JPH0642537A - 転がり摺動部品 - Google Patents

転がり摺動部品

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JPH0642537A
JPH0642537A JP21656292A JP21656292A JPH0642537A JP H0642537 A JPH0642537 A JP H0642537A JP 21656292 A JP21656292 A JP 21656292A JP 21656292 A JP21656292 A JP 21656292A JP H0642537 A JPH0642537 A JP H0642537A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】潤滑条件が厳しい場合でも、優れた耐ピーリン
グ性を確保する。 【構成】表面からの深さが0〜50μmの範囲を表層部
とした場合に、この表層部の最大圧縮残留応力を50〜
110kgf/mm2 とする。同じく表層部の硬度をHv830
〜Hv960とする。表層部の残留オーステナイトの割合
を7容量%以上とする。表面に微細で連続的な凹凸を形
成する。この凹凸を構成する凹部1、1の面積が表面積
全体に占める割合を80%と仮定した場合に於ける、上
記凹凸を構成する凸部2、2の真円換算径を15μm以
下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る転がり摺動部品
は、例えばエンジンの動弁機構を構成するカムフォロア
の外輪として利用する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのクランクシャフトと共に回転
するカムシャフトに固定のカムの動きをバルブに伝達す
る為の動弁機構にカムフォロアを組み込み、この動弁機
構の運転時に於ける摩擦を滑り摩擦から転がり摩擦に変
える事で、当該部分の摩擦損失を低く抑える事が、近年
広く行なわれる様になっている。又、この様なカムフォ
ロアに使用される外輪の様に、使用時に於いて相手部品
と転がり接触若しくは滑り接触する、転がり摺動部品の
表面の耐久性を向上させる為に、従来から表面性状の改
良に関する各種発明が知られている。
【0003】例えば特公平1−30008号公報には、
転動面の表面にRmax が0.3〜1.5μmでランダム
方向の擦傷を形成すると共に、表層部に50kgf/mm2
上の残留応力層を形成した軸受転動体に関する発明が記
載されている。
【0004】又、特開平3−117723〜5号公報に
は、バレル加工により表面に多数の凹みをランダムに形
成し、表層部の硬度を内部の硬度に比べて高くすると共
に、表層部に圧縮残留応力を生じさせる発明が記載され
ている。
【0005】又、特開平3−199716号公報には、
相手部材と接触する表面に表面硬化処理層を設けると共
に、圧縮残留応力のピーク値の深さと、剪断応力分布の
ピーク値の深さとを一致させた軸受が記載されている。
【0006】又、特開平4−54312号公報には、シ
ョット・ピーニング加工により、圧縮残留応力を表面部
分で100kgf/mm2 以上とし、表面下300μmの部分
で40kgf/mm2 以上とした軸受部品に関する発明が記載
されている。
【0007】更に、特公平2−17607号公報には、
金属成品の表面に、成品硬度と同等以上の硬度を有す
る、40〜200μmのショットを、噴射速度100m/
sec 以上で噴射し、表面付近の温度をA3 変態点以上に
上昇させる、表面加工処理法に関する発明が記載されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来から知られた
発明の場合、使用条件によっては優れた耐久性を得られ
るが、本発明が対象としている様な、不十分な潤滑条件
の下で使用され、対向する他の部品と転がり接触若しく
は滑り接触する転がり摺動部品に使用した場合、必ずし
も十分な耐久性を得られない場合がある。
【0009】例えばカムフォロアを構成し、エンジンの
運転時にカムの外周面と滑りながら転がり接触する外輪
の場合、ピーリングの発生により寿命が短くなる場合が
ある。即ち、OHC型、DOHC型エンジンの様に、動
弁機構がエンジン上部に存在する場合、この動弁機構へ
の潤滑油の供給が必ずしも十分に行なわれず、運転時に
於ける潤滑条件が厳しくなる。この様な条件の下で、上
記外輪の外径面とカムの外周面とが、滑りながら転がり
接触した場合、この外径面に、深さが2〜10μmのピ
ーリングが発生し、外輪の寿命が短くなってしまう。
【0010】そして、上記従来技術の内、特開平4−5
4312号公報に記載されたものは、潤滑条件が厳しい
と、摩擦条件を問わず、耐ピーリング性が不十分とな
る。又、特開平3−199716号公報に記載されたも
のは、摩擦条件が転がり摩擦だけの場合には特に問題が
ないが、滑り摩擦が生じた場合には耐ピーリング性が不
良となる。又、特公平1−30008号公報、特開平3
−117723〜5号公報に記載されたものも、潤滑条
件が厳しく、接触部の荷重が大きい等、使用条件が厳し
くなると、やはり耐ピーリング性が不十分となる。又、
特公平2−17607号公報に記載されたものも、その
ままではやはり十分な耐ピーリング性を得る事は出来な
い。
【0011】更に、前記各公報の他に、特開昭52−1
7525号公報、同56−150622号公報、特公昭
63−44505号公報には、微小粒径のショットを高
速で被加工面に噴射する加工法、若しくは加工物に関す
る発明が記載されている。但し、これら各公報の何れに
も、十分な耐ピーリング性を有する転がり摺動部品を得
られる技術は記載されていない。
【0012】一方、本発明者等は先に、表面からの深さ
が0〜50μmの範囲を表層部とした場合に、この表層
部の最大圧縮残留応力が50〜110kgf/mm2 であり、
同じく表層部の硬度がHv830〜Hv960であり、表面
粗さの平均波長が25μm以下であり、且つ上記表層部
の残留オーステナイトの割合が7容量%を越える事を特
徴とした、転がり摺動部品に関する発明を行なった(特
願平4−113196号)。
【0013】この先発明に係る転がり摺動部品の場合、
前記各公報に記載された発明の場合に比べて優れた耐ピ
ーリング性を有するが、極めて厳しい潤滑条件の下で
は、ピーリングの発生を皆無にする事は難しい。
【0014】本発明の転がり摺動部品は、上述の様な事
情に鑑みて発明されたもので、厳しい潤滑条件の下で
も、十分な耐ピーリング性を発揮するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり摺動部品
は、対向する他の部品と転がり接触若しくは滑り接触す
る状態で使用される。特に、本発明の転がり摺動部品に
於いては、表面からの深さが0〜50μmの範囲を表層
部とした場合に、この表層部の最大圧縮残留応力が50
〜110kgf/mm2 であり、同じく表層部の硬度がHv83
0〜Hv960であり、表層部の残留オーステナイトの割
合が7容量%以上であり、表面に微細で連続的な凹凸が
形成されており、この凹凸を構成する凹部の面積が表面
積全体に占める割合を80%と仮定した場合に於ける、
上記凹凸を構成する凸部の真円換算径が15μm以下で
ある事を特徴としている。
【0016】尚、凹凸を構成する凹部の面積が表面積全
体に占める割合を80%と仮定した場合に於ける、上記
凹凸を構成する凸部の真円換算径が15μm以下である
とは、次の様な概念である。即ち、表面の粗さ曲線は例
えば図3に示す様に表わされるが、表面と平行な仮想の
直線aを考えて、この直線aよりも下を凹部1、1と
し、上を凸部2、2とする。そして、多数の凹部1、1
の開口面積の合計が、当該凹部1、1が存在する表面全
体の面積の80%となる位置に、上記直線aを設定した
と仮定して、この直線aよりも上に存在する凸部2、2
の真円換算径を15μm以下となる様に、上記粗さ曲線
で表わされる表面の凹凸を規制する。
【0017】
【作用】本発明の転がり摺動部品の場合、深さが2〜1
0μm程度のピーリングの発生を有効に防止して、耐久
性を向上させる事が出来る。
【0018】更に詳しく説明すると、ピーリングの発生
を防止する為には、厳しい潤滑条件の下で使用した場合
でも接触部分に油膜切れが発生しない様にし、仮に油膜
切れが発生した場合でも、短時間であればピーリング発
生に結び付かない様にする事が必要である。即ち、接触
部分に油膜切れが発生した場合には、接触面同士が直接
接触(金属接触)し、転がり摺動部品に加わる荷重の殆
どは、相手部品の表面と接触した、少数の微小突起(凸
部)により支える事になって、各微小突起には大きな応
力が集中すると共に接線力が加わる。
【0019】そして、この応力集中と接線力とに基づい
て、上記転がり摺動部品表面に微小なクラックが発生
し、このクラックが進展してピーリングとなる。単に摩
耗を防止する為には、部品表面の硬度を高くすれば良い
が、徒に硬度を高くすると、応力集中に基づいて、ピー
リングに結び付くクラックが発生し易くなる。
【0020】本発明の転がり摺動部品の場合、表面に油
膜を形成させ易くする事で、潤滑条件が厳しい場合にも
油膜切れを発生し難くすると共に、仮に油膜切れが発生
した場合にも、短時間であればピーリングに結び付く様
なクラックが発生しない様に出来る。
【0021】即ち、本発明の転がり摺動部品の場合、表
面に微細で連続的な凹凸が形成されている為、厳しい潤
滑条件の下でも、接触面部分に効果的な油膜形成を行な
う事が出来て、油膜切れの発生を抑える事が出来る。
又、上記凹凸を構成する凹部の面積が表面積全体に占め
る割合を80%と仮定した場合に於ける、上記凹凸を構
成する凸部の真円換算径が15μm以下としたので、上
記油膜形成を効率化すると同時に、相手部品の表面と接
触する微小突起である凸部の数を多くして、各凸部に加
わる荷重を低減し、耐ピーリング性の向上を図れる。
【0022】即ち、上記凸部の真円換算径が15μmを
上回った場合、単位面積あたりの凸部及び凹部の数が少
なくなって、転がり摺動部品表面に形成される油膜が不
均一となり易いだけでなく、相手部品からの荷重を少な
い凸部で受ける事になり、この凸部にピーリングに結び
付くクラックが発生し易くなる。そこで、本発明の転が
り摺動部品の場合、上述の様に、凹凸を構成する凸部の
真円換算径を15μm以下に限定した。
【0023】又、表層部の硬度をHv830〜Hv960の
範囲に規制したので、仮に前記接触部分に油膜切れが生
じた場合でも、短時間であれば、摩耗を抑えつつ、ピー
リングに結び付くクラックの発生を防止出来る。上記硬
度がHv830未満の場合、クラックは発生しない代わり
に摩耗が著しくなり、反対に硬度がHv960を越えた場
合には、摩耗が抑えられる代わりにクラックが発生し易
くなって、何れにしても寿命の低下を来す。
【0024】又、最大圧縮残留応力を大きくする事は、
仮にクラックが発生した場合でも、このクラックがそれ
以上進展するのを防止し、クラックがピーリングに結び
付かない様にする為に重要である。但し、転がり摺動部
品の表面に、最大圧縮残留応力が110kgf/mm2 を越え
る様な加工を施した場合には、この表面の硬度がHv96
0を越えてしまう為、最大圧縮残留応力の最大値を11
0kgf/mm2 とした。反対に、最大圧縮残留応力が50kg
f/mm2 未満の場合は、クラックの進展を防止する効果が
小さ過ぎる為、最大圧縮残留応力の最小値を50kgf/mm
2 とした。
【0025】更に、延性を有するオーステナイトが多く
残留していた場合には、クラックの発生防止効果を期待
出来るが、残留率が7容量%以下の場合には、クラック
発生防止の効果をあまり期待出来ない。又、上記最大圧
縮残留応力及び硬度の値を、それぞれ前記した範囲に納
める為にも、オーステナイトの残留率を7容量%を越え
る値とする事が必要である。
【0026】即ち、表層部の最大圧縮残留応力と硬度と
が、それぞれ上限値、即ち110kgf/mm2 、Hv960を
越えない様にする為の十分条件として、加工に伴なうオ
ーステナイトの分解率(加工に伴なってオーステナイト
が減少する割合)を30%以下に抑える事がある。一
方、表面加工前に於いて、SUJ2等の軸受鋼中に含まれる
オーステナイトの割合は、11容量%程度である。従っ
て、最大圧縮残留応力と硬度とが上限値を越えない様に
する為には、加工後に於けるオーステナイトの割合が7
容量%を越える事が必要である。尚、ショット・ピーニ
ングによる加工が弱過ぎた場合、最大圧縮残留応力と硬
度とが、それぞれ下限値、即ち、50kgf/mm2 、Hv83
0に達しない。
【0027】
【実施例】次に、本発明の転がり摺動部品を造る為に、
表面を所定の性状に加工する方法の1例と、本発明の効
果を確認する為に、本発明者が行なった実験とに就いて
説明する。
【0028】実験を行なうに関して、下表に示す様に、
5種類の本発明品と7種類の比較品との、合計12種類
の試験片を用意した。試験片の素材は何れも軸受鋼(SU
J2)であり、表面に所望の処理を施すのに先立って、通
常行なうのと同様の焼き入れ(800〜850℃で加熱
後、油冷)、焼き戻し処理(150〜200℃)を行な
った。試験片の大きさは、外径が20mm、内径が13m
m、厚さが8mmの短円筒状とした。
【0029】
【表1】
【0030】比較品に属する試験片8は、表面を研磨用
のクロスで研磨する事で磨いたのみで、表面を硬化させ
る為のショット・ピーニング加工を施していない。又、
比較品と本発明品とに属する、試験片1〜7、9〜12
の11種類の試験片に就いては何れも、特開平4−54
312号公報に記載されている発明の場合と同様に、図
1に示す様な装置を用いてショット・ピーニング加工を
施す事で、表面を硬化させ、表層部に大きな圧縮残留応
力を発生させた。
【0031】図1に示したショット・ピーニング装置の
構造と作用とに就いて簡単に説明すると、ホッパ3から
加圧タンク4内に投入された微細なショット粒5は、給
気管6からこの加圧タンク4内に送り込まれる圧縮空気
に押されてミキサ7内に押し込まれる。そして、分岐管
8を通じてこのミキサ7に送られる圧縮空気に押されて
ノズル9に送られ、このノズル9から被加工面に向けて
勢い良く吹き付けられる。この結果、被加工面が硬化
し、この被加工面に圧縮残留応力が生じると共に、この
被加工面に微小な凹凸が形成される。
【0032】尚、ショット粒5としては、試験片2〜1
2の何れに就いても、平均粒径が0.03〜0.7mmの
アルミナ粒を使用した。又、ショット粒5の投射速度
(ノズル9から噴出するショット粒5の初速度)は、3
2〜180m/sec とした。この投射速度の調整は、上記
分岐管8の途中に設けた調整弁10の開度を調整する事
で行ない、この投射速度の調整に基づき、各試験片1〜
7、9〜12の表面に生じる圧縮残留応力、硬度及び残
留オーステナイト量の調整を行なった。
【0033】更に、本発明品である、試験片1〜5に就
いては、上記アルミナ粒によるショット・ピーニング加
工を行なった後、(比重が小さく、粒径が小さい事によ
り)アルミナ粒に比較して軽量なショット粒であるガラ
スビーズを使用して、第二段階のショット・ピーニング
加工を行なった。この第二段階に於けるショット・ピー
ニング加工に使用したショット粒の平均粒径は、0.0
5mm以下とした。
【0034】この様に、軽量なショット粒を使用して、
第二段階のショット・ピーニング加工を行なうのは、表
層部の硬度と圧縮残留応力と残留オーステナイト量とを
変える事なく、表面形状のみを変える(真円換算径が1
5μm以下である微小な凹凸を付加する)為である。
【0035】ショット・ピーニング加工は、一度に8個
ずつ行ない、表層部の硬度、表層部の残留応力、表層部
の残留オーステナイト量、凹部の面積率及び凸部の真円
換算径の総てに就いて、ほぼ同じ試験片を8個ずつ作成
した。この様にして得られた12種類8個ずつ、合計9
6個の試験片1〜12の総てに就いて、図2に示す様な
試験装置による耐久試験を行なった。
【0036】この試験装置は、モータにより回転駆動さ
れる回転軸11の外周面2個所位置に、互いに間隔をあ
けて2個の相手リング12、12を固定している。この
相手リング12、12の間隔に合わせて押圧片13の片
面に設けた、1対の支持片14、14には、それぞれ1
個ずつの試験片15、15を回転自在に支承し、各試験
片15、15の外周面と上記相手リング12、12の外
周面とを接触させている。この結果、上記回転軸11の
回転に伴なって各試験片15、15が回転する。従っ
て、図2に示した試験装置では、同時に2個の試験片1
5、15の耐久試験を行なう。
【0037】上記回転軸11の回転速度は、各試験片1
5、15の回転速度が5100r.p.m となる様に調整し
た。又、上記押圧片13は回転軸11に向けて、356
kgfの力で押圧した。従って、各試験片15、15の外
周面と各相手リング12、12の外周面との接触部に
は、それぞれ178kgf のラジアル荷重が加わる。又、
各相手リング12、12の外周面の性状は、試験開始前
に於いて、表面硬度がHRC 60〜61、表面の平均粗さ
Raが0.38〜0.45であった。更に、上記接触部の
潤滑は、10W−30の鉱物油をはねかける事で行なっ
た。
【0038】試験は400時間打ち切りで行ない、途中
で所定時間毎に中断して各試験片15、15の表面を観
察し、ピーリング発生の有無を検査した。ピーリングの
発生が観察された場合には、その時点で当該試験片1
5、15に関する耐久試験を終了した。前記表にこの結
果を、試験打ち切り時間として記載した。尚、同一種類
の試験片8個に就いて打ち切り時間が異なった場合に
は、最も打ち切り時間が短かったものを記載した。又、
試験打ち切り時間が400時間であるとは、最後迄ピー
リングが発生しなかった事を表わしている。
【0039】又、凹部の面積率を80%として凸部の真
円換算径を求める作業は、倍率200倍の光学顕微鏡に
より得られた画像を解析する事により行なった。この
際、光学顕微鏡により得られた画像に輪郭を強調し明瞭
化する為の画像処理を行ない、凹部の面積率の設定作業
は、光源の明るさ及び2値化レベルを調節する事により
行なった。又、凸部の定量は、設定した2値化レベルを
上回るもの(明るい部分)に就いて抽出した2値化像に
対して行なった。
【0040】上記耐久試験の結果を表わす前記表の記載
から明らかな通り、本発明の転がり摺動部品は、潤滑条
件が厳しい場合にも、十分な耐ピーリング性を得られ
る。又、表には記載しなかったが、本発明品の場合、ピ
ッチングが発生する時間も300時間以上と、比較品に
比べて長く、この面からも優れた耐久性を有する事を確
認出来た。
【0041】尚、前記表で各数値の後ろに記載した符合
の内、○は当該数値が本発明の限定範囲に含まれている
事を、×は当該数値が本発明の限定範囲から外れている
事を、それぞれ表わしている。又、表層部の最大残留応
力の内、+は引っ張り残留応力である事を、−は圧縮残
留応力である事を、それぞれ表わしている。
【0042】試験片6〜12で示した7種類の比較品の
内、試験片6、7は第二段階のショット・ピーニング加
工を施さず、従って凸部の真円換算径が大きく、油膜形
成が不十分なものである。又、試験片8は、前述の様に
全くショット・ピーニング加工を施さなかったものであ
る。又、試験片9は、第二段階のショット・ピーニング
加工は施したものの、第一段階のショット・ピーニング
加工が不足した為、最大圧縮残留応力が不足したもので
ある。更に、試験片10〜12は、第二段階のショット
・ピーニング加工を施したものの、第一段階のショット
・ピーニング加工が過剰である為、硬度、最大圧縮残留
応力、残留オーステナイト量等が本発明の範囲から外れ
たものである。
【0043】
【発明の効果】本発明の転がり摺動部品は、厳しい潤滑
条件の下でも、優れた耐ピーリング性を発揮する為、各
種機械装置の耐久性向上を図れる。これによって、当該
機械装置の点検時期の延長、更にはメインテナンスフリ
ー化を図れる等、産業上極めて有用な、優れた効果を発
揮出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ショット・ピーニング装置の略縦断面図
【図2】耐久試験装置の半部縦断面図。
【図3】表面形状限定の概念を説明する為の粗さ曲線。
【符号の説明】
1 凹部 2 凸部 3 ホッパ 4 加圧タンク 5 ショット粒 6 給気管 7 ミキサ 8 分岐管 9 ノズル 10 調整弁 11 回転軸 12 相手リング 13 押圧片 14 支持片 15 試験片

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する他の部品と転がり接触若しくは
    滑り接触する状態で使用される転がり摺動部品に於い
    て、表面からの深さが0〜50μmの範囲を表層部とし
    た場合に、この表層部の最大圧縮残留応力が50〜11
    0kgf/mm2 であり、同じく表層部の硬度がHv830〜Hv
    960であり、表層部の残留オーステナイトの割合が7
    容量%以上であり、表面に微細で連続的な凹凸が形成さ
    れており、この凹凸を構成する凹部の面積が表面積全体
    に占める割合を80%と仮定した場合に於ける、上記凹
    凸を構成する凸部の真円換算径が15μm以下である事
    を特徴とする転がり摺動部品。
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