JP2006017259A - 摺動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 摺動部材が高速回転をする際においても、低摩擦という効果を発揮し得る摺動装置を提供する。
【解決手段】 油を介して相対的に回転摺動する2つの摺動部材から構成され、前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方もしくは両方の表面に、複数の凹部10aが形成される摺動装置において、凹部10aが摺動方向に並んだ複数の第1の列100が形成され、1つの第1の列100における凹部10aと、当該第1の列100に隣接する他の第1の列100における凹部10aとの摺動方向Aに直交する方向の離隔距離Xは、前記凹部10aの開口部の摺動方向Aに直交する方向の長さS以上である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、摺動装置に関する。
従来から、摺動装置は、例えば、エンジンに設けられるクランクシャフトおよび該クランクシャフトを支持する軸受メタルなどに用いられ、クランクシャフトが軸受メタル上を摺動する際に摺動面に発生する摩擦を低減するために、軸の表面に、長手方向が摺動方向と直交する凹部を、軸表面の部位に応じて溝深さを変えて設けたものがある(特許文献1参照)。軸と軸受メタルとの間に介在する潤滑油を摺動面に満遍なく潤させるために、凹部は、潤滑油を保持し、かつ摺動時に凹部近傍の摺動面に潤滑油を提供する機能(以下、潤滑油を保持する機能)を発揮することに基づく。
しかしながら、従来の摺動部材は、クランクシャフトのような回転運動する軸の摺動面上に形成する凹部の深さなどを規定するものであり、凹部の配置に関して言及するものではない。
上記の回転運動する軸の表面上に凹部を形成した場合、軸が回転する際に、凹部は、摺動面における潤滑油の流れをせき止めて、当該潤滑油の流れに対する抵抗となり得る。この抵抗は、摺動面における摩擦を増加させるという負の効果を生じさせるものであり、軸の回転が高速になるにつれて大きくなる傾向がある。
また、一般に、回転運動する軸を有する摺動装置において、軸は、比較的低速回転域においては、軸心を安定して回転するものの、高速回転域においては、慣性力によって軸心を安定せずに回転運動を行い、油膜が薄く、不安定になるという問題もある。
特開2002−235852号公報
そこで、本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、摺動部材が高速回転をする際においても、低摩擦という効果を発揮し得る摺動装置を提供することである。
本発明の目的は、下記の手段により達成される。
(1)油を介して相対的に回転摺動する2つの摺動部材から構成され、前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方もしくは両方の表面に、複数の凹部が形成される摺動装置であって、前記凹部が摺動方向に並んだ複数の第1の列が形成され、1つの第1の列における凹部と、当該第1の列に隣接する他の第1の列における凹部とが摺動方向に直交する方向に離隔する第1の距離は、前記凹部の開口部の摺動方向に直交する方向の長さ以上であることを特徴とする摺動装置。
本発明によれば、油を介して相対的に回転摺動する2つの摺動部材から構成され、前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方もしくは両方の表面に、複数の凹部が形成される摺動装置において、凹部による摺動面における油の流れに対する抵抗が小さくなるように、凹部を摺動部材の表面上に配置することによって、摺動部材が高速回転をする際においても、摺動面に油膜が保持されつつ、凹部以外の摺動部材の表面上を油が円滑に流れて、摩擦の低減効果が発揮される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における摺動装置1の概略図である。図には、軸心aを中心に方向Aに向けて回転する円柱状の軸10と、これを支える円筒からなるすべり軸受11とから構成される摺動装置1が示されている。なお、軸10の長さの寸法は、図に示すものから適宜延長されても良い。さらに、軸10の表面とすべり軸受け11の内面11aとの間には、図示しない潤滑油が供給される。この潤滑油が、軸10とすべり軸受11との摺動面に発生する摩擦を低減するために、摺動面に適量に存在していることが重要である。そのため、本実施形態において、複数の凹部10aが、軸10の表面に設けられている。
図2は、第1の実施形態の軸10の表面の一部における凹部10aの配置を示す拡大図である。矢印Aは、軸10の摺動方向を示している。
凹部10aは、摺動方向に並んで複数の列100(列100a〜列100b)を形成している。1つの列100における凹部10aと、当該列100に隣接する他の列100における凹部10aとの摺動方向に直交する方向の離隔距離X(第1の離隔距離)(例えば、列100aにおける凹部10a1の端部位置10a1aと、列100aに隣接する列100bにおける凹部10a2の端部位置10a2aとの間の摺動方向に直交する方向の距離X)は、凹部10aの開口部の摺動方向に直交する方向の長さS以上であることが好ましい。
これにより、軸10が高速回転をする際においても、摺動面に油膜が保持されつつ、凹部10aによる油の流れ(以下。油の流れ)に対する抵抗(以下、凹部10aによる抵抗)が減り、油が軸10の表面上を円滑に流れるようになって、摩擦の低減効果を発揮する。
また、離隔距離Xは、長さSの1倍以上2倍以下であることが好ましい。
離隔距離Xが長さSより小さい場合、摺動方向Aに向かう油の流れに対して、上記の抵抗を生じさせる凹部10aが多くなるため、軸10が高速回転をする際において、油の流れに対する凹部10aによる抵抗が増加し、摩擦が増加する。
また、離隔距離Xが長さSの2倍より大きい場合、凹部10aに保持された油が、凹部10a以外の軸10の表面の全域に行き渡らなくなるため、軸10の表面の中心付近において、すべり軸受11との金属接触が起こりやすくなり、摩擦が増加する。
上記に対して、離隔距離Xが長さSの1倍以上2倍以下である場合には、摺動面に適度に油を保持でき、また、油の流れに対する凹部10aによる抵抗も減少することから、摩擦の低減効果が増加する。
また、凹部10aは、さらに摺動方向に直交する方向に並んで複数の第2の列101を形成している。ここで、離隔距離Xは、1つの第2の列101における凹部10aと、当該第2の列101に隣接する他の第2の列101における凹部10aとの摺動方向Aの離隔距離Y(第2の離隔距離)(例えば、列100bにおける凹部10a2の端部位置10a2bと、凹部10a3の端部位置10a3bとの間の摺動方向の距離Y)に対して、0.5倍以上2倍以下であることが好ましい。
離隔距離Xが、離隔距離Yの0.5倍の長さより小さい場合、摺動方向に直交する方向における摺動面の延長のうち、当該方向において凹部10aが形成されている延長の割合が大きいために、軸10が高速回転をする際に、凹部10aによる抵抗が増加して、摩擦が増加する。
また、離隔距離Xが、離隔距離Yの2倍の長さより大きい場合には、凹部10aの前記割合が小さくなり、油の流れに対する凹部10aによる抵抗は減るが、凹部10aに保持された油が、軸10の表面の中央部にまで行き渡らず、金属接触が起こりやすくなり、摩擦が増加する。
上記に対して、離隔距離Xが、離隔距離Yの0.5倍以上2倍以下の長さである場合には、摺動面内に、油を適度に保持するための凹部10aが多く存在することとなり、かつ軸10が高速回転をする際において、上記の抵抗を生じる凹部10aが減少して、摩擦の低減効果が増加する。
また、軸10において、凹部10aが表面に開口する面積の合計は、軸10の表面積の0.3%以上10%以下とすることが好ましい。0.3%より小さい場合には凹部10aの油閉じ込め効果が十分でなく摩擦低減効果が十分発現されない。逆に10%を超えると、負荷容量の低下を招き、その結果、金属接触が発生しやすくなり、十分な摩擦低減が発現できない。
さらに、凹部10aの最大深さは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。凹部10aの深さが0.5μmより小さい場合、油閉じ込め効果が十分でなく、摩擦低減効果が十分に発現されない。20μmを超えると負荷容量の低下を招き、金属接触が発生しやすくなり、十分な摩擦低減が発現できない。
また、凹部10aは、長手方向が摺動方向に対して直交する方向に向いていることが好ましい。これにより接触部に多くの油を流入させることが出来、摩擦の低減が図られる。
さらに、凹部10aの短辺の長さは、50μm以上150μm以下であり、且つ長辺の長さは、短辺の長さの2倍以上10倍以下であることが好ましい。凹部10aの短辺の長さが50μmより小さい場合、油の凹部10aへの流入保持が十分に行われず、また150μmを超える場合には、負荷容量が低下し、金属接触が起こりやすくなる。また、長辺の長さを短辺の2倍から10倍にすることによって、摺動面に多くの油を流入させ、また摺動面からの油の側方漏れを抑制し、摩擦特性を向上できる。
なお、第1の実施形態において、凹部10aは、長手方向が摺動方向に対して直交する方向に向いていることから、凹部10aの開口部の長辺の長さは、上記に示した凹部10aの開口部の摺動方向に直交する方向の長さSを意味する。
図3は、第2の実施形態の軸10の表面の一部における凹部10aの配置を示す拡大図である。説明の便宜のため、図3に用いる符号は、図1および図2に示すものと同一としている。
第1の実施形態において、上記の凹部10aの配置条件を満足すべく、図2に示すように、凹部10aを正方格子状に配置している。しかし、上記の配置条件を満足する凹部10aの配置形状は、正方格子状に限定されず、図3に示すように千鳥格子状とすることも出来る。
<実施例>
次に、本発明の実施例として、第1及び第2の実施形態において述べた摺動装置1が摩擦の低減に効果を発揮することを確認することを目的として、実際に摺動装置を製作し、摩擦試験を行った。
具体的には、凹部10aが、上記の実施形態に示した長さSに対する離隔距離Xの比(以下、X/S)および離隔距離Yに対する離隔距離Xの比(以下、X/Y)に関して、様々な値に設定されて形成された円筒状を呈する円柱軸10(軸10)と、同じく円筒状を呈し、円柱軸10を支持する軸受メタル11(すべり軸受け11)とから構成される摺動装置の試験体を製作した。そして、各試験体において、円柱軸10を軸受メタル11の円筒内で回転させて、摺動面に発生する摩擦係数を算出した。
試験に用いた試験体の製作過程について、下記に具体的に説明する。
図4は、試験に用いた摺動装置1の垂直および水平断面図である。軸受メタル11は外径φ60の鋼製円筒に内径φ45mmのアルミメタル11cを圧入したものである。一方、円柱軸10は円筒状を呈し、外径がφ43mm、軸方向曲率半径R700mmの鋼鉄(SCM420H鋼)の浸炭焼き入れ焼き戻し材である。円柱軸10および軸受メタル11の幅厚10b、11dは、ともに20mmである。
円柱軸10の表面には、凹部10aを、マイクロブラスト加工により形成した。マイクロブラスト加工では、光リソグラフィ技術を利用し、樹脂製マスクに凹部微細形状を形成し、その樹脂マスクを円筒表面に貼り付けた後、平均粒径20μmのアルミナ砥粒を、投射ノズルからワークまでの距離を100mmとし、投射流量100g/min、投射圧0.4Mpaの条件下で投射し、凹部10aを得た。
凹部10aを形成後、凹部10aのエッジ部にできた盛り上がりを粒径9μmのテープラップフィルムにより除去し、試験に供した。
表1に、上記により製作し、各試験体の円柱軸10の表面に設けられた凹部10aの形態を示す。
Figure 2006017259
比較例1および実施例1,2の円柱軸10において、凹部10aは、第2の実施形態に示した千鳥格子状に配置され、実施例3,4および比較例2の円柱軸10において、凹部10aは、第1の実施形態に示した正方格子状に配置されている。
各試験体の円柱軸10において、凹部10aの開口部の短辺の長さは50〜150μmであり、長辺の長さは、短辺の長さの2倍以上10倍以下であり、前述した好ましい範囲内に形成されている。
比較例1および比較例2の軸10における凹部10aは、X/SおよびX/Yが両者において上記の実施形態において示した好ましい値に設定されずに形成されている。これに対して、実施例1〜4の軸10における凹部10aは、X/SおよびX/Yがいずれも好ましい値に設定されて形成されている。
また、各試験体の円柱軸10において、凹部10aの最大深さは、0.5μm以上20μm以下であり、前述した好ましい範囲内に形成されている。
さらに 、各試験体の円柱軸10において、凹部10aが軸10の表面に開口する面積の合計は、軸10の表面積の0.3%以上10%以下となるように形成され、前述した好ましい範囲内に形成されている。
次に、試験に用いた装置について説明する。
図5は、試験に用いた内接2円筒試験機の概略図である。車のエンジンのクランクシャフトなどに用いられる軸とすべり軸受とから構成される摺動装置において、通常、すべり軸受は固定され、軸のみが回転する。本実施例においては、クランクシャフトなどに用いられる軸の回転速度を再現するために、円柱軸10を軸受メタル11の円筒内で回転方向Aに向けて回転させるとともに、すべり軸受け11も軸10の回転方向Aと反対の方向Bへ回転させて、両者の回転速度の絶対値を合算した相対回転速度が、クランクシャフトにおける軸の回転数と同程度となるようにした。よって、円柱軸10および軸受メタル11にはそれぞれ図示しないACサーボモータを取り付け、独立に回転制御できるようにしている。そして、5W30の潤滑油を入れた図示しない油浴内に、この円柱軸10および軸受メタル11を浸すことで、円柱軸10と軸受メタル11との間に油膜を形成した。そして、相対回転運動中に発生する摩擦トルクを、円柱軸10に取り付けた図示しないトルクセンサにより計測して、摩擦係数の算出を可能としている。
次に、表2に、本実施例における試験条件について示す。
Figure 2006017259
本試験は、ラジアル荷重20kgの荷重条件下で行い、使用した潤滑油は5W30SJであり、油温度は80℃である。
試験における円柱軸10および軸受メタル11の回転速度は、高速回転域における速度と、低速回転域における速度の2つを設定した。
はじめに、低速回転域における円柱軸10および軸受メタル11の回転速度について説明する。
低速回転域における速度として、円柱軸10の転がり速度U1を、矢印Aの方向を正として5m/s、軸受メタル11の転がり速度U2を、同じく矢印Aの方向を正として−1m/sとした。すなわち、円柱軸10は軸受メタル11よりも速い速度で回転し、相対転がり速度(|U1−U2|)は6m/s、平均転がり速度((U1+U2)/2)は2m/sである。
次に、高速回転域における円柱軸10および軸受メタル11の回転速度について説明する。
高速回転域における速度として、円柱軸10の転がり速度U1を、矢印Aの方向を正として5m/s、軸受メタル11の転がり速度U2を、同じく矢印Aの方向を正として−6.5m/sとした。すなわち、円柱軸10は軸受メタル11よりも遅い速度で回転し、相対転がり速度(|U1−U2|)は11.5m/s、平均転がり速度((U1+U2)/2)は−0.75m/s、すなわち矢印Aと反対の方向に0.75m/sである。
すなわち、本試験において、相対転がり速度は、高速回転域における速度が、低速回転域における速度よりも速くなるように、絶対値としての平均転がり速度は、高速回転域における速度が、低速回転域における速度よりも遅くなるように設定している。一般に、相対転がり速度が遅く、平均転がり速度が速くなるに従って、摺動面における油膜は厚くなる。よって、上記の高速回転域における条件下で形成される油膜は、低速回転域における条件下で形成されるものよりも、薄くなるものと想定される。
次に、試験結果について図6及び7を用いて説明する。
図6は、横軸に各試験体におけるX/Sの値を示し、縦軸に比較例1の摩擦係数に対する各試験体における摩擦係数の比率をパーセントにより示している。
図7は、横軸に各試験体におけるX/Yの値を示し、縦軸に比較例1の摩擦係数に対する各試験体における摩擦係数の比率をパーセントにより示している。
図に示すように、X/S及びX/Yを好ましい範囲内に設定した実施例1〜4の摩擦係数は、比較例1の摩擦係数に対して、低速回転域においてほぼ変わらないものの、高速回転域においては、50%から80%の範囲内に小さくなる。一方、比較例2の摩擦係数は、比較例1の摩擦係数に対して、高速回転域において60%程度と小さいが、低速回転域においては140%程度と大きくなる。これにより、実施例1〜4は、比較例1,2に対して、低速回転域においても、摩擦低減の効果を維持しつつ、高速回転域において摩擦低減の効果を発揮することが把握される。
X/S及びX/Yの値が大きい試験体(例えば、実施例2〜4、比較例2)は、高速回転域において、摩擦係数が小さい。この理由として、X/S及びX/Yの値が大きい試験体においては、油の流れに対する凹部10aによる抵抗が小さいため、軸10aの凹部10a以外の表面部における油の流れが円滑になることが考えられる。
また、比較例2は、他の試験体と比較して、低速回転域において、摩擦係数が極端に大きい。これは、比較例2は、他の試験体と比較して、摺動方向に直交する方向における摺動面の延長のうち、当該方向において凹部10aが形成されている延長の割合が小さいため、凹部10aの油を掻き込む効果および油を保持する効果が発揮されないものと考えられる。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
例えば、凹部10aは、軸10の表面ではなく、すべり軸受け11の内面に形成することとしてもよく、あるいは軸10の表面およびすべり軸受け11の内面の両方に形成することとしてもよい。
また、軸10とすべり軸受け11とは、いずれか一方を、上述したクランクシャフトのみならず、エンジンに用いられるカムシャフト、バランサーシャフトに適用可能である。
本発明の第1の実施形態における摺動装置1の概略図である。 第1の実施形態の軸の表面の一部における凹部の配置を示す拡大図である。 第2の実施形態の軸の表面の一部における凹部の配置を示す拡大図である。 本発明の実施例における試験に用いた摺動装置の垂直および水平断面図である。 本発明の実施例における試験に用いた内接2円筒試験機の概略図である。 本発明の実施例における試験結果を示す図である。 本発明の実施例における試験結果を図6とは異なる態様で示す図である。
符号の説明
1 摺動装置、
10 軸(摺動部材)、
10a 凹部、
11 すべり軸受(摺動部材)、
100 列(第1の列)、
101 列(第2の列)、
A 摺動方向、
S 凹部の開口部の摺動方向に直交する方向の長さ、
X 離隔距離(第1の離隔距離)、
Y 離隔距離(第2の離隔距離)。

Claims (10)

  1. 油を介して相対的に回転摺動する2つの摺動部材から構成され、前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方もしくは両方の表面に、複数の凹部が形成される摺動装置であって、
    前記凹部が摺動方向に並んだ複数の第1の列が形成され、
    1つの第1の列における凹部と、当該第1の列に隣接する他の第1の列における凹部とが摺動方向に直交する方向に離隔する第1の距離は、前記凹部の開口部の摺動方向に直交する方向の長さ以上であることを特徴とする摺動装置。
  2. 前記第1の離隔距離は、前記凹部の開口部の摺動方向と直交する方向の長さの1倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の摺動装置。
  3. 前記凹部が摺動方向に直交する方向に並んだ複数の第2の列がさらに形成され、
    前記第1の離隔距離は、1つの第2の列における凹部と、当該第2の列に隣接する他の第2の列における凹部とが摺動方向に離隔する第2の離隔距離に対して、0.5倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の摺動装置。
  4. 前記凹部が表面に開口する面積の合計は、当該凹部が表面に設けられた摺動部材の表面積の0.3%以上10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の摺動装置。
  5. 前記凹部の最大深さは、0.5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の摺動装置。
  6. 前記凹部は、長手方向が摺動方向に対して直交する方向に向いていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の摺動装置。
  7. 前記凹部の開口部の短辺の長さは、50μm以上150μm以下であり、且つ長辺の長さは、短辺の長さの2倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の摺動装置。
  8. 前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方を、エンジンに用いられるクランクシャフトに適用したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の摺動装置。
  9. 前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方を、エンジンに用いられるカムシャフトに適用したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の摺動装置。
  10. 前記2つの摺動部材のうち、いずれか一方を、エンジンに用いられるバランサーシャフトに適用したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の摺動装置。
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