JP2006016432A - 熱硬化型粉体塗料の調色方法 - Google Patents

熱硬化型粉体塗料の調色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱硬化型粉体塗料の調色方法を提供する。
【解決手段】 原料着色熱硬化型粉体塗料の色が異なる2種類以上をドライブレンドして色合わせする調色方法において、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低い着色又は透明の熱硬化型粉体塗料造粒化剤を用いて、該造粒化剤が溶融し且つ該原料着色熱硬化型粉体塗料は溶融しない温度に加熱することにより、塗装に適する範囲の粒子径まで造粒することを特徴とする熱硬化型粉体塗料の調色方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、簡便に調色できる新規な熱硬化型粉体塗料の調色方法に関する。
従来、粉体塗料の調色は、例えば、ユーザーから指定された塗膜の色調になるように着色顔料を粉体樹脂、硬化剤等と混合分散し、次に得られた混合分散物を2軸分散機等を使用して着色顔料、硬化剤等を粉体樹脂中に溶融混合分散したのち、冷却、粗粉砕、微粉砕、篩い濾過を行うことにより目的とする調色粉体塗料を製造することによって、行われている。
上記調色粉体塗料の製造は、予め決められた色の粉体塗料を多量に製造する場合には問題とならないが、一方少量の粉体塗料を多色にわたって製造しようとする場合、即ち小口多色化する場合は、粉体塗料のロスが多くなること、手間が掛かること、コンタミが多くなること等の問題点がある。
上記問題点を解消する粉体塗料の調色方法として、例えば、2種類以上の異なった色の粉体塗料の混合物を水性アクリル樹脂造粒剤を用いて造粒し、調色粉体塗料組成物とすることが記載されている(特許文献1参照)。
また、2種以上の粉体塗料をドライブレンドして色合わせをし、これを合成樹脂バインダーで造粒する調色方法が記載されている(特許文献2参照)。
更に、造粒する調色方法として、高分子アルコール、樹脂、硬化剤、ワックス、1塩基酸などの固形バインダーを用いる調色方法が記載されている(特許文献3参照)。
しかしながら、これらの従来方法では、塗膜性能を低下させないために水性アクリル樹脂やバインダー樹脂の分子量を大きくする必要があり、そのため造粒粉体の熱流動性が低下して、塗膜平滑性、鏡面反射率等の塗膜性能が低下すること、これらの樹脂成分の粘度が高いために造粒が均一でないこと等の問題点があった。
WO90/06345号公報 特開平7−188586号公報 特開平12−281978号公報
本発明の目的は、色別れが無く仕上がり外観に優れ、塗膜平滑性、鏡面反射率、付着性等の塗膜性能に優れ、且つ調色や小口多色化を容易に行うことができる粉体塗料の調色方法を提供することにある。
本発明に係わる熱硬化型粉体塗料の調色方法は、原料着色熱硬化型粉体塗料の色が異なる2種類以上をドライブレンドして色合わせする調色方法において、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低い着色又は透明の熱硬化型粉体塗料造粒化剤を用いて、該造粒化剤が溶融し且つ該原料着色熱硬化型粉体塗料は溶融しない温度に加熱することにより、塗装に適する範囲の粒子径まで造粒する工程を含有することを特徴とする。
本発明に係わる熱硬化型粉体塗料の調色方法は、該造粒化剤が、熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該樹脂組成物に含まれる硬化剤とは異なる造粒化基剤との溶媒混合又は溶融混合を行った後、粉末化したものである。
本発明に係わる熱硬化型粉体塗料の調色方法は、該造粒化基剤が、高級アルコール、1塩基酸、ワックスから選ばれる少なくとも1種もしくは2種以上である。
本発明に係わる熱硬化型粉体塗料の調色方法は、該造粒化基剤が、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低いものである。
本発明に係わる熱硬化型粉体塗料の調色方法は、原料着色熱硬化型粉体塗料及び造粒化基剤が、平均粒子径30μm以下である。
本発明に係わる熱硬化型粉体塗料の調色方法は、造粒化剤化の加熱温度が、約10〜80℃である。
本発明方法によれば、調色を簡便にでき、又小口多色化を容易に行うことができ、且つ得られた調色粉体塗料が、塗装作業性、塗着効率等の塗装適性に優れ、色別れが無く仕上がり外観に優れ、塗膜平滑性、鏡面反射率、付着性等の塗膜性能に優れるという顕著な効果が得られる。
本明細書において、「造粒」とは粉体粒子を凝集させて径のより大きい粒子乃至塊とすることを意味する。
本発明の調色方法で原料とする着色熱硬化型粉体塗料としては、それ自体加熱により溶融、流動する熱硬化型粉体樹脂に硬化剤を配合した樹脂成分に、着色顔料を含有せしめてなるものを使用することができる。該熱硬化型粉体樹脂の融点は、通常、約30〜100℃程度である。
本発明明細書において、融点は、DSCで求めた値である。
上記着色顔料としては、白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、鱗片状アルミニウム粉、着色マイカ粉、銅粉、スズ粉、ステンレス粉等から選ばれる1種を、又は2種以上を組合せて、使用することができる。着色顔料の配合量は、得られる粉体塗料の塗膜の隠蔽性、平滑性等の塗膜性能が満たされるように、適宜選択できる。具体的な配合量としては、顔料の種類によって異なるが、通常粉体樹脂成分100重量部に対して0.1〜100重量部程度、特に1〜80重量部程度の範囲が好ましい。
上記熱硬化型粉体樹脂としては、熱により硬化剤と反応する官能基を有する樹脂が使用できる。具体的には、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂及びこれらのハイブリッド系樹脂等であって、官能基として、例えば水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、ブロックイソシアネ−ト基等を有するものが好適である。
また、上記硬化剤としては、該粉体樹脂中の官能基と反応し硬化塗膜を形成する官能基を有するもの又は該粉体樹脂中の官能基の重合を開始させるものを使用できる。例えば、水酸基含有粉体樹脂の硬化剤としては、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物等を、カルボキシル基含有粉体樹脂の硬化剤としては、ポリエポキシド、β−ヒドロキシエチルアルキルアミド等を、エポキシ基含有粉体樹脂の硬化剤としては、ポリカルボン酸、エポキシ基のカチオン重合開始剤等を、ブロックイソシアネート基含有粉体樹脂の硬化剤としては、ポリオール等を、それぞれ挙げることができる。
上記アミノ樹脂としては、ヘキサメトキシメラミン樹脂、ヘキサエトキシメラミン樹脂、「サイメル303」(商品名、三井サイテック(株)製)、「スミマールM−55(商品名、住友化学工業(株)製)等を例示できる。ブロックイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族又は芳香族ポリイソシアネートを、フェノール類、ε−カプロラクタム類、アルコール類等のブロック剤でブロックしたものを例示できる。
上記ポリエポキシドとしては、トリグリシジルイソシアヌレート、グリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー又はコポリマー、「セロキサイド2021」(商品名、ダイセル化学(株)製)、「EHPE−3150」(商品名、ダイセル化学(株)製)等を例示できる。β−ヒドロキシエチルアルキルアミドとしては、β−ヒドロキシエチルプロピルアミド等を例示できる。
上記ポリカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族ポリカルボン酸及びその酸無水物、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸及びその酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の脂環式ポリカルボン酸及びその酸無水物等を例示できる。ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ソルビトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等を例示できる。エポキシ基のカチオン重合開始剤としては、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等を例示できる。
原料着色熱硬化型粉体塗料の成分として、上記粉体樹脂、硬化剤及び着色顔料以外に、必要に応じて硬化触媒、充填剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、流動性調整剤、ハジキ防止剤、撥油剤、抗菌剤、防錆剤等が配合できる。
原料粉体塗料は、従来公知の溶融混練方法や凍結乾燥方法等の方法により、製造することができる。溶融混練方法は、粉体樹脂、硬化剤、着色顔料及び必要に応じてその他の成分を、ミキサー等でドライブレンドした後、加熱溶融混練し、冷却、粗粉砕、微粉砕、濾過することにより、行うことができる。また、凍結乾燥方法は、粉体樹脂、硬化剤、着色顔料及び必要に応じてその他の成分を、融点−40℃以上の有機溶剤に、溶解又は分散し、通常10〜−40℃で凍結し、減圧下に脱溶剤して乾燥することにより、行うことができる。該有機溶剤としては、例えば、tert−ブタノール、ジオキサン等を挙げることができる。
本発明において、原料粉体塗料の平均粒子径は30μm以下、特に1〜25μm、更に1〜15μmの範囲のものが好適である。平均粒子径が30μmを越えると造粒された粉体塗料の平均粒子径が大きくなって、静電塗装作業性等が低下したり、塗膜の平滑性、耐色別れ性等が低下する。
本発明において原料粉体塗料及び造粒化剤の平均粒子径は、粒度分布を測定してその累積頻度が50%になる粒子径を示す。粒度分布の測定は、例えば、「マイクロトラック」(商品名、FRA粒度分析計、日機装(株)製)を用いて、測定する。粒度分布は粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積頻度が50%になる粒子径(D50)として示した。
本発明において、熱硬化型粉体塗料造粒化剤は、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低い着色又は透明の熱硬化型粉体塗料である。該透明なる語句は調色された焼付け塗膜の下層(下地やプライマ被膜など)が視認できる程度に着色剤や充填剤などの顔料を含むものも包含される。
本発明においては、各種粉体調色に使用される共通のマスターバッチとして使用できることから、透明のものを使用することが好ましい。
造粒化剤としては、熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該樹脂組成物に含まれる硬化剤とは異なる造粒化基剤との溶媒混合又は溶融混合を行った後、粉末化したものが使用できる。
造粒化剤で使用される熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物としては、従来から公知の熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物であれば特に制限なしに従来から公知のものを使用することができる。具体的には、上記した原色着色熱硬化型粉体塗料で使用される熱により硬化剤と反応する官能基を有する樹脂や硬化剤が使用できる。
また、造粒化剤で使用される熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物として、特に原色着色熱硬化型粉体塗料で使用される樹脂や硬化剤と同じ種類のものを使用することにより塗膜外観(平滑性、光沢など)、塗膜性能などに優れた塗膜が形成できることからこのように同種のものを使用することが好ましい。
造粒化剤で使用される造粒化基剤として、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低いもの、好ましくは8℃以上低いものである。また、造粒化剤の融点は90℃以下、好ましくは10〜80℃、更に、好ましくは20℃〜70℃のものである
造粒化基剤としては、例えば、高級アルコール、1塩基酸、ワックスなどが包含される。具体的には、高級アルコールとしては、炭素数8以上、好ましくは炭素数14以上のアルコールであって、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘプタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ノナンジオーロ、デカンジオール、ウンデカンジオール、ヘキサデカンジオール、トリデカンジオール等やこれらの誘導体(例えば、フェニルウレタン誘導体、α―ナフチルウレタン誘導体など)を例示できる。一塩基酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等を例示できる。ワックス類としては、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス等を例示できる。
造粒化剤は、該熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該造粒化基剤とを有機溶媒で混合した後、有機溶媒を揮発させて固形化を行い、次いで粉末化したものが使用できる。また有機溶媒を揮発させると同時に粉末化(例えば、スプレードライ方式)を行ってもよい。該有機溶媒としては、使用する粉体塗料を溶解するものを適宜選択すればよいが、例えば、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒などが包含される。これらの溶媒は1種もしくは2種以上混合して使用できる。
また、上記した以外の造粒化剤の製造方法として、該熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該造粒化基剤とを溶融混合した後、冷却、粗粉砕、微粉砕、必要に応じて濾過を行うことができる。
熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該造粒化基剤との組合せにおいて、両者を混合して得られた造粒化剤の融点が、夫々の単独での融点よりも低くなる、所謂、融点降下を生じる組合せが特に好ましい。このような組合せとして、例えば、ブロックポリイソシアネート硬化型ポリエステル粉体塗料(例えば、融点約60℃)と高級アルコール(ステアリルアルコールなど、塗料100重量部に対して16重量部配合、融点約59℃)との組合せによる融点降下(融点約53℃)が挙げられる。
また、このような融点降下を有する造粒化剤を使用して2種以上の原色熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と混合して造粒化した粉体塗料の融点は約50℃と更に低くなる。
該熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該造粒化基剤との配合割合は、熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物100重量部に対して、造粒化基剤が5〜50重量部、好ましくは8〜30重量部である。造粒化基剤が5重量部未満になると造粒化の効果が少なくなり、静電粉体スプレー塗装を行った際に、造粒化された粒子がほぐれ焼付け塗装膜に色分かれなどの塗装欠陥を生じたり、回収再利用などが困難となったりするので好ましくない。一方、造粒化基剤が50重量部を超えると塗膜性能、塗料貯蔵性(造粒化された粉体塗料同士が更に融着し、少しの力でほぐれなくなる、所謂、耐ブロッキング性が低下する現象)が低下するので好ましくない。
造粒化剤の配合割合は、原料着色熱硬化型粉体塗料100重量部に対して、造粒化基剤が5〜45重量部、好ましくは8〜30重量部である。
造粒化剤が5重量部未満になると造粒化の効果が少なくなり、静電粉体スプレー塗装を行った際に、造粒化された粒子がほぐれ焼付け塗装膜に色分かれなどの塗装欠陥を生じたり、回収再利用などが困難となったりするので好ましくない。一方、造粒化基剤が45重量部を超えると塗膜性能、塗料貯蔵性(造粒化された粉体塗料同士が更に融着し、少しの力でほぐれなくなる、所謂、耐ブロッキング性が低下する現象)が低下するので好ましくない。
本発明において、造粒化剤の平均粒子径は30μm以下、特に1〜25μm、更に1〜15μmの範囲のものが好適である。平均粒子径が30μmを越えると造粒された粉体塗料の平均粒子径が大きくなって、静電塗装作業性等が低下したり、塗膜の平滑性、耐色別れ性等が低下する。
造粒化の加熱温度は、特に制限なしに原料着色熱硬化型粉体塗料や造粒化剤の種類や量に応じて適宜選択することができるが、10〜80℃、15〜70℃が好ましい。
次に、本発明の熱硬化型粉体塗料の調色方法調色方法について具体的に述べる。
本発明は、原料着色熱硬化型粉体塗料の色が異なる2種類以上をドライブレンドして色合わせする調色方法であって、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低い着色又は透明の熱硬化型粉体塗料造粒化剤を用いて、該造粒化剤が溶融し且つ該原料着色熱硬化型粉体塗料は溶融しない温度に加熱することにより、塗装に適する範囲の粒子径まで造粒する調色方法である。
調色方法は、まず色が異なる2種以上の原料着色熱硬化型粉体塗料をハイスピードミキサー等によりドライブレンドして均一に混合し色確認を行って、所望の色調としたブレンド物を得た前ドライブレンド物を使用することができる。
前ドライブレンドする場合の温度及び時間は、特に限定されないが、通常、5〜40℃程度、好ましくは8〜30℃の温度で、0.5分〜24時間程度、好ましくは1分〜1時間程度とするのが、適当である。
また、上記以外に原料着色熱硬化型粉体塗料の色が異なる2種類以上と該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低い着色又は透明の熱硬化型粉体塗料造粒化剤とをドライブレンドして、該造粒化剤が溶融し且つ該原料着色熱硬化型粉体塗料は溶融しない温度に加熱することにより、塗装に適する範囲の粒子径まで造粒することができる。
また、例えば、ハイスピードミキサーを使用する場合の撹拌条件としては、通常、アジテーター100〜5000rpm程度、好ましくは200〜2000rpm程度で、チョッパー1000〜10000rpm程度、好ましくは2000〜6000rpm程度とするのが、好適である。
前ブレンドにおいては、必要に応じて、2種以上の原料粉体塗料の混合割合と塗膜の色調との関係を、予めコンピューターに入力しておくことにより、所望の色調の塗膜を得るための2種以上の粉体塗料の混合割合を自動的に決定することができる。即ち、本工程に、コンピューター色合わせ方法を適用することにより、前ブレンドを自動化でき、更に簡便に色合わせができる。
前ブレンド物に上記造粒化剤を添加して、該造粒化剤が溶融し且つ該粉体塗料は溶融しない温度で加熱しながら混合分散することにより、溶融した該造粒化剤が上記原料粉体粒子同士を造粒(結着)させて、塗装に適する範囲の粒子径まで造粒する。この造粒により、目的の調色された熱硬化型粉体塗料が得られる。
造粒化の温度条件は、原料粉体塗料や該造粒剤の融点、溶融粘度、製造量等により異なるので、使用する原料粉体塗料等に応じて好適な条件を設定すればよいが、一般的には上記した如く約10〜80℃、好ましくは15℃〜70℃の温度範囲で約1分間〜20時間、好ましくは約5分間〜10時間の範囲で行うことができる。
かくして、本発明調色方法により得られる造粒着色粉体塗料は、原料粉体塗料粒子が幾つか集まった集合体であり、その粒子の形状は原料粒子の形が大きく変形しないで残っており、且つ塗装タンクから静電塗装機までの輸送中や静電噴霧中に造粒粉体塗料の集合が壊れたりしない程度に原料粒子が互いに付着していることが好ましい。
上記調色された造粒粉体塗料の平均粒子径は、粉体塗装に適した範囲に設定すれば良いが、一般的には、約10〜80μmの範囲、好ましくは約12〜70μmの範囲であるのが好ましい。この範囲を下回ると静電塗装による塗着効率が低下する傾向にあり、一方この範囲を上回ると塗膜平滑性が低下する傾向にあるので、いずれも好ましくない。
本発明方法で得られた調色粉体塗料は、被塗物に粉体塗装し、焼付けることによって硬化塗膜を形成することができる。
該被塗物としては、粉体塗装が可能な素材であれば特に制限なしに従来から公知のものを使用することができ、例えば、金属類、表面処理が施された金属類、プラスチック類、これらの素材に塗料が塗装されたもの等が挙げられる。
粉体塗装は、それ自体公知の方法、例えば、静電粉体塗装、摩擦帯電粉体塗装、流動浸漬粉体塗装等で行うことが好ましい。塗装膜厚は、特に制限されないが、硬化塗膜で、約20〜200μm、好ましくは約20〜150μm、より好ましくは約20〜80μmの範囲が好適である。また、焼付け条件としては、通常、約100〜250℃程度、好ましくは160〜200℃程度の温度で、約3〜120分間程度、好ましくは約20〜40分間程度とするのが適当である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。尚、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。但し、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
各例で用いた原料粉体塗料は、次の通りである。
(1)「エバクラッド#4900白原色」:関西ペイント株式会社製、商品名、平均粒子径約8μm、ブロックイソシアネート硬化型ポリエステル樹脂粉体塗料、樹脂組成物(クリヤー配合物)100重量部に対して2酸化チタン顔料を52重量部配合したもの)、融点約59℃(DSC、示差走査熱量測定)、白色で、表色系(JIS Z 8729)における塗膜の色はL*値95、a*値が−1.9、b*が−0.4であった。
このもののSEM写真を図1に示す。
(2)「エバクラッド#4900ブルー原色」:関西ペイント株式会社製、商品名、平均粒子径約10μm、ブロックイソシアネート硬化型ポリエステル樹脂粉体塗料、融点約60℃(示差走査熱量測定)、グレーで、L*a*b*表色系(JISZ 8729)における塗膜の色はL*値17、a*値が1.2、b*が−35.7であった。
このもののSEM写真を図2に示す。
(3)造粒化剤A:上記「エバクラッド#4900白原色」において、2酸化チタン顔料を全く配合しないクリヤー配合物(ブロックイソシアネート硬化型ポリエステル樹脂組成物)100重量部にステアリルアルコール16重量部を配合し、次いで配合物の温度が110℃で溶融混練を行い、次いで冷却、カッターミルで粗粉砕を行い、次いでジェットミルで微粉砕を行って平均粒子径が6.6μm、融点53℃のクリヤーのもの。
このもののSEM写真を図3に示す。
(4)クリヤー粉体塗料:上記「エバクラッド#4900白原色」において2酸化チタン顔料全く配合しない以外は該塗料と同じ(造粒化剤で使用したクリヤー配合物と同じもの)、融点約59℃(DSC、示差走査熱量測定)、クリヤー、平均粒子径8μmのもの。
実施例1
ハイスピードミキサー(深江工業株式会社製、容量2リットル)に「エバクラッド#4900白」100g、「エバクラッド#4900ブルー」100g及び造粒化剤40gを仕込み、アジテーター500rpm、チョッパー4000rpmで1分間攪拌してドライブレンドした後、同じ攪拌条件下で撹拌しながら30℃の温度から56℃の温度になるように30分間かけて加熱して造粒を行ったのち、20分かけて20℃に冷却して、調色造粒粉体塗料を製造した。該調色造粒粉体塗料は、平均粒子径33μm、融点49℃であった。
このもののSEM写真を図4に示す。図4に示す如く得られた粒子は均一に結着し造粒していることがわかる。
実施例1の調色造粒粉体塗料の性能試験結果は次の通りである。
塗料の貯蔵安定性:ポリエチレン袋に入れた粉体塗料を20℃の貯蔵室に1カ月放置した後、粉体塗料の状態を調べた。その結果、初期のものと比較して全く変化なく良好であった。
塗装作業性:造粒粉体塗料を、静電塗装機(「PG−1」、商品名、松尾産業社製)を使用し、−70KV、吐出量150g/分、ガン距離200mm(被塗物とガン先端との距離)、塗装時間10秒間の塗装条件で、垂直にしたブリキ板(大きさ300mm×300mmの被塗物)に硬化膜厚が50μmになるように静電粉体塗装した時の塗装作業性を次の基準に基づき評価した(以下同様の試験方法)。
その結果、吐出ムラ、ガン先端への塗料付着がなく、塗装作業性に優れていた。
塗膜性能試験
塗装板の調整:燐酸亜鉛処理鋼板に焼き付け塗膜が60〜70μmになるように静電粉体塗装を行い180℃で30分間焼き付けを行い、得られた塗装板を以下の試験に供した。
塗膜平滑性:塗膜表面を目視で観察し評価した(以下、同様の試験方法)。その結果、平滑性、チヂミ等の異常が実質的に認められなく良好であった。
鏡面反射率(%):JIS K 5400に従って、60度及び20度の鏡面反射率を測定した(以下、同様の試験方法)。その結果、60度では78、20度では51(同様の試験方法で作成した原色白塗膜は60度では88、20度では73、原色ブルー塗膜は60度では90、20度では68であった。)で実用上全く問題のない光沢であった。
塗膜の色:L*a*b*表色系(JIS Z 8729)でL*値46、a*値が−12、b*が−40であった。塗膜の色は目で見て斑、色分れなどの異常はなく良好であった。
比較例1
ハイスピードミキサー(深江工業(株)製、容量2リットル)に「エバクラッド#4800白」100g、「エバクラッド#4800ブルー」100g及び上記クリヤー粉体塗料24gを仕込み、アジテーター500rpm、チョッパー4000rpmで1分間攪拌してドライブレンドした後、同じ攪拌条件下で撹拌しながら30℃の温度から56℃の温度になるように30分間かけて加熱して造粒を行ったのち、20分かけて20℃に冷却して、調色造粒粉体塗料を製造した。該調色造粒粉体塗料は、平均粒子径10μm、融点59℃であった。
比較例1の調色造粒粉体塗料の性能試験結果は次の通りである。
塗料の貯蔵安定性は初期のものと比較して全く変化なく良好であった。
塗装作業性は、吐出ムラを生じ、塗着した塗膜にムラを生じ塗装作業性が劣っていた。
塗膜平滑性は、平滑性、チヂミ等の異常を発生し悪かった。
鏡面反射率(%)は60度では71、20度では31で艶ボケの塗膜で悪かった。
塗膜の色はL*値44、a*値が−11、b*が−38であった。塗膜の色は目で見て斑、色分れなどの異常を生じ悪かった。
比較例2
比較例1において、造粒の温度を59℃とし、一塊にならない程度の時間で攪拌(約10分以下)を行って比較例2の調色造粒粉体塗料を製造した。その結果、一部塊を発生した。その塊を篩いで除去して試験に供した。
その結果、塗装作業性は、吐出ムラを生じ、塗着した塗膜にムラを生じ塗装作業性が劣っていた。
塗膜平滑性は、平滑性、チヂミ等の異常を発生し悪かった。
鏡面反射率(%)は、60度では70、20度では29で艶ボケの塗膜で悪かった。また、塗膜の色は目で見て斑、色分れなどの異常を生じ悪かった。
比較例3
ハイスピードミキサー(深江工業(株)製、容量2リットル)に「エバクラッド#4800白」100g、「エバクラッド#4800ブルー」100g及びステアリルアルコール(融点59℃、ジェットミルで微粉砕し、濾過をおこない平均粒子径が約6μmのもの)5.7gを仕込み、アジテーター500rpm、チョッパー4000rpmで攪拌してドライブレンドした後、原料粉体同士が融着して一塊にならない温度の攪拌条件下で撹拌し調色造粒粉体塗料を製造した。
比較例3の塗料を30℃で1時間保存した結果、一塊となり塗料の貯蔵安定性が悪かった。
本発明の実施例1で使用した白粉体塗料のSEM写真である。倍率は350倍である。写真中のスケールは50μmである。 本発明の実施例1で使用した青粉体塗料のSEM写真である。倍率は350倍である。写真中のスケールは50μmである。 本発明の実施例1で使用した造粒化剤のSEM写真である。倍率は350倍である。写真中のスケールは50μmである。 本発明の実施例1で得られた造粒化された調色粉体塗料のSEM写真である。倍率は350倍である。写真中のスケールは50μmである。
本発明方法で得られた調色粉体塗料は、例えば、自動車、家電製品、鋼製家具、事務用品、建材、パイプ等の従来から粉体塗料が使用されている用途に制限なしに適用できる。

Claims (6)

  1. 原料着色熱硬化型粉体塗料の色が異なる2種類以上をドライブレンドして色合わせする調色方法において、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低い着色又は透明の熱硬化型粉体塗料造粒化剤を用いて、該造粒化剤が溶融し且つ該原料着色熱硬化型粉体塗料は溶融しない温度に加熱することにより、塗装に適する範囲の粒子径まで造粒することを特徴とする熱硬化型粉体塗料の調色方法。
  2. 該造粒化剤が、熱硬化型粉体塗料用樹脂組成物と該樹脂組成物に含まれる硬化剤とは異なる造粒化基剤との溶媒混合又は溶融混合を行った後、粉末化したものである請求項1に記載の熱硬化型粉体塗料の調色方法。
  3. 該造粒化基剤が、高級アルコール、1塩基酸、ワックスから選ばれる少なくとも1種もしくは2種以上である請求項1又は2に記載の熱硬化型粉体塗料の調色方法。
  4. 該造粒化基剤が、該原料着色熱硬化型粉体塗料の融点よりも5℃以上低いものである請求項1〜3の何れかに記載の熱硬化型粉体塗料の調色方法。
  5. 原料着色熱硬化型粉体塗料及び造粒化基剤が、平均粒子径30μm以下である請求項1〜4の何れかに記載の熱硬化型粉体塗料の調色方法。
  6. 造粒化剤化の加熱温度が、約10〜80℃である請求項1に記載の熱硬化型粉体塗料の調色方法。
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