JP2006019425A - 回路モジュール体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型薄型とともに電気的特性の向上を図る。
【解決手段】 ベース基板5に、層内実装部品100と、この層内実装部品100の付帯回路部を構成する薄膜積層回路体4とを実装するとともに、これら層内実装部品100と薄膜積層回路体4とを封止材層102の中空部103内に封装してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ベース基板5に、層内実装部品100と、この層内実装部品100の付帯回路部を構成する薄膜積層回路体4とを実装するとともに、これら層内実装部品100と薄膜積層回路体4とを封止材層102の中空部103内に封装してなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、封止材層に形成した中空部内に封装して実装するフィルタ素子、MEMS部品、ベアチップ等の各種部品(本明細書においては、層内実装部品と総称する。)を有する回路モジュール体及びこの回路モジュール体の製造方法に関する。
パーソナルコンピュータ、携帯電話機、ビデオ機器、オーディオ機器等の各種モバイル電子機器においては、近年小型軽量化や多機能化、高機能化、高速処理化等が図られており、これに伴ってこれら機器に備えられる各種の電子部品や回路基板等も小型軽量化或いは高密度実装が図られている。モバイル電子機器においては、このために例えば薄膜形成技術等を用いて微細な配線パターンを有する配線層を多層に形成するとともに、キャパシタ、レジスタ或いはインダクタ等の受動素子やフィルタ等の機能素子を配線層内に作り込んだ多機能の回路モジュール体が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述した回路モジュール体においては、配線基板上に受動素子や機能素子を有する高周波回路部を形成する場合に、基板の耐熱性、耐薬品性或いは平坦性やそり、厚み精度等の問題から基板の材料や各素子を形成するプロセスに制約があり、また高精度かつ高精密に形成することが困難であった。回路モジュール体においては、例えば耐熱性、耐薬品性を有し高精度の平坦面を形成することが可能な石英等のガラス基板を用いて高精度で微細化配線を有する高周波回路体を形成し、この高周波回路体を別基板に転写、実装するようにした製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、出願人も、先に例えば特許文献3によって、新規な薄型回路モジュール体及びその製造方法を提供した。薄型回路モジュール体は、高精度の平坦面の形成が可能であり薄膜形成時の加温処理に対する耐熱特性やリソグラフ処理の際の焦点深度の保持、マスキング時のコンタクトアライメント特性が良好であり絶縁性や耐薬品特性を有するシリコン基板やガラス基板がダミー基板として用いられる。薄型回路モジュール体は、このダミー基板の主面上に剥離層を介して配線パターンや薄膜素子が作り込まれた多層の配線層を有する薄膜積層回路体を形成する。
薄型回路モジュール体は、薄膜積層回路体を剥離層を介してダミー基板から剥離し或いはダミー基板に形成した状態のまま反転してベース基板の主面上に実装して製作される。薄型回路モジュール体は、ベース基板上に直接配線層や受動素子等を順次積層形成した回路モジュール体と比較して、基板の反りや表面の凹凸に影響されることなく微細な配線パターンや高精度の薄膜素子が作り込まれた多層の配線層が形成される。
回路モジュール体においては、実装部品を絶縁層内に埋設することによって薄型化を図ることが可能である。回路モジュール体においては、例えばIC素子を封止樹脂によってパッケージングしていないいわゆるベアチップIC素子についても、絶縁層内に埋設するようにして実装することによりベアチップIC素子を保護するとともに薄型化を図る対応が図られる。
一方、回路モジュール体においては、例えば弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子や可動部材を有する微小電子機械部品(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)等の層内実装部品については、その機能構成から絶縁層内に一体にした状態で埋設することができないために、これら層内実装部品を絶縁層に形成した中空部内に封装して実装している。また、回路モジュール体においては、絶縁層の中空部内に上述したベアチップIC素子を封装する対応も図られている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
回路モジュール体は、上述したように高周波回路部が微細な配線パターンや高精度の薄膜素子や機能素子を作り込んだ多層の配線層を有して薄型に形成されており、モバイル電子機器等に用いることによりその小型化、薄型化或いは多機能化、高機能化を図ることを可能とするといった特徴を有している。しかしながら、上述した従来の回路モジュール体の製造方法においては、高周波回路部が極めて薄厚であることから、ガラス基板から剥離してベース基板に実装する作業が極めて面倒であった。また、回路モジュール体の製造方法においては、高周波回路部を、高周波信号処理用LSIやチップ部品等と同様に実装機等を用いてベース基板に自動実装化することによってコストダウンを図る対応を採用することができないといった問題があった。
さらに、回路モジュール体の製造方法においては、ガラス基板から剥離した高周波回路部を導電接着剤等によってベース基板の主面上に接合して実装しているが、接合面での電気的抵抗が大きくなって電気的特性が低下するといった問題があった。また、回路モジュール体の製造方法においては、高周波回路部が接合工程の際に折れ曲がったり皺が生じてベース基板側との位置決めが高精度に行い得なくなり、相対する端子部間の接続の信頼性が確保されないといった問題もあった。
一方、上述した層内実装部品を絶縁層の中空部内に封装した回路モジュール体は、最外層の表面における当該部品の実装面積を不要とすることで、同一の大きさでさらに他の部品を実装することを可能として小型化が図られるようになる。ところで、回路モジュール体においては、層内実装部品に対して多層基板技術によって形成された整合回路体や信号入出回路体或いはフィルタ等の付帯回路体や部品も必要とされる。回路モジュール体においては、これら付帯回路体等を一般に最外層に実装するために、薄型化の実効が充分に図られないといった問題があった。
また、回路モジュール体においては、内層に実装された層内実装部品と最外層に実装した付帯回路体とが層間配線により接続されることで、線路抵抗或いは内外からの電磁波妨害ノイズ(EMI:Electromagnetic Interference)等によって電気的特性が劣化するといった問題があった。さらに、回路モジュール体においては、かかる問題に対して付帯回路体を層内実装部品とともに中空部内に実装するといった対応も図られるが、層内実装部品に対して厚みの大きな付帯回路体を内部に設けることによって全体の厚みも大きくなってしまうといった問題が生じてしまう。
したがって、本発明は、層内実装部品とその付帯回路体とを有し、小型薄型とともに電気的特性の向上を図る回路モジュール体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかる回路モジュール体は、配線層が多層に形成されたベース基板の主面上に、実装用端子部を介して実装した層内実装部品を、封止材層に形成した中空部内に封装してなる。回路モジュール体は、薄膜形成技術により多層の配線層や薄膜素子或いは機能素子を有する内実装部品の付帯回路部及び実装接続ランドを形成した薄膜積層回路体を備える。回路モジュール体は、薄膜積層回路体が実装接続ランドを実装用端子部に接続してベース基板の主面上に実装される。回路モジュール体は、薄膜積層回路体が、封止材層に形成した中空部内において層内実装部品とともに封装される。
本発明にかかる回路モジュール体においては、層内実装部品の整合回路や信号入出回路或いはフィルタ等を有する付帯回路体が、薄膜形成技術によって高精度の多機能回路を極めて薄型に形成することが可能な薄膜積層回路体によって構成される。回路モジュール体においては、この薄膜積層回路体からなる付帯回路体が微小な層内実装部品と同等若しくは薄型に形成され、封止材層の中空部を大型化することなくその内部に層内実装部品と近接して実装される。回路モジュール体においては、薄型化が保持されるとともに、層内実装部品と付帯回路体とが最短で接続される。
また、上述した目的を達成する本発明にかかる回路モジュール体の製造方法は、配線層が形成されたベース基板の主面上に、実装用端子部を介して層内実装部品とこの層内実装部品の付帯回路部を構成する薄膜積層回路体とを実装するとともに、これら層内実装部品と薄膜積層回路体とを封止材層の中空部内に封装してなる回路モジュール体を製造する。回路モジュール体の製造方法は、薄膜積層回路体の製作工程と、層内実装部品と薄膜積層回路体との実装工程と、層内実装部品と薄膜積層回路体との封装工程とを有する。回路モジュール体の製造方法は、薄膜積層回路体の製作工程が、ダミー基板の平坦化された主面上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、剥離層上に薄膜形成技術により絶縁層を介して多層の配線層や薄膜素子或いは機能素子を有する層内実装部品の付帯回路部及び実装接続ランドを形成する薄膜回路層形成工程と、剥離層を溶解する剥離溶液中に浸漬して各薄膜積層回路体を上記ダミー基板から剥離する薄膜積層回路体剥離工程とを有する。回路モジュール体の製造方法は、実装工程において、層内実装部品と薄膜積層回路体とを、主面上に実装用端子部を形成したベース基板に対して、近接した位置に実装する。回路モジュール体の製造方法は、封装工程において、ベース基板の主面上に形成される封止材層の中空部内に層内実装部品と薄膜積層回路体とを封装する。
本発明にかかる回路モジュール体の製造方法においては、層内実装部品の整合回路や信号入出回路或いはフィルタ等を有する付帯回路体を、薄膜形成技術により高精度の多機能回路を極めて薄型に形成される薄膜積層回路体によって構成する。回路モジュール体の製造方法においては、この薄膜積層回路体からなる付帯回路体が微小な層内実装部品と同等若しくは薄型に形成され、封止材層の中空部を大型化することなくその内部に層内実装部品と近接して実装されることで、薄型化が保持されるとともに層内実装部品と付帯回路体とが最短で接続された回路モジュール体を製造する。
本発明によれば、微小な層内実装部品と同等若しくはさらに薄厚で高精度の多機能回路を有する薄膜積層回路体からなる付帯回路体が、ベース基板の主面上に形成した封止材層の中空部内に封装される層内実装部品に近接して実装されることから、薄型化が保持されるとともに層内実装部品と付帯回路体とを最短で接続することが可能となり、線路抵抗や電磁波妨害ノイズの影響が低減されて電気的特性の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態として示す回路モジュール体1及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。回路モジュール体1は、図1に示すように、多層配線基板からなるベース基板5と、このベース基板5の主面5a上に実装された薄膜積層回路体4と、層内実装部品100と、これら薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを中空部102内に封装する封止材層101と、積層プレート103等によって構成される。回路モジュール体1は、ベース基板5が図示しないマザー基板等に実装される。
回路モジュール体1は、層内実装部品100が、例えばSAW素子、MEMS素子或いは封止樹脂によるパッケージがされていないベアチップ等の微小部品からなる。層内実装部品100は、詳細を省略するが実装面に金等からなる多数個の実装接続ランドや突起電極が形成されている。層内実装部品100は、詳細を後述するようにベース基板5の主面5a上にフェースダウン実装法等によって実装される。回路モジュール体1は、薄膜積層回路体4が、詳細を後述する薄膜形成技術によって微細な配線パターンや内部に各種の機能素子を作り込んだ薄膜型回路体からなり、詳細を省略するが層内実装部品100の整合回路体や信号入出回路体或いはフィルタ回路等を有する付帯回路体を構成する。
回路モジュール体1は、例えば情報通信機能やストレージ機能等を有しており、パーソナルコンピュータ、携帯電話機或いはオーディオ機器等の各種モバイル電子機器に搭載され、或いはオプションとして挿脱される超小型通信機能モジュール体の高周波回路体を構成する。回路モジュール体1は、詳細を省略するが、送受信信号からいったん中間周波数に変換するようにしたスーパーへテロダイン方式による高周波送受信回路部或いは中間周波数への変換を行わずに情報信号の送受信を行うようにしたダイレクトコンバージョン方式による高周波送受信回路部等が形成されている。
回路モジュール体1は、詳細を後述するように、薄膜積層回路体4の製作工程と、層内実装部品100と薄膜積層回路体4とをベース基板5に実装する工程と、層内実装部品100と薄膜積層回路体とを封止材層101によって封装する工程する工程を経て製造される。回路モジュール体1は、薄膜積層回路体4の製造工程が、主面2a上に剥離層3を形成したダミー基板2が用いられ、剥離層3上に薄膜技術によって製作された多数個の薄膜積層回路体(薄膜積層回路体)4A〜4Nを積層形成する工程と、各薄膜積層回路体4を剥離層3を介してダミー基板2から一括して剥離する工程と、各薄膜積層回路体4を個々に分離した後にベース基板5に実装する工程等を経て製造される。
回路モジュール体1は、ベース基板5が、薄膜積層回路体4に対して電源や制御信号等を供給する電源系或いは制御系の配線部或いはグランド部を構成する。回路モジュール体1は、ベース基板5が、主面5aに薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを実装する多数の実装用端子部11が形成されるとともに、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを適宜接続する配線パターン104が形成されている。
回路モジュール体1は、薄膜積層回路体4とベース基板5とを電気的かつ電磁的に分離した構造とすることで、相互の干渉を抑制して特性の向上を図るとともに充分な面積を有する電源パターンやグランドパターンをベース基板5に形成して薄膜積層回路体4内に形成された回路部が安定した動作を行うことを可能とする。なお、回路モジュール体1は、後述するように絶縁層を介して多層の配線層が形成された薄膜積層回路体4を実装するようにしたが、例えば単層の配線層を有する薄膜積層回路体を備えるようにしてもよい。
ベース基板5は、多層配線基板として従来一般的に用いられる例えばガラスエポキシ、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ビスマレイトトリアジン或いはポリテトラフルオロエチレン等を基材とする有機基板や、ガラス、アルミナ、セラミック等を基材とする無機基板或いは有機材料と無機材料との複合基板が用いられる。ベース基板5は、比較的廉価な基材を用いてさほど精度を要しない従来の一般的な多層配線技術によって形成されることで、廉価に形成される。ベース基板5には、詳細を省略するが、薄膜積層回路体4と層内実装部品100との配線パターン104とともに、信号配線パターン6や電源配線パターン7或いはグランドパターン8等が多層に形成されるとともに各層がビア9によって層間接続されている。
ベース基板5は、図1及び図28に示すように主面5aがソルダレジスト層10によって被覆されており、それぞれソルダレジスト層10に形成した開口部10aを介して外方に臨ませられて薄膜積層回路体4や層内実装部品100を機械的かつ電気的に接続するための多数個の実装用端子部11がパターン形成されている。ベース基板5には、各実装用端子部11上にそれぞれはんだバンプ12が形成されている。ベース基板5には、ソルダレジスト層13によって被覆される他方主面5bに、それぞれソルダレジスト層13に形成された開口部から外方に臨ませられて回路モジュール体1を図示しないインタポーザやマザー基板等に実装するための多数個の接続用端子部14が形成されている。
薄膜積層回路体4は、図2に示すように詳細を後述する薄膜技術や厚膜技術を用いる製作工程によって製作され、第1絶縁層15乃至第3絶縁層17と、微細な幅とピッチを有する高精度の配線パターンが形成された第1配線層18乃至第3配線層20或いは層内等に高精度に作り込まれた複数のキャパシタ素子21、レジスタ素子22或いはインダクタ素子23等が高精度に作り込まれている。薄膜積層回路体4には、第1絶縁層15に設けられた端子開口15aに臨んでベース基板5のはんだバンプ12が接合される複数個の実装接続ランド24が形成されるとともに、第3絶縁層17上に形成したソルダレジスト層25に設けられた開口25aに臨んで多数個の外部電極26が形成されている。
薄膜積層回路体4は、外部電極26を介してその上部にフィルタ等の電子部品やチップ部品を直接実装することを可能とする。したがって、薄膜積層回路体4は、内部に作り込みができなかった素子等を最上層に実装することが可能であり、配線長の短縮化が図れるようにする。また、薄膜積層回路体4は、各外部電極26がベース基板5側の各実装用端子部11と対応して形成されており、相対する各実装接続ランド24と各実装用端子部11とを接続することによってベース基板5に実装される。
薄膜積層回路体4は、第1絶縁層15に形成した第1ビア28によって実装接続ランド24と第1配線層18との層間接続が適宜行われ、第2絶縁層16に形成した第2ビア29によって第1配線層18と第2配線層19との層間接続が適宜行われ、さらに第3絶縁層17に形成した第3ビア30を介して第2配線層19と第3配線層20との層間接続が適宜行われる。回路モジュール体1は、薄膜積層回路体4内に、上下配線層間のビアを直接形成するいわゆるビア−オン−ビア(Via-on-Via)構造を備えることによって、配線長の短縮化を図りかつ伝送信号の減衰が低減されるとともに信号遅延を最小限とした接続が行われるようになる。
キャパシタ素子21は、例えばデカップリングキャパシタやDCカット用のキャパシタであり、詳細を後述する工程によりタンタルオキサイト(TaO)膜や窒化タンタル(TaN)膜により形成される。レジスタ素子22は、例えば終端抵抗用のレジスタであり、窒化タンタル膜によって形成される。回路モジュール体1は、従来チップ部品によって対応していた各種の受動素子を薄膜積層回路体4の層内にそれぞれ薄膜形成することによって、極めて小型でかつ高性能の受動素子等が搭載されることになり小型、薄型化が図られるようになる。
薄膜積層回路体4は、ベース基板5に対して、相対する実装接続ランド24と実装用端子部11との位置合わせが行われて、最上層5aと第1絶縁層15との間に介在してアンダフィル層27が形成される。薄膜積層回路体4は、例えば加熱圧着装置等を用いてはんだバンプ12を溶融するによって相対する実装接続ランド24と実装用端子部11とをはんだ付けすることによって実装されて回路モジュール体1を構成する。回路モジュール体1は、ベース基板5側に電源回路やグランド或いは制御信号等の低速信号用の回路を形成するとともに、薄膜積層回路体4側にLSI等間の高速信号用回路を形成する。回路モジュール体1は、多層配線基板技術によって製作されるベース基板5側に充分な面積を有する電源配線パターン7やグランドパターン8が形成されて薄膜積層回路体4に対してレギュレーションの高い電源供給が行われるようになる。
回路モジュール体1は、各種の受動素子を配線層内に作り込んで多機能化等を図る部位が薄型の薄膜積層回路体4として製作されてベース基板5に実装されることから、小型化薄型化が図られる。回路モジュール体1は、簡易な設備と簡易な工程とにより歩留まりの向上も図られて製造されることから、低コスト化が図られる。
以上のように構成された回路モジュール体1は、図3及び図4に示す製造工程を経て製造される。なお、回路モジュール体1の製造工程は、ダミー基板2上に同一仕様の多数個の薄膜積層回路体4を一括して製作したり、複数仕様の多数個の薄膜積層回路体4を同時に製作するようにしてもよい。
回路モジュール体1の製造工程は、図3に示すように、主面2aが平坦化されたシリコン基板やガラス基板からなるダミー基板2が供給され、このダミー基板2の主面2a上に剥離層3を形成する剥離層形成工程s−1を有する。回路モジュール体1の製造工程は、剥離層3上を介してダミー基板2上に薄膜積層回路体4を製作する。回路モジュール体1の製造工程は、製作された薄膜積層回路体4を剥離槽3に浸漬けしてダミー基板2から剥離する工程を有する。回路モジュール体1の製造工程は、薄膜積層回路体4を層内実装部品100とともにベース基板5の主面5a上に実装する工程を有する。
薄膜積層回路体4の製作工程は、剥離層3上に実装接続ランド24を形成する実装接続ランド形成工程s−2と、第1絶縁層15を形成する第1絶縁層形成工程s−3と、第1配線層18を形成する第1配線層形成工程s−4と、第2絶縁層16を形成する第2絶縁層形成工程s−5と、各薄膜素子を形成する素子形成工程s−6とを有する。薄膜積層回路体4の製作工程は、第2配線層19を形成する第2配線層形成工程s−7と、第3絶縁層17を形成する第3絶縁層形成工程s−8と、第3配線層20を形成する第3配線層形成工程s−9と、ソルダレジスト層25と外部電極26を形成するソルダレジスト層・外部電極形成工程s−10とを有する。
回路モジュール体1の製造工程は、剥離層3の一部を除去する剥離層部分除去工程s−11と、ダミー基板2上に形成された薄膜積層回路体4を覆うようにして 保持フィルム材31を貼り合わせる保持フィルム材貼合せ工程s−12と、保持フィルム材31によって各薄膜積層回路体4を保持した状態でダミー基板2から剥離する剥離工程s−13と、保持フィルム材31から各薄膜積層回路体4を1個ずつ分離する薄膜積層回路体分離工程s−14とをへて薄膜積層回路体4を製作する。
回路モジュール体1の製造工程は、図4に示すように、所定の配線層等が多層に形成されたベース基板5が供給され、このベース基板5にはんだバンプ12を形成するはんだバンプ形成工程s−15や、アンダフィル層27を形成するアンダフィル層形成工程s−16が施される。回路モジュール体1の製造工程は、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とが供給され、これら薄膜積層回路体4と層内実装部品100とをベース基板5に実装する層内実装部品・薄膜積層回路体実装工程s−17が施される。回路モジュール体1の製造工程は、ベース基板5上に封止材層101を形成する封止材層形成工程s−18と、封止材層101上に積層プレート103を積層して中空部102を形成する積層プレート積層工程s−19とを経て回路モジュール体1を製造する。
保持フィルム材貼合せ工程s−11に用いられる保持フィルム材31は、図5に示すように耐熱性及び耐薬品性と可撓性とを有する例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の合成樹脂製基材フィル31aと、この基材フィル31aの全面に形成した接着剤層31bとからなる。保持フィルム材31は、ダミー基板2の外径よりも大きくかつ厚みが30μm〜50μmの基材フィル31aに対して、層厚が40μm〜80μm程度の接着剤層31bが形成されてなる。保持フィルム材31には、マトリックス状に多数のスリット32が形成されており、これらスリット32によって後述する工程を経てダミー基板2上に製作される各薄膜積層回路体4とそれぞれ対応する多数の貼合せ領域33に区割りされる。
保持フィルム材31は、接着剤層31bが、例えば紫外線を照射したり加熱処理を行うことによって内部に気泡が生じ、この気泡の存在によって接着対象体間の接着強度が低下する光照射低下型接着剤或いは熱低下型接着剤が用いられて形成される。保持フィルム材31は、後述するようにダミー基板2から各薄膜積層回路体4を保持して一括して剥離した後に、光照射や加熱処理を施すことにより各薄膜積層回路体4が1個ずつ容易に分離されるようにする。なお、保持フィルム材31には、具体的には例えば日東電工社製の商品名「リバアルファ」等が用いられる。保持フィルム材31は、接着剤層31bに光照射低下型接着剤を用いる場合に、基材フィル31aが透明等の光透過性を有するフィルム材とされる。
保持フィルム材31は、図6に示したフォルダ部材34によって外周部を保持されることにより、剥離治具35を構成する。フォルダ部材34は、例えば厚みが0.5mm乃至2mm程度の金属板が用いられ、保持フィルム材31の外径よりもやや小径とされた開口部34aが形成されている。フォルダ部材34には、図7に示すように開口部34aを閉塞するようにして組み合わされた保持フィルム材31の外周部を全周に亘って接合されて剥離治具35を構成する。
剥離治具35は、剥離工程s−12から薄膜積層回路体分離工程s−14において、薄厚で形成される各薄膜積層回路体4が精度よく剥離されるようにするとともに容易な取り扱いが行われるようにする。なお、剥離治具35は、保持フィルム材31に対してさらに補強フィルム材を接合したものを用いるようにしてもよい。補強フィルム材としては、例えば回路基板の表面研磨やダイシングを行う際に用いるダイシングテープ等を用いるようにすればよい。
剥離層形成工程s−1は、耐熱性や耐薬品性に優れ、高精度の平坦面を形成することが可能であるとともにリソグラフ処理時に際して焦点深度の保持、マスキング時のコンタクトアライメント特性が良好である絶縁材のシリコン基板やガラス基板からなるダミー基板2に対して、その主面2a上に剥離層3を全面に亘って形成する工程である。剥離層形成工程s−1は、詳細には、図8に示すように第1金属膜36を形成する工程と、この第1金属膜36上に第2金属膜37を形成する工程と、第2金属膜37を被覆する絶縁性の保護樹脂膜38を形成する工程とからなる。
第1金属膜36の形成工程においては、例えばスパッタ法や化学蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)等によって、200Å〜500Å程度の均一な膜厚を有するチタン、窒化チタン、クロム等の金属膜を形成する。第1金属膜36は、ダミー基板2との密着性を向上させる機能を奏する。第2金属膜37の形成工程においては、同様にして1000Å〜3000Å程度の均一な膜厚を有する銅、アルミニウム等の金属膜を形成する。第2金属膜37は、剥離溶液によって溶解されることによりダミー基板2から薄膜積層回路体4を剥離する機能を奏する。
絶縁樹脂膜形成工程は、第2金属膜37上に、例えばポリイミド樹脂等の絶縁性合成樹脂材を塗布均一性、厚み制御性を保持することが可能な例えばスピンコート法、カーテンコート法、ロールコート法或いはディップコート法等によって1um〜3um程度の膜厚の保護樹脂膜38を形成する。保護樹脂膜38は、後述する剥離工程s−12に際して、薬液から薄膜積層回路体4を保護する保護膜として機能する。なお、剥離層3は、上述したように第1金属膜36と、第2金属膜37及び保護樹脂膜38の3層によって構成されるが、図9以降の各図では「3」の代表符号のみを付すものとする。
実装接続ランド形成工程s−2は、薄膜積層回路体4において最上層に設けられてフィルタ等の電子部品やチップ部品を直接実装するための実装接続ランド24を形成する工程である。実装接続ランド形成工程s−2は、詳細には下地金属膜の形成工程と、端子金属膜形成工程と、パターニング工程と、エッチング工程と、フォトレジスト除去工程等からなる。
実装接続ランド形成工程s−2においては、剥離層3上に密着性を向上させるチタン等の下地金属膜を、例えばスパッタ法等によって200Å〜3000Å程度の均一な膜厚で全面に亘って形成する。実装接続ランド形成工程s−2においては、この下地金属膜上に端子金属層として良好な電気特性を有する金属膜、例えば金層をスパッタ法等によって200Å〜3000Å程度の均一な膜厚で全面に亘って形成する。
実装接続ランド形成工程s−2においては、さらに端子金属層上にフォトレジスト層を形成した後にフォトリソグラフ処理を行う。フォトリソグラフ処理においては、実装接続ランド24の対応箇所をマスキングした状態で露光、現像処理を行って金層を露出させるとともに、露出した金層をヨウ化カリウム溶液等のエッチング液を用いてエッチングを行う。フォトリソグラフ処理においては、金がエッチングされることによって露出したチタン層を希フッ酸溶液等のエッチング溶液を用いてエッチングする。実装接続ランド形成工程s−2においては、金層上に残ったフォトレジスト層を、例えばフォトレジスト剥離液に浸漬する処理や酸素プラズマ処理を施すことによって除去して、図9に示すように剥離層3上に多数個の実装接続ランド24を所定のパターンを以って形成する。
第1絶縁層形成工程s−3においては、図10に示すように各実装接続ランド24を被覆して剥離層3上に全面に亘って第1絶縁層15を形成するとともに、この第1絶縁層15に後述する多数個の第1ビア28を構成する第1ビアホール39と第1分離スリット40とを形成する。第1絶縁層形成工程s−3は、剥離層3上に第1絶縁層15を形成する工程と、第1絶縁層15に第1ビアホール39と第1分離スリット40とを形成するためのパターニング工程とを有する。
第1絶縁層形成工程s−3においては、第1絶縁層15を、低誘電率、低損失で高周波特性に優れ、また耐熱性や耐薬品性に優れた誘電絶縁材、例えばポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリノルボルネン(PNB)、液晶ポリマ(LCP)或いはエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を用い、スピンコート法等によって剥離層3上に全体が均一な膜厚を有するように形成される。第1絶縁層15は、後述するキャパシタ素子21、レジスタ素子22或いは薄膜インダクタ素子23の高周波特性を確保するために5um〜30umの膜厚に形成される。
第1絶縁層形成工程s−3においては、上述した誘電絶縁材として感光性の誘電絶縁材を用いる場合に、剥離層3上に形成した誘電絶縁膜に対してフォトリソグラフ処理を施してそれぞれ所定の箇所に位置する多数個の第1ビアホール39と第1分離スリット40とを形成する。第1絶縁層形成工程s−3においては、誘電絶縁材として非感光性の誘電絶縁材を用いる場合に、誘電絶縁膜に対して反応性イオンエッチング処理やレーザ照射等のドライエッチング処理を施してそれぞれ所定の箇所に多数個の第1ビアホール39と第1分離スリット40とを形成する。
第1絶縁層形成工程s−3においては、第1分離スリット40が第1絶縁層15を、ダミー基板2上に後述する工程を経て形成する多数個の薄膜積層回路体4のそれぞれの形成領域を区割りするように例えば碁盤の目状に形成する。第1分離スリット40は、後述する剥離工程s−12においてダミー基板2上に製作された各薄膜積層回路体4を1個ずつ切り離して剥離する機能とともに、剥離溶液59を剥離層3まで浸入させて効率的かつ高精度の剥離動作が行われるようにする剥離溶液59の浸入通路として機能する。第1分離スリット40は、剥離溶液59の浸入通路の機能を優先するならばより大きな開口幅に形成することが好ましいが、大きくするにしたがって各薄膜積層回路体4の製作効率を低下させる。したがって、第1分離スリット40は、開口幅が例えば10um〜200um程度に形成されることが好ましい。
第1配線層形成工程s−4は、第1絶縁層15上に所定パターンの第1配線層18と第1ビア28とを形成する工程である。第1配線層形成工程s−4は、詳細には第1絶縁層15と第1ビアホール39及び第1スリット40を覆ってシードメタル層41を全面に亘って形成するシードメタル層形成工程と、シードメタル層41上に所定パターンのめっきレジスト層42を形成するめっきレジスト層形成工程と、電解銅めっき処理を施す電解めっき工程と、不要なめっきレジストを除去する工程と、不要なシードメタル層を除去する工程等とを有する。
シードメタル層形成工程は、例えばスパッタ法や化学蒸着法等によって、200Å〜3000Å程度の均一な膜厚を有するチタン、窒化チタン、クロム等の下地金属膜を形成する工程と、1000Å〜3000Å程度の均一な膜厚を有する銅膜を形成する工程とを有して図10に示す2層構成のシードメタル層41を形成する。シードメタル層41は、下地金属膜が第1絶縁層15との密着性を向上させる機能を奏するとともに、銅層が後述する電解銅めっき工程の際のシードメタルとして良好に機能する。
シードメタル層41は、電解銅めっき工程後に不要な部分が除去されることから電解銅めっき工程においてシードメタル作用を奏するに足る厚みを有する程度の極力薄厚で形成されることが好ましい。一方、シードメタル層41は、上述した多数個の第1ビアホール39や第1分離スリット40が形成されることによって凹凸のある第1絶縁層15に対して、凹凸部にも成膜されることによって電気的特性が保持される膜厚を有して形成されることが好ましい。したがって、シードメタル層41は、第1絶縁層15上に下地金属膜と銅膜とを合わせて最大0.6um程度の膜厚を以って形成される。
めっきレジスト層形成工程は、シードメタル層41上に例えばスピンコート法等により全面に亘って均一な膜厚を有するめっきレジスト層を形成する工程と、このめっきレジスト層にフォトリソグラフ処理を施す工程とを有して所定パターンのめっきレジスト層42を形成する工程である。めっきレジスト層42は、図11に示すように後述する電解銅めっき層が形成される部位である、第1配線層18の配線パターンの対応部位42aや第1ビアホール39の対応部位42bを開口部として形成される。なお、めっきレジスト層42は、第1分離スリット40の開口部位をそれぞれ閉塞して形成される。
電解めっき工程は、めっきレジスト層42の開口部からシードメタル層41に通電して電解銅めっき処理を施すことによって、図12に示すように開口部に銅めっき層43を選択的に形成する工程である。銅めっき層43は、その厚みを第1配線層18が、電気的特性を充分に保持されるに足る厚みに形成され、例えば5um程度の厚みで形成される。銅めっき層43は、各第1ビアホール39の対応部位42b内にも形成されることにより、第1ビアホール39を介して外方に臨ませられた実装接続ランド24と第1絶縁層15とを層間接続する第1ビア28を形成する。
めっきレジスト除去工程は、上述した電解銅めっき処理を終えた後に、例えばアセトン等のレジスト剥離溶液中に浸漬することによって不要なめっきレジスト層42を除去する工程である。めっきレジスト除去工程は、レジスト剥離溶液がめっきレジストを溶解する一種のウェットエッチング法により不要なめっきレジスト層42を除去する。なお、めっきレジスト除去工程は、例えば酸素プラズマ処理等によるドライエッチング法等により不要なめっきレジストを除去するようにしてもよい。
シードメタル層除去工程は、第1絶縁層15上に形成されたシードメタル層41の不要部位を除去する工程である。シードメタル層41は、上述したように第1絶縁層15上に全面に亘って形成したことから、めっきレジスト層42が除去されることによって銅めっき層43の非形成領域に第1配線層18を構成するために不要な部位が露出する。不要なシードメタル層41は、ウェットエッチング処理を施すことにより、銅めっき層43がマスクとして作用して除去される。ウェットエッチング処理は、例えば銅層を硝酸、酢酸及び硫酸の混合溶液によって除去し、チタン層を希フッ酸水溶液によって除去する。
第1配線層形成工程s−4においては、上述した各工程を経て、図13に示すように第1絶縁層15上に所定の配線パターンを有しかつ各実装接続ランド24とそれぞれ層間接続を行う多数個の第1ビア28を有する第1配線層18を形成する。
第2絶縁層形成工程s−5は、上述した第1絶縁層形成工程s−3と同一の誘電絶縁材が用いられるとともにほぼ同等の工程を経て第1配線層18上に第2絶縁層16や第2ビア29を構成する多数個の第2ビアホール44及び第2分離スリット45とを形成する工程である。第2絶縁層形成工程s−5は、第1配線層18上に例えばスピンコート法等により所定の厚みを有する第2絶縁層16を形成する工程と、この第2絶縁層16に上述した第1ビアホール39や第1分離スリット40の形成方法と同一の方法によって、第2ビア29を構成する多数個の第2ビアホール44と第2分離スリット45とを形成する工程とを有する。
各第2ビアホール44は、それぞれ第1配線層18の配線パターンの所定部位を第2絶縁層16から外方へと臨ませる。各第2ビアホール44は、第2絶縁層16が10um〜30umの厚みで形成された場合に、例えば反応性イオンエッチング法やレーザ照射によるドライエッチング法等によって、10um〜50umの直径で形成することが可能である。各第2分離スリット45は、それぞれ第1絶縁層15側の各第1分離スリット40と連通するようにして碁盤の目状に形成される。各第2分離スリット45は、図14に示すようにそれぞれの溝幅を第1分離スリット40の溝幅よりもやや大きくして形成されている。
第2絶縁層16には、その上部に後述する第2配線層形成工程s−7が施されて第2配線層19が形成されるが、この第2配線層19内に作り込まれる受動素子21〜23を形成するための素子形成工程s−6が施される。素子形成工程s−6は、例えば図15に示すように各キャパシタ素子21の受け電極46や各レジスタ素子22の受け電極47をそれぞれ形成する受け電極形成工程と、図16に示すように各キャパシタ素子21の受け電極46上に誘電体48を形成するとともに各レジスタ素子22の受け電極47上に抵抗体49を形成する工程等を有する。
受け電極形成工程は、上述した第1配線層18の形成工程と同等の材料を用いて同等の工程を施すことによって、図15に示すように第2絶縁層16上に所定のパターンを以って受け電極46、47を形成する。すなわち、受け電極形成工程は、第1配線層18に、例えばチタン層と銅層とをスパッタ法によって形成する工程と、フォトレジスト層をスピンコート法等によって成膜するとともにフォトリソグラフ処理により所定のパターンにパターニングする工程と、ウエットエッチング法によりチタン層と銅層とを所定のパターンにエッチングする工程とを有する。
受け電極形成工程においては、上述したシードメタル層41の形成工程と同様に、チタン層を500Å〜2000Åの膜厚で形成し、銅層を1000Å〜3000Å程度の膜厚で形成する。受け電極形成工程においては、ウエットエッチング工程により、銅層を硝酸と酢酸及び硫酸との混合溶液によって除去するとともに、チタン層を希フッ酸水溶液により除去する。受け電極形成工程においては、不要なフォトレジスト層を上述しためっきレジスト層42の除去工程と同様に、例えばアセトンやレジスト剥離溶液中に浸漬して溶解するウェットエッチング法或いは4フッ化メタン及び酸素プラズマ処理等によるドライエッチング法等によって除去する。
素子形成工程s−6においては、例えばタンタルや窒化タンタルの同一材料を用いて誘電体48と抵抗体49とを同一層内に形成することにより、同一の工程で形成することが可能となりスパッタ工程の削減が図られる。抵抗体形成工程は、受け電極47を形成した後に、例えばタンタル、窒化タンタル、ニッケルクロム等の抵抗体層をスパッタ法等によって成膜する工程と、フォトレジストをスピンコート法等により成膜してフォトリソグラフ処理によりパターニングする工程と、不要な抵抗体材料膜をエッチング法等によって除去する工程とを経て、図16に拡大して示すように一対の受け電極47間に跨る抵抗体49を形成する。抵抗体49は、2000Å程度の膜厚で形成される。
誘電体形成工程は、抵抗体形成工程と、タンタルや窒化タンタル膜の成膜工程と、フォトレジストをスピンコート法等により成膜してフォトリソグラフ処理によりパターニングする工程とを共通として、陽極酸化工程と、不要なタンタルや窒化タンタル膜をエッチング法等によって除去する工程とを経て、図16に示すように受け電極46上に誘電体48を形成する。
なお、上述した陽極酸化工程は、ホウ酸アンモニウム等の電解溶液中で抵抗体材料膜が陽極となるように、100V〜200V程度の電界を10分〜60分程度印加する。陽極酸化工程は、タンタルや窒化タンタルを酸化して酸化タンタル層を形成することにより、誘電体48とする。インダクタ素子23は、後述する第3配線層形成工程s−9において受け電極46に対して誘電体48を介して対向される上部電極50が形成される。
第2配線層形成工程s−7においては、第2絶縁層16や、この第2絶縁層16上に形成したキャパシタ素子21或いはレジスタ素子22上に所定の配線パターンからなる第2配線層19を形成する。第2配線層形成工程s−7は、上述した第1配線層形成工程s−4とほぼ同等の工程を有しており、スパッタ法により第2絶縁層16上にシードメタル層を全面に亘って形成する工程と、このシードメタル層上に所定膜厚のめっきレジスト層を形成する工程とを有する。
第2配線層形成工程s−7は、めっきレジスト層に対してフォトリソグラフ処理を施して不要なめっきレジスト層を除去して配線パターン等に対応した箇所を開口させる所定のパターニングを施す工程と、電解銅めっき処理を施してパターニング工程によりめっきレジスト層を除去した開口部に所定の厚みの銅めっき層を形成する工程とを有する。第2配線層形成工程s−7は、適宜のエッチング処理を施して不要なめっきレジストを除去する工程と、ウェットエッチング処理を施して不要なシードメタル層を除去する工程等を経て図17に示すように第2配線層19を形成する。
第2配線層形成工程s−7においては、電解銅めっき処理によって第2絶縁層16に形成された第2ビアホール44内に銅めっき層を形成して第2配線層19と第1配線層18とを適宜に層間接続する第2ビア29も同時に形成する。第2配線層形成工程s−7においては、第2配線層19の配線パターンを形成する際に、図17に示すようにスパイラル型のインダクタ素子23も同時に形成する。なお、第2配線層形成工程s−7は、第2配線層19の各配線パターンが、電気的特性を保持するとともに第2ビア29による層間接続を確実に行うために第1配線層18と同様に5um程度の厚みで形成されるように電解銅めっき処理の制御が行われる。インダクタ素子23は、必要に応じて第1配線層18にも形成される。
第3絶縁層形成工程s−8は、第2配線層19上に第3絶縁層17を形成するとともに、この第3絶縁層17の適宜の位置に第3ビア30を構成する第3ビアホール51と第3分離スリット52及びキャパシタ素子21の誘電体48を外方に臨ませる開口部53とを形成する工程である。第3絶縁層形成工程s−8も、上述した第1絶縁層形成工程s−3や第2絶縁層形成工程s−5と同一の誘電絶縁材を用いて同等の工程により図18に示す第3絶縁層17を形成する。第3絶縁層形成工程s−8は、例えばスピンコート法等によって第2配線層19上に全面に亘って均一な厚みを有する第3絶縁層16を形成する工程と、この第3絶縁層16に例えば反応性イオンエッチング法やレーザ照射によるドライエッチング法等によって多数個の第3ビアホール51と第3分離スリット52及び開口部53とを形成する工程を有する。
各第3ビアホール51は、第2配線層19の所定の配線パターンを外方に臨ませて第3絶縁層17に形成される。各第3分離スリット52は、相対する第2分離スリット45や第1分離スリット40と連通するようにして碁盤の目状に形成され、図18に示すようにそれぞれの溝幅が第2分離スリット45の溝幅よりもやや大きくして形成されている。開口部53は、上述した第2配線層17内に形成された各キャパシタ素子21の誘電体48を外方に臨ませて第3絶縁層17に形成される。なお、第3絶縁層16には、必要に応じてレジスタ素子22の抵抗体49を外方に臨ませる開口部を形成するようにしてもよい。
第3配線層形成工程s−9は、第3絶縁層17上に第3配線層20を形成する工程である。第3配線層形成工程s−9も、上述した第1配線層形成工程s−4や第2配線層形成工程s−7とほぼ同等の工程を有し、スパッタ法によって第3絶縁層17上にシードメタル層を全面に亘って形成する工程と、このシードメタル層上に所定膜厚のめっきレジスト層を形成する工程とを有する。第3配線層形成工程s−9は、めっきレジスト層に対してフォトリソグラフ処理を施して不要なめっきレジスト層を除去して配線パターン等に対応した箇所を開口させる所定のパターニングを施す工程と、電解銅めっき処理を施してパターニング工程によりめっきレジスト層を除去した開口部に所定の厚みの銅めっき層を形成する工程とを有する。第3配線層形成工程s−9は、適宜のエッチング処理を施して不要なめっきレジストを除去する工程と、ウェットエッチング処理を施して不要なシードメタル層を除去する工程等を経て、図19に示す第3配線層20を形成する。
第3配線層形成工程s−9においては、電解銅めっき処理によって第3絶縁層17に形成した各第3ビアホール51内に銅めっき層を形成して第3配線層20と第2配線層19とを適宜に層間接続する第3ビア30も同時に形成する。第3配線層形成工程s−9においては、電解銅めっき処理によって第3絶縁層17に形成した各開口部53内に銅めっき層を形成して各キャパシタ素子21の誘電体48上に第3配線層20の配線パターンと適宜接続された上部電極50及びこの上部電極50と一体の第3ビア30も形成する。各キャパシタ素子21は、上述した第3絶縁層形成工程s−8において適宜の開口形状を有する開口部53を形成することによって任意形状の上部電極50が形成されることにより、所定の容量特性を有することが可能である。
なお、第3配線層形成工程s−9においては、第2配線層19の配線パターンを形成する際に、図17に示すようにスパイラル型のインダクタ素子23も同時に形成するようにしてもよい。また、第3配線層形成工程s−9においては、事前に上述した素子形成工程s−6を施すことにより、第3配線層20内にもキャパシタ素子21やレジスタ素子22を形成することが可能である。回路モジュール体1の製造工程においては、上述した絶縁層形成工程と配線層形成工程或いは素子形成工程とを繰り返すことによってさらに多層配線化された薄膜積層回路体4が製作される。
ソルダレジスト層・外部電極形成工程s−10は、上述した第3配線層20上に薄膜積層回路体4の最外層部を構成するソルダレジスト層25と、外部電極26とを形成する。ソルダレジスト層・外部電極形成工程s−10は、ソルダレジスト層25の形成工程と、このソルダレジスト層25にパターニング処理を施して多数個の開口部25aと第4分離スリット54とを形成する工程と、開口部25aを介して外方へと臨ませられた第3配線層20の配線パターンに形成された各端子パターン20aに電極形成処理を施す工程等を有している。
ソルダレジスト層形成工程は、例えばスピンコート法やロールコート法等の適宜の印刷法によってソルダレジストを第3絶縁層17と第3配線層20上に全面に亘って塗布することにより、図20に示すソルダレジスト層25を形成する。ソルダレジスト層25は、薄膜積層回路体4の最外層部を構成して第3配線層20を機械的に保護するとともに電気的絶縁を保持する機能を有することから、所定の厚みを以って形成される。
パターニング工程は、ソルダレジスト層25に例えばフォトリソグラフ処理を施すことにより多数個の開口部25aや第4分離スリット54を形成する。各開口部25aは、第3配線層20に形成された各端子パターン20aをそれぞれ外方へと臨ませる。第4分離スリット54は、相対する第3分離スリット52と第2分離スリット45及び第1分離スリット40に対して互いに連通するようにして碁盤の目状に形成され、図20に示すようにそれぞれの溝幅が第3分離スリット52の溝幅よりもやや大きくして形成されている。
電極形成工程は、各開口部25aを介して外方に露出された各端子パターン20aに防錆特性とはんだ付け性とを付与することによって、図21に示すように外部電極26を形成する。電極形成工程は、具体的には電解銅めっきや無電解銅めっき処理等の表面処理を施すことによって、各開口部25aを介して外方に臨ませられた第3配線層20の端子パターン20aに対してはんだ付け性を向上させる金−ニッケル層を形成する。なお、外部電極26を形成する表面処理については、各端子パターン20aに、例えばはんだコート層や水溶性耐熱フラックス層等を形成する処理であってもよい。
回路モジュール体1の製造工程においては、上述した各工程を経てダミー基板2の主面2a上に剥離層3を介して多層構造の多数個の薄膜積層回路体4を製作する。各薄膜積層回路体4は、回路モジュール体1の製造工程においては、平坦化された主面2aを有するダミー基板2を用いて薄膜技術により、高精度で薄型化された多機能の薄膜積層回路体4を製作することが可能である。回路モジュール体1の製造工程においては、各薄膜積層回路体4が、外部電極26を検査端子として用いることにより動作特性等の検査をダミー基板2上で実施することが可能である。
回路モジュール体1の製造工程においては、各薄膜積層回路体4についてベース基板5に実装する前工程において各種の検査を実施することが可能であり、良品のみが次工程へと供給されるようにして歩留まり向上による工数や部材費等を削減してコストダウンを図ることを可能とする。回路モジュール体1の製造工程においては、各薄膜積層回路体4について各配線層等が正常に形成されているか、断線箇所が無いか等の各種検査が実施される。
回路モジュール体1の製造工程においては、各薄膜積層回路体4をダミー基板2から効率的に剥離するために、剥離層3を部分的に除去する剥離層部分除去工程s−11と、各薄膜積層回路体4に対して上述した保持フィルム材31を貼り合わせる保持フィルム材貼合せ工程s−12と、各薄膜積層回路体4をダミー基板2から剥離する剥離工程s−13と、各薄膜積層回路体4を保持フィルム材31から1個ずつ分離する薄膜積層回路体分離工程s−14とが施される。
各薄膜積層回路体4には、上述したように第1絶縁層15と第2絶縁層16と第3絶縁層17及びソルダレジスト層25に、それぞれ互いに高さ方向に連通する第1分離スリット40と第2分離スリット45と第3分離スリット52及び第4分離スリット54とが形成されている。各薄膜積層回路体4は、ダミー基板2の主面2a上に全面に亘って剥離層3が形成されている。剥離層3には、薄膜積層回路体4を製作する際に薬品等が浸入して剥離動作や厚み変化が生じないようにするために予め分離スリットは形成されていない。
剥離層部分除去工程s−11は、図22に示すように上層に形成された各分離スリットに連通する多数個の第5分離スリット55を剥離層3に形成する工程である。剥離層部分除去工程s−11は、例えば酸素プラズマ処理やレーザ照射等のドライエッチング法によって剥離層3に第5分離スリット55を形成する。剥離層部分除去工程s−11においては、プラズマやレーザがソルダレジスト層25に形成した第4分離スリット54の開口部から導入されて各分離スリットを介して対向する剥離層3に達し、その保護樹脂膜38のみを部分的にエッチングする。
回路モジュール体1の製造工程においては、上述した各工程を経てダミー基板2の主面2a上に、多数の分離スリットによって区分された多数個の薄膜積層回路体4を製作した図22に示す第1中間体56を製造する。第1中間体56には、上述したように各絶縁層15、16、17及びソルダレジスト層25と剥離層3とにそれぞれ互いに高さ方向に連通する分離スリット40、45、52、54、55が形成され、これら各分離スリットが全体で分離スリット57を構成する。分離スリット57は、上述した各層の各分離スリット40、45、52、54、55の構成から高さ方向に向かって次第に開口径が小さくなるテーパ付き分離スリットとして構成される。
保持フィルム材貼合せ工程s−12には、上述したように保持フィルム材31とフォルダ部材34とから構成した剥離治具35が用いられる。剥離治具35は、図23に示すように第1中間体56に対して、保持フィルム材31に形成した多数個のスリット32を薄膜積層回路体4側の相対する分離スリット57に一致させるようにフォルダ部材34が適宜の位置決め手段によって位置決めされる。剥離治具35は、保持フィルム材31が、接着剤層31bを介して基材フィルム31aを各薄膜積層回路体4のソルダレジスト層25上に接合される。
剥離治具35は、上述したように保持フィルム材31の外周部を剛性を有するフォルダ部材34に保持した構造であることから、フォルダ部材34を介して保持フィルム材31を各薄膜積層回路体4上に強く押し付けて接着剤層31bにより第1中間体56に強固に接合することが可能である。剥離治具35は、後述する薄膜積層回路体4の剥離工程等が施される第1中間体56のハンドリング性の向上を図るようにする。剥離治具35は、保持フィルム材31が可撓性を有することによって、各薄膜積層回路体4のソルダレジスト層25に多少の凹凸があってもよくなじんで、全面に亘って接合が行われるようにする。
剥離工程s−13は、図24に示すように、主面2a上に多数個の薄膜積層回路体4を製作したダミー基板2からなる第1中間体56を保持した剥離治具35を剥離溶液59を溜めた剥離槽58内に投入する工程であり、剥離層3を介してダミー基板2から各薄膜積層回路体4を剥離治具35によって保持した状態で剥離する。剥離治具35は、適宜のハンドリングによってフォルダ部材34を保持されることで、第1中間体56を安全でかつ効率よく剥離槽58内に投入する。
剥離工程s−13においては、第1金属膜36が銅膜である場合に、剥離溶液59として例えば希塩酸液や希硝酸液等の酸性溶液が用いられる。また、剥離工程s−13においては、第1金属膜36がアルミニウム膜である場合に、剥離溶液59として例えば水酸化ナトリウム液等のアルカリ溶液が用いられる。剥離溶液59は、剥離層3に浸入して、図25に示すように第2金属膜37と保護樹脂膜38との界面からダミー基板2と剥離治具35によって保持された各薄膜積層回路体4とを分離する。
第1中間体56には、上述したように各薄膜積層回路体4を区割りするようにして最上層のソルダレジスト層25から剥離層3に達する多数個の分離スリット57が形成されている。第1中間体56には、各分離スリット57に対してスリット32が位置合わせされて保持フィルム材31が接合されている。したがって、第1中間体56には、保持フィルム材31の各スリット32を介して各薄膜積層回路体4を区分けする各切分けスリット57中に剥離溶液59が浸入して剥離層3に達する。第1中間体56は、外周部ばかりでなくテーパ付きとされた分離スリット57を介して内方領域からも全体に亘って剥離溶液59が浸入することにより、ダミー基板2からの各薄膜積層回路体4の剥離が効率よく行われるようになる。
第1中間体56には、剥離層58内において剥離溶液59の浸透がある程度進んだ状態で、各薄膜積層回路体4をダミー基板2から引き剥がす引剥し操作が行われる。第1中間体56は、各薄膜積層回路体4が、上述したように可撓性を有する保持フィルム材31に接合されるとともにこの保持フィルム材31の外周部をフォルダ部材34に保持した剥離治具35によって保持されている。したがって、第1中間体56は、フォルダ部材34を介して引剥し操作が行われ、この際に保持フィルム材31がダミー基板2から剥離層3を介して剥離される各薄膜積層回路体4の変形状態に倣って変形することで、ダミー基板2に対する各薄膜積層回路体4の結合強度にバラツキがあっても無理の無い剥離が行われるようになり、さらに剥離溶液59の浸透も促進されるようになる。
剥離工程s−13においては、第1中間体56が、ダミー基板2に対して各薄膜積層回路体4が剥離治具35に保持された状態で効率的かつきれいな状態で剥離されるようになる。各薄膜積層回路体4は、ダイシング処理等を施すことなく分離スリット57を介してそれぞれ個別に区割りされた状態で剥離治具35に保持される。
回路モジュール体1の製造工程においては、各薄膜積層回路体4がダミー基板2から全て剥離されることによって、図26に示す第2中間体60を得る。第2中間体60は、各薄膜積層回路体4がダミー基板2から剥離されることにより、第1絶縁層15の表面に剥離層3の保護樹脂層38が薄皮状態で残留している。第2中間体60には、例えば酸素プラズマ処理が施されることによって、残留した保護樹脂層38が除去されて第1絶縁層15が全面に亘って露出する。また、第2中間体60は、各薄膜積層回路体4が、それぞれの第1絶縁層15の面内において各接続ランド24も露出される。
各薄膜積層回路体4は、上述したように各接続ランド24をチタン層と金層の2層で構成したことから保護樹脂層38を除去することによって、チタン層が露出する。したがって、回路モジュール体1の製造工程においては、第2中間体60に対して希ふっ酸溶液によるエッチング処理を施してチタン層を除去して金層を露出させる端子形成の処理が行われる。
薄膜積層回路体分離工程s−14は、第2中間体60に対して例えば紫外線照射処理や加熱処理を施すことによって、剥離治具35の保持フィルム材31に貼り付けられて保持された多数個の薄膜積層回路体4A〜4Nを、各分離スリット57を介して図27に示すようにそれぞれ個々に分離する。薄膜積層回路体分離工程s−14においては、保持フィルム材31の接着剤層31bとして光照射低下型接着剤が用いられている場合に、500mJ〜3000mJ程度の紫外線を照射する処理を行う。また、薄膜積層回路体分離工程s−14においては、保持フィルム材31の接着剤層31bとして熱低下型接着剤が用いられている場合に、オーブンやホットプレートによって100℃〜150℃程度に加熱する処理を行う。
各薄膜積層回路体4A〜4Nは、上述した紫外線照射処理或いは加熱処理が施されることにより、接着剤層31bの接着力が低下することで保持フィルム材31から引き剥がされて各分離スリット57を介して個々に分離される。各薄膜積層回路体4A〜4Nは、保持フィルム材31からの引き剥がし時に接着剤層31bの接着力にバラツキがあっても、可撓性を有する保持フィルム材31の変形動作によって各薄膜積層回路体4に対する急激な引剥し力が作用されないようにして精度よく剥離動作が行われる。
薄膜積層回路体分離工程s−14においては、多数個の薄膜積層回路体4A〜4Nを、例えばダミー基板2上でダイシング処理等を施して分離するといった処理を不要とすることから効率的な分離が行われるようになる。ダミー基板2は、主面2aに精度の高い平坦化処理が施されており、ダイシング処理が施されることによって主面2aに傷が生じてその補修等が必要となったり使い回しができなくなってしまう問題があったが、かかる不都合も解消されるようになる。なお、薄膜積層回路体分離工程s−14は、例えば後述するベース基板5に対する実装工程s−16の直前おいて実施するようにしてもよい。
回路モジュール体1の製造工程においては、上述した各工程を経て製作された薄膜積層回路体4を実装する図28に示すベース基板5が供給される。ベース基板5については、周知の多層配線基板形成工程によって形成されることからその製造工程の詳細を省略するが、有機多層基板や無機基板或いは複合基板上に多層の配線層を形成してなる。ベース基板5には、上述したように信号配線パターン6、電源配線パターン7、グランドパターン8及び配線パターン104が多層に形成されるとともに、各層の配線パターン間を適宜層間接続するビア9が形成されている。ベース基板5には、主面5aに多数の実装用端子11が形成されかつ主面5bに多数の接続用端子部14が形成されている。ベース基板5には、主面5aに各実装用端子11を露出させてソルダレジスト層10が形成され、主面5b上に接続用端子部14を露出させてソルダレジスト層13が形成されている。
回路モジュール体1の製造工程においては、ベース基板5に対して薄膜積層回路体4を実装するためにはんだバンプ形成工程s−15が施される。はんだバンプ形成工程s−15は、はんだ印刷工程と、リフロー工程とを有している。
はんだ印刷工程は、図29に示すようにベース基板5の主面5a上、詳細にはソルダレジスト層10上にメタルマスク61を密着状態で設置した後に、はんだペースト62をスキージ63によってスキージングする工程である。はんだ印刷工程においては、ベース基板5のソルダレジスト層10に形成した各開口部10aから外方に臨ませられた各実装用端子11に対応して多数個の開口部64が形成されたメタルマスク61が用いられる。はんだ印刷工程においては、メタルマスク61の主面上にはんだペースト62を供給するとともに、メタルマスク61の主面に沿ってスキージ63を同図矢印で示すようにスキージングさせる。はんだ印刷工程においては、これによってはんだペースト62を開口部64内に充填させて、実装用端子11上にメタルマスク61の厚みに対応したはんだペースト層を形成する。
リフロー工程は、はんだ印刷を施したベース基板5に対してリフローはんだ処理を施すことにより、各実装用端子11上に印刷されたはんだペースト62を溶融、固化させる工程である。はんだペースト62は、表面張力によって図30に示すようにソルダレジスト層10の開口部10aからそれぞれ略半球状に盛り上がった状態で固化してはんだバンプ12を形成する。
なお、はんだバンプ形成工程s−15については、上述した工程に限定されず、例えばめっき法等によってはんだバンプ12を形成することも可能である。また、はんだバンプ形成工程s−15は、例えば真空印刷機や圧入印刷機を用いることによってさらに高精度に位置決めしたはんだバンプ12の形成が可能となる。
アンダフィル層形成工程s−16は、ベース基板5のソルダレジスト層10上にアンダフィル材を塗布してアンダフィル層27を形成する工程である。アンダフィル層27は、詳細には薄膜積層回路体4を実装する薄膜積層回路体実装領域105に形成される第1アンダフィル層27aと、薄膜積層回路体実装領域105に近接した位置で層内実装部品100を実装する層内実装部品実装領域106に形成される第2アンダフィル層27bとからなる。アンダフィル層27は、それぞれフラックス成分を含有させた半溶融状態のエポキシ系樹脂を、図31に示すように各実装用端子11上に形成したはんだバンプ12の周辺部位にディスペンサ等により適当量を塗布して形成される。
回路モジュール体1の製造工程においては、ベース基板5に対して供給した薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを実装する薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17が行われる。薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17においては、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とがベース基板5に対して、適宜の位置決め実装手段を用いて相対する各はんだバンプ12と層内実装部品100と各実装接続ランド24とを位置合わせされて組み合わせが行われる。薄膜積層回路体4と層内実装部品100は、半溶融のアンダフィル層27によってそれぞれベース基板5上に仮保持される。
なお、ベース基板5は、薄膜積層回路体実装領域105に形成した各実装用端子11と層内実装部品実装領域106に形成した各実装用端子11とが、配線層内の配線パターン104によって適宜接続されている。ベース基板5は、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを近接した薄膜積層回路体実装領域105と層内実装部品実装領域106とに実装することで、配線パターン104の線路長の短縮化って線路抵抗或いは内外からの電磁波妨害ノイズを低減する構造となっている。なお、配線パターン104は、内層ばかりでなく主面5aに形成して両端部にそれぞれ実装用端子部を一体に形成して構成するようにしてもよいことは勿論である。配線パターン104は、この場合に実装用端子部を除いてソルダレジスト層10によって被覆されるようにする。
薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17においては、例えば図示しない熱圧着装置等を用いて、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを押さえ付けながらアンダフィル層27を加熱して硬化させることにより、ベース基板5の薄膜積層回路体実装領域105と層内実装部品実装領域106に対して薄膜積層回路体4と層内実装部品100とをそれぞれ固定する。薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17においては、熱圧着装置が、ベース基板5に対して薄膜積層回路体4を押圧しながら240℃〜260℃程度に加熱することによって、はんだバンプ12を溶融させる。
薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17においては、図32に示すようにベース基板5側の各実装用端子11と薄膜積層回路体4側の各実装接続ランド24及び層内実装部品100の実装接続ランドとの間においてはんだバンプ12がそれぞれ溶融、固化することにより、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを電気的かつ機械的に結合して実装する。薄膜積層回路体4と層内実装部品100は、アンダフィル層27のフラックス成分によって、各実装用端子11と各実装接続ランド24との間で良好なはんだ付けが行われるようになる。回路モジュール体1は、実装接続ランド24や実装接続ランド24或いは実装接続ランドが表面をはんだの濡れ性が良好でかつ防錆に優れた金層で形成されていることから、はんだ特性の向上が図られるとともに高信頼性を保持して薄膜積層回路体4と層内実装部品100とをベース基板5上に実装する。
なお、薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17は、上述した熱圧着装置を用いた実装方法ばかりでなく、半導体チップ等の実装方法として一般採用されている例えばリフローはんだ法、フリップチップボンディング法、TAB(Tape Automated Bonding)法やビームリードボンディング法等のフェースダウン実装法等によって薄膜積層回路体4及び層内実装部品100をベース基板5に実装するようにしてもよい。
封止材層形成工程s−18は、図33に示すように薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを外方に露出させてベース基板5上に封止材層101を形成する工程である。封止材層101は、絶縁性を有する合成樹脂材等によって形成されるが、熱変形により主面5aとの接合部位にクラックや剥離が生じないようにするためにベース基板5と線膨張率がほぼ同等の材料によって形成することが好ましい。したがって、封止材層101は、ベース基板5と同等の例えばガラスエポキシ、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ビスマレイトトリアジン、液晶ポリマー或いはポリテトラフルオロエチレン等を基材とする有機材料や、アルミナ、ガラスセラミック等の無機材或いはこれら有機材料と無機材料との複合材によって形成される。
封止材層101は、上述した材料を用いて、薄膜積層回路体4や層内実装部品100の厚みよりもやや大きな厚みを有し、ベース基板5とほぼ同等の外形に形成される。封止材層101は、薄膜積層回路体実装領域105と層内実装部品実装領域106とに対応した部位に切欠き101aが形成される。なお、封止材層101は、後工程で積層プレート103がプレス加工されるために、半硬化状態で形成されることが好ましい。
積層プレート積層工程s−19は、封止材層101上に切欠き101aを閉塞するようにして積層プレート103を積層することによって、ベース基板5上に中空部102を形成する工程である。積層プレート103も、ベース基板5や封止材層101との相性を良好とするために、これらベース基板5や封止材層101と同一材料によってベース基板5とほぼ同等の外形を有する薄厚のプレート状に形成される。積層プレート103は、封止材層101上に積層された状態で例えば真空プレス機によって加熱・加圧処理を施すことによって封止材層101が硬化されることで一体化され、ベース基板5と封止材層101とによって内層に中空部102を有する一種の多層配線基板を構成する。
回路モジュール体1の製造工程は、上述した各工程を経て、ベース基板5と封止材層101と積層プレート103とが一体化され、内部に構成された中空部102に薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを封装した図1に示す回路モジュール体1を製造する。回路モジュール体1は、中空部102内に封装された薄膜積層回路体4や層内実装部品100が極めて微小な部品であり、全体として薄型で形成される。
回路モジュール体1は、層内に埋設できない層内実装部品100を中空部102内に実装し、しかもその付帯回路体を中空部102内に近接して実装した薄膜積層回路体4によって構成する。したがって、回路モジュール体1は、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とを接続する配線パターン104の短縮化が図られることにより、電気的特性の向上が図られる。回路モジュール体1は、必要に応じて中空部102内に複数の薄膜積層回路体4を実装するようにしてもよい。回路モジュール体1は、この場合に各薄膜積層回路体4が全て層内実装部品100の付帯回路体を構成する必要はなく、他の適宜の機能を有する回路体であってもよい。
なお、回路モジュール体1においては、封止材層形成工程s−18と積層プレート積層工程s−19とにより、ベース基板5上に封止材層101を形成するとともに、この封止材層101の切欠き101aを閉塞するようにして積層プレート103を積層することによって中空部102を構成したが、かかる構成に限定されるものでは無い。回路モジュール体1は、接着剤層の厚みが必要となるが、例えば中空部102を有する封止部材を成形してベース基板5に組み合わせて接着剤により接合するようにしてもよい。
本発明の第2の実施の形態として図34に示した回路モジュール体200は、第2の薄膜積層回路体201を封止材層101内に埋設した構成に特徴を有している。なお、回路モジュール体200は、その他の構成を上述した回路モジュール体1と同等とすることから対応する部位に同一符号を付すことにより説明を省略する。第2の薄膜積層回路体201も、上述した薄膜積層回路体4の製造工程と同一工程によって製作される。回路モジュール体200は、ベース基板5に対して第2の薄膜積層回路体201を、上述した薄膜積層回路体・層内実装部品実装工程s−17において、薄膜積層回路体4と層内実装部品100とともに主面5a上に同時に実装する。
回路モジュール体200は、第2の薄膜積層回路体201が、全体の厚みを50um〜100um程度の極めて薄厚に形成されることから、ベース基板5と封止材層101との間に介在しても全体の厚みを大きくすることは無い。回路モジュール体200は、第2の薄膜積層回路体201が層内実装部品100の第2の付帯回路体を構成するようにしてもよく、また全く異なる機能の回路体を構成するようにしてもよい。回路モジュール体200は、複数の薄膜積層回路体4、201を備えることによって、さらに多機能化が図られるようになる。なお、回路モジュール体200は、封止材層101内に複数の薄膜積層回路体201を埋設するようにしてもよい。
本発明の第3の実施の形態として図35に示した回路モジュール体300は、ベース基板301の第2の主面301b側に、各種の表面実装部品と同様にして所定の機能を有する第3薄膜積層回路体302を実装した構成に特徴を有している。なお、回路モジュール体300は、その他の構成を上述した回路モジュール体1と同等とすることから対応する部位に同一符号を付すことにより説明を省略する。回路モジュール体300は、ベース基板301が上述したベース基板5と同様に構成され、第2の主面301b側にマザー基板303等に実装するための接続用端子部14が形成されているが、この第2の主面301bに詳細を省略するが第3薄膜積層回路体302を実装するための実装用端子部304が形成される。
回路モジュール体300は、ベース基板301に対して第3薄膜積層回路体302を、上述した薄膜積層回路体・層内部品実装工程s−17と同様の工程によって第2の主面301b上に実装する。回路モジュール体300は、第3薄膜積層回路体302を実装した第2の主面301bを実装面としてマザー基板303に実装される。回路モジュール体300は、第3薄膜積層回路体302が極めて薄厚に形成されることから、第2の主面301bにさほど大きな凹凸を生じさせることは無い。回路モジュール体300は、例えばはんだバンプ形成工程やアンダフィル層形成工程が精度よく実施される。
なお、回路モジュール体300は、第2の主面301bに複数の第3薄膜積層回路体302を実装するようにしてもよく、また上述した回路モジュール体200のように封止材層101内に第2の薄膜積層回路体201を埋設するようにしてもよい。
1 回路モジュール体、2 ダミー基板、3 剥離層、4 薄膜積層回路体、5 ベース基板、6 信号配線パターン、7 電源配線パターン、8 グランドパターン、9 ビア、10 ソルダレジスト層、11 実装用端子部、12 半田バンプ、13 ソルダレジスト層、14 接続用端子部、15 第1絶縁層、16 第2絶縁層、17 第3絶縁層、18 第1配線層、19 第2配線層、20 第3配線層、21 キャパシタ素子、22 レジスタ素子、23 インダクタ素子、24 実装接続ランド、25 ソルダレジスト層、26 外部電極、27 アンダフィル層、28 第1ビア、29 第2ビア、30 第3ビア、31 保持フィルム材、32 スリット、34 フォルダ部材、35 剥離治具、36 第1金属膜、37 第2金属膜、38 保護樹脂層、40 第1分離スリット、41 シードメタル層、42 めっきレジスト層、43 銅めっき層、45 第2分離スリット、48 誘電体、49 抵抗体、52 第3分離スリット、54 第4分離スリット、55 第5分離スリット、56 第1中間体、57 分離スリット、58 剥離槽、59 剥離液、60 第2中間体、61 メタルマスク、62 はんだペースト、64 開口部、100 層内実装部品、101 封止材層、102 中空部、103 積層プレート、104 配線パターン、105 薄膜積層回路体実装領域、106 層内実装部品実装領域、200 回路モジュール体、201 第2の薄膜積層回路体、300 回路モジュール体、301 ベース基板、302 第3の薄膜積層回路体、303 マザー基板
Claims (7)
- 配線層が形成されたベース基板の主面上に、実装用端子部を介して実装した層内実装部品を封止材層に形成した中空部内に封装してなる回路モジュール体において、
薄膜形成技術により多層の配線層や薄膜素子或いは機能素子を有する上記層内実装部品の付帯回路部及び実装接続ランドを形成した薄膜積層回路体を備え、
上記実装接続ランドを上記実装用端子部に接続して上記ベース基板の主面上に実装される上記薄膜積層回路体が、上記封止材層の上記中空部内に上記層内実装部品とともに封装されることを特徴とする回路モジュール体。 - 上記層内実装部品が、ベアチップ、弾性表面波素子或いは微小電子機械部品(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)であり、
上記薄膜積層回路体が、ダミー基板の主面上に形成した剥離層上に薄膜素子や機能素子を作り込んだ多層の配線層や実装接続ランドを薄膜形成技術によって形成し、上記剥離層介して上記ダミー基板から剥離した薄膜積層回路体であり、
上記ベース基板に形成した配線層を介して接続されることを特徴とする請求項1に記載の回路モジュール体。 - 複数の上記薄膜積層回路体を備え、少なくとも1個の上記薄膜積層回路体が上記中空部内に封装されるとともに、他の少なくとも1個の上記薄膜積層回路体が上記ベース基板の主面上に形成した絶縁樹脂層内に埋設されることを特徴とする請求項1に記載の回路モジュール体。
- 複数の上記薄膜積層回路体を備え、少なくとも1個の上記薄膜積層回路体が上記中空部内に封装されるとともに、他の少なくとも1個の上記薄膜積層回路体が上記ベース基板の相対する他方の主面上に実装されて層間配線によって上記層内実装部品と接続されることを特徴とする請求項1に記載の回路モジュール体。
- 配線層が形成されたベース基板の主面上に、実装用端子部を介して層内実装部品とこの層内実装部品の付帯回路部を構成する薄膜積層回路体とを実装するとともに、これら層内実装部品と薄膜積層回路体とを封止材層の中空部内に封装してなる回路モジュール体の製造方法であり、
ダミー基板の平坦化された主面上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、上記剥離層上に薄膜形成技術により絶縁層を介して多層の配線層や薄膜素子或いは機能素子を有する上記層内実装部品の付帯回路部及び実装接続ランドを形成する薄膜回路層形成工程と、上記剥離層を溶解する剥離溶液中に浸漬して上記各薄膜積層回路体を上記ダミー基板から剥離する薄膜積層回路体剥離工程とを経て上記薄膜積層回路体を製作する工程と、
主面上に実装用端子部を形成した上記ベース基板に対して、上記層内実装部品と上記薄膜積層回路体とを実装する工程と、
上記ベース基板の主面上に、上記層内実装部品と上記薄膜積層回路体とを中空部内に封装して封止材層を形成する工程と
を有することを特徴とする回路モジュール体の製造方法。 - 上記層内実装部品が、ベアチップ、弾性表面波素子或いは微小電子機械部品(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)であり、上記ベース基板の主面上に表面実装技術により実装されることを特徴とする請求項5に記載の回路モジュール体の製造方法。
- 上記薄膜積層回路体の実装工程が、複数の上記薄膜積層回路体を供給して、上記ベース基板に対して、少なくとも1個の第1薄膜積層回路体を上記層内実装部品に隣り合って実装するとともに他の少なくとも1個の第2薄膜積層回路体を上記層内実装部品と離間した位置に実装する工程であり、
上記封止材層の形成工程が、上記第1薄膜積層回路体を上記薄膜積層回路体とともに上記中空部内に封装するとともに、上記第2薄膜積層回路体を層内に埋設する工程であることを特徴とする請求項5に記載の回路モジュール体の製造方法。
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