JP2010042502A - 往復ピストン式燃焼機関のシリンダライナーのシリンダ壁に滑走面を形成する機械加工方法 - Google Patents

往復ピストン式燃焼機関のシリンダライナーのシリンダ壁に滑走面を形成する機械加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピストンがシリンダライナー内に配置されシリンダ軸線の方向に往復作動するピストン式燃焼機関、特に緩速2ストローク式大型ディーゼル機関のシリンダライナーのシリンダ壁に滑走面を形成する機械加工方法を提供する。
【解決手段】シリンダライナー素材を設ける段階および切削工具によるシリンダ壁2の切削段階を含み、微細機械加工段階にてシリンダ壁2に円周方向毛管61のある毛管状微細構造6を形成し、前記毛管状微細構造6がシリンダライナー3のシリンダ軸線4に沿って螺旋状に伸長されるようにする機械加工方法に関するものである。本発明による機械加工方法の特徴は、毛管状微細構造6が実質的に保持されるように、交差方向機械加工方法によって毛管状微細構造6の円周方向毛管61の間に交差方向連結部を形成するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、往復ピストン式燃焼機関(特に、緩速大型ディーゼル機関)におけるシリンダライナーのシリンダ壁に滑走面を形成する機械加工方法、および、各カテゴリーの独立請求項の前段部分に記載されたシリンダライナーに関するものである。
大型ディーゼル機関は船舶の駆動ユニット、または例えば発電用大型発電機を駆動する固定設備の駆動ユニットとしてしばしば使用されている。これに関して、機関は一般にかなりの期間にわたって継続して運転され続けるので、このことが運転における安全性および有効性に高い要求を課している。したがって、特に長い保守点検の間隔期間、低摩耗性、および燃料および運転材料の経済的運用性がオペレータにとっての機械を運転するための中心的な基準となる。かかるボア径の大きな低滑走速度のディーゼル機関のピストン走行挙動は、とりわけ、保守間隔の長さ、有効性、および潤滑油の消費に関係し、また、運転コストしたがって運転効率に直接関係する決定ファクターとなる。したがって、大型ディーゼル機関の潤滑に関する複雑な問題はますます重要になっている。
WO 00/28194 CH−613495号 EP−0652426 EP1006271号明細書
大型ディーゼル機関(これに限るわけではないが)では、ピストンの潤滑は往復ピストンまたはシリンダ壁の潤滑手段によって行われており、この潤滑手段はシリンダ壁の滑走面に潤滑油を供給してピストンと滑走面との間の摩擦を最小限に抑制し、これにより滑走面およびピストンリングの摩耗を最小限に抑制する。ヴェルトシーレの2サイクル機関のような最新機関では、滑走面の摩耗は1000時間の運転で現在のところ0.05mm未満である。この機関の潤滑油移送量は約1.3g/kWh以下であり、特に経費を理由として、可能ならばさらに低減化し、同時に摩耗も最小限に抑制しなければならない。
滑走面の潤滑に関しては、潤滑手段の特殊な例、および、潤滑方法の両者について、非常に異なる解決方法が知られている。これら既知の潤滑手段では、シリンダ壁の円周方向に設けた複数の潤滑油孔からそれらを通過するピストンに潤滑油が供給され、その潤滑油は、ピストンリングによって円周方向および軸線方向の両方に配分される。この方法において潤滑油はシリンダ壁の滑走面の広い面積部分に塗布されず、ピストン側面上で各ピストンリング間のせいぜい局部的な面積部分に塗布されるために、滑走面の全域にわたる潤滑油の配分が十分に保証されないことが多く、これによって、過度の摩擦が生じて熱発生増となり、最終的に、局部的な材料破壊を伴うピストンと滑走面の接触面間の溶着(すなわち、焼付き)に至る。
潤滑油の良好な配分を保証するため、すなわち、より均一な潤滑油膜の滑走面への形成を保証するために、例えばWO00/28194において潤滑システムが提供されており、そのシステムではシリンダ壁に備えた霧化ノズルによって潤滑油がシリンダ壁の実質的に接線方向へと燃焼空間内の掃気中へ高圧で噴射され、潤滑油は小粒子となって霧化される。これにより霧化潤滑油は最終的に掃気中に分散され、この掃気およびその中に最終的に分散された潤滑油粒子が旋回流の遠心力によってシリンダ壁の滑走面へ向けて飛散される。この過程で、半径方向の潤滑油噴射よりも遥かに均一な潤滑油膜が滑走面上に形成されることは明白である。しかしながら、この方法の重大な欠点は、使用される潤滑油の少ないとはいえない量が掃気とともに排出されるか、次の燃焼サイクルで燃焼されてしまうということである。不必要なほど多量の潤滑油が消費されることになり、これは運転コストに対して明らかにマイナスとなる影響を与える。
他の処理では、潤滑油を滑走面の全高範囲の望まれるあらゆる箇所に対して基本的に供給できるように、複数の潤滑油ノズルを移動ピストンに備えることが好ましい。
これに関して、潤滑油をシリンダ壁の滑走面に付着させる方法に加えて、潤滑油の計量もまた重要な問題点となる。単位時間および単位面積当たり滑走面に付着させるべき潤滑油量は、往復ピストン式燃焼機関の運転における多数の異なるパラメータによって決めることができる。例えば、使用燃料の化学組成、特に硫黄成分が重大な役割を果たす。ピストンおよびシリンダ滑走面の間、さらに正確にはピストンリングとシリンダ壁の滑走面の間の摩擦を減少させるシリンダの潤滑に加えて、潤滑油は、とりわけ侵食性の酸特に硫黄を含む酸や機関の燃焼空間内での燃焼過程で生じる酸を中和する働きも有する。したがって使用燃料に対応して、とりわけ、潤滑油のいわゆるBN値が基準とされる中和能の相違するさまざまな種類の潤滑油を使用できる。したがって、硫黄含有量が高い燃料の場合には、BN値の高い潤滑油の方が酸に対する強い中和作用を有するので、硫黄含有量の低い燃料の場合よりも高いBN値の潤滑油を使用することが有利となる。
しかしながら、同じ潤滑油の種類であっても品質の異なる燃料に対して使用しなければならないこともまたしばしばあり得る。その場合、酸含有量の高低は、例えば使用される潤滑油量の対応する増減によって燃焼生成物で補償できる。
供給する潤滑油の計量における他の問題は、往復ピストン式燃焼機関の運転状態における潤滑油膜の状態、特に潤滑油膜の厚さの時間的および/または局部的な変動で表される。
潤滑油の必要量は通常、例えば速度、燃焼温度、機関温度、機関冷却のための冷却力、負荷のような非常に変化を生じる運転パラメータ、および他の多くの作動パラメータによっても決まる。したがって、与えられた速度および高負荷のもとでは、同じ速度で低負荷の場合とはさまざまに異なる量の潤滑油をシリンダ滑走面に供給しなければならないことが起こり得る。
さらに、燃焼機関自体の状態が潤滑油量に影響を及ぼし得る。したがって、例えば、シリンダ滑走面、ピストンリング、ピストンなどの摩耗状態によっては、使用する潤滑油量を大幅に変更できる。未だ運転されたことのない新品のシリンダ滑走面を有するシリンダおよび/または新品のピストンリングの場合には、組部品、すなわち例えばピストンリングおよび滑走面が馴染を得る研磨が行われて互いに理想的な組合状態に落ち着くように、運転初期状態では或る程度大きな摩擦が絶対的に望まれる。これは、特に、かなりの運転時数にわたって既に運転が行われたシリンダの場合とは異なる潤滑油量で一般に運転初期状態において運転することで達成できる。したがってこの潤滑油量は個別に、特に複数のシリンダを有する機械では各シリンダに対して設定できる。
一般に、シリンダ滑走面は運転時数に応じて円周方向および長手方向の両方においてさまざまに異なる摩耗を生じる。これは、例えばピストンリングおよびピストン自体に対しても同様のことが言える。
したがって往復式燃焼機関における潤滑油量は運転時間数に応じて設定すべきであり、1つの同じシリンダであってもシリンダ壁の滑走面の異なる箇所での時間的および局部的なさまざまな要求に応じて計量できなければならない。
したがって、シリンダ滑走面または移動ピストンの異なる領域に個別に制御できることが望ましい潤滑油ノズルを備え、潤滑油量を要求に応じて時間的および局部的な両方において適宜に融通性をもって変化できるようにすることが知られてきた。
特定の時期に特定の潤滑油ノズルで導くべき潤滑油量を決定するためのさまざまな方法が知られている。簡単な例では、潤滑油量は往復ピストン式燃焼機関の運転状態に応じて、恐らく、例えば負荷または速度の関数として、使用される燃料および潤滑油の品質を考慮して単純に制御され、組合う相手部品の摩耗状態もまた既に運行した運転時数に基づいて考慮することができる。
これに関して、潤滑油量を調整する別の方法もまた一般に知られている。例えばピストン式燃焼機関のためのシリンダ装置がCH613495に開示されており、これはピストンリングの固着を避けるための温度および振動センサーによりピストンリングの異常な摩擦状態を検出して、そのような不具合が発生すると特定の潤滑箇所での供給潤滑油量を増大させる。EP0652426は、擦れ傷や摩耗固着による温度発生の特性を参考にしてシリンダ壁を定期的に温度測定することによってそれらの発生を認識し、また、これに対応する損傷を自動的な出力低下および/または潤滑油供給量の増大で阻止する方法を示している。内燃機関の限界的な作動状態を早期に認識するさらに他の知られた方法はEP1006271に示された超音波方法であり、これにおいてはシリンダに配置された超音波変換器が組合う相手部品に超音波信号を作用させ、反射信号を相手部品の状態決定に使用する。
例えば、従来技術で知られた装置において、ピストン固着または擦れ傷が特定のシリンダで検出されたならば、そのシリンダに関して異常な作動状態が消え去るまで潤滑油量が増量され、シリンダへ供給した単位時間当たりの潤滑油量は再び減少させることができる。
したがって当業者には、潤滑不足状態および混合潤滑の状態とはいわゆる流体力学的潤滑の領域を識別できる。人はそのような厚さの潤滑油膜が組合う滑走面との間、すなわちシリンダ壁の滑走面とピストンのピストンリングとの間に形成されたときに流体力学的潤滑と呼び、組合い部品の表面はその潤滑油膜で十分に隔てられ、互いに接触しない。いわゆる混合摩擦または混合潤滑の状態は他の境界的な場合を表す。混合摩擦の場合は、組合い部品の間の潤滑油膜が少なくとも部分的に薄く、組合い部品が互いに直接に接触する。この場合、擦れ傷を発生して最終的にピストン固着を形成する危険がある。これらの2つの境界的な場合の間においていわゆる潤滑不足が生じる。潤滑不足の状態では、潤滑油マイクロ波組合い部品が互いに接触しない程度の厚さは有するが、組合い部品間の潤滑油量は流体力学的潤滑が形成されるほどには十分でない。従来技術において混合潤滑および潤滑不足の状態は何れもできるだけ防止されている。これは、潤滑油膜の厚さが好ましく選ばれて組合い部品の間に流体力学的潤滑が使用されることを意味する。
流体力学的潤滑の領域における運転は、当然ながら相応に高い潤滑油消費を結果として伴う。これは一方においてきわめて不経済であるだけでなく、驚くべきことに潤滑不足のみならずに余剰潤滑油もがシリンダの組合い部品に損傷を生じ得ることを見出した。
シリンダ潤滑に関連するこれまで記載した複雑な問題を解決するために多くの解決方法が従来技術において提供されてきており、それらは或る場合には互いにオーバーラップしていて、潤滑油の供給方法に関係するもの、潤滑油量の監視および調整を取扱うもの、ピストン設計の最適化、特に個々のピストンリングまたはピストンリングパケット全体の最適化に関係するものであるか、または、例えば潤滑系統したがって潤滑油または燃料の化学成分によってピストンの動きの最適化を試みるものである。
しかしながらこれら全ての対策は、滑走面が適当でない場合、または、運転状態におけるピストンの往復移動でピストンリングパケットを経て擦れ接触を生じるシリンダライナーのシリンダ壁の滑走面に信頼できる潤滑油膜を形成するうえで滑走面がただ単に不適当である場合には、少なからず効果的でない。
したがって、シリンダライナーのシリンダ壁における滑走面の形成は重大なことであり、その観察は確実にますます重要となってきている。
通常使用されるシリンダライナーは一般によく知られたモールド成形方法により製造されており、これによればシリンダライナー素材が最初に準備される。これに関してこの鋳造材料は硬質材料を適当に富裕化されるか、または、シリンダライナー素材の鋳造および/または冷却に際して、鋳造母材に、例えばカーバイドを含有できるそれ自体公知の硬質相、またはそれ自体公知の他の硬質相の多少拡張された複数領域が形成または分離されるように、それ自体公知の方法によって鋳造および冷却工程が操作される。これらの硬質相は、比較的軟質の鋳造母材と硬質相との有利な組合せが生じるように、鋳造母材に多少不規則な分布またはマトリックスを形成する。これに関して比較的軟質の鋳造母材は、内燃機関の運転状態における極めて高い温度および圧力の変動負荷に耐えられるように、例えば、とりわけシリンダライナーの機械的弾性および長期の強度を保証する。対照的に硬質相はシリンダ壁またはシリンダ滑走面に十分高い硬度を与えるが、それだけではなく特にピストンとシリンダ滑走面との間の摩擦による過度の摩耗を生じる傾向を与える。この形式のシリンダライナーのさまざまな製造方法およびそれらの特性は当業者に非常に良く知られており、したがって本明細書でこれ以上説明する必要はない。
シリンダ壁上でのピストンの滑走面を形成することになるシリンダライナー素材の内壁は、一般に複数の複雑な加工段階を経て機械加工される。最初に、切削段階において円周方向溝による粗い溝状構造がシリンダ壁に円周方向に形成される。前記粗い構造はシリンダライナーのシリンダ壁にシリンダ軸線に沿ってねじ状に伸長する。当業者には良く知られているように、この粗い溝状構造は、とりわけ使用する切削工具および送り速度によって実質的に影響を受け、切削工具の回転速度も当然ながら粗い溝状構造の形成に実質的に影響を与え得る。
その後、シリンダ滑走面は前ホーニング加工および仕上げホーニング加工を施され、また、おそらく滑走面に微細構造を与えるために適当な仕上げ工程を施される。
シリンダライナーのシリンダ壁を通してシリンダ軸線に沿って長手方向断面をとるならば、滑走面は長手方向断面に沿って、すなわちシリンダ軸線方向に沿って多少ながら波状構造を呈する。
シリンダライナーの機械加工、例えば切削またはホーニング加工における大きな問題点は、滑走面の支持部を形成している数十分の1ミリメートルからミリメートル範囲までの比較的広い幅を有する硬質相が機械加工で壊れて滑走面に損傷を生じ得ることであり、それらの損傷は滑走面に深く伸び、例えば1mm以上に及ぶ。これは、材料組織に適合していない場合、粗悪または摩滅した不適正工具が使用された場合や、送り速度または回転速度、滑走面に対する工具の押付け力などの機械加工パラメータが不適正に選ばれまたは適合していない場合に特に発生が危ぶまれる。
このような損傷は、一般に知られているように、シリンダの滑走面上での潤滑油膜の形成に非常に悪影響を及ぼす。
機関の公知の摩擦メカニズムを通してピストンによって波状構造が次第に摩滅すると、ピストンまたはピストンリングは、何千運転時間、例えば16000運転時間に及ぶ特定実働時間後に、壊れて損傷している波状構造の底に達することになる。これにより、不適正な旋削またはホーニング加工でもともと損傷されているシリンダ壁から、機関運転中にさらに硬質相に加えて鋳造された母材もが砕け、これが潤滑油を汚し、最悪の場合にはピストンとシリンダの滑走面との間の抵抗を非常に増大させることになる。
これらの問題を回避するために、シリンダの長手方向に伸長する波状構造の頂点および底を所定の角度で横切る交差方向ホーニング加工をシリンダ滑走面に予め施すことによって波状構造を実質的に完全に除去して、交差方向ホーニング加工で生じる極めて微細な交差方向溝しか滑走面に残らないようにする。これに関連して、その対応する公知方法は非常に長い時間を必要とする。周知の方法を使用すれば1つのシリンダライナーの機械加工に一般に多くの時間を必要とする。このように96cm径のシリンダライナー素材の機械加工では例えば10時間程度を必要とし、これは当然ながら対応する工具特性および人的要因も関係し、この製造方法にそのように長い時間を必要として最終的に高コストにつなげている。
さらに、シリンダ壁の硬質相が壊れる問題は波状構造を除去することで明らかに管理できたが、これは滑走面上の潤滑油膜のさまざまな特性を損なうことにつながり、これによって前述の不利益をもたすことが見出された。
これにより特にシリンダライナーの滑走面に保持されるオイル量は全体的に悪影響を受け、もはや必要な油膜の均一性が十分に保証されず、シリンダ滑走面の全体的な潤滑油の動的配分も厳しく阻害されるか、少なくとも不利益なことに交差方向ホーニング加工で形成された交差方向溝構造によって少なくとも不均整状態に設定されてしまう。
したがって、本発明の目的は、往復作動ピストン式燃焼機関、特に遅い往復速度の2ストローク式大型ディーゼル機関におけるシリンダ壁の滑走面を製造する改良された機械加工方法であって、滑走面の潤滑油保持量を最適化し、また、滑走面全域にわたる潤滑油膜の分布を改善すると同時に、シリンダライナーの運転状態で滑走面を流れる潤滑油の運動方向および流量に関して十分な動性を保証できるような、機械加工方法の実施中およびその後のシリンダライナーの作動中の両方において硬質相の壊れが格段に防止される機械加工方法を提供することである。本発明の他の目的は、これに対応するシリンダライナーを提供することである。
これらの目的を達成する技術的方法および装置に関連する本発明の主題は、特許請求の範囲のそれぞれの範疇の独立項に記載された特徴によって特徴づけられる。
従属請求項は本発明の特に有利な実施例に関するものである。
このように本発明は、装着状態で、滑走面に沿ってシリンダ軸線方向に前後に移動できるようにシリンダライナー内にピストンが配置される往復作動ピストン式燃焼機関(特に、緩速2ストローク式大型ディーゼル機関)におけるシリンダライナーのシリンダ壁滑走面を製造する機械加工方法に関するものである。この機械加工方法は、シリンダライナー素材を設ける段階、および、旋削工具によるシリンダ壁の旋削加工段階を含み、旋削工具およびシリンダ壁は所定の回転速度でシリンダ軸線の回りに動かされると同時に、研削態様で互いに対してシリンダ軸線に沿って所定の送り速度で軸線方向に動かされ、これにより微細機械加工段階でシリンダ壁に円周方向で非常に微細な旋削加工を行うことで、シリンダ壁に円周方向毛管を有する毛管状微細構造が形成される。これに関して、毛管状微細構造は、シリンダライナーのシリンダ壁で、シリンダ軸線に沿って螺旋状に延在する。本発明によれば、交差方向機械加工法で、毛管状微細構造が実質的に維持されるように、毛管状微細構造の円周方向毛管の間で交差方向連結部が形成される。
本発明は、一方において、交差方向機械加工方法の適用で円周方向毛管が保持されることで、機械加工中、および、その後におけるシリンダライナーの作動中の両方で、硬質相の破壊が大幅に防止されるという主要な認識に基づくもので、滑走面の潤滑油保持量が最適化され、滑走面上の潤滑油膜の配分が改善されると同時に、シリンダライナーの作動状態で滑走面上を流れる潤滑油の動く方向および流速について、十分な動特性が保証される。
これは、一方において、シリンダライナーの滑走面に円周方向に伸長し、また、毛管特性に基づく格別の毛管作用を有してシリンダライナーの滑走面に油膜を理想的に留める毛管組織によって保証され、また他方において、滑走面上での潤滑油の円周方向への流動運動を十分に支援し保証する。本発明による交差方向機械加工によって隣接する2条の円周方向毛管の間に複数の交差方向連結部が形成されるので、毛管の間の潤滑油の有効且つ十分な交換および均一配分が常に保証される。
したがって、一方では、本発明方法によりシリンダライナーの滑走面に十分な保持油量が与えられ、同時に潤滑油の流動運動および滑走面への潤滑油の配分および保持が最適化される。他方において、硬質相の破壊による滑走面の損傷は、本発明によるきわめて穏やかな機械加工方法によって大幅に防止される。
本発明方法の好適形態において、円周方向へのシリンダ壁の切削段階で毛管状微細構造が形成される前に円周方向溝を有する粗い溝状構造が形成され、前記粗い溝状構造はシリンダライナーのシリンダ壁に軸線方向に沿って螺旋状に伸長される。これは、シリンダ滑走面の非常に微細な切削で毛管構造が形成されるよりも前に、シリンダライナー素材の内面がまず粗く切削され、これにより素材の鋳造時に生じた粗い不整状態は解消されることを意味する。
実施のために特に重要な実施例においては、粗い溝状構造を形成する切削段階よりも後で、また、毛管状微細構造を形成する非常に微細な切削の前に、円周方向のマイクロ溝を有する刻線構造が形成され、該刻線構造はシリンダライナーのシリンダ壁でシリンダ軸線に沿って螺旋状に延在する。
これは、滑走面のそれぞれの構造が順次に改善される3つの段階を経て、本発明による毛管状微細構造が形成されることを意味する。この特別な方法は特に硬質相に対して格別に優しい。表面構造が段階的に改善されていくので、硬質粒子や領域が硬質相から破壊離脱せず、むしろ本発明による毛管状微細構造が現れるまで表面が非常に微細な方法で穏やかに剥かれることになる。
シリンダ壁のシート状金属バリは、1回、複数回また全回数の切削またはホーニングの後にそれ自体公知の平坦ホーニングによって除去されることが好ましく、および/または、毛管および/または溝および/またはマイクロ溝の間の頂点はそれ自体当業者に知られているように、所定の高さとなるように低くされる。
これに関して、本発明による交差方向機械加工方法は特に螺旋ホーニングになされ、シリンダ軸線に直角な方向に対して20゜〜80゜の角度(好ましくは30゜〜75゜の角度)で行われることが好ましい。
これに関して、螺旋ホーニングは、ダイヤモンド/SiC螺旋ホーニングであることが好ましく、USメッシュ100〜150のダイヤモンド/SiCストーンで実行される。これに関して、ダイヤモンド/SiC螺旋ホーニングは、その材料がダイヤモンドシリコンカーバイドでそれ自体公知の方法で作られているホーニング工具を使用して螺旋ホーニングが遂行されることを意味する。
これに関して、本発明の実施のためには、シリンダ壁の滑走面が研磨ブラシおよび/またはUSメッシュ240〜600粒度が好ましいコルク石を使用して螺旋ブラシ加工および/または非常に微細なホーニング加工を行われる実施例が特に重要である。これに関して、螺旋ホーニング特にダイヤモンド/SiC螺旋ホーニングおよび研磨ブラシを使用する螺旋ブラシ加工、および/またはコルク石を使用する非常に微細なホーニング加工が選ばれた順序で順次に実行される。これに関して結局のところ、研磨ブラシまたはコルク石を使用する事後処理または表面仕上げは硬質相に対して特に穏やかに行われて、壊れて滑走面から脱落してしまうことを防止する。
これに関して、螺旋ホーニング特にダイヤモンド/SiC螺旋ホーニングおよび研磨ブラシを使用する螺旋ブラシ加工、および/またはコルク石を使用する非常に微細なホーニングは、同時に遂行でき、これにおいて例えばブラシおよび/またはコルク石および/またはダイヤモンド/SiCホーニング工具は組合せ工具に配置され、いずれの場合も対角逆側に配置されることが好ましいということが特に理解される。
本発明はさらに、本発明による機械加工方法を使用して製造される2ストローク大型ディーゼル機関用のシリンダライナーに関するものである。したがって本発明によるシリンダライナーは、微細な機械加工段階での微細な旋削によってシリンダ壁に円周方向に向けて形成された円周方向毛管を有する毛管状微細構造を有する。これに関して、毛管状微細構造はシリンダライナーのシリンダ壁でシリンダ軸線に沿って螺旋状に伸長する。本発明によれば、毛管微細構造を実質的に残すようにする交差方向機械加工方法によって毛管状微細構造の円周方向毛管の間に交差方向連結部が形成される。
以下、模式図を見ながら本発明の詳細な説明を行う。
本発明のシリンダライナーの滑走面を通る長手方向断面の詳細図である。 本発明による4段階式方法を示す概略図である。
図1には本発明のシリンダライナー3の滑走面1を通る長手方向断面の詳細図が模式的に示されており、これは本発明による方法の特に好ましい実施例によって形成されたものである。
滑走面1は、2ストローク大型ディーゼル機関のシリンダライナー3のシリンダ壁2に備えられるものと明確に認識できる。図1に示されていないピストンは、周知のように取付けた状態ではシリンダライナー3内に配置され、大型ディーゼル機関の運転時に滑走面1に沿ってシリンダ軸線4の方向へ前後に移動される。
これに関して、滑走面はシリンダライナー素材31からシリンダ壁2を切削することによって形成され、この切削では3段階で行われ、最初は粗い溝状構造8がシリンダライナー素材31の円筒内面に切削された。次に、マイクロ溝91を有する刻線構造9が粗い構造8に対して加工され、その後に毛管状微細構造6が形成されて、最後に円周方向の毛管6を連結するために、交差方向機械加工方法、例えばダイヤモンド/SiC工具を使用する螺旋ホーニングおよび/またはコルク石および/または研磨ブラシを使用する機械加工によって毛管間に交差方向連結部7が加工される。
粗い構造8および刻線構造9は当然ながら図1で認識できない。何故なら、粗い溝状構造8は刻線構造9を形成する中間段階で除去されている、したがって刻線構造9はそれに対して加えられる毛管状微細構造6の非常に微細な切削によって除去されているからである。
本発明の方法の4段階による実施例が図2a〜図2cを参照してさらに詳細に説明する。
図2aは粗い構造8を有するシリンダライナー3のシリンダ壁2の詳細を示しており、粗い構造8はシリンダライナー3の円周方向に円周方向溝81を有し、前記溝81はシリンダライナー素材31の内面に第1の旋削段階で形成される。
その後、粗い構造8は第2の機械加工段階で図2bに示されるように除去されるのであり、これにおいて円周方向のマイクロ溝91を有する微細な刻線構造9が適当な旋削工具を使用して粗い溝状構造8の上から加工され、特に粗い溝状構造8の形成に関する旋削工具の降下速度よりも遅い降下速度が選ばれる。図2bにおいて粗い構造は既にないので、点線8で粗い構造8を表す。
これに続いて、付随的な機械加工段階として非常に微細な旋削がシリンダ滑走面1に対して加えられる。本発明によるこの非常に微細な機械加工の結果が図2cに模式的に示されており、この図面は滑走面1の狭い領域Bにおける微細な旋削によって形成された円周方向の毛管61を有する構造6を示している。
この目的のために、正の切削角度を有し、好ましくは19mm以上の最小径を有する丸い逆使用可能な切削板が使用され、この切削板が10m/分〜50m/分、好ましくは20m/分〜30m/分の遅い切削速度、0.01mm〜0.07mm、好ましくは0.03mm〜0.05mmの切削深さ、および1回転あたり0.1mm〜0.7mm、好ましくはおよび0.3mm〜0.5mmの送りによって定められた表面を形成する。
この穏やかな機械加工の重要な利点は、特に硬質相を含む鋳鉄の場合に、それらの硬質相が殆ど、特に、もはや全く損傷を生じないことである。本発明とは対照的に、従来技術では切削エッジが使用され、これは強い半径方向圧力を作用させ、パーライトおよび硬質相の弾性率の相違によって硬質相の破壊を生じる。対照的に本発明による方法では、旋削における圧力は実質的に軸線方向に作用し、すなわち、旋削工具のシリンダ壁に対する軸線方向の圧力は旋削工具のシリンダ壁に対する半径方向の圧力よりも大きいことが好ましく、破壊されるであろう硬質相は機械加工によって直ちに除去され、母材中に残る硬質相は損傷されずに保持される。表面上のシート状金属バリおよびセラミックス材料部分の損傷は、この穏やかな機械加工によって大幅に防止されることになる。この表面はシリンダ滑走面1の一部であり、その毛管61が問題ないピストン作動に好ましいとされる0.5μm〜8μm、好ましくは1μm〜4μmの潤滑油保持量Rvkを定めるのである。均一で同時に潤滑油消費量の少ない潤滑油膜は、これらの毛管61がある程度水平な状態であることによって達成される。
シリンダ滑走面1の全域にわたる均一な潤滑油膜の分布を達成するためには、さらにまた毛管61が互いに交差方向連結部を通して連通されていなければならず、これは図2cの形成段階では未だ形成されていない。これは、本発明による10゜〜85゜、好ましくは30゜〜75゜の角度で、USメッシュ100〜150品質のダイヤモンド/SiCストーンによる螺旋ホーニングによって達成される。このホーニング時間は、先の非常に微細な切削によって実質的に短縮され、これにより本発明によるシリンダライナー3の製造コストは従来技術の場合に比べて実質的に減少される。
定められた滑走面の粗さを達成し、また、表面のいわゆる平坦と称される金属バリの形成を防止するために、シリンダ滑走面1は研磨ブラシまたはUSメッシュ240〜600粒度のコルク石を使用する螺旋状のブラシ加工または非常に微細なホーニングを施される。損なわれたであろうセラミックス材料部分はこのブラシ加工でさらに除去される。これにより、本発明によるシリンダライナー3の作動時間または寿命は既知のシリンダライナーと比較してかなり延長される。
この状況により、ダイヤモンド/SiCホーニングおよびブラシ加工/コルク石による非常に微細なホーニングは、別々な連続する2加工段階、または1加工段階において遂行できる。これがダイヤモンド/SiCホーニングのように1段階加工で遂行されるならば、ホーニング工具はブラシ/コルク石ブラシ/コルク石と、およびブラシ/コルク石およびダイヤモンド/SiCストーンと対角逆側に取付けることができる。これも同様に製造コストを低減する。
ピストン、ピストンリングおよびシリンダ滑走面の寿命がこのようにして本発明の機械加工方法により十分に延長されるのみならず、潤滑油消費量もまた同時に減少され、保守間隔は著しく延長され、製造コストは低下されるのである。
1 滑走面
2 シリンダ壁
3 シリンダライナー
4 シリンダ軸線
6 毛管状微細構造
7 交差方向連結部
8 粗い溝状構造
9 刻線構造9
31 シリンダライナー素材
81 円周方向溝
91 マイクロ溝

Claims (12)

  1. 装着状態で、滑走面(1)に沿ってシリンダ軸線(4)の方向に前後に移動できるようにシリンダライナー(3)内にピストンが配置される往復作動ピストン式燃焼機関、特に、緩速2ストローク式大型ディーゼル機関におけるシリンダライナー(3)のシリンダ壁(2)の滑走面(1)を形成する機械加工方法であり、シリンダライナー素材(31)を設ける段階、および、旋削工具によるシリンダ壁(2)の旋削加工段階を含み、旋削工具およびシリンダ壁(2)は所定の回転速度でシリンダ軸線(4)の回りに動かされると同時に、研削態様で互いに対してシリンダ軸線(4)に沿って所定の送り速度で軸線方向に動かされ、これにより微細機械加工段階でシリンダ壁(2)に円周方向(5)で非常に微細な旋削加工を行うことで、シリンダ壁(2)に円周方向毛管(61)を有する毛管状微細構造(6)が形成され、該毛管状微細構造(6)は、シリンダライナー(3)のシリンダ壁(2)で、シリンダ軸線(4)に沿って螺旋状に延在する、前記機械加工方法において、
    交差方向機械加工法で、毛管状微細構造(6)が実質的に維持されるように、毛管状微細構造(6)の円周方向毛管(61)の間で交差方向連結部(7)が形成されることを特徴とする機械加工方法。
  2. 前記毛管状微細構造(6)の形成の前に、円周方向溝(81)を有する粗い溝状構造(8)が旋削加工段階で前記シリンダ壁(2)に円周方向に形成され、前記粗い溝状構造(8)が、シリンダライナー(3)の前記シリンダ壁(2)にシリンダ軸線(4)に沿って螺旋状に延在する請求項1に記載された機械加工方法。
  3. 前記粗い溝状構造(8)を形成する前記旋削加工段階の後で、また、前記毛管状微細構造(6)を形成する微細な旋削の前に、円周方向のマイクロ溝(91)を有する刻線構造(9)が形成され、前記刻線構造(9)が、前記シリンダライナー(3)の前記シリンダ壁(2)にシリンダ軸線(4)に沿って螺旋状に延在する請求項2に記載された機械加工方法。
  4. 平坦ホーニング段階によってシリンダ壁(2)のシート状金属バリが除去される請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された機械加工方法。
  5. 毛管(61)の間、および/または通路(81)の間および/またはマイクロ溝(91)の間の頂点が所定の高さになるよう低められる請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された機械加工方法。
  6. 交差方向機械加工方法が螺旋ホーニングであり、20゜〜80゜の角度(好ましくは30゜〜75゜の角度)で行われることが好ましい請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載された機械加工方法。
  7. 螺旋ホーニングがUSメッシュ100〜150の品質のダイヤモンド/SiCストーンによるダイヤモンド/SiC螺旋ホーニングとして実行される請求項6に記載された機械加工方法。
  8. シリンダ壁(2)の滑走面(1)が研磨ブラシおよび/またはUSメッシュ240〜600の粒度であることが好ましいコルク石によって螺旋ブラシ加工および/または非常に微細なホーニング加工を施される請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載された機械加工方法。
  9. 螺旋ホーニング、特にダイヤモンド/SiCホーニング加工および研磨ブラシによる螺旋ブラシ加工および/またはコルク石による非常に微細なホーニング加工が選ばれた順番に順次遂行される請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載された機械加工方法。
  10. 螺旋ホーニング、特にダイヤモンド/SiCホーニング加工および研磨ブラシによる螺旋ブラシ加工および/またはコルク石による非常に微細なホーニング加工が同時に実行される請求項6から請求項9までのいずれか一項に記載された機械加工方法。
  11. ブラシおよび/またはコルク石および/またはダイヤモンド/SiCホーニング工具が組合せ工具に配置され、互いに対角逆側に配置されることが好ましい請求項10に記載された機械加工方法。
  12. 請求項1請求項11までのいずれか一項に記載された方法によって製造された2ストローク大型ディーゼル機関用のシリンダライナー。
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