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされ、しかる後後輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされるので、前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常になった場合に、後輪側アンチロールモーメント増減装置の作動が停止されることなく前輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされる場合に比して、前後輪のロール剛性比が後輪寄りに変化する度合を低減し、これによりオーバーステア側への車輌のステア特性の変化を確実に低減することができ、また前輪及び後輪のショックアブソーバの減衰係数が高いので、過渡旋回時の車輌のロールの増大及びこれに伴う車輌の操縦安定性の低下を効果的に抑制することができる。
また上記請求項6の構成によれば、前輪のショックアブソーバの減衰係数は後輪のショックアブソーバの減衰係数よりも高いので、過渡旋回時のロール剛性を確実に前輪寄りして車輌の良好な操縦安定性を確保することができる。
また上記請求項7の構成によれば、前輪側アンチロールモーメント増減装置及び後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前輪のショックアブソーバの減衰係数が後輪のショックアブソーバの減衰係数以上であるよう前輪及び後輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされるので、前輪側アンチロールモーメント増減装置及び後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときに於ける過渡旋回時のロール剛性を確実に前輪寄りして車輌の良好な操縦安定性を確保することができる。
また上記請求項8の構成によれば、アンチロールモーメント増減装置は二分割のスタビライザと該スタビライザのトーションバーを相対回転させるアクチュエータとを有するアクティブスタビライザを含み、アクチュエータの目標回転角度と実際の回転角度との偏差の大きさが回転角度基準値以上であるときにアンチロールモーメント増減装置が異常であると判定されるので、アンチロールモーメント増減装置が異常であるときにはそのことを確実に判定することができ、特にアンチロールモーメント増減装置が前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなる場合に、何れのアンチロールモーメント増減装置が異常であるかを確実に判定することができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、アンチロールモーメント増減装置はアンチロールモーメントを車輌に付与するアンチロールモーメント付与手段と、車輌に作用するロールモーメントを推定するロールモーメント推定手段と、推定されたロールモーメントに応じてアンチロールモーメント付与手段を制御しアンチロールモーメントを増減する制御手段とを有するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、ロールモーメント推定手段により推定されるロールモーメントの大きさが車輌に作用する実際のロールモーメントの大きさよりも小さい異常が生じたときに、異常判定手段はアンチロールモーメント増減装置が異常であると判定するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、アンチロールモーメント増減装置は二分割のスタビライザと該スタビライザのトーションバーを相対回転させるアクチュエータとを有するアクティブスタビライザを含むよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、アンチロールモーメント増減装置は車輪の支持荷重を増減可能なサスペンションを含むよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、減衰係数制御手段は車輌の過渡旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、減衰係数制御手段は車輌のロール量減少過程の過渡旋回時に於けるショックアブソーバの減衰係数が車輌のロール量増大過程の過渡旋回時に於けるショックアブソーバの減衰係数よりも低いようショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、減衰係数制御手段はショックアブソーバの減衰係数を最高の減衰係数にするよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3乃至7の構成に於いて、減衰係数制御手段は前輪のショックアブソーバの減衰係数を最高の減衰係数にするよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7の構成に於いて、異常判定手段は横加速度検出手段のゲインが低下したときにアンチロールモーメント増減装置が異常であると判定するよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項8の構成に於いて、アンチロールモーメント増減装置は車輌に作用するロールモーメントを推定する手段を含み、アクチュエータの目標回転角度は推定されたロールモーメントに基づいて演算されるよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項6の構成に於いて、異常判定手段は車輌に作用するロールモーメントを推定する手段を含み、推定されたロールモーメントの大きさが大きいほど前記回転角度基準値が大きくなるよう、推定されたロールモーメントの大きさに応じて前記回転角度基準値を可変設定するよう構成される(好ましい態様11)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様10又は11の構成に於いて、車輌に作用するロールモーメントを推定する手段は車輌の横加速度を検出若しくは推定する手段を含み、少なくとも検出若しくは推定された車輌の横加速度に基づき車輌に作用するロールモーメントを推定するよう構成される(好ましい態様12)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、異常判定手段は車速及び操舵角に基づく車輌の推定横加速度と横加速度検出手段により検出される車輌の横加速度との偏差の大きさが横加速度基準値以上であるときにアンチロールモーメント増減装置が異常であると判定するよう構成される(好ましい態様13)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様13の構成に於いて、異常判定手段はアンチロールモーメント増減装置が正常であるときの車輌の特性及び車速及び操舵角に基づいて車輌の推定横加速度を演算するよう構成される(好ましい態様14)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様13又は14の構成に於いて、異常判定手段は車輌に作用するロールモーメントを推定する手段を含み、推定されたロールモーメントの大きさが大きいほど横加速度基準値が大きくなるよう、推定されたロールモーメントの大きさに応じて横加速度基準値を可変設定するよう構成される(好ましい態様15)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、アンチロールモーメント増減装置が異常である状況にて車輌が旋回する場合には警報装置を作動させるよう構成される(好ましい態様16)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、アンチロールモーメント増減装置が異常である状況にて車輌が旋回する頻度が基準値以上である場合には警報装置を作動させるよう構成される(好ましい態様17)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は前輪側及び後輪側にアクティブスタビライザ装置が設けられた車輌に適用された本発明による車輌のロール運動制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の従動輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌12の駆動輪である左右の後輪を示している。操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動される図には示されていないパワーステアリング装置によりタイロッドを介して操舵される。
左右の前輪10FL及び10FRの間にはアクティブスタビライザ装置16が設けられ、左右の後輪10RL及び10RRの間にはアクティブスタビライザ装置18が設けられている。アクティブスタビライザ装置16は車輌の横方向に延在する軸線に沿って互いに同軸に整合して延在する一対のトーションバー部分16TL及び16TRと、それぞれトーションバー部分16TL及び16TRの外端に一体に接続された一対のアーム部16AL及び16ARとを有している。トーションバー部分16TL及び16TRはそれぞれ図には示されていないブラケットを介して図には示されていない車体に自らの軸線の回りに回転可能に支持されている。アーム部16AL及び16ARはそれぞれトーションバー部分16TL及び16TRに対し交差するよう車輌前後方向に延在し、アーム部16AL及び16ARの外端はそれぞれ図には示されていないゴムブッシュ装置を介して左右前輪10FL及び10FRの車輪支持部材又はサスペンションアームに連結されている。
アクティブスタビライザ装置16はトーションバー部分16TL及び16TRの間にアクチュエータ20Fを有している。アクチュエータ20Fは必要に応じて一対のトーションバー部分16TL及び16TRを互いに逆方向へ回転駆動することにより、左右の前輪10FL及び10FRが互いに逆相にてバウンド、リバウンドする際に捩り応力により車輪のバウンド、リバウンドを抑制する力を変化、これにより左右前輪の位置に於いて車輌に付与されるアンチロールモーメントを増減し、前輪側の車輌のロール剛性を可変制御する。
同様に、アクティブスタビライザ装置18は車輌の横方向に延在する軸線に沿って互いに同軸に整合して延在する一対のトーションバー部分18TL及び18TRと、それぞれトーションバー部分18TL及び18TRの外端に一体に接続された一対のアーム部18AL及び18ARとを有している。トーションバー部分18TL及び18TRはそれぞれ図には示されていないブラケットを介して図には示されていない車体に自らの軸線の回りに回転可能に支持されている。アーム部18AL及び18ARはそれぞれトーションバー部分18TL及び18TRに対し交差するよう車輌前後方向に延在し、アーム部18AL及び18ARの外端はそれぞれ図には示されていないゴムブッシュ装置を介して左右後輪10RL及び10RRの車輪支持部材又はサスペンションアームに連結されている。
アクティブスタビライザ装置18はトーションバー部分18TL及び18TRの間にアクチュエータ20Rを有している。アクチュエータ20Rは必要に応じて一対のトーションバー部分18TL及び18TRを互いに逆方向へ回転駆動することにより、左右の後輪10RL及び10RRが互いに逆相にてバウンド、リバウンドする際に捩り応力により車輪のバウンド、リバウンドを抑制する力を変化、これにより左右後輪の位置に於いて車輌に付与されるアンチロールモーメントを増減し、後輪側の車輌のロール剛性を可変制御する。
尚アクティブスタビライザ装置16及び18自体は本発明の要旨をなすものではないので、車輌のロール剛性を可変制御し得るものである限り当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよいが、例えば本願出願人の出願にかかる特願2003−324212(整理番号AT−5552)明細書及び図面に記載のアクティブスタビライザ装置、即ち一方のトーションバー部分の内端に固定され駆動歯車が取り付けられた回転軸を有する電動機と、他方のトーションバー部分の内端に固定され駆動歯車に噛合する従動歯車とを有し、駆動歯車及び従動歯車は駆動歯車の回転を従動歯車へ伝達するが、従動歯車の回転を駆動歯車へ伝達しない歯車であるアクティブスタビライザ装置であることが好ましい。
更に図示の実施例1に於いては、左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRにはそれぞれ当技術分野に於いて周知の任意の構成の減衰力可変式のショックアブソーバ22FL、22FR、22RL、22RRが設けられている。ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数は図1には示されていないアクチュエータにより最低段Sminより最高段Smaxまでn(正の整数)段に亘り変化されるようになっている。
アクティブスタビライザ装置16及び18のアクチュエータ20F及び20Rは電子制御装置24により制御され、ショックアブソーバ22FL〜22RRのアクチュエータは電子制御装置26により制御される。尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置24及び26はそれぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。
図1に示されている如く、電子制御装置24には横加速度センサ30により検出された車輌の横加速度Gyを示す信号、車速センサ32により検出された車速Vを示す信号、操舵角センサ34により検出された操舵角θを示す信号、回転角度センサ36F、36Rにより検出されたアクチュエータ20F及び20Rの実際の回転角度φF、φRを示す信号が入力される。電子制御装置26にはショックアブソーバ22FL〜22RRのアクチュエータより減衰係数の制御段Si(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号及び種々のセンサ38より車輌の前後加速度の如き車輌の状態量や運転状態を示す信号が入力され、電子制御装置24及び26は相互に通信し必要な信号の授受を行う。尚横加速度センサ30、操舵角センサ32、回転角度センサ36F、36Rはそれぞれ車輌の左旋回時に生じる値を正として横加速度Gy、操舵角θ、回転角度φF、φRを検出する。
フローチャートとしては示されていないが、電子制御装置24は少なくとも車輌の横加速度Gyに基づき車輌に作用するロールモーメントを推定し、ロールモーメントの大きさが基準値以上であるときには、ロールモーメントを打ち消す方向のアンチロールモーメントが増大するようアクティブスタビライザ装置16及び18のアクチュエータ20F及び20Rの目標回転角度φFt、φRtを演算し、アクチュエータ20F及び20Rの回転角度φF、φRがそれぞれ対応する目標回転角度φFt、φRtになるよう制御し、これにより旋回時等に於ける車輌のロールを低減する。従ってアクティブスタビライザ装置16及び18、電子制御装置26、横加速度センサ60等は、車輌に過大なロールモーメントが作用するときにはアンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するアンチロールモーメント増減装置として機能する。
また電子制御装置24は図2及び図3に示されたグラフに対応するマップ及び図4に示されたフローチャートによる制御ルーチンを記憶しており、発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常がアクティブスタビライザ装置16、18等よりなるアンチロールモーメント増減装置に生じているか否かを判定し、異常が生じている状況にて車輌が過渡旋回状態にあるときには電子制御装置26に対し各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siを最高段Smaxに設定すべき指令信号を出力し、これにより過渡旋回時の車輌のロールを低減する。
また電子制御装置26は当技術分野に於いて公知の要領にて各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の目標制御段Sti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、電子制御装置24より指令信号が入力されていないときには各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siがそれぞれ対応する目標制御段Stiになるよう制御するが、電子制御装置24より指令信号が入力されているときには各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siがそれぞれ指令信号の段になるよう制御する。
次に図4に示されたフローチャートを参照して実施例1に於ける異常時のショックアブソーバの減衰係数制御制御ルーチンについて説明する。尚図4に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては横加速度センサ30により検出された車輌の横加速度Gy等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては横加速度センサ30にゲイン低下の異常が生じているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはそのままステップ90へ進み、否定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
ステップ30に於いてはHをホイールベースとしKhをスタビリティファクタとしNをステアリングギヤ比として、車速V及び操舵角θに基づき下記の式1に従って車輌の推定横加速度Gyhが演算される。尚スタビリティファクタKhはアンチロールモーメント増減装置が正常であるときの値である。
Gyh=V2・(θ/N)/{(1+KhV2)H} ……(1)
ステップ40に於いては車輌の推定横加速度Gyhの絶対値に基づき図2に示されたグラフに対応するマップより後述のステップ60に於ける判別に供される基準値ΔGyoが演算される。
ステップ50に於いては車輌の推定横加速度Gyhの絶対値に基づき図3に示されたグラフに対応するマップより後述のステップ70及び80に於ける判別に供される基準Δφfo、Δφroが演算される。
ステップ60に於いてはsignGyを車輌の横加速度Gyの符号としてsignGy(Gyh−Gy)にて表される車輌の横加速度の偏差ΔGyが演算されると共に、横加速度の偏差ΔGyが基準値ΔGyo以上であるか否かの判別、即ちアクティブスタビライザ装置16及び18が異常である虞れが高いか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進み、否定判別が行われたときにはステップ70へ進む。
ステップ70に於いてはsignφfをアクティブスタビライザ装置16のアクチュエータ20Fの回転角度φfの符号としてsignφf(φft−φf)にて表される回転角度の偏差Δφfが演算されると共に、回転角度の偏差Δφfが基準値Δφfo以上であるか否かの判別、即ち前輪側アクティブスタビライザ装置16が異常であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ75へ進む。
ステップ75に於いてはsignφrをアクティブスタビライザ装置18のアクチュエータ20Rの回転角度φrの符号としてsignφr(φrt−φr)にて表される回転角度の偏差Δφrが演算されると共に、回転角度の偏差Δφrが基準値Δφro以上であるか否かの判別、即ち後輪側アクティブスタビライザ装置18が異常であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進む。
ステップ80に於いてはステップ75と同一の判別が行われ、否定判別が行われたときには図4に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ150へ進む。
ステップ90に於いては例えば車輌の横加速度Gyの変化率若しくは車輌の推定横加速度Gyhの変化率に基づき車輌が過渡旋回状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには図4に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ100へ進む。
ステップ100に於いては各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siが最高段Smaxに設定され、ステップ110に於いては各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siを最高段Smaxに制御すべき指令信号が電子制御装置26へ出力される。この場合左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、Srrが最高段Smaxよりも僅かに低いSmax′段に設定されてもよい。
同様に、ステップ120に於いては車輌が過渡旋回状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには図4に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ130へ進む。
ステップ130に於いては左右前輪のショックアブソーバ22FL、22FRの減衰係数の制御段Sfl、Sfrが最高段Smaxに設定され、ステップ140に於いては左右前輪のショックアブソーバ22FL、22FRの減衰係数の制御段Sfl、Sfrを最高段Smaxに制御すべき指令信号が電子制御装置26へ出力される。
またステップ150に於いては上記ステップ90、120の場合と同様、車輌が過渡旋回状態にあるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには図4に示されたルーチンによる制御が一旦終了され、肯定判別が行われたときにはステップ160へ進む。
ステップ160に於いては左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、Srrが最高段Smaxよりも僅かに低いSmax′段に設定され、ステップ170に於いては左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、SrrをSmax′段に制御すべき指令信号が電子制御装置26へ出力される。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いて横加速度センサ60にゲイン低下の異常が生じているか否かの判別が行われ、ステップ60に於いてアクティブスタビライザ装置16及び18が異常である虞れが高いか否かの判別が行われ、ステップ70に於いて前輪側アクティブスタビライザ装置16が異常であるか否かの判別が行われ、ステップ75及び80に於いて後輪側アクティブスタビライザ装置18が異常であるか否かの判別が行われる。
そしてステップ20又は60に於いて肯定判別が行われた場合又はステップ70及び75に於いて肯定判別が行われた場合には、前輪側及び後輪側のアクティブスタビライザ装置16及び18が発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常が前輪側及び後輪側のアンチロールモーメント増減装置に生じていると考えられるので、車輌が過渡旋回状態にあるときにはステップ90〜110に於いて各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siが最高段Smaxに制御される。
従って車輌の過渡旋回時には前輪側及び後輪側のアンチロールモーメント増減装置により発生される前輪側及び後輪側のアンチロールモーメントの不足を各ショックアブソーバの減衰力の増大によって補填し、これにより過渡旋回時に於ける車輌のロールの増大を効果的に抑制することができると共に、非過渡旋回時に於ける車輌の乗り心地性の悪化を確実に防止することができる。
また前輪側のアンチロールモーメント増減装置が異常であり後輪側のアンチロールモーメント増減装置が正常である場合には、ステップ70に於いて肯定判別が行われるがステップ75に於いて否定判別が行われ、車輌が過渡旋回状態にあるときにはステップ120〜140に於いて左右前輪のショックアブソーバ22FL、22FRの減衰係数の制御段Sfl、Sfrが最高段Smaxに制御される。
従って車輌の過渡旋回時には前輪側のアンチロールモーメント増減装置により発生される前輪側のアンチロールモーメントの不足を左右前輪のショックアブソーバの減衰力の増大によって補填すると共に、ロール剛性の前後輪配分が後輪寄りになる度合を低減することができ、これにより過渡旋回時に於ける車輌のロールの増大及び車輌の操縦安定性の低下を効果的に抑制することができると共に、非過渡旋回時に於ける車輌の乗り心地性の悪化を確実に防止することができる。
逆に前輪側のアンチロールモーメント増減装置が正常であり後輪側のアンチロールモーメント増減装置が異常である場合には、ステップ70に於いて否定判別が行われるがステップ80に於いて肯定判別が行われ、車輌が過渡旋回状態にあるときにはステップ160〜170に於いて左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、Srrが最高段Smaxよりも僅かに低いSmax′段に制御される。
従って車輌の過渡旋回時には後輪側のアンチロールモーメント増減装置により発生される後輪側のアンチロールモーメントの不足を左右後輪のショックアブソーバの減衰力の増大によって補填すると共に、ロール剛性の前後輪配分が過剰に前輪寄りになる度合を低減することができ、これにより過渡旋回時に於ける車輌のロールの増大及び車輌のステア特性が過剰にアンダーステア特性になることを効果的に抑制することができると共に、非過渡旋回時に於ける車輌の乗り心地性の悪化を確実に防止することができる。
図5は前輪側及び後輪側にアクティブスタビライザ装置が設けられた車輌に適用された本発明による車輌のロール運動制御装置の実施例2に於ける異常時のショックアブソーバの減衰係数制御制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図5に於いて図4に示されたステップと同一のステップには図4に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この実施例2に於いては、ステップ10〜140は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ80に於いて肯定判別が行われたときにはステップ90へ進み、ステップ90〜110に於いて各ショックアブソーバ22FL〜22RRの減衰係数の制御段Siが最高段Smaxに制御される。
またステップ120に於いて肯定判別が行われたときにはステップ130及び140が実行されると共に、ステップ145に於いて後輪側アクティブスタビライザ装置18の作動が停止され、しかる後ステップ165に於いて左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、Srrが最高段Smaxよりも僅かに低いSmax′段に設定され、ステップ175に於いて左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、SrrをSmax′段に制御すべき指令信号が電子制御装置26へ出力される。
かくして図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様の作用効果が得られると共に、特に後輪側のアンチロールモーメント増減装置が正常である状況にて前輪側のアンチロールモーメント増減装置が異常になったときには、車輌の過渡旋回時にはステップ130〜175が実行されるので、後輪側アンチロールモーメント増減装置の作動が停止されることなく前輪のショックアブソーバの減衰係数が高くされる上述の実施例1の場合に比して、前後輪のロール剛性比が後輪寄りに変化する度合を低減し、これによりオーバーステア側への車輌のステア特性の変化を確実に低減することができ、また前輪及び後輪のショックアブソーバの減衰係数が高いので、過渡旋回時の車輌のロールの増大及びこれに伴う車輌の操縦安定性の低下を効果的に抑制することができる。
尚図示の実施例1及び2によれば、アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには、過渡旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数を高くするようになっているので、例えば旋回時全体に亘りショックアブソーバの減衰係数を高くする場合に比して、定常旋回時にショックアブソーバの減衰力が過大になって車輌の乗り心地性が悪化することを確実に回避することができる。
また図示の実施例1及び2によれば、ステップ20に於いて横加速度センサ60にゲイン低下の異常が生じているか否かの判別が行われ、ステップ60に於いてsignGy(Gyh−Gy)が基準値ΔGyo以上であるか否かの判別が行われるので、アクティブスタビライザ装置16若しくは18のアクチュエータ20F若しくは20Rに異常が生じた場合のみならず、車輌に作用するロールモーメントを推定するための横加速度センサ60にゲイン低下の異常が生じている場合やアクチュエータ20F及び20Rを駆動する電源の如き駆動エネルギ源や駆動エネルギ伝達系統に異常が生じた場合にも車体のロール量を確実に低減し、旋回時等に於ける車輌の走行安定性を向上させることができる。
また図示の実施例1及び2によれば、ステップ60に於ける車輌の横加速度の偏差の大小判定に供される基準値ΔGyoは車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が大きいほど大きくなるよう推定横加速度Gyhの絶対値に応じて可変設定されるので、例えば基準値ΔGyoが一定の値である場合に比して車輌に作用するロールモーメントの大きさに拘らずアンチロールモーメント増減装置が異常であるか否かを正確に判定することができる。
同様に、図示の実施例1及び2によれば、ステップ70に於けるアクチュエータ20Fの回転角度の偏差の大小判定に供される基準値Δφfo及びステップ80、150に於けるアクチュエータ20Rの回転角度の偏差の大小判定に供される基準値Δφroも車輌の推定横加速度Gyhの絶対値が大きいほど大きくなるよう推定横加速度Gyhの絶対値に応じて可変設定されるので、例えば基準値Δφfo、Δφroが一定の値である場合に比して車輌に作用するロールモーメントの大きさに拘らずアンチロールモーメント増減装置が異常であるか否かを正確に判定することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常がアンチロールモーメント増減装置に生じているときには、過渡旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数を高くするようになっているが、旋回時全体に亘りショックアブソーバの減衰係数を高くするよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、ロール量増大過程であるかロール量減少過程であるかに関係なく過渡旋回時にショックアブソーバの減衰係数を高くするようになっているが、ロール量増大過程の過渡旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数を高くし、ロール量減少過程の過渡旋回時にはショックアブソーバの減衰係数がロール量増大過程の場合よりも低い値に制御され又は通常の制御則に従って制御されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、過渡旋回時にショックアブソーバの減衰係数を高くし、他の状況に於いてはショックアブソーバの減衰係数が通常の制御則に従って制御されるようになっているが、過渡旋回状態より定常旋回状態へ移行する場合やロール量増大過程の過渡旋回状態よりであるかロール量減少過程の過渡旋回状態へ移行する場合に、ショックアブソーバの減衰係数が高い値より低い値又は通常の制御則による値へ滑らかに変化するよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、基準値ΔGyo、Δφfo、Δφroは推定横加速度Gyhの絶対値に応じて可変設定されるようになっているが、これらの基準値は一定の値であってもよく、また検出される車輌の横加速度Gyの大きさに応じて可変設定されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、アクティブスタビライザ装置によりアンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するようになっているが、アンチロールモーメントを増大させる手段は例えばアクティブサスペンションの如く車輪の接地荷重を増減可能な当技術分野に於いて公知の任意の手段であってよい。
また上述の各実施例に於いては、少なくとも車輌の横加速度Gyに基づき車輌に作用するロールモーメントを推定し、ロールモーメントの大きさが基準値以上であるときには、ロールモーメントを打ち消す方向のアンチロールモーメントが増大するようアクティブスタビライザ装置16及び18を制御するようになっているが、ロールモーメントは横加速度Gy及び他の車輌情報に基づいて推定されてもよく、また横加速度Gy以外の車輌情報に基づいて推定されてもよい。
また上述の実施例2に於いては、ステップ130及び140に於いて左右前輪のショックアブソーバ22FL、22FRの減衰係数の制御段Sfl、Sfrが最高段Smaxに制御され、ステップ145に於いて後輪側アクティブスタビライザ装置18の作動が停止され、ステップ165及び175に於いて左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数の制御段Srl、Srrが最高段Smaxよりも僅かに低いSmax′段に制御されるようになっているが、左右後輪のショックアブソーバ22RL、22RRの減衰係数が高くされる前に左右前輪のショックアブソーバ22FL、22FRの減衰係数が高くされ、後輪側アクティブスタビライザ装置18の作動が停止される限り、ステップ145がステップ130及び140よりも先に実行されてもよい。
またアンチロールモーメント増減装置がアクティブスタビライザ装置を含む場合に於いて、アンチロールモーメント増減装置の異常はトーションバー部分のトルクを検出し、検出されたトルクとアクティブスタビライザ装置のアクチュエータに対する制御指令値との関係に基づいて判定されてもよい。
またアンチロールモーメント増減装置が異常である状況にて車輌が旋回する場合には警報装置が作動されてもよく、またアンチロールモーメント増減装置が異常である状況にて車輌が旋回する頻度が基準値以上である場合にも警報装置が作動されてよい。
更に車輌が車高調整装置を各車輪に備えた車輌の場合には、本願出願人により本願と同日に出願された特願2004−173852(整理番号AT−5790)の特許請求の範囲、明細書、図面に記載された構成が組み合わされ、アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには車高が低下されるよう構成されてもよい。
前輪側及び後輪側にアクティブスタビライザ装置が設けられた車輌に適用された本発明による車輌のロール運動制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 車輌の推定横加速度Gyhの絶対値と横加速度偏差の基準値ΔGyoとの間の関係を示すグラフである。 車輌の推定横加速度Gyhの絶対値と回転角度偏差の基準値Δφfo、Δφroとの間の関係を示すグラフである。 実施例1に於ける異常時のショックアブソーバの減衰係数制御制御ルーチンを示すフローチャートである。 前輪側及び後輪側にアクティブスタビライザ装置が設けられた車輌に適用された本発明による車輌のロール運動制御装置の実施例2に於ける異常時のショックアブソーバの減衰係数制御制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
16、18 アクティブスタビライザ装置
22FL〜22RR ショックアブソーバ
24、26 電子制御装置
30 横加速度センサ
32 車速センサ
34 操舵角センサ
36F、36R 回転角センサ

Claims (8)

  1. 車輌にロールモーメントが作用するときにはアンチロールモーメントを増大させて車輌のロールを低減するアンチロールモーメント増減装置を有する車輌のロール運動制御装置であって、発生すべき値よりも小さいアンチロールモーメントしか発生することができない異常が前記アンチロールモーメント増減装置に生じたことを判定する異常判定手段と、前記アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前記アンチロールモーメント増減装置が正常であるときに比してショックアブソーバの減衰係数を高くする減衰係数制御手段とを有することを特徴とする車輌のロール運動制御装置。
  2. 前記減衰係数制御手段は車輌の旋回時にのみショックアブソーバの減衰係数を高くすることを特徴とする請求項1に記載の車輌のロール運動制御装置。
  3. 前記アンチロールモーメント増減装置は前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなり、前記減衰係数制御手段は前記前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前輪のショックアブソーバの減衰係数を高くし、前記後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには後輪のショックアブソーバの減衰係数を高くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌のロール運動制御装置。
  4. 前記前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときの前輪のショックアブソーバの減衰係数は前記後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときの後輪のショックアブソーバの減衰係数よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の車輌のロール運動制御装置。
  5. 前記アンチロールモーメント増減装置は前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなり、前記減衰係数制御手段は前記前輪側アンチロールモーメント増減装置が異常になったときには、前記後輪側アンチロールモーメント増減装置の作動を停止すると共に、前輪のショックアブソーバの減衰係数を高くし、しかる後後輪のショックアブソーバの減衰係数を高くすることを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌のロール運動制御装置。
  6. 前輪のショックアブソーバの減衰係数は後輪のショックアブソーバの減衰係数よりも高いことを特徴とする請求項5に記載の車輌のロール運動制御装置。
  7. 前記アンチロールモーメント増減装置は前輪側アンチロールモーメント増減装置と後輪側アンチロールモーメント増減装置とよりなり、前記減衰係数制御手段は前記前輪側アンチロールモーメント増減装置及び前記後輪側アンチロールモーメント増減装置が異常であるときには前輪のショックアブソーバの減衰係数が後輪のショックアブソーバの減衰係数以上であるよう前輪及び後輪のショックアブソーバの減衰係数を高くすることを特徴とする請求項1乃至6に記載の車輌のロール運動制御装置。
  8. 前記アンチロールモーメント増減装置は二分割のスタビライザと該スタビライザのトーションバーを相対回転させるアクチュエータとを有するアクティブスタビライザを含み、前記アクチュエータの目標回転角度と実際の回転角度との偏差の大きさが基準値以上であるときに前記アンチロールモーメント増減装置が異常であると判定することを特徴とする請求項1乃至7に記載の車輌のロール運動制御装置。
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