JP3524978B2 - カムフォロワ用ローラ - Google Patents

カムフォロワ用ローラ

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JP3524978B2 JP04324095A JP4324095A JP3524978B2 JP 3524978 B2 JP3524978 B2 JP 3524978B2 JP 04324095 A JP04324095 A JP 04324095A JP 4324095 A JP4324095 A JP 4324095A JP 3524978 B2 JP3524978 B2 JP 3524978B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、たとえば自動車のエ
ンジン等の動弁機構に使用される、カムフォロワ用のロ
ーラに関するものである。 【0002】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】上記動弁
機構は、エンジンのクランク軸の回転にともなって回転
するカム軸と、このカム軸の回転を上下動に変換してポ
ペット弁に伝達する機構とで構成されており、伝達機構
の違いによってロッカーアーム型、スイングアーム型、
ダイレクト型等の種類がある。 【0003】上記動弁機構においては、従来、カム軸の
カムと、当該カムの外周面に摺動接触させたカムフォロ
ワとによって、カム軸の回転を上下動に変換していた
が、近時、カム軸の回転負荷軽減のために、上記カムフ
ォロワにローラ(カムフォロワ用ローラ)を回転自在に
取付け、このカムフォロワ用ローラの外輪を、カム軸の
カムの外周面に転がり接触させた構造のものが多くなり
つつある。 【0004】ところが、たとえばOHC型やDOHC型
のエンジンにおいては、カム軸がエンジンケーシングの
上方に位置するため、潤滑油の供給が不十分になる傾向
があり、そのような潤滑油の不足状態では、カムの外周
面が、たとえば転がり軸受の軌道輪の軌道面や転動体の
外周面のようにきれいに表面仕上げされておらず、表面
粗さが大きいために、カムフォロワ用ローラの外輪の外
周面に十分な潤滑油膜が形成されない。 【0005】このため、カムフォロワ用ローラの外輪
の、カムへの転がり接触面に、いわゆるピーリングと呼
ばれる損傷が発生して、当該外輪の寿命を著しく縮める
という問題がある。特開平5−239550号公報に
は、転がり接触面をバレル加工して微小なくぼみを形成
することにより油膜形成を向上させるとともに、上記バ
レル加工時の熱や衝撃等によって、転がり接触面の表面
を内部に比べて高硬度とし、かつ転がり接触面の表層部
に、積極的に残留圧縮応力を発生させた転がり部品が開
示されており、この技術をカムフォロワ用ローラの外輪
に転用することが考えられる。 【0006】しかし上記先行技術においては、安定した
微小くぼみの形成が困難であるという問題があった。実
際、発明者らが同一条件でバレル加工した複数の試料に
ついて、表面状態の測定、および回転試験を実施した結
果、所定のくぼみが形成されており、ピーリング等の損
傷の防止に効果がある場合と、くぼみがほとんど形成さ
れておらず、上記効果が全くない場合とがあった。 【0007】微小くぼみは、均一な形状、大きさのもの
が、それぞれ独立して存在している場合が、油膜の形成
に最も効果がある。しかしバレル加工によって形成され
た微小くぼみは、形状や大きさのばらつきが大きく、し
かもくぼみ同士が互いにつながっている場合がある。こ
のためくぼみの状態によっては油膜の形成効果が不十分
となって、損傷の防止に効果がない場合が生じるのであ
る。 【0008】また上記先行技術においては、微小くぼみ
の状態によっては、ピーリング等の損傷の防止には効果
があるものの、通常の転がり疲労であるフレーキングに
対しては対策がなされていないという問題もある。一般
に残留圧縮応力は、転がり部品の転がり疲労に対する寿
命を向上する効果、とくに材料内部に発生したき裂の成
長を抑制する効果があることが知られている。 【0009】上記先行技術においても、前述したように
バレル加工によって、転がり接触面の表層部に残留圧縮
応力を積極的に発生させてはいるが、その範囲は表面か
ら数μm以内のごく薄い領域であって、それより深い、
カムフォロワ用ローラの外輪においてき裂が最も発生し
やすい、転がり接触面の表面から数10μmないし10
0μm程度の深さの範囲にはほとんど残留圧縮応力が発
生していない。 【0010】このため上記先行技術では、回転初期の摩
耗に対しては効果があるものの、通常の転がり疲労寿命
の向上は期待できない。この発明の目的は、微小くぼみ
の大きさと形状をコントロールすることで、上記のよう
な従来の表面処理法の欠点を解消して、表面がきれいに
仕上げられていないカムに対して安定した油膜形成能力
を有するためピーリングの発生が確実に防止され、しか
も転がり疲労寿命についても改善された、長寿命の外輪
を有するカムフォロワ用ローラを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明のカムフォロワ用ローラは、浸炭窒化処理
した高炭素鋼系材料からなり、そのカムへの転がり接触
面をショットブラストにて粗化し、さらにバレル仕上げ
することで、当該転がり接触面に、各々独立した多数の
微小くぼみが形成された外輪を有するカムフォロワ用ロ
ーラであって、上記外輪の転がり接触面の、表面から深
さ100μmまでの表層部での、残留圧縮応力の最小値
が90MPa以上で、かつ当該表層部での残留オーステ
ナイト相の含有率が8容積%以上であるとともに、上記
転がり接触面の、最大粗さRmaxが3μm以下、自乗平
均平方根粗さRMSが0.3μm以下、表面粗さの分布
曲線のゆがみ度を示すSK値が−3以下で、かつ微小く
ぼみの開口面積が、転がり接触面の全表面積に対する面
積率で表して5〜20%であることを特徴としている。 【0012】 【作用】前記課題のところで述べたように微小くぼみの
大きさや形状は均一であることが重要であり、また微小
くぼみは、各々独立したものであることが重要である。
そこで発明者らは、上記のような条件を満たす微小くぼ
みを形成し得る、バレル加工に代わる新たな加工方法に
ついて検討した結果、ショットブラストによる粗化とバ
レル仕上げとの組み合わせによってのみ、大きさや形状
が均一で、しかも各々独立した微小くぼみを形成できる
ことを見出した。 【0013】また発明者らは、上記の方法によって形成
される微小くぼみの形状や大きさを規定すべく、まずそ
の基準をどうするかについて検討した。その結果、 転がり接触面の最大粗さRmax 、 自乗平均平方根粗さRMS、 表面粗さの分布曲線のゆがみ度を示すSK値、なら
びに 微小くぼみの開口面積の、転がり接触面の全表面積
に対する面積率、 の4つの基準によって微小くぼみの形状や大きさを規定
するのが望ましいことを見出した。上記のうちとくに
〜の値は、たとえば表面粗さ計を用いた測定から、簡
単に求めることができることができるので、製造現場で
の工程管理には適している。 【0014】そこでつぎに、油膜の形成効果にすぐれた
微小くぼみの形状や大きさを規定する、上記各基準値の
範囲について検討した結果、この発明においては、最大
粗さRmax が3μm以下、自乗平均平方根粗さRMSが
0.3μm以下、表面粗さの分布曲線のゆがみ度を示す
SK値が−3以下で、かつ微小くぼみの開口面積の面積
率が5〜20%である必要があることがわかった。 【0015】上記の各特性のうち最大粗さRmax が3μ
m以下、自乗平均平方根粗さRMSが0.3μm以下に
それぞれ限定されるのは、これより表面粗さが大きい場
合、微小くぼみが大きくなりすぎて、この微小くぼみの
部分からピーリングにつながるき裂が発生しやすくなっ
たり、あるいは転がり時の振動や音を増大させたり、相
手物体に損傷を及ぼしたりするという問題が生じるから
である。 【0016】なお、上記最大粗さRmax および自乗平均
平方根粗さRMSの好ましい範囲については特に限定さ
れないが、最大粗さRmax は2〜3μm程度、自乗平均
平方根粗さRMSは0.2〜0.25μm程度であるの
が好ましい。これより表面粗さが小さい場合には微小く
ぼみが小さすぎて、油膜の形成能力が低下するおそれが
ある。 【0017】微小くぼみの形状や大きさを規定する前記
各特性のうちSK値は、前述したように表面粗さの分布
曲線のゆがみ度を示すもので、正規分布のような左右対
称の分布の場合は0となるが、このSK値を−3以下の
範囲に限定することにより、微小くぼみの形状と分布
が、油膜形成に有利な範囲に規定される。すなわち、潤
滑油の蓄積に適した深さの微小くぼみが、転がり接触面
に適当な間隔で分散される。 【0018】なお上記SK値は、上記範囲内でもとくに
−4〜−3程度であるのが好ましい。さらに、微小くぼ
みの形状や大きさを規定する前記各特性のうち、微小く
ぼみの開口面積の面積率が5〜20%に限定されるの
は、以下の理由による。すなわち上記面積率が5%未満
では、微小くぼみが少ないため、潤滑油膜の形成能力が
悪化してしまう。逆に、上記面積率が20%を超えた場
合には微小くぼみが拡大しやすく、それにともなってピ
ーリングにつながるき裂が発生したり、あるいは転がり
時の振動や音を増大させたり、相手物体に損傷を及ぼし
たりするという問題が生じる。 【0019】なお上記面積率は、上記範囲内でもとくに
10%前後であるのが好ましい。上記の各特性を有する
微小くぼみが転がり接触面に形成された外輪を有する、
この発明のカムフォロワ用ローラは、通常の転がり疲労
であるフレーキングをも抑えるために、外輪を構成する
材料素材そのものの疲労強度を高める必要がある。その
ために、この発明のカムフォロワ用ローラの外輪は、高
炭素鋼系材料からなる未処理のものを浸炭窒化処理して
製造され、微小くぼみが形成された転がり接触面の表面
から深さ100μmまでの表層部での、残留圧縮応力の
最小値が90MPa以上、当該表層部での残留オーステ
ナイト相の含有率が8容積%以上に限定される。 【0020】残留圧縮応力の最小値が90MPa以上に
限定されるのは、以下の理由による。すなわち、転がり
接触部に荷重が作用すると材料内部にせん断応力が生
じ、そのせん断応力が最大となる深さにおいて、フレー
キングにつながるき裂が発生しやすい。その深さは、カ
ムフォロワ用ローラが使用される荷重条件下において
は、前述したように数10〜100μm程度である。 【0021】上記の領域、つまりカムフォロワ用ローラ
の外輪の、転がり接触面の表面から、深さ100μmま
での表層部に残留圧縮応力が付与されていると、前述し
たように、発生したき裂の成長が抑制される。但し、そ
の残留圧縮応力の最小値が90MPa未満では、当該表
層部に発生したき裂が成長するのを抑える作用が不十分
となり、カムフォロワ用ローラの外輪は、フレーキング
を発生する可能性が高くなる。よって、上記表層部での
残留圧縮応力の最小値は、90MPa以上に限定される
のである。 【0022】なお、上記残留圧縮応力の最小値は、上記
範囲内でもとくに95MPa以上であるのが好ましく、
100MPa以上であるのがさらに好ましい。また、上
記表層部における残留圧縮応力の最大値は、とくに限定
されないが、1000〜1500MPa程度であるのが
好ましい。高炭素鋼系材料の浸炭窒化処理、ショットブ
ラストによる粗化、およびバレル仕上げの工程を含む、
この発明の製造方法では、表層部に、1500MPaを
超える残留圧縮応力を付与することは不可能である。 【0023】また上記転がり接触面の表層部における、
残留オーステナイト相の含有率が8容積%以上に限定さ
れるのは、以下の理由による。すなわち残留オーステナ
イト相は、上記表層部にき裂が発生するのを抑制する効
果にすぐれている。しかし、その含有率が8容積%未満
では、き裂の発生を抑制する作用が低下するため、残留
オーステナイト相の含有率は8容積%以上に限定される
のである。 【0024】なお残留オーステナイト相の含有率は、上
記範囲内でもとくに、10〜20容積%程度であるのが
好ましい。さらに、上記転がり接触面の表層部の硬度
は、この発明では特に限定されないが、ビッカース硬さ
V で表して800以上であるのが好ましい。それ未満
では、転がり接触面が摩耗しやすくなって、当該転がり
接触面に形成された微小くぼみが早期に失われてしま
い、潤滑油膜の形成能力が悪化するおそれがある。 【0025】上記各特性を兼ね備えた外輪を有する、こ
の発明のカムフォロワ用ローラは、従来公知の種々の高
炭素鋼系材料にて形成することができ、とくにSUJ2
等の軸受鋼にて形成するのが好ましい。 【0026】 【実施例】以下に、この発明のカムフォロワ用ローラ
を、その一実施例を示す図面を参照しつつ説明する。図
1に示すように、この実施例のカムフォロワ用ローラ1
は、外輪11および軸12と、上記両者の間に転動可能
に配置された複数のころ13とからなる。 【0027】上記外輪11、軸12およびころ13は、
いずれも軸受鋼SUJ2等の高炭素鋼系材料にて形成さ
れており、そのうち外輪11の外周面である転がり接触
面11aに、その大きさや形状等が、前記〜の基準
によって規定された多数の微小くぼみが形成されている
とともに、当該転がり接触面11aの表層部が、前記の
ように残留圧縮応力の最小値が90MPa以上、当該表
層部での残留オーステナイト相の含有率が8容積%以上
となるように強化されている。 【0028】転がり接触面11aが上記の特性を有する
カムフォロワ用ローラ1の外輪11は、たとえば軸受鋼
等の高炭素鋼系材料からなる未処理の外輪を浸炭窒化処
理し、ついでその転がり接触面11aをショットブラス
トによって粗化した後、バレル仕上げすることで製造さ
れる。そして上記外輪11が、同じく高炭素鋼系材料か
らなる軸12と、複数のころ13と組み合わされて、カ
ムフォロワ用ローラ1が製造される。 【0029】上記外輪11の製造工程のうち、浸炭窒化
処理としては、気相による浸炭窒化法と、液相による浸
炭窒化法の何れを採用してもよい。前者の、気相による
浸炭窒化法は、高炭素鋼系材料からなる未処理の外輪
を、材料の変態点以上の温度に保持しつつ、NH3 を導
入したガス浸炭雰囲気にさらして処理するものである。
一方、後者の液相による浸炭窒化法は、未処理の外輪
を、青化物の溶融浴中に浸漬して処理するものである。 【0030】浸炭窒化処理の条件については特に限定さ
れないが、上記浸炭窒化処理後の外輪11の、転がり接
触面11aの表層部における、残留圧縮応力が90MP
a以上となり、かつ当該表層部に、20容積%以上のオ
ーステナイト相が残留するように、処理の条件を設定す
るのが望ましい。なお上記残留圧縮応力は、その後、研
磨仕上げにより、最大値が500MPa程度まで上昇
し、ショットブラストによる粗化とバレル仕上げによっ
て最大値が1200MPa程度まで上昇する。 【0031】上記浸炭窒化処理を施した後の外輪11
は、その転がり接触面11aを、常法にて研磨処理した
後、ショットブラストによって粗化し、さらにバレル仕
上げすることで、製品として完成する。ショットブラス
トおよびバレル仕上げの条件等は、転がり接触面11a
の表面粗さおよび微小くぼみの面積率が前述した範囲と
なるように、適宜設定すればよい。 【0032】上記この実施例のカムフォロワ用ローラ1
は、たとえば図2に示すように、自動車のエンジン等に
おいて、ポペット弁Bを駆動するための動弁機構に組み
込まれて使用される。図の動弁機構はいわゆるスイング
アーム型のもので、上記ポペット弁Bと、カムフォロワ
用ローラ1が組み込まれた、カムフォロワとしてのスイ
ングアームFと、カムC1を備えたカム軸Cと、復元ば
ねSとで構成されている。 【0033】上記のうちスイングアームFは、その一端
部に、図示しないアジャスタ支点が嵌合される凹部F1
を有し、かつ他端部が、ポペット弁Bを押圧する押圧部
F2になっている。またスイングアームFの、上記両端
部の中間には、カムフォロワ用ローラ1の外輪11の回
転を妨げずに、当該カムフォロワ用ローラ1を組み込む
ための凹部F3が形成されている。そして、上記凹部F
3内に軸12を固定することで、カムフォロワ用ローラ
1がスイングアームFに組み込まれている。 【0034】カム軸CのカムC1は、その外周面が、上
記スイングアームFに組み込まれたカムフォロワ用ロー
ラ1の外輪11の外周面である、前記転がり接触面11
aに転がり接触するカム面C1aとなっている。上記各
部は、復元ばねSの、図中黒矢印で示す上方への押圧力
によって、ポペット弁Bの上端部がスイングアームFの
押圧部F2に圧接され、かつカムフォロワ用ローラ1の
外輪11の転がり接触面11aが、カムC1のカム面C
1aと転がり接触した状態が維持されている。 【0035】上記各部からなる動弁機構においては、図
中細線の矢印で示すようにカム軸Cを回転させると、カ
ムC1のカム面C1aのうち、図中右下の突出部が、カ
ムフォロワ用ローラ1を下方へ押圧し、それによってス
イングアームFが、凹部F1に嵌合されるアジャスタ支
点を中心として下方へ回動して、押圧部F2が、図中白
矢印で示すように、ポペット弁Bを開方向へ押圧して、
ポペット弁Bが開かれる。 【0036】また、上記カム面C1aの突出部がカムフ
ォロワ用ローラ1を通過した後は、復元ばねSの、前述
した上方への押圧力によって、スイングアームFが、前
記アジャスタ支点を中心として上方へ回動するととも
に、ポペット弁Bが閉方向へ押し戻されて閉じられる。
以上の繰り返しにより、カム軸Cの回転にともなって、
所定のタイミングでポペット弁Bが開閉される。 【0037】なお、以上で説明したように実施例のカム
フォロワ用ローラ1は、図2に示したスイングアーム型
の動弁機構に組み込んで使用されていたが、この発明の
カムフォロワ用ローラは、前述したロッカーアーム型や
ダイレクト型等の、種々の動弁機構に組み込んで使用す
ることができる。また、この発明のカムフォロワ用ロー
ラは、上記動弁機構以外の、種々の機構におけるカムフ
ォロワに組み込んで使用することもできる。 【0038】 【発明の効果】以上、詳述したように、この発明のカム
フォロワ用ローラは、その外輪の転がり接触面の表層部
が高い残留圧縮応力を有し、かつ所定の割合のオーステ
ナイト相を含有しているとともに、当該転がり接触面
に、特定の微小くぼみが多数形成されているため、表面
がきれいに仕上げられていないカムに対しても安定した
油膜形成能力を有し、ピーリングの発生を防止する効果
にすぐれており、しかも転がり疲労寿命についても改善
されている。よってこの発明のカムフォロワ用ローラ
は、従来のものに比べて、通常の使用条件下で長寿命で
あるとともに、より過酷な使用条件下でも寿命が長いと
いう特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明のカムフォロワ用ローラの、一実施例
を示す斜視図である。 【図2】図1の実施例のカムフォロワ用ローラが組み込
まれた、エンジンの動弁機構を示す部分切り欠き正面図
である。 【符号の説明】 1 カムフォロワ用ローラ 11 外輪 11a 転がり接触面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F01L 1/18 F01L 1/18 N (56)参考文献 特開 平5−239550(JP,A) 特開 平5−288257(JP,A) 特開 平5−10108(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 51/00 - 55/30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】浸炭窒化処理した高炭素鋼系材料からな
    り、そのカムへの転がり接触面をショットブラストにて
    粗化し、さらにバレル仕上げすることで、当該転がり接
    触面に、各々独立した多数の微小くぼみが形成された外
    輪を有するカムフォロワ用ローラであって、上記外輪の
    転がり接触面の、表面から深さ100μmまでの表層部
    での、残留圧縮応力の最小値が90MPa以上で、かつ
    当該表層部での残留オーステナイト相の含有率が8容積
    %以上であるとともに、上記転がり接触面の、最大粗さ
    max が3μm以下、自乗平均平方根粗さRMSが0.
    3μm以下、表面粗さの分布曲線のゆがみ度を示すSK
    値が−3以下で、かつ微小くぼみの開口面積が、転がり
    接触面の全表面積に対する面積率で表して5〜20%で
    あることを特徴とするカムフォロワ用ローラ。
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