JP2006016285A - 開口フラーレンの製造方法、及び、内包フラーレンの製造方法 - Google Patents

開口フラーレンの製造方法、及び、内包フラーレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内包フラーレンの形成方法として、真空容器中で、堆積基板上に内包原子をイオン化したプラズマとフラーレン蒸気を照射して、フラーレンのケージ内に内包原子を導入するプラズマ照射法がある。この方法では、フラーレンの六員環平均直径よりもイオン直径が大きな原子を内包する内包フラーレンを形成する場合、内包フラーレンの形成効率が低いという問題があった。
【解決手段】高いバイアス電圧を印加した堆積基板上にアルカリ金属イオンとフラーレン蒸気を照射することにより、アルカリ金属の触媒作用により真空容器中の微量の水分とフラーレンを反応させて開口フラーレンを生成する。生成した開口フラーレンを一度回収し、内包原子プラズマと開口フラーレン蒸気を堆積基板に照射して、内包フラーレンを生成することにした。開口部を通して原子を内包することが可能なので、大きな原子を内包する場合でも、内包フラーレンの形成効率を向上できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、真空容器内において、内包対象原子のプラズマ流とフラーレン蒸気を堆積基板上に照射し、開口フラーレン、及び、内包フラーレンを製造する方法に関する。
プラズマ・核融合学会誌 第75巻第8号 1999年8月 p.927〜933「フラーレンプラズマの性質と応用」 特願2004-001362
内包フラーレンは、フラーレンとして知られるC60 、C70 、C76、C78、C82、C84などの球状炭素分子に、例えば、アルカリ金属などの内包対象原子を内包した、エレクトロニクス、医療などへの応用が期待される材料である。
内包フラーレンの製造方法としては、真空容器中で加熱したホットプレートに対しアルカリ金属蒸気を噴射してアルカリ金属イオンと電子からなるプラズマを発生させ、さらに、発生したプラズマ流にフラーレン蒸気を噴射してフラーレンイオンを生成し、プラズマ流の下流に配置した堆積基板上でアルカリ金属イオンとフラーレイオンを反応させ、内包フラーレンを生成する方法が非特許文献1により開示されている。アルカリ金属プラズマにフラーレン蒸気を導入することにより、電子親和力が大きいフラーレンに、アルカリ金属プラズマを構成する電子が付加してフラーレンイオンが生成する。アルカリ金属の正イオンとフラーレンの負イオンがクーロン相互作用により堆積基板近傍で衝突し、アルカリ金属がフラーレンに内包されて、内包フラーレンが生成する。堆積基板には、アルカリ金属イオンと同じ極性の正のバイアス電圧を印加する。質量が小さく速度の速いアルカリ金属イオンが減速され、質量が大きく速度が遅いフラーレンイオンが加速されるので、各イオンの速度差が小さくなり、イオン間の相互作用が大きくなることにより、内包フラーレンの生成効率が向上する。(プラズマ反応法)
クーロン力による相互作用により内包原子をフラーレンに内包するプラズマ反応法に対し、クーロン力に加え内包原子の運動量を利用して内包化を行う方法がある。アルカリ金属イオンと極性の異なる負のバイアス電圧を堆積基板に対し印加して、堆積基板上にフラーレン蒸気とアルカリ金属プラズマを照射することにより、アルカリ金属イオンが加速エネルギーを与えられるので、アルカリ金属イオンとフラーレン分子、または、フラーレン分子がイオン化したフラーレンイオンが衝突して、内包フラーレンを生成する。クーロン力だけでなく、内包原子イオンの運動量も内包化に寄与するので内包フラーレンの生成効率がさらに向上する。この方法は、本発明の発明者が考案し、特許文献1として出願したものである。なお、この技術は、出願後、まだ公開されておらず、従って、公知の技術ではない(プラズマ照射法)。
図7は、特許文献1による内包フラーレンの製造装置の断面図である。図7に示す内包フラーレンの製造装置は、真空容器101と、真空ポンプ102と、電磁コイル103と、アルカリ金属プラズマ発生部と、フラーレン蒸気発生部と、堆積基板111と、バイアス電源113とから構成されている。
真空容器101は、真空ポンプ102により背景真空度10-5〜10-4Paに排気されている。アルカリ金属プラズマ生成部は、加熱フィラメント104と、ホットプレート105と、アルカリ金属昇華用オーブン106と、アルカリ金属ガス導入管107とから構成されている。アルカリ金属昇華用オーブン106で発生させたアルカリ金属蒸気をアルカリ金属ガス導入管107から、加熱フィラメント104により加熱したホットプレート105上に噴射すると、高温のホットプレート表面に接触したアルカリ金属原子が電離し、アルカリ金属の正イオンと電子とからなるプラズマが発生する。生成したプラズマは、電磁コイル103により形成した均一磁場(B=2〜7kG)により、真空容器101内の軸方向に閉じ込められ、ホットプレート105から真空容器101内に配置した堆積基板111に向かって流れるプラズマ流108になる。
フラーレン蒸気発生部は、フラーレン昇華用オーブン109と、フラーレンガス導入管110とから構成される。フラーレン昇華用オーブン109で発生させたフラーレン蒸気をフラーレンガス導入管110から堆積基板111に向けて噴射する。導電性の堆積基板には、負のバイアス電圧を印加しておく。プラズマ流108を構成するアルカリ金属の正イオンが、堆積基板に印加された負のバイアス電圧により加速エネルギーを得て、フラーレン蒸気を構成するフラーレン分子、または、フラーレン分子がイオン化したフラーレンイオンに衝突し、アルカリ金属原子が篭状のフラーレンに内包され、内包フラーレンが生成する。
背景技術(プラズマ反応法、または、プラズマ照射法)を用いて、内包原子とフラーレンの相互作用により内包フラーレンを製造する方法では、内包原子がフラーレンを構成する炭素原子の6員環を通って、篭状のフラーレンの中空部に入り込むことにより、内包フラーレンが生成する。内包原子の大きさは原子の種類によって異なるが、アルカリ金属の例で言えば、LiやNaなどの比較的小さな原子は6員環を通ってフラーレンに内包される確率が高いが、KやRbなどのように比較的大きな原子は、6員環を通るのが困難なため、フラーレンに内包される確率が極めて低かった。
図8は、背景技術(プラズマ照射法)を用いて、C60からなる空のフラーレンにKイオンを衝突させ、内包フラーレンを生成する場合の粒子の衝突を示す図である。Kの正イオンは堆積基板に印加された負のバイアス電圧による引力を受け、加速エネルギーを得て堆積基板近傍でフラーレンと衝突する(図8(a))。Kイオンとフラーレンは、衝突により若干の変形を生じるが、C60の六員環平均直径が2.48Å、Kイオンの直径が2.76Åと、Kイオンが六員環よりも大きいために、ほとんどの場合、Kイオンはフラーレンの中空部に入り込まず、内包フラーレンが生成しない(図8(b))。
プラズマ照射法を用いて、バイアス電圧を印加した堆積基板上にアルカリ金属イオンを含むプラズマとフラーレン蒸気を照射する。バイアス電圧は比較的高い電圧を印加する。バイアス電圧の印加により、アルカリ金属イオンが高い加速エネルギーを得てフラーレン分子に衝突するため、フラーレン分子の一部の炭素原子がはずれ、フラーレン分子に開口部ができる。さらに、アルカリ金属の触媒作用により、真空容器中の微量の水分とフラーレンの開口部の炭素が反応して、開口部の炭素に水素や水酸基が付加した開口フラーレンが生成する。開口部への付加物質の供給用に、真空室に水蒸気や水素ガスを導入してもよい。
生成した開口フラーレンを内包フラーレンの製造に用いると、KやRbなどの比較的大きな原子でも大きな開口部を通ってフラーレンの篭状分子の内部に入りやすいので、背景技術によると困難であった大きな原子を内包する内包フラーレンの製造が可能になる。また、LiやNaなどの比較的小さな原子を内包する内包フラーレンの製造に関しても生成効率を大幅に向上することが可能である。
本発明の方法により製造した開口フラーレンを用いて内包フラーレンを製造する方法としては、プラズマ照射法を用いるだけでなく、イオン注入法、プラズマ反応法、あるいは、内包原子を含む電解液中でフラーレンを表面に付着させた電極に対し電界を印加する電解法を用いることも可能である。
例えば、プラズマ照射法により内包フラーレンを生成する場合には、本発明の製造方法により生成した開口フラーレンをプラズマ照射装置のフラーレンオーブンに充填する。内包原子イオンを含むプラズマを生成し、堆積基板に照射する。同時に、開口フラーレンを加熱昇華した開口フラーレン蒸気を堆積基板に照射する。堆積基板には、内包原子イオンと反対の極性のバイアス電圧を印加し、内包原子イオンに加速エネルギーを与える。開口フラーレンに内包原子が衝突し、クーロン力と衝突エネルギーにより内包原子がフラーレンに内包される。
以下、本明細書中では、開口フラーレンをOCF(Open Cage Fullerene)、原子を内包した開口フラーレンを内包OCFと略記することにする。
生成した内包OCFは、レーザー光照射法により開口部を閉じることができる。トルエンなどの炭素原子の供給源となるガス雰囲気中でレーザー光を内包OCFが堆積した基板に照射する。レーザー光のエネルギーにより、内包OCFの開口部に付加していた水素や水酸基がとれ、炭素原子が付加することにより、内包原子を内包したまま、フラーレンの篭状構造が再形成される。
6員環よりも大きな開口部を通して内包原子を内包することが可能なので、閉じたフラーレンを原料とする内包フラーレンの製造方法では困難であったK、Rb、Cs、Fr、N、Fなどの大きな原子を内包することが可能になる。
また、LiやNaなどの比較的小さい原子を内包する場合でも、閉じたフラーレンを原料とする内包フラーレンの製造方法に比べ、内包フラーレンの形成効率が向上する。
(本発明の開口フラーレンの製造方法)
図1(a)は、本発明の開口フラーレンの製造方法に係る製造装置の断面図である。図1(a)に示す開口フラーレンの製造装置は、図7に示す内包フラーレンの製造装置と同様に、真空容器1と、真空ポンプ2と、電磁コイル3と、アルカリ金属プラズマ発生部と、フラーレン蒸気発生部と、堆積基板11と、バイアス電源13とから構成されている。
真空容器1は、真空ポンプ2により背景真空度10-5〜10-4Paに排気されている。アルカリ金属プラズマ生成部は、加熱フィラメント4と、ホットプレート5と、アルカリ金属昇華用オーブン6と、アルカリ金属ガス導入管7とから構成されている。アルカリ金属昇華用オーブン6で200℃〜500℃に加熱して発生させたアルカリ金属蒸気をアルカリ金属ガス導入管7から、加熱フィラメント4により2000℃〜3000℃に加熱したタングステン製のホットプレート5上に噴射すると、高温のホットプレート表面に接触したアルカリ金属原子が電離し、アルカリ金属の正イオンと電子とからなるプラズマが生成される。生成したプラズマは、電磁コイル3により形成した均一磁場(B=0.2~0.4T)により、真空容器1内の軸方向に閉じ込められ、ホットプレート5から真空容器1内に配置した堆積基板11に向かって流れるプラズマ流8になる。
フラーレン蒸気発生部は、フラーレン昇華用オーブン9と、フラーレンガス導入管10とから構成される。フラーレン昇華用オーブン9で500〜700℃に加熱して発生させたフラーレン蒸気をフラーレンガス導入管10から堆積基板11に向けて噴射する。フラーレンを噴射する導入管10と堆積基板11との距離は、堆積基板上にフラーレンが効率よく噴射される位置に設定するのが好ましい。堆積基板上にフラーレンを均一に噴射するためには、導入管10と堆積基板11との距離は1cm以上とするのが好ましく、噴射されたフラーレンが途中で拡散せずに堆積基板11上に効率よく到達するためには導入管10と堆積基板11との距離は20cm以下とするのが好ましい。
導電性の堆積基板11には、負のバイアス電圧を印加しておく。プラズマ流8を構成するアルカリ金属の正イオンが、堆積基板11に印加された負のバイアス電圧により加速エネルギーを得る。堆積基板11の近傍でフラーレン蒸気を構成するフラーレン分子の一部は、プラズマ中の電子により電離し、負イオンになっている。
バイアス電圧により加速されたアルカリ金属イオンは、高い運動エネルギーでフラーレン分子またはフラーレンイオンに衝突し、フラーレン分子の一部が破壊され、フラーレン分子上に開口部が形成される。堆積基板に印加するバイアス電圧の値は、アルカリ金属イオンが適切に加速され、フラーレン分子の一部の六員環を構成する炭素原子がとれ、それ以上のフラーレン分子の破壊を生じない程度に制御することが好ましい。
また、開口部を形成したフラーレンは、大気中に取り出した時に化学的に安定していることが好ましい。本発明者は、堆積基板に-30Vから-100Vの範囲のバイアス電圧を印加して、アルカリ金属イオンに加速エネルギーを与え、フラーレン分子に衝突させることにより、高い形成効率でフラーレン分子から1個の六員環が外れた開口フラーレン(OCF)を生成可能なことを見出した。開口部を構成する炭素原子の未結合手には、水素や水酸基が付加しているので、OCFを大気中に取り出しても安定であり、生成したOCFは取り扱いが容易である。
衝突によるOCF形成に用いるイオン種としては、アルカリ金属イオンが好ましい。アルカリ金属イオンをOCF形成に用いると、フラーレンに形成された開口部に水素や水酸基が付加しやすくなる。開口部の炭素原子と水素や水酸基が結合する反応に、アルカリ金属が触媒として作用していると考えられる。OCF形成に用いるアルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Frのいずれを用いることも可能であるが、入手の容易さ、OCFの形成効率から考えて、質量が適度に大きいNaあるいはKを用いるのが好ましい。Liは質量が小さいために、フラーレン分子に衝突した際に与える運動エネルギーが小さく、フラーレン分子に適切な開口部を形成するのが困難で、開口フラーレンの生成効率が低い。
開口部の炭素の未結合手に付加する水素や水酸基は、真空容器中の水分、あるいは、フラーレン原料中に不純物として含まれる水分から供給してもよい。また、水素や水酸基の量を制御するために、真空容器に水蒸気や水素ガスの流量を制御して導入してもよい。
(本発明の内包フラーレンの製造方法の第一実施例)
図1(b)は、本発明の製造方法で製造した開口フラーレンを用いて内包フラーレンを製造する製造装置の断面図である。図1(b)に示す内包フラーレンの製造装置は、図7に示す内包フラーレンの製造装置と同様に、真空容器21と、真空ポンプ22と、電磁コイル23と、アルカリ金属プラズマ発生部と、フラーレン蒸気発生部と、堆積基板31と、バイアス電源33とから構成されている。
真空容器21は、真空ポンプ22により背景真空度10-5〜10-4Paに排気されている。アルカリ金属プラズマ生成部は、加熱フィラメント24と、ホットプレート25と、アルカリ金属昇華用オーブン26と、アルカリ金属ガス導入管27とから構成されている。アルカリ金属昇華用オーブン26で200℃〜500℃に加熱して発生させたアルカリ金属蒸気をアルカリ金属ガス導入管27から、加熱フィラメント24により2000℃〜3000℃に加熱したタングステン製のホットプレート25上に噴射すると、高温のホットプレート表面に接触したアルカリ金属原子が電離し、アルカリ金属の正イオンと電子とからなるプラズマが生成される。生成したプラズマは、電磁コイル23により形成した均一磁場(B=0.2〜0.4T)により、真空容器21内の軸方向に閉じ込められ、ホットプレート25から真空容器21内に配置した堆積基板31に向かって流れるプラズマ流28になる。
OCF蒸気発生部は、OCF昇華用オーブン29と、OCFガス導入管30とから構成される。開口フラーレン(OCF)もフラーレンと同程度の温度で昇華する。OCF昇華用オーブン29で500〜700℃に加熱して発生させたOCF蒸気をOCFガス導入管30から堆積基板31に向けて噴射する。OCFを噴射する導入管30と堆積基板31との距離は、堆積基板上にフラーレンが効率よく噴射される位置に設定するのが好ましい。堆積基板上にOCFを均一に噴射するためには、導入管30と堆積基板31との距離は1cm以上とするのが好ましく、噴射されたフラーレンが途中で拡散せずに堆積基板31上に効率よく到達するためには導入管30と堆積基板31との距離は20cm以下とするのが好ましい。
導電性の堆積基板31には、負のバイアス電圧を印加しておく。プラズマ流28を構成するアルカリ金属の正イオンが、堆積基板31に印加された負のバイアス電圧により加速エネルギーを得る。堆積基板31の近傍でOCF蒸気を構成するOCF分子の一部は、プラズマ中の電子により電離し、負イオンになっている。
バイアス電圧により加速されたアルカリ金属イオンは、OCF分子またはOCFイオンに衝突し、OCFの開口部を通ってOCF中に内包される。アルカリ金属イオンとOCFイオンが衝突する場合は、衝突エネルギーだけでなくクーロン力も内包化に寄与する。
(開口フラーレンの質量分析データ)
図1(a)に示す開口フラーレンの製造装置により、アルカリ金属としてNa、K、Liを用いてC60を原料として堆積基板上に形成した薄膜の質量分析を行った。
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ、Na、K、Liを用いて形成された薄膜の質量分析データである。
薄膜の製造条件は、以下の通りである。

図5(a)
アルカリ金属:Na
背景真空度:5.4×10-5Pa
磁場強度:0.2T
ホットプレート電力:3.1kW
アルカリ金属オーブン温度:310℃
アルカリ金属ガス導入管温度:500℃
フラーレンオーブン温度:610℃
フラーレン再昇華円筒温度:630℃
バイアス電圧:-70V
堆積時間:3時間

図5(b)
アルカリ金属:K
背景真空度:3.5×10-5Pa
磁場強度:0.2T
ホットプレート電力:3.2kW
アルカリ金属オーブン温度:240℃
アルカリ金属ガス導入管温度:500℃
フラーレンオーブン温度:610℃
フラーレン再昇華円筒温度:630℃
バイアス電圧:-80V
堆積時間:1時間

図5(c)
アルカリ金属:Li
背景真空度:4.2×10-5Pa
磁場強度:0.2T
ホットプレート電力:3.2kW
アルカリ金属オーブン温度:480℃
アルカリ金属ガス導入管温度:500℃
フラーレンオーブン温度:610℃
フラーレン再昇華円筒温度:630℃
バイアス電圧:-30V
堆積時間:1時間
図5(a)に示すNaプラズマ照射の場合の質量分析データでは、質量数669、685、701の顕著なピークが観察される。これらのピークは、C60から6員環がひとつはずれて、その結果できた開口部の炭素に水素や水酸基が付加した開口フラーレンに対応する。質量数669、685、701のピークは、それぞれ、C54(OH)H5、C54(OH)2H4、C54(OH)3H3の存在を示すピークである。一方、Na@C60による質量数743のピークは現れておらず、内包フラーレンは形成されていない。さらに、C60による質量数720のピークも現れていない。
このことから、堆積基板に向けて噴射されたフラーレン分子またはフラーレンイオンが、堆積基板近傍でNaなどのアルカリ金属イオンに衝突されて、C60の篭状分子の一部が壊れ開口部が形成されると同時に、アルカリ金属の強い触媒作用により、C60の開口部の炭素原子と真空容器中の微量な水分が反応して、開口フラーレンが形成されたと考えられる。さらに、堆積基板に噴射したほぼ全てのフラーレンが開口フラーレンに変換されていることが示されており、本発明の開口フラーレンの製造方法による開口フラーレンの生成効率は極めて高い。
図5(b)に示すKプラズマ照射の場合の質量分析データでは、質量数685、701のピークが観察される。一方、K@C60による質量数759のピークは現れておらず、内包フラーレンは形成されていない。さらに、C60による質量数720のピークはごく小さなピークが観測される。
従って、Kプラズマの照射でも、フラーレンを高い効率で開口フラーレンに変換することが可能である。
図5(c)に示すLiプラズマ照射の場合の質量分析データでは、質量数669、685、701のピークが観察される。しかし、それらのピークよりも大きな強度でフラーレンによる720のピークやLi@C60による727のピークが観測される。
LiはNaやKに比べ、質量が小さく、フラーレンと衝突した時にフラーレンに与える衝突エネルギーが小さく、フラーレン上に開口部を形成する確率が小さい。また、イオン直径が小さいので、フラーレンを破壊せずに、フラーレンの内部に入り込む確率が高いと考えられる。
NaあるいはKを用いて開口フラーレンを形成する場合、堆積基板に印加するバイアス電圧は、上述したように、-30Vから-100Vの範囲で制御するのが好ましい。絶対値が30Vよりも小さい負電圧を印加した場合は、アルカリ金属イオンが持つ加速エネルギーが十分でないために、開口フラーレンの生成効率が低くなる。また、絶対値が100Vよりも大きい負電圧を印加した場合は、フラーレンに与える衝突エネルギーが大き過ぎて、開口部が必要以上に大きくなったり、スパッターにより堆積基板上から薄膜が除去されるという問題がある。バイアス電圧を、-30Vから-100Vの範囲で制御することにより、1個、または、2個の開口部が形成された開口フラーレンを効率よく生成することが可能である。
(フラーレン類の分子構造)
図2は、空のフラーレン、開口フラーレン、内包開口フラーレン、および、内包フラーレンの分子構造を示す図である。また、図3(a)〜(e)は、例えば、C60を原料とし、Naを触媒として本発明の開口フラーレンの製造方法により開口フラーレンを形成する工程、及び、形成された開口フラーレンを原料として、Kプラズマの照射により、開口フラーレンにK原子を内包し、内包開口フラーレンを形成する工程、さらに、形成された内包開口フラーレンの開口部を閉じて内包フラーレンを形成する工程を示す図である。
C60は、図2に示すように、炭素原子が結合した中空の球状分子である。一方、質量分析データで685のピークに対応する開口フラーレンC54(OH)2H4はC60から六員環がひとつ取れて開口部の炭素原子に水素と水酸基が付加した構造を持ち、15員環という大きな開口部を持っている。
図3(a)、(b)に示すように、開口フラーレン(OCF)は、例えば、水分の存在の元に、C60にNaイオンを衝突させて形成する。次に、形成された開口フラーレンを原料として、OCF分子またはイオンに対し、Kイオンを照射してK内包OCFを形成する(図3(c)、(d))。さらに、K内包OCFに炭素原子供給雰囲気の中でレーザー光を照射し、OCFの開口部を閉じる(図3(e))。
(開口フラーレンの開口部を閉じる方法)
C54(OH)2H4のような開口フラーレンは、大きな開口部を持つためKのような比較的大きな原子を容易に内包することができる。さらに、原子を内包したOCFに対し、炭素原子を供給する雰囲気中でレーザー光を照射することにより、原子を内包したままOCFの開口部を閉じて内包フラーレンを生成することが可能である。レーザー光を照射することにより、OCFの開口部に付加していた水素と水酸基が取れて、開口部の炭素原子の未結合手が、供給された炭素原子と結合し、開口部が閉じた内包フラーレンが形成される。
図4は、開口フラーレンの開口部を閉じる製造装置の断面図である。反応容器81中に、回転軸84を中心に回転可能な基板85が設置されている。反応容器81内は、トルエンなどの炭素原子を供給可能な溶媒を気化した蒸気が導入されている。例えば、トルエン蒸気の流量は、50〜100sccmとする。基板85上には、本発明の製造方法で製造した原子を内包した開口フラーレンの薄膜86が堆積されている。レーザー光源82からレーザー光83を基板85上の内包OCF膜86に対し照射する。レーザー光源としては、例えば、50〜500Wの出力で、波長ArF193nm、KrF248nm、XeCl308nmなどのエキシマレーザー光源を用いる。基板85上には内包OCFを含む薄膜を堆積しておく。あるいは、図1(b)の製造装置で用いた内包OCFを堆積した基板31を製造装置から取り外し、図4に示す反応容器内の回転軸84上に設置してもよい。基板85を回転させながら、レーザー光源82の横方向へのスキャンを繰り返し、基板85上に堆積した内包OCF86上に均等にレーザー光を照射する。例えば、1μmの膜厚の内包OCF薄膜に10〜60分のレーザー光を照射する。その後で、液体クロマトグラフィー法などの方法で形成された内包フラーレンを分離精製する。
(本発明の内包フラーレンの製造方法の第二実施例)
本発明の開口フラーレンの製造方法で製造した開口フラーレンは、Kなどのアルカリ金属だけでなく、ガス元素、例えば、F、Cl、Br、Iなどの比較的大きな原子を内包する場合にも、内包フラーレンの生成効率向上に効果がある。
図6(a)は、高周波誘導方式でプラズマを形成して、開口フラーレンにフッ素を内包する場合の内包フラーレンの製造装置の断面図である。真空容器41中にCF4などの原料ガスを導入し、真空容器周囲に配置した高周波誘導コイル45に交流電流を流すことにより、前記原料ガスを構成する粒子を励起し、CF3 +、F-などのイオンや電子からなるプラズマを発生させる。生成したプラズマは電磁コイル43により形成された均一磁場(B=2〜7kG)に沿ってメインチャンバー41内の軸方向に閉じ込められ、プラズマ発生部から堆積基板50に向かって流れるプラズマ流となる。
プラズマ流は、最初に、不要イオン除去用電極46を通過する。不要イオン除去用電極46は、メッシュ状の導電体からなる電極で、正のバイアス電圧が印加されている。内包フラーレンの形成に不要なCF3 +などの正イオンは、不要イオン除去用電極により斥力を受けるため、不要イオン除去用電極を通過できない。プラズマ流は、不要イオン除去用電極46を通過後、F-と電子のみからなるプラズマとなる。
OCF蒸気発生部は、OCF昇華用オーブン48と、OCFガス導入管49とから構成される。OCF昇華用オーブン48で500〜700℃に加熱して発生させたOCF蒸気をOCFガス導入管49から堆積基板50に向けて噴射する。OCFを噴射する導入管49と堆積基板50との距離は、堆積基板上にフラーレンが効率よく噴射される位置に設定するのが好ましい。堆積基板上にOCFを均一に噴射するためには、導入管49と堆積基板50との距離は1cm以上とするのが好ましく、噴射されたフラーレンが途中で拡散せずに堆積基板50上に効率よく到達するためには導入管49と堆積基板50との距離は20cm以下とするのが好ましい。
導電性の堆積基板50には、正のバイアス電圧を印加しておく。プラズマ流47を構成するフッ素の負イオンが、堆積基板50に印加された正のバイアス電圧により加速エネルギーを得る。
バイアス電圧により加速されたフッ素イオンは、OCF分子に衝突し、OCFの開口部を通ってOCF中に内包される。フッ素のような大きな原子でも、OCFの開口部を通って内包されるため、内包確率が向上する。
(本発明の内包フラーレンの製造方法の第三実施例)
図6(b)は、ECRプラズマ方式でプラズマを形成して、開口フラーレンに窒素原子を内包する場合の内包フラーレンの製造装置の断面図である。真空容器61中に窒素ガス導入管67から窒素ガスを導入し、マイクロ波発振器66により前記窒素ガスを構成する粒子を励起するECRプラズマ方式を用いて、電磁コイル63、64によりプラズマを閉じ込めることで、プラズマ中の電子温度を効率的に高め(高電子温度プラズマ)、窒素1個からなるN+イオンを多く含むECRプラズマを発生させることができる。生成したプラズマは磁場コイル65により形成された均一磁場(B=2〜7kG)に沿ってメインチャンバー61内の軸方向に閉じ込められ、プラズマ発生部から堆積基板73に向かって流れるプラズマ流となる。
プラズマ流は、最初に、電子温度制御用電極69を通過する。プラズマ流は負のバイアス電圧を印加した電極69の作用により、プラズマを構成する電子のエネルギーが10eV以下になるように制御される。
OCF蒸気発生部は、OCF昇華用オーブン71と、OCFガス導入管72とから構成される。OCF昇華用オーブン71で500〜700℃に加熱して発生させたOCF蒸気をOCFガス導入管72から堆積基板73に向けて噴射する。OCFを噴射する導入管72と堆積基板73との距離は、堆積基板上にフラーレンが効率よく噴射される位置に設定するのが好ましい。堆積基板上にOCFを均一に噴射するためには、導入管72と堆積基板73との距離は1cm以上とするのが好ましく、噴射されたフラーレンが途中で拡散せずに堆積基板73上に効率よく到達するためには導入管72と堆積基板73との距離は20cm以下とするのが好ましい。
導電性の堆積基板73には、負のバイアス電圧を印加しておく。プラズマ流70を構成する窒素の正イオンが、堆積基板73に印加された負のバイアス電圧により加速エネルギーを得る。堆積基板73の近傍でOCF蒸気を構成するOCF分子の一部は、プラズマ中の電子により電離し、負イオンになっている。
バイアス電圧により加速された窒素イオンは、OCF分子またはOCFイオンに衝突し、OCFの開口部を通ってOCF中に内包される。窒素イオンとOCFイオンが衝突する場合は、衝突エネルギーだけでなくクーロン力も内包化に寄与する。窒素のような大きな原子でも、OCFの開口部を通って内包されるため、内包確率が向上する。
(a)は、本発明の開口フラーレンの製造方法に係る製造装置の断面図である。(b)は、本発明の製造方法で製造した開口フラーレンを用いて内包フラーレンを製造する製造装置の断面図である。 空のフラーレン、開口フラーレン、内包開口フラーレン、および、内包フラーレンの分子構造を示す図である。 (a)乃至(e)は、本発明の開口フラーレン、及び、内包フラーレンの製造工程に係る図である。 開口フラーレンの開口部を閉じる製造装置の断面図である。 本発明の開口フラーレンの製造方法により生成した薄膜の質量分析データである。 本発明の開口フラーレンの製造方法により生成した薄膜の質量分析データである。 本発明の開口フラーレンの製造方法により生成した薄膜の質量分析データである。 (a)は、本発明の内包フラーレンの製造方法の第二実施例に係る製造装置の断面図である。(b)は、本発明の内包フラーレンの製造方法の第三実施例に係る製造装置の断面図である。 背景技術の内包フラーレンの製造方法に係る製造装置の断面図である。 背景技術の内包フラーレンの生成反応に係る図である。
符号の説明
1、21、41、61、101 真空容器
2、22、42、62、102 真空ポンプ
3、23、43、63、64、65、103 磁場コイル
4、24、104 加熱フィラメント
5、25、105 ホットプレート
6、26、106 アルカリ金属昇華用オーブン
7、27、107 アルカリ金属ガス導入管
8、28、47、70、108 プラズマ流
9、109 フラーレン昇華用オーブン
10、110 フラーレンガス導入管
29、48、71 開口フラーレン昇華用オーブン
30、49、72 開口フラーレンガス導入管
11、31、50、73、111 堆積基板
12、32、51、74、112 堆積膜
13、33、52、75、113 バイアス電源
81 反応容器
82 レーザー光源
83 レーザービーム
84 基板回転軸
85 基板
86 内包OCF薄膜
87 有機溶媒蒸気導入管
88 排気管
44、67 原料ガス導入管
45 高周波誘導コイル
46 不要イオン除去用電極
66 マイクロ波発生装置
68 ECRプラズマ
69 電子温度制御用電極

Claims (14)

  1. 真空室中で、アルカリ金属イオンを含むプラズマを、堆積基板の前面に導入したフラーレンに照射することにより、開口部を有する開口フラーレンを生成し、前記堆積基板上に前記開口フラーレンを堆積することを特徴とする開口フラーレンの製造方法。
  2. 前記アルカリ金属が、NaまたはKであることを特徴とする請求項1記載の開口フラーレンの製造方法。
  3. 前記フラーレンがCn(n=60〜84)で表されるフラーレンであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の開口フラーレンの製造方法。
  4. 前記堆積基板に-100V以上、-30V以下のバイアス電圧を印加することにより前記アルカリ金属イオンに加速エネルギーを与えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の開口フラーレンの製造方法。
  5. 磁界発生手段で発生させた磁界により、前記プラズマを前記真空室中に閉じ込め、前記プラズマの発生源から前記堆積基板まで前記プラズマを輸送することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の開口フラーレンの製造方法。
  6. 前記真空室中に水素ガスまたは水蒸気を流量制御して導入し、前記開口フラーレンの開口部の炭素原子に水素または水酸基を付加することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の開口フラーレンの製造方法。
  7. 前記フラーレンを前記プラズマ中に導入する導入部と前記堆積基板との距離が1cm以上、20cm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の開口フラーレンの製造方法。
  8. 真空室中で、内包原子イオンを含むプラズマを、堆積基板の前面に導入した開口フラーレンに照射することにより、内包原子を内包した内包開口フラーレンを生成し、前記堆積基板上に前記内包開口フラーレンを堆積し、前記内包開口フラーレンに対し炭素原子供給ガス雰囲気中でレーザー光を照射することにより、前記内包開口フラーレンの開口部を閉じ、内包フラーレンを生成することを特徴とする内包フラーレンの製造方法。
  9. 前記内包原子イオンの直径がフラーレンの6員環の平均直径よりも大きいことを特徴とする請求項8記載の内包フラーレンの製造方法。
  10. 前記内包原子が、K、Rb、Cs、Fr、N、F、Cl、Br、Iの中から選択された原子であることを特徴とする請求項8乃至9のいずれか1項記載の内包フラーレンの製造方法。
  11. 前記フラーレンがCn(n=60〜84)で表されるフラーレンであることを特徴とする請求項8または10のいずれか1項記載の内包フラーレンの製造方法。
  12. 磁界発生手段で発生させた磁界により、前記プラズマを前記真空室中に閉じ込め、前記プラズマの発生源から前記堆積基板まで前記プラズマを輸送することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載の内包フラーレンの製造方法。
  13. 前記フラーレンを前記プラズマ中に導入する導入部と前記堆積基板との距離が1cm以上、20cm以下であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の内包フラーレンの製造方法。
  14. 前記炭素原子供給ガスがトルエン蒸気であることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載の内包フラーレンの製造方法。
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