JP2006016237A - 多孔質酸化物粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子を大量かつ安価に製造することができる多孔質酸化物粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の多孔質酸化物粒子の製造方法は、酸化物前駆体から多孔質酸化物粒子を製造する方法であり、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、得られた熱処理物を純水中に投入することにより、この熱処理物から無機塩を溶解除去することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多孔質酸化物粒子の製造方法に関し、特に詳しくは、触媒、固体電解質、ガス分離膜、ガス吸着剤、各種物質の保持担体等に好適に用いられ、1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子の製造方法に関するものである。
従来、触媒、固体電解質、ガス吸着剤、ガスクロマトグラフィの担持体等として、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化スズ等のセラミックス粒子の表面に多数の細孔が形成された多孔質酸化物粒子が用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。
多孔質酸化物粒子を得る方法としては、一般的には、ポリメタクリル酸メチル等の有機高分子粒子とセラミックス粒子とを混合した後、高温にて熱処理し、有機高分子を分解除去する方法が知られている。
この方法によれば、連続した空孔を有するセラミック多孔質体が得られる。
特開2003−344882号公報 特開2002−11347号公報 特開2002−80206号公報 特開2002−220228号公報
ところで、従来の多孔質酸化物粒子を得る方法では、混合する有機高分子粒子の径がマイクロメートル台と大きいために、多孔質体の空孔径もマイクロメートルの大きさとなり、セラミック多孔質体の表面積を大きくすることが困難であるという問題点があった。
したがって、この様なセラミック多孔質体を燃料電池の電極、水素分離膜、水蒸気分離膜、酸素生成膜、ガスセンサ、排ガス除去触媒膜等に用いた場合、所望の性能を発現することが難しく、効率も悪いという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子を大量かつ安価に製造することができる多孔質酸化物粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥した後、酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、その後、無機塩を溶解除去することにより、1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子を大量かつ安価に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多孔質酸化物粒子の製造方法は、酸化物前駆体から多孔質酸化物粒子を製造する方法であって、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を前記酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、得られた熱処理物から前記無機塩を溶解除去することを特徴とする。
前記酸化物前駆体は、アルミニウム、ジルコニウム、希土類元素の群から選択された1種以上を含むことが好ましい。
前記無機塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物またはリン酸塩であることが好ましい。
前記無機塩の添加量は、前記酸化物前駆体の酸化物換算値に対して20重量%以上であることが好ましい。
前記熱処理物を酸性または中性の溶液に投入し、この溶液に前記熱処理物中の無機塩を溶解させることが好ましい。
本発明の多孔質酸化物粒子の製造方法によれば、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を前記酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、得られた熱処理物から前記無機塩を溶解除去するので、1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子を大量かつ安価に製造することができる。
さらに、無機塩の添加量を、酸化物前駆体の酸化物換算値に対して20重量%以上とすることで、1nm〜数十nm径の空孔を有するとともに、比表面積が100m2/gを超える様な多孔質酸化物粒子を大量にかつ安価に製造することができる。
本発明の多孔質酸化物粒子の製造方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の多孔質酸化物粒子の製造方法は、酸化物前駆体から多孔質酸化物粒子を製造する方法であり、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を前記酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、得られた熱処理物から前記無機塩を溶解除去する方法である。
この製造方法では、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を前記酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理することにより、粒子状酸化物を生成し、その後、純水や酸等の酸性または中性の溶液を用いた洗浄により、この粒子状酸化物から無機塩を溶解除去することで、この粒子状酸化物に簡単に1nm〜数十nmの空孔を生成させることが可能になる。
その結果、空孔径が1nm〜数十nmの連続したメソ孔を有する多孔質酸化物粒子を簡単にかつ大量に製造することができる。
次に、この多孔質酸化物粒子の製造方法について、より具体的に説明する。
まず、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を作製する。
酸化物前駆体としては、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)等の希土類元素、のいずれかを含む塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、オキシ塩化物、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート等の金属有機化合物に、水、アンモニア水、アンモニア炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物や炭酸塩等のアルカリ性溶液、もしくは、塩酸、硝酸等の酸を加えて中和あるいは加水分解することで得られた水酸化物あるいは含水酸化物が好適に用いられる。
これらの酸化物前駆体は、適当な温度に加熱することにより、酸化物粒子を生成する。
無機塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物またはリン酸塩であり、例えば、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が好適に用いられる。
ここでは、酸化物前駆体を溶媒に溶解し、この溶液に無機塩を添加する。無機塩は、溶液の状態で添加するのが望ましい。
ここで得られた溶液は、懸濁液または分散液であることが好ましく、この懸濁液または分散液のpHを、酸やアルカリ等のpH調整剤を用いて、酸化物前駆体の等電点のpHよりも1以上高くまたは低く調整することにより、ゾル状にしておく必要がある。
その理由は、この酸化物前駆体の懸濁状態または分散状態がゾル状ではなく凝集状態であると、無機塩を添加するときに不均一な混合が生じ、その結果、粒子内部に1nm〜数十nmの大きさの空孔を形成することができなくなってしまうからである。
無機塩の添加量は、酸化物前駆体から生成される酸化物の量、すなわち酸化物前駆体の酸化物換算値に対して20〜200重量%の範囲が好ましい。
この範囲であれば、燃料電池電極、水素分離膜、水蒸気分離膜、酸素生成膜、ガスセンサ、排ガス除去触媒膜等の構成材料として有効な性能を発揮させることのできる空孔の大きさが1nm〜数十nmで、しかも比表面積が100m/gを越えるような高比表面積の多孔質酸化物粒子を得ることができる。
ここで、無機塩の添加量が20重量%未満であると、得られる多孔質酸化物粒子の空孔率が低下し、その結果、この多孔質酸化物粒子の比表面積も小さくなり、良好な燃料電池電極、水素分離膜、水蒸気分離膜、酸素生成膜、ガスセンサ、排ガス除去触媒膜等の構成材料にならないからである。
また、この添加量が200重量%を越えると、1nm〜数十nmの大きさの空孔を形成することができなくなってしまい、その結果、空孔の大きさが1nm〜数十nmであり、比表面積が100m/gを越える多孔質酸化物粒子を得ることができなくなるからである。
次いで、この酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥する。
ここでは、酸化物前駆体溶液に無機塩溶液を加えて得られた懸濁液または分散液を、スプレードライヤー等の噴霧乾燥装置を用いて乾燥させる。
本実施形態の多孔質酸化物粒子の粒子径は、この乾燥工程により得られた乾燥物の粒子径によって決まる。すなわち、乾燥物の粒子径が多孔質酸化物粒子の粒子径にほぼ等しくなる。
そこで、噴霧乾燥装置の機種を適宜選択して、多孔質酸化物粒子の粒子径を適切に制御する必要がある。
例えば、サブミクロン以下の大きさの粒子を得たい場合、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を超音波噴霧器を用いて霧化し、この霧化した微粒子を加熱したガラス管内に導入することにより、サブミクロン以下の大きさ乾燥粒子を得ることができる。
また、サブミクロン以上の比較的大きい粒子を得たい場合、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を、2流体ノズル方式、4流体ノズル方式、あるいはアトマイザー方式の噴霧器を有するスプレードライヤーを使用することにより、サブミクロン以上の比較的大きい乾燥粒子を得ることができる。
以上により、酸化物前駆体と無機塩とが均一に混合された乾燥粒子が作製される。
次いで、電気炉等の熱処理装置を用いて、この乾燥粒子を、酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上かつ無機塩が分解しない程度の温度にて熱処理する。
この熱処理温度は、高い方が、高い使用環境温度でも空孔の大きさや比表面積の変化が小さく、しかも耐熱性に優れた多孔質酸化物粒子が得られ易く、通常は200〜900℃程度である。
上記の無機塩としては、以下のものが例示できる。ここでは( )内の数字は、融解温度または熱分解温度を示している。
(1)リチウム塩:
LiCl(605℃)、LiI(446℃)、LiBr(550℃)、LiCO(618℃)。
(2)カリウム塩:
KNO(339℃)、KCl(770℃)、KF(860℃)、KI(680℃)、KBr(730℃)、KPO(1340℃)、KSO(1069℃)、KCO(891℃)。
(3)ナトリウム塩:
NaNO(306℃)、NaCl(801℃)、NaI(651℃)、NaBr(747℃)、NaF(993℃)、NaSO(884℃)、NaCO(851℃)。
(4)カルシウム塩:
Ca(NO(561℃)、CaCl(772℃)、CaI(740℃)、CaBr(730℃)、CaSO(1450℃)。
(5)マグネシウム塩:
Mg(NO(330℃)、MgCl(714℃)、MgI(700℃)、MgBr(711℃)、MgSO(1185℃)。
(6)ストロンチウム塩:
Sr(NO(570℃)、SrCl(875℃)、SrI(402℃)。
(7)バリウム塩:
Ba(NO(592℃)、BaCl(962℃)、BaI(740℃)、BaBr(847℃)。
この熱処理により、酸化物前駆体は酸化されて、ジルコニア(ZrO)、セリア(CeO)、イットリア(Y)、アルミナ(Al)等の酸化物粒子(熱処理物)となる。
次いで、この酸化物粒子を、酸性または中性の溶液中、例えば、純水やpHが2〜6程度の酸性溶液(無機酸や有機酸)に投入し、この酸化物粒子中の無機塩を溶液中に溶解させ、除去する。
以上により、空孔径が1nm〜数十nmの連続したメソ孔を有する多孔質酸化物粒子を作製することができる。
この空孔径については、ガスあるいは液体分子が通過するサイズであり、また、空孔内に各種触媒能を付与するための各種貴金属や遷移金属を付着させるのに好適であり、さらには、高い比表面積を維持するものとして 1nm〜数十nmの径のものがよく、より好ましくは2nm〜50nmに最大ピークを有する空孔径分布である。
この様にして得られた多孔質酸化物粒子としては、ジルコニア(ZrO)、セリア(CeO)、イットリア(Y)、アルミナ(Al)等の単一成分の多孔質酸化物粒子の他、イットリア含有ジルコニア、ジルコニア(ZrO)とセリア(CeO)の化合物等の2成分以上の金属元素を含む金属酸化物あるいは金属酸化物固溶体からなる多孔質酸化物粒子が挙げられる。
この多孔質酸化物粒子に各種機能を付与するために、空孔内あるいは表面に、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)等の貴金属元素や白金族元素、あるいはニッケル(Ni)、鉄(Fe)等の遷移金属を付着させた構成としてもよい。
以上説明した様に、本実施形態の多孔質酸化物粒子の製造方法によれば、酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、得られた熱処理物を酸性または中性の溶液中に投入し、粒子内部の無機塩を溶解除去するので、1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子を大量かつ安価に製造することができる。
この多孔質酸化物粒子は、1nm〜数十nm径の空孔を有するので、この多孔質酸化物粒子をセラミック多孔質構造体に利用すれば、高い比表面積を付与することができる。
また、この多孔質酸化物粒子は、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)等の希土類元素、のいずれかを含むので、燃料電池電極、水素分離膜、水蒸気分離膜、酸素生成膜、ガスセンサ、排ガス除去触媒膜等の構成材料として有用である。
以下、実施例1〜4により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
「メソポーラス状ジルコニア粒子の作製」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩2615g(ZrO1000gに相当)を純水40L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水1050gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調整した。
次いで、限外濾過装置を用いて、このスラリーからイオン性の不純物を除去し、その後、酢酸を加えてpHを3.5に調整し、ゾル状の前駆体スラリーを調整した。このゾル状のスラリーに、硫酸ナトリウム200gを10Lの純水に溶解させた硫酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体と硫酸ナトリムが混合したスラリーを調整した。
次いで、このスラリーを4流体ノズル方式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、ジルコニア前駆体と硫酸ナトリウムが混合した乾燥粒子を作製した。
次いで、電気炉を用いて、この乾燥粒子に大気中、850℃にて1時間熱処理を施し、ジルコニア前駆体を加熱脱水させてジルコニアヘ変化させた。これにより、ジルコニアと硫酸ナトリウムが混合した粒子が得られた。
次いで、このジルコニアと硫酸ナトリウムが混合した粒子を純水に投入して24時間攪拌し、この粒子内部の硫酸ナトリウムを純水に溶解させた後、デカンテーションにより硫酸ナトリウムイオンを除去し、その後、120℃で乾燥し、メソポーラス状ジルコニア粒子を作製した。
(実施例2)
「メソポーラス状ジルコニア粒子の作製」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩2615g(ZrO1000gに相当)を純水40Lに溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水1050gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調整した。
次いで、限外濾過装置を用いて、このスラリーからイオン性の不純物を除去し、その後、酢酸を加えてpHを3.5に調整し、ゾル状の前駆体スラリーを調整した。このゾル状のスラリーに、硫酸ナトリウム1000gを10Lの純水に溶解させた硫酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体と硫酸ナトリムが混合したスラリーを調整した。
次いで、このスラリーを4流体ノズル方式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、ジルコニア前駆体と硫酸ナトリウムが混合した乾燥粒子を作製した。
次いで、電気炉を用いて、この乾燥粒子に大気中、850℃にて1時間熱処理を施し、ジルコニア前駆体を加熱脱水させてジルコニアヘ変化させた。これにより、ジルコニアと硫酸ナトリウムが混合した粒子が得られた。
次いで、このジルコニアと硫酸ナトリウムが混合した粒子を純水に投入して24時間攪拌し、この粒子内部の硫酸ナトリウムを純水に溶解させた後、デカンテーションにより硫酸ナトリウムイオンを除去し、その後、120℃で乾燥し、メソポーラス状ジルコニア粒子を作製した。
(実施例3)
「メソポーラス状ジルコニア粒子の作製」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩2615g(ZrO1000gに相当)を純水40Lに溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水1050gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調整した。
次いで、限外濾過装置を用いて、このスラリーからイオン性の不純物を除去し、その後、酢酸を加えてpHを3.5に調整し、ゾル状の前駆体スラリーを調整した。このゾル状のスラリーに、硫酸ナトリウム1500gを10Lの純水に溶解させた硫酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体と硫酸ナトリムが混合したスラリーを調整した。
次いで、このスラリーを4流体ノズル方式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、ジルコニア前駆体と硫酸ナトリウムが混合した乾燥粒子を作製した。
次いで、電気炉を用いて、この乾燥粒子に大気中、850℃にて1時間熱処理を施し、ジルコニア前駆体を加熱脱水させてジルコニアヘ変化させた。これにより、ジルコニアと硫酸ナトリウムが混合した粒子が得られた。
次いで、このジルコニアと硫酸ナトリウムが混合した粒子を純水に投入して24時間攪拌し、この粒子内部の硫酸ナトリウムを純水に溶解させた後、デカンテーションにより硫酸ナトリウムイオンを除去し、その後、120℃で乾燥し、メソポーラス状ジルコニア粒子を作製した。
(実施例4)
「メソポーラス状セリア−ジルコニア粒子の作製」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩1289gと硝酸セリウム6水塩1737gを純水40Lに溶解させたセリウム塩−ジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水1250gを純水20Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、セリア−ジルコニア前駆体スラリーを調整した。
次いで、限外濾過装置を用いて、このスラリーからイオン性の不純物を除去し、その後、酢酸を加えてpHを3.5に調整し、ゾル状の前駆体スラリーを調整した。このゾル状のスラリーに、炭酸カリウム1000gを10Lの純水に溶解させた炭酸カリウム水溶液を攪拌しながら加え、セリア−ジルコニア前駆体と炭酸カリウムが混合したスラリーを調整した。
次いで、このスラリーを4流体ノズル方式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、セリア−ジルコニア前駆体と炭酸カリウムが混合した乾燥粒子を作製した。
次いで、電気炉を用いて、この乾燥粒子に大気中、850℃にて1時間熱処理を施し、セリア−ジルコニア前駆体を加熱脱水させてセリア−ジルコニアヘ変化させた。これにより、セリア−ジルコニアと炭酸カリウムが混合した粒子が得られた。
次いで、このセリア−ジルコニアと炭酸カリウムが混合した粒子を純水に投入して24時間攪拌し、この粒子内部の炭酸カリウムを純水に溶解させた後、デカンテーションにより炭酸カリウムイオンを除去し、その後、120℃で乾燥し、メソポーラス状セリア−ジルコニア粒子を作製した。
この様にして得られた実施例1〜4それぞれの粒子について、比表面積、空孔径を測定し、耐熱性を評価した。
(1)比表面積
BET法により粒子の比表面積を測定した。
(2)空孔径
BET法により測定した粒子の比表面積から空孔径を算出した。
(3)耐熱性
800℃にて24時間加熱処理前後の比表面積をBET法により測定し、比表面積の変化率(%)を算出した。
これらの結果を表1に示す。
また、実施例3のメソポーラス状ジルコニア粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)像を図1に示す。
Figure 2006016237
これらの結果によれば、実施例1〜4それぞれの粒子共に、空孔径が2〜30nm以内であり、径がナノメートル台〜10ナノメートル台の空孔を形成することができることが分かった。また、比表面積についても106〜190m/gと、100m/gを越えたものとなっていることが分かった。
また、比表面積の変化率が−0.4%以内であり、耐熱性に優れていることが分かった。
以上により、空孔の大きさが1nm〜数十nmであり、比表面積が100m/gを越え、しかも耐熱性に優れた多孔質酸化物粒子を容易に得ることができることが分かった。
本発明の多孔質酸化物粒子の製造方法は、1nm〜数十nm径の空孔を有し、比表面積が大きく、耐熱性に優れ、しかも高温における空孔率の安定性の高い多孔質酸化物粒子を大量かつ安価に得ることができるものであるから、触媒、固体電解質、ガス分離膜、ガス吸着剤、各種物質の保持担体等の多孔質酸化物粒子の製造に用いるのはもちろんのこと、セラミックス、高分子等とのコンポジット化を図ることで空孔径及び比表面積が十分確保されたコンポジット粒子を製造する際にも極めて有用なものである。
本発明の実施例3のメソポーラス状ジルコニア粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す図である。

Claims (5)

  1. 酸化物前駆体から多孔質酸化物粒子を製造する方法であって、
    酸化物前駆体と無機塩とを含む溶液を噴霧乾燥し、得られた乾燥物を前記酸化物前駆体から生成される酸化物の生成温度以上の温度にて熱処理し、得られた熱処理物から前記無機塩を溶解除去することを特徴とする多孔質酸化物粒子の製造方法。
  2. 前記酸化物前駆体は、アルミニウム、ジルコニウム、希土類元素の群から選択された1種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の多孔質酸化物粒子の製造方法。
  3. 前記無機塩は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物またはリン酸塩であることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質酸化物粒子の製造方法。
  4. 前記無機塩の添加量は、前記酸化物前駆体の酸化物換算値に対して20重量%以上であることを特徴とする請求項1、2または3記載の多孔質酸化物粒子の製造方法。
  5. 前記熱処理物を酸性または中性の溶液に投入し、この溶液に前記熱処理物中の無機塩を溶解させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の多孔質酸化物粒子の製造方法。
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