JP2003166830A - 振動ジャイロおよび振動ジャイロの調整方法 - Google Patents

振動ジャイロおよび振動ジャイロの調整方法

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JP2003166830A
JP2003166830A JP2001369180A JP2001369180A JP2003166830A JP 2003166830 A JP2003166830 A JP 2003166830A JP 2001369180 A JP2001369180 A JP 2001369180A JP 2001369180 A JP2001369180 A JP 2001369180A JP 2003166830 A JP2003166830 A JP 2003166830A
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vibration
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Mitsuhiro Yamashita
光洋 山下
Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
Takafumi Koike
隆文 小池
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子を小型化しても振動子の駆動効率を落
とすことなく感度を維持できる振動ジャイロおよび振動
ジャイロの調整方法を提供する。 【解決手段】 柱状の梁部11と支持部12からなる振
動子1を、支持部材21a、21bを介して固定部3で
支持している振動ジャイロにおいて、支持部材21a、
21bは、振動子1の支持部12と固定部3に接合さ
れ、少なくとも振動子1の駆動振動モードにおける振動
子1の質量中心の振動方向に、振動子1が可動となるよ
うに支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオカメ
ラやデジタルスチルカメラの手振れ補正用または、車両
の姿勢制御、進行方位算出などに用いられる角速度検出
用の振動ジャイロおよび振動ジャイロの調整方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、角速度を検出するセンサとして様
々なジャイロスコープ(以下ジャイロという)が開発さ
れている。その種類は大まかに機械式のコマジャイロ、
流体式のガスレートジャイロ、音片・音叉の振動を用い
る振動ジャイロ、光学式の光ファイバジャイロとリング
レーザージャイロに分類される。光学式のジャイロはサ
ニャック効果を、それ以外のものは回転体の角運動量保
存則の表れであるコリオリ力を用いて角速度の検出を行
う。使用用途により精度と価格、寸法等が勘案され、こ
れらの中から適したジャイロが選択される。
【0003】例えば、特許第2780643号公報に、
四角柱音片型の振動ジャイロが開示されている。振動子
には圧電体基板のバイモルフ構造が採用され、圧電体の
主面上に電極が形成されている。片側の面は共通電極と
され、反対側の面の電極は二つに分割されていて、駆動
検出兼用電極とされる。駆動振動の励振は、発振回路か
らの駆動電圧を負荷抵抗を介して駆動検出兼用電極に印
加することで行う。一方、コリオリ力Fcは、質量を
m、振動速度をv、回転角速度をΩとすれば、 Fc=2mv×Ω と表される。この場合のジャイロにおいては、回転軸が
角柱の長軸方向にとられるため、角柱の長軸を含み、駆
動振動面に垂直な面内にコリオリ力が発生する。分割電
極に発生する電荷の差分を増幅することでコリオリ力を
算出している。なお、このジャイロは、駆動振動の節点
近傍で線状の支持部材を用いて振動子を支持する構造で
ある。
【0004】また、特開平9−269227号公報にも
振動ジャイロが開示されている。この振動ジャイロの構
造は、振動子が圧電体積層によるバイモルフ構造の四角
柱音片であり、振動子の駆動振動モードにおける節点付
近を、屈曲部を有する支持部材で支持している。支持部
材が、屈曲部を有することにより、駆動振動モードとは
節点が異なる検出振動モードにおいても、支持部材によ
る振動子の振動抑制を緩和し、温度特性の悪化・感度の
低下を防いでいる。
【0005】また、特開平10−332379号公報に
は、振動子の支持構造が開示されている。この支持構造
は、柱状振動子の自由振動節点を上下方向から支持部材
で挟持している。このような構造とすることで、振動子
の安定支持とセンサの低背化の両立を目指している。
【0006】また、特開平11−14368号公報に開
示されている振動子の支持構造は、柱状振動子をその節
点付近で支持する支持部材の固定に、緩衝材を使用し、
耐衝撃性の向上・振動の漏れ防止を図っている。
【0007】また、特開平11−125526号公報に
開示されている振動ジャイロは、柱状振動子を導電性支
持部材を用いて節点付近で支持し、支持部材によって支
持と電気的接続を兼用するものである。
【0008】また、特開2001−74468号公報に
開示されている振動子の支持構造は、支持部材を支持台
にインサートモールドした形で組み立てる。それにより
振動の漏れおよび特性劣化を防ぐ。
【0009】さらに、特開2001−91259号公報
および特開2001−91260号公報には、振動子の
形状が角柱ではなく円柱である振動ジャイロが開示され
ている。振動子形状・支持部材は上記の従来の振動ジャ
イロとは異なるが、振動子の自由振動の節点付近を支持
部材で支持する構成は同様である。
【0010】また、特願2000−234330号に提
案している振動ジャイロは、振動子中に柱状の梁と支持
部が一体形成されており、振動子は、自由振動の節点で
はなく支持部の面で支持体に固定されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】振動ジャイロは、共振
特性を用いて振動子に駆動振動を励起し、コリオリ力を
誘起させて、振動子の角速度を検出する。コリオリ力は
駆動振幅に比例するため、駆動振動を効率良く励起させ
ることは、感度向上のための重要な課題の一つである。
【0012】そのため、一般的には、振動ジャイロは、
形状によらず振動子の自由振動の二つの節点で振動子を
支持する構造としている。それにより、振動子の振動が
外部に漏れずに、効率良く励起される。
【0013】しかしながら、振動子を小型化した場合に
は、支持部材と振動子の接続部に自由振動の節点以外の
領域が増えてしまう。つまり、振動子の自由振動節点に
相当する領域は非常に狭い点に相当する領域であるが、
支持部材と振動子の接続部は、支持強度を確保する必要
もあることから一定の大きさが必要となる。このため、
振動子が小型化した場合、接続部に節点以外の振動する
領域が相対的により多く含まれることとなり、接続部内
に振動の分布が生まれる。このような接続部を支持する
ことは、振動分布の領域を一律に抑制することになる。
そのため、振動子の小型化に伴い、駆動効率は低下す
る。
【0014】一方、振動子中に梁部と支持部を一体形成
し、振動子中の支持部の特定の面全体で固定すること
で、振動子の梁部に比べて支持部の相対質量をある程度
確保できる条件下では、効率良く振動を励起できる。
【0015】しかしながら、支持部質量が梁部に対して
相対的に小型化した場合には固定面への駆動振動の影響
が増加し、振動の漏れが大きくなり駆動効率が低下して
いた。
【0016】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、振動子を小型化しても振動子の駆動効率を落と
すことなく感度を維持できる振動ジャイロおよび振動ジ
ャイロの調整方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の振動ジャイロ
は、柱状の梁部と支持部からなる振動子を、支持部材を
介して固定部で支持した振動ジャイロにおいて、前記支
持部材は、前記振動子の前記支持部と前記固定部に接合
され、少なくとも前記振動子の駆動振動モードにおける
前記振動子の質量中心の振動方向に、前記振動子が可動
となるように支持されている。それにより、駆動振動時
には振動子と支持部材が一体となって動くので、振動ジ
ャイロを小型化した場合でも、振動の漏れを防ぐことが
できる。
【0018】好ましくは、前記固定部の厚み方向を前記
振動子の高さ方向とした場合に、前記支持部材は、屈曲
していて前記振動子の高さの範囲内で凹凸形状を形成
し、前記駆動振動モードにおける前記振動子の質量中心
の振動方向は、前記振動子の高さ方向に垂直な方向であ
る。それにより、振動子は、固定部の厚み方向には振動
しないので、振動ジャイロを低背化して、小型化するこ
とができる。
【0019】また、好ましくは、前記支持部材は、導電
性材料から形成され、前記振動子の表面に形成された電
極と、前記支持部材とが電気的に接続されている。それ
により、支持部材は、振動子の支持と電極への配線を兼
用するため、振動ジャイロの構造を簡素化することが可
能になる。
【0020】また、好ましくは、前記電極は、複数であ
って、前記支持部材は、前記電極と同数以上の構成要素
からなり、前記支持部材の各構成要素は、電気的に独立
であって、各前記電極と電気的に接続されていて、前記
固定部の所定の面にすべての前記支持部材が接合されて
いる。
【0021】また、好ましくは、さらに、緩衝材と台座
を備え、前記固定部は、前記緩衝材を介して台座と接合
されている。それにより、駆動による振動の漏れをより
厳重に防ぐことが可能になる。
【0022】また、好ましくは、前記振動子の前記支持
部は、スリット状の溝部もしくは貫通孔を有するもので
あり、前記支持部材は、前記スリット状の溝部もしくは
前記貫通孔に挿入される挿入支持部材と接合されてい
る。それにより、振動子と支持部材をより強固に結合す
ることができるため、耐衝撃性に優れた支持が可能にな
る。
【0023】また、好ましくは、前記スリット状の溝部
もしくは前記貫通孔は、前記振動子の駆動振動における
対称面上に配置されている。それにより、駆動振動によ
るエネルギー損失が少なく、高いQ値を保持することが
できる。
【0024】また、本発明の他の振動ジャイロは、柱状
の梁部と支持部からなる振動子と、固定部と支持部材か
らなる複数の支持固定台とを備え、前記支持固定台同士
を接合して、前記振動子の前記支持部を各前記支持部材
同士で挟み、前記支持部と前記支持部材を接合すること
で前記振動子を支持し、少なくとも前記振動子の駆動振
動モードにおける前記振動子の質量中心の振動方向に、
前記振動子が可動となるように支持されている。それに
より、センサの組立工程を簡素化することが可能にな
る。
【0025】また、好ましくは、前記振動子の前記支持
部は、駆動振動モードにおける前記振動子の振動の節点
以外の位置に配置されている。それにより、振動子内で
最も振動振幅の変化率の大きい節点を避けて支持部を配
置することができ、支持部材と支持部との接合面内での
振動振幅の分布を抑えることが可能になるため、支持部
材の接合による駆動振動の抑制効果を緩和することが可
能になる。
【0026】前記振動子の前記支持部は、前記駆動振動
モードにおける振動子の振動の対称面上に配置されるよ
うにしてもよい。
【0027】前記振動子は、前記支持部が前記梁部中央
から前記梁部の長軸方向と垂直な方向に張り出してい
る、T型もしくは+型形状としてもよい。
【0028】前記振動子の前記梁部は、分極方向の異な
る二層の圧電体による、積層構造としてもよい。
【0029】前記振動子の前記梁部は、ニオブ酸リチウ
ムまたはタンタル酸リチウムの圧電単結晶で構成しても
よい。
【0030】前記支持部材は、凹凸形状を有した線状ま
たは板状金属としてもよい。
【0031】好ましくは、前記支持部材には、調整部が
設置され、前記調整部は、振動子付近に配置される。さ
らに、前記調整部を加工することで、前記振動子の駆動
モードのバランスが変化するようにする。それにより、
調整部の加工により振動子のバランスを調整して、最適
化することができる。
【0032】本発明の振動ジャイロの調整方法は、前述
の調整部が設置された振動ジャイロの調整方法であっ
て、前記振動子は、少なくとも振動方向がほぼ直交する
二つの共振振動モードを有するものであり、レーザー加
工により前記調整部を削ることで、前記二つの共振振動
モード間の周波数差または前記共振振動モードのバラン
スを調整する。それにより、振動子に影響を与えず、調
整部を加工することで振動子のバランスを容易に調整す
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1にかかる振動ジャイロについて、図面を用いて説
明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる振動ジ
ャイロの構成を示す斜視図である。図1(a)は、振動
ジャイロが完成した状態であり、図1(b)は、振動ジ
ャイロが分解されている状態である。
【0034】実施の形態1の振動ジャイロの主要な構成
要素は、T型の圧電振動子1と、屈曲して凹凸形状に加
工されている、弾性を有する線状の金属である支持部材
21a、21bと、枠体である固定部3である。
【0035】振動子1は、例えば、ニオブ酸リチウム
(LiNbO)基板である圧電単結晶基板13、14
から構成される。二枚の圧電単結晶基板13、14を分
極方向が対向するように直接接合によって張り合わせて
バイモルフ構造を形成し、その後、厚みがある方の単結
晶基板14を機械加工する。それによって、振動子1の
中央に位置する支持部12と、両端に伸びる柱状の梁部
11が一体形成されている振動子1が完成する。なお、
振動子1の表裏主面上には、振動子1の駆動およびコリ
オリ力の検出を行う電極6、7が形成されている。
【0036】具体的に振動子1の製造方法について、図
面を用いて説明する。図2は、図1の振動子1の製造工
程の説明図である。
【0037】図2(a)に示すように、圧電単結晶基板
13、14を、分極軸が各々対向するように配置して直
接接合を用いて接合する。圧電単結晶基板としては、例
えば厚みの異なる二枚のニオブ酸リチウム基板(140
°回転Y板)を用いる。
【0038】次に、図2(b)に示すように、厚みのあ
る圧電単結晶基板14側を研削加工し溝15を作成す
る。
【0039】次に、図2(c)に示すように、圧電単結
晶基板13、14上に、金属電極6、7をフォトリソ技
術を用いて形成する。例えば、まず、圧電単結晶基板1
3、14の両面に、Au−Cr電極をスパッタで全面に
形成する。圧電単結晶基板13側は、全面に電極が形成
された後に、リフトオフまたはエッチング等の手法で電
極パターン形成を行う。電極6の形状は矩形であり、振
動子1の最終形状を想定しながら、それぞれの振動子1
の梁部から支持部にかけてまたがった形で梁部に沿って
二つの電極が平行になるように形成され、各振動子1当
たり、四つの電極が形成される。その際、裏面の溝15
との位置合わせが必要になるが、両面アライナを用いれ
ば良い。
【0040】最後に、図2(d)に示すように、破線で
示した分割線17に沿ってダイシングソーを用いて基板
を裁断する。それにより、図2(e)に示すように、個
々の振動子1が切り出される。
【0041】ここで、圧電単結晶基板13、14を接合
するために用いた直接接合の原理について説明する。
【0042】図3は、直接接合の原理を説明するための
摸式図である。圧電単結晶基板である基板31、32の
両面は鏡面研磨されているものとし、L1、L2、L3
は基板31、32間の距離を示していて、L1>L2>
L3の関係が成立している。まず、2枚の基板31、3
2に親水化処理を施し、図3(a)に示すように、基板
31、32の表面を水酸基(OH基)で終端する。
【0043】次に、図3(b)に示すように、親水化処
理を行った2枚の基板31、32を互いの分極軸が対向
するように貼り合わせる。2枚の基板31、32は、水
酸基重合や水素結合等の引力により互いに引き合って接
合される。
【0044】最後に、2枚の基板31、32に熱処理を
加える。それにより、図3(c)に示すように、基板3
1、32の構成原子が酸素原子(O)を介して共有結合
された状態になる。このとき、基板31、32が原子レ
ベルで強固に直接接合されていて、接合の界面に接着剤
などの接着層の存在しない結合状態が得られる。
【0045】次に、振動子1、支持部材21a、21b
と固定部3を用いて構成された振動ジャイロについて説
明する。
【0046】図1(b)に示すように、屈曲して凹凸状
に加工された金属であり、固定部3の厚み方向に弾性を
有する支持部材21a、21bの、それぞれ中心の凹部
上に、振動子1の支持部12の底面両端が接着固定され
ている。支持部材21aと支持部材21bは、平行に配
置され、固定部3の主面に対して支持部12の凸部が垂
直になるように配置される。支持部材の材料としては、
例えば、リン青銅やステンレス等を用いる。図1(a)
に示すように、支持部材21a、21bのそれぞれの端
部は、中空の枠体である固定部3の上面に接着固定され
ている。
【0047】次に、実施の形態1の振動ジャイロの駆動
検出回路について図面を用いて説明する。図4は、図1
の振動ジャイロの駆動検出回路の基本構成の模式図を示
している。44は負荷抵抗、45は自励発振回路、46
は差動回路である。実施の形態1の振動ジャイロは、支
持部12を含む面内方向(圧電単結晶基板13、14の
接合面に垂直な方向)の一次振動を駆動振動に用いる。
駆動振動を振動子1に励振するためには、自励発振回路
45を用い負荷抵抗44を介して電極6と電極7の間に
所望とする振動モードの共振周波数近傍の適当な交流電
圧を印加することで、振動子1の梁部11に所望の振動
モードを励振させることができる。
【0048】駆動振動が接合面と垂直な方向に励起され
た状態で梁部11の長軸周りに角速度がかかると、接合
面に垂直な方向にコリオリ力が発生する。コリオリ力の
発生により電極6同士の間に発生する電荷にアンバラン
スが生じる。そこで、電極6間の差分を、差動回路46
を介して検出することでコリオリの力を抽出することが
できる。
【0049】T型の振動子1が自由振動する様子を示し
た摸式図を図5に示す。振動子1は、前述の駆動振動に
相当する振動モードで自由振動させた場合には、梁部1
1の両端が上または下となる屈曲振動を繰り返し、節点
51a、51bは、支持部12ではなく梁部11に発生
する。支持部12は、節点以外であり、振動子1の駆動
振動に対する対称面を含む位置に形成されている。ま
た、支持部12は、梁部11に比べて十分厚いため、振
動振幅の分布はほとんどなく一定で、駆動振動による梁
部11の形状変化に対して鈍感である。したがって、節
点近傍で支持した場合のように、支持部12の相対的な
固定面積の増加が、敏感に梁部11の屈曲振動を阻害す
ることはない。
【0050】しかし、屈曲振動によって、支持部12に
は、振動子1の質量中心移動に伴う上下動(基板の接合
面に対して垂直方向)が発生する。これは、支持部12
全体が一様に動くもので、支持部12内での振幅の分布
は殆どないが、支持部12の下面を完全固定した場合に
は、振動子1の質量中心の振動によるエネルギー損失が
発生するため、振動励振の効率は低下することになる。
【0051】実施の形態1では、支持部材21a、21
bに凹凸形状を設けていることで、振動子1は、質量中
心の振動方向に可動性を有するため、支持部材21a、
21bと振動子1とは一体となって振動する。それによ
り、振動子1の質量中心の動きを固定部3に漏らさず相
殺することが可能である。
【0052】以上のように、実施の形態1の振動ジャイ
ロによれば、振動子1の駆動振動における節点以外の箇
所に固定接着され、かつ、駆動振動における振動子1の
質量中心の振動方向に振動子1が可動なるように支持し
ている支持部材21a、21bを備えている。それによ
り、支持部材21a、21bによる、支持部12の固定
箇所の相対的な大きさが駆動効率を低下させる要因とは
ならないため、振動子1を小型化しても駆動効率が低下
することがない。また、固定部3への振動の漏れは遮蔽
される。
【0053】なお、支持部材の形状としては、図1に限
定されるものではなく、駆動振動時の振動子の上下動方
向に対して、可動性があればよい。例えば、支持部材の
他の例としては、図6に示すようなものがある。図6
(a)から図6(c)に示している、支持部材61a、
61b、62a、62b、62c、62d、63a、6
3b、63cは線状の例である。また、図6(a)およ
び図6(b)に示す支持部材の例は、振動子1の側面で
接着固定するものであり、図6(c)に示す支持部材の
例は、振動子1の上下面で接着固定するものである。
【0054】また、図6(d)および図6(e)に示し
ている、支持部材64、65a、65b、65cは板状
の例である。支持部材の個数には、特に制限はない。た
だし、材料としては、上述したように、リン青銅やステ
ンレス等のような弾性を有する金属が望ましい。
【0055】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
かかる振動ジャイロについて図面を用いて説明する。図
7は、実施の形態2にかかる振動ジャイロの構成を示す
斜視図である。
【0056】実施の形態2の振動ジャイロの主要な構成
要素は、+型の振動子71と、環状ばねである支持部材
75a、75bと、枠体である固定部3である。
【0057】振動子71は、実施の形態1と同様に二枚
の圧電単結晶基板で構成されるが、形状が異なる。振動
子71は、柱状の梁部72の中央から左右方向に、支持
部73が張り出すように設置された、+型の振動子71
である。
【0058】振動子71の製造工程は、実施の形態1と
同様であるため、図示せずに説明する。まず、同等の厚
みを有する圧電単結晶基板を直接接合によって貼り合わ
せる。貼り合わせた基板の両側の面に、両面の位置合わ
せを行いながら、溝を形成することで、梁部72と両側
に張り出している支持部73とに相当する部分を形成す
る。フォトリソ技術を用いずに、貼り合わせられた圧電
単結晶基板の両面に電極を形成してから、片一方側の面
にダイシングソーによって、金属電極が切断されるだけ
の深さの溝74を梁部72に沿って作製することで、梁
部72の表面に2つの電極を形成する。最後に、ダイシ
ングソーを用いて、基板から個々の振動子72を切り出
す。
【0059】支持部材75a、75bは、振動子1の支
持部73の側面に接着固定されている。固定部3は、実
施の形態1と同様に、中空の枠体であり、固定部3の内
部側面に支持部材75a、75bの外側が、接着固定さ
れている。
【0060】なお、駆動検出回路については、実施の形
態1と同様であるので、説明を省略する。以下に示す他
の実施の形態の振動ジャイロについても同様であるの
で、説明を省略する。
【0061】振動子71の駆動振動モードでは、梁部7
2が支持部73の張り出し方向に屈曲振動する。つま
り、駆動振動は、基板の接合面に対して垂直方向とされ
る。また、実施の形態1のT型の振動子と同様に、実施
の形態2の+型の振動子も、自由振動においての節点
は、支持部73ではない。そのため、駆動振動時には、
振動子71の質量中心の左右方向(基板の接合面に対し
て垂直方向)への移動が生じる。しかし、環状ばねであ
る支持部材75a、75bは、基板の接合面に対して垂
直方向に弾性を有しているため、振動子71は、駆動振
動における質量中心移動に対して可動性を有する。その
ため、振動子71の質量中心の動きを固定部3に漏らさ
ず相殺することができる。
【0062】また、振動子71と支持部材75a、75
bの厚みが、それを支持する固定部3の厚みと同等で、
駆動振動方向も固定部の厚み方向に垂直な面内に設定さ
れているため、振動ジャイロを低背化しても安定支持が
可能になる。
【0063】以上のように、実施の形態2の振動ジャイ
ロによれば、+型の振動子71と、駆動振動における振
動子71の質量中心の振動方向に、振動子71が可動と
なるようにし、振動子71の駆動振動における節点以外
に固定接着される環状ばねである支持部材75a、75
bを備えている。それにより、支持部材75a、75b
による、支持部73の固定箇所の相対的な大きさが駆動
効率を低下させる要因とはならないため、振動子71を
小型化しても駆動効率が低下することがない。また、固
定部3への振動の漏れは遮蔽される。
【0064】なお、図7における振動子71を支持する
支持部材75a、75bは、図8に示すように屈曲して
凹凸形状の板状バネである支持部材81a、81bとし
てもよく、あるいは、図6に示したような線状バネを用
いてもよく、支持部材の形状および配置は図7および図
8に限定されるものではない。
【0065】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
かかる振動ジャイロについて図面を用いて説明する。図
9は、本発明の実施の形態3にかかる振動ジャイロの構
成を示す斜視図である。図9(a)は振動ジャイロ全体
であり、図9(b)は支持部材周辺である。
【0066】実施の形態3の振動ジャイロの主要な構成
要素は、T型の振動子1、支持部材91a、91b、9
1c、91d、91e、91f、固定部3である。
【0067】振動子1および固定部3は、実施の形態1
と同様である。支持部材91a、91b、91c、91
d、91e、91fは、振動子1の高さの範囲内で凹凸
形状が形成されている。また、支持部材91a、91
b、91c、91d、91e、91fは、導電性および
弾性を有する金属が望ましく、例えば、リン青銅または
ステンレス等である。
【0068】支持部材91a、91dは、図1に示す実
施の形態1の支持部材21a、21bと同様に、その中
央の凹部上方に振動子1の底面が接着固定されていて、
下から振動子1を支持している。また、支持部材91
a、91dは、その端部で固定部3の表面と接着固定さ
れている。さらに、支持部材91a、91d、振動子1
の底面において電極7と接続されている。
【0069】支持部材91b、91c、91e、91f
は、一端でそれぞれ、振動子1の表主面上の電極6a、
6c、6b、6dと接続され、上から振動子1を支持し
ている。他端は固定部3の表面と接着固定されている。
これらの支持部材91a、91b、91c、91d、9
1e、91fは、振動子1周辺においては、全て略平行
に配置されていて、固定部3の内、支持部材91a、9
1b、91c、91d、91e、91fが接着固定され
る箇所は、少なくとも絶縁性を有していて、各電極は電
気的に独立である。このようにすることで、支持部材9
1a、91b、91c、91d、91e、91fは、駆
動振動の節点以外の箇所で振動子1を支持し、振動子1
の質量中心の振動方向に振動子1が可動となるように支
持している。また、支持部材91a、91b、91c、
91d、91e、91fは、振動子1の電極6a、6
b、6c、6d、7の引き出し線としても使用できる。
【0070】電極6a、6b、6c、6d、7の取り出
し面を固定部3の任意の特定の面に限定しているため、
ボンディング配線などの電気回路との電気的配線を容易
に行うことが可能になる。また、支持部材91a、91
b、91c、91d、91e、91f以外に、新たに配
線を設置する必要がないので、振動ジャイロの構造を簡
素ができる。なお、電極6a、6b、6c、6d、7の
取り出し面である固定部の任意の面を平坦面とすれば、
配線が容易に行える。
【0071】また、支持部材91a、91b、91c、
91d、91e、91fは凹凸状であるので、その高さ
を振動子1の高さの範囲に限定することができ、振動ジ
ャイロを低背化して小型化が可能である。
【0072】以上のように、実施の形態3の振動ジャイ
ロによれば、振動子1の駆動振動における節点以外の箇
所に固定接着され、かつ、駆動振動における振動子1の
質量中心の振動方向に振動子1が可動なるように支持し
ている支持部材91a、91b、91c、91d、91
e、91fを備えている。また、支持部材91a、91
b、91c、91d、91e、91fは、導電性材料か
らなり、電極6a、6b、6c、6d、7と接続されて
いる。それにより、固定部3への振動の漏れを遮断し、
駆動効率を高めることができ、かつ、新たな電気配線を
施す必要がないので、構造を簡略化することができる。
【0073】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
かかる振動ジャイロについて、図面を用いて説明する。
図10は、実施の形態4にかかる振動ジャイロの構成を
示す斜視図であって、図10(a)は、振動ジャイロ全
体であり、図10(b)は、支持部材周辺である。
【0074】実施の形態4の振動ジャイロの主要な構成
要素は、T型振動子1と支持部材101a、101b、
101c、101dと、固定部3である。
【0075】実施の形態4の振動子1は、実施の形態3
と同様にT型の振動子であるが、表主面に形成された電
極は4つではなく、梁部11の長軸方向に伸びる電極6
e、6fの2つである。また、実施の形態3の振動子
を、長軸周りに90度回転させた配置である。
【0076】支持部材101a、101b、101c、
101dは、実施の形態3と同様に、導電性材料が用い
られている。支持部材101a、101b、101c、
101dは、凹凸形状を有する板形状であって、駆動振
動における振動子1の質量中心の振動方向に振動子1が
可動となるように振動子1を支持している。支持部材1
01a、101cの一端は、振動子1の支持部12の上
面に、他端は、固定部に接合されている。また、支持部
材101b、101bの一端は、振動子1の支持部12
の下面に、他端は、固定部に接合されている。支持部材
101a、101bは、振動子1の表主面上の電極6
e、6fと電気的に接続され、支持部材101c、10
1dは、振動子1の裏主面上の電極7と電気的に接続さ
れている。また、少なくとも支持部材101a、101
b、101c、101dが接続される部位においては固
定部3は絶縁性を有している。
【0077】以上のように、実施の形態4の振動ジャイ
ロによれば、振動子1の駆動振動における節点以外の箇
所に固定接着され、かつ、駆動振動における振動子1の
質量中心の振動方向に振動子1が可動となるように支持
している支持部材101a、101b、101c、10
1dを備えている。また、支持部材101a、101
b、101c、101dは、導電性材料からなり、電極
6e、6f、7と接続されている。それにより、固定部
3への振動の漏れを遮断し、駆動効率を高めることがで
き、かつ、新たな電気配線を施す必要がないので、構造
を簡略化することができる。
【0078】(実施の形態5)本発明の実施の形態5に
かかる振動ジャイロについて、図面を用いて説明する。
図11は、実施の形態5の振動ジャイロの構成を示す斜
視図である。
【0079】実施の形態5の振動ジャイロの基本構成
は、実施の形態1の振動ジャイロと同様であって、固定
部3の下方に、シリコン樹脂等形成されている緩衝材4
と、台座5とが階層的に接着固定されている。緩衝材4
と台座5とは、固定部3と同様の中空の枠体であって、
階層的に接着固定されることで、一つの中空の枠体を形
成している。振動子1から固定部3に、振動が漏れた場
合にも、緩衝材4によって、その振動は遮断されるた
め、台座までは伝わらない。
【0080】以上のように、実施の形態5の振動ジャイ
ロによれば、固定部3に緩衝材4と台座5を階層的に接
着固定しているので、固定部側への振動を伝達をさらに
強固に遮断できる。
【0081】なお、実施の形態5では、固定部、緩衝
材、台座とも同様の形状の中空の枠体を用いたが、中空
である必要はなく、例えば固定部は、振動子1がはまる
空間凹部を有する直方体であって、緩衝材、台座は薄い
直方体であっても、固定部、緩衝材、台座が階層的に配
置されていて、台座まで振動を伝えない構成であればよ
い。
【0082】また、振動子および支持部材の形状・配置
は、図11の例に限定されるものではない。
【0083】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
かかる振動ジャイロについて図面を用いて説明する。図
12は、実施の形態6の振動ジャイロの構成を示す斜視
図であって、図12(a)は、振動ジャイロの全体であ
り、図12(b)は、振動子である。
【0084】実施の形態6の振動ジャイロは、振動子1
21と、支持部材125a、125bと挿入支持部材1
26a、126bと、固定部3a、3bと、緩衝材4
a、4bと、台座5からなる。
【0085】図12(b)に示している振動子121
は、図7の振動子71と同様であって、柱状の梁部12
2と、その中央に、両側に張り出すように支持部123
とを備えていて、支持部123に、上下方向にスリット
状の溝124を加えたものである。振動子121の製造
方法は、振動子71の製造工程と同様であって、圧電結
晶基板をダイシングソーにて分割し、各振動子121と
する前に、支持部123の中央部に、溝124を形成し
てから分割するものである。
【0086】支持部材125a、125bは、環状ばね
であって、振動子121の質量中心の振動方向に弾性を
有している。支持部材125a、125bによって、振
動子121の駆動振動時に、振動子121は、質量中心
の振動方向に可動とされる。
【0087】挿入支持部材126a、126bは、平板
状の金属板であって、支持部材125a、125bの側
面に接着固定されていて、かつ、振動子121の溝12
4に挿入されて接着固定されている。溝124は、駆動
振動モードおよび検出振動モードにおける振動の対称面
に設置されているので、振動子121は、振動の対称面
で強固に支持されている。そのため、固定部3a、3b
への振動の漏れが少なくなり、振動時のエネルギー損失
が少なく、高いQ値を保持したまま振動子を強固に支持
することが可能になる。
【0088】固定部3a、3bは、それぞれの支持部材
125a、125bの外側に接着固定され、固定部3
a、3bの外側には、緩衝材4a、4bが接着固定され
ている。
【0089】台座5は中空の枠体であって、その内側側
面には、緩衝材4a、4bの外側側面が接着固定されて
いる。緩衝材4a、4bによって、固定部3a、3bま
で伝わっている振動子1の振動は遮断され、さらに低下
する。
【0090】以上のように、実施の形態6の振動ジャイ
ロによれば、中空の枠体である台座5の内側に、緩衝材
4a、4bと、固定部3a、3bと、支持部材125
a、125bと、挿入支持部材126a、126bとが
順に配置され、+型振動子121は、溝124に挿入さ
れた挿入支持部材126a、126bで支持されてい
る。それにより、振動子を小型化しても振動子の駆動効
率を落とすことなく駆動できるだけでなく、耐衝撃性に
優れた支持がなされている。
【0091】なお、実施の形態6では、+型形状の振動
子を用いたが、これはT型形状の振動子でもよい。ま
た、二枚の圧電単結晶を直接接合する前に接合面に溝を
形成して接合することで形成された貫通孔に、支持部材
を挿入接着固定することとしてもよい。
【0092】(実施の形態7)本発明の実施の形態7に
かかる振動ジャイロおよび振動ジャイロの調整方法につ
いて、図面を用いて説明する。図13は、実施の形態7
の振動ジャイロの構成を示す斜視図であって、図13
(a)は、振動ジャイロ全体であり、図13(b)は、
振動ジャイロが分解されている状態である。
【0093】実施の形態7の振動ジャイロの主要な構成
要素は、振動子1と、支持固定台8a、8bとからな
る。
【0094】支持固定台8aは、絶縁性を有する中空の
枠体である固定部3cと、弾性を有する支持部材131
a、131bと、調整部132aからなる。支持部材1
31a、131bは、例えば、リン青銅またはステンレ
ス等の弾性を有する導電性材料からなり、凹凸を有する
板状の金属である。支持部材131a、131bの端部
は、中空の枠体である固定部3cの内側側面から、固定
部3cを貫通して、固定部3cの外側側面上にその一端
が配置されている。支持部材131a、131bの他端
上には、絶縁性の調整部132aが接着されている。
【0095】支持固定台8bは、絶縁性を有する中空の
枠体である固定部3dと、支持部材131c、131d
と、調整部132bからなる。支持部材131c、13
1dは、例えば、リン青銅またはステンレス等の導電性
材料からなり、凹凸を有する板状の金属である。支持部
材131a、131bの端部は、中空の枠体である固定
部3dの内側側面から、固定部3dを貫通して、固定部
3dの外側側面上にその一端が配置されている。支持部
材131c、131dの他端下には、絶縁性の調整部1
32bが接着されている。
【0096】振動子1は、支持部材131a、131
b、131c、131dによって、駆動振動における質
量中心の振動方向に可動とされ、支持されている。それ
により、固定部3c、3dへの振動の漏れが遮蔽され
る。
【0097】図13(a)に示すように、支持固定台8
a、8bがそれぞれ振動子1を上下から階層的に挟むこ
とで、実施の形態7の振動ジャイロを構成している。調
整部132a、132bは、振動子1と接着固定され
る。また、固定部3cと固定部3dは面対称であって、
接着固定される。支持部材131aは振動子1の電極6
eと、支持部材131bは振動子1の電極7と、支持部
材131cは振動子1の電極6fと、支持部材131d
は振動子1の電極7と、導電性樹脂等により、電気的に
接続され、支持部材131a、131b、131c、1
31dは、電極6e、6f、7の引き出し線として兼用
されている。
【0098】実施の形態7の振動ジャイロの調整は、調
整部132a、132bをレーザによって削ることによ
り行う。振動子1の上下に配置されている調整部132
a、132bを加工することで、振動子1には、直接影
響を与えずに、梁部11の振動バランス、駆動と検出の
振動モード間の周波数差を微調整することが可能であ
る。
【0099】以上のように、実施の形態7の振動ジャイ
ロによれば、振動子1は、二つの面対称な構造を持つ支
持固定台8a、8bに挟持され、振動子には、調整部1
32a、132bが接着されている。それにより、振動
子1の駆動振動のバランス、駆動と検出の振動モード間
の周波数差を、振動子1に直接影響を与えずに、容易に
微調整することが可能である。
【0100】また、振動子以外の主要構成部品が予め支
持固定台8a、8bにまとめられているため、階層的に
振動子と支持固定台を接着をするだけで振動ジャイロが
形成でき、組立が簡単である。なお、例えば図8に示
す、調整部を有しない振動ジャイロにおいても同様の構
造とできる。
【0101】なお、実施の形態7ではT型の振動子を用
いたが、+型でも変わりはなく、また、支持部材の形状
・配置・個数も、図13に示すものに限定されるもので
はない。
【0102】
【発明の効果】本発明の振動ジャイロおよび振動ジャイ
ロの調整方法によれば、振動子を、支持部材を介して固
定部で支持している振動ジャイロにおいて、支持部材
は、固定部と振動子の支持部に接合され、少なくとも振
動子の駆動振動モードにおける振動子の質量中心の振動
方向に、振動子が可動となるように支持している。それ
により、節点以外で支持されている場合の振動子の質量
中心の動きを、支持部材で相殺するので、振動子を小型
化しても、振動子の駆動効率は低下しない。
【0103】また、振動子に調整部を接合して、調整部
を加工することで、振動子の梁部の振動バランスを調整
するので、振動子に直接影響を与えずに、容易に振動ジ
ャイロの調整ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる振動ジャイロの
構成を示す斜視図であって、図1(a)は振動ジャイロ
が完成した状態の斜視図、図1(b)は支持部材と振動
子が固定部と分解されている状態の斜視図
【図2】図1の振動子1の製造工程の説明図
【図3】直接接合の原理を説明するための模式図
【図4】図1の振動ジャイロの駆動検出回路の基本構成
の模式図
【図5】T型の振動子が自由振動する様子を示した摸式
【図6】実施の形態1にかかる振動ジャイロの支持部材
の他の例を示す斜視図
【図7】実施の形態2にかかる振動ジャイロの構成を示
す斜視図
【図8】実施の形態2にかかる振動ジャイロの支持部材
の他の例を示す斜視図
【図9】本発明の実施の形態3にかかる振動ジャイロの
構成を示す斜視図であって、図9(a)は振動ジャイロ
全体を示す斜視図、図9(b)は支持部材周辺を示す斜
視図
【図10】本発明の実施の形態4にかかる振動ジャイロ
の構成を示す斜視図であって、図10(a)は振動ジャ
イロ全体を示す斜視図、図10(b)は支持部材周辺を
示す斜視図
【図11】本発明の実施の形態5にかかる振動ジャイロ
の構成を示す斜視図
【図12】本発明の実施の形態6にかかる振動ジャイロ
の構成を示す斜視図であって、図12(a)は振動ジャ
イロ全体を示す斜視図、図12(b)は振動子を示す斜
視図
【図13】本発明の実施の形態7にかかる振動ジャイロ
の構成を示す斜視図であって、図13(a)は振動ジャ
イロ全体を示す斜視図、図13(b)は振動ジャイロの
分解状態を示す斜視図
【符号の説明】
1、71、121 振動子 3、3a、3b、3c、3d、123 固定部 4a、4b 緩衝材 5 台座 6、6a、6b、6c、6d、6e、6f、7 電極 8a、8b 支持固
定台 11、72 梁部 12、73、123 支持部 13、14、31、32 基板 15、74、124 溝 17 分割線 44 負荷抵
抗 45 自励発
振回路 46 差動回
路 51a、51b 節点 126a、126b 挿入支
持部材 132a、132b 調整部 21a、21b、61a、61b、62a、62b、6
2c、62d、63a、63b、63c、64、65
a、65b、65c、75a、75b、81a、81
b、91a、91b、91c、91d、91e、91
f、101a、101b、101c、101d、125
a、125b、131a、131b、131c、131
d 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 隆文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA02 AA08 BB13 CC06 CD02 CD06 CD13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状の梁部と支持部からなる振動子を、
    支持部材を介して固定部で支持した振動ジャイロにおい
    て、 前記支持部材は、前記振動子の前記支持部と前記固定部
    に接合され、 少なくとも前記振動子の駆動振動モードにおける前記振
    動子の質量中心の振動方向に、前記振動子が可動となる
    ように支持されていることを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 【請求項2】 前記固定部の厚み方向を前記振動子の高
    さ方向とした場合に、 前記支持部材は、屈曲していて前記振動子の高さの範囲
    内で凹凸形状を形成し、 前記駆動振動モードにおける前記振動子の質量中心の振
    動方向は、前記振動子の高さ方向に垂直な方向であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 【請求項3】 前記支持部材は、導電性材料から形成さ
    れ、 前記振動子の表面に形成された電極と、前記支持部材と
    が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の振動ジャイロ。
  4. 【請求項4】 前記電極は、複数であって、 前記支持部材は、前記電極と同数以上の構成要素からな
    り、 前記支持部材の各構成要素は、電気的に独立であって、
    各前記電極と電気的に接続されていて、 前記固定部の所定の面にすべての前記支持部材が接合さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の振動ジャイ
    ロ。
  5. 【請求項5】 さらに、緩衝材と台座を備え、 前記固定部は、前記緩衝材を介して台座と接合されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の振動ジャイロ。
  6. 【請求項6】 前記固定部と、前記緩衝材と、前記台座
    は、階層的に配置されていることを特徴とする請求項5
    に記載の振動ジャイロ。
  7. 【請求項7】 前記振動子の前記支持部は、スリット状
    の溝部もしくは貫通孔を有するものであり、 前記支持部材は、前記スリット状の溝部もしくは前記貫
    通孔に挿入される挿入支持部材と接合されていることを
    特徴とする請求項1に記載の振動ジャイロ。
  8. 【請求項8】 前記スリット状の溝部もしくは前記貫通
    孔は、前記振動子の駆動振動における対称面上に配置さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載の振動ジャイ
    ロ。
  9. 【請求項9】 柱状の梁部と支持部からなる振動子と、
    固定部と支持部材からなる複数の支持固定台とを備え、 前記支持固定台同士を接合して、前記振動子の前記支持
    部を各前記支持部材同士で挟み、前記支持部と前記支持
    部材を接合することで前記振動子を支持し、 少なくとも前記振動子の駆動振動モードにおける前記振
    動子の質量中心の振動方向に、前記振動子が可動となる
    ように支持されていることを特徴とする振動ジャイロ。
  10. 【請求項10】 前記振動子の前記支持部は、前記駆動
    振動モードにおける前記振動子の振動の節点以外の位置
    に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項9のいずれかに記載の振動ジャイロ。
  11. 【請求項11】 前記振動子の前記支持部は、前記駆動
    振動モードにおける振動子の振動の対称面上に配置され
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項10に記
    載の振動ジャイロ。
  12. 【請求項12】 前記振動子は、前記支持部が前記梁部
    中央から前記梁部の長軸方向と垂直な方向に張り出して
    いる、T型もしくは+型形状であることを特徴とする請
    求項1ないし請求項11のいずれかに記載の振動ジャイ
    ロ。
  13. 【請求項13】 前記振動子の前記梁部は、分極方向の
    異なる二層の圧電体による、積層構造であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の振
    動ジャイロ。
  14. 【請求項14】 前記振動子の前記梁部は、ニオブ酸リ
    チウムまたはタンタル酸リチウムの圧電単結晶から構成
    されることを特徴とする請求項1ないし請求項13のい
    ずれかに記載の振動ジャイロ。
  15. 【請求項15】 前記支持部材は、凹凸形状を有した線
    状または板状金属から構成されることを特徴とする請求
    項1ないし請求項14のいずれかに記載の振動ジャイ
    ロ。
  16. 【請求項16】 前記支持部材には、調整部が設置さ
    れ、 前記調整部は、振動子付近に配置されて、前記調整部を
    加工することで、前記振動子の駆動モードのバランスが
    変化することを特徴とする請求項1ないし請求項15の
    いずれかに記載の振動ジャイロ。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の振動ジャイロの調
    整方法であって、 前記振動子は、少なくとも振動方向がほぼ直交する二つ
    の共振振動モードを有するものであり、 レーザー加工により前記調整部を削ることで、前記二つ
    の共振振動モード間の周波数差または前記共振振動モー
    ドのバランスを調整することを特徴とする振動ジャイロ
    の調整方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006057128A1 (ja) * 2004-11-24 2006-06-01 Murata Manufacturing Co., Ltd. 圧電振動子、振動ジャイロおよび圧電振動子の製造方法
JP2009236805A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Tdk Corp 角速度センサ素子
US9123883B2 (en) 2012-03-26 2015-09-01 Seiko Epson Corporation Vibration device

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