JP2006017469A - 圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法 - Google Patents

圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006017469A
JP2006017469A JP2004192860A JP2004192860A JP2006017469A JP 2006017469 A JP2006017469 A JP 2006017469A JP 2004192860 A JP2004192860 A JP 2004192860A JP 2004192860 A JP2004192860 A JP 2004192860A JP 2006017469 A JP2006017469 A JP 2006017469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
vibration
vibrator
adjusting
tuning fork
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004192860A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4309814B2 (ja
Inventor
Koichi Shuda
浩一 習田
Akiko Oshima
亜希子 大島
Mitsuharu Chiba
光晴 千葉
Takeshi Mizuno
豪 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Tokin Corp filed Critical NEC Tokin Corp
Priority to JP2004192860A priority Critical patent/JP4309814B2/ja
Publication of JP2006017469A publication Critical patent/JP2006017469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4309814B2 publication Critical patent/JP4309814B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract


【課題】 圧電体またはその支持体に加工を施さず、低コストで、高精度な圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法を提供する。
【解決手段】 圧電振動ジャイロ用振動子には、電極を振動子の1側面だけで構成できる単結晶の音叉形振動子を採用し、駆動電極、検出電極および基準電位電極が配置された面に対向する面に、予め周波数調整用電極20が全面に形成されており、この周波数調整用電極20は基準電位またはグランドに接続される。さらにレーザトリミング等によりその周波数調整用電極20の一部を分離して浮遊電極となる分割電極41を形成し、この分割電極41の位置と形状を調整することで、音叉振動および面外振動の共振周波数をそれぞれ選択的に調整する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、主として自動車のナビゲーションシステムや姿勢制御装置、カメラー体型VTRの手振れ防止装置等に用いられるジャイロスコープ用の圧電振動ジャイロの製造工程での圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法に関するものである。
振動ジャイロは、速度を持つ物体に角速度が与えられると、その物体自身に速度方向と直角な方向にコリオリ力が発生するという力学現象を利用した角速度センサである。電気的な信号を印加することで機械的な振動(駆動モード)を励起させることができ、かつ、駆動振動と直交する方向の機械的な振動(検出モード)の大きさを電気的に検出可能とした系において、予め、駆動モードを励振した状態で、駆動モードの振動面と検出モードの振動面との交線と平行な軸を中心とした角速度を与えると、前述のコリオリ力の作用により、検出モードが発生し、出力電圧として検出される。検出された出力電圧は駆動モードの大きさ及び角速度に比例するため、駆動モードの大きさを一定にした状態では、出力電圧の大きさから角速度の大きさを求めることができる。振動ジャイロの中でも、電気的信号と機械的振動の変換を圧電効果で行うものを圧電振動ジャイロと呼ぶ。
小型で安価な圧電振動ジャイロは、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の手振れ検出用センサとして広く一般に利用されている。近年、これら携帯用デジタル機器の小型化、機能の高集積化が益々進められるに伴い、圧電振動ジャイロヘの更なる小型化の要求も高まってきた。しかしながら、圧電振動ジャイロの小型化を図る上で、振動子の加工精度、組み立て精度のばらつきの相対的な増加に対し効率の良い補正手段を考える必要が生じている。これらのばらつきは、振動子の駆動と検出モードの共振周波数差(以下、Δfとし、本文ではΔf=駆動モードの共振周波数−検出モードの共振周波数、と定義する)のばらつきに影響を与え、Δfのばらつきは、圧電振動ジャイロの感度のばらつきに影響を与える。
これまでこうした振動子の加工精度、組み立て精度のばらつきは、振動子を組み立てた後、Δfを機械的加工等で調整し、所定の特性を満足させてきた。そのような音叉形振動子の調整方法として、例えば特許文献1に開示された技術がある。図6(b)にその音叉形振動子の正面図を示した。単結晶の矩形板ベース300に同じ材料、同じ厚みの音叉アーム301および302が接続された単結晶音叉形振動子を構成し、さらにセラミック支持基板311に接着剤を用いて接続した構成である。図6(a)は、セラミック支持基板長dと音叉形振動子のfxモード(後述する本発明の音叉振動モードに対応)とfyモード(後述する本発明の面外振動モードに対応)の共振周波数の関係を示している。fxモードは、支持特性が良好で支持基板へ振動漏れが無い。したがって、fxモードの共振周波数は、支持基板長dに依存しない。しかし、fyモードは、捩れ振動が支持基板へ漏れるため、支持基板長dに大きく依存する。その結果、支持基板長dの調整によって、ΔfおよびfyモードのQ値を調節することが可能となる。その他の効果としては、音叉形振動子のベースにセラミック支持基板を接続することにより、振動子の長さ方向の軸に関してモーメントを大きくすることができ、fyモードの捩れ振動を抑圧し、fyモードの支持を容易にする効果も期待できる。
また音片形振動子の調整方法として、振動子表裏の電極が配置されている主面に対して切削加工を施し、Δfおよび振動方向を調整する技術が、例えば、特許文献2に開示されている。図7は、その振動子の形状および電極構成を示す斜視図である。厚み方向に互いに逆向きに分極されている圧電セラミクス矩形板105と104が中間電極103を挟み込んで積層されバイモルフ型の振動子101が構成され、振動子101の一方の主面には、振動子101の長手方向に関して2分割された駆動兼検出電極102aおよび102bが配置され、他方の主面には基準電位電極106が配置されている。振動子101は、屈曲振動のノード点付近でワイヤ108で支持され、振動ジャイロ100が構成されている。振動子の2つの主面に対し、位置107に切削加工を施し、駆動振動モードである振動子101の主面にほぼ垂直な屈曲振動モードの共振周波数を低下させると共に、振動の方向を調整することができる。この切削加工を何度か繰り返し、Δfの適正値に調整し、同時に出力バランスも調整する。
特開平8−313265号公報 特許第3285140号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、セラミック支持基板の長さの調整やスリットを形成すること等でΔf調整を行い、音叉形振動子とセラミック支持基板を接続する工程が必要となりコストアップや接着剤層の管理の難しさから歩留まり低下が懸念される。
特許文献2の技術では、振動子の主面に対して、切削加工を施し、Δfと同時に振動の方向を調整する。しかし、調整の際に、本来必要とされる電極に対しても切削加工を行うため、電極の励振効率が劣化し、感度ばらつきの原因となる。
そこで、本発明は、圧電体またはその支持体には加工を施さず、低コストで、高精度な圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の圧電振動ジャイロ用振動子には、電極を振動子の1側面だけで構成できる単結晶の音叉形振動子を採用し、駆動、検出および基準電位の電極が配置されていない他方の主面に対し、Δfを調整するための周波数調整用電極を形成する。この周波数調整用電極に対して任意のトリミングを行ってΔfを調節しても、振動子の駆動・検出効率の変化はなく、圧電振動ジャイロの特性を劣化させることのない圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法を提供する。
すなわち、第1の発明の圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法は、第1および第2のアームと前記アームを接続したベースが圧電単結晶にて一体的に形成され、前記第1、第2のアームおよび前記ベースの1つの主面のみに駆動用および検出用の電極が形成された音叉形振動子を具備し、振動モードの1つである音叉振動と前記音叉振動に直交した面外振動とを励振および検出する音叉形圧電振動ジャイロの製造工程で、前記主面と対向する他の主面には、予め周波数調整用電極が形成されており、前記周波数調整用電極の一部の領域をトリミングにより分割して浮遊電極となる分割電極を形成することで、前記音叉振動と前記面外振動との共振周波数差を調整することを特徴とする。
第2の発明の圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法は、第1の発明において、前記音叉振動による前記分割電極の表面に発生する電荷がほぼ零となるか、または正負の電荷が打ち消し合うことで総和がほぼ零となるように、かつ、前記面外振動による発生電荷および前記周波数調整用電極と分割電極の間の静電容量が所望の周波数調整量に対応するように前記分割電極の位置と形状を調整することで前記面外振動の共振周波数を選択的に高める調整を行うことを特徴とする。
第3の発明の圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法は、第1の発明において、前記面外振動により前記分割電極の表面に発生する電荷がほぼ零となるか、または正負の電荷が打ち消し合うことで総和がほぼ零となるように、かつ、前記音叉振動による発生電荷および前記周波数調整用電極と分割電極の間の静電容量が所望の周波数調整量に対応するように前記分割電極の位置と形状を調整することで、前記音叉振動の共振周波数を選択的に高める調整を行うことを特徴とする。
まず、第1の発明の調整方法により、圧電振動ジャイロの駆動および検出効率に寄与する電極は、周波数調整用電極が形成された面には配置されておらず、従来の電極を避けながら行う調整とは異なり、自由度の高い調整を行うことが可能である。従来の調整方法のように、振動子の電極に欠損部を生じることも無く、振動子の励振・検出効率は、調整前後で変化しない。したがって、Δfの調整量の大小に関わらず適切な調整を行った後の振動子の特性には、ばらつきが非常に小さくなり、感度のばらつきを抑え、回路側への負担を軽減できる。
第2の発明の調整方法では、レーザ加工等により分割電極を形成する際、分割電極と音叉振動の電気機械結合を小さく、分割電極と面外振動の電気機械結合を所望の大きさになるようにトリミングを行う。その結果、分割電極と周波数調整用電極間の静電容量が、音叉振動の共振周波数に影響を与えず、面外振動の共振周波数のみを選択的に高くすることが可能となる。分割電極と周波数調整用電極間の静電容量の影響により容量比は若干劣化するが、力係数が変化することはないため、本質的には問題ない。
第3の発明の調整方法では、レーザ加工等により分割電極を形成する際、分割電極と面外振動の電気機械結合を小さく、分割電極と音叉振動の電気機械結合を所望の大きさになるようにトリミングを行う。その結果、分割電極と周波数調整用電極間の静電容量が、面外振動の共振周波数に影響を与えず、音叉振動の共振周波数のみを選択的に高くすることが可能となる。
全体として上記の解決手段を用いる本発明によれば、周波数調整用電極に対して任意のトリミングを行うことが可能である。音叉振動および面外振動の共振周波数をそれぞれ独立に調整することが可能であり、Δfを正負の両方向に調節することが可能である。また、調整前後での実質的な振動子の駆動・検出効率の変化はなく、圧電振動ジャイロの特性を劣化させることはない。さらに、圧電体そのものには加工を施さず、電極のみをレーザ等でトリミングするだけでΔfを調整できるため、機械的な調整に比べて小さなエネルギーで容易に高精度な調整を行うことが可能である。すなわち、本発明の効果は、振動子の大幅な小型化を図った場合においても、生産性が高く、ばらつきの小さい圧電振動ジャイロ用音叉形振動子の調整方法を提供することができることである。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、音叉形圧電振動ジャイロの基本的な動作原理について説明する。図1は、本発明での音叉形圧電振動ジャイロ用振動子の振動モードを示し、図1(a)は音叉振動モードを示す斜視図、図1(b)は面外振動モードを示す斜視図である。このような音叉形の圧電体に、図1(a)および図1(b)の振動モードに結合した電極を配置し、励振および検出可能な音叉形圧電振動子を構成する。このとき音叉振動モードの共振周波数に近い周波数の駆動信号を電極に印加し、音叉振動モードを励振する。その状態で、振動子の長さ方向の軸に角速度を加えると、振動子には、角速度に比例したコリオリ力が働き、面外振動モードを生じる。この面外振動モードによって生じる電気信号を電極から取り出せば、角速度に比例した電気信号が得られ、圧電振動ジャイロとして機能させることができる。本実施の形態では、駆動モードに音叉振動モードを、検出モードに面外振動モードを利用しているが、これらを入れ替えて、駆動モードに面外振動モードを、検出モードに音叉振動モードを利用することも可能である。
本発明の一実施の形態における圧電振動ジャイロ用振動子としての、音叉形振動子の斜視図を図2に示す。この音叉形振動子の寸法は、全長7mm、幅1.12mm、厚み0.4mm、音叉アーム長さ4mm、音叉アーム幅0.35mmであり、音叉振動モードおよび面外振動モードの共振周波数は、約20kHzであり、平行で左右対称に配置された2本のアーム2および3とそれらを接続したベース1の圧電体を形成している。アーム2には、アーム2の長手方向と平行に駆動電極6とその左右に検出電極10および基準電位電極9を配置している。同様に、アーム3には、アーム3の長手方向と平行に駆動電極5とその左右に検出電極7および基準電位電極8を配置している。さらに、これらの電極の面に対向する主面(裏面)に一様なベタ電極を形成し、周波数調整用電極20としている。ただし、この周波数調整用電極20は主面の全面に形成する必要はなく、一般には電荷が集中する部分を覆うような広い面に形成し、基準電位またはグランドに接続することで、周波数調整を行う。
ここで用いた圧電体は、振動子の長手方向を、その結晶のY軸がX軸に関して40°回転した軸と平行にしたLiTaO圧電単結晶X板、または、振動子の長手方向を結晶のY軸がX軸に関して50°回転した軸と平行にしたLiNbO圧電単結晶X板を使用しており、振動子の幅方向の電界に対して、圧電横効果が大きい。したがって、振動子の幅方向に電界を印加することで、振動子の長手方向に歪を生じさせ、アームを屈曲させることができる。
図3は、図1の音叉形振動子の振動モードの励振および検出の様子を示す断面図である。駆動電極6と検出電極10および基準電位電極9の間に駆動電圧を印加することで、図3(a)のような電界が発生する。その結果、駆動電極6の左右では、逆向きの電界となるため、一方では長さ方向に伸び、もう一方では長さ方向に縮むこととなる。したがって、音叉振動モードを駆動電極6により励振することができる。
同様に、駆動電極5と検出電極7および基準電位電極8の聞に駆動電極6に加えた電圧と逆位相の電圧を印加することで、音叉振動モードを2倍の効率で励振することができる。次に、アームの長手方向の軸に角速度を加えると、図3(b)のようにコリオリ力による面外振動モードが生じる。この振動は、振動子の面と垂直方向に左右のアームが逆向きに振動する。この振動の検出には、検出電極10と基準電位電極9および検出電極7と基準電位電極8の間の信号差として検出することができる。なお、図3に示した通り、面外振動モードによって生じる検出電極7と検出電極10の信号は、同振幅、同位相である。なお、上記の説明では、駆動モードに音叉振動モードを、検出モードに面外振動モードを利用して、圧電振動ジャイロを構成する場合について説明したが、駆動モードと検出モードを入れ替えた場合にも同様に使用することができる。
図4は、本発明の一実施の形態における周波数調整方法について示したものである。図4(a)は、音叉振動において周波数調整用電極の表面に現れる電荷分布の概略図であり、図4(b)は、面外振動において周波数調整用電極表面に現れる電荷分布の概略図である。図4(a)および図4(b)から明らかなように、音叉振動の電荷分布は、それぞれのアームで幅方向に3つの領域に分かれており、中央とその両端の領域で極性が反転し、さらに、左右のアームで互いに分布の極性が反転している。面外振動の電荷分布は、それぞれのアームの左右両端に振動子の長さ方向に沿って分布しており、振動子内側2つの領域と外側2つの領域で極性が反転する。
以上の電荷分布に基づき、本発明の圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法において、周波数調整を行うための分割電極の形成例を、図4(c)、図4(d)に示す。図4(c)中のAおよびBの領域は、アームの幅を2分割するように形成されている。図4(a)の音叉振動の電荷分布では、正負の電荷が互いに相殺され、総和としては、ほぼ零となる。しかし、図4(b)の面外振動の電荷分布では、正負どちらかの電荷しか存在しない。従って、図4(c)のAおよびBの領域をレーザトリミング等により切り離し、すなわち、破線で示した長方形の一辺に沿う分離線42に沿ってトリミングを行い、中央の部分から分離して浮遊電極となる分割電極41を形成することで、AおよびBの分割電極41は、面外振動への電気機械結合を持つが、音叉振動への電気機械結合は持たない電極となる。このAおよびBの分割電極41を中央部の周波数調整用電極20と電気的に絶縁し、開放状態とすることで、面外振動の等価回路定数の直列容量を小さくし、面外振動の共振周波数のみを選択的に高くすることができる。また、周波数調整用電極20と分割電極41の静電容量を調整することによって、所望の周波数調整量を得ることができる。
同様に、図4(d)中のA’およびB’の領域は、面外振動の電荷分布では、ほぼ電荷が分布していない。しかし、音叉振動の電荷分布では、正負どちらかの電荷のみが存在する。従って、図4(d)のA’およびB’の領域をレーザトリミング等により切り離し、分割電極41とすることで、A’およびB’の分割電極41は、音叉振動への電気機械結合を持つが、面外振動への電気機械結合は持たない電極となる。このA’およびB’の分割電極41を周波数調整用電極20と電気的に絶縁し、開放状態とすることで、音叉振動の等価回路定数の直列容量を小さくし、音叉振動の共振周波数のみを選択的に高くすることができる。また、周波数調整用電極20と分割電極41の静電容量を調整することによって、所望の周波数調整量を得ることができる。
以上の方法で周波数調整を行った場合の周波数変化量を有限要素法による解析で求め、図5に示した。図5(a)は、AおよびBの分割電極をそれぞれ形成した場合とAとBの分割電極を同時に形成した場合の共振周波数の変化量を示している。AとBの分割電極の効果は、ほぼ同じであり、面外振動の共振周波数を約1200ppm高くすることができる。また、AとBを同時に形成することで効果は2倍となる。さらに、音叉振動の共振周波数の変化量は、20ppm以下である。同様に、図5(b)は、A’およびB’の分割電極をそれぞれ形成した場合とA’とB’の分割電極を同時に形成した場合の共振周波数の変化量を示している。A’とB’の分割電極の効果は、ほぼ同じであり、音叉振動の共振周波数を約1400ppm高くすることができる。また、A’とB’を同時に形成することで効果は2倍となる。さらに、面外振動の共振周波数の変化量は、3ppm以下である。上記の分割電極は、調整方法の一例であり、さらに電荷分布の集中している部分に限定した分割電極を形成することで、より大きく周波数を変化させることが可能である。
すなわち、本発明によれば、周波数調整用電極に対して任意のトリミングを行うことが可能である。音叉振動および面外振動の共振周波数をそれぞれ独立に調整することが可能であり、Δfを正負の両方向に調節することが可能である。また、調整前後での実質的な振動子の駆動・検出効率の変化はなく、圧電振動ジャイロの特性を劣化させることはない。さらに、電極のみをレーザ等で切り出すだけでΔfを調整できるため、機械的な調整に比べて小さなエネルギーで容易に高精度な調整を行うことが可能である。従って、本発明により、振動子の大幅な小型化を図った場合においても、生産性が高く、ばらつきの小さい圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法を提供することができる。
本発明の圧電振動ジャイロの振動モードを示し、図1(a)は音叉振動モードを示す斜視図、図1(b)は面外振動モードを示す斜視図。 本発明の一実施の形態における音叉形振動子の斜視図。 本発明の一実施の形態における音叉形振動子の振動モードの励振および検出の様子を示し、図3(a)は音叉振動モードに係る断面図、図3(b)は面外振動モードに係る断面図。 本発明の共振周波数の調整方法を示し、図4(a)は、音叉振動において周波数調整用電極の表面に現れる電荷分布の概略図、図4(b)は、面外振動において周波数調整用電極表面に現れる電荷分布の概略図、図4(c)は第1の分割電極の形成例を示す図、図4(d)は第2の分割電極の形成例を示す図。 本発明における周波数変化量を示し、図5(a)はAおよびBの分割電極に係る場合の図、図5(b)は、A’およびB’の分割電極に係る場合の図。 従来技術による音叉形振動子の調整方法を示し、図6(a)は支持基板長に対する共振周波数特性のグラフ、図6(b)は振動子の正面図。 従来例の振動子の斜視図。
符号の説明
1 ベース
2,3 アーム
5,6 駆動電極
7,10 検出電極
8,9 基準電位電極
20 周波数調整用電極
41 分割電極
42 分離線

Claims (3)

  1. 第1および第2のアームと前記アームを接続したベースが圧電単結晶にて一体的に形成され、前記第1、第2のアームおよび前記ベースの1つの主面のみに駆動用および検出用の電極が形成された音叉形振動子を具備し、振動モードの1つの音叉振動と前記音叉振動に直交した面外振動とを励振および検出する音叉形圧電振動ジャイロの製造工程で、前記主面と対向する他の主面には、予め周波数調整用電極が形成されており、前記周波数調整用電極の一部の領域をトリミングにより分割して浮遊電極となる分割電極を形成することで、前記音叉振動と前記面外振動との共振周波数差を調整することを特徴とする圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法。
  2. 請求項1記載の圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法において、前記音叉振動による前記分割電極の表面に発生する電荷がほぼ零となるか、または正負の電荷が打ち消し合うことで総和がほぼ零となるように、かつ、前記面外振動による発生電荷および前記周波数調整用電極と分割電極の間の静電容量が所望の周波数調整量に対応するように前記分割電極の位置と形状を調整することで前記面外振動の共振周波数を選択的に高める調整を行うことを特徴とする圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法。
  3. 請求項1記載の圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法において、前記面外振動により前記分割電極の表面に発生する電荷がほぼ零となるか、または正負の電荷が打ち消し合うことで総和がほぼ零となるように、かつ、前記音叉振動による発生電荷および前記周波数調整用電極と分割電極の間の静電容量が所望の周波数調整量に対応するように前記分割電極の位置と形状を調整することで、前記音叉振動の共振周波数を選択的に高める調整を行うことを特徴とする圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法。
JP2004192860A 2004-06-30 2004-06-30 圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法 Expired - Fee Related JP4309814B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192860A JP4309814B2 (ja) 2004-06-30 2004-06-30 圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004192860A JP4309814B2 (ja) 2004-06-30 2004-06-30 圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006017469A true JP2006017469A (ja) 2006-01-19
JP4309814B2 JP4309814B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=35791909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004192860A Expired - Fee Related JP4309814B2 (ja) 2004-06-30 2004-06-30 圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4309814B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103424109A (zh) * 2012-05-23 2013-12-04 精工爱普生株式会社 振动片、振动片的制造方法、角速度传感器、电子设备、移动体
US10001373B2 (en) 2014-10-29 2018-06-19 Seiko Epson Corporation Resonator element, electronic device, electronic apparatus, and moving object

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103424109A (zh) * 2012-05-23 2013-12-04 精工爱普生株式会社 振动片、振动片的制造方法、角速度传感器、电子设备、移动体
US10001373B2 (en) 2014-10-29 2018-06-19 Seiko Epson Corporation Resonator element, electronic device, electronic apparatus, and moving object

Also Published As

Publication number Publication date
JP4309814B2 (ja) 2009-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4702942B2 (ja) 振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロ
EP2012087B1 (en) Vibration gyro
JP3285140B2 (ja) 振動ジャイロの調整方法
JP4911690B2 (ja) 振動ジャイロ用振動子
JP2002228453A (ja) 振動ジャイロおよびその温度ドリフト調整方法
JP5093405B2 (ja) 振動ジャイロ素子
US9217642B2 (en) Vibrating gyroscope that prevents changes in sensitivity
JP4309814B2 (ja) 圧電振動ジャイロ用振動子の調整方法
JP3724403B2 (ja) 振動子およびそれを用いた振動ジャイロおよびそれを用いた電子装置
JP3386320B2 (ja) 振動ジャイロの温度特性調整方法
JP3360478B2 (ja) セラミック圧電複合形角速度センサ
JP3355998B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2005345404A (ja) 圧電振動ジャイロ用振動子及びその製造方法
JP2001133267A (ja) 振動ジャイロ
EP0717263B1 (en) Vibrating gyroscope
JP2009128020A (ja) 音叉型圧電単結晶振動子を用いた圧電振動ジャイロ
US7571648B2 (en) Piezoelectric vibration angular velocity sensor
JP4044547B2 (ja) 圧電振動ジャイロ
JP4044519B2 (ja) 音叉形圧電振動ジャイロ
JP3356012B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2008145325A (ja) 振動ジャイロ
JP3371609B2 (ja) 振動ジャイロ
JPH10239062A (ja) 圧電振動角速度計用振動子及びその製造方法
JP2004279271A (ja) 圧電材料を利用したセンサ及びジャイロセンサ
JP2003166830A (ja) 振動ジャイロおよび振動ジャイロの調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090430

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees