JP2001159423A - 有摺接面部材 - Google Patents

有摺接面部材

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JP2001159423A
JP2001159423A JP34244099A JP34244099A JP2001159423A JP 2001159423 A JP2001159423 A JP 2001159423A JP 34244099 A JP34244099 A JP 34244099A JP 34244099 A JP34244099 A JP 34244099A JP 2001159423 A JP2001159423 A JP 2001159423A
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Japan
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contact surface
sliding contact
internal combustion
combustion engine
surface member
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JP34244099A
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English (en)
Inventor
Teiji Suzuki
貞次 鈴木
Hiroyuki Naruse
裕行 成瀬
Haruo Ide
晴夫 井手
Yuzo Yoshioka
勇三 吉岡
Nobuhiko Yoshimoto
信彦 吉本
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】潤滑剤が容易に流動することが可能でかつ耐焼
き付き性が良好な摺接面を有する有摺接面部材を提供す
る。 【解決手段】有摺接面部材10の摺接面10aには、凹
部12と凸部14とからなるうねり16が形成されてい
る。このうねり16は、基準長が4mmである際におけ
る平均凹凸高さが0.25μm以上1.2μm未満、平
均凹凸ピッチが20μm以上130μm未満、尖りが5
未満とされている。有摺接面部材10の好適な例として
は、加熱処理および冷却処理された球状黒鉛鋳鉄からな
る内燃機関用カムシャフトまたは内燃機関用バランサシ
ャフトを挙げることができる。これらのジャーナルが摺
接面10aである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有摺接面部材に関
し、一層詳細には、耐焼き付き性が良好でかつオイルが
容易に流動することが可能な摺接面を有する有摺接面部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関の内部に注入されたオ
イルは、該内燃機関が付勢されてピストンがシリンダボ
ア内を往復動作する際、ピストンの側周壁部とシリンダ
ボアまたはスリーブの内周壁部とが互いに繰り返し摺接
することに伴って発生した摩擦熱を除去するという役割
を果たす。すなわち、両摺接面に発生した摩擦熱が熱伝
導によってオイルへと伝達されることにより、該両摺接
面の温度が下降する。その結果、両摺接面に焼き付きが
生じることが回避される。
【0003】このことから諒解されるように、摺接面を
有する部材(以下、有摺接面部材という)においては、
その摺接面にオイルを保持させることにより焼き付きが
回避される。そこで、オイルが良好に保持されるよう
に、摺接面を特定の形状に加工することが種々提案され
ている。その例としては、内燃機関のピストンのスカー
ト部に形成された条痕、シリンダボアまたはスリーブの
内周壁部に形成されたプラトーホーニング、ローラベア
リングに形成された超微細オイルポッド、エンジンメイ
ンベアリングに形成されたグルーブ等が挙げられる。こ
れらは既に実施されており、実際、摺接面の耐焼き付き
性や疲労強度等が向上した部材として広く認識されるに
至っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
形状を有する摺接面は、必ずしもオイルを良好に流動さ
せることができるものではないという不具合がある。す
なわち、前記ピストンのスカート部が往復動作する際や
前記各ベアリングに軸支された軸が回転動作する際に、
オイルが条痕とシリンダボアとの間や、超微細オイルポ
ッドあるいはグルーブと軸との間に堰き止められて流動
が妨げられるからである。
【0005】このような事態が生じると、ピストンのス
カート部や各ベアリングに軸支された軸は、堰き止めら
れたオイルからの反作用力を受けるようになるので、往
復動作または回転動作が妨げられる。したがって、該ピ
ストンの往復動作や軸の回転動作等を続行させるために
多大な駆動力が必要となり、その結果、例えば、内燃機
関の燃料消費量が増加してしまうという不具合が惹起さ
れる。
【0006】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたもので、耐焼き付き性が良好でかつオイルが良好
に流動することが可能な摺接面を有する有摺接面部材を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、所定の部材に潤滑剤を介して摺接する
摺接面に凹部と凸部とからなるうねりを有する有摺接面
部材において、基準長が4mmである際における前記う
ねりの平均凹凸高さが0.25μm以上1.2μm未
満、平均凹凸ピッチが20μm以上130μm未満、尖
りが5未満であることを特徴とする。
【0008】平均凹凸高さ、平均凹凸ピッチ、尖りがこ
のような範囲内であるうねりを有する摺接面では、潤滑
剤は容易に流動することができる。このため、摺動部材
は、その摺動動作中に潤滑剤からの反作用力を受けるこ
とがないので、摺動動作が妨げられない。したがって、
摺動部材を摺動動作させるために多大な駆動力を必要と
することがない。また、この摺接面において発生する摩
擦熱は、速やかに潤滑剤へと伝達されるので、該摺接面
に焼き付きが生じることが回避される。
【0009】有摺接面部材の好適な例としては、浸炭焼
き入れ処理された鋼からなる内燃機関用クランクシャフ
トまたは内燃機関用バランサシャフトを挙げることがで
きる。有摺接面部材が内燃機関用クランクシャフトであ
る場合、クランクピンやジャーナルが摺接面となる。一
方、有摺接面部材が内燃機関用バランサシャフトである
場合、ジャーナルが摺接面となる。
【0010】別の好適な例としては、高周波焼き入れ処
理された鋼からなる内燃機関用クランクシャフトまたは
内燃機関用バランサシャフトを挙げることができる。
【0011】さらに別の好適な例としては、加熱処理お
よび冷却処理された球状黒鉛鋳鉄からなる内燃機関用カ
ムシャフトまたは内燃機関用バランサシャフトを挙げる
ことができる。有摺接面部材が内燃機関用カムシャフト
である場合、ジャーナルが摺接面となる。
【0012】以上において、上記した内燃機関用クラン
クシャフトや内燃機関用カムシャフト、あるいは内燃機
関用バランサシャフトの摺接面は、従来技術に係る内燃
機関用クランクシャフトや内燃機関用カムシャフト、あ
るいは内燃機関用バランサシャフトの摺接面に比して摩
擦係数が著しく小さい。このため、これらを回転動作さ
せるためのトルクが著しく小さくなるので、内燃機関の
燃料消費量を低減させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る有摺接面部材
につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して
詳細に説明する。
【0014】図1に、本実施の形態に係る有摺接面部材
10を示す。この有摺接面部材10においては、その周
面が図示しない所定の部材に摺接する摺接面10aであ
る。
【0015】この摺接面10aの要部拡大図を図2に示
す。この図に示されるように、摺接面10aは、微視的
には平坦ではなく、凹部12と凸部14とが連なってな
るうねり16を多数有する。そして、このうねり16
は、潤滑剤としてのオイルの摺接面10a上における流
動を妨げないように、基準長4mmにおける平均凹凸高
さ(以下、Rcとも表記する)、平均凹凸ピッチ(以
下、Smとも表記する)および尖り(以下、Rkuとも
表記する)が後述する範囲内となるように形成されてい
る。
【0016】ここで、Rc、SmおよびRkuの定義を
示すとともに、その範囲について説明する。
【0017】まず、凹凸高さとは、図3に示すように、
凹部12の底部と凸部14の頂部との差Δである。これ
を基準長4mm内において、例えば、図3におけるΔ1
〜Δ3を全て測定し、その総和を測定個数で除したもの
がRcである。
【0018】本実施の形態に係る有摺接面部材10にお
いては、うねり16は、Rcが0.25μm以上1.2
μm未満となるように形成される。0.25μm未満で
あると、凹部12と所定の部材の摺接面との間に介在さ
れたオイルの量が凸部14と前記摺接面との間に介在さ
れたオイルの量と略等しくなるので、両オイルは略同等
の圧力で押圧される。このため、凸部14と前記摺接面
に介在されたオイルの凹部12への流動が妨げられるよ
うになる。また、1.2μm以上であると、凹部12と
前記摺接面との間に介在されたオイルが凸部14の頂部
を通過することができなくなり、その結果、該頂部と所
定の部材の摺接面とがオイルを介さずに摺接するように
なるので、焼き付きが起こり易くなる。好ましいRcの
範囲は、0.4〜0.8μmである。
【0019】次に、凹凸ピッチとは、図4に示すよう
に、うねり16に平均線Lを引き、1つの凸部14と平
均線Lとの交点Aから次の凸部14と平均線Lとの交点
Bとの距離である。これを基準長4mm内において、例
えば、図4におけるAからB、BからCおよびCからD
の各間の距離を全て測定し、その総和を測定個数で除し
たものがSmである。なお、平均線Lは、基準長4mm
内における各凹部12の底部の位置および各凸部14の
頂部の位置に基づいて最小自乗法により求められた直線
である。
【0020】うねり16は、Smが20μm以上130
μm未満となるように形成される。20μm未満である
と、凸部14の傾斜面の勾配が急になるので、凹部12
と前記摺接面との間に介在されたオイルが凸部14の頂
部を通過することができなくなり、その結果、該頂部と
所定の部材の摺接面とがオイルを介さずに摺接するよう
になるので、焼き付きが起こり易くなる。また、130
μm以上であると、凸部14全体が長くなるのでその頂
部も長くなり、したがって、オイルが該頂部を通過する
のに長時間を要するようになる。このため、オイルの流
動速度が遅くなり、その結果、摺動する部材がオイルか
ら反作用力を受けるようになるので、摺動動作が妨げら
れるようになる。好ましいSmの範囲は、40〜70μ
mである。
【0021】そして、Rkuは、凸部14の鋭利さを表
す指標である。Rkuが3未満、3、3を超える場合に
対応する凸部14の形状を、曲線O、PおよびQとして
図5にそれぞれ示す。この図から、Rkuが3未満の場
合には凸部14の先端が丸みを帯び、値が大きくなるに
つれて鋭利さを増していくこと、Rkuが3の場合には
凸部14の形状が正規分布曲線形状となることが諒解さ
れる。なお、Rkuは負になることはない。
【0022】うねり16は、Rkuが5未満となるよう
に形成される。5以上である場合、凸部14の先端が著
しく鋭利になることに伴い傾斜面の勾配が急になるの
で、凹部12と前記摺接面との間に介在されたオイルが
凸部14の頂部を通過することができなくなり、その結
果、該頂部と所定の部材の摺接面とがオイルを介さずに
摺接するようになるので、焼き付きが起こり易くなる。
【0023】Rc、SmおよびRkuが上記範囲内であ
るうねり16においては、凹部12と凸部14との高低
差が小さく、かつ凹部12の深さおよび凸部14の高さ
が略均一である。しかも、凸部14の斜面の勾配は緩や
かであり、かつ凸部14の頂部はオイルが速やかに通過
できるような長さに形成されている。このため、オイル
は、有摺接面部材10が摺動動作する際、次のように流
動する。
【0024】例えば、有摺接面部材10が内燃機関用ク
ランクシャフトであり摺接面10aがジャーナルである
場合、該内燃機関用クランクシャフトは、内燃機関用シ
リンダブロックのジャーナル受部に固定されたベアリン
グに摺接する。そして、該内燃機関用クランクシャフト
が回転動作すると、ジャーナルの側周壁部(摺接面10
a)の凹部12とベアリングの内周壁部との間に介在さ
れたオイルは、凹部12と凸部14との高低差が小さ
く、かつ凸部14の斜面の勾配が緩やかであるので、凸
部14の頂部へと流動する。すなわち、オイルが凹部1
2とベアリングの内周壁部との間に堰き止められること
はない。
【0025】凸部14の頂部へ流動したオイルは、凸部
14とベアリングの内周壁部との間隔が狭いので、高圧
力を受ける。このため、オイルは、間隔がより広く、し
たがって、受ける圧力がより低い凹部12とベアリング
の内周壁部との間へと流動する。この際、凸部14の頂
部はオイルが速やかに通過できる長さであるので、オイ
ルが凸部14とベアリングの内周壁部との間に堰き止め
られることはない。また、凹部12の深さおよび凸部1
4の高さが略均一であるので、この流動は摺接面10a
の全体に亘り略均等に生じる。すなわち、摺接面10a
の一部においてオイルが堰き止められることはない。
【0026】このように、うねり16のRc、Smおよ
びRkuを上記範囲内とすることにより、オイルの流動
が妨げられることのない摺接面10aとすることができ
る。また、摺接面10aおよび前記所定の部材の摺接面
に生じる摩擦熱は速やかにオイルに伝達されるので、両
摺接面に焼き付きが生じることはない。
【0027】うねり16を有する摺接面10aは、例え
ば、図6に示す噴射装置20を用いて製造することがで
きる。
【0028】まず、噴射装置20の構成について説明す
る。図6に示されるように、この噴射装置20は、サー
ジタンク22と、該サージタンク22にチューブ23を
介して接続された噴射部24と、該噴射部24内に設け
られたノズル部25と、該ノズル部25により噴射部2
4内に区画されてサージタンク22から圧送される水2
6およびホッパー28から供給されるガラスビーズ30
を混合するためのミキシングチャンバ32と、ガラスビ
ーズ30が混合された水26をワークWの表面に噴射す
るためのフォーカシングチューブ34とを備える。そし
て、サージタンク22には高圧ポンプ36が設置されて
おり、この高圧ポンプ36によりガラスビーズ30が混
合された水26の噴射圧力を設定することができる。
【0029】この噴射装置20を使用し、ワークWの表
面に対してガラスビーズ30が混合された水26を噴射
することにより、この表面にうねり16が形成された有
摺接面部材10が得られる。うねり16が形成された表
面が摺接面10aである。
【0030】具体的には、まず、図6に示すように、ワ
ークWをフォーカシングチューブ34の軸線に沿って配
置する。ここで、ワークWの構成材料は特に限定される
ものではないが、例えば、鋳鉄や焼き入れ処理が施され
た鋼等、ガラスビーズ30よりも高硬度のものを挙げる
ことができる。
【0031】そして、高圧ポンプ36によりサージタン
ク22内の水26をチューブ23を介して噴射部24に
圧送し、さらにノズル部25を介してミキシングチャン
バ32に圧送するとともに、ホッパー28からガラスビ
ーズ30をミキシングチャンバ32に供給する。これに
より、水26とガラスビーズ30とがミキシングチャン
バ32内で混合される。ガラスビーズ30が混合された
水26は、フォーカシングチューブ34の先端に設けら
れた噴出口34aから噴出され、ワークWに衝突する。
【0032】ここで、ガラスビーズ30の直径および該
ガラスビーズ30が混合された水26の噴出圧力は、ワ
ークWの表面に、Rc、SmおよびRkuが上記範囲内
であるうねり16が形成されるように設定される。例え
ば、ワークWが浸炭焼き入れ処理された鋼からなり、か
つガラスビーズ30の直径が20〜100μmである場
合、該ガラスビーズ30が混合された水26の噴射圧力
は60〜280MPaに設定される。噴射圧力が60〜
280MPaである際にガラスビーズ30の直径が20
μm未満であると、Rcが0.25μm未満のうねりが
形成されることがある。また、100μmを超えると、
凸部のRkuが5以上であるうねりや、Rcが1.2μ
m以上のうねりが形成されることがある。一方、ガラス
ビーズ30の直径が20〜100μmである際に噴射圧
力が60MPa未満であると、Rcが0.25μm未満
のうねりが形成されることがある。また、280MPa
を超えると、凸部のRkuが5以上であるうねりや、R
cが1.2μm以上のうねりが形成されることがある。
【0033】ガラスビーズ30がワークWに衝突する
と、ガラスビーズ30によってワークWの表面における
衝突箇所が研磨される。さらに、ワークWはガラスビー
ズ30よりも高硬度であるので、図7に示すように、こ
の衝突の際にはガラスビーズ30が破壊される。その破
壊片30aは、高圧の水26によりワークWの表面に押
圧される。その結果、該表面が破壊片30aによって研
磨される。また、ワークWの表面には高圧で噴射された
水26も衝突する。すなわち、該表面は、この水26に
よっても研磨される。
【0034】そして、上記したように、ガラスビーズ3
0の直径および該ガラスビーズ30が混合された水26
の噴射圧力は、Rc、SmおよびRkuが上記範囲内の
うねり16が形成されるように設定されている。したが
って、オイルの流動を妨げることのない摺接面10aを
有する有摺接面部材10を得ることができる。
【0035】なお、有摺接面部材10は、Rc、Smお
よびRkuが上記範囲内であるうねり16が摺接面10
aに形成されたものであれば特に限定されるものではな
いが、好適な例としては、浸炭焼き入れ処理された鋼か
らなる内燃機関用クランクシャフトまたは内燃機関用バ
ランサシャフトを挙げることができる。有摺接面部材1
0が内燃機関用クランクシャフトである場合、クランク
ピンやジャーナルが摺接面10aとなる。一方、有摺接
面部材10が内燃機関用バランサシャフトである場合、
ジャーナルが摺接面10aとなる。
【0036】また、別の好適な例としては、高周波焼き
入れ処理された鋼からなる内燃機関用クランクシャフト
または内燃機関用バランサシャフトのジャーナルを挙げ
ることができる。さらにまた別の好適な例としては、加
熱処理および冷却処理された球状黒鉛鋳鉄からなる内燃
機関用カムシャフトまたは内燃機関用バランサシャフト
を挙げることができる。有摺接面部材10が内燃機関用
カムシャフトである場合、ジャーナルが摺接面10aと
なる。
【0037】上記した内燃機関用クランクシャフトや内
燃機関用カムシャフト(有摺接面部材10)のジャーナ
ル等(摺接面10a)は、従来技術に係る内燃機関用ク
ランクシャフトや内燃機関用カムシャフトのジャーナル
等に比して摩擦係数が著しく小さい。このため、これら
を回転動作させるためのトルクが著しく小さくなるの
で、内燃機関の燃料消費量を低減させることができる。
しかも、上記したようにオイルの流動が妨げられること
がないので、内燃機関に焼き付きが生じることもない。
【0038】また、有摺接面部材10は、自身が固定位
置決めされて所定の部材が移動することにより摺接面1
0aを介して該所定の部材に摺接されるものであっても
よい。例えば、ベアリングであってもよい。
【0039】
【実施例】加熱処理および冷却処理されてロックウェル
硬度が55以上を示す球状黒鉛鋳鉄からなる内燃機関用
カムシャフトを作製した。そして、この内燃機関用カム
シャフトのジャーナルに研削加工を施し、次いで、直径
45μmのガラスビーズ30が混合され、160MPa
の噴射圧力で噴射された水26を該ジャーナルに衝突さ
せ、Rc=0.65μm、Sm=38μm、Rku=
4.7であるうねり16を形成した。これを実施例とす
る。
【0040】比較のため、実施例と同様に加熱処理およ
び冷却処理された後に研削加工が施され、さらに仕上げ
加工が施されたジャーナルを有する球状黒鉛鋳鉄製の内
燃機関用カムシャフトを作製した。これを比較例とす
る。
【0041】実施例および比較例の内燃機関用カムシャ
フトをそれぞれ使用して内燃機関を構成し、各内燃機関
用カムシャフトを種々の回転数で回転動作させ、その際
の摩擦係数を測定した。結果を図8に示す。この図8か
ら、実施例の内燃機関用カムシャフトのジャーナルにお
ける摩擦係数が比較例に比して著しく小さいこと、した
がって、この内燃機関用カムシャフトを回転動作させる
ためのトルクが小さいことが明らかである。
【0042】また、上記の回転試験が終了した後、各内
燃機関を分解して実施例および比較例の各内燃機関用カ
ムシャフトのジャーナルを観察したところ、いずれも焼
き付きが生じていないことが認められた。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る有摺
接面部材によれば、その摺接面は、平均凹凸高さ、平均
凹凸ピッチおよび尖りが所定の範囲内であるうねりが形
成されている。このため、該摺接面において、潤滑剤が
容易に流動するので、摺動部材がその摺動動作中に潤滑
剤からの反作用力を受けることがない。したがって、摺
動動作が妨げられることがないので、多大な駆動力を必
要とすることなく摺動部材を摺動動作させることができ
るという効果が達成される。また、この摺接面において
発生する摩擦熱は、速やかに潤滑剤へと伝達されるの
で、該摺接面に焼き付きが生じることが回避される。
【0044】有摺接面部材の好適な例としては、浸炭焼
き入れ処理された鋼からなる内燃機関用クランクシャフ
トまたは内燃機関用バランサシャフトを挙げることがで
きる。有摺接面部材が内燃機関用クランクシャフトであ
る場合、クランクピンやジャーナルが摺接面となる。一
方、有摺接面部材が内燃機関用バランサシャフトである
場合、ジャーナルが摺接面となる。また、別の好適な例
としては、高周波焼き入れ処理された鋼からなる内燃機
関用クランクシャフトまたは内燃機関用バランサシャフ
トを挙げることができる。さらに別の好適な例として
は、加熱処理および冷却処理された球状黒鉛鋳鉄からな
る内燃機関用カムシャフトまたは内燃機関用バランサシ
ャフトを挙げることができる。有摺接面部材が内燃機関
用カムシャフトである場合、ジャーナルが摺接面とな
る。
【0045】上記した摺接面を有する内燃機関用クラン
クシャフトや内燃機関用カムシャフト、あるいは内燃機
関用バランサシャフトが組み込まれて構成された内燃機
関においては、該内燃機関用クランクシャフトや内燃機
関用カムシャフト、あるいは内燃機関用バランサシャフ
トを回転動作させるトルクが従来技術に係るこれらに比
して小さくなる。このため、内燃機関の燃料消費量が低
減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る有摺接面部材の概略全体図
である。
【図2】図1の有摺接面部材の摺接面の縦断面要部拡大
図である。
【図3】うねりと凹凸高さとの関係を示して平均凹凸高
さの定義を説明する説明図である。
【図4】うねりと凹凸ピッチとの関係を示して平均凹凸
ピッチの定義を説明する説明図である。
【図5】うねりの形状と尖りの値との関係を示して尖り
の定義を説明する説明図である。
【図6】うねりを形成するための噴射装置の要部縦断面
概略構成図である。
【図7】ガラスビーズが表面に衝突して破壊された状態
を示す要部拡大説明図である。
【図8】実施例および比較例の各内燃機関用カムシャフ
トを有する内燃機関の回転数と摩擦係数との相関関係を
示すグラフである。
【符号の説明】 10…有摺接面部材 10a…摺
接面 12…凹部 14…凸部 16…うねり 20…噴射
装置 26…水 30…ガラ
スビーズ 30a…破壊片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井手 晴夫 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 吉岡 勇三 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 吉本 信彦 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3G016 AA19 BA46 BA47 CA04 CA06 CA45 EA02 EA05 FA13 FA16 GA00 3J011 CA05 JA02 NA01 PA02 QA03 SB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の部材に潤滑剤を介して摺接する摺接
    面に凹部と凸部とからなるうねりを有する有摺接面部材
    において、 基準長が4mmである際における前記うねりの平均凹凸
    高さが0.25μm以上1.2μm未満、平均凹凸ピッ
    チが20μm以上130μm未満、尖りが5未満である
    ことを特徴とする有摺接面部材。
  2. 【請求項2】請求項1記載の有摺接面部材において、該
    有摺接面部材が浸炭焼き入れ処理された鋼からなる内燃
    機関用クランクシャフトまたは内燃機関用バランサシャ
    フトであることを特徴とする有摺接面部材。
  3. 【請求項3】請求項1記載の有摺接面部材において、該
    有摺接面部材が高周波焼き入れ処理された鋼からなる内
    燃機関用クランクシャフトまたは内燃機関用バランサシ
    ャフトであることを特徴とする有摺接面部材。
  4. 【請求項4】請求項1記載の有摺接面部材において、該
    有摺接面部材が加熱処理および冷却処理された球状黒鉛
    鋳鉄からなる内燃機関用カムシャフトまたは内燃機関用
    バランサシャフトであることを特徴とする有摺接面部
    材。
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