JP2006016419A5 - - Google Patents
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本発明は、ポリアセタール樹脂、並びに、特定の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物からなる付加重合系ブロックと、ポリカーボネート系重合体ブロックを有するブロック共重合体を含む熱可塑性重合体組成物に関する。本発明の熱可塑性重合体組成物は、成形加工性に優れると共に、良好な耐衝撃性と柔軟性を有しており、それらの特性を生かして各種成形品の製造に有効に使用される。
本発明で使用するブロック共重合体(II)は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有する付加重合系ブロック(イ)と、ポリカーボネート系重合体ブロック(ロ)を有するブロック共重合体である。
また、付加重合系ブロック(イ)における共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)は、共役ジエン化合物より構成されるブロック及び/又はそのブロックが水素添加された構造を有するブロックである。該共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどを挙げることができる。共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)は、1種類の共役ジエン化合物から構成されていてもよいし、2種以上の共役ジエン化合物から構成されていてもよい。共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)が2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単位を含有している場合、それらの結合形態はランダム、テーパー、一部ブロック状のいずれであってもよいし、さらにそれらが混在していてもよい。
特に、常温付近において耐衝撃性に優れ、かつ広い温度範囲にわたって耐衝撃性に優れると共に、成形加工性にも優れる熱可塑性重合体組成物を得る場合には、共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)が、水素化されていてもよいブタジエン重合体ブロック、水素化されていてもよいイソプレン重合体ブロックおよび水素化されていてもよいブタジエンとイソプレンの共重合体ブロックからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであることが好ましい。さらに、このような共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)である場合、ブタジエンが1,2−結合した構造単位から誘導される構造単位、イソプレンが1,2−結合した構造単位から誘導される構造単位およびイソプレンが3,4−結合した構造単位から誘導される構造単位の合計数の、該共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を構成する全構造単位に対する含有割合は(以下、ビニル結合含量という場合がある)、30モル%以上であることが好ましい。該ビニル結合含量は、40モル%以上であることがより好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)が水素化されていてもよいブタジエンとイソプレンの共重合ブロックである場合、ブタジエンに由来する構造単位とイソプレンに由来する構造単位の結合形態はランダム、テーパー、一部ブロック状のいずれであってもよいし、さらにそれらが混在していてもよい。
本発明で使用するブロック共重合体(II)における付加重合系ブロック(イ)は、上記の芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と上記の共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有する。該水素添加物とは、上記したように、共役ジエン化合物より構成されるブロックが水素添加された構造のものである。該水素添加における水素添加率としては特に制限はされず、共役ジエン化合物より構成されるブロックが完全に水素添加されていてもよく、部分的に水素添加されていてもよい。この場合、耐熱性、耐候性および耐光性の観点から、該水素添加率は50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。
付加重合系ブロック(イ)における芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)との結合形態は特に制限されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらが組合わさった結合形態のいずれであってもよいが、直鎖状の結合形態であることが好ましい。
付加重合系ブロック(イ)は、上記の芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)(以下、Xで表すことがある)および共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)(以下、Yで表すことがある)を有するが、その構造としては、式;(X−Y)m−X、(X−Y)n、Y−(X−Y)p(式中、m、nおよびpはそれぞれ1以上の整数を示す)などで表されるブロック共重合体の形態を挙げることができる。これらの中でも、耐衝撃性、柔軟性および成形加工性などに優れた熱可塑性重合体組成物を得る場合には、付加重合系ブロック(イ)が、2個以上の芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と1個以上の共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)が直鎖状に結合したブロック共重合体の形態であることが好ましく、式:X−Y−Xで表されるトリブロック共重合体の形態であることがより好ましい。
付加重合系ブロック(イ)が、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックXを2個以上含有する場合、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは互いに同じ内容の重合体ブロックであってもよいし、異なる内容の重合体ブロックであってもよい。また、付加重合系ブロック(イ)が、2個以上の共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物Yを含有する場合、共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物は互いに同じ内容の重合体ブロックであってもよいし、異なる内容の重合体ブロックであってもよい。例えば、X−Y−Xで表されるトリブロック構造における2個の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックX、或いはY−X−Yで表されるトリブロック構造における2個の共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物Yは、それらを構成する芳香族ビニル化合物または共役ジエン化合物の種類、その結合形式、重合体ブロックの数平均分子量などが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
付加重合系ブロック(イ)における、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)および共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)の数平均分子量は、それぞれ、特に制限されるものではないが、水素添加前の状態で、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)の数平均分子量が2,500〜75,000の範囲内であることが好ましい。また、水素添加前の状態で、共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)の数平均分子量が10,000〜150,000の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が上記の範囲内にある芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)または共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有する付加重合系ブロック(イ)を含有するブロック共重合体(II)を使用すると、耐衝撃性、柔軟性および成形加工性などが優れた熱可塑性重合体組成物を得ることができる。
また、付加重合系ブロック(イ)の全体の数平均分子量は、水素添加前の状態で、15,000〜300,000の範囲内であることが好ましく、20,000〜100,000の範囲内であることがより好ましい。かかる数平均分子量の付加重合系ブロック(イ)を含有するブロック共重合体(II)を使用すると、耐衝撃性、柔軟性および成形加工性などの種々の特性に優れた熱可塑性重合体組成物を得ることができる。なお、付加重合系ブロック(イ)の数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定した値である。
また、付加重合系ブロック(イ)の全体の数平均分子量は、水素添加前の状態で、15,000〜300,000の範囲内であることが好ましく、20,000〜100,000の範囲内であることがより好ましい。かかる数平均分子量の付加重合系ブロック(イ)を含有するブロック共重合体(II)を使用すると、耐衝撃性、柔軟性および成形加工性などの種々の特性に優れた熱可塑性重合体組成物を得ることができる。なお、付加重合系ブロック(イ)の数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定した値である。
本発明において使用するブロック共重合体(II)は、上記した付加重合系ブロック(イ)とポリカーボネート系重合体ブロック(ロ)とを含有するブロック共重合体である。
このようなブロック共重合体(II)は、好ましくは、以下の方法(A)または方法(B)に従って調製されたものを使用する。
方法(A):芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、かつ、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)と反応し得る官能基を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)を溶融混練する。
方法(B):芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、かつ、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)と反応し得る官能基を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体を溶融混練する。
このようなブロック共重合体(II)は、好ましくは、以下の方法(A)または方法(B)に従って調製されたものを使用する。
方法(A):芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、かつ、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)と反応し得る官能基を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)を溶融混練する。
方法(B):芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、かつ、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)と反応し得る官能基を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体を溶融混練する。
付加重合系ブロック共重合体(イ−1)は、その製造工程にもよるが、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、上記した官能基を有していないブロック共重合体を包含し得る。
本願明細書では、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、上記した官能基を有していないブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、ポリカーボネート系重合体と反応し得る官能基を有するブロック共重合体を一括して付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と考える。
本願明細書では、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、上記した官能基を有していないブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、ポリカーボネート系重合体と反応し得る官能基を有するブロック共重合体を一括して付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と考える。
ブロック共重合体(II)を製造する際に使用できる付加重合系ブロック共重合体(イ−1)の、230℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)は、0.01〜100g/10分の範囲内であることが好ましい。かかるメルトフローレート(MFR)を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)を使用することにより、耐衝撃性、柔軟性および成形加工性などの特性が優れる熱可塑性重合体組成物を得ることができる。付加重合系ブロック共重合体(イ−1)の230℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)は、0.05〜80g/10分の範囲内であることがより好ましい。なお、付加重合系ブロック共重合体(イ−1)のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D−1238に準拠して測定した値である。
付加重合系ブロック共重合体(イ−1)としては、市販されているものを使用することも可能である。
付加重合系ブロック共重合体(イ−1)としては、市販されているものを使用することも可能である。
上記の方法(A)により、付加重合系ブロック共重合体(イ−1)とポリカーボネート系重合体(ロ−1)を反応させて得られた反応混合物は、ブロック共重合体(II)の他に、未反応の付加重合系ブロック共重合体(イ−1)、未反応のポリカーボネート系重合体(ロ−1)などを含有する。これらの含有量は、反応に使用した原料の割合、反応温度等の反応条件によって変化する。
また、上記の方法(B)により、付加重合系ブロック共重合体(イ−1)、2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体を反応させて得られた反応混合物は、ブロック共重合体(II)の他に、未反応の付加重合系ブロック共重合体(イ−1)、未反応の2つの水酸基を有する化合物、未反応のカーボネート前駆体、並びに、2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体から形成されるポリカーボネートを含有する場合がある。
さらに、付加重合系ブロック共重合体(イ−1)の製造工程にもよるが、上記した反応混合物は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック(b−1)を有し、官能基を有しないブロック共重合体を含み得る。
本願発明においては、このような他の成分との混合物の形で調製されるブロック共重合体(II)を使用しても、一般には、格別の支障がない。従って、上記の手法で調製される反応混合物をブロック共重合体(II)として使用することが簡便であり好ましい。
また、上記の方法(B)により、付加重合系ブロック共重合体(イ−1)、2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体を反応させて得られた反応混合物は、ブロック共重合体(II)の他に、未反応の付加重合系ブロック共重合体(イ−1)、未反応の2つの水酸基を有する化合物、未反応のカーボネート前駆体、並びに、2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体から形成されるポリカーボネートを含有する場合がある。
さらに、付加重合系ブロック共重合体(イ−1)の製造工程にもよるが、上記した反応混合物は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック(b−1)を有し、官能基を有しないブロック共重合体を含み得る。
本願発明においては、このような他の成分との混合物の形で調製されるブロック共重合体(II)を使用しても、一般には、格別の支障がない。従って、上記の手法で調製される反応混合物をブロック共重合体(II)として使用することが簡便であり好ましい。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、更に、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−2)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−2)を有するブロック共重合体(III)〔以下、付加重合系ブロック共重合体(III)と略称する〕を含有することができる。付加重合系ブロック共重合体(III)を含有する場合、本発明の熱可塑性重合体組成物は、耐衝撃性、柔軟性および成形加工性などの性能がより一層向上したものとなることがある。
付加重合系ブロック共重合体(III)としては、ブロック共重合体(II)の製造時に使用する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)に由来するものであってもよいし、また、ブロック共重合体(II)における付加重合系ブロック(イ)を構成する単量体として上述したような、芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物、他の共重合性単量体からなるものであってもよい。また、これらの混合物であってもよい。
付加重合系ブロック共重合体(III)としては、ブロック共重合体(II)の製造時に使用する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)に由来するものであってもよいし、また、ブロック共重合体(II)における付加重合系ブロック(イ)を構成する単量体として上述したような、芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物、他の共重合性単量体からなるものであってもよい。また、これらの混合物であってもよい。
また、付加重合系ブロック共重合体(III)における共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−2)は、水素添加されていてもよいイソプレン重合体ブロック、水素添加されていてもよいブタジエン重合体ブロックおよび水素添加されていてもよいイソプレンとブタジエンの共重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであることが好ましく、(1)1,2−結合と3,4−結合の合計量が30モル%以上の水素添加されていてもよいイソプレン重合体ブロック、(2)1,2−結合と3,4−結合の合計量が30モル%以上の水素添加されていてもよいイソプレンとブタジエンの共重合体ブロックおよび(3)1,2−結合量が30モル%以上の水素添加されていてもよいブタジエン重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであることがより好ましい。
付加重合系ブロック共重合体(III)における共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−2)として水素添加物を用いる場合、その水素添加率としては特に制限はされないが、耐熱性、耐候性および耐光性の観点から、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。
付加重合系ブロック共重合体(III)における芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−2)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−2)との結合形態は特に制限されず、直鎖状、分岐状、放射状、またはそれらが組合わさった結合形態のいずれであってもよいが、直鎖状の結合形態であることが好ましい。
また、付加重合系ブロック共重合体(III)は、2個以上の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと1個以上の共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物が直鎖状に結合したブロック共重合体の形態であることが好ましく、2個の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと1個の共役ジエン化合物系重合体ブロック又はその水素添加物が直鎖状に結合したトリブロック共重合体の形態であることがより好ましい。
また、付加重合系ブロック共重合体(III)において、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−2)および共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−2)の数平均分子量は特に制限されるものではないが、水素添加前の状態で、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−2)の数平均分子量が2,500〜100,000の範囲内であり、共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−2)の数平均分子量が10,000〜250,000の範囲内であることが好ましい。付加重合系ブロック共重合体(III)の全体の数平均分子量は、水素添加前の状態で、15,000〜300,000の範囲内であることが好ましく、20,000〜100,000の範囲内であることがより好ましい。なお、上記の数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定した値である。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、熱溶融成形および加熱加工が可能であり、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、注型成形などの任意の成形方法により成形・加工が可能である。このようにして得られる本発明の熱可塑性重合体組成物からなる成形品は、フィルム状、シート状、チューブ状、三次元形状等の任意の形状の物品を包含する。本発明の熱可塑性重合体組成物を使用すると、耐面衝撃性、耐落球衝撃性などの種々の耐衝撃性、柔軟性などの各種の特性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、上記の特性を活かして、例えば、自動車部品、家電部品、コンピュータ部品、機械部品、パッキン、ガスケット、ホースなどの広範な各種用途に使用することができる。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、他の材料と複合化することも可能である。かかる他の材料としては、本発明の熱可塑性重合体組成物以外の各種熱可塑性樹脂またはその組成物(合成樹脂)、熱硬化性樹脂、紙、布帛、金属、木材、セラミックスなどを挙げることができる。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、他の材料と複合化することも可能である。かかる他の材料としては、本発明の熱可塑性重合体組成物以外の各種熱可塑性樹脂またはその組成物(合成樹脂)、熱硬化性樹脂、紙、布帛、金属、木材、セラミックスなどを挙げることができる。
(2)耐衝撃性
表面を鏡面仕上げした金型を用いて、熱可塑性重合体組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜190℃、金型温度:50℃設定)することによりIZOD試験片(ノッチ付き)を製造し、得られた試験片を23℃で7日間放置した後、ASTM D−256に準じて−30℃および23℃条件下における試験片のノッチ付IZOD衝撃値を測定した。
表面を鏡面仕上げした金型を用いて、熱可塑性重合体組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜190℃、金型温度:50℃設定)することによりIZOD試験片(ノッチ付き)を製造し、得られた試験片を23℃で7日間放置した後、ASTM D−256に準じて−30℃および23℃条件下における試験片のノッチ付IZOD衝撃値を測定した。
〔付加重合系ブロック共重合体〕
SEBS: ポリスチレンブロック−水素添加ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有し、分子内に水酸基を有しないトリブロック共重合体〔(株)クラレ製、「セプトン8006」(商品名)〕
SEPS: ポリスチレンブロック−水素添加ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有し、分子内に水酸基を有しないトリブロック共重合体〔(株)クラレ製、「セプトン2002」(商品名)〕
SEBS: ポリスチレンブロック−水素添加ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有し、分子内に水酸基を有しないトリブロック共重合体〔(株)クラレ製、「セプトン8006」(商品名)〕
SEPS: ポリスチレンブロック−水素添加ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロック型の構造を有し、分子内に水酸基を有しないトリブロック共重合体〔(株)クラレ製、「セプトン2002」(商品名)〕
<実施例1>
ポリアセタール樹脂(POM)およびブロック共重合体組成物(PC−HVSIS(compound−1))を、下記の表1に示す割合で配合した混合物を、二軸スクリュー型押出機(30mmφ、L/D=36;シリンダー温度:180〜240℃、ダイス温度:210℃)で溶融混練し、得られた溶融物を、押出機からストランド状で水中に連続的に押出し、ペレタイザーでペレットに切断して、80℃で4時間除湿乾燥することにより、熱可塑性重合体組成物を得た。この熱可塑性重合体組成物について、上記の方法により評価した結果を下記の表1に示す。
ポリアセタール樹脂(POM)およびブロック共重合体組成物(PC−HVSIS(compound−1))を、下記の表1に示す割合で配合した混合物を、二軸スクリュー型押出機(30mmφ、L/D=36;シリンダー温度:180〜240℃、ダイス温度:210℃)で溶融混練し、得られた溶融物を、押出機からストランド状で水中に連続的に押出し、ペレタイザーでペレットに切断して、80℃で4時間除湿乾燥することにより、熱可塑性重合体組成物を得た。この熱可塑性重合体組成物について、上記の方法により評価した結果を下記の表1に示す。
Claims (1)
- ブロック共重合体(II)が、以下の方法(A)または(B)に従って調製されたものである、請求項1記載の熱可塑性重合体組成物。
(A)芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)と反応し得る官能基を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)を溶融混練する。
(B)芳香族ビニル化合物系重合体ブロック(a−1)と共役ジエン化合物系重合体ブロック及び/又はその水素添加物(b−1)を有し、ポリカーボネート系重合体(ロ−1)と反応し得る官能基を有する付加重合系ブロック共重合体(イ−1)と2つの水酸基を有する化合物およびカーボネート前駆体を溶融混練する。
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